(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】時間単価取得装置、時間単価取得方法および時間単価取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2020146140
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 泰史
(72)【発明者】
【氏名】青木 大知
(72)【発明者】
【氏名】三宅 理紗
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139053(JP,A)
【文献】特開2002-259646(JP,A)
【文献】特開2003-281292(JP,A)
【文献】特開2019-016286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の営業所を有する人材派遣会社の各営業所で使用される、制御部を備える時間単価取得装置であって、
前記制御部は、
作業の依頼主である取引先から人材派遣会社が受け取った作業依頼データを営業所の業務担当者が依頼された作業が実施される前に入力するための作業依頼入力画面において業務担当者により指定された、
前記作業依頼データに含まれている、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、
前記作業依頼入力画面において業務担当者により指定された
、前記作業依頼データに含まれている作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得手段と、
を備えること、
を特徴とする時間単価取得装置。
【請求項2】
前記作業依頼データは、基本単価区分を格納することが可能なものであり、
前記制御部は、前記作業依頼データにアクセス可能であり、
前記制御部は、前記作業依頼入力画面において業務担当者により所定のボタンが押下されると、前記作業依頼データから基本単価区分の取得を試み、基本単価区分が取得できたかの結果を視認可能なサブ画面を表示させ、
前記作業依頼入力画面には、基本単価区分が取得できた場合にのみ押下される、見積発行を行うための画面への遷移を指示するためのボタンが設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の時間単価取得装置。
【請求項3】
前記単価マスタが、前記作業内容を更に細分化した細分化作業内容を識別するための細分化作業内容識別データまたは作業時間帯を更に含み、
前記単価取得手段は、前記判定手段において前記該当すると判定した場合、前記単価マスタから、前記指定された作業内容識別データと紐づき、かつ、
前記サブ画面において業務担当者により指定された細分化作業内容識別データまたは作業時間帯と紐づく時間単価を取得すること、
を特徴とする請求項
2に記載の時間単価取得装置。
【請求項4】
複数の営業所を有する人材派遣会社の各営業所で使用される、制御部を備える情報処理装置で実行される時間単価取得方法であって、
前記制御部で実行される、
作業の依頼主である取引先から人材派遣会社が受け取った作業依頼データを営業所の業務担当者が依頼された作業が実施される前に入力するための作業依頼入力画面において業務担当者により指定された、
前記作業依頼データに含まれている、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、
前記作業依頼入力画面において業務担当者により指定された
、前記作業依頼データに含まれている作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得ステップと、
を含むこと、
を特徴とする時間単価取得方法。
【請求項5】
複数の営業所を有する人材派遣会社の各営業所で使用される、制御部を備える情報処理装置に実行させるための時間単価取得プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
作業の依頼主である取引先から人材派遣会社が受け取った作業依頼データを営業所の業務担当者が依頼された作業が実施される前に入力するための作業依頼入力画面において業務担当者により指定された、
前記作業依頼データに含まれている、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、
前記作業依頼入力画面において業務担当者により指定された
、前記作業依頼データに含まれている作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得ステップと、
を含むこと、
を特徴とする時間単価取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間単価取得装置、時間単価取得方法および時間単価取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人材派遣会社が派遣先企業に対して請求する請求金額と、人材派遣会社が派遣社員に対して支給する支給金額とを、一括して算出できるようにして、別々に金額を算出する場合の煩雑な手間を軽減することを目的とする発明が開示されており(特許文献1の0004段落参照)、また、単価テーブルにおいては、勤務時間帯別の時間単価が設定されていることが開示されている(特許文献1の0027段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人材派遣業界等においては、上記特許文献1に記載のように、従来から、作業時間帯別に設定された時間単価の自動取得はできたが、作業内容別に設定された時間単価の自動取得はできていなかった。また、取引先との契約の種類によっては、時間単価ではなく、作業個数に基づいて取引先への請求額を算出する場合もあるため、そもそも、時間単価を採用するか否かの判断も手間や労力がかかるという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、取引先との契約の種類に応じて時間単価を採用するか否かを判定し、更に、時間単価を採用する場合には、作業内容別に設定された時間単価を取得することができる時間単価取得装置、時間単価取得方法および時間単価取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る時間単価取得装置は、制御部を備える時間単価取得装置であって、前記制御部が、指定された、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、指定された作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る時間単価取得装置は、前記単価マスタが、前記作業内容を更に細分化した細分化作業内容を識別するための細分化作業内容識別データまたは作業時間帯を更に含み、前記単価取得手段は、前記判定手段において前記該当すると判定した場合、前記単価マスタから、前記指定された作業内容識別データと紐づき、かつ、指定された細分化作業内容識別データまたは作業時間帯と紐づく時間単価を取得すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る時間単価取得方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される時間単価取得方法であって、前記制御部で実行される、指定された、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、指定された作