(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示情報制御システム及び表示情報制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240709BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20240709BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240709BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20240709BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G09G5/00 530M
G09G5/00 550X
G09G5/00 555D
G09G5/02 B
G09G5/377 110
G16H30/00
H04N7/15
(21)【出願番号】P 2020134060
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2023-06-01
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス ベゼルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ゴリン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ マナーク
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0005269(US,A1)
【文献】特表2015-512100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0075623(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205239(US,A1)
【文献】特開2014-112373(JP,A)
【文献】特開2010-146504(JP,A)
【文献】特開2009-157077(JP,A)
【文献】特開2000-101829(JP,A)
【文献】特表2019-522775(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0342313(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048-3/04895
3/14-3/153
G06Q50/22
G06T1/00-1/40
3/00-5/50
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-5/42
G16H10/00-80/00
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
9/12-9/31
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの表示装置と、処理回路およびメモリを有する表示情報制御装置とを含む表示情報制御システムであって、
前記メモリは、ネットワークを介して取得されたデータが提供される複数の2次元(Two-Dimensional:2D)ディスプレイ面と、前記2Dディスプレイ面よりも奥行き方向で深い方向の位置に配置され、前記2Dディスプレイ面に対してビジュアル変換操作を行う少なくとも1つの変換演算子面とを有
し、前記複数の2Dディスプレイ面のうち少なくとも1つが前記少なくとも1つの変換演算子面よりも前記奥行き方向で深い位置にあり、前記ビジュアル変換操作の対象外となる、合成スペースを保持し、
前記処理回路は、
前記合成スペース内の前記複数の2Dディスプレイ面のうちの少なくとも1つに対して提供されるデータを、前記少なくとも1つの表示装置に出力し、
前記複数の2Dディスプレイ面のうち
、前記少なくとも1つの変換演算子面よりも前記奥行き方向で浅い位置にある2Dディスプレイ面に対する更新が検出されると、前記
奥行き方向で浅い位置にある2Dディスプレイ面で前記少なくとも1つのビジュアル変換操作を実施することによって、前記少なくとも1つの表示装置で、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面を単一画像としてレンダリングする、表示情報制御システム。
【請求項2】
前記処理回路は、前記合成スペース内の前記少なくとも1つの2Dディスプレイ
面を、生成すること、破棄すること、および、変更することのうち少なくとも1つによる前記更新を出力する、請求項1に記載の表示情報制御システム。
【請求項3】
前記処理回路は、複数のデータプロバイダのうちの少なくとも1つからのデータに基づいて、前記複数の2Dディスプレイ面のうちの少なくとも1つのグラフィックデータを更新し、
前記グラフィックデータは、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面のプロパティから独立して更新される、請求項1又は2に記載の表示情報制御システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビジュアル変換操作は、
前記2Dディスプレイ面のうちの選択されたものに対して初期配置および寸法を適用すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを合成すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものをクリップすること、
ステンシルに基づいて前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものにグラフィックデータをレンダリングすること、
混合変換に基づいてグラフィックイメージに画素を混合すること、
カラーマッピングに基づいてグラフィックイメージの色値を置換すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを拡大・縮小すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを回転させること、および、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを圧縮または解凍すること、
のうち1つまたは複数を含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の表示情報制御システム。
【請求項5】
前記処理回路は、複数のデータプロバイダのうちの少なくとも1つから前記データを含む更新をサブスクライバーに出力し、
前記更新の出力は、
前記データプロバイダのうちの前記少なくとも1つから、テキスト、ベクタグラフィックス、バイトストリーム、圧縮または非圧縮映像、医療装置データ、時系列、波形
、患者
の電子カルテおよび
患者のバイタルサインのうち1つまたは複数を含むデータ型のデータを受け取ることと、
前記データプロバイダのうちの少なくとも1つから受け取った前記データのそれぞれのデータ型を検出することと、
前記データの前記それぞれのデータ型を画像のデータ型に変換することによって、前記データの一部を前記2Dディスプレイ面にレンダリングして画像にすることと、
を含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の表示情報制御システム。
【請求項6】
前記処理回路は、前記データプロバイダのうちの前記少なくとも1つからの前記データを含む前記更新を前記サブスクライバーに出力し、
前記更新の出力は、
装置から得られたそれぞれの定義済みフォーマットの前記それぞれのデータ型の前記データを受け取ることと、
前記それぞれの定義済みフォーマットの前記データを前記画像の前記データ型に変換することによって、前記2Dディスプレイ面に前記データの前記一部をレンダリングして前記画像にすることと、
を含む、請求項5に記載の表示情報制御システム。
【請求項7】
前記メモリは、前記合成スペースの奥行き方向が前方面および後方面を含み、複数の前記2Dディスプレイ面が、前記前方面と前記後方面との間の位置で配置されるような前記合成スペースを保持し、
前記処理回路は、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面をレンダリングするようにさらに構成され、
前記2Dディスプレイ面の前方の複数の面が、前記2Dディスプレイ面の後方の複数の面を被覆して前記前方面付近に配置され、前記2Dディスプレイ面の前記後方の複数の面が、前記奥行き方向において前記前方の複数の面より奥の前記後方面付近に配置される、請求項1に記載の表示情報制御システム。
【請求項8】
前記メモリは、前記少なくとも1つの変換演算子面
が演算子の2D面であ
る少なくとも1つの
2D変換演算子
面を保持し、
前記処理回路は、前記
少なくとも1つの2D変換演算
子面と前記前方の2Dディスプレイ面とが交差する位置で、前記
少なくとも1つの2D変換演算
子面の前方にある複数の2Dディスプレイ面に対す
る変換機能として前
記演算子を適用する、請求項7に記載の表示情報制御システム。
【請求項9】
前記メモリは、前記合成スペースが複数の2D
変換演算子面を含む合成スペースを保持し、
前記処理回路は、
前記変換機能の組合せとして前記複数の2D
変換演算子面の選択された組合せを、前記複数の2D
変換演算子面の前記組合せの前方の2Dディスプレイ面
のみに適用する、請求項8に記載の表示情報制御システム。
【請求項10】
前記処理回路は、複数の前記2D
変換演算子面の前記
前方面から前記
後方面への順番で、前記前方の2Dディスプレイ面に変換機能の前記組合せを適用する、請求項9に記載の表示情報制御システム。
【請求項11】
処理回路およびメモリを有する表示情報制御システムで実行される表示情報制御方法であって、
前記メモリに、ネットワークを介して取得されたデータが提供される複数の2次元(Two-Dimensional:2D)ディスプレイ面と、前記2Dディスプレイ面よりも奥行き方向で深い方向の位置に配置され、前記2Dディスプレイ面に対してビジュアル変換操作を行う少なくとも1つの変換演算子面とを有
し、前記複数の2Dディスプレイ面のうち少なくとも1つが前記少なくとも1つの変換演算子面よりも前記奥行き方向で深い位置にあり、前記ビジュアル変換操作の対象外となる、合成スペースを保持することと、
前記処理回路によって、
前記合成スペース内の前記複数の2Dディスプレイ面のうちの少なくとも1つに対して提供されるデータを、前記少なくとも1つの表示装置に出力され、
前記複数の2Dディスプレイ面のうち
、前記少なくとも1つの変換演算子面よりも前記奥行き方向で浅い位置にある2Dディスプレイ面に対する更新が検出されると、前記
奥行き方向で浅い位置にある2Dディスプレイ面で前記少なくとも1つのビジュアル変換操作を実施することによって、前記少なくとも1つの表示装置で、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面を単一画像としてレンダリングされる、
ことを含む、表示情報制御方法。
【請求項12】
前記更新を出力することは、前記合成スペース内の前記少なくとも1つの2Dディスプレイ
面を生成すること、破棄すること、および、変更することのうち少なくとも1つを含む、請求項11に記載の表示情報制御方法。
【請求項13】
前記更新を出力することは、複数のデータプロバイダのうちの少なくとも1つからのデータに基づいて、前記複数の2Dディスプレイ面のうちの前記少なくとも1つのグラフィックデータを更新することを含み、
前記グラフィックデータは、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面のプロパティから独立して更新される、請求項11又は12に記載の表示情報制御方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのビジュアル変換操作は、
前記2Dディスプレイ面のうちの選択されたものに対して初期配置および寸法を適用すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを合成すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものをクリップすること、
ステンシルに基づいて前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものにグラフィックデータをレンダリングすること、
混合変換に基づいてグラフィックイメージに画素を混合すること、
カラーマッピングに基づいてグラフィックイメージの色値を置換すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを拡大・縮小すること、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを回転させること、および、
前記2Dディスプレイ面のうちの前記選択されたものを圧縮または解凍すること、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項11~13のいずれか1つに記載の表示情報制御方法。
【請求項15】
サブスクライバーへの複数のデータプロバイダのうちの前記少なくとも1つからの前記データを含む更新の出力は、
前記データプロバイダのうちの前記少なくとも1つから、テキスト、ベクタグラフィックス、バイトストリーム、圧縮または非圧縮映像、医療装置データ、時系列、波形
、患者
の電子カルテ、
患者のバイタルサインのうち1つまたは複数を含むデータ型のデータを受け取ることと、
前記データプロバイダのうちの少なくとも1つから受け取った前記データのそれぞれのデータ型を検出することと、
前記データの前記それぞれのデータ型を画像のデータ型に変換することによって、前記データの一部を前記2Dディスプレイ面にレンダリングして前記画像にすることと、
をさらに含む、請求項11~14のいずれか1つに記載の表示情報制御方法。
【請求項16】
前記サブスクライバーへの前記データプロバイダのうちの前記少なくとも1つからの前記データを含む前記更新を出力することが、
装置から得られたそれぞれの定義済みフォーマットの前記それぞれのデータ型の前記データを受け取ることと、
前記それぞれの定義済みフォーマットの前記データを画像の前記データ型に変換することによって、前記2Dディスプレイ面に前記データの前記一部をレンダリングして前記画像にすることと、
をさらに含む、請求項15に記載の表示情報制御方法。
【請求項17】
前記合成スペースの奥行き方向が前方面および後方面を含み、前記前方面および前記後方面の間の位置に複数の前記2Dディスプレイ面が配置され、
前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面をレンダリングすることは、前記2Dディスプレイ面の前方の複数の面が、前記2Dディスプレイ面の後方の複数の面を被覆して前記前方面付近に配置され、前記2Dディスプレイ面の前記後方の複数の面は、奥行き方向において前記前方の複数の面より奥の前記後方面付近に配置されることをさらに含む、請求項11に記載の表示情報制御方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの変換演算子面が
演算子の2D面である2D変換演算
子面であり、
前記
2D変換演算
子面と前記前方の2Dディスプレイ面とが交差する位置で、前記
2D変換演算
子面の前方にある複数の2Dディスプレイ面に対す
る変換機能として前
記演算子を適用することをさらに含む、請求項17に記載の表示情報制御方法。
【請求項19】
前記合成スペースが複数の2D
変換演算子面を含み、
前記変換機能の組合せとして前記複数の2D
変換演算子面の選択された組合せを、前記複数の2D
変換演算子面の前記組合せの前方の2Dディスプレイ面
のみに適用することをさらに含む、請求項18に記載の表示情報制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示情報制御システム及び表示情報制御方法に関する。
【0002】
具体的には、本実施形態は、ネットワーク化された各ソースからのビジュアルデータの統合および表示のためのネットワーク中心型ウィンドウシステムに関する。より具体的には、本実施形態は、概して、すべてのホストがその中でグラフィックス状態を共用して、コンポーネントがデータ中心型通信で連結される、ネットワーク中心型アーキテクチャを有する分散型ウィンドウシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書にて提供する背景技術の説明は、本開示の背景を全般的に示すためのものである。この背景技術において説明される技術の範囲、および出願時には先行技術として認められていない本明細書の態様に対する本願発明者の技術を、本開示に対する先行技術であるとは、明示的にまたは非明示的にも認めていない。
【0004】
情報ベース型施設は種々のタイプの測定器および出力装置を含むことがあり、各出力装置は異なる情報を出力する場合がある。出力装置のタイプの例としては、ベクタグラフィックスを出力する装置、画像を出力する装置、遠隔測定データを出力する装置、スカラー値のリストを出力する装置、時系列データを出力する装置および波形信号を出力する装置が挙げられる。これら種々のタイプの測定器および出力装置は、異なるベンダーにより製造されることがある。また、出力装置は数人によってモニタされることがあり、モニタする観察者のそれぞれが、出力装置により出力された特定の情報に関係がある場合がある。
【0005】
情報ベース型施設の例としては、医用検査室(suite)があり、特に、インターベンション手技を実施するための医用検査室がある。医用検査室は、インターベンション手技のために必要な種々のタイプの医療機器および表示装置を含むことがある。インターベンション手技は種々の臨床的役割が協働する必要性を伴い、各臨床的役割は1つまたは複数の医療装置からの情報出力に依拠する。
