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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ペレットを搬入する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/02 20060101AFI20240709BHJP
   B01J 8/06 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B01J8/02 A
B01J8/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019554519
(86)(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018028049
(87)【国際公開番号】W WO2018195133
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】62/487,527
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503337302
【氏名又は名称】チューブマスター・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーネット,ダグラス,キース
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,クリフォード,エル
(72)【発明者】
【氏名】マックアンドリュース,デニス,パトリック
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】金 公彦
【審判官】増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-500561(JP,A)
【文献】国際公開第2005/053833(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1374985(EP,A1)
【文献】特開平9-53918(JP,A)
【文献】特開2007-283253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 8/00- 8/46
B01J 4/00- 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットをレセプタクルに搬入する方法であって、
開放上端部及び下端部を有するレセプタクルを提供するステップと、
注入管の第1の端部を前記レセプタクルの前記開放上端部に挿入し、前記下端部近傍の位置まで下方に降ろすステップであって、前記注入管は、前記注入管の長さに沿った離散した高さに設けられた複数の垂直離間開口部を有する、ステップと、
加圧流体を前記注入管に注入するステップであって、前記加圧流体は前記垂直離間開口部を通って流出する、注入するステップと、
前記加圧流体が前記注入管を通り、前記垂直離間開口部を通って流れ出る間、複数のペレットを前記開放上端部から前記レセプタクルに順次落下させるステップであって、前記加圧流体が前記垂直離間開口部を通って流れ出るとき、前記加圧流体は、前記ペレットの加速度を低減させる複数の局所的な仮想ブランケットのそれぞれを形成し、前記複数の局所的な仮想ブランケットは、前記ペレットの搬入中に前記ペレットが前記レセプタクルを落下するときに前記ペレットに減速力を与えるように、前記注入管の長さに沿った離散した高さに離間して設けられる、落下させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ペレットが前記レセプタクル内に降下して、前記レセプタクル内で高さが上昇する降下ペレット群を形成するにつれて、前記注入管を前記レセプタクルから徐々に取り外すステップであって、前記ペレットが前記レセプタクル内に落下し続けるにつれて、前記注入管の前記第1の端部を前記降下ペレット群の前記高さよりも上に維持する、取り外すステップ
を更に含む、請求項1に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項3】
前記レセプタクルの上部に真空を適用するステップであって、前記加圧流体を除去し、前記加圧流体により落下する前記ペレットの流れの外に積もった塵粒子を除去する、適用するステップ
を更に含む、請求項2に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項4】
前記注入管の前記第1の端部は閉じられる、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項5】
前記垂直離間開口部は、前記注入管に対して同じ方向に力を及ぼすよう半径方向に位置合わせされる、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項6】
前記注入管の前記第1の端部に隣接して搭載されるカメラを更に含み、前記カメラは前記ペレットを監視する、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項7】
前記注入管の前記第1の端部に隣接して搭載される距離センサを更に含み、前記距離センサは、前記レセプタクル内の前記降下ペレット群の高さを検出する、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項8】
コントローラを更に含み、前記コントローラは、前記距離センサ及び注入管駆動装置と通信し、前記距離センサにより測定される前記レセプタクル内の前記降下ペレット群の前記高さの上昇に応答して、前記レセプタクルからの前記注入管の取り外しを制御する、請求項7に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項9】
前記注入管の前記第1の端部は閉じられる、請求項8に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項10】
前記垂直離間開口部は、前記注入管に対して同じ方向に力を及ぼすよう半径方向に位置合わせされる、請求項9に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項11】
前記レセプタクルの前記下端部は、前記ペレットが前記レセプタクル内に搬入中である間、一時的に閉じられ、前記レセプタクルの前記下端部は、前記ペレットが搬入完了すると、再び開放される、請求項10に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項12】
前記レセプタクルの前記下端部は、前記ペレットが前記レセプタクル内に搬入中である間、一時的に閉じられ、前記レセプタクルの前記下端部は、前記ペレットが搬入完了すると、再び開放される、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項13】
前記注入管を前記レセプタクルから徐々に取り外すステップは、コントローラにより制御され、前記コントローラは、注入管駆動装置、注入管スプールエンコーダ、及びカメラ、距離センサ、及び重量計からなる少なくとも1つの群と通信して、前記注入管の徐々な取り外しを自動的に制御する、請求項2に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【請求項14】
前記注入管を前記レセプタクルから徐々に取り外すステップは、コントローラにより制御され、前記コントローラは、注入管駆動装置、注入管スプールエンコーダ、及びカメラ、距離センサ、及び重量計からなる少なくとも1つの群と通信して、前記注入管の徐々な取り外しを自動的に制御する、請求項3に記載のペレットをレセプタクルに搬入する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本願は、2017年4月20日付けで出願された米国仮特許出願第62/487,527号への優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ペレットをレセプタクルに搬入する、例えば、触媒を化学反応器又は炉の垂直反応管に搬入する等の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの化学反応器は基本的に、大型シェルアンドチューブ式熱交換容器であり、反応は管内部で行われ、冷却剤が容器内の管外部を循環する。炉管は開放され、下部において固定マニホルド及び上部において流出パイプに取り付けられ、ガスが垂直長さに沿って外部から噴射される。化学反応容器は、単一容量の触媒を内部に有する単純なタンクであることもでき、又は1つの大きな管であることもできる。幾つかの化学反応は、水蒸気改質炉及び10本から500本、又は500本超のそのような管を有するシステムの一部であり得る他の管で生じる。これらの容器及び管のいずれでも、通常はペレットの形態の触媒(及び触媒ではない他のタイプのペレット)を管又は容器に搬入し得る。ペレットは定期的に交換される。
【0004】
管はかなり長くなり得、数階の高さの構造内に収容される。ペレットは、重力により管を流れ得るように、管の上部より上の高さまで数階の高さを輸送され得る。例えば、多くの炉内の管は45フィート(15m)を超え得る。
【0005】