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る時間単価取得プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための時間単価取得プログラムであって、前記制御部に実行させるための、指定された、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、指定された作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取引先との契約の種類に応じて時間単価を採用するか否かを判定し、更に、時間単価を採用する場合には、作業内容別に設定された時間単価を取得することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、時間単価取得装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、各テーブルの相関図の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、作業依頼テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、基本単価マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、作業依頼単価データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、作業依頼入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、単価情報の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る時間単価取得装置、時間単価取得方法および時間単価取得プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係る時間単価取得装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、時間単価取得装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
時間単価取得装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、時間単価取得装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
時間単価取得装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。時間単価取得装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、時間単価取得装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、時間単価取得装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0019】
記憶部106は、例えば、単価マスタとしての基本単価マスタ106aと、作業依頼テーブル106bと、作業依頼単価データ106cと、を備えている。これらの相関図は、
図2に示すとおりである。
【0020】
基本単価マスタ106aは、本発明の特徴であり、時間を単位とする単価である時間単価を設定するためのマスタである。基本単価マスタ106aは、
図2および
図4に示すように、例えば、作業内容を識別するための作業内容識別データ(作業内容CD)と、前記作業内容を更に細分化した細分化作業内容を識別するための細分化作業内容識別データ(作業CD)または作業時間帯(作業CD)と、作業開始時間と、作業終了時間と、前記時間単価(単価)と、等を含む。前記時間単価は、1時間あたりの単価に限定されず、例えば、1分あたりの単価や1日あたりの単価等も含む広い概念である。
【0021】
前記作業内容としては、例えば、検査業務、定期点検、測定業務、開発業務および生産業務等が挙げられる。前記細分化作業内容としては、例えば、前記定期定検を更に細分化した作業内容であるオイル交換作業およびブレーキパット交換作業等が挙げられる。前記作業時間帯としては、例えば、定時、時間外、標準作業および追加作業等が挙げられる。
【0022】
作業依頼テーブル106bは、依頼主である取引先から提供されるデータである。作業依頼テーブル106bは、
図2および
図3に示すように、例えば、依頼NOと、受注日と、担当営業所CDと、依頼先CDと、作業先CDと、請求先CDと、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分(契約区分)と、前記作業内容識別データ(作業内容CDおよび作業内容)と、基本単価区分と、等を含む。
【0023】
前記契約区分としては、例えば、「1:請負(時間)」、「2:請負(個数)」、「3:受託」、「4:一般派遣」、「5:一式」および「6:製造派遣」等の区分が挙げられる。「1:請負(時間)」の場合、派遣先にて時間単位で請求額が発生する。「2:請負(個数)」の場合、部品1個当たりの清掃を行う場合等に作業個数での単価で請求額が発生し、客先にて作業を行う。「3:受託」の場合、部品1個当たりの清掃を行う場合等に作業個数での単価で請求額が発生するが、自社内で作業を行い出荷依頼にて出荷を行う。これらの区分のうち、前記時間単価に基づいて前記取引先への前記請求額が決定されることを意味する区分は、例えば、「1:請負(時間)」、「4:一般派遣」および「6:製造派遣」の3つの区分である。
【0024】
作業依頼単価データ106cは、後述する単価取得部102bが基本単価マスタ106aから取得した前記時間単価をまとめたデータである。作業依頼単価データ106cは、
図2および
図5に示すように、例えば、前記依頼NOと、前記作業内容識別データ(作業内容CD)と、単価区分と、前記細分化作業内容識別データ(作業CD)または前記作業時間帯(作業CD)と、単価取得部102bが取得した前記時間単価(単価)と、等を含む。
【0025】
制御部102は、時間単価取得装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0026】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)指定された、取引先との契約の種類を識別するための区分である契約区分が、時間を単位とする単価である時間単価に基づいて前記取引先への請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する判定手段としての判定部102aと、(2)前記判定手段において前記該当すると判定した場合、作業内容を識別するための作業内容識別データと前記時間単価とを含む単価マスタから、指定された作業内容識別データと紐づく時間単価を取得する単価取得手段としての単価取得部102bと、を備えている。
【0027】
判定部102aは、指定された前記契約区分が、前記時間単価に基づいて前記取引先への前記請求額が決定されることを意味する契約区分に該当するか否かを判定する。
【0028】
単価取得部102bは、判定部102aにおいて前記該当すると判定した場合、前記作業内容識別データ(作業内容CD)と前記時間単価(単価)とを含む基本単価マスタ106aから、指定された作業内容識別データ(作業内容CD)と紐づく時間単価(単価)を取得する。
【0029】
