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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】動物捕獲装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/20 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A01M23/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020190494
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079346
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富岡 和幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 高章
(72)【発明者】
【氏名】武田 直也
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-060285(JP,U)
【文献】登録実用新案第3016577(JP,U)
【文献】実開昭63-174684(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0029244(US,A1)
【文献】米国特許第04984382(US,A)
【文献】実開昭49-136764(JP,U)
【文献】特表2004-520057(JP,A)
【文献】特開2003-284479(JP,A)
【文献】実公昭48-007981(JP,Y1)
【文献】特開2020-078175(JP,A)
【文献】特開2020-035887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 23/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物が進入可能な容器と、
前記容器に設けられ、前記動物によって動かされて前記動物を前記容器内に捕獲する捕獲部材と、
前記容器又は前記捕獲部材のいずれか一方に設けられた磁性部材と、
前記容器又は前記捕獲部材のいずれか他方に設けられ、前記磁性部材の移動による磁力変化を検知する検知センサと、
前記検知センサで検知した検知情報を外部へ送信する送信装置と、
を備える動物捕獲装置。
【請求項2】
前記捕獲部材は、前記容器の進入口を開閉する開閉部材であり、
前記開閉部材は、前記進入口を閉じる方向に付勢され、前記動物の自重によって動作して前記進入口を開く、請求項1に記載の動物捕獲装置。
【請求項3】
前記容器には、前記動物が進入可能な前室が設けられており、
前記前室から前記進入口を通して前記動物が前記容器に進入可能とされ、
前記磁性部材及び前記検知センサが前記前室内に配置されている、請求項2に記載の動物捕獲装置。
【請求項4】
前記開閉部材は、前記進入口に回転可能に支持されており、
前記開閉部材を付勢する付勢部材は、一端部が前記開閉部材に固定され、他端部が前記前室内に配置される錘部とされ、前記開閉部材の回転に伴い前記開閉部材の回転軸を中心に揺動する長尺部材であり、
前記磁性部材は、前記長尺部材の前記錘部に設けられており、
前記検知センサは、前記開閉部材が前記進入口を閉じた状態において、前記錘部に設けられた前記磁性部材に対向する位置に配置されている、請求項3に記載の動物捕獲装置。
【請求項5】
前記送信装置を動作させるための発電装置をさらに備える請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の動物捕獲装置。
【請求項6】
前記検知センサ及び前記送信装置が筐体に収容されている、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の動物捕獲装置。
【請求項7】
前記発電装置が前記筐体に収容されている、請求項5を引用する請求項6に記載の動物捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、動物捕獲装置(トラップユニット)が開示されている。この動物捕獲装置では、動物を捕獲していない状態では、箱形の容器の扉が開放状態に保たれている。そして、動物が容器内に入り、トリガーパンを踏むと、開放状態の扉のロックが解除され、扉が自重で容器の入口を閉じる。この扉には、扉の傾斜を検出する傾斜センサが固定されている。この傾斜センサによって、扉の開閉を検知し、容器に設けられた送受信装置により、捕獲情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4267268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の動物捕獲装置では、扉の開閉を傾斜センサで検知している。このため、動物捕獲装置の設置場所が傾斜している場合に傾斜センサが誤作動する虞がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、設置場所に影響されずに、動物の捕獲を検知するセンサが作動する動物捕獲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の動物捕獲装置は、動物が進入可能な容器と、前記容器に設けられ、前記動物によって動かされて前記動物を前記容器内に捕獲する捕獲部材と、前記容器又は前記捕獲部材のいずれか一方に設けられた磁性部材と、前記容器又は前記捕獲部材のいずれか他方に設けられ、前記磁性部材の移動による磁力変化を検知する検知センサと、前記検知センサで検知した検知情報を外部へ送信する送信装置と、を備える。
【0007】
第1態様の動物捕獲装置では、容器内に進入した動物によって捕獲部材が動かされることで、動物が容器内に捕獲される。ここで、捕獲部材が動物によって動かされると、容器又は捕獲部材のいずれか一方に設けられた磁性部材が、容器又は捕獲部材のいずれか他方に設けられた検知センサに対して移動する。この移動により、検知センサに対する磁性部材の相対位置が変化し、検知センサによって検知される磁性部材の磁力が変化する。検知センサによって磁性部材の磁力変化が検知されると、検知情報が送信装置によって外部へ送信される。
このように上記動物捕獲装置では、検知センサに対する磁性部材の相対位置の変化にともなう磁力の変化を検知センサが検知するため、設置場所が斜めに傾斜している場合でも、捕獲部材が動物によって動かされれば、検知センサが磁性部材の移動を確実に検知することができる。
したがって、上記動物捕獲装置では、例えば、捕獲部材に傾斜センサを設ける構成と比べて、設置場所に影響されずに、動物の捕獲を検知する検知センサが作動する。
【0008】
本発明の第2態様の動物捕獲装置は、第1態様の動物捕獲装置において、前記捕獲部材は、前記容器の進入口を開閉する開閉部材であり、前記開閉部材は、前記進入口を閉じる方向に付勢され、前記動物の自重によって動作して前記進入口を開く。
【0009】
第2態様の動物捕獲装置では、動物が開閉部材に乗ると、動物の自重によって開閉部材が動いて進入口が開き、動物が容器内に進入可能となる。動物が、開閉部材から降りて、容器内に進入すると、開閉部材に作用する付勢力により、開閉部材が進入口を閉じる。このようにして動物が容器内に捕獲される。
ここで、上記動物捕獲装置では、動物の自重によって作動する簡単な構造で動物を捕獲することができる。また、開閉部材は、容器の進入口を閉じる方向に付勢されているため、開閉を繰り返すことで複数の動物を捕獲することができる。
【0010】
本発明の第3態様の動物捕獲装置は、第2態様の動物捕獲装置において、前記容器には、前記動物が進入可能な前室が設けられており、前記前室から前記進入口を通して前記動物が前記容器に進入可能とされ、前記磁性部材及び前記検知センサが前記前室内に配置されている。
【0011】
第3態様の動物捕獲装置では、動物が捕獲される容器に前室を設け、この前室内に磁性部材及び検知センサを配置していることから、例えば、容器内に磁性部材及び検知センサを配置する構成と比べて、容器内に捕獲した動物によって検知センサが破損するのが抑制される。
【0012】
本発明の第4態様の動物捕獲装置は、第3態様の動物捕獲装置において、前記開閉部材は、前記進入口に回転可能に支持されており、前記開閉部材を付勢する付勢部材は、一端部が前記開閉部材に固定され、他端部が前記前室内に配置される錘部とされ、前記開閉部材の回転に伴い前記開閉部材の回転軸を中心に揺動する長尺部材であり、前記磁性部材は、前記長尺部材の前記錘部に設けられており、前記検知センサは、前記錘部に設けられた前記磁性部材に対向する位置に配置されている。
【0013】
第4態様の動物捕獲装置では、動物が開閉部材に乗ると、動物の自重によって開閉部材が回転して進入口が開く。このとき、長尺部材が開閉部材の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部)が持ち上がる。動物が開閉部材から降りて、容器内に進入すると、長尺部材が開閉部材の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部)が下がり、開閉部材が進入口に押し付けられて、進入口を閉じる。
ここで、上記動物捕獲装置では、磁性部材が長尺部材の錘部に設けられ、検知センサが錘部に設けられた磁性部材に対向する位置に配置されていることから、長尺部材が開閉部材の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部)が持ち上がると、検知センサに対する磁性部材の相対位置が変化する。これにより、検知センサによって検知される磁性部材の磁力が変化する。
したがって、上記動物捕獲装置では、開閉部材の回転に伴い開閉部材の回転軸を中心に揺動する長尺部材の錘部に磁性部材を設け、この錘部に設けられた磁性部材に対向する位置に検知センサを配置する簡単な構造で検知センサが磁性部材の移動を確実に検知することが可能になる。
【0014】
本発明の第5態様の動物捕獲装置は、第1態様~第4態様のいずれか一態様の動物捕獲装置において、前記送信装置を動作させるための発電装置をさらに備える。
【0015】
第5態様の動物捕獲装置では、送信装置を動作させるための発電装置をさらに備えることから、電力不足による検知センサ及び送信装置の作動不良を抑制することができる。
【0016】
本発明の第6態様の動物捕獲装置は、第1態様~第5態様のいずれか一態様の動物捕獲装置において、前記検知センサ及び前記送信装置が筐体に収容されている。
【0017】
第6態様の動物捕獲装置では、検知センサ及び送信装置が筐体に収容されていることから、例えば、検知センサ及び送信装置を別々の筐体に収容し各筐体を別々の場所に設けるものと比べて、装置を小型化することができる。
【0018】
本発明の第7態様の動物捕獲装置は、第5態様を引用する第6態様の動物捕獲装置において、前記発電装置が前記筐体に収容されている。
【0019】
第7態様の動物捕獲装置では、発電装置が筐体に収容されていることから、例えば、発電装置を筐体とは別の筐体に収容し各筐体を別々の場所に設けるものと比べて、装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、設置場所に影響されずに、動物の捕獲を検知するセンサが作動する動物捕獲装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る動物捕獲装置を前方から見た斜視図である。
図2図1の動物捕獲装置の縦断面図である。
図3図2の動物捕獲装置の要部拡大図である。
図4図1の動物捕獲装置に用いられる筐体を正面側から見た斜視図である。
図5図4の筐体を背面側から見た斜視図である。
図6図4の筐体の横断面図である。
図7図1の動物捕獲装置において、磁性部材と筐体(検知センサ含む)が対向位置にある状態を示す筐体及び磁性部材の横断面図である。
図8図7の動物捕獲装置において、磁性部材と筐体(検知センサ含む)が離間した位置にある状態を示す筐体及び磁性部材の横断面図である。
図9図7の動物捕獲装置において、磁性部材と筐体が対向位置にある状態を動物捕獲装置の側方から見た側面図である。
図10図7の動物捕獲装置において、磁性部材と筐体が離間した位置にある状態を動物捕獲装置の側方から見た側面図である。
図11】本発明のその他の実施形態に係る動物捕獲装置を後方から見た斜視図である。
図12図11の動物捕獲装置の容器通路部を後方から見た図である。
図13図11の動物捕獲装置を側方から見た側面図であって、磁性部材と筐体が対向位置にある状態を示している。
図14図11の動物捕獲装置を側方から見た側面図であって、磁性部材と筐体が離間した位置にある状態を示している。
図15】筐体取付用のブラケットの斜視図である。
図16】筐体内に収容される電子機器の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る動物捕獲装置を図1図10及び図15図16を用いて説明する。
【0023】
図1及び図2に示されるように、本実施形態の動物捕獲装置20は、動物を捕獲する装置である。本実施形態の動物捕獲装置20は、小動物(例えば、リスやネズミ等)を捕獲するのに用いられる。なお、動物捕獲装置20の大きさは、捕獲する動物の大きさに適した大きさとすることが好ましい。
【0024】
動物捕獲装置20は、図1及び図2に示されるように、容器22と、捕獲部材としての開閉部材30と、磁性部材40(図7及び図8参照)と、検知センサ50(図16参照)と、送信装置60(図16参照)と、を備えている。
【0025】
(容器22)
容器22は、図1図3に示されるように、捕獲対象の動物を収容するための容器であって、捕獲対象の動物が進入可能な大きさとされている。また、本実施形態の容器22は、矩形の箱形とされており、各面が金網によって構成されている。この容器22の前面22Aには、進入口24が設けられている。具体的には、前面22Aの中央付近には、容器22の後面22B側に向けて延びる通路部26が設けられている。この通路部26は、途中で行き止まりになっている。また、通路部26の下面には開口が設けられており、この開口が進入口24とされている。なお、本実施形態では、通路部26が前面22Aの中央付近に設けられているが、通路部26の下面が容器22の床面22Dから上方に離間していれば、前面22Aに対して通路部26を設ける位置については限定されない。
【0026】
容器22には、図1図3に示されるように、動物が進入可能な前室28が設けられている。この前室28は、容器22の前面22Aに設けられている。具体的には、前室28の側面、床面及び天井面は、容器22の側面22C、床面22D及び天井面22Eをそれぞれ前方に延長した延長部分によって形成されている。すなわち、前室28は容器22の一部で構成されている。また、前室28の前面28Aは、容器22の前面22Aと同様に金網で形成されている。この前面28Aの通路部26に対応する位置には、容器22の前面22A側に向けて延びる通路部29が設けられている。この通路部29は、容器22の通路部26の入口近傍まで延びている。また、通路部29の出口と通路部26の入口は、捕獲対象の動物が跳び越せる程度の距離離れている。言い換えると、捕獲対象の動物は、通路部29から通路部26に向けて跳躍により移動することが可能になっている。
なお、本実施形態では、前面28Aの通路部26に対応する位置に通路部29を設けているが、本発明はこれに限定されない。通路部26と通路部29の床面22Dからの高さや側面22Cからの距離が異なっていてもよい。
【0027】
(開閉部材30)
開閉部材30は、図1図2図9及び図10に示されるように、動物を容器22内に捕獲するための部材である。この開閉部材30は、動物によって動かされることで機能し、動物を容器22内に捕獲する。具体的には、開閉部材30は、容器22の進入口24を開閉するための部材である。
【0028】
開閉部材30は、進入口24に回転可能に支持されている。具体的には、開閉部材30は、通路部26の進入口24を構成する部分に回転可能に支持されている。また、本実形態では、開閉部材30の回転軸が容器22の側方に沿って延びている。
【0029】
また、開閉部材30は、進入口24を閉じる方向に付勢されている。この開閉部材30は、動物の自重によって動作して進入口24を開くようになっている。具体的には、開閉部材30を、進入口24を閉じる方向に付勢する付勢力よりも、動物から受ける荷重が大きい場合、開閉部材30が回転して進入口24を開くようになっている。なお、本実施形態では、通路部26と通路部29との間を動物が跳び越せる程度の距離離していることから、動物が通路部26から通路部29に向けて跳躍しやすく、動物が開閉部材30上に着地することで、開閉部材30に作用する荷重が上昇するため、開閉部材30を開く方向(進入口24を開く方向)に回転させやすい。
【0030】
開閉部材30は、図9及び図10に示されるように、付勢部材としての長尺部材32によって進入口24を閉じる方向に付勢されている。この長尺部材32は、長手方向の一端部が開閉部材30に固定され、長手方向の他端部が前室28内に配置される錘部34とされている。長尺部材32は、開閉部材30の回転に伴い開閉部材30の回転軸を中心に揺動するようになっている。
【0031】
(磁性部材40)
磁性部材40は、円柱状の永久磁石であり、図9及び図10に示されるように、開閉部材30に設けられている。具体的には、磁性部材40は、図7及び図8に示されるように、開閉部材30に固定された長尺部材32の他端部に設けられた錘部34に埋設されている。言い換えると、磁性部材40は、錘部34の一部を構成している。また、磁性部材40は錘部34に埋設されているため、前室28内に配置されている。
【0032】
(検知センサ50)
検知センサ50は、磁性部材40の移動による磁力変化を検知するセンサである。この検知センサ50は、容器22の側面22Cを延長した部分である前室28の側面に設けられている。具体的には、検知センサ50は、前室28内において、錘部34に設けられた磁性部材40に対向する位置に配置されている。
【0033】
また、検知センサ50は、図16に示されるように、筐体52内に収容されている。この筐体52内には、送信装置60も収容されている。この筐体52(図4及び図5参照)は、検知センサ50が磁性部材40からの磁力を検知可能で且つ送信装置60から外部へ電波を送信可能な材料によって形成されている。また、筐体52は、前室28に固定された金属製のブラケット54(図3及び図15参照)に取付部53を介して取り付けられている。
【0034】
(送信装置60)
送信装置60は、検知センサ50で検知した検知情報を外部へ送信するための装置である。この送信装置60は、検知情報を無線で外部へ送信可能とされている。
【0035】
また、動物捕獲装置20は、送信装置60を動作させるための発電装置70をさらに備えている。この発電装置70は、検知センサ50又は送信装置60と同様に筐体52内に収容されている(図16参照)。また、本実施形態の発電装置70は、電磁誘導を利用した発電装置であり、磁性部材40の移動による磁力の変化(磁束密度の変化)によって発電するようになっている。
なお、本実施形態の発電装置70は、電磁誘導を利用しているが本発明はこれに限定されない。例えば、発電装置70として、太陽光発電装置を用いてもよいし、蓄電池を用いてもよい。
【0036】
次に本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の動物捕獲装置20では、容器22内に進入した動物によって開閉部材30が動かされることで、動物が容器22内に捕獲される。ここで、開閉部材30が動物によって動かされると、開閉部材30に固定された長尺部材32の錘部34に設けられた磁性部材40が、容器22の一部によって構成される前室28に設けられた検知センサ50に対して移動する。この移動により、検知センサ50に対する磁性部材40の相対位置が変化し、検知センサ50によって検知される磁性部材40の磁力が変化する。検知センサ50によって磁性部材40の磁力変化が検知されると、検知情報が送信装置60によって外部へ送信される。
このように動物捕獲装置20では、検知センサ50に対する磁性部材40の相対位置の変化にともなう磁力の変化を検知センサ50が検知するため、設置場所が斜めに傾斜している場合でも、開閉部材30が動物によって動かされれば、検知センサ50が磁性部材40の移動を確実に検知することができる。
したがって、動物捕獲装置20では、例えば、開閉部材30に傾斜センサを設ける構成と比べて、設置場所に影響されずに、動物の捕獲を検知する検知センサ50が作動する。
【0037】
また、動物捕獲装置20では、図10に示されるように、動物が開閉部材30に乗ると、動物の自重によって開閉部材30が動いて進入口24が開き、動物が容器22内に進入可能となる。動物が、開閉部材30から降りて、容器22内に進入すると、開閉部材30に作用する付勢力により、開閉部材30が進入口24を閉じる(図9の状態に戻る)。このようにして動物が容器22内に捕獲される。
ここで、動物捕獲装置20では、動物の自重によって作動する簡単な構造で動物を捕獲することができる。また、開閉部材30は、容器22の進入口24を閉じる方向に付勢されているため、開閉を繰り返すことで複数の動物を捕獲することができる。
【0038】
またさらに、動物捕獲装置20では、動物が捕獲される容器22に前室28を設け、この前室28内に磁性部材40及び検知センサ50を配置していることから、例えば、容器22内に磁性部材40及び検知センサ50を配置する構成と比べて、容器22内に捕獲した動物によって検知センサ50が破損するのが抑制される。なお、本実施形態では、送信装置60及び発電装置70も、前室28に配置していることから、容器22内に捕獲した動物によって送信装置60及び発電装置70が破損するのが抑制される。
【0039】
動物捕獲装置20では、動物が開閉部材30に乗ると、動物の自重によって開閉部材30が回転して進入口24が開く。このとき、長尺部材32が開閉部材30の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部34)が持ち上がる。動物が開閉部材30から降りて、容器22内に進入すると、長尺部材32が開閉部材30の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部34)が下がり、開閉部材30が進入口24に押し付けられて、進入口24を閉じる。
ここで、動物捕獲装置20では、磁性部材40が長尺部材32の錘部34に設けられ、検知センサ50が錘部34に設けられた磁性部材40に対向する位置に配置されていることから、長尺部材32が開閉部材30の回転軸を中心に揺動して他端部(錘部34)が持ち上がると、検知センサ50に対する磁性部材40の相対位置が変化する。これにより、検知センサ50によって検知される磁性部材40の磁力が変化する。
したがって、動物捕獲装置20では、開閉部材30の回転に伴い開閉部材30の回転軸を中心に揺動する長尺部材32の錘部34に磁性部材40を設け、この錘部34に設けられた磁性部材40に対向する位置に検知センサ50を配置する簡単な構造で検知センサ50が磁性部材40の移動を確実に検知することが可能になる。
【0040】
また、動物捕獲装置20では、送信装置60を動作させるための発電装置70をさらに備えることから、電力不足による検知センサ50及び送信装置60の作動不良を抑制することができる。
【0041】
また、動物捕獲装置20では、検知センサ50及び送信装置60が筐体52に収容されていることから、例えば、検知センサ50及び送信装置60を別々の筐体に収容し各筐体を別々の場所に設けるものと比べて、装置を小型化することができる。
【0042】
また、動物捕獲装置20では、発電装置70が筐体52に収容されていることから、例えば、発電装置を筐体とは別の筐体に収容し各筐体を別々の場所に設けるものと比べて、装置を小型化することができる。
【0043】
前述の実施形態では、検知センサ50、送信装置60及び発電装置70を収容した筐体52を前室28内に配置しているが、本発明はこれに限定されず、筐体52を容器22内に配置してもよい。具体的には、図11図14に示される動物捕獲装置80のように、通路部26の外側面(容器22内の通路部26の外側面)に筐体52を取り付け、磁性部材40を開閉部材30の回転軸側に設けたブラケット82に埋設する構成としてもよい。ここで、図14に示されるように開閉部材30に動物が乗ると、開閉部材30が回転軸を中心に回転する。このとき、ブラケット82に埋設された磁性部材40も、開閉部材30とともに回転軸を中心に回転する。この回転移動によって、検知センサ50に対して磁性部材40が相対移動し、磁力の変化が生じる。このように磁力変化が生じることで、動物捕獲装置20と同様に、検知情報が送信装置60によって外部へ送信される。
【0044】
前述の実施形態の動物捕獲装置20では、容器22の前面22A側に前室28を設けているが、本発明はこれに限定されず、前室28を設けなくてもよい。また、動物捕獲装置80も同様に、前室28を設けなくてもよい。
【0045】
また、前述の実施形態の動物捕獲装置20では、装置側面に筐体52を取り付けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、装置床面や天井面等に取り付けてもよい。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
20 動物捕獲装置
22 容器
24 進入口
28 前室
30 開閉部材(捕獲部材)
32 長尺部材
34 錘部
40 磁性部材
50 検知センサ
52 筐体
60 送信装置
70 発電装置
80 動物捕獲装置
図1
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