(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】水栓用カバー及び水栓
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
E03C1/042 B
(21)【出願番号】P 2020214528
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】間宮 義仁
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-007843(JP,A)
【文献】特開平11-131546(JP,A)
【文献】特開2013-199806(JP,A)
【文献】特開平11-286976(JP,A)
【文献】特開平10-195944(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03444406(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00- 1/10
E03C 1/12- 1/33
A47K 3/02- 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓本体に取り付けて用いられる水栓用カバーであって、
前記水栓本体の前部及び上部を覆うトップカバーと、前記水栓本体の後部を覆うバックカバーと、前記水栓本体の側部を覆うとともに前記トップカバーと前記バックカバーの相対移動を規制するサイドカバーとを備え、
前記トップカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記トップカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第1規制部が設けられ、
前記バックカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記バックカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第2規制部が設けられ、
前記トップカバーは、前記水栓本体の上部を覆う上壁を備え、
前記第1規制部の少なくとも一つは、前記トップカバーの前記上壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記トップカバーの前記上壁の上方への開きを規制
し、
前記水栓本体の前後方向に前記トップカバー及び前記バックカバーを組付けた後、前記水栓本体の側方から前記トップカバー及び前記バックカバーの内側に前記サイドカバーの挿入部を挿入することにより組付け可能に構成され、
前記第1規制部は、
前記挿入部に設けられるとともに前記挿入部の挿入方向に延びる係合溝部と、
前記トップカバーの内面に設けられる係合壁部とを備え、
前記係合壁部は、前記内面から突出するとともに前記係合溝部に挿入される縦壁と、前記縦壁から前後方向に延びるとともに前記内面との間に前記挿入部を挟み込む横壁とを備えていることを特徴とする水栓用カバー。
【請求項2】
前記第2規制部は、
前記挿入部に設けられるとともに前記挿入部の挿入方向に延びる係合溝部と、
前記バックカバーの内面に設けられる係合壁部とを備え、
前記係合壁部は、前記内面から突出するとともに前記係合溝部に挿入される縦壁と、前記縦壁から前後方向に延びるとともに前記内面との間に前記挿入部を挟み込む横壁とを備えている請求項1に記載の水栓用カバー。
【請求項3】
水栓本体に取り付けて用いられる水栓用カバーであって、
前記水栓本体の前部及び上部を覆うトップカバーと、前記水栓本体の後部を覆うバックカバーと、前記水栓本体の側部を覆うとともに前記トップカバーと前記バックカバーの相対移動を規制するサイドカバーとを備え、
前記トップカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記トップカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第1規制部が設けられ、
前記バックカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記バックカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第2規制部が設けられ、
前記トップカバーは、前記水栓本体の上部を覆う上壁を備え、
前記第1規制部の少なくとも一つは、前記トップカバーの前記上壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記トップカバーの前記上壁の上方への開きを規制
し、
前記トップカバー及び前記バックカバーは、前記サイドカバーを介して相対移動が規制されており、前記サイドカバーを取り外したとき、前後方向に相対移動可能であることを特徴とする水栓用カバー。
【請求項4】
前記トップカバーは、前記水栓本体の下部を覆う下壁を備え、
前記第1規制部の少なくとも一つは、前記トップカバーの前記下壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記トップカバーの前記下壁の下方への開きを規制する請求項1
~3のいずれか一項に記載の水栓用カバー。
【請求項5】
前記バックカバーは、前記水栓本体の上部を覆う上壁及び前記水栓本体の下部を覆う下壁の少なくとも一方を備え、
前記第2規制部の少なくとも一つは、前記バックカバーの前記上壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記バックカバーの前記上壁の上方への開きを規制する、又は前記バックカバーの前記下壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記バックカバーの前記下壁の下方への開きを規制する請求項1