触媒業界では、変換効率を改善する、より高品質の触媒を製造する取り組みが行われている。変換効率は、触媒の初期品質のみならず、触媒ペレットの搬入効率によっても影響を受ける。ペレットは各反応管又は炉管に慎重に搬入されて(1つの反応器内には数千の管があり得る)、各管を均一に充填しようとする。
【0006】
触媒ペレットは多くの場合、非常に脆い、すなわち、非常に壊れやすく砕けやすい。より高性能な品質の触媒を得る触媒製造業者側の努力により、結果として、触媒ペレットは、圧壊強度がより低く、更により繊細になった。取り扱い中、特に搬入プロセス中、ペレットの劣化を回避することが望ましい。ペレットを45フィートの長さの反応管又は炉管に落下させると、ペレットは高い確率で破砕し劣化することになり、これは望ましくない。
【0007】
長い管を落下するペレットは、かなりの速度及び運動エネルギーに達し、これらは、管の底部又は他のペレットの上に着地する際、散逸されなければならない。ペレットがエネルギーを散逸し、静止するには時間がかかり得る。幾つかのペレットは、単に各管をその長さ落下することにより砕け得る。ペレットに、他のペレットが上に搬入される前にペレットが静止するための十分な時間が与えられない場合、充填密度が下がる恐れがあり、充填密度の低下は望ましくない。
【0008】
従来、ペレットが管を落下する際、ペレットの速度及び運動エネルギーを低減するために、ペレットが受け取り管を通って下方に流れる際にペレットが衝突又は沿って摺動する、バネ、「ウィスカ」、螺旋状ランプ、及び他の機械的装置を含め、多くの装置及び方法が使用されてきた。不都合なことに、これらの機械的装置へのペレットの繰り返しの衝突も、脆いペレットを劣化させる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ペレットへのダメージを低減し、充填密度を改善するために、速度及び運動エネルギーを低減して、これらのペレットを反応管又は炉管(又は他のレセプタクル)に搬入する装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
本発明は、加圧ガス(圧縮空気等)を使用して、ペレットが落下する際、ペレットの加速度を重力に起因したペレットの自然加速度未満に低減する、ペレットをレセプタクルに搬入する搬入装置及び搬入方法に関する。圧縮空気は、受け取り管又は他のレセプタクル(ボックス又は反応容器等)の長さに沿った複数の高さ位置で解放され、落下するペレットに複数の空気の「仮想ブランケット」を提供し、受け取り管又は他のレセプタクルの長さに沿うペレットの加速度を低減するためにペレットに衝突し、各ペレットのソフトランディングを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】シェルアンドチューブ型の化学反応容器の概略を示す断面図である。
図2図1の反応器の上管シートの平面図である。
図3】1つの反応管、管シート、及びペレットの切り欠き概略断面図であり、反応管の上部開口部にわたるペレットの架橋を示し、反応管内部の触媒架橋を示す。
図4図3と同様であるが、反応管の上に、反応管の直径よりも小さな直径を有し、管に搬入が行われているとき、反応管内部へのペレットの架橋を回避する、反応管に向かう開口部を有する表面が追加された切り欠き概略断面図である。
図5】管内部へペレットを減速して搬入することに使用される管の側面図である。
図6】ペレットが搬入される管内部での図5の管の側面図である。
図7図6と同様であるが、管内部に搬入されているペレットを示す側面図である。
図8図4と同様であるが、搬入スリーブを使用する側面図である。
図9図6と同様であるが、管の挿入及び引き抜きにモータ及びエンコーダを有するホースリールを使用する装置の側面図である。
図10図9と同様であるが、ホッパー、スケール、及び漏斗がペレットの搬入に使用されることを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は典型的な化学反応容器10を示し、典型的な化学反応容器10はシェルアンドチューブ式熱交換器であり、上管シート12及び下管シート14を有し、複数の垂直反応管16が管シート12、14に対して溶接され又は拡管されて、密に詰められた管束を形成する。管シート12と14との間に延びる1本から数百本、更には数千本の円筒管16があり得る。各管16は、上管シート12に隣接する上端部と、下管シート14に隣接する下端部とを有し、管16は、触媒又は他のペレットを反応管16内部に保持するクリップが下端部にあることを除き、両端部において開かれる。上管シート12及び下管シート14は、管16の外径のサイズの複数の開口部を有し、各管16は、上管シート12及び下管シート14の各開口部内に配置される。
