(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】半径複合ギャップフィラーを作製するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/52 20060101AFI20240709BHJP
B29C 70/46 20060101ALI20240709BHJP
B29C 70/02 20060101ALI20240709BHJP
B64C 1/06 20060101ALI20240709BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20240709BHJP
【FI】
B29C70/52
B29C70/46
B29C70/02
B64C1/06
B64F5/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020076097
(22)【出願日】2020-04-22
【審査請求日】2023-04-03
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ポール・リード・ストーン
(72)【発明者】
【氏名】コディ・エス・コナント
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0121536(US,A1)
【文献】特開2016-175242(JP,A)
【文献】米国特許第05820804(US,A)
【文献】特表2011-528291(JP,A)
【文献】特開昭63-132036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00-70/88
B29C 33/00-33/76
B29C 43/00-43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するためのダイアセンブリ(62)であって、
第1の中心軸線(104)を有する第1のダイ(86)であって、
前記第1の中心軸線(104)に沿って延伸し、第1の部分(102)が前記第1の中心軸線(104)の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面(106)を有する前記第1の部分(102)と、
前記第1の曲面(106)の第1の端部(120)から延伸する第1の平面部分(118)と、前記第1の曲面(106)の第2の端部(124)から延伸する第2の平面部分(122)と、を含む第1のダイ(86)と、
第2の中心軸線(104’)を有する第2のダイ(88)であって、
前記第2の中心軸線(104’)に沿って延伸し、第2の部分(102’)が前記第2の中心軸線(104’)の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面(106’)を有する前記第2の部分(102’)と、
前記第2の曲面(106’)の第1の端部(120’)から延伸する第3の平面部分(118’)と、前記第2の曲面(106’)の第2の端部(124’)から延伸する第4の平面部分(122’)と、を含む第2のダイ(88)と、
第3の中心軸線(136)を有し、前記第3の中心軸線(136)の周りに延伸し、かつ第3の壁部材(134)が前記第3の中心軸線(136)の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する前記第3の壁部材(134)を画定する第3のダイ(92)と、を含み、前記第1の平面部分(118)および前記第3の平面部分(118’)が互いに当接し、前記第3の壁部材(134)が前記第2の平面部分(122)および前記第4の平面部分(122’)に当接して、閉じたギャップ(G)が形成される、ダイアセンブリ(62)。
【請求項2】
前記第1の曲面(160)は、前記第1の部分(102)の第1の側面(114)に配置された前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の半径の最小半径(110)を有し、かつ、前記第1の部分(102)の第2の反対側面(116)に配置された前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の半径の最大半径(112)を有し、
前記第2の曲面(106’)は、前記第2の部分(102’)の第1の側面(114’)に配置された前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の半径の最小半径(110’)を有し、かつ、前記第2の部分(102’)の第2の反対側面(116’)に配置された前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の半径の最大半径(112’)を有する、請求項1に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項3】
前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の前記最小半径(110)から前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の前記最大半径(112)までの間に位置する半径の変化率は線形であり、
前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の前記最小半径(110’)から前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の前記最大半径(112’)までの間に位置する半径の変化率は線形である、請求項2に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項4】
前記第1の平面部分(118)および前記第3の平面部分(118’)が互いに当接し、前記第1の曲面(106)の前記最大半径(112)および前記第2の曲面(106’)の前記最大半径(112’)が位置合わせされ、前記第1の曲面(106)の前記最小半径(110)および前記第2の曲面(106’)の前記最小半径(110’)が位置合わせされる、請求項3に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項5】
前記第1の中心軸線(104)は、前記第2の中心軸線(104’)と同軸である、請求項1から4のいずれか一項に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項6】
前記第1の平面部分(118)と前記第3の平面部分(118’)との前記当接の間の接合面(126)は、同軸の前記第1の中心軸線(104)および前記第2の中心軸線(104’)に対して横方向に配置された平面(128)を規定する、請求項5に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項7】
前記第1のダイ(86)は、前記第1の中心軸線(104)から離れる方向(132)に延伸し、かつ前記第1の中心軸線(104)の周りに延伸する第1の壁部材(130)をさらに含み、
前記第1の壁部材(130)と前記平面(128)との間の距離(D)は、前記第1の壁部材(130)が前記第1の中心軸線(104)の周りに延伸するにつれて前記距離の変化を生じさせる、請求項6に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項8】
前記第2のダイ(88)は、前記第2の中心軸線(104’)から離れる方向(132’)に延伸し、かつ前記第2の中心軸線(104’)の周りに延伸する第2の壁部材(130’)をさらに含み、
前記第2の壁部材(130’)と前記平面(128)との間の距離(D’)は、前記第2の壁部材(130’)が前記第2の中心軸線(104’)の周りに延伸するにつれて前記距離の変化を生じさせる、請求項7に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項9】
前記第3の壁部材(134)が前記第3の中心軸線(136)の周りに延伸するにつれて、前記第3のダイ(92)によって画定される第3の壁部材(134)の幅寸法が変化する、請求項8に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項10】
前記第3の壁部材(134)の前記幅寸法は、前記第1の壁部材(130)と前記第2の壁部材(130’)との間の距離よりも小さく、前記第3の壁部材(134)は前記第2の平面部分(122)および前記第4の平面部分(122’)に当接する、請求項9に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項11】
前記第1の中心軸線(104)および前記第2の中心軸線(104’)に沿って延伸する駆動シャフト(82)をさらに含み、
前記駆動シャフト(82)は、
ねじ付き端部(84)および前記ねじ付き端部(84)に係合させられたナット(85)を有し、前記ナット(85)は、前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)が、前記ナット(85)と、前記第2の中心軸線(104’)を取り囲みかつ前記第2の中心軸線(104’)と直交するよう前記駆動シャフト(82)に形成された環状の壁(91)との間に配置されるように、前記第1のダイ(86)を前記第2のダイ(88)に固定し、
前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)は、前記駆動シャフト(82)の回転に伴い、前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)が一緒に回転するように、前記駆動シャフト(82)に係合される、請求項5から10のいずれか一項に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項12】
前記第3の中心軸線(136)は、前記第1の中心軸線(104)および前記第2の中心軸線(104’)から離間して配置される、請求項11に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項13】
前記第3の中心軸線(136)は、前記第1の中心軸線(104)および前記第2の中心軸線(104’)に平行に延伸する、請求項12に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項14】
前記駆動シャフト(82)に接続された第1のギヤ(98)をさらに含み、第2のギヤ(100)が前記第3のダイ(92)に固定され、
前記第1のギヤ(98)と前記第2のギヤ(100)とは噛み合っており、
前記駆動シャフト(82)の回転に伴い、前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)が回転し、前記第1のギヤ(98)が回転し、前記第2のギヤ(100)および前記第3のダイ(92)が同時に回転する、請求項13に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項15】
前記第1の曲面(106)の前記第1の端部(120)から延伸する前記第1の平面部分(118)は、前記第1の曲面(106)に対して接線方向に延伸し、前記第1の曲面(106)の前記第2の端部(124)から延伸する前記第2の平面部分(122)は、前記第1の曲面(106)に対して接線方向に延伸し、
前記第2の曲面(106’)の前記第1の端部(120’)から延伸する前記第3の平面部分(118’)は、前記第2の曲面(106’)に対して接線方向に延伸し、前記第2の曲面(106’)の前記第2の端部(124’)から延伸する前記第4の平面部分(122’)は、前記第2の曲面(106’)に対して接線方向に延伸する、請求項1から14のいずれか一項に記載のダイアセンブリ(62)。
【請求項16】
複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するための方法(140)であって、
互いに当接する第1のダイ(86)および第2のダイ(88)と、前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)に当接する第3のダイ(92)と、を配置するステップ(142)であって、
前記第1のダイ(86)は第1の中心軸線(104)を有し、前記第2のダイ(88)は第2の中心軸線(104’)を有し、前記第3のダイ(92)は第3の中心軸線(136)を有し、
前記第1のダイ(86)は、
前記第1の中心軸線(104)に沿って延伸し、第1の部分(102)が前記第1の中心軸線(104)の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面(106)を有する前記第1の部分(102)と、
前記第1の曲面(106)の第1の端部(120)から延伸する第1の平面部分(118)と、前記第1の曲面(106)の第2の端部(124)から延伸する第2の平面部分(122)と、を含み、
第2のダイ(88)は、
前記第2の中心軸線(104’)に沿って延伸し、第2の部分(102’)が前記第2の中心軸線(104’)の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面(106’)を有する前記第2の部分(102’)と、
前記第2の曲面(106’)の第1の端部(120’)から延伸する第3の平面部分(118’)と、前記第2の曲面(106’)の第2の端部(124’)から延伸する第4の平面部分(122’)と、を含み、
第3のダイ(92)は、前記第3の中心軸線(136)の周りに延伸し、かつ第3の壁部材(134)が前記第3の中心軸線(136)の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する前記第3の壁部材(134)を画定し、前記第1の平面部分(118)および前記第3の平面部分(118’)が互いに当接し、前記第2の平面部分(122)および前記第4の平面部分(122’)が第3の壁部材(134)に当接して、閉じたギャップ(G)が形成される、ステップ(142)と、
前記閉じたギャップ(G)を通して複合材料(59)を引張り、前記閉じたギャップ(G)の形状を有する複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するステップと、を含む方法(140)。
【請求項17】
前記第1のダイ(86)の前記第1の部分(102)の第1の側面(114)に配置された前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の半径の最小寸法(L1)を有する前記第1の曲面(106)の最小半径(110)、および前記第1の部分(102)の第2の反対側面(116)に配置された前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の半径の最大寸法(L2)を有する前記第1の曲面(106)の最大半径(112)と、
前記第2のダイ(88)の前記第2の部分(102’)の第1の側面(114’)に配置された前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の半径の最小寸法(L1’)を有する前記第2の曲面(106’)の最小半径(110’)、および前記第2の部分(102’)の第2の反対側面(116’)に配置された前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の半径の最大寸法(L2’)を有する前記第2の曲面(106’)の最大半径(112’)と、をさらに含み、
前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の前記最小半径(110)から前記第1の部分(102)の前記第1の曲面(106)の前記最大半径(112)までの間に位置する半径の変化率は線形であり、
前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の前記最小半径(110’)から前記第2の部分(102’)の前記第2の曲面(106’)の前記最大半径(112’)までの間に位置する半径の変化率は線形である、請求項16に記載の複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するための方法(140)。
【請求項18】
前記第1の平面部分(118)および前記第3の平面部分(118’)が互いに当接し、前記第1の曲面(106)の前記最大半径(112)および前記第2の曲面(106’)の前記最大半径(112’)が位置合わせされ、前記第1の曲面(106)の前記最小半径(110)および前記第2の曲面(106’)の前記最小半径(110’)が位置合わせされる、請求項17に記載の複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するための方法(140)。
【請求項19】
前記第1のダイ(86)、前記第2のダイ(88)および前記第3のダイ(92)を回転させて、前記複合ギャップフィラー(64)の長さ(L’)に沿って対称である隣接する第1および第2の曲面(106、106’)の前記半径を変化させ、前記複合ギャップフィラー(64)の前記長さ(L’)に沿って前記複合ギャップフィラー(58、60、64)の第3の側面(71)の幅寸法を変化させるステップをさらに含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するための方法(140)。
【請求項20】
前記第1のダイ(86)、前記第2のダイ(88)および前記第3のダイ(92)を同期して回転させるステップをさらに含み、
第1のギヤ(98)は、駆動シャフト(82)と共に回転するように駆動シャフト(82)に固定され、前記駆動シャフト(82)に固定された前記第1のダイ(86)および前記第2のダイ(88)と共に回転し、
第2のギヤ(100)は、シャフト(95)に回転可能に取り付けられた前記第3のダイ(92)に固定され、
前記第1および第2のギヤ(98、100)は互いに噛み合って、前記駆動シャフト(82)を回転させると、前記第1のダイ(86)、前記第2のダイ(88)および前記第3のダイ(92)が同時に回転する、請求項19に記載の複合ギャップフィラー(58、60、64)を形成するための方法(140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合ギャップフィラーを形成することに関し、より詳細には、隣接する湾曲した側面を有する複合ギャップフィラーを形成するためのアセンブリおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合ギャップフィラーは、多様な構造と組み合わせて使用される。一例では、航空機のスキン構造の部分を補強するのに使用されるストリンガに関連して複合ギャップフィラーが使用される。ストリンガは、一例では、一対のc字形チャネルで構成される。各c字形チャネルは、各ウェブ部分の各端部から延伸するフランジ部分を備えたウェブ部分を有する。各ウェブ部分のフランジは、ウェブ部分から離れて延伸し、各フランジとその対応するウェブ部分との間に角部が形成され、各角の外面は曲面を形成している。
【0003】
2つのc字形チャネルの各々のウェブ部分が互いに当接する関係で配置され、共に固定されて、ストリンガが形成される。ストリンガの第1の端部のフランジは、互いに反対方向に位置合わせされ、互いに反対方向に延伸している。ストリンガの反対側の第2の端部で、フランジは互いに反対方向に位置合わせされ、反対方向に延伸している。その結果、ストリンガの第1の端部で、フランジとその対応するウェブ部分との間に延伸する角部の外面は、互いに隣接して配置される曲面を形成し、同様にフランジとその対応するウェブ部分との間に延伸する角部の外面は、ストリンガの反対側の第2の端部に、互いに隣接して配置される曲面を形成する。
【0004】
ストリンガの第1の端部がスキンに対して配置され、ストリンガの第1の端部に関連する2つの隣接する曲面とスキンがギャップを形成し、ギャップはストリンガの第1の端部の長さに沿って延伸する。ストリンガの反対側の第2の端部は、ストリンガの反対側の第2の端部と重なる関係で配置されたスキン構造を有し、ストリンガの反対側の第2の端部に関連する2つの隣接する曲面とキャップ構造が同様にギャップを形成し、ギャップはストリンガの反対側の第2の端部の長さに沿って延伸する。例えば、ストリンガの第1の端部の長さに沿って、およびストリンガの第2の端部に沿って形成されたギャップは、それぞれ3つの側面と3つの角部とを有し、ギャップの2つの隣接する側面は、c字形チャネルの隣接する角部によって形成されるように湾曲しており、第3の側面は、より平坦な構成を有するスキンによって形成されている。
【0005】
複合ギャップフィラーは、ギャップの長さに沿ってギャップを埋め、ギャップの2つの湾曲した隣接する側面と、ストリンガが補強しているスキンによって境界が定められたより平坦な構成と、に適合する必要がある。複合ギャップフィラーは、ストリンガの強度を高め、ストリンガを構築するために必要な材料の量を減らし、スキン構造に必要な支持を提供するために使用される。ギャップがストリンガに沿って進むにつれて、ギャップの隣接する湾曲した側面の曲率半径が変化する可能性があり、ストリンガがスキンに沿って延伸するにつれて、スキンによって形成されるギャップの第3の側面の寸法も対応してサイズが変化する可能性がある。したがって、さらなる強度要件が必要になると、ストリンガのサイズを大きくする必要があり、ギャップの隣接する側面の半径が大きくなり、隣接する湾曲した側面の間に延伸するスキンによって形成されるギャップの第3の側面の幅が増加する。隣接する湾曲した側面の曲率半径の増加とギャップの第3の側面の幅の増加により、ギャップのその部分を満たすためにギャップのその部分内に配置する必要がある複合ギャップフィラーのサイズが全体的に増加する。強度要件が低減すると、ギャップの隣接する側面の曲率半径が、ストリンガによって定義されたように減少し、ギャップの第3の側面の幅が減少して、ギャップのサイズが全体的に減少し、ギャップのその部分内に配置して充填する必要がある複合ギャップフィラーのサイズがそれに対応して減少する。
【0006】
複合ギャップフィラーがギャップフィラーの長さに沿って延伸しているため、2つの隣接する湾曲した側面の曲率半径が変化し、より平坦な第3の側面が2つの隣接する湾曲した側面の間で幅が対応して変化する複合ギャップフィラーを形成する際に問題が発生した。例えば、胴体の場所およびエンジンの取り付け場所など、翼部の構造に追加の強度が必要な場合、ストリンガが大きくなり、ストリンガと翼部のスキン構造によって形成されるギャップは、2つの隣接する湾曲した側面の曲率半径が大きくなり、スキンによって形成されたギャップの第3の側面の幅が大きくなるため、全体のサイズが大きくなる。その結果、大きなサイズのギャップでは、ストリンガとスキン構造との間のギャップを埋めるために、大きなサイズの複合ギャップフィラーが必要になる。胴体から翼部の遠位端部など、必要な強度が低い場合には、ストリンガのサイズが小さくなり、ストリンガとスキン構造との間に形成される対応するギャップのサイズが小さくなり、ギャップの2つの隣接する湾曲した側面の曲率半径が小さくなり、スキン構造によって形成されるギャップの第3の側面の幅が短くなる。その結果、小さいサイズのギャップでは、ストリンガとスキン構造との間のギャップを埋めるために、小さいサイズの複合ギャップフィラーが必要になる。
【0007】
ギロチンダイを使用して複合ギャップフィラーの隣接する曲面を形成する場合、小さいサイズの複合ギャップフィラーから大きいサイズの複合ギャップフィラーまでの複合ギャップフィラーを製造するのは問題がある。ギャップフィラーの寸法を大きくする場合、複合ラミネート材料の追加のテープが既存のギャップフィラーに追加されるが、追加される複合ラミネート材料のテープは、形成される既存のギャップフィラー材料に固定されない。テープを追加すると、複合ギャップフィラーの形成に使用される複合材料内の繊維が増加する。ギャップフィラー材料がギャップフィラーを形成するローラーを通して引張られる張力を受けるので、追加された材料は十分に固定されない。その結果、追加された繊維は、サイズが増大するギャップフィラーの隣接する側面を形成する際にギロチンダイによって削り取られる傾向がある。
【0008】
他の例では、複合ギャップフィラーの隣接する2つの曲面に対する曲率半径を変更する必要がある場合、異なる曲率半径を与えるギロチンダイまたはローラーサイズを変更した。しかし、新しく取り付けられたローラーまたはダイは、複合ギャップフィラーに異なる曲率半径をすぐに付与して、複合ギャップフィラーの隣接する曲面の表面と、隣接する湾曲した側面の間に延伸する複合ギャップフィラーの第3の側面と、に急激な変化を引き起こす。複合ギャップフィラーの曲率半径が変化しても、複合ギャップフィラーの表面にはいかなる移行もなかった。例えば、このローラーまたはダイの交換には時間がかかり、複合ギャップフィラーの表面が不連続または突然に変化した。複合ギャップフィラーでの半径変化におけるこの移行の欠如は、ギャップで隣接する側面の曲率半径の変化の滑らかな移行を提供するように埋めることを意図したギャップと複合ギャップフィラーとの適合を最適化しなかった。その結果、ストリンガの性能が最適化されなかった。
【0009】
充填されるギャップのサイズと半径の変化に対応するために製造される複合ギャップフィラーに対するローラーダイの回転軸の平面など、位置が変更されたローラーダイの使用もあった。異なるサイズのローラーダイが使用されていなくても、ギャップフィラーに対するローラーの回転軸の平面の位置が変更され、異なる半径とサイズが付与され、各ローラーの回転軸を横切るように配置された回転軸を中心にローラーダイの回転軸が回転しないと、複合ギャップフィラーの半径に移行変化が生じ、ローラーダイが互いに干渉して互いに妨害し合う。
【0010】
他の例では、2つの隣接する湾曲したローラーダイが、互いに当接する関係で、それぞれがプラットフォームと当接する関係で回転した。2つの回転ローラーダイは、複合ギャップフィラーの隣接する2つの曲面を形成し、プラットフォームは、複合ギャップフィラーの第3の平坦な側面を形成した。2つのローラーダイはローラーダイの曲面に当接し、各ローラーダイの曲面はプラットフォームに当接した。複合材料が2つの回転するローラーダイを通して引張られると、ローラーダイは複合材料内の繊維を乱し、複合ギャップフィラーが形成されているときに、ローラーダイ間のギャップおよびローラーダイとプラットフォームとの間のギャップからファイバーを移動した。生成される複合ギャップフィラー内の繊維含有量が失われると、複合ギャップフィラーの性能の最適化が低下した。
【0011】
複合ギャップフィラーのドライブストリンガサイズ設計の構成を変更しないようにする必要性がある。サイズの変化に関して複合ギャップフィラーの長さに沿って滑らかな移行、複合ギャップフィラーの2つの隣接する湾曲した側面に対する曲率半径、および複合ギャップフィラーに急激な表面変化を与えることなく、複合ギャップフィラーの第3の側面の幅の変化を有する複合ギャップフィラーを確実に形成する複合ギャップフィラー製造アセンブリを提供する必要性もある。複合ギャップフィラーが複合ギャップフィラーの長さに沿ってサイズが増加しているか減少しているかに関係なく、最適な複合ギャップフィラーを製造する必要性もある。さらに、複合ギャップフィラーの製造プロセスにおいて、複合ギャップフィラーの繊維数が減少しないように、複合ギャップフィラーを製造する必要性もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
一例は、第1の中心軸線を有する第1のダイを含む複合ギャップフィラーを形成するためのダイアセンブリを含み、第1のダイは、第1の中心軸線に沿って延伸し、第1の部分が第1の中心軸線の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面を有する第1の部分を含む。第1のダイは、第1の曲面の第1の端部から延伸する第1の平面部分と、第1の曲面の第2の端部から延伸する第2の平面部分と、をさらに含む。第2の中心軸線を有する第2のダイは、第2の中心軸線に沿って延伸し、第2の部分が第2の中心軸線の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面を有する第2の部分を含む。第2のダイは、第2の曲面の第1の端部から延伸する第3の平面部分と、第2の曲面の第2の端部から延伸する第4の平面部分と、をさらに含む。第3のダイは、第3の中心軸線を有し、第3の中心軸線の周りに延伸し、かつ第3の壁部材が第3の中心軸線の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する第3の壁部材を画定し、第1の平面部分および第3の平面部分が互いに当接し、第3の壁部材が第2の平面部分および第4の平面部分に当接して、閉じたギャップが形成される。
【0013】
一例は、互いに当接する第1のダイおよび第2のダイと、第1のダイおよび第2のダイに当接する第3のダイと、を配置するステップを含む複合ギャップフィラーを形成する方法を含む。第1のダイは第1の中心軸線を有し、第2のダイは第2の中心軸線を有し、第3のダイは第3の中心軸線を有する。第1のダイは、第1の中心軸線に沿って延伸し、第1の部分が第1の中心軸線の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面を有する第1の部分を含む。第1のダイは、第1の曲面の第1の端部から延伸する第1の平面部分と、第1の曲面の第2の端部から延伸する第2の平面部分と、を含む。第2のダイは、第2の中心軸線に沿って延伸し、第2の部分が第2の中心軸線の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面を有する第2の部分を含む。第2のダイは、第2の曲面の第1の端部から延伸する第3の平面部分と、第2の曲面の第2の端部から延伸する第4の平面部分と、を含む。第3のダイは、第3の中心軸線の周りに延伸し、かつ第3の壁部材が第3の中心軸線の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する第3の壁部材を画定し、第1の平面部分および第3の平面部分が互いに当接し、第2の平面部分および第4の平面部分が第3の壁部材に当接して、閉じたギャップが形成される。本方法は、閉じたギャップを通して複合材料を引張り、閉じたギャップの形状を有する複合ギャップフィラーを形成するステップをさらに含む。
【0014】
説明された特徴、機能および利点は、様々な実施形態において独立して達成することができるか、またはさらに他の実施形態において組み合わせることができ、そのさらなる詳細は以下の説明および図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】ストリンガの第1の端部に沿って延伸して配置された第1の複合ギャップフィラーと、ストリンガの反対側の第2の端部に沿って延伸して配置された第2の複合ギャップフィラーと、を有するストリンガの分解斜視図である。
【
図3】複合ギャップフィラーを形成するためのダイアセンブリの斜視図である。
【
図4】
図3のダイアセンブリによって形成された複合ギャップフィラーの斜視図である。
【
図7】
図3のダイアセンブリの第1のダイの斜視図である。
【
図8】
図3のダイアセンブリの第2のダイの斜視図である。
【
図11】
図3のダイアセンブリの第3のダイの斜視図である。
【
図12】
図5の線12-12に沿ったダイアセンブリの断面図である。
【
図13】
図12のダイアセンブリの拡大部分図であり、第1、第2、および第3のダイが第1の位置にある。
【
図14】
図12のダイアセンブリの拡大部分図であり、第1、第2、および第3のダイが第2の位置にある。
【
図15】複合ギャップフィラーを形成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図3を参照すると、ストリンガは、航空機および他の航空宇宙ビークルの構造でしばしば使用されるスキン構造に固定されるように製造された補強部材である。ストリンガは、スキン構造にさらなる強度を提供し、それにより、スキン構造にさらなる重量を追加することになる、スキン構造にラミネートをさらに追加する必要性を回避する。
図1に見られるように、スキンおよびストリンガアセンブリは、例えば航空機10などの航空機の製造に使用される。航空機10の一部は、例えば胴体12、翼部14、水平安定板または尾翼16および垂直安定板18のうちの1つまたは複数に関して、ストリンガを利用する強化スキン構造で構築されている。ストリンガは、構築される航空機10の部分に関する負荷要求および空間利用可能性に応じて、任意の数の構成およびサイズをとることができる。
【0017】
ストリンガ20の構成の一例は、
図2に見ることができ、ストリンガ20は、第1および第2のc字形チャネル22、24を含む一対のc字形チャネルで構成される。第1のc字形チャネル22は、第1のウェブ部分26を有し、第1のフランジ28がストリンガ20の第1の端部30の第1のウェブ部分26から延伸し、第2のフランジ32がストリンガ20の第2の反対側端部34の第1のウェブ部分26から延伸する。第2のc字形チャネル24は、第2のウェブ部分36を有し、第1のフランジ38がストリンガ20の第1の端部30の第2のウェブ部分36から延伸し、第2のフランジ40がストリンガ20の第2の反対側端部34の第2のウェブ部分36から延伸する。
【0018】
第1のc字形チャネル22の第1のフランジ28は、第1のウェブ部分26と共に第1の角部42を形成し、第1のc字形チャネル22の第2のフランジ32は、第1のウェブ部分26と共に第2の角部44を形成する。同様に、第2のc字形チャネル24の第1のフランジ38は、第2のウェブ部分36と共に第3の角部46を形成し、第2のc字形チャネル24の第2のフランジ40は、第2のウェブ部分36と共に第4の角部48を形成する。第1および第2の角部42、44の各々は、第1の曲面50および第2の曲面52をそれぞれ有する。同様に、第3および第4の角部46、48の各々は、第3の曲面54および第4の曲面56をそれぞれ有する。
【0019】
第1および第2のウェブ部分26、36が互いに当接する関係で配置されて、一緒に固定されると、ストリンガ20が形成される。ストリンガ20の第1の端部30で第1のフランジ28および第1のフランジ38が互いに位置合わせされ、互いに反対方向に延伸する。その結果、第1の角部42および第3の角部46が互いに隣接して配置され、第2の曲面52および第4の曲面56が互いに隣接して配置される。ストリンガ20の第2の反対側端部34で、第2のフランジ32および第2のフランジ40が互いに位置合わせされ、互いに反対方向に延伸する。その結果、第2の角部44および第4の角部48が互いに隣接して配置され、第2の曲面52および第4の曲面56が互いに隣接して配置される。
【0020】
ストリンガ20の第1の端部30が
図2のスキン構造(図示せず)に対して配置されると、ストリンガ20の第1の端部30上のスキン構造と第1および第3の曲面50、54とは、ストリンガ20の長さLに沿って延伸する三側面ギャップ(図示せず)を形成する。スキン構造は、三側面ギャップを形成する第1の曲面50と第3の曲面54との間に延伸する三側面ギャップのより平坦な面を形成する。第1の複合ギャップフィラー58は、ストリンガ20の第1の端部30の長さLに沿って延伸する三側面ギャップを埋めるために提供される。ストリンガ20の第2の反対側端部34は、ストリンガ20の第2の反対側端部34と重なる関係で配置された別のスキン構造(図示せず)を有し、他のスキン構造ならびにストリンガ20の第2の反対側端部34の第2の曲面52および第4の曲面56はまた、ストリンガ20の第2の反対側端部34の長さLに沿って延伸する三側面ギャップ(図示せず)を形成する。他のスキン構造は、三側面ギャップを形成する第2および第4の曲面52、56の間に延伸する三側面ギャップのより平坦な面を形成する。第2の複合ギャップフィラー60は、第2の反対側端部34でストリンガ20の長さLに沿って延伸する三側面ギャップを充填するために提供される。
【0021】
第1および第2の複合ギャップフィラー58、60は、ストリンガ20の第1の端部30上および第2の反対側端部34上に形成されたギャップ上にそれぞれ形成された各ギャップ内に配置されるように設けられる。
図2に見られるように、第1および第2の複合ギャップフィラー58、60は、この例では第1および第2のc字形チャネル22、24と同様に、複合材料で構成される。第1および第2の複合ギャップフィラー58、60は、第1の端部30および第2の反対側端部34のギャップ内にそれぞれ最適な嵌合を提供し、スキン構造(図示せず)を支持する際にストリンガ20に最適な強度を提供する。ストリンガ20のサイズ、ならびにストリンガ20の第1の端部30および第2の反対側端部34に沿ったギャップの対応するサイズは、ストリンガ20に沿った特定の位置でストリンガ20にかかる負荷要求に応じてサイズが変化し得る。高い負荷要求をサポートするためにストリンガ20のサイズが大きくなると、対応するギャップのサイズも大きくなり、またより小さい負荷要求をサポートするためにストリンガ20のサイズが小さくなると、対応するギャップのサイズが小さくなる。負荷要求が一定のままである場合、ストリンガ20は一定のサイズを維持し、ストリンガ20の第1の端部30と第2の反対側端部34の対応するギャップは一定のサイズと構成を維持する。これは、
図2のストリンガ20に関して典型的に見られ、第1および第2の複合ギャップフィラー58、60は、一定サイズのストリンガ20に沿った一定サイズのギャップを収容および充填するように、ストリンガ20の長さLに沿って一定サイズで提供される。
【0022】
ストリンガ20のサイズがストリンガ20の長さに沿って変化し、負荷要求に対応するため、ストリンガ20の複合材の対応する厚さは、より大きな強度が必要とされる場合にはより多くの層、そしてより少ない強度が必要とされる場合にはより少ない層で変化する。結果として、ストリンガ20の第1の端部30およびスキン構造(図示せず)によって、およびストリンガ20の第2の反対側端部34および他のスキン構造(図示せず)によって規定されるストリンガ20の変化に沿って、ギャップの対応するサイズおよび構成が経験される。結果として、複合ギャップフィラー64に関して代表的に示すように、
図4に見られるように、ギャップを最適に充填し、ストリンガ20によってスキン構造に提供される支持強度を最適化するために、複合ギャップフィラーのサイズおよび構成の対応する変化が行われることが望まれる。ストリンガ20の長さLに沿った複合ギャップフィラー64のサイズと構成の変化は、ギャップのサイズと構成が変化するにつれて、ストリンガ20によって画定されたギャップ内の複合ギャップフィラー64と、この例では、ストリンガ20の第1の端部30と第2の反対側端部34に配置されたスキン構造(図示せず)と、の嵌合を最適化するために必要である。複合ギャップフィラー64がストリンガ20の第1の端部30と第2の反対側端部34の長さLに沿って生じるギャップの変化に対応するために、複合ギャップフィラー64のサイズと構成を変化させる必要があり、これは、対称である隣接する第1および第2の隣接する曲面66、68の曲率半径、および
図4に代表的に示すような複合ギャップフィラー64の長さL’に沿った複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法69を含む。ストリンガ20は、一般に、ストリンガ20のサイズが変化する際に滑らかに移行する表面で構築され、その結果、複合ギャップフィラーは、ギャップ内の嵌合を最適化し、ストリンガ20の性能を最適化するために、サイズおよび複合ギャップフィラーの構成を変化させる際に同様に構築される滑らかな移行表面を有する必要がある。
【0023】
図3に示すように、ダイアセンブリ62は、第1および第2の複合ギャップフィラー58、60として
図2に代表的に示すように、長さLに沿って所望されるように一定のサイズで構築され得る、複合材料59からの複合ギャップフィラーの構築を提供し、また、例えば
図4に代表的に示すように、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿ってサイズおよび構成が変化する複合ギャップフィラー64の構築を提供する。ダイアセンブリ62は、サイズが一定のままで滑らかな表面を維持する複合ギャップフィラーの製造を提供し、必要に応じて、例えば、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って見られるように、ギャップフィラーのサイズおよび構成の変化として滑らかな移行表面の製造を提供する。
【0024】
複合ギャップフィラー64のサイズおよび構成の移行の代表的な例が
図4に示され、
図5のダイアセンブリ62を有する複合材料59から代表的に製造される。この例では、複合ギャップフィラー64はダイアセンブリ62で製造され、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って移行し、例えば、第1の端部74の小さい第1のサイズSから大きい第2のサイズS’にサイズが増加する。複合ギャップフィラー64はまた、長さL’に沿って移行して、サイズが減少し、例えば、第2の端部75でより小さい第1のサイズSに戻る。長さL’に沿ってサイズの変化が移行するこの例では、複合ギャップフィラー64も、第1の端部74に第1の半径76があることから、第1および第2の隣接する曲面66、68の構成で滑らかに移行し、第1の半径76は長さL’に沿って第2の半径78のより大きな寸法まで増加し、複合ギャップフィラー64はより大きな第2のサイズS’になる。この例では、
図4に示すように、複合ギャップフィラー64が長さL’に沿って、より大きな第2のサイズS’から、この例では第1の半径76を有するより小さなサイズSを有する複合ギャップフィラー64の第2の端部75まで延伸するにつれて、半径はそれに応じて変化する。複合ギャップフィラー64の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68のサイズおよび半径のこの滑らかな移行は、さらに説明するように、
図5に代表的に見られるように、複合材料59が第1のダイ86および第2のダイ88を通って引張られるにつれて、
図7~
図10および
図12~
図14に見られるように、第1のダイ86および第2のダイ88の回転により達成される。
【0025】
同様に、対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の複合ギャップフィラー64に沿った半径の変化と同時に、
図4に見られるように、複合ギャップフィラー64の第3の側面71は、この例では、第1の端部74におけるより小さい第1の幅寸法69から移行し、複合ギャップフィラー64のより大きなサイズS’に関連する第3の側面71のより大きな第2の幅寸法69’に増加する。この例では、複合ギャップフィラー64の第3の側面71のより大きい第2の幅寸法69’は、長さL’に沿って寸法が減少し、第2の端部75でより小さい第1の幅寸法69に移行する。第3の側面71の幅寸法のこの変化は、ダイアセンブリ62の
図11に見られるように、第3のダイ92の第3の壁部材134の動作に関してさらに説明され、第3のダイ92の第3の壁部材134の幅寸法は、必要に応じて複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法に対応する幅寸法で変化し、複合ギャップフィラー64の長さに沿って複合ギャップフィラー64の第1および第2の隣接する曲面66、68までおよびそれらの間に延伸する第3の側面71を形成する。
【0026】
これらのサイズおよび構成の移行は、ギャップフィラー64の長さL’に沿って複合ギャップフィラー64の構成に急激な変化を与えることなく、ダイアセンブリ62で形成される。前述のように、サイズと構成の構成における滑らかな移行が起こり、複合材料59が第1のダイ86、第2のダイ88、および第3のダイ92を通って引張られ、第1のダイ86、第2のダイ88、および第3のダイ92が回転する。複合ギャップフィラー64のサイズと構成の変化における滑らかな移行の提供は、これは、複合ギャップフィラー64の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の構成を変化させること、および複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法を変化させることを含み、ストリンガ20の長さに沿って形成されたサイズと構成において移行するギャップ内の長さL’に沿った複合ギャップフィラー64と、ストリンガ20の長さに沿って変化する負荷要求に直面するように設計されたスキン構造アセンブリと、の嵌合の最適化を提供する。
【0027】
図3および
図5~
図6を参照すると、例えば、第1のサイズSおよび第1の半径76を、上記および
図4に示すように複合ギャップフィラー64に与えることができるダイアセンブリ62が示されている。ダイアセンブリ62は、前述のように、
図2に見られるように、滑らかな第1および第2の隣接する曲面66、68および滑らかな第3の側面71により、例えば第1および第2の複合ギャップフィラー58、60などの一定のサイズおよび構成の複合ギャップフィラーを付与することを達成するために、いくつかの様々な構造で構築することができる。ダイアセンブリ62は、複合ギャップフィラー64を形成する際にそれぞれ第1および第2の隣接する側面70、72の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の曲率半径が変化する複合ギャップフィラーへのサイズの変化および構成の滑らかな移行を、第3の側面71の対応する幅寸法の変化における滑らかな移行と同様に、与えることができる。
【0028】
この例では、ダイアセンブリ62は、
図3および
図5に見られるように、ねじ付き端部84を有する駆動シャフト82を駆動するために必要に応じて回転を与えるためのモーター80を含む。第1のダイ86および第2のダイ88は、駆動シャフト82に固定され、モーター80による駆動シャフト82の回転により、第1のダイ86および第2のダイ88の両方が駆動シャフト82と共に回転する。この固定は、様々な固定構成で実現することができる。この例では、
図7に示すように、第1のダイ86がキー溝またはノッチ87を有し、
図8に示すように、第2のダイ88がキー溝またはノッチ89を有し、駆動シャフト82がキー溝またはノッチ87、89に延伸する突起(図示せず)を有する。駆動シャフト82の回転により、キー溝またはノッチ87、89内に配置された突起(図示せず)は、第1のダイ86および第2のダイ88に回転を与える。第1のダイ86と第2のダイ88は、複合ギャップフィラーのサイズと構成を移行するために必要に応じて回転し、第1のダイ86および第2のダイ88が互いに当接する関係で回転し、この例では、圧縮力が第1のダイ86および第2のダイ88に加えられる。
【0029】
第1のダイ86および第2のダイ88は、駆動シャフト82のねじ付き端部84上に配置されたナット85の締め付けと共に一緒に圧縮される。第1のダイ86および第2のダイ88は、ナット85の締め付けと共に圧縮され、この例では、
図12に見られるように、駆動シャフト82によって画定されるナット85と壁91との間で第1のダイ86および第2のダイ88が圧縮される。駆動シャフト82が回転せず、ナット85が緩むと、第1のダイ86および第2のダイ88は、必要に応じて、第1のダイ86のノッチ87および第2のダイ88のノッチ89内に配置された突起(図示せず)と共に駆動シャフト82に沿って移動することができる。
【0030】
第3のダイ92は、第3のダイ92がシャフト95の周りを回転するように、シャフト95に回転可能に取り付けられている。シャフト95は、この例では、
図12に見られるように互いに離間した2つの位置でシャフト95に固定されたベアリングカラー97を有する。ベアリングカラー97は、ニードルベアリング(図示せず)などのベアリングを含み、これにより、第3のダイ92をシャフト95の周りで回転させることができる。
図6に見られるように、ベアリングカラー97はピストンアセンブリ93に取り付けられ、次にピストンアセンブリ93はプラットフォーム96に取り付けられ、プラットフォーム96に対してピストンアセンブリ93を回転させることができる。ピストンアセンブリ93がベアリングカラー97に力を加えることができ、その力が第3のダイ92に伝達されて、
図3および
図6に見られ、本明細書でさらに説明するように、第3のダイ92が第1のダイ86および第2のダイ88に押し付けられる。さらに、ピストンアセンブリ93は、第3のダイ92に固定されている第2のギヤ100に力を与える。ピストンアセンブリ93は、第2のギヤ100を第1のギヤ98に向かって圧接し、第1のギヤ98は、駆動シャフト82の回転と共に回転するように固定される。第2のギヤ100を第1のギヤ98に向けて圧接する際に、第1のギヤ98と第2のギヤ100が噛み合い、そのような圧接が第1のギヤ98と第2のギヤ100を互いに係合した状態に維持するので、駆動シャフト82の回転により、第1のギヤ98が第1のダイ86および第2のダイ88と共に回転し、第1のギヤ98が第2のギヤ100を回転させ、次に第2のギヤ100が第3のダイ92をシャフト95の周りに回転させる。この配置の結果として、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92は、同期して一緒に回転する。
【0031】
図2に見られるように、第1および第2の複合ギャップフィラー58、60などの複合ギャップフィラーが長さLに沿って一定のサイズおよび構成を維持する限り、ダイアセンブリ62の第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92は、閉じたギャップを形成し、複合材料59がダイアセンブリ62を通って引張られる際に静的な非回転位置に留まる。第1のダイ86および第2のダイ88は、対称であり、一定かつ等しい曲率半径を有する第1および第2の隣接する曲面66、68を形成し、第3のダイ92は、第1のダイ86および第2のダイ88と共に閉じたギャップを形成し、第1および第2の複合ギャップフィラー58、60などの複合ギャップフィラーのより平坦な第3の側面71を形成する。例えば、一定サイズの第1の複合ギャップフィラー58は、
図3に示すようにダイアセンブリ62を出て、
図5に示すようにダイアセンブリ62と同様にプラットフォーム96に取り付けられた複合ギャップフィラーガイドアセンブリ94を通って引張られる。
【0032】
図4に代表的に見られるように、複合ギャップフィラー64のサイズおよび構成の変更が必要である場合には、対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の曲率半径は、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿った第3の側面71の対応する幅寸法と共に変化し、モーター80が駆動シャフト82を回転させるように作動され、同時にダイアセンブリ62を通して複合材料59を引張る。モーター80が作動して駆動シャフト82が回転すると、一緒に圧縮されている第1のダイ86および第2のダイ88が駆動シャフト82と共に回転する。同時に、第3のダイ92が第1のダイ86および第2のダイ88に当接し、ピストンアセンブリ93によって第1のダイ86および第2のダイ88に圧接されるので、第3のダイ92もまた、第1のダイ86および第2のダイ88と共に回転する。第1のダイ86および第2のダイ88の回転は、それぞれ第1および第2の隣接する側面70、72の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の半径の変化の滑らかな移行を与え、同時に第3のダイ92の回転は、第3の側面71の幅寸法に対応する幅寸法の対応する変化において滑らかな移行を有する複合ギャップフィラー64の第3の側面71を形成し、
図4の長さL’に沿った複合ギャップフィラー64に見られるように、半径が変化する第1および第2の隣接する曲面66、68まで、およびそれらの間に延伸する第3の側面71を形成する。複合ギャップフィラーの長さに沿って一定のサイズと構成を維持する複合ギャップフィラーに関する複合ギャップフィラーの製造、または複合ギャップフィラーの長さに沿って複合ギャップフィラーのサイズと構成が変化する複合ギャップフィラーに関する複合ギャップフィラーの製造のいずれかの場合に、製造業者は、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92への熱の適用またはダイアセンブリ62の第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92を滑らかに通過する複合材料59を容易にする潤滑剤を選択することができる。
【0033】
その結果、対称的な第1および第2の隣接する曲面66、68と、第1および第2の隣接する曲面66、68の各々までおよびそれらの間に延伸する第3の側面71とで、三側面複合ギャップフィラー64が形成される。第1のダイ86および第2のダイ88の回転によって、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って対称である、第1および第2の隣接する曲面66、68の曲率半径の一定の変化を形成し、そして、第3のダイ92の回転と同時に、第3のダイ92が、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って、第1および第2の隣接する曲面66、68まで、およびそれらの間に延伸するように、第3の側面71の幅寸法の滑らかな変化を伴って複合ギャップフィラー64の第3の側面71を形成する。複合ギャップフィラー64のサイズが小さくなると、半径が減少し、第3の側面の幅寸法が減少し、複合ギャップフィラー64が大きくなると、半径が増加し、第3の側面の幅寸法が増加する。
【0034】
図7~
図12を参照すると、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92の構成が示されている。第1のダイ86の一例が
図7および
図9に示され、第2のダイ88の一例が
図8および
図10に示され、第3のダイの一例が
図11に示されている。ダイアセンブリ62のための第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92の組み立てられた構成が
図12に示されている。
【0035】
図7および
図9に示すような第1のダイ86は、第1の中心軸線104に沿って延伸する第1の部分102を含み、方向矢印108で示されるように、第1の部分102が第1の中心軸線104の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面106を有する。第1の曲面106は、第1の部分102の第1の曲面106の半径の寸法L1を有する最小半径110を有し、第1の部分102の第1の側面114に配置される。第1の曲面106は、第1の部分102の第1の曲面106の半径の寸法L2の最大半径を有し、第1の部分102の第2の反対側面116に配置される。
【0036】
第1の部分102の第1の曲面106の寸法L1を有する最小半径110から第1の部分102の第1の曲面106の寸法L2を有する最大半径112までの間に位置する半径の変化率は線形である。この例では、半径は180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)で変化する。この例では、最小半径110は、第1の中心軸線104の周りで最初の180度(180°)進むと、半径は180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)で最大半径112まで寸法が増加する。第1の中心軸線104の周りに1秒または残りの180度(180°)で延伸する第1の曲面106が完成すると、最大半径112は、180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)と同じ割合で寸法が最小半径110まで減少する。第1のダイ86の第1の部分102の第1の曲面106に対する半径のこの変化は、第1の中心軸線104の周りに延伸する。
【0037】
第1のダイ86は、第1の曲面106の第1の端部120から延伸する第1の平面部分118と、第1の曲面106の第2の端部124から延伸する第2の平面部分122と、を含む。第1の曲面106の第1の端部120から延伸する第1の平面部分118は、第1の曲面106に対して接線方向に延伸し、第1の曲面106の第2の端部124から延伸する第2の平面部分122は、第1の曲面106に対して接線方向に延伸する。
【0038】
図8および
図10に見られるような第2のダイ88は、第1のダイ86と同様の構成を有する。
図8および
図10で特定された同様の部品およびアイテムは、第2のダイ88の部品およびアイテムにアスタリスク(’)を付加した同じ番号が付けられる。
図8および
図10に示すような第2のダイ88は、第2の中心軸線104’に沿って延伸する第2の部分102’を含み、方向矢印108’によって示されるように、第2の部分102’が第2の中心軸線104’の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面106’を有する。第2の曲面106’は、第2の部分102’の第2の曲面106’の半径の寸法L1’を有する最小半径110’を有し、第2の部分102’の第1の側面114’に配置される。第2の曲面106’は、第2の部分102’の第2の曲面106’の半径の寸法L2’を有する最大半径112’を有し、第2の部分102’の第2の反対側面116’に配置される。
【0039】
第2の部分102’の第2の曲面106’の寸法L1’を有する最小半径110’から第2の部分102’の第2の曲面106’の寸法L2’を有する最大半径112’までの間に位置する半径の変化率は線形である。この例では、半径は180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)で変化する。この例では、最小半径110’は、第1の中心軸線104の周りで最初の180度(180°)進むと、半径は180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)で最大半径112’まで寸法が増加する。第2の中心軸線104’の周りに1秒または残りの180度(180°)で延伸する第2の曲面106’が完成すると、最大半径112’は、180度(180°)について1度あたり1000分の1インチ(0.001インチ)と同じ割合で寸法が最小半径110’まで減少する。第2のダイ88の第2の部分102’の第2の曲面106’に対する半径のこの変化は、第2の中心軸線104’の周りに延伸する。
【0040】
第2のダイ88は、第2の曲面106’の第1の端部120’から延伸する第3の平面部分118’と、第2の曲面106’の第2の端部124’から延伸する第4の平面部分122’と、を含む。第2の曲面106’の第1の端部120’から延伸する第3の平面部分118’は、第2の曲面106’に対して接線方向に延伸し、第2の曲面106’の第2の端部124’から延伸する第4の平面部分122’は、第2の曲面106’に対して接線方向に延伸する。
【0041】
図12を参照すると、第1のダイ86の第1の平面部分118と第3の平面部分118’とが互いに当接する。前述のように、この例では、駆動シャフト82のねじ付き端部84のナット85を締め付けると、第1のダイ86および第2のダイ88に圧縮力が加えられる。第1のダイ86の第1の平面部分118が第2のダイ88の第3の平面部分118’に当接すると、複合材料59の繊維は、第1の平面部分118と第3の平面部分118’の接合面126への移行を阻止され、ダイアセンブリ62によって形成された複合ギャップフィラーに保持される。第1のダイ86および第2のダイ88は、第1および第2の曲面106、106’の曲率半径が互いに向かい合って配置され、互いに位置合わせされて同じ長さになるように互いに当接して配置され、第1の曲面106および第2の曲面106’を有する複合ギャップフィラー上に対称的な形成を提供する。例えば、第1の平面部分118と第3の平面部分118’が互いに当接して、例えば
図14に示すように、第1の曲面106の最大半径112および第2の曲面106’の最大半径112’が、ギャップG2を形成する第3のダイ92と共に第1のダイ86および第2のダイ88と位置合わせされる。最大半径112が最大半径112’と位置合わせされると同時に、第1の曲面106の最小半径110と第2の曲面106’の最小半径110’とが位置合わせされる。結果として、当接する第1のダイ86および第2のダイ88の周りの任意の場所で、第1の曲面106および第2の曲面106’によって第1のダイ86および第2のダイ88によって形成されるギャップの隣接する2つの側面は同じ半径を有し、ダイアセンブリ62を介して引張られた複合材料59で形成された複合ギャップフィラーの、対称である第1および第2の隣接する曲面66、68に対して対称な側面を形成する。第3のダイ92は、
図12に見られるように、第1のダイ86および第2のダイ88に当接する第3のダイ92で形成される閉じたギャップGを形成する形成表面138を有する第3の壁部材134を有し、第3の壁部材134の形成表面138は、閉じたギャップGが閉じた構造になるように、対称な隣接する第1の曲面106および第2の曲面106’まで、かつ両者の間まで延伸する。
【0042】
図12に見られるように、第1の中心軸線104は、第2の中心軸線104’と同軸である。第1のダイ86の第1の平面部分118と第2のダイ88の第3の平面部分118’との当接の間の接合面126は、同軸の第1の中心軸線104および第2の中心軸線104’に対して横方向に配置された平面128を規定する。第1のダイ86は、第1の壁部材130をさらに含む。この例では、第1の部分102とは別個の構成要素であるが、第1の壁部材130は、第1の部分102を備えた単一の構造であり得る。第1の壁部材130は、
図9に示すように、第1の中心軸線104から離れる方向132に延伸し、
図7に示すように、第1の中心軸線104の周りに延伸する。第2のダイ88は、第2の壁部材130’をさらに含む。この例では、第2の壁部材130’は、第2の部分102’とは別個の構成要素であるが、第2の壁部材130’は、第2の部分102’を備えた単一の構造であり得る。第2の壁部材130’は、
図10に示すように、第2の中心軸線104’から離れる方向132’に延伸し、
図8に示すように、第2の中心軸線104’の周りに延伸する。
【0043】
図12に見られるように、第1の壁部材130と平面128との間の距離Dは、第1の壁部材130と平面128との間の距離D1がより小さい距離であるので、第1の壁部材130が第1の中心軸線104の周りに延伸するにつれて距離の変化が生じる。この例では、距離Dは、より大きい曲率半径を有する第1の曲面106に関連付けられ、距離D1は、より小さい曲率半径を有する第1の曲面106に関連付けられる。第2のダイ88および第2の壁部材130’に関する構成は同様である。第2の壁部材130’は、
図10に示すように、第2の中心軸線104’から離れる方向132’に延伸し、
図8に示すように、第2の中心軸線104’の周りに延伸する。
図12に見られるように、第2の壁部材130’と平面128との間の距離D’は、第2の壁部材130’と平面128との間の距離D1’がより小さい距離であるので、第2の壁部材130’が第2の中心軸線104’の周りに延伸するにつれて距離の変化が生じる。この例では、距離D’は、より大きい半径を有する第2の曲面106’と関連付けられ、距離D1’は、より小さい半径を有する第2の曲面106’と関連付けられる。第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間の距離の変化は、後述する第3のダイ92の第3の壁部材134に適応し、幅寸法が変化して、第1のダイ86および第2のダイ130’に当接する第3の壁部材134の第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間を通過する。
【0044】
図11に見られるように、第3のダイ92は、第3の中心軸線136を有し、第3の中心軸線136の周りに延伸する形成表面138を有する第3の壁部材134を画定し、第3の壁部材134が第3の中心軸線136の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する。
図12に示すように、第1のダイ86および第2のダイ88の第1の平面部分118および第3の平面部分118’がそれぞれ互いに当接し、第3の壁部材134が第1のダイ86および第2のダイ88の第2の平面部分122および第4の平面部分122’にそれぞれ当接して、
図12に見られるように、形状Sを有する閉じたギャップGが形成される。閉じたギャップGは、第3のダイ92の第3の壁部材134の形成表面138と共に、第1の曲面106および第2の曲面106’によって形成される。
【0045】
図11を参照すると、第3のダイ92によって画定される第3の壁部材134の幅寸法は、第3の壁部材134が第3の中心軸線136の周りに延伸するにつれて変化する。第3の壁部材134の幅寸法のこの変化は、複合ギャップフィラー64の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68を形成する際の第1および第2の曲面106、106’の半径変化としての複合ギャップフィラーの第3の側面71の幅寸法の変化に対応する。第1および第2の曲面106、106’の半径が大きいほど、第3の壁部材134の幅寸法が大きく、第1および第2の曲面106、106’の半径が小さいほど、第3の壁部材134の幅寸法が小さくなる。
【0046】
一例として、幅寸法D3は、
図11に見られるように、第3のダイ92の側面146に配置された第3の壁部材134の最も狭い幅寸法に関連付けられる。幅寸法D3は、第1および第2の曲面106、106’の寸法L1を有する最小半径110および寸法L1’を有する最小半径110’とそれぞれ位置合わせされて配置され、
図13に見られるようにギャップG1を形成し、第1のダイ86および第2のダイ88が第1の位置135に配置される。第3の壁部材134の最も狭い幅寸法D3の形成表面138が複合ギャップフィラー64の第3の側面71を形成し、複合ギャップフィラー64の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68が、最小半径110および最小半径110’を有する第1および第2の曲面106、106’から形成される。幅寸法D2は、
図11に見られるように、第3のダイの側面148に配置された第3の壁部材134の最大幅寸法に関連付けられる。幅寸法D2は、第1および第2のダイ86、88の第1および第2の曲面106、106’の寸法L2を有する最大半径112および寸法L2’を有する最大半径112’とそれぞれ位置合わせされて配置され、
図14に見られるように、ギャップG2を形成し、第1のダイ86および第2のダイ88が第2の位置137に配置される。第3の壁部材134の最も広い幅寸法D2の形成表面138は、複合ギャップフィラー64の第3の側面71を形成し、複合ギャップフィラー64の対称である第1および第2の隣接する曲面66、68が、寸法L2の最大半径112および半径L2’の最大半径112’を有する第1および第2の曲面106、106’から形成される。
【0047】
図11に見られるように、第3の壁部材134の幅寸法は、第3のダイ92の側面148に位置する最大幅寸法D2から第3のダイ92の側面146に位置する最小幅寸法D3まで幅寸法が減少する際に変化する。幅寸法は、最大幅寸法D2から最小幅寸法D3に変化し、この例では、第3のダイ92の周りに180度(180°)延伸し、この例における変化率は、複合ギャップフィラー64のサイズの変化と曲率半径との間で移行する複合ギャップフィラー64の第3の側面71の変化の線形変化率に適応する線形である。第3の壁部材134の幅寸法は、最小幅寸法D3から最大幅寸法D2に変化し、第3のダイ92の周りに残りの180度(180°)延伸し、この例における変化率は、複合ギャップフィラー64のサイズの変化と半径との間で移行する、複合ギャップフィラー64の第3の側面71における変化の線形変化率に適応する線形である。
【0048】
図12に見られるように、第3の壁部材134の幅寸法は、第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間の距離よりも小さく、第3の壁部材134は、第2の平面部分122および第4の平面部分122’に当接する。前述のように、第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間の距離は、例えば、
図12に見られるように距離D+距離D’の合計距離を含む。この距離は、第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間で変化し、第1の壁部材130および第2の壁部材130’は、第1および第2の中心軸線104、104’の周りに延伸する。壁部材134の幅寸法は、壁部材134が第3の中心軸線136の周りに延伸するにつれて変化し、第1および第2の壁部材130、130’の間の距離よりも小さく、第3の壁部材134が第1の壁部材130と第2の壁部材130’との間に嵌合し、第2の平面部分122および第4の平面部分122’に当接して、例えば
図12に見られるように、閉じた三側面ギャップGを形成し、三側面複合ギャップフィラー64を形成するために用いられる。
【0049】
第3の壁部材134が第2の平面部分122および第4の平面部分122’に当接し、この構成が、ダイアセンブリ62によって形成されている複合材料59に含まれる繊維を低減して、一方で第3のダイ92と、他方で第1のダイ86および第2のダイ88との間で、それぞれ、第2の平面部分122および第4の平面部分122’で乱されて移動しないようにする。ギャップGからの繊維の移動のこの防止は、形成される複合ギャップフィラー64の繊維数の減少を防止する。前述のように、ピストンアセンブリ93は、第3のダイ92の圧接力を第1のダイ86および第2のダイ88に加え、第2および第4の平面部分122、122’に対して第3の壁部材134をさらに確実に閉じ、形成される複合ギャップフィラー64の遷移数の減少を防ぐ。
【0050】
前述のように、第1のダイ86および第2のダイ88は、第1の中心軸線104および第2の中心軸線104’に沿って延伸する駆動シャフト82に固定される。駆動シャフト82は、ねじ付き端部84およびナット85を有する。ナット85の締め付けは、第1のダイ86を第2のダイ88に対して固定し、第1のダイ86および第2のダイ88は、
図12に見られるように、ナット85と駆動シャフト82によって画定される壁91との間に配置される。第1のダイ86および第2のダイ88は、駆動シャフト82の回転に伴って、第1のダイ86および第2のダイ88が一緒に回転するように、駆動シャフト82に係合される。これは、第1のダイ86および第2のダイ88が駆動シャフト82の回転に伴って回転するように駆動シャフト82の突起(図示せず)にそれぞれ係合するキー溝またはノッチ87、89を有する第1のダイ86および第2のダイ88で前述したように達成される。第3の中心軸線136は、第1の中心軸線104および第2の中心軸線104’から離間して配置され、それらに平行である。
【0051】
第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92は、駆動シャフト82に接続された第1のギヤ98と同期して回転するように配置され、第2のギヤ100は第3のダイ92に固定される。第1のギヤ98と第2のギヤ100は噛み合っている。駆動シャフト82の回転に伴い、第1のダイ86および第2のダイ88が回転し、第1のギヤ98が第2のギヤ100を回転させ、次に第2のギヤ100が第3のダイ92を回転させる。この構成により、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92は同時に回転し、すべて一定の速度で回転することができ、対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の変化における滑らかな移行と、ダイアセンブリ62を通して複合材料を引張る速度が一定である複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法の変化における滑らかな移行と、を提供する。
【0052】
図12~
図14に見られるように、第1の平面部分118および第3の平面部分118’がそれぞれ第1のダイ86および第2のダイ88の互いに当接し、第3の壁部材134が、それぞれ第1および第2のダイ86、88の第2の平面部分122および第4の平面部分122’に当接して、
図12~
図14にそれぞれ見られるように、3側面の閉じたギャップG、G1およびG2が形成される。上述したように、複合ギャップフィラーの一定のサイズと構成は、第1のダイ86、第2のダイ88、および第3のダイ92を所望の位置に維持して形成し、閉じたギャップの所望のサイズと構成を形成することができ、ダイアセンブリ62の閉じたギャップを通して複合材料59を引張ることにより、一定の所望のサイズおよび構成で複合ギャップフィラーが形成される。
【0053】
サイズと構成の変化が滑らかに移行するように、複合ギャップフィラー64の長さに沿って複合ギャップフィラーのサイズと構成を変更する必要があるので、複合材料59は、モーター80が第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92を一定の速度で回転させることにより、一定の速度でダイアセンブリ62の閉じたギャップを通して引張られる。第1および第2のダイ86、88の第1および第2の曲面106、106’のそれぞれの曲率半径の一定の変化率は、形成される複合ギャップフィラー64の長さに沿って、対称的に隣接する第1および第2の隣接する曲面66、68の一定の変化率を与える。同時に、第3のダイ92が同時に回転すると、第3のダイ92は、第3の壁部材134の形成表面138により、複合ギャップフィラー64の長さに沿って複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法の一定の変化率を与え、複合ギャップフィラーの第3の側面71が、対称である2つの隣接する第1および第2の隣接する曲面66、68まで、およびそれらの間に延伸する。
【0054】
図15を参照すると、複合ギャップフィラーを形成するための方法140は、互いに当接する第1のダイ86および第2のダイ88、ならびに第1のダイ86および第2のダイ88に当接する第3のダイ92を配置するステップ142を含み、第1のダイ86は第1の中心軸線104を有し、第2のダイ88は第2の中心軸線104’を有し、第3のダイ92は第3の中心軸線136を有する。第1のダイ86は、第1の中心軸線104に沿って延伸する第1の部分102を含み、第1の部分102が第1の中心軸線104の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第1の曲面106を有する。第1の平面部分118は、第1の曲面106の第1の端部120から延伸し、第2の平面部分122は、第1の曲面106の第2の端部124から延伸する。第2のダイ88は、第2の中心軸線104’に沿って延伸する第2の部分102’を含み、第2の部分102’が第2の中心軸線104’の周りに延伸するにつれて変化する半径を有する第2の曲面106’を有する。第2の曲面106’の第1の端部120’から延伸する第3の平面部分118’および第4の平面部分122’は、第2の曲面106’の第2の端部124’から延伸する。第3のダイ92は、第3の中心軸線136の周りに延伸し、かつ第3の壁部材134が第3の中心軸線136の周りに延伸するにつれて幅寸法が変化する第3の壁部材134を画定し、第1の平面部分118および第3の平面部分118’が互いに当接し、第2の平面部分122および第4の平面部分122’が第3の壁部材134に当接して、閉じたギャップGが形成される。方法140はさらに、例えば
図12に見られるように、閉じたギャップGの形状Sを有する複合ギャップフィラーを形成する閉じたギャップGを通して複合材料59を引張るステップ144を含む。
【0055】
前述のように、第1の曲面106の最小半径110は、第1のダイ86の第1の部分102の第1の側面114に配置された第1の部分102の第1の曲面106の半径に対する最小寸法L1を有し、第1の曲面106の最大半径112は、第1の部分102の第2の反対側面116に配置された第1の部分102の第1の曲面106の半径に対する最大寸法L2を有する。第2の曲面106’の最小半径110’は、第2のダイ88の第2の部分102’の第1の側面114’に配置された第2の部分102’の第2の曲面106’の半径に対する最小寸法L1’を有し、第2の曲面106’の最大半径112’は、第2の部分102’の第2の反対側面116’に配置された第2の部分102’の第2の曲面106’の半径に対する最大寸法L2’を有する。第1の部分102の第1の曲面106の最小半径110から第1の部分102の第1の曲面106の最大半径112までの間に位置する半径の変化率は線形である。第2の部分102’の第2の曲面106’の最小半径110’から第2の部分102’の第2の曲面106’の最大半径112’までの間に位置する半径の変化率は線形である。
【0056】
第1の平面部分118および第3の平面部分118’が互いに当接して、第1の曲面106の最大半径112および第2の曲面106’の最大半径112’が位置合わせされる。また、第1の曲面106の最小半径110と第2の曲面106’の最小半径110’とが位置合わせされる。
【0057】
方法140は、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92を回転させ、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って対称である第1および第2の隣接する曲面66、68の半径を変化させ、複合ギャップフィラー64の長さL’に沿って複合ギャップフィラー64の第3の側面71の幅寸法を変化させるステップをさらに含む。
【0058】
この例では、方法140は、第1のダイ86、第2のダイ88、および第3のダイ92を同期して回転させるステップをさらに含み、第1のギヤ98が駆動シャフト82に固定され、駆動シャフト82と共に、ならびに駆動シャフト82に固定された第1のダイ86および第2のダイ88と共に回転する。第2のギヤ100は、前述のようにシャフト95に回転可能に取り付けられた第3のダイ92に固定されている。第1のギヤ98および第2のギヤ100は、互いに噛み合って、駆動シャフト82を回転させると、第1のダイ86、第2のダイ88および第3のダイ92が同時に回転する。
【0059】
様々な実施形態が上で説明されたが、この開示はそれらに限定されることを意図していない。添付の特許請求の範囲の範囲内である開示された実施形態に変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0060】
10 航空機
12 胴体
14 翼部
16 尾翼
18 垂直安定板
20 ストリンガ
22 第1のc字形チャネル
24 第2のc字形チャネル
26 第1のウェブ部分
28 第1のフランジ
30 第1の端部
32 第2のフランジ
34 第2の反対側端部
36 第2のウェブ部分
38 第1のフランジ
40 第2のフランジ
42 第1の角部
44 第2の角部
46 第3の角部
48 第4の角部
50 第1の曲面
52 第2の曲面
54 第3の曲面
56 第4の曲面
58 第1の複合ギャップフィラー
59 複合材料
60 第2の複合ギャップフィラー
62 ダイアセンブリ
64 複合ギャップフィラー
66 第1の隣接する曲面
68 第2の隣接する曲面
69 第1の幅寸法
69’ 第2の幅寸法
70 第1の隣接する側面
71 第3の側面
72 第2の隣接する側面
74 第1の端部
75 第2の端部
76 第1の半径
78 第2の半径
80 モーター
82 駆動シャフト
84 ねじ付き端部
85 ナット
86 第1のダイ
87 キー溝またはノッチ
88 第2のダイ
89 キー溝またはノッチ
91 壁
92 第3のダイ
93 ピストンアセンブリ
94 複合ギャップフィラーガイドアセンブリ
95 シャフト
96 プラットフォーム
97 ベアリングカラー
98 第1のギヤ
100 第2のギヤ
102 第1の部分
102’ 第2の部分
104 第1の中心軸線
104’ 第2の中心軸線
106 第1の曲面
106’ 第2の曲面
108 方向矢印
108’ 方向矢印
110 最小半径
110’ 最小半径
112 最大半径
112’ 最大半径
114 第1の側面
114’ 第1の側面
116 第2の反対側面
116’ 第2の反対側面
118 第1の平面部分
118’ 第3の平面部分
120 第1の端部
120’ 第1の端部
122 第2の平面部分
122’ 第4の平面部分
124 第2の端部
124’ 第2の端部
126 接合面
128 平面
130 第1の壁部材
130’ 第2の壁部材、第2のダイ
132 方向
132’ 方向
134 第3の壁部材
135 第1の位置
136 第3の中心軸線
137 第2の位置
138 形成表面
140 方法
146 側面
148 側面