~4のいずれか一項に記載の水栓用カバー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の水栓用カバーと、前記水栓本体とを備える水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓用カバー及び水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される水栓は、水栓本体と、水栓本体を被覆する水栓用カバーとを備える。水栓用カバーは、水栓本体の背面及び両側面を除く略全体を被覆する前側カバー体と、水栓本体の背面を被覆する後側カバー体と、水栓本体の側面を被覆するサイドキャップとを備える。
【0003】
前側カバー体は、上面部分と下面部分とが前面側にて接続された断面U字状の部材であり、上面部分の後端縁部に下方に突出する第1の係合部が設けられるとともに、下面部分の後端縁部に後方に突出する第2の係合部が設けられている。後側カバー体の上端面には、上方に開口する第1の係合溝が設けられるとともに、後側カバー体の前面の下部には、前方に開口する第2の係合溝が設けられている。
【0004】
前側カバー体は、後側カバー体の第1の係合溝及び第2の係合溝にそれぞれ、第1の係合部及び第2の係合部を挿入して係合させることにより、後側カバー体に対して前後方向及び上下方向の移動が規制された状態に組付けられる。サイドキャップは、組付けられた前側カバー体及び後側カバー体の内側に挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の水栓用カバーに用いられている前側カバー体、後側カバー体、及びサイドキャップの係合構成では、組付けた状態における剛性が十分でない。特に、前側カバー体の上面部分が上方に反るように変形すると、上面部分の後端縁部に設けられた第1の係合部が後側カバー体の第2の係合溝から外れて、上面部分の後端縁部が上方に開いてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する水栓用カバーは、水栓本体に取り付けて用いられる水栓用カバーであって、前記水栓本体の前部及び上部を覆うトップカバーと、前記水栓本体の後部を覆うバックカバーと、前記水栓本体の側部を覆うとともに前記トップカバーと前記バックカバーの相対移動を規制するサイドカバーとを備え、前記トップカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記トップカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第1規制部が設けられ、前記バックカバー及び前記サイドカバーには、前記サイドカバーに対する前記バックカバーの前後方向の移動を規制する単数又は複数の第2規制部が設けられ、前記トップカバーは、前記水栓本体の上部を覆う上壁を備え、前記第1規制部の少なくとも一つは、前記トップカバーの前記上壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記トップカバーの前記上壁の上方への開きを規制する。
【0008】
上記構成によれば、トップカバー及びサイドカバーに設けられる第1規制部により、サイドカバーに対するトップカバーの前後方向の移動が規制され、サイドカバーに対するバックカバーの前後方向の移動が規制されている。つまり、サイドカバーは、第1規制部及び第2規制部により、トップカバー及びサイドカバーが互いに離間する方向である前後方向に相対移動して一方又は両方が外れてしまうことを規制する。トップカバー及びサイドカバーは、サイドカバーを介して相対移動が規制されるように組付けられることにより、強固に固定される。そして、第1規制部の少なくとも一つを、トップカバーの上壁とサイドカバーとに設けることにより、トップカバーの上壁の上方への開きが規制される。これにより、トップカバーにおける変形しやすい部位である上壁の変形を効果的に抑制できる。これらの結果、水栓用カバーの剛性が向上する。
【0009】
上記水栓用カバーにおいて、前記トップカバーは、前記水栓本体の下部を覆う下壁を備え、前記第1規制部の少なくとも一つは、前記トップカバーの前記下壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記トップカバーの前記下壁の下方への開きを規制することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第1規制部の少なくとも一つを、トップカバーの下壁とサイドカバーとに設けることにより、トップカバーの下壁の下方への開きが規制される。これにより、トップカバーにおける変形しやすい部位である下壁の変形を効果的に抑制でき、水栓用カバーの剛性が更に向上する。
【0011】
上記水栓用カバーにおいて、前記バックカバーは、前記水栓本体の上部を覆う上壁及び前記水栓本体の下部を覆う下壁の少なくとも一方を備え、前記第2規制部の少なくとも一つは、前記バックカバーの前記上壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記バックカバーの前記上壁の上方への開きを規制する、又は前記バックカバーの前記下壁と前記サイドカバーとに設けられ、前記バックカバーの前記下壁の下方への開きを規制することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、第2規制部の少なくとも一つを、トップカバーの上壁とサイドカバーとに設ける、又はトップカバーの下壁とサイドカバーとに設けることにより、バックカバーの上壁の上方への開き、又はバックカバーの下壁の下方への開きが規制される。これにより、バックカバーにおける変形しやすい部位である上壁又は下壁の変形を効果的に抑制でき、水栓用カバーの剛性が更に向上する。
【0013】
上記水栓用カバーにおいて、前記水栓本体の前後方向に前記トップカバー及び前記バックカバーを組付けた後、前記水栓本体の側方から前記トップカバー及び前記バックカバーの内側に前記サイドカバーの挿入部を挿入することにより組付け可能に構成され、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記挿入部に設けられるとともに前記挿入部の挿入方向に延びる係合溝部と、前記トップカバー及び前記バックカバーの一方の内面に設けられる係合壁部とを備え、前記係合壁部は、前記内面から突出するとともに前記係合溝部に挿入される縦壁と、前記縦壁から前後方向に延びるとともに前記内面との間に前記挿入部を挟み込む横壁とを備えていることが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、トップカバー及びバックカバーに対して、水栓本体の左右両側の側方から中央側に向かってサイドカバーを組付ける操作によって、第1規制部及び第2規制部のそれぞれの係合関係を容易に形成できる。また、第1規制部及び第2規制部の構成を簡易なものにできる。
【0015】
上記水栓用カバーにおいて、前記トップカバー及び前記バックカバーは、前記サイドカバーを介して相対移動が規制されており、前記サイドカバーを取り外したとき、前後方向に相対移動可能であることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、一処理、即ち、組付けられた水栓用カバーからサイドカバーを取り外す処理によって、水栓用カバーを水栓本体から取り外し可能な状態にすることができる。そのため、水栓本体から水栓用カバーを取り外す作業が容易になる。また、トップカバー及びバックカバーに対して、互いに係合するための構成を設けていないため、トップカバー及びバックカバーの構成を簡略化できる。
【0017】
上記課題を解決する水栓は、上記水栓用カバーと、前記水栓本体とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、水栓用カバーの剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図5】当接状態にあるトップカバー及びバックカバーの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、水栓10は、浴室の壁面Wに設置されている。以下では、壁面W側に向かって水栓10を見た場合における上下方向、左右方向、及び、前後方向をそれぞれ、水栓10の上下方向、左右方向、及び、前後方向として説明する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、水栓10は、カラン用の吐水管11及びシャワーヘッド用のホース12が接続される水栓本体13を備えている。水栓本体13の左側部には、第1回動軸13aが設けられるとともに、第1回動軸13aには、温度調節ハンドル14が回動可能に取り付けられている。水栓本体13の右側部には、第2回動軸13bが設けられるとともに、第2回動軸13bには、流量調節ハンドル15が回動可能に取り付けられている。水栓本体13の前面の中央下部には、第3回動軸13cが設けられるとともに、第3回動軸13cには、定量止水ハンドル16が回動可能に取り付けられている。
【0022】
温度調節ハンドル14は、回動させることによって、吐水管11及びシャワーヘッドから吐出される混合水の温度を調節するハンドルである。流量調節ハンドル15は、回動させることによって、吐水管11及びシャワーヘッドから吐水される湯水の流量を調節するハンドルである。定量止水ハンドル16は、予め設定された一定量の湯水を吐出させた後に自動停止させる場合に用いられ、回動させることによって、自動停止するまでの吐出量を調節するハンドルである。
【0023】
また、水栓本体13の左側部には、第1回動軸13aの基端部の周りを囲む筒状の第1支持壁13dが設けられている。水栓本体13の右側部には、第2回動軸13bの基端部の周りを囲む筒状の第2支持壁13eが設けられている。
【0024】
水栓10は、水栓本体13を被覆する水栓用カバー17を備えている。水栓用カバー17は、水栓本体13の前面及び上面を覆うトップカバー20と、水栓本体13の後部を覆うバックカバー30と、水栓本体13の左右の側部を覆う二つのサイドカバー40とを備えている。
【0025】
図2及び
図3に示すように、トップカバー20は、左右方向から見た側面視略U字状の部材であり、水栓本体13の前方を覆う前壁21と、水栓本体13の上部を覆う上壁22と、水栓本体13の下部前方を覆う前部下壁23とを備えている。前壁21は、左右方向の中央下部が部分的に下方に膨らむ正面視略T字状の壁部であり、前壁21の中央下部には、定量止水ハンドル16を水栓本体13に取り付けるための取付孔21aが設けられている。
【0026】
上壁22は、前壁21の上端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。前部下壁23は、取付孔21aよりも左側及び右側の両側方において、前壁21の下端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。
【0027】