【0013】
容器10は、上部ドーム(又は上部ヘッド)13及び下部ドーム(又は下部ヘッド)15並びに容器10内部の管シート12、14にアクセスするための人道17を含む。人道は、反応器の動作中、閉鎖されるが、触媒取り扱い中等、アクセスのために開かれる。ここでは、反応管16は、化学反応を促進する触媒ペレットで充填される。(同様の形状のシェルアンドチューブ式熱交換器が、ボイラー、炉、又は他の熱交換器等の他の目的で使用され得ることに留意し得る)。
【0014】
この特定の反応容器10はかなり典型的である。管の長さは5フィートから65フィートの範囲であり得、反応容器10は構造的鋼鉄スキッド又は枠組み(図示せず)で囲まれ、構造的鋼鉄スキッド又は枠組みは、反応容器10の管シート高さへのアクセス並びに中間高さ及び反応容器10の上部開口部の高さ又はその近傍にあり得る最も高い高さへのアクセスのための階段又はエレベーターを含む。2ヶ月ごとから48ヶ月ごと以上であることができる一定期間ごとに、触媒の効率が落ち、生産性が落ち、又は「被毒されたもの」になると、触媒は取り替えられ、古い触媒は取り除かれ、新しい分量の触媒が反応容器10の管16内に設置される。触媒の取り扱いはまた、緊急時、未定であり通常望ましくないスケジュールで行う必要があることもある。
【0015】
触媒交換作業は反応器の完全なシャットダウンを含み、これは生産損失に起因したかなりのコストを生じさせる。本明細書に示され記載される搬入装置は、新しい反応器での初期搬入及び触媒交換作業の両方に使用することができる。(上部開口部から下方に延びるレセプタクルにペレットを搬入すべき他の状況で使用することもできる)。ペレットの穏やかな搬入を行いながら、それでもなお、反応器のシャットダウンによって生じる生産損失及び付随コストを最小に抑えるために、搬入を含む触媒交換作業に必要な時間量を最小に抑えることが望ましい。
【0016】
図2は、複数の反応管16を含む(下管シート14と同一の)図1の上管シート12の概略平面図である。図3に示されるように、触媒ペレット18は、触媒を反応管16に搬入しようとする際、反応管16(レセプタクル)の開放上端部を架橋する可能性があり、これは、ペレットが反応管16に入るのを妨げる。さらに、2つ以上のペレット18が反応管の上部開口部にほぼ同時に落下する場合、管16内部を架橋して橋の下に空隙又は空間を作り出す触媒の橋を形成し、触媒が反応管16を均一且つ完全に充填するのを妨げ、反応管16の非均一で望ましくない触媒搬入に繋がるのに有利な状況になる。
【0017】
反応管16内部の触媒ペレット18の橋形成を回避するために、設置者は、反応管16の内径よりも小さな直径の開口部34を有し、それにより、反応管16へのペレット18のフローを制限し、管16内部での橋形成を回避する型板20(図4に示される)又は搬入スリーブ(図8の搬入スリーブ21と同様)に頼ってきた。(すなわち、ペレットが「一列縦隊」で又はいかなるときでも管の全径に広がることができないほど十分に少数で一度に管16を通って流れる場合、橋形成は生じない)。炉又は改質管の内径(通常、4インチ以上の範囲)は、これらの管に搬入されるペレットの最大寸法よりもはるかに大きいため、この橋形成状況が炉又は改質管ではあまり生じないことに留意されたい。
【0018】
図1及び図5図8は、より詳細に後述するように、各受け取り管又はレセプタクル16に挿入されて、ペレットを減速して搬入することに役立つ、ポリエチレン管等の薄く可撓性がある中空のガス注入管22を示す。
【0019】
図5を参照すると、ガス注入管22は垂直離間され、半径方向で位置合わせされた複数の開口部24を含み、各開口部24は、注入管22の壁を貫通し、加圧流体(圧縮空気26等、図6参照)を注入管22の内部から注入管22の外部及び受け取り管又はレセプタクル16の内部に流す流通を提供する。注入管22の第1の端部30はレセプタクル16に挿入される。注入管22の第2の端部31は、図6に示されるように、圧縮空気源から加圧空気26を受け取る。(加圧空気26は、第2の端部31から注入管22に流入し、複数の開口部24を通って注入管22から出てレセプタクル16に入る。)次に、加圧空気26は、図7に示されるように、受け取り管16の上部における真空マニホルド38を通って受け取り管16から流出し、真空源36に流入する。
【0020】
加圧空気26は、注入管22の各開口部24のすぐ外側に複数の局所的な「仮想ブランケット」28を形成する。注入管22の長さに沿った離散的な高さにおける局所的な空気圧ブランケット28の連続は減速力を提供し、減速力は、触媒搬入プロセス中、触媒ペレット18が受け取り管16を通って落下する際、各触媒ペレット18に対して作用する。
【0021】
