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特許7517964電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20240709BHJP
【FI】
G06F3/04817
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020197356
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085594
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】本多 亮
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-181501(JP,A)
【文献】特開2012-155557(JP,A)
【文献】特開2013-178681(JP,A)
【文献】特開2005-173964(JP,A)
【文献】特開2000-261544(JP,A)
【文献】特開2011-258028(JP,A)
【文献】特開2019-012387(JP,A)
【文献】特表2016-549277(JP,A)
【文献】国際公開第2010/146685(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0080188(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102523343(CN,A)
【文献】特開2016-115319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを備える電子機器であって、
前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部と、
前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴管理部と、
前記履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを、使用日時が新しい前記コンテンツ順に表示する履歴表示制御部と、
を備え、
前記履歴表示制御部は、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する、
電子機器。
【請求項2】
ユーザがあらかじめ選択した前記コンテンツを示すお気に入り情報を格納するお気に入り記憶部、
を備え、
前記履歴表示制御部は、前記お気に入り情報に含まれる前記コンテンツへのショートカットを、前記お気に入り情報に含まれない前記コンテンツへのショートカットよりも優先して表示する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記履歴表示制御部は、前記お気に入り情報に含まれる前記コンテンツへのショートカットと、前記お気に入り情報に含まれない前記コンテンツへのショートカットとを、異なる態様で表示する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
複数のコンテンツを備える電子機器の制御方法であって、
前記電子機器は、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部を備え、
前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴更新ステップと、
前記履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを、使用日時が新しい前記コンテンツ順に表示する履歴表示ステップと、を含み、
前記履歴表示ステップは、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する、
電子機器の制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、上記履歴管理部、上記履歴表示制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツを有する電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書は複数のコンテンツを保有し、ユーザが任意のコンテンツを実行できる。ユーザは、過去にアクセスしたコンテンツ内データを、例えば見出し語ごとに知ることはできたが、過去にどのコンテンツを実行したか、経緯、履歴をコンテンツごとに直接知ることはできなかった。以下、コンテンツへのショートカットであって表示順や態様がコンテンツ使用履歴に基づくものを「履歴ショートカット」という。
【0003】
これまでに、コンテンツ(アプリ)の使用履歴を管理するもの(特許文献2)、また、コンテンツ(アプリ)の履歴、実行時間、切替時間により、関連性を把握して、それにより履歴ショートカットの表示位置を変えるもの(特許文献1)が知られている。しかし、ユーザがまだコンテンツを使用していない段階では、履歴ショートカットは表示されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-164319号公報
【文献】特開2019-28946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、コンテンツの使用履歴に応じた利便性の高い履歴ショートカットを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、複数のコンテンツを備える電子機器であって、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部と、前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴管理部と、前記履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを、使用日時が新しい前記コンテンツ順に表示する履歴表示制御部と、を備え、前記履歴表示制御部は、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器の制御方法は、複数のコンテンツを備える電子機器の制御方法であって、前記電子機器は、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部を備え、前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴更新ステップと、前記履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを、使用日時が新しい前記コンテンツ順に表示する履歴表示ステップと、を含み、前記履歴表示ステップは、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、コンテンツの使用履歴に応じた利便性の高い履歴ショートカットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一態様に係る電子機器の要部構成の一例を示すブロック図である。
図2】電子機器の外観を示す概略図である。
図3】コンテンツデータベースの一例を示す図である。
図4】コンテンツ使用履歴の一例を示す図である。
図5】履歴表示画面の一例を示す図である。
図6】履歴制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7】最古表示履歴のコンテンツがお気に入りに登録されている場合に、履歴に登録されていないコンテンツが新たに登録される場合のコンテンツ使用履歴変更後の具体例を示す図である。
図8】最古表示履歴のコンテンツがお気に入りに登録されている場合に、履歴に登録されていないコンテンツが新たに登録される場合の履歴表示画面の変更後の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
〔電子機器1の概要〕
以下、本発明の一実施形態について、図に基づいて詳細に説明する。
【0011】
本実施形態に係る電子機器1は、複数のコンテンツを有し、それらを起動させることができる。コンテンツとは、データとその表示手段が一体となったものであるが、表示手段はコンテンツに含まれていてもよく、外部アプリケーションと連動するものであってもよい。なお、端末の具体例としては、電子辞書、スマートフォン、タブレット端末、フィーチャーフォン、パソコンなどが挙げられるが、この例に限定されるものではない。
【0012】
例えば、電子機器1は、ユーザによる情報(入力情報、例えば文字列)の入力を受け付けると、保持している複数のコンテンツデータから、該情報に対応するデータを検索し、表示させる処理を行ってもよい。この場合、コンテンツデータとは、例えば、辞書データ、テキストデータ、文書データ、画像データ、スケジュールデータなどが挙げられるが、この例に限定されるものではない。例えば、電子機器1において、文書データやテキストデータ(例えば電子書籍)を閲覧するためのアプリケーションを起動して、閲覧しているデータにおける文字列の検索を行うことができてもよい。換言すれば、電子機器1は、汎用コンテンツの検索端末として機能してもよい。また、電子機器1は、データの閲覧以外を目的とするコンテンツを有していてもよい。例えば、電子機器1は、コンテンツとしてゲームアプリケーションを有し、当該ゲームアプリケーションを実行することができるものであってもよい。
【0013】
〔電子機器1の要部構成〕
以下、図1および図2を参照して電子機器1の一例である電子辞書の要部構成について説明する。図1は、電子機器1の構成を示すブロック図である。図2は、電子機器1の外観を示す概略図である。図1および図2に示すように、電子機器1は、制御部10、記憶部20、操作部30、および表示部40を含む。
【0014】
操作部30は、電子機器1に対する操作を受け付ける物理キーであり、例えば文字キー31、決定キー32、カーソルキー33が含まれている。操作部30は、ユーザからの操作を受け付け、その操作に応じた信号を操作特定部11に出力する。
【0015】
表示部40は、制御部10の制御に従って各種情報を表示するディスプレイである。例えば、表示部40は、検索画面、見出し語画面、および項目画面を表示する。表示部40としては、情報の表示が可能な表示装置であればどのような装置によって実現されてもよいが、具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイが挙げられる。また、表示部40は、タッチパネルを含み、表示部40に対する接触または接近によって電子機器1に対する操作を受け付けるものであってもよい。上記の入力は、電子機器1に備えられたボタンの押下や、手書き文字認識の機能を利用したものであってもよいし、音声認識、又は写真やジェスチャー等の画像認識の機能を利用したものであってもよい。出力も文字や画像の表示に限られず、音声による出力等であってもよい。
【0016】
制御部10は、電子機器1における各種処理を実行するものであり、操作特定部11、お気に入り制御部12、履歴管理部13、履歴表示制御部14を含む。
【0017】
操作特定部11は、操作部30においてなされたユーザによる操作を特定する。
【0018】
お気に入り制御部12は、操作特定部11においてお気に入り情報の更新を受け付けると、当該更新情報をお気に入り記憶部21に反映させる。また、お気に入り制御部12は、お気に入り記憶部21から受け取った情報に基づき、お気に入りに登録されたコンテンツへのショートカットを作成又は管理してもよい。
【0019】
履歴管理部13は、コンテンツの履歴情報を管理する。
【0020】
履歴表示制御部14は、履歴管理部から履歴情報を受け取ると、当該履歴情報に基づいて履歴ショートカット(コンテンツへのショートカットであって表示順や態様がコンテンツの履歴情報に基づくもの)を表示部40に表示する。
【0021】
記憶部20は、情報を記憶するものであり、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性のデバイスと、RAM(Random Access Memory)などの揮発性のデバイスとによって構成される。不揮発性のデバイスに記憶される内容としては、各種プログラム、各種動作設定値、各種データなどが挙げられる。揮発性のデバイスに記憶される内容としては、作業用ファイル、テンポラリファイルなどが挙げられる。記憶部20は、お気に入り記憶部21、履歴記憶部22、コンテンツ画像データ23、を含む。
【0022】
お気に入り記憶部21には、いずれのコンテンツがお気に入りに登録されているか否かが記憶されているが、代わりに、例えば当該コンテンツのお気に入り登録順序又は登録順位が記憶されていてもよい。
【0023】
履歴記憶部22には、履歴情報(ユーザがいずれのコンテンツを使用したかの情報)を記憶する。使用とは、ここでは、ユーザの操作を介してコンテンツ内のデータが表示部40に表示されることをいうこととするが、この限りではない。例えば、ユーザ操作を介さずシステムがコンテンツ内データを参照することが含まれていてもよい。本実施形態でいう使用には、ユーザが検索窓44を通じて操作を行いコンテンツ内データにアクセスすることや、ショートカットボタン群45又は履歴ショートカット群46のようなボタンを通じて操作を行いコンテンツ内データにアクセスすることが含まれるものとする。
【0024】
コンテンツ画像データ23は、表示部40に表示される画像のデータである。コンテンツ画像データ23は各コンテンツに紐づけられており、例えば、各コンテンツの出典元である辞書の表紙を模した画像であってよい。当該画像は、例えば表示部40において履歴ショートカットを示すアイコンとして押下可能なボタン領域として用いられる。
【0025】
〔コンテンツデータベースの構造〕
図3は、記憶部20に記憶されたコンテンツ及びそれに関連したデータを模式的に表したコンテンツデータベースの一例を示したデータ構成図である。
【0026】
コンテンツデータベースは、一例として、コンテンツタイトル、コンテンツ画像、お気に入り記憶、アクセス回数、の各項目を有する。
【0027】
コンテンツタイトルの項目には、当該コンテンツを特定する文字列、例えば、当該コンテンツの出典である辞書の名称が格納される。なお、本実施形態では、説明の便宜のため、コンテンツタイトルを用いてコンテンツを特定することとするが、コンテンツデータベースは、コンテンツIDの項目を有していてもよい。コンテンツIDは、コンテンツを特定するための重複しない値であり、制御部10は、コンテンツIDをもってコンテンツを特定してもよい。
【0028】
コンテンツ画像の項目には、各コンテンツに対応するコンテンツ画像データ23が格納される。
【0029】
お気に入り記憶の項目には、いずれのコンテンツがお気に入りに登録されているか否かが格納される。図3に示す例では、当該項目をもってお気に入り記憶部21とするが、お気に入りに登録されているコンテンツのリスト(お気に入りリスト)としてコンテンツデータベースとは別途記憶されていてもよい。本実施形態では、コンテンツ「F国語辞典」がお気に入りに登録されている。
【0030】
アクセス回数の項目には、ユーザがコンテンツを使用した回数が格納される。本実施形態では、「G世界史事典」にはまだアクセスがないものとする。
【0031】
図4は、履歴リスト(履歴情報)のデータ構造を示した図である。履歴リストは、ユーザがいずれのコンテンツを使用したかの順序を記録するためのデータベースである。履歴リストは、履歴記憶部22として記憶部20に記憶されている。
【0032】
履歴リストは、一例として、順位、コンテンツ、の各項目を有する。なお、本実施形態では、履歴リストはコンテンツデータベースとは別のリストとしているが、コンテンツデータベースに最終アクセス日時を記録し、当該記録された日時の順序をもって順位及びコンテンツを管理してもよい。
【0033】
順位の項目には、ユーザがコンテンツを使用した順序が格納される。ユーザがコンテンツを使用した場合、当該使用日時が新しいものが上位、すなわち数字の小さい順位に格納される。履歴リストには、同じコンテンツが別の順位に重複して登録されることはない。
【0034】
コンテンツの項目には、コンテンツを特定する情報が格納される。本実施形態では、説明の便宜のため、コンテンツタイトルを用いてコンテンツを特定することとするが、前述のとおり、コンテンツを特定するための重複しない値であるコンテンツIDをもってコンテンツを特定する情報としてもよい。
【0035】
履歴リストに格納可能なコンテンツの数は、表示される履歴ショートカットの数であってもよく、表示される履歴ショートカットの数より多くともよく、また、記憶部20に記憶された全コンテンツの数以上であってもよい。記憶部20に記憶された全コンテンツの数以上であれば、例えば、コンテンツが後から追加された場合に対応できる。また、履歴リストに格納可能なコンテンツの数は、加除されるコンテンツの数に合わせて増減されてもよい。
【0036】
履歴リストに格納されたコンテンツのうち、所定の範囲の順位にあるものを表示部40に表示してよく、以下これを表示順位と称する。本実施形態では、順位1から6を表示順位とする。
【0037】
〔表示画面例〕
図5は、電子機器1が表示する履歴表示画面の一例である。図5は、表示部40上に表示されたホーム画面であり、制御部10は、例えば検索窓44、コンテンツへのショートカットボタン群45、履歴ショートカット群46を表示させる。ユーザは検索窓44を使用した検索、コンテンツへのショートカットボタン群45の押下、46に表示されたショートカットの押下のいずれからでもコンテンツにアクセスすることができる。制御部10は、表示部40に他の情報、例えば、電子機器1のバッテリ残量を示す情報B、および電子機器1において使用可能な各種ツールを表示するツールバーCを表示させてもよい。これらの画面は、利便性の観点から検索画面、見出し語画面、および項目画面等に覆われないように表示されることが好ましい。
【0038】
本実施形態では、履歴ショートカットはi1~i6の6個まで表示される。表示順序は履歴リスト上の各コンテンツの順位に対応しており、本実施形態では、左が上位であり、右が下位である。表示画像は、コンテンツ画像データ23から読み込まれた各コンテンツの画像である。履歴ショートカットは、各コンテンツへのショートカットボタンとして機能してよく、例えば表示部40が操作部30と一体となったタッチパネルである場合、当該画像の領域を押下することで、対応するコンテンツを閲覧できてもよい。なお、履歴リストに格納可能なコンテンツ数が表示可能なコンテンツ数を超える場合、図示しない画面遷移又はスクロールボタンによって、現在表示されていない履歴ショートカットを表示するようにしてもよい。
【0039】
制御部10は、コンテンツがお気に入りに登録されていることを示すため、各履歴ショートカットの近傍に又は各履歴ショートカットに重畳して、何らかの図形又は文字を表示してもよい。本実施形態では、「F国語辞典」がお気に入りに登録されていることを示すため、履歴ショートカットi6の右上に重畳して星形のお気に入りアイコンi16が表示されている。
【0040】
〔初期状態で履歴を登録する処理の流れ〕
履歴管理部13は、ユーザが使用したコンテンツが表示できる履歴ショートカット数の上限より少なければ、履歴情報に、ユーザが使用していない所定個のコンテンツへのショートカットを追加して履歴情報に書き込み、この履歴情報に基づいて、履歴ショートカット群を表示する。例えば、履歴記憶部22は、ユーザが何らの操作も行っていない初期状態、あるいは工場出荷状態で、履歴情報に1以上のコンテンツが登録されていてもよい。履歴表示制御部14は、初期状態、工場出荷状態、又はユーザが電子機器を初期状態に戻す操作を行った状態において、最初に履歴表示を行う際、ユーザが使用したコンテンツの個数がゼロであるので、あらかじめ用意された初期表示コンテンツを履歴情報に設定し、それに基づいて、初期表示コンテンツへのショートカットを履歴ショートカット群として表示する。同様に、表示できる履歴ショートカット数の上限未満のコンテンツしか履歴情報に登録されていない場合、履歴表示制御部14は、当該登録されている個数のコンテンツへのショートカットと一緒に、上記上限の個数となるように初期表示コンテンツへのショートカットを追加して表示する。
【0041】
当該初期表示コンテンツは、例えば当該電子辞書の販売対象となるユーザの属性によって選定されることが望ましい。これは、各ユーザ属性に対応したコンテンツに履歴ショートカットからアクセスできた方が、ユーザが自分の属性に対応したコンテンツを検索する手間が省けて利便性がよいためである。例えば、中学生向けに販売する電子辞書の場合であれば、中学生向けのカリキュラムに沿った辞書などのコンテンツが、高校生向けに販売する電子辞書の場合であれば、高校生向けの辞書や大学受験用参考書などのコンテンツが、大学生向けに販売する電子辞書の場合であれば、大学生向けのより専門性の高い辞書などのコンテンツが履歴情報に登録されていることが望ましい。これにより、ユーザは、まだ操作を行っていない段階でも、自分の属性に合ったお勧めコンテンツに容易にアクセスすることが可能になる。
【0042】
〔履歴を入れ替える処理の流れ〕
特許文献1及び2に示される従来技術は、使用状況や2つのアプリの実行時間により機械的に関連性を把握し、それに応じて表示配列が変更するため、単にアプリをユーザが使用したというのみで履歴ショートカットが頻繁に入れ替わり、ユーザは意図した履歴ショートカットを意図した表示位置に留めておくことができず、ユーザの利便性が低いという問題がある。そこで、本実施形態では、例えば、以下の処理により、ユーザが意図するコンテンツ、つまりここではお気に入り登録されたコンテンツを、表示される履歴から脱落しづらくし、ユーザの利便性を向上させる。
【0043】
図6は、履歴リスト上のコンテンツが更新される場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【0044】
(ステップS101)
ステップS101において、操作特定部11は、ユーザの操作を受け付ける。
【0045】
(ステップS102)
ステップS102において、操作特定部11は、ユーザがコンテンツを使用したかどうかを判断する。ユーザがコンテンツを使用した場合(YES)、ステップS111へ移行する。ユーザがコンテンツを使用していない場合(NO)、ステップS101に戻る。
【0046】
(ステップS111)
ステップS111において、履歴管理部13は、ユーザが使用したコンテンツが表示部40に表示される表示順位内にあるかどうかを判断する。表示順位内にある場合(YES)、ステップS112に移行する。表示順位内に無い場合(NO)、ステップS121に移行する。
【0047】
(ステップS112)
ステップS112において、履歴管理部13は、当該表示順位より上位のコンテンツを1つずつ履歴リストの下位に繰り下げて履歴記憶部22に登録する。なお、順位を繰り下げる処理が発生した場合において、繰り下がった先の順位にコンテンツを格納することができなければ、当該コンテンツは履歴リストから抹消される。以下の繰り下げ処理でも同様である。
【0048】
(ステップS121)
ステップS121において、履歴管理部13は、表示順位内にお気に入りに登録されていないものがあるかどうかを判断する。表示順位内にお気に入りに登録されていないコンテンツがある場合(YES)、ステップS122に移行する。表示順位内にお気に入りに登録されていないコンテンツがない場合(NO)、ステップS131に移行する。
【0049】
(ステップS122)
ステップS122において、履歴管理部13は、お気に入りに登録されていないコンテンツの中で表示順位内の最下位コンテンツを表示順位から繰り下げ可能なコンテンツとして特定する。
【0050】
このとき、履歴管理部13は、お気に入りに登録されているコンテンツであっても、所定の条件で表示順位内の最下位コンテンツを、表示順位から繰り下げ可能なコンテンツとして特定してもよい。
例えば、履歴管理部13は、お気に入りに登録されているコンテンツについて、最古表示順位になった回数を記憶しておき、当該コンテンツが最古表示順位に所定の回数留まった場合、表示順位から繰り下げ可能なコンテンツとみなしてもよい。
【0051】
(ステップS123)
ステップS123において、履歴管理部13は、ステップ122で特定したコンテンツより上位のコンテンツを1つずつ下位に繰り下げて履歴リストに登録する。この際、S122で順位を変更しなかったものをスキップするように繰り下げる。例えば、順位4~6がステップS122で変動しなかったのであれば、順位3のコンテンツは順位7に繰り下がる。
【0052】
(ステップS131)
ステップS131において、履歴管理部13は、すべてのコンテンツを1つずつ履歴リストの下位に繰り下げて登録する。
【0053】
(ステップS141)
ステップS141において、履歴管理部13は、ユーザが使用したコンテンツを履歴リストの最新表示順位に登録する。
【0054】
図7は、図3ないし5の状態から、ユーザがコンテンツ「G世界史事典」を使用した場合の履歴リストの状態を示したデータ構造図である。以下の説明では、表示順位は上位から順に1から6であり、1が最新表示順位、6が最古表示順位である。
【0055】
G世界史事典は、表示順位1~6内に無いため、(ステップS111のNO)、履歴管理部13は、表示順位内にお気に入りに登録されていないものが無いか判断する(ステップS121)。履歴管理部13は、表示順位内にお気に入りに登録されていないものがあるため(ステップS121のYES)、当該コンテンツのうち最下位のもの、すなわち第5位にあるE国語辞典を特定し(ステップ122)、お気に入りに登録されているF国語辞典の順位を6のまま変更せず、他のコンテンツ、すなわち順位1~4に登録されているコンテンツを1つずつ繰り下げる(ステップS123)。履歴管理部13は、G世界史事典を新たに最新表示順位、すなわち順位1に登録する(ステップS141)。なお、E国語辞典は、順位が変動しないF国語辞典より1つ下に繰り下がってもよい。また、当該処理とは別に、履歴管理部13は、コンテンツデータベース内にあるG世界史事典の項目中「アクセス回数」を1つ加算する。
【0056】
図8は、図3ないし5の状態から、ユーザがコンテンツ「G世界史事典」を使用した場合の表示部40を示した画面図である。F国語辞典の履歴ショートカットを示すコンテンツ画像は、順位6のままi6に表示されている。このように、お気に入りに登録されたコンテンツの履歴ショートカットが非表示になりにくくすることによって、ユーザは自分の意図したコンテンツによりアクセスしやすくなり、ユーザの利便性が高まる。
【0057】
なお、電子機器1は、複数のコンテンツを備える電子機器であって、ユーザがあらかじめ選択した前記コンテンツを示すお気に入り情報を格納するお気に入り記憶部21と、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部22と、前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴管理部13と、前記履歴記憶部22に記憶された前記履歴情報に基づいて前記コンテンツへのショートカットを表示する履歴表示制御部14と、を備え、前記履歴表示制御部14は、前記お気に入り情報に含まれる前記コンテンツへのショートカットを、前記お気に入り情報に含まれない前記コンテンツへのショートカットよりも優先して表示する、構成を備えていてもよい。
【0058】
〔お気に入り表示の流れ〕
履歴表示制御部14は、履歴ショートカットを表示する際、当該コンテンツがお気に入りにも登録されているか否かを表示するためのアイコンを履歴ショートカットに重畳して又は近傍に表示する。図5及び図8では、履歴表示制御部14が、「F国語辞典」がお気に入りに登録されているため、F国語辞典を表す画像i6の右上に重畳して、当該コンテンツがお気に入りにも登録されているか否かを表示するアイコンi16を表示している。
【0059】
〔お気に入りに追加〕
通常、お気に入りへのコンテンツ登録はユーザの操作により行われるが、お気に入り制御部12は、履歴情報に基づいてコンテンツをお気に入りに追加してもよい。
お気に入り制御部12は、記憶部20内のコンテンツデータベース上の項目「アクセス回数」(図3)を参照し、ユーザがコンテンツを使用した回数が基準回数を超えたとき、当該コンテンツをお気に入り記憶部21に登録してもよい。これにより、ユーザは自分が頻繁にアクセスするコンテンツに更にアクセスしやすくなり、ユーザの利便性が高まる。なお、当該お気に入り制御部12によるお気に入り登録は、上記ユーザ操作によるお気に入り登録を禁止するものではない。
【0060】
〔ソフトウェアによる実現例〕
電子機器1の制御ブロック(特に制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0061】
後者の場合、電子機器1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0062】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器1は、複数のコンテンツを備える電子機器であって、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部22と、前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴管理部13と、前記履歴記憶部22に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを表示する履歴表示制御部14と、を備え、前記履歴表示制御部14は、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する。
【0063】
上記の構成によれば、ユーザがまだ操作を行っていない段階でも、コンテンツへの容易なアクセスを提供できる。
【0064】
本発明の態様2に係る電子機器1は、前記態様1において、ユーザがあらかじめ選択した前記コンテンツを示すお気に入り情報を格納するお気に入り記憶部21を備え、前記履歴表示制御部14は、前記お気に入り情報に含まれる前記コンテンツへのショートカットを、前記お気に入り情報に含まれない前記コンテンツへのショートカットよりも優先して表示する。
【0065】
上記の構成によれば、お気に入りに登録されたコンテンツの履歴ショートカットが非表示になりにくくすることによって、ユーザは自分の意図したコンテンツによりアクセスしやすくなり、ユーザの利便性が高まる。
【0066】
本発明の態様3に係る電子機器1は、前記態様2において、前記履歴表示制御部14は、前記お気に入り情報に含まれる前記コンテンツへのショートカットと、前記お気に入り情報に含まれない前記コンテンツへのショートカットとを、異なる態様で表示する。
【0067】
上記の構成によれば、お気に入りに登録されたコンテンツをユーザが履歴から容易に把握できる。
【0068】
本発明の態様4に係る電子機器の制御方法は、複数のコンテンツを備える電子機器の制御方法であって、前記電子機器は、前記コンテンツをユーザが使用した履歴を示す履歴情報を格納する履歴記憶部を備え、前記コンテンツをユーザが使用したとき、当該コンテンツについて前記履歴情報を更新する履歴更新ステップと、前記履歴記憶部に記憶された前記履歴情報に基づいて所定個数の前記コンテンツへのショートカットを表示する履歴表示ステップと、を含み、前記履歴表示ステップは、ユーザが使用した前記コンテンツが前記所定個数より少ないとき、ユーザが使用した前記コンテンツへのショートカットに、ユーザが使用していない前記コンテンツへのショートカットを追加して、前記所定個数のショートカットを表示する。
【0069】
上記の構成によれば、ユーザがまだ操作を行っていない段階でも、コンテンツへの容易なアクセスを提供できる。
【0070】
本発明の各態様に係る電子機器1は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器1が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記電子機器1をコンピュータにて実現させる電子機器1の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0071】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 電子機器
10 制御部
11 操作特定部
12 お気に入り制御部
13 履歴管理部
14 履歴表示制御部
20 記憶部
21 お気に入り記憶部
22 履歴記憶部
23 コンテンツ画像データ
30 操作部
31 文字キー
32 決定キー
33 カーソルキー
40 表示部
44 検索窓
45 ショートカットボタン群
46 履歴ショートカット群
図1
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