単価取得部102bは、更に、前記作業CDもキーとして用いて前記時間単価(単価)を取得してもよい。すなわち、単価取得部102bは、判定部102aにおいて前記該当すると判定した場合、前記作業内容識別データ(作業内容CD)と前記時間単価(単価)と前記細分化作業内容識別データ(作業CD)または前記作業時間帯(作業CD)とを含む基本単価マスタ106aから、前記指定された作業内容識別データ(作業内容CD)と紐づき、かつ、指定された細分化作業内容識別データ(作業CD)または作業時間帯(作業CD)と紐づく時間単価(単価)を取得してもよい。
【0030】
ここで、本実施形態においては、前記作業内容CDと前記作業CDの組合せをキーとして前記時間単価を取得することが可能であるが、基本単価マスタ106aにおいて当該組合せの設定内容を業種により変更することで、広く応用することが可能である。特に、前記作業CDの設定内容は、本明細書で述べる前記細分化作業内容識別データおよび前記作業時間帯に限定されず、幅広い応用が可能である。
【0031】
[2.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。本項目においては、人材派遣会社が、本実施形態に係る時間単価取得装置100を使用するという前提で説明をする。
【0032】
まず、依頼主である取引先から
図3に示す作業依頼テーブル106bを受け取ると、人材派遣会社における各営業所の業務担当者が、
図6に示す作業依頼入力画面から、受け取った作業依頼テーブル106b中の情報を入力する。本項目では、作業依頼テーブル106b中の依頼NO:A00001のレコードの情報が入力される場合を例にとって説明をする。
図6に示す内容が入力されて、画面右下の「単価情報」のボタンが選択されると、判定部102aおよび単価取得部102bは、以下の処理を実行する。
【0033】
判定部102aは、
図6の作業依頼入力画面において入力された契約区分「1:請負(時間)」が、前記時間単価に基づいて前記取引先への前記請求額が決定されることを意味する区分に該当するか否かを判定する。[1.構成]の作業依頼テーブル106bの説明箇所で説明したように、契約区分「1:請負(時間)」は、前記時間単価に基づいて前記取引先への前記請求額が決定されることを意味する区分であるため、判定部102aは、「該当する」と判定する。
【0034】
次に、単価取得部102bは、判定部102aにおいて「該当する」と判定したため、
図4に示す基本単価マスタ106aから、
図6の作業依頼入力画面において入力された作業内容と紐づく単価を取得する。具体的には、
図6の作業依頼入力画面において指定された作業内容は、「1:測定」であり、
図4の基本単価マスタ106aを参照すると、「1:測定」と紐づく単価は、上から順に、2,600円、3,250円、3,900円、3,250円、4,063円および4,875円である。
【0035】
そして、当該取得した単価を含む作業依頼単価データ106cが、
図5に示すように生成される。生成された作業依頼単価データ106cは、
図7に示す単価情報表示画面に表示される。これにより、各営業所の業務担当者は、取引先から依頼された作業内容に対応する単価を素早くかつ正確に把握することができる。なお、業依頼単価データの編集状況に応じて、作業依頼の基本単価に変更の有無を反映させることが可能である。また、作業依頼テーブル106b内の、基本単価区分および作業依頼単価データより単価見積の出力を実施することが可能である。
【0036】
最後に、
図6の作業依頼入力画面および
図7の単価情報表示画面についての補足事項を説明する。
1.
図6の作業依頼入力画面の「単価情報」ボタンを押下することで、サブ画面(
図7の単価情報表示画面)の単価情報を起動することができる。
図7の単価情報表示画面への画面遷移時に、基本単価情報を取得し、単価情報表示画面に初期表示することができる。その際、基本チェック欄をONにする。
2.単価の変更を行う場合については、明示的に基本チェック欄を外し、単価の編集を行う。
3.基本単価にチェックがついている場合のみ、作業依頼入力から見積発行の画面に遷移することができる。作業依頼入力が基本単価以外で登録されている場合は、担当営業より別途見積を作成して提示する。そして、入電を受けたマネージャーが基本契約の締結情報を確認して、基本単価を使用するか判断する。
【0037】
[3.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る時間単価取得装置100によれば、取引先との契約の種類に応じて時間単価を採用するか否かを判定し、更に、時間単価を採用する場合には、作業内容別に設定された時間単価を取得することができる。
【0038】
ここで、従来においては、作業時間帯別に単価を取得することはできたが、作業内容別に単価を取得することはできなかったため、単価を頻繁に変更する必要があった。そこで、本実施形態においては、例えば、作業内容別に単価をマスタに設定できるようにすることで、作業内容に応じた単価を取得してそのまま採用することができる。言い換えると、本実施形態においては、例えば、作業内容に応じた基本単価を設定し、作業依頼を受けたタイミングで時間帯別の作業単価を自動取得できるようにした。
【0039】
これにより、例えば、従来のように基本単価契約の場合も営業にて見積提示をするという作業をする必要がなくなり、各営業所の業務担当者でも見積の発行ができるようになり、結果として、入電から受注までの時短に成功した。
【0040】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0041】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0042】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0043】
また、時間単価取得装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0044】
例えば、時間単価取得装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて時間単価取得装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0045】
また、このコンピュータプログラムは、時間単価取得装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0046】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0047】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0048】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0049】
また、時間単価取得装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、時間単価取得装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0050】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、例えば、派遣業界およびメンテナンス業界等において有用である。
【符号の説明】
【0052】
100 時間単価取得装置
102 制御部
102a 判定部
102b 単価取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 基本単価マスタ
106b 作業依頼テーブル
106c 作業依頼単価データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク