IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケーブイケーの特許一覧

<>
  • 特許-水栓 図1
  • 特許-水栓 図2
  • 特許-水栓 図3
  • 特許-水栓 図4
  • 特許-水栓 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20240709BHJP
   E03C 1/05 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
E03C1/042 Z
E03C1/05
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020122126
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2022018780
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】古田 誠
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-062560(JP,A)
【文献】特開2014-136932(JP,A)
【文献】特開2004-293207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00-1/10
A47K 1/00-1/14
C02F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池で駆動する水栓であって、
湯水の流路を開閉する電磁弁と、
物体を検知する検知部と、
前記検知部での検知に基づいて前記電磁弁に駆動信号を送信する開閉指令部と、
前記電池の電池電圧の状態に基づいて発光体を点灯する表示部と、
前記電池の電池電圧の状態に基づいて報知音を出力する音報知部と
を備え、
電池電圧が所定の第1の電圧より高いときには、前記表示部前記発光体を点灯するとともに前記開閉指令部前記駆動信号を送信して前記電磁弁を開放し、
電池電圧が前記第1の電圧以下のときには、前記表示部が前記発光体を点灯しないとともに前記開閉指令部が前記駆動信号を送信せず、かつ、前記音報知部が前記報知音を出力することを特徴とする水栓。
【請求項2】
前記表示部は、電池電圧が前記第1の電圧より高い所定の第2の電圧以下のときには前記発光体を第1の点灯パターンで点灯し、前記第2の電圧より高いときには前記第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで点灯することを特徴とする請求項1に記載の水栓。
【請求項3】
前記第1の点灯パターンと前記第2の点灯パターンは、前記発光体の点灯色が異なっていることを特徴とする請求項2に記載の水栓。
【請求項4】
前記音報知部は、電池電圧が前記第1の電圧より高いときは、報知音を出力しないことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の水栓。
【請求項5】
前記音報知部は、電池電圧が前記第1の電圧以下のときは、第1の報知音を出力し、電池電圧が前記第1の電圧より高いときは、前記第1の報知音とは異なる第2の報知音を出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池で作動するセンサ式の水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
電池で作動し、センサで物体を検知することにより電磁弁を開閉動作させて吐止水を行う水栓が知られている。こうした水栓では、電池電圧が所定の値より低くなったときに警告ランプを作動させることで、電池電圧が低下して電磁弁の開閉動作ができなくなることを回避するように構成したものが知られている。
【0003】
特許文献1には、電池を電源とした自動水栓の制御方法に係る発明が記載されている。電池電圧が所定の第1の電圧まで低下すると、電池装着時に点灯状態にあったランプが点滅することにより、使用者に対して、新しい電池に交換する必要があることを知らせる。また、電池の交換をすることなく電池電圧が第1の電圧より低い第2の電圧まで低下すると、点滅の周期が短くなり、使用者に対してより強い警告を発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-119186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載される自動水栓では、ランプの点滅の周期の違いによって電池電圧の状態を認識させる構成であるため、その違いが認識し難いといった問題があった。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池電圧の低下を認識し易い水栓を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の水栓は、電池で駆動する水栓であって、湯水の流路を開閉する電磁弁と、物体を検知する検知部と、前記検知部での検知に基づいて前記電磁弁に駆動信号を送信する開閉指令部と、前記電池の電池電圧の状態に基づいて発光体を点灯する表示部と、前記電池の電池電圧の状態に基づいて報知音を出力する音報知部とを備え、前記表示部は、電池電圧が所定の第1の電圧より高いときには前記発光体を点灯し、前記第1の電圧以下のときには前記発光体を点灯せず、前記開閉指令部は、電池電圧が前記第1の電圧より高いときには前記駆動信号を送信して前記電磁弁を開放し、前記第1の電圧以下のときには前記駆動信号を送信せず、前記音報知部は、電池電圧が前記第1の電圧以下のときには前記報知音を出力する。
【0008】
上記の構成によれば、電池電圧が第1の電圧より高いときには発光体が点灯し、電池電圧が第1の電圧以下になると、発光体の点灯に代えて報知音が出力される。第1の電圧以下のときには、使用者に対して、視覚ではなく聴覚に訴えることになり、使用者は電池電圧が低下して電池が消耗していることを認識し易い。また、水栓からの吐水がされない第1の電圧以下のときでも報知音は出力されるため、使用者は、吐水されない状態が水栓自体の不具合が原因ではなく、電池の消耗が原因であることを認識し易い。さらに、第1の電圧以下のときには電磁弁が開放されないように構成されていることから、電池電圧がゼロに近くなるまで低下しても、電磁弁が開放状態に維持されてしまうことを回避することができる。
【0009】
上記の構成において、前記表示部は、電池電圧が前記第1の電圧より高い所定の第2の電圧以下のときには前記発光体を第1の点灯パターンで点灯し、前記第2の電圧より高いときには前記第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで点灯することが好ましい。
【0010】
上記の構成によれば、第1の電圧より高い第2の電圧以下のときの点灯パターンと、第2の電圧より高いときの点灯パターンとを変えていることから、表示部での点灯パターンの違いによって、電池残量の違いを認識することができる。これにより、電池残量が低下しつつあることを認識し易い。
【0011】
上記の構成において、前記第1の点灯パターンと前記第2の点灯パターンは、前記発光体の点灯色が異なっていることが好ましい。
上記の構成によれば、点滅の周期の違いで電池電圧の状態を認識させる場合に比べて、その状態をより認識し易い。
【0012】
上記の構成において、前記音報知部は、電池電圧が前記第1の電圧より高いときは、報知音を出力しないことが好ましい。
上記の構成によれば、電池電圧が第1の電圧より高くて吐水がなされるときには発光体の点灯のみがなされる、そのため、電池残量の低下を認識し易いことに加えて、報知音が出力される場合に比べて電池の消耗を抑制することができる。
【0013】
上記の構成において、前記音報知部は、電池電圧が前記第1の電圧以下のときは、第1の報知音を出力し、電池電圧が前記第1の電圧より高いときは、前記第1の報知音とは異なる第2の報知音を出力することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、第1の電圧以下になったときに発光体の点灯の有無だけでなく、報知音の違いでも認識することができる。使用者は電池電圧が低下して電池が消耗していることをより認識し易い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電池で駆動する水栓において、電池電圧の低下を認識し易い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の水栓の斜視図。
図2】水栓のブロック図。
図3】(a)、(b)はセンサユニットにおける報知部の概略図。
図4】水栓のフローチャート。
図5】変更例の水栓のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を具体化した一実施形態の水栓10について図1図3に従って説明する。水栓10は、電池で作動し、センサで物体を検知することにより電磁弁を開閉動作させて吐止水を行うセンサ式の自動水栓である。
【0018】
図1に示すように、水栓10は、水栓本体11、センサユニット20、及び図示しないコントローラ30、電磁弁40、電池ボックスを備えている。
水栓本体11は、キッチンキャビネットのカウンタ14に固定された基部12と、基部12に対して水平面上で回動可能に取り付けられるとともに先端に吐水口13aが形成された吐水部13を備えている。基部12の側部には、吐水口13aからの吐止水の切換え、吐水量調節及び吐水温度調節の各操作を行なうためのレバーハンドル15が鉛直面上で回動可能に設けられている。レバーハンドル15を回動操作することにより、電磁弁へ適量、適温の湯水を供給可能に構成されている。
【0019】
図1に示すように、湾曲形状に形成された吐水部13は、基端側の吐水部本体16と先端側の吐水ヘッド17を備えている。吐水ヘッド17は、吐水部本体16に対して着脱可能に取り付けられている。吐水ヘッド17には、図示しない可撓性ホースの先端が連結されており、可撓性ホースの基端側は、カウンタ14の下部において図示しない吐水管に接続されている。可撓性ホースの内部には、吐水管に連通する湯水の流路が形成されている。可撓性ホースは、吐水部本体16、基部12の内部を通って、カウンタ14の下部において弛みを持たせた状態で配置されており、吐水ヘッド17を吐水部本体16から外すと、基部12及び吐水部本体16の内部を移動して吐水ヘッド17とともに外部に引き出される。
【0020】
吐水ヘッド17の外面には、切換えボタン18が設けられている。切換えボタン18に対する切換え操作により、吐水口13aからの吐水が通常吐水またはシャワー吐水に切換えられる。
【0021】
図2に示すように、電磁弁40は、カウンタ14の下部で基部12に接続されており、電池ボックス内に収容された電池50と電気的に接続されているとともに、カウンタ14の下部に設けられたコントローラ30と電気的に接続されている。電磁弁40の開閉動作は、電池50を駆動源として、以下に説明するセンサユニット20に取り付けられたセンサ21による物体の検知に基づいて行われる。電磁弁40は、可撓性ホースの内部に形成された湯水の流路を開放する開放位置と、湯水の流路を閉塞する閉塞位置との間で移動する。
【0022】
センサユニット20は、透光性のケースと、ケース内部に収容された電子基板を備えている。吐水部本体16の先端部上面には、長円形状の透孔19が形成されており、センサユニット20の一部は、透孔19を介して外部に露出した状態となっている。図3に示すように、電子基板には、センサ21、LED等の発光体としての発光素子22、及び発音素子23が搭載されている。
【0023】
図2に示すように、センサユニット20は電池50と電気的に接続されているとともに、コントローラ30と電気的に接続されている。センサ21は、水栓使用者の手指等の物体が接近したときにその物体を検知する公知のセンサで構成されている。センサ21は、請求項における検知部を構成する。
【0024】
図2及び図3に示すように、発音素子23は、音を発出する公知の発音素子で構成されており、例えばコイル式ブザー、ピエゾ式ブザーが挙げられる。発音素子23は、請求項における音報知部を構成する。
【0025】
本実施形態の発光素子22は、白色LED22aと赤色LED22bを備えている。白色LED22aは、センサユニット20における透孔19から露出した部分であって、発音素子23の下方に設けられている。また、赤色LED22bは、センサユニット20における透孔19から露出した部分であって、発音素子23の上方に設けられている。発光素子22は、請求項における表示部を構成する。
【0026】
コントローラ30は、電圧測定部31、開閉指令部32、及び報知指令部33を有している。電圧測定部31は、センサ21での物体の検知時に電池50の電池電圧を測定する。開閉指令部32は、電圧測定部31で測定された電池電圧に基づいて、或いは、センサ21での物体の検知に基づいて、電磁弁40を開放位置又は閉塞位置に移動させて、吐水口13aからの吐止水の状態を切換える。報知指令部33は、電圧測定部31で測定された電池電圧に基づいて、発光素子22を所定の点灯パターンで点灯させる駆動信号を送信したり、発音素子23から所定の報知音で音を出力させる駆動信号を送信したりする。
【0027】
発光素子22の点灯パターンは、点灯色、点灯し続けるか点滅であるか、点滅である場合における点滅の周期等によって規定されるパターンである。本実施形態の発光素子22の点灯パターンは、第1の点灯パターンとして、赤色LED22bを1秒間隔で10回点滅させた後、3~5秒間隔で点滅させ続ける。また、第2の点灯パターンとして、白色LED22aを1秒間隔で10回点滅させた後、3~5秒間隔で点滅させ続ける。
【0028】
発音素子23の報知音は、音の種類、長さ、間隔等によって規定されるものである。本実施形態の発音素子23の報知音は、第1の報知音として、電池電圧が所定の第1の電圧以下に低くなって電磁弁40が作動しないときに「ピピピピピッ」という電子音を出す。また、電池電圧が第1の電圧より高いときには、第2の報知音として、吐水時に「ピッ」という電子音を出し、第3の報知音として止水時に「ピピッ」という電子音を出す。
【0029】
図2に示すように、コントローラ30に搭載された電圧測定部31、開閉指令部32、及び報知指令部33と、センサユニット20に搭載されたセンサ21が、水栓10の動作を制御する制御部Cを構成している。また、センサユニット20に搭載された発光素子22及び発音素子23が、水栓10における電池電圧の状態を報知する報知部Nを構成している。
【0030】
電池ボックスは、カウンタ14の下部の内壁に取り付けられている。電池ボックス内に収容される電池50は、使用者が交換可能な電池であればよい。乾電池であってもよく、蓄電池であってもよい。
【0031】
次に水栓10の作用について、図3及び図4に従って水栓10の動作とともに説明する。
図4に示すように、使用者が水栓10のセンサユニット20に手を翳すと、制御部Cは、センサユニット20に搭載されたセンサ21により手の接近を検知し(ステップS11)、制御部Cの電圧測定部31が電池電圧を測定する(ステップS12)。そして、制御部Cは、電池電圧の測定値が所定の第1の電圧より高いか否かを判定する(ステップS13)。電池電圧の測定値が第1の電圧より高いと判定した場合、続いて、電池電圧の測定値が第1の電圧より高い所定の第2の電圧より高いか否かを判定する(ステップS14)。
【0032】
ステップS15では、電池電圧の測定値が第2の電圧より高いと判定した場合、制御部Cの開閉指令部32は、電磁弁40に対して開放位置に移動させる駆動信号を送信する、電磁弁40は開放位置に移動して吐水口13aから吐水される。また、制御部Cの報知指令部33は、図3(a)に示すように、表示部の白色LED22aに対して第2の点灯パターンで点滅させる駆動信号を送信するとともに、音報知部の発音素子23に対して第2の報知音「ピッ」の音を出力させる駆動信号を送信する。
【0033】
水栓10の使用中にセンサ21が使用者の手の接近を検知すると(ステップS18)、ステップS19では、制御部Cの開閉指令部32は、電磁弁に対して閉塞位置に移動させる駆動信号を送信する。電磁弁は閉塞位置に移動して吐水口13aからの吐水が止められる。また、報知指令部33は、表示部の白色LED22aに対して消灯する駆動信号を送信するとともに、音報知部の発音素子23に対して第3の報知音「ピピッ」の音を出力させる駆動信号を送信する。
【0034】
一方、ステップS14で電池電圧の測定値が第2の電圧以下であると判定した場合、ステップS16では、制御部Cの開閉指令部32は、電磁弁40に対して開放位置に移動させる駆動信号を送信する、また、制御部Cの報知指令部33は、図3(b)に示すように、表示部の赤色LED22bに対して第1の点灯パターンで点滅させる駆動信号を送信するとともに、音報知部の発音素子23に対して第2の報知音「ピッ」の音を出力させる駆動信号を送信する。使用者は、表示部で赤色LED22bが点灯することにより、電池残量が少なくなっていることを認識する。電池残量がさらに少なくなる前に、電池ボックス内の電池50を交換する動機づけとなる。
【0035】
水栓10の使用中にセンサ21が使用者の手の接近を検知すると(ステップS18)、ステップS19では、制御部Cの開閉指令部32は、電磁弁40に対して閉塞位置に移動させる駆動信号を送信する。報知指令部33は、表示部の赤色LED22bに対して消灯する駆動信号を送信するとともに、音報知部の発音素子23に対して第3の報知音「ピピッ」の音を出力させる駆動信号を送信する。
【0036】
ステップS13で電池電圧の測定値が第1の電圧以下であると判定した場合、ステップS17では、制御部Cの開閉指令部32からの駆動信号が送信されず、電磁弁40は閉塞状態に維持される、そのため、吐水口13aから吐水されない。また、制御部Cの報知指令部33は、表示部に対して駆動信号を送信せず、発光素子22は点灯しない。その一方で、報知指令部33は、音報知部の発音素子23に対して第1の報知音「ピピピピピッ」の音を出力させる駆動信号を送信する。使用者は、電磁弁40が駆動せず、表示部で発光素子22が点灯せず、発音素子23から第1の報知音が出力されることにより、電池残量が僅かであることを認識する。電池残量が完全になくなる前に、電池ボックス内の電池50を交換する動機づけとなる。
【0037】
本実施形態の水栓10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の水栓10は、電池電圧が所定の第1の電圧より高いときには、電磁弁40が開放されて吐水口13aから吐水されるとともに、白色LED22a又は赤色LED22bのいずれかが点灯する。一方、電池電圧が第1の電圧以下になると、電磁弁40が作動しないために吐水口13aから吐水せず、発光素子22も点灯せず、発音素子23が報知音を出力する。
【0038】
そのため、電池電圧が第1の電圧以下となったときには、使用者は、その状態を視覚に代えて聴覚で認識することができる。訴えかけられる感覚が変わることにより、発光体の点滅の周期の違いによって認識する場合に比べて、電池残量が僅かであることを認識し易い。
【0039】
(2)電池電圧が所定の第1の電圧より高いときには、発音素子23が「ピッ」と短く鳴り、電池電圧が第1の電圧以下のときには、発音素子23が「ピピピピピッ」と長く鳴る。
【0040】
そのため、発音素子23により出力される音の違いでも電池残量を認識することができる。電池残量が僅かであることをより認識し易い。
(3)電池電圧が所定の第1の電圧より高いときには、白色LED22a又は赤色LED22bのいずれかが点灯し、電池電圧が第1の電圧以下のときには、発光素子22は点灯しない。
【0041】
そのため、発光素子22の点灯の有無によっても電池残量を認識することができる。電池残量が僅かであることをより認識し易い。
(4)電池電圧が第1の電圧より高い所定の第2の電圧以下のときには赤色LED22bが点灯し、第2の電圧より高いときには白色LED22aが点灯する。
【0042】
電池電圧の残量に応じて点灯色が異なっているため、電池電圧の状態をより認識し易い。
(5)第1の点灯パターン及び第2の点灯パターンは、いずれも発光素子22を1秒間隔で10回点滅させた後、3~5秒間隔で点滅させ続ける。
【0043】
そのため、1秒間隔で点滅させ続ける場合に比べて電池50の消耗を抑制することができる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0044】
・上記実施形態では、ステップS14で電池電圧が第2の電圧より高いか否かを判定し、第2の電圧より高い場合と第2の電圧以下の場合とで、発光素子22の点灯色を変更した。しかし、これに限定されず、図5に示すように、ステップS14を設けなくてもよい。図5に示す水栓10では、電池電圧が第1の電圧より高いか否かをステップS23で判定するのみであり、第1の電圧より高い場合に、電磁弁を開閉位置に移動させて白色LED22aを点灯させるとともに報知音を出力し、第1の電圧以下の場合に、電磁弁を作動させず、白色LEDを点灯させず、警告音として第1の報知音を出力する。このように制御した場合であっても、電池電圧が第1の電圧以下となったときには、使用者は、視覚での認識に代えて、聴覚で認識することができるため、発光体の点滅の周期の違いによって認識する場合に比べて、電池残量が僅かであることを認識し易い。また、発光素子22として白色LED22aが取り付けられているのみであるため、部品点数を少なくすることができ、センサユニット20を小型化することができる。
【0045】
・発音素子23からの報知音は、ステップS15、S16では出力しないようにしてもよい。この場合、ステップS17のみで出力させるようにすれば、その音が出力したときは電池残量が僅かであるという警告音となる。この場合、吐水可能な電池残量のときには発光素子22による点灯のみ、吐水不可の電池残量のときには発音素子23による報知音のみであるため、ステップS15、S16でも報知音を出力する場合に比べて、使用者は、電池残量が僅かであることをより強く認識することができる。また、報知音の出力をステップS17のみとすることで、電池の消費を少なくすることができる。図5に示す変更例でも同様に、発音素子23からの報知音は、ステップS24では出力しないようにしてもよい。
【0046】
・ステップS15での第2の報知音と、ステップS16での第2の報知音を異ならせてもよい。
・ステップS19、S26での電磁弁40閉塞時に第3の報知音を出力しないようにしてもよい。
【0047】
・第1、第2、第3の報知音は、上記実施形態のものに限定されない。報知音の種類、長さ等は適宜変更することが可能である。
・発光素子22の色は適宜変更することができる。白色や赤色以外にも、青色、紫色、桃色、黄色、緑色等、適宜の色を選択することができる。また、発光素子22として、同じ色のLEDを使用してもよい。この場合、点灯パターンの違いとして、点滅の周期を変える等してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、第1の点灯パターンとして、白色LED22aを1秒間隔で10回点滅させた後、3~5秒間隔で点滅させ続け、第2の点灯パターンとして、赤色LED22bを1秒間隔で10回点滅させた後、3~5秒間隔で点滅させ続けた。しかし、点灯パターンは、これに限定されず、適宜変更することができる。例えば、白色LED22aを所定間隔で点滅させるのではなく点灯させ続けるようにしてもよく、点灯開始時から同じ間隔で点滅させ続けるようにしてもよい。また、点滅間隔を変更した後、所定時間経過後に消灯するようにしてもよい。さらに、白色LED22aの点滅の間隔と、赤色LED22bの点滅の間隔とを異ならせてもよい。
【0049】
・発光体はLEDでなくてもよい。
・電池で作動するセンサ式水栓であれば水栓10の形状、構造等は、上記実施形態のものに限定されない。
【0050】
・水栓10は、キッチンキャビネットのカウンタ14に設置されるものに限らない。洗面所、トイレ等に適用されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…水栓
21…センサ(検知部、制御部)
22…発光素子(発光体、表示部)
23…発音素子(音報知部)
32…開閉指令部
図1
図2
図3
図4
図5