図1は、インターベンション手技に伴う可能性のある臨床的役割の図である。臨床的役割には、放射線科医101、心臓専門医102、麻酔医103、技師104、看護師105、106およびイメージング物理士107が挙げられる。インターベンション手技は、通常、例えばインターベンション心臓病学など、被検体の身体の内部に接近するために切開または孔をあけることを伴う。インターベンション手技が一般に実施される検査室は、同時に複数の場所で、リアルタイムに、かつ異なる構成の情報を出力する本質的に異なる複数の医療装置を含む。例えば、心臓専門医と麻酔医とが同じインターベンション手技の間に、心臓専門医向けにはX線透視、麻酔医向けにはバイタルサイン/麻酔薬使用量などの、異なるディスプレイ上の異なる情報を見ることがある。一部の臨床的役割では、複数の医療装置からの情報出力を見ることが必要な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2013/0132466号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0164029号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0279436号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0057940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、表示情報のユーザビリティを向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の表示情報制御システムは、少なくとも1つの表示装置と、処理回路およびメモリを有する表示情報制御装置とを含む。前記メモリは、ネットワークを介して取得されたデータが提供される複数の2次元(Two-Dimensional:2D)ディスプレイ面と、前記2Dディスプレイ面よりも奥行き方向で深い方向の位置に配置され、前記2Dディスプレイ面に対してビジュアル変換操作を行う少なくとも1つの変換演算子面とを有する合成スペースを保持する。前記処理回路は、前記合成スペース内の前記複数の2Dディスプレイ面のうちの少なくとも1つに対して提供されるデータを、前記少なくとも1つの表示装置に出力し、前記複数の2Dディスプレイ面のうちの前記少なくとも1つに対する更新が検出されると、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面で前記少なくとも1つのビジュアル変換操作を実施することによって、前記少なくとも1つの表示装置で、前記少なくとも1つの2Dディスプレイ面を単一画像としてレンダリングする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るインターベンション手技に伴う可能性のある臨床的役割の図である。
【
図2A】
図2Aは、一実施形態に係るインターベンション手技を実施するための医用検査室の配置の例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、一実施形態に係るインターベンション手技を実施するための医用検査室の配置の例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、一実施形態に係るインターベンション手技を実施するための医用検査室の配置の例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るユーザアプリケーションおよびソースアプリケーションがその中でデータネットワークを通じてグラフィックス状態を共用する、ネットワーク中心型アーキテクチャのデータのフロー図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るネットワークアーキテクチャのブロック図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るコンピュータシステムのブロック図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るネットワーク中心型アーキテクチャのシーケンス図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る3D合成スペースを示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るディスプレイ面のレンダリングを示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る3D合成スペース内の変換演算子面を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係るクリッピング、レンダリングし、2Dディスプレイ面を合成するための変換演算子面を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係るステンシル変換を示す図である。
【
図12】
図12は、一実施形態に係る混合変換を示す図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係る色置換変換を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施形態に係る異なるディスプレイ向けに3D合成スペースの構成部分をレンダリングするための変換演算子面を示す図である。
【
図15】
図15は、一実施形態に係る異なるディスプレイ向けの変換演算子面の組合せを示す図である。
【
図16】
図16は、一実施形態に係るレンダリングされる変換演算子面の組合せを示す図である。
【
図17】
図17は、一実施形態に係るマイクロサービスのフローチャートである。
【
図18】
図18は、一実施形態に係るマイクロサービスのフロー図である。
【
図19】
図19は、一実施形態に係るマイクロサービスの組合せを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、表示情報制御システム及び表示情報制御方法の実施形態について説明する。また、以下の詳細な説明を添付図面と共に考慮し、参照することによって、本実施形態がより良く理解され、本実施形態のより完全な理解および多くのそれに付随する利点が容易に得られる。なお、添付図面においては、いくつかの図の全体を通して、同じ参照番号は、同一または対応する要素を意味する。
【0011】
また、本実施形態で使用する場合、「一実施形態」または「一部の実施形態」または「実施形態」へのいかなる言及も、実施形態に関連して記載されている特定要素、特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の各所に見られる語句「一実施形態では」は、必ずしも同じ実施形態を言及しているわけではない。本願明細書において用いられる、例えば、特に、「することができる(can)」「することがある(could)」「するかもしれない(might)」「する場合がある(may)」「例えば(e.g.,)」などの、条件つき言語は、特に指定がない限り、または使用される文脈内で違うように理解されていない限り、概して、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、および/またはステップを含む一方で、他の実施形態ではそれらを含まないことを意味することを意図している。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲にて使用する冠詞「a」および「an」は、特に指定がない限り「1つまたは複数」もしくは「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。
【0012】
上述したように、各臨床的役割に対して関係情報だけを統合して出力することは、出力するマルチベンダー医療機器の不十分なハードウェア/ソフトウェア統合のため複雑である。一例として、装置のベンダーは、通常、それらの出力が専用の表示装置に示されると仮定する。また、各表示装置は、臨床的役割によって必要とされる情報のサブセットだけを含む場合もある。さらに、複数人によって必要とされる情報を出力している出力装置は、検査室の中の空間の制約によって不便な場所に配置されることもある。
【0013】
このユーザビリティの課題への1つのアプローチは、映像分配システムを通して機器表示出力を配信することであった。この映像分配システムでは、通常、複数の装置の出力が単一出力に組み合わせられ、その組合せがより大きな高解像度のディスプレイ(または複数のそのようなディスプレイ)に供給される。しかしながら、映像分配システムは、高コストであり、柔軟性が制限される場合がある。また、映像分配システムは、映像または音声信号を扱うだけであり、出力は、ソフトウェアによってアクセス可能なデータとみなされない場合がある。さらに、映像分配システムは、通常、各装置の映像出力全体を組み合わせて配置する。
【0014】
しかしながら、コンピュータ制御施設内の異なるソースおよび機器からの情報出力を見ることをより簡単にし、効率的かつ安全に手技を行う必要がある。また、施設内の複数人および複数の場所に、リアルタイムで、同時に情報が提示されることが好ましい。さらに、データの視覚的外観および構成を含む情報の表現を、各個人が制御できるようにしたいといった要望がある。またさらに、容易に新しいソースおよび機器に対して拡大することができ、異なるソースおよび機器を有する異なる施設において、容易にセットアップすることができるプラットフォームに対する要望がある。