開口部24は、1フィートごと、6インチごと、1mごと、又は均一若しくは非均一であり得る任意の所望の間隔で配置されて、所望の減速効果を達成し得る。開口部24は好ましくは、半径方向に位置合わせされ、それにより、開口部24は全て、注入管22に対して同じ方向に力を及ぼし、注入管22をレセプタクル16の片側に押し付けようとする。注入管22の第1の端部30は好ましくは、キャップ、プラグ、管22の熱融着、又は他の既知の手段により封止される。図8のように、型板又は搬入スリーブ21が使用される場合、注入管22の第1の端部30は、型板若しくは搬入スリーブ21又は他の搬入装置の小型開口部40(図8参照)を通して受け取り管16の上部に挿入され、又は注入管22の第1の端部30は、ペレットが受け取り管16に向かって通る同じ開口部34に挿入され得る。マニホルド38及び真空ライン36は図8に示されていないが、図7の実施形態と全く同じように、その実施形態にも存在する。注入管22の第1の端部30がレセプタクル16の下部に隣接すると、搬入を開始することができる。次に、注入管22は、ペレットがレセプタクル16内に落下し、ペレットの高さが上昇するにつれて、注入管22の第1の端部30がペレットの高さの上に留まるように、ペレットがレセプタクル16内に導入され続けるにつれ、レセプタクル16から徐々に取り外される。
【0022】
図7を参照すると、各仮想「ブランケット」28は好ましくは、触媒ペレット18が受け取り管16を通って落下する際、触媒ペレット18の下方運動を減速させるのにちょうど十分であるが、完全に停止させない、又は逆流させない強さ及び小さな微粉及び塵を受け取り管16の上部に強制的に送るのに十分な強さである。各触媒ペレットは、注入管22の開口部24のそばを通る際、減速し、各ペレットは最終的に、受け取り管16の下部におけるクリップ32図9参照)上又は前に堆積した触媒ペレット18の上に穏やかに降下し、レセプタクル16内に高さが上昇するペレット群を形成する。
【0023】
一実施形態では、注入管22は、加圧流体の温度変動にも拘わらず開口部24がほぼ同じサイズのままであるように熱的に安定もする、ポリエチレン管等の薄く可撓性がある材料で作られる。開口部は、注入管22に沿った各位置又は任意の位置で1つ又は複数であることができ、示されていない精密オリフィスを含む様々な種類であることができる。また一実施形態では、先に説明したように、開口部24は半径方向に位置合わせされ、それにより、加圧空気26がオンになると、半径方向に位置合わせされた開口部24を通って排出される加圧空気の力が、受け取り管16の一方向に向けて注入管22を押し(図7に示されるように)、橋を形成する傾向がなく、触媒ペレット18が受け取り管16の長さに沿って落下する、より制限のない空間を提供する。ここでも、仮想空気「ブランケット」28は、各触媒ペレットに減速力を与える。受け取り管16へのペレット18の搬入率は、搬入プロセス中、受け取り管16内部の橋形成を回避し、各ペレットが既に搬入された他のペレットに接触する際、管の全長に沿ったどの位置でも同じ速度を有することを保証するように制御される。
【0024】
ペレットが受け取り管16に搬入されるにつれて、注入管22は受け取り管16から徐々に引き出され、それにより、注入管22の閉じられた第1の端部30は常に、受け取り管16内のペレットの高さから所望の距離だけ上にある。
【0025】
先に説明したように、受け取り管16の下端部は、ペレットが下部から落下しないようにするクリップ又はバネ32図9参照)を有する。搬入プロセス中、圧縮空気が受け取り管16の下部から逃げないようにするために、搬入プロセス中、受け取り管16の下端部は、キャップ又はプラグ32(図7参照)で一時的に塞ぎ得、又は図9に示されるように、プロセスは単に、触媒ペレットの上昇する層によって、受け取り管16の下部からの圧縮空気の流出を制限し得る。
【0026】
真空源36(図7参照)はマニホルド38に適用され、マニホルド38は、受け取り管16の上部において受け取り管16の内部と流れを通じて、注入管22を介して受け取り管16内に注入されている空気を引き出す。触媒ペレット18が受け取り管16に搬入されているとき、触媒ペレット18の取り扱い中に生成され得る任意の塵粒子又は微粉は連続して、マニホルド38及び真空ライン36を通して受け取り管16外に吸引され、より密な搬入と、搬入された触媒の管又は触媒の層におけるより低い圧力降下という結果となる。高多孔性で設計された砕けやすいペレットは、塵及び微粉が除去され、最小に保たれる場合、より密に且つ均一に充填される傾向があり、これは望ましいことである。
【0027】
搬入手順
ペレットを受け取り管16に搬入するために、注入管22の第1の端部30は、注入管22の第1の端部30が受け取り管16の下部に隣接するまで、受け取り管16の開放上部から導入される。レーザ又は音響センサ(図示せず)等の小型ビデオカメラ、LED光、及び電子距離センサを注入管22の第1の端部30に隣接して搭載して、搬入されたペレットの上昇する層に対する注入管22の第1の端部30の位置をモニタ及び測定し、受け取り管16内部のペレット18の実際の搬入をモニタし得ることに留意されたい。
【0028】
注入管22の第1の端部30が受け取り管16内に導入されると、真空源36と同様に圧縮空気源26が作動し、ペレット18は、型板、搬入スリーブ、又は他の搬入装置の開口部34を通り(又は受け取り管16の直径が、橋形成が問題ではない程十分に大きい場合、単に受け取り管16の開放上部を通り)徐々に落下する。ペレット18は開口部34を通って受け取り管16に流入する。ペレット18が受け取り管16を落下するにつれて、注入管22内の各開口部24における仮想空気「ブランケット」28は、各ペレットの加速度を低減し、それにより、ペレットは、受け取り管16の下部又は搬入されたペレット18の群の上昇する層の上部にて静止するまで、低速で落下する。ペレットが搬入されるにつれて、注入管22は受け取り管16から徐々に持ち上げられて出され、注入管22の第1の端部30を受け取り管16内の降下ペレット群の上昇する高さより所望の距離だけ上に維持する。
【0029】
注入管22を徐々に持ち上げて出すプロセスは手動で達成し得、オペレータは、注入管22の下部にあるビデオカメラが「見ている」ものを示すビデオ表示を見て、又は注入管22の第1の端部30における電子距離センサからの距離読み取り値を表示するインジケータを見て、注入管22の第1の端部30を降下ペレット群18の上昇する高さより所望の距離だけ上に維持する。
【0030】
代替的には、図9に示されるように、注入管22を徐々に持ち上げて出すプロセスは自動的に達成し得、コントローラ45は、カメラ又は距離センサと、注入管22の動きを制御するデバイスと通信し、ビデオ表示又は距離読み取り値に応答して、注入管22の第1の端部30をペレット18の上昇する高さより所望の距離だけ上に維持するように注入管の徐々な取り外しを制御する。例えば、コントローラ45はモータ/ギアボックス41を制御し得、モータ/ギアボックス41は、スプール又はドラム42の回転を制御して、注入管22をレセプタクル16から制御された度合いで退避させ、注入管22がペレット18に飲み込まれないように、注入管22の第1の端部30を搬入ペレット18の高さの上に維持する。回転ドラム42上のエンコーダ44を使用して、フィードバックをコントローラ45に与え、レセプタクル16からの注入管22の挿入及び取り出しの度合いを制御し得る。
【0031】
図10は、注入管22を持ち上げて出すプロセスを制御する更に別の代替を示す。この装置では、注入管は、先に説明したようにビデオ表示又は距離読み取り値の代わりに、スケールからの重量減読み取り値に応答して徐々に取り出される。この実施形態では、複数のペレット18を持つホッパー48が重量計46により支持される。振動機50を使用してホッパー48を穏やかに振り、それにより、ペレットは、ホッパー48からホッパー取り出し経路52を介して漏斗54上に転がり落ち、直径が狭められた漏斗出口56を通って管16内に落下する。スケール46は、重量読み取りを連続して又は非常に短い間隔で行い、このデータをコントローラ45に送信し、コントローラ45は、ホッパー48内のペレットの重量変化を計算し、その情報を使用して、管16内のペレット18の高さを特定する。コントローラ45は信号をデバイス41に送信し、信号は、注入管22がペレット18によって飲み込まれないように注入管22の第1の端部30を搬入ペレット18の高さの上に維持するよう、制御された度合いでレセプタクル16から注入管22を退避させるスプール又はドラム42の回転を制御する。回転ドラム42上のエンコーダ44は、レセプタクル16からの注入管22の退避速度を制御するフィードバックをコントローラ45に提供する。
【0032】
受け取り管又はレセプタクル16にペレット18が所望の高さまで搬入されると、マニホルド38、注入管22、及び任意の型板、搬入スリーブ、下部キャップ、又は他の搬入のための装置は取り外される。
【0033】
上記説明は一般に、触媒ペレット又は他のペレットを垂直管化学反応器の反応管に搬入することに関するが、本構成は、上部開口部から下方に延びる他のタイプの受け取り管又は他のレセプタクルに他のタイプのペレットを搬入するのに使用することもできる。特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに、上述した実施形態に変更を行い得ることが当業者には明らかになろう。
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図10