【0015】
そこで、本実施形態の目的の1つは、装置ベンダー、または出力が示されることになるソフトウェアアプリケーションから独立して、構成を変更して表示することを可能にする、システム、方法、およびコンピュータ可読記憶媒体を提供することである。また、本実施形態の他の目的は、ほとんどまたは全く開発労力を必要としない新規のまたはサードパーティの機器および/またはソフトウェアからの出力を統合することである。その結果、本実施形態に係る表示情報制御システム及び表示情報制御方法は、表示情報のユーザビリティを向上させることを可能にする。
【0016】
図2A、2B、2Cは、一実施形態に係るインターベンション手技を実施するための医用検査室の配置の非限定的な例を示す。
図2Aは、インターベンション手技を実施できる部屋、および隣接する制御室の平面図を示す。
図2Bは、遠隔に位置する制御室の平面図を示す。
図2Cは、
図2Bの制御室の正面図を示す。例示の配置は、医用検査室のようなコンピュータ制御施設の説明のために提示する。配置や、機器の数およびタイプは、図面に示されるものに限定されない。医用検査室は、1つまたは複数のX線透視検査室201および付随する制御室203を含んでもよい。X線透視検査室201は、心臓専門医が見るためのX線透視用の表示装置211、および麻酔医向けのバイタルサイン/麻酔薬使用量のための異なる表示装置213を含んでもよい。X線透視検査室201は、X線透視検査イメージング装置207を含んでもよい。付随する制御室203は、X線透視検査室201に対する窓209、および1つまたは複数の制御端末215を含んでもよい。補助制御室205は、1つまたは複数のディスプレイステーション217および大画面表示装置を有するディスプレイステーション219を含んでもよい。
【0017】
各表示装置は、それぞれのコンピュータに接続されてよく、またはビルトインコンピュータ(スマート表示装置と呼ばれることもある)を備えていてもよい。特定の非限定的な実施形態では、表示装置211および213ならびにディスプレイステーション217および219は、両方ともディスプレイと共にコンピュータを含むことができる。他の非限定的な実施形態では、ディスプレイおよびコンピュータは、別々にすることができるが、この場合、このコンピュータは、処理回路およびメモリを含み、さらにこのコンピュータは表示装置211および213ならびにディスプレイステーション217および219のうち1つまたは複数と接続して、表示装置211、表示装置213、ディスプレイステーション217および/またはディスプレイステーション219がそれぞれの画像を表示するように制御するようなものである。
【0018】
X線透視検査イメージング装置207とは別に、他の機器は、麻酔用機器、生理的モニタリング機器および医用ガス供給源を含んでもよい。医用検査室は、病院の情報サービスへのアクセスをさらに含んでもよく、この情報サービスには、医療機関内外の臨床医へのスケジュール情報、医用画像、生理学的データおよび臨床報告を含んでもよい。
臨床医に示される情報としては、医療装置からの情報、ならびに室温、湿度、照明および放射線を含む環境情報からの情報を挙げてもよい。医療装置からの情報は、X線透視検査画像、バイタルサイン(体温、脈拍数、呼吸数、血圧を含む)、医用ガス使用量を含んでもよい。
【0019】
医用検査室のようなコンピュータ制御施設における個人の要求を満たすために、開示する実施形態は、ネットワーク中心型・分散型ウィンドウシステムに関する。本実施形態は、特に、複数のホストコンピュータを接続している高スループット、低遅延データネットワークに関し、ここで、各ホストコンピュータは、グラフィックス表現能力を有し、かつ1つまたは複数の表示装置に接続しているものである。いくつかの実施形態では、グラフィックス表現能力は、1つまたは複数のディスプレイを制御するように構成された1つまたは複数のグラフィックス処理装置(Graphics Processing Unit:GPU)により提供されてよい。いくつかの実施形態では、GPUは、例えば、メインコンピュータ処理装置(Computer Processing Unit:CPU)を備えるか、または外部専用のグラフィックスカードとしての集積処理回路として、異なる配置で設けられてもよい。
【0020】
図3は、一実施形態に係るユーザアプリケーションおよびソースアプリケーションを含むことがある複数のソフトウェアアプリケーションが、データネットワークを通じてグラフィックス状態を共用する、ネットワーク中心型アーキテクチャのデータのフロー図である。ネットワーク中心型アーキテクチャは、出版-購読型メッセージ通信サービスによって、サポートされるデータ中心型通信を使用する。出版-購読型メッセージ通信サービスは、パブリッシャーがトピックに対してメッセージを出版(送信、出力)し、サブスクライバーがトピックに対して購読(受信)するサービスであってもよい。出版-購読型メッセージ通信サービスでは、サブスクライバーは、トピックに受け取られた任意のメッセージが通知される。本実施形態では、トピックは3D合成スペースに関係し、このトピックは特定の情報ベース型施設に関連付けられてよい。いくつかの実施形態では、出版-購読型メッセージ通信サービスは、グラフィックス状態の共用を容易にする。ネットワーク中心型アーキテクチャは、下位物理ネットワークおよびプラットフォームからの高い独立性を有する。加えて、ネットワーク中心型アーキテクチャは、データプロデューサーサービスを構築するためのマイクロサービスを含んでもよい。マイクロサービスは、1つまたは複数のホストコンピュータ内で動作され、特定の個々のデータ型を取り扱うことができるユーティリティである。個々のデータ型は、共用のグラフィックス状態に統合されてよい。例えば、マイクロサービスは、特定のデータ型向けのビジュアライザとして機能するデータプロデューサーサービスを構築できる。データプロデューサーサービスは、通信・ネットワーク式ソフトウェアコンポーネントであり、それぞれが特定の機能有効範囲、ならびに、展開上、操作上および管理上の独立性を有するものである。データプロデューサーサービスは、通信プロトコルを介してのみ他のコンポーネントと対話する。種々のデータプロデューサーサービスに関するより詳細な説明を以下に提供する。
【0021】
上記の特徴によって、合成スペースは、場合によっては異なるデータ型を使用する多くの異なるコンテンツソースおよび装置からのグラフィック/ビジュアルコンテンツ情報を組み合わせるために使用することができる。合成スペースは、種々のソースおよび装置からのコンテンツの3次元表現である。合成スペースは、1つまたは複数のホストコンピュータの不揮発性メモリで保持されてよい。3次元表現は、ディスプレイ面および変換面を含むことができる2次元コンテンツから作り上げられる。ディスプレイ面は、例えば画素値などの表示データの2次元配列であり、不揮発性メモリに格納される。異なるグラフィック/ビジュアル情報は、レンダリングされ得、かつ種々の表示装置、コンピュータモニタ、および作業環境(例えば医用検査室)のワークステーションに接続された表示装置において(全体的にあるいは部分的に)表示され得る、単一の合成画像へと組み合わせることができる。それぞれのビジュアルコンテンツ/データプロデューサーサービス(例えば、X線透視検査イメージング装置、EKG装置など)はビジュアルデータを合成スペース内のそれぞれのディスプレイ面(「キャンバス」および「キャンバス面」とも呼ばれる)に提供することができ、ディスプレイ面の順序は、異なるコンテンツソースからのビジュアルデータを組み合わせ、変換し、レンダリングして統合合成画像にする機能を含む変換面(「演算子面」とも呼ばれる)と共に使用される。したがって、合成スペースは、多くのコンテンツソースからのビジュアルコンテンツとして表示され得る単一統合画像を提供するといった有益な効果を有し、このコンテンツソースは、通常、互換性のないデータ型を使用する互換性のないソースであるとみなされているものである。さらに、単一統合画像は、異なるコンテンツソースによって記録されるリアルタイムの変化を表すために、連続的に更新することが可能である。
【0022】
図3に関して、ネットワーク中心型ソフトウェアアーキテクチャは、データネットワークを通じてグラフィックス状態の共用を促進する情報モデルを含む。情報モデル310は、1つまたは複数の2Dディスプレイ面(2D面とも記載する)を有するトピック用の3D合成スペース315を含む。ソースアプリケーション320またはユーザアプリケーション340は、S321で、2D面のレイアウトに対する変更(例えば、2D面の生成、削除、再位置づけ、またはリサイズなど)を行うためのメッセージをトピックに対して出版してよく、このメッセージはトピックメッセージとも呼ばれてもよい。ソースアプリケーション320は、トピックに対してコンテンツ更新メッセージを出版することによって2D面を更新し、これはコンテンツ更新メッセージと呼ばれてもよい。このような構成にすることで、ソースアプリケーション320は、2D面のレイアウトおよび合成スペースに関する情報を伴わずに、コンテンツ更新メッセージを使用して、2D面のコンテンツを更新することが可能である。理解を容易にするために、情報モデル310は、単一の3D合成スペース315の非限定的な例を用いて記載されている。しかしながら、情報モデル310は複数の3D合成スペースを概して含むことができ、各々がそれぞれのトピックによって識別される。ソースアプリケーション320は、S301における1つまたは複数の2Dディスプレイ面コンテンツを更新するためのメッセージの出版を含むデータ中心型通信を介した情報モデル310内のグラフィックス状態変更のための機能を含む。S303では、ソースアプリケーション320は、表示装置330に直接それらの特定のコンテンツを表示してもよい。ソースアプリケーション320がユーザアプリケーション340と直接通信しないデータ中心型通信方式では、S305において、ユーザアプリケーション340は、合成スペース315で行われる特定の変更に対して購読してもよい。コンテンツに対する変更が合成スペース315で行われると、S307において、ユーザアプリケーション340は、購読トピックを受信して、購読トピックに関連する合成スペース315の2D面のコンテンツの変更に関するメッセージを受け取ってもよい。S309では、ユーザアプリケーション340は、リアルタイムでそれらの変更をレンダリングしてよい。S311では、ユーザアプリケーション340は、グラフィックス状態の任意の構成部分をレンダリングし、それを1つまたは複数の表示装置330で提示するように構成されてよい。非限定的な例を挙げると、ソースアプリケーション320またはユーザアプリケーション340によって、その面識別子が「X」である特定の2D面が生成される場合は、特定のレイアウトを有する面「X」がユーザアプリケーション340によって自動的に生成される。次いで、ソースアプリケーション320は、トピック「X」にコンテンツ更新メッセージを出版することによって、2D面「X」のコンテンツを更新することができる。任意の2D面のコンテンツを更新するときに、合成スペース内の面のレイアウトは影響を受けないままである。
【0023】
さらに以下で述べられるように、ユーザアプリケーション340は合成スペース315内のレイアウトに対する変更を出版してもよい。データ中心型通信は異なるユーザアプリケーション340間で行われてよく、その間で、一方のユーザアプリケーション340が合成スペース315内のレイアウトに対する変更を出版し、もう1つのユーザアプリケーション340がそれを受信して、合成スペース315に対する変更に基づいて表示画像をレンダリングする。また、合成スペース315内のレイアウトに対する変更を出版するユーザアプリケーション340は、変更に基づいて画像をレンダリングする同じユーザアプリケーション340であってもよい。
【0024】
図4は、一実施形態に係るコンピュータネットワークアーキテクチャのためのブロック図である。
図4に関して、コンピュータネットワークアーキテクチャは複数のコンピュータ420が接続されているネットワークを含み、各コンピュータは1つまたは複数の付随する表示装置330に接続されている。前述のとおり、表示装置330には、組込み型コンピュータを含んでもよい。ネットワークは、コンバージド・イーサネット(登録商標)を通じてリモートダイレクトメモリアクセス(Remote Direct Memory Access:RDMA)401によって、PCIeベースのネットワーク経由で、または無線接続プロトコルによって、各コンピュータを接続してもよい。コンピュータ間の通信は、データバスがその中でパブリッシャーからサブスクライバーへのデータを発見/認識、転送する、データ中心型通信によるものが好ましい。種々のデータ出力ソース410は、ネットワークに情報出力を伝送するように構成されてもよい。データ出力ソース410は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)、シリアルケーブルなどの有線接続を通してか、もしくは、例えば、WiFi、ブルートゥース(登録商標)または電子デバイスを接続するその他の無線プロトコルなどの無線接続を通して、コンピュータ420のうち1つまたは複数と接続していてもよい。
【0025】
図5は、一実施形態に係るコンピュータシステムのブロック図である。ここで、
図5におけるコンピュータシステム500は、
図4のコンピュータネットワーク内のコンピュータ420を示す。
図5のブロック図は、開示される実施形態の説明のために提供される。しかし、開示される実施形態は、
図5に示される構成に限定されない。
図4のネットワークアーキテクチャのコンピュータ420には、例えばメインプロセッサのタイプ、およびグラフィックスプロセッサのタイプなどの、構成の違いがあってもよい。コンピュータ420には、種々な数および種類の表示装置が取り付けられてもよい。あるいは、コンピュータ420は、表示装置に組み込まれてもよい。また、
図5に示されるコンポーネントは、例として挙げられるものである。一部のコンポーネントは省略されてよく、他のコンポーネントが追加されてもよい。
【0026】
図5に関して、コンピュータシステムは、例えば、Windows(登録商標)サーバ、Unix(登録商標) OSのバージョン、またはMac OSサーバのサーバオペレーティングシステムを実行しているワークステーションでもよく、もしくは、例えば、Windows、Linux(登録商標)またはMacOSのバージョンのデスクトップオペレーティングシステムを実行しているデスクトップ/ラップトップコンピュータでもよい。各コンピュータ420は、ソフトウェアアプリケーション320および/またはユーザアプリケーション340を実行する処理回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーション320、340は、回路またはファームウェアとして実装されてもよい。コンピュータシステムは、1つまたは複数の処理コアを有するメインプロセッサ550(処理回路とも呼ばれる)およびグラフィックスプロセッサ512を含んでもよい。メインプロセッサは、x86、x64、ARM、PowerPCおよびSPARCのプロセッサファミリを含んでもよい。グラフィックスプロセッサ512(例えば、処理回路)は、開示される実施形態のグラフィックス処理の多くを実施してもよく、好ましくは、コンピュータシステムに接続している表示装置の総数をサポートすることができる。グラフィックスプロセッサの例としては、統合GPU、AMD GPU(例えばAMD Radeon(商標)GPU)およびNVIDIA GPU(例えばNVIDIA Quadro(登録商標)またはGeForce&(登録商標)GPU)が挙げられる。コンピュータシステムは、典型的には処理コア550およびグラフィックスプロセッサ512を含む処理回路によって実行されるソフトウェアを収容するランダムアクセスメモリRAMであるメインメモリ502、ならびにデータおよびソフトウェアアプリケーションを格納するための不揮発性記憶装置504を含む。例えば、メインメモリ502および/または不揮発性記憶装置504は命令を格納することができ、この命令は、実行されると、コンピュータ420および/または表示装置330に、
図3、6および
図17に図示する種々のステップおよび処理を実施させるものである。I/Oバスインタフェース510、入力/周辺装置518(例えば、キーボード、タッチパッド、マウスなど)、ディスプレイインタフェース516および1つまたは複数の表示装置330、ならびにネットワーク99を通して有線または無線通信を可能にするネットワークコントローラ506を含む、コンピュータシステムと対話するためのいくつかのインタフェースが、提供されてもよい。インタフェース、メモリおよびプロセッサは、システムバス526を通じて通信してもよい。コンピュータシステムは電源521を含み、その電源は冗長電源であってもよい。
【0027】
図4のコンピュータネットワークを通した、ソフトウェアアプリケーション320、340と合成スペース315との間のデータ中心型通信は、例えば、RTI(登録商標)Connext(商標)DDSなどのミドルウェアによって実施されてもよい。ミドルウェアは、Object Management Group(登録商標)DDSに準拠するデータ分散型サービス(Data Distribution Service:DDS)を提供してもよい。ユーザアプリケーション340およびソースアプリケーション320は、共用のデータオブジェクトに対して読取りおよび書込みを行うことによって通信してもよく、この共用のデータオブジェクトは各コンピュータ420のキャッシュに格納される。ミドルウェアは、ユーザアプリケーション340とソースアプリケーション320との間で伝達されるデータを配信し、同期させ、管理するためのデータ中心型フレームワークを提供してもよい。ミドルウェアは、例えば、ロードバランシング、作業負荷分散、およびトランザクション処理などの他のマネジメントサービスを取り扱ってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ユーザアプリケーション340は、コンテンツの特定のデータ型を取り扱うためにデータプロデューサーサービスによって補われてもよい。コンテンツの特定のデータ型としては、ウェブページのテキストコンテンツ、スケーラブルベクタグラフィックス(Scalable Vector Graphics:SVG)または他のベクタグラフィックス、医療用デジタル画像および通信(Digital Imaging and Communications in Medicine:DICOM)バイトストリームなどの医療装置からの画像、ヘルスレベル7(Health Level 7:HL7)メッセージなどの医療装置からの遠隔測定、一連のスカラー値、時系列データ、および波形信号を挙げてもよい。前述のとおり、各データプロデューサーサービス(マイクロサービスによって行われるような)は、通信・ネットワーク式ソフトウェアコンポーネントであり、特定の機能有効範囲、ならびに、展開上、操作上および管理上の独立性を有するものである。これらの特性によって、ネットワーク中心型アーキテクチャを進展することができる。独立した操作には、使用中であるトピックの動的な発見、トピックと関連付けられたアプリケーションデータ型の動的な発見、および発見されたアプリケーションデータ型のレンダリングを含んでもよい。マイクロサービスを使用して、トピックおよびデータ型を選択することによって視覚化するようにデータプロデューサーサービスを構築してもよい。
【0029】
データプロデューサーサービスは、
図6に関してさらに詳細に記載される。
図6はマイクロサービスによって構築される単一のデータプロデューサーサービスを示すが、本開示の一態様では、1組のマイクロサービスであり、マイクロサービスにより作られた各データプロデューサーサービスは、単一のデータ型の視覚化を取り扱う。各データプロデューサーサービスは、データ中心型通信を使用して、実行中のトピックを動的に発見する。次いで、データプロデューサーサービスは、発見されたトピックに対して、データ型を動的に発見してもよい。ここで、このデータ型は、データプロデューサーサービスによって取り扱われ、実行中のトピックと交換されることになるものである。
図6は、一実施形態に係るネットワーク中心型システムアーキテクチャのためのシーケンス図である。前述のように、ネットワーク中心型システムアーキテクチャの通信は、出版-購読型通信モデルに従うものである。
図6に関して、S601では、コンピュータ420の処理回路550、512によって実行されているソースアプリケーション320は、共用の3D合成スペース315内のグラフィックデータに対する更新を出版する。S603では、マイクロサービス610によって構築され、処理回路550、512によって実行されるデータプロデューサーサービスは、更新が行われているトピックを動的に発見する。更新が行われているトピックに関して、データプロデューサーサービスは、アプリケーションデータのデータ型を発見する。いくつかの実施形態では、データ型は、「.html」、「.svg」などのファイル型拡張子に基づいて発見されるか、あるいは日付ファイルまたはストリーム内のコンテンツを検索することによって、もしくは場合によってはヘッダーデータを検索することによって認識されてもよい。処理回路550、512によって実行されるデータプロデューサーサービスは、データプロデューサーサービスによって取り扱われる特定のトピックおよびデータ型を選択し、レンダリングする。S605では、処理回路550、512によって実行されるデータプロデューサーサービスは、データ型のレンダリングを生成してもよい。S607では、レンダリングされたデータ型は、合成ディスプレイ(S613)向けに他のデータ型とのレンダリングを伴い、S611で組み合わせられるブロックとして、処理回路550、512によって伝送されてよい。S609では、レンダリングは、直接、表示装置330に処理回路550、512によって伝送されてもよい。
【0030】
したがって、ソースアプリケーション320は2D面にデータ型をレンダリングしてよく、ユーザアプリケーション340は、処理回路550、512でデータプロデューサーサービスを実行するのと同時に、その助けをかりて、ディスプレイ向けに2D面をレンダリングしてよい。いくつかの実施形態では、ユーザアプリケーション340は処理回路550、512によって実行されて、直接これらのデータ型をレンダリングしてもよい。合成スペース内の各面は、タイプIDを割り当てられてもよい。タイプIDは、2D面のコンテンツを解釈して、それをレンダリングするためにユーザアプリケーション340によって使用されてよい。例えば、2D面がタイプID HTMLを有する場合、ユーザアプリケーション340は、処理回路550、512によって実行されて、タイプIDに基づいてHTMLをグラフィカルな表現(例えばウェブページ)に再レンダリングして、それを表示してもよい。ソースアプリケーション320もまた、処理回路550、512によって実行されて、その2D面にHTMLテキストを出版することによって、2D面を更新してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、トピックは、医用検査室などの施設と関連付けられたすべてのデータの単一の合成スペースであってもよい。一態様では、3D合成スペースは、少なくとも1つのメモリ504内に保持され、この3D合成スペースは、コンピュータ420の処理回路550、512で実行されることになる、各ユーザアプリケーション340間、ならびにユーザアプリケーション340とソースアプリケーション320との間のデータ中心型通信を容易にする。いくつかの実施形態では、3D合成スペースは、各ソフトウェアアプリケーション320、340が3D合成スペース315のコピーへのアクセスを有するような方式で、上述のミドルウェアによって管理されてもよい。
【0032】
図7は、一実施形態に係る3D合成スペースの非限定的な例を示す図である。ここで、3D合成スペースは、少なくとも1つのメモリ504に保持される。3D合成スペースは、メモリ504に格納され、奥行き(Z)方向に沿った位置に配置される少なくとも1つの2Dディスプレイ面を含む共用のグラフィックス状態でもよい。2Dディスプレイ面の寸法は、3D合成スペースのX-Y平面の寸法以下であってよい。X-Y平面の寸法は、最大の表示装置330の予想される寸法に従って定められるか、または任意の大きさに設定されてもよい。
図7に示すように、合成スペースを、64K×64K画素として描写する。現行の物理ディスプレイとしては、HDディスプレイ(1280×720)、Full HD(1920×1080)、4K(3840×2160)、8K(7680×4320)を挙げることができる。したがって、64K×64Kの寸法は、将来の表示装置に対する長期展開に適した寸法の一例である。また、3D合成スペースは、多数の2Dディスプレイ面に適合し、医用検査室などのコンピュータ制御施設内の機器の要求を満たすように十分な奥行きを含むことが好ましい。
【0033】
2Dディスプレイ面のコンテンツは、ソースアプリケーション320から得られ、処理回路550、512で実行している1つまたは複数のマイクロサービスによって生成されてもよい。コンテンツソース機器ソースからの元のコンテンツは、画像、時系列データ、シーケンスデータまたは波形信号などの特定のデータ型か、もしくは、DICOMバイトストリーム、HL7メッセージ、HTMLまたはSVGなどのファイル型であってよい。2Dディスプレイ面は、3D合成スペースが共用のグラフィック状態を表すようなグラフィックイメージである。表示装置向けの2Dディスプレイ面のレンダリングは、処理回路550、512で実行しているユーザアプリケーション340によって、制御される。メモリ504内に保持される3D合成スペースは、種々のデータ機器ソースからの異なるコンテンツからのコンテンツのデータ中心型通信を容易にする。
【0034】
図8は、一実施形態に係るディスプレイ面のレンダリングを示す図である。ここで、
図8においては、少なくとも1つのメモリ504で保持される3D合成スペース内の2Dディスプレイ面の構成と、本開示の例示的態様に従って、どのようにその構成が2Dディスプレイ面にレンダリングされるかを示す。
図8においては、2Dディスプレイ面801、803、805、807が、3D合成スペース800の奥行き(Z)方向に相当する位置で、メモリ504に格納される。合成された2次元画像809のように処理回路550、512によってレンダリングされる場合、奥行き方向の位置調整は、前側の2Dディスプレイ面が、後ろ側に位置する2Dディスプレイ面に対して被覆するような前後の方向を含む。また、処理回路550、512によってレンダリングされる合成画像は、3D合成スペース800内の合成された2次元画像809の基点(
図8の位置x、y、zを参照)に対応する特定の位置に基づいて、2Dディスプレイ面805、807のセットを含んでもよい。この位置を提供することで、奥行き方向において、該特定の位置からさらに後ろにある2Dディスプレイ面801、803は省略される。レンダリングされた画像809の2次元の範囲は、3D合成スペース800のX-Y寸法より小さくてもよく、特定の表示装置の寸法であってもよい。例えば、
図8に示すように、レンダリングされた画像809は、特定の表示装置の画素に対応することができるN×M画素の寸法である。上記のように、3D合成スペース800に対する変更は、処理回路550、512で実行しているソースアプリケーション320またはユーザアプリケーション340によって行われてよく、これらアプリケーションは、メモリ504内の3D合成スペース800にメッセージを出版することによって変更を伝達するものである。ここで、当該変更は、2Dディスプレイ面の生成、破棄、移動、サイズ設定を含んでもよい。2Dディスプレイ面の移動は、合成スペース800のX-Y平面で格納される面の位置情報を変更することによって実施されてもよい。コンテンツソースからのコンテンツは、2Dディスプレイ面のコンテンツを変更することができるソースアプリケーション320の実行により更新されてもよい。
【0035】
ユーザアプリケーション340は、2Dディスプレイ面で特定のタイプの変換を実施するビジュアル変換を生成するための機能を含んでもよい。かかるビジュアル変換は、演算子の動作を構成する演算子およびパラメータを含んでもよい。一実施形態では、ビジュアル変換は、奥行き(Z)方向に相当する位置で、少なくとも1つのメモリ504内の3D合成スペースに格納される2D変換演算子面であってもよい。2Dディスプレイ面が変換演算子面を含み、2Dディスプレイ面が処理回路550、512で実行されるユーザアプリケーション340によってレンダリングされる場合に、変換演算子面による操作が、変換のX-Y範囲と交差する、その前の面に対して、処理回路550、512によって適用される。ここで、ビジュアル変換としては、例えば、合成変換、ステンシル変換、混合(透明度)変換および色置換などが挙げられる。また、その他のビジュアル変換としては、例えば、スケーリング変換、回転変換、解凍変換、暗号化/復号化変換、およびグラフィックイメージに対して行うことができる他の変換などが挙げられる。
【0036】
動作中、ユーザアプリケーション340は、2D面に適用されることになる合成演算子面を3D合成スペース800内のある場所に配置してもよい。合成演算子を適用した結果は、表示装置330に表示されるものを表してもよい。ユーザアプリケーション340は、選択された合成演算子に基づいて、それぞれの選択された表示装置330用のディスプレイをレンダリングするように構成されてよい。このような場合、第1のディスプレイ向けに適用する合成演算子の合成結果の1つは、1つのディスプレイ向けのものであり、別の合成結果は、第2のディスプレイ向けのものである。
【0037】
動作中、3D合成スペース800、およびその中の2Dディスプレイ面は、単一の表示装置にマップされ得るよりも非常に大きい場合、追加の構成情報が指定されてもよい。特に、表示領域がどのように3D合成スペース800と交差する必要があるかについて指定する追加の構成情報が、指定されてもよい。交差情報は、例えば、構成ファイル“Y”: display-1: (128, 128)を使用するなど様々な方法で指定されてよい。なお、上記した式では、display-1の面の領域「Y」が、 [left, right, top, bottom] = [128, 128, 128 + monitor-width - 1, 128 + monitor-height - 1]である。
【0038】
図9は、一実施形態に係る3D合成スペース内の変換演算子面を示す図である。変換演算子面は、好ましくは、各々がX-Y方向の範囲を有する別々の変換演算子面901として3D合成スペース内で表現される。例えば、変換演算子面903、907は、演算子と面905、909の範囲との共通部分(すなわち、同じX-Y座標の重なり合う領域)のみに対して、演算子の前方で、直接、処理回路550、512によって、それぞれの演算子が適用されるように配置されてもよい。また、変換演算子面911(Op.#1、Op.#2、Op.#3)は、演算子が、3D合成スペースの奥行き方向で前から後ろへの順番(例えば、
図9のOp.#1、Op.#2、Op.#3の順)で2Dディスプレイ面913に適用されるように配置されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、各コンピュータ420は、ルーチンタイプの変換向けに、いくつかの組込み変換演算子を実施するように構成されてもよい。ユーザは、実行中のユーザアプリケーション340による組込み変換演算子を使用して、変換演算子面の位置および範囲を指定してもよい。
図10は、一実施形態に係る合成変換を示す図である。合成演算子1001は、1つまたは複数のキャンバスがレンダリングされることになるX-Y範囲の境界を定める演算子を伴う。本実施形態では、用語「キャンバス」は、2Dディスプレイ面と同じ意味で用いられる。任意の変換演算子面と同様に、演算子による操作は、変換演算子面の後にあるキャンバス面が操作の対象とならない一方で、変換演算子面の前方(3D合成スペースの最前面方向)にあるキャンバス面に適用される。
【0040】
変換演算子は、各コンピュータ420に含まれ、画像をレンダリングしている間に実施される既存の演算子か、ソフトウェアアプリケーションによってレンダリングされることになる予め合成された画像であってもよい。
【0041】
更新されることに加えて、2D面コンテンツは、ソースアプリケーション320などの任意のアプリケーションによって読み込まれてもよい。例えば、ソースアプリケーション320のようなアプリケーションは、処理回路550、512によって実行されて、「Y」と呼ばれる2D面に対して、メッセージを出版して、そのコンテンツをリクエストしてもよい。「Y」が合成演算子面である場合、アプリケーションリクエストは、「Y」をオーバーレイして交差する2D面の「スクリーンショット」として処理回路550、512によって取り扱われる。さらに、2D面のコンテンツは、他の目的のために読み込まれてもよい。例えば、1つまたは複数の2D面のコンテンツは、処理回路550、512によって、プリントに適したフォーマット(例えば、PDF、PS、PCLなど)に、レンダリングされてもよい。
【0042】
図10において、合成スペース1010内の合成演算子1001の実行により、キャンバス1003に合成操作を適用するが、キャンバス1005には合成操作を適用しない。合成演算子面1001の演算子の実行による合成操作1020は、合成演算子1001の前方のキャンバス1、2、3(1003)にクリッピング動作を実施する。各キャンバス1003は、合成演算子1001によって定義された範囲でクリップされる。クリップされた面は、処理回路550、512によってレンダリングされて、合成された2D画像1030で表示される。
【0043】
図11は、一実施形態に係るステンシル変換を示す図である。処理回路550、512によるステンシル演算子の実行により、ステンシル面の対応する画素用の値に基づいて、キャンバスの画素が変換される。例えば、ステンシル変換面1110は、画素ごとにステンシル値のマトリックスを含んでもよく、その際、値ゼロ(0)は、キャンバスの対応する画素がレンダリングされないことを意味し、値1(1)は、キャンバスの対応する画素がレンダリングされることを意味する。ステンシル変換面1101はキャンバス1103に適用されて、合成画像1105を得てもよい。ステンシル変換面1101のステンシル値は、ステンシル面の前方の複数のキャンバス1103に適用されてもよい。ステンシル変換面1101の領域は、少なくとも、ステンシル変換面1101が適用されることになるキャンバス1103の領域と同じ大きさであることが好ましい。しかし、ステンシル変換面1101がキャンバス1103より面積が小さい、すなわち、キャンバス面の対応する画素の数よりステンシル値が小さい場合は、対応するステンシル値を有しないキャンバス1103の画素は、ゼロのデフォルトステンシル値を有してもよい。
【0044】
図12は、一実施形態に係る混合変換を示す図である。ステンシル演算子と同様に、混合変換面は、対応する画素用の値を定義する。混合演算子の場合、混合値は、0.0~1.0の10進値であり得る。この場合、ゼロ(0.0)の値は透過的であり(すなわち、対応するキャンバスの画素の値を変更しない)、かつ、1(1.0)の値は、不透明である(すなわち、対応するキャンバスの画素の値をブロックする)。動作中、混合演算子値は、混合面の対応する画素に対して、処理回路550、512によって適用される。混合変換では、混合変換面1201の前方の1つまたは複数のキャンバス1205は、混合面(キャンバス1203)の対応する画素値に混合変換面1201の混合演算子値1210を適用することに基づいて変更されたそれらの対応する画素値を有することになる。混合演算子値は、処理回路550、512によって、混合演算子値1210と混合面(キャンバス1203)の対応する画素値を乗算することによって適用されてよい。このような場合、混合面(キャンバス1203)の画素値に0.0を乗算することで、透過的な画素値となり、その結果、キャンバス1205の画素に対応する画素値になんら影響を及ぼさない。混合面(キャンバス1203)の画素値に1.0を乗算すると、結果として、キャンバス1205の画素に対応する画素値をブロックすることになる。混合面1203の画素値に0.0~0.1(例えば、0.5)の値を乗算すると、混合面(キャンバス1203)の半透過的値とキャンバス1205の対応する画素値との混合となり、その結果、合成画像1207を得ることになる。
【0045】
図13は、一実施形態に係る色置換変換を示す図である。混合の代わりに、元の色と新しい色との間のカラーマッピングを使用して、キャンバスの色が、新しい色に変更されてもよい。パレット(色置換変換面)1301は、カラーマッピング1310を含んでもよく、このカラーマッピングは、合成画像1305用の色に、キャンバス1303で新しい色および新しい不透明度に色値を変更するために使用されてもよい。パレット(色置換変換面)1301は、カラーマッピングに基づいてパレット(色置換変換面)1301の前方の、すべてのキャンバス1303の面の色値および不透明度を変更してもよい。
【0046】
本実施形態のネットワーク中心型システムアーキテクチャが提供されることにより、臨床医などのユーザは、データの視覚的外観および構成を含む異なるソースからの情報の表現を容易に制御することができる。3D合成スペース315の異なる構成部分は、特定の表示装置330向けのレンダリングのために、任意に移動およびサイズ設定されてもよい。変換演算子面による操作の任意の組合せは、処理回路550、512によって、2Dディスプレイ面に適用されて、3D合成スペースの構成部分をレンダリングしてもよい。3D合成スペースの構成部分は、表示装置のグループ上のより大きな画像のようなディスプレイ向けに調整されるようにして、処理回路550、512によってレンダリングされてもよい。したがって、異なるソースからの情報の表現は、ユーザの特定のグループの要求に合わせて、各ユーザに、特定の手順に必要な情報が提供されるように調整可能である。情報の表現は、ユーザの数および役割に適合するように再構成されてよい。
【0047】
図14は、一実施形態に係る異なるディスプレイ向けに3D合成スペースの対応する構成部分をレンダリングするための合成演算子を示す図である。ネットワーク中心型システムアーキテクチャのユーザアプリケーション340には、処理回路550、512によって、それぞれのコンピュータ420に接続された1つまたは複数の特定の表示装置330向けに、特定のコンテンツがレンダリングされてもよいように、3D合成スペース1401を通した制御が提供されてもよい。各コンポジスタインスタンス(ユーザアプリケーション)1403には、それぞれの表示装置330において必要とされる3D合成スペース1401の構成部分を表示するために、合成変換面の移動およびサイズにわたる制御が提供されてもよい。
【0048】
図15は、一実施形態に係る異なるディスプレイ向けの変換演算子面の組合せを示す図である。一態様では、各ユーザアプリケーションは、各コンピュータ420における変換演算子の異なる組合せの結果をレンダリングしてもよい。例えば、ユーザアプリケーション1503は、処理回路550、512によって、変換演算子3の結果をレンダリングしてよく、ユーザアプリケーション1505は、処理回路550、512によって、変換演算子1の結果をレンダリングしてよく、ユーザアプリケーション1507は、処理回路550、512によって、変換演算子2、3および4の結果をレンダリングしてよい。
【0049】
図16は、一実施形態に係るレンダリングされる変換演算子面の組合せを示す図である。一態様では、大きな共通表示装置1603を提供するために、いくつかの表示装置が相互接続されてもよい。いくつかのユーザアプリケーションが、特定の表示装置を制御してもよい。例えば、ユーザアプリケーション1605は、処理回路550、512によって、合成スペース1601内の合成変換演算子3および6の適用に基づいて表示画像をレンダリングしてもよい。ユーザアプリケーション1607は、処理回路550、512によって、合成スペース1601内の合成変換演算子2および5の適用に基づいて表示画像をレンダリングしてもよい。ユーザアプリケーション1609は、処理回路550、512によって、合成スペース1601内の合成変換演算子1および4の適用に基づいて表示画像をレンダリングしてもよい。各ユーザアプリケーションによってレンダリングされた画像は、6台の表示装置のグループ上で表示される組み合わされた画像を構成する。
【0050】
ネットワーク中心型システムアーキテクチャは、高レベルのアプリケーションデータを解釈して、視覚化することが可能である。ネットワーク中心型システムアーキテクチャでは、参加者の間でネットワークを通じて交換されるアプリケーションデータを視覚化することが可能である。ネットワーク中心型システムアーキテクチャは、参加者が出版する新しい参加者データおよび種々のタイプのデータに依存しない。これらの特性は、種々のデータ型を検出して、特定のデータ型を選択して、特定のデータ型を解釈してレンダリングして、種々の選択されたデータ型の合成物を作成することが可能であるアプリケーションによって達成される。
【0051】
図17は、一実施形態に係るマイクロサービスのフローチャートである。前述のとおり、2Dディスプレイ面は、画像、時系列データ、シーケンスデータまたは波形信号などの特定のデータ型、もしくは医療用デジタル画像および通信(DICOM)バイトストリーム、ヘルスレベル7(HL7)メッセージ、HTMLまたはSVGなどのファイル型を含んでもよい。これらのデータ型は、医用計測装置などの様々なタイプの医用機器装置などの種々のソースから発信されてもよい。一部のデータ型は、中心医療データベースまたは医療施設外に配置された外部ソースから発信される臨床データであってもよい。マイクロサービスは、処理回路550、512によって実行される。S1701では、処理回路550、512で実行しているコンテンツ創造性ツールを使用して、コンテンツソースと関連付けられたコンテンツが生成されてもよい。S1703では、実行中のソースアプリケーション320は、コンテンツデータを受け取ってもよく、S1705で、コンテンツソースからのコンテンツの変換またはフォーマット化を実施してもよい。S1707では、例えば、SVG用のマイクロサービスは、SVGに変換されたコンテンツを検出してもよく、例えばピクスマップの画像としてSVGをレンダリングしてもよく、S1709で、2Dディスプレイ面として画像を書き込んでもよい。例えば、コンテンツは、SVG、JPGまたはGIF画像に変換されてもよい。S1713では、実行中のユーザアプリケーション340は、合成画像として1つまたは複数の変換画像を出版してもよい。S1711では、変換画像は、ユーザアプリケーションによってビルディングブロックの用途で利用可能な2Dディスプレイ面であってもよい。
【0052】
図18は、一実施形態に係るマイクロサービスのフロー図である。ここで、
図18は、
図17のステップの一例を示す。1801では、創造性ツールなどのアプリケーションは、いくつかのグラフィカルなコンテンツを生成するために使用されてもよい(例えば、Adobe(登録商標)Illustratorが、一部の静的UIコンテンツを生成するために使用されてもよい)。1803では、コンテンツは、SVGファイルとしてメモリ504に保存されてもよい。1805では、SVGファイルは、SVGマイクロサービスに送られてもよい。1807では、SVGマイクロサービスは、SVGをビットマップ画像にレンダリングする。実行中のユーザアプリケーション340は、1つまたは複数の変換を生成してもよく、2Dディスプレイ面としてビットマップ画像、および変換演算子面として1つまたは複数の変換を3D合成スペースに出版してもよい。あるいは、実行中のユーザアプリケーション340は、マイクロサービスからのいくつかの画像を組み合わせる2Dディスプレイ面を作成してもよく、合成画像1809を出版してもよい。いくつかの実施形態では、SVGマイクロサービスは、任意の合成変換を出版する必要はなく、既述したように、それらは合成スペースの中に先在してもよい。出版が行われると、3D合成スペースに対して購読したユーザアプリケーションは、情景を再構築し、それらのローカル表示装置に変更を表示する。組合せの効果は、直接「SVGテキストを表示する」ことである。実行中のユーザアプリケーション340は、ディスプレイ1811のために合成画像をレンダリングしてもよい。
【0053】
図19は、一実施形態に係る複数のマイクロサービスを示すフロー図である。
図19では、組み合わせて実行され、複合表示画像を作成する複数のマイクロサービスの例を提供する。この例では、ECG心拍数(スカラー値)およびその装飾ラベル(SVGスクリプト)が、患者のバイタルサイン用のディスプレイに構成される。特に、1901で、SVGスクリプトは、ECGラベルのために生成されてもよい。SVGデータ型を取り扱う実行中のマイクロサービス1903はSVGスクリプトを使用して、ラベルコンテンツを画像1905に変換してもよい。1909では、心拍数モニタから得られる整数値が、ソースアプリケーション320によって受け取られてもよい。スカラーデータを取り扱う実行中のマイクロサービス1911は、整数値を画像1913に変換してもよい。実行中のユーザアプリケーション340は、マイクロサービスからの画像を合成画像1907に組み合わせてもよい。
【0054】
以上、説明したとおり、実施形態によれば、表示情報のユーザビリティを向上させることを可能にする。
【0055】
上記の教示に照らし、本発明の多くの変更および変形形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲で、本願明細書において特に記載されている以外にも、本発明が実施されてもよいと理解される。
【符号の説明】
【0056】
500 コンピュータシステム
502 メインメモリ
512 グラフィックスプロセッサ
550 メインプロセッサ