図3に示すように、上壁22の下面の左右方向の両端部及び前部下壁23の上面の左右方向の両端部には、サイドカバー40と係合する係合壁部としての上係合壁部24a、24bが設けられている。上係合壁部24a、24bは、左右方向から見た側面視においてL字状の部位である。上係合壁部24aは、トップカバー20の内面である上壁22の下面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに上下方向に延びる縦壁25aと、縦壁25aから前後方向に延びる横壁26aとを備えている。上係合壁部24bは、トップカバー20の内面である前部下壁23の上面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに上下方向に延びる縦壁25bと、縦壁25bから前後方向に延びる横壁26bとを備えている。
【0028】
上壁22の下面に設けられる上係合壁部24aの横壁26aと上壁22の下面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。同様に、前部下壁23の上面に設けられる上係合壁部24bの横壁26bと前部下壁23の上面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。
【0029】
上壁22に設けられる上係合壁部24aは、水栓用カバー17を前後方向に二等分する中心線Lよりも後方側に位置するとともに、横壁26aが後方に延びるように形成されている。前部下壁23に設けられる上係合壁部24bは、横壁26bが前方に延びるように形成されている。
【0030】
バックカバー30は、水栓本体13の後方上部を覆う上部後壁31と、水栓本体13の下部後方を覆う後部下壁32と、水栓本体13の後方下部を覆う下部後壁33とを備えている。上部後壁31は、上下方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。後部下壁32は、上部後壁31の下端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。下部後壁33は、後部下壁32の前端に一体に形成されるとともに、水栓本体13におけるカラン用の吐水管11の連結部分の後方を覆う横断面略U字の壁部である。
【0031】
図2に示すように、上部後壁31及び後部下壁32の左右方向の中央部には、水栓本体13におけるシャワーヘッド用のホース12を取り付けるための取付孔31aが設けられている。上部後壁31の左右の縁部には、水栓本体13に給湯管及び給水管を連結するための切欠部31bが設けられている。
【0032】
図2及び
図3に示すように、後部下壁32の後面の左右の両端部には、前方側に向かって凹む係合凹部31cが設けられている。後部下壁32の上面の左右の両端部には、サイドカバー40と係合する係合壁部としての下係合壁部34が設けられている。下係合壁部34は、左右方向から見た側面視においてL字状の部位である。下係合壁部34は、バックカバー30の内面、即ち、後部下壁32の上面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに後部下壁32の上面から上方向に延びる縦壁35と、縦壁35から後方向に延びる横壁36とを備えている。下係合壁部34の横壁36と後部下壁32の上面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。
【0033】
図4に示すように、各サイドカバー40は、水栓本体13の側方を覆う側壁41と、水栓本体13の後方側部を覆う側部後壁42とを備えている。側壁41は、前後方向及び上下方向に沿った板状の壁部である。側壁41は、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部であり、側壁41には、温度調節ハンドル14又は流量調節ハンドル15を水栓本体13に取り付けるための取付孔41aが設けられている。
【0034】
側部後壁42は、側壁41の後端に形成されるとともに、上下方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。側部後壁42の縁部には、水栓本体13に給湯管及び給水管を連結するための切欠部42aが設けられている。側部後壁42の前面における上下の両端部には、バックカバー30の後部下壁32の後面に設けられる係合凹部31cに係合する係合凸部42bが設けられている。
【0035】
各サイドカバー40は、側壁41の内面に突出する挿入部43を備えている。挿入部43は、トップカバー20及びバックカバー30と組付けた際にトップカバー20及びバックカバー30の内側に挿入される部位であり、側壁41の周縁に沿った壁状に形成されている。
【0036】
壁状の挿入部43には、トップカバー20及びバックカバー30に組付けた際に、上係合壁部24a、24b及び下係合壁部34と係合する係合溝部44a~44cが形成されている。係合溝部44a~44cは、先端側に開口するとともに、サイドカバー40の組付け時の挿入方向である左右方向に延びる溝状の部位である。係合溝部44aは、トップカバー20の上壁22に設けられる上係合壁部24aと係合する。係合溝部44bは、トップカバー20の前部下壁23に設けられる上係合壁部24bと係合する。係合溝部44cは、バックカバー30の後部下壁32に設けられる下係合壁部34と係合する。
【0037】
図4に示すように、係合溝部44bの前方側に位置する側面44b1には、開口から底側に向かって徐々に後方側に傾斜する傾斜面が設けられている。これにより、係合溝部44bの幅は、底部側が一定であり、開口側の部分が開口に向かって徐々に拡幅している。係合溝部44cの後方側に位置する側面44c1には、開口から底側に向かって徐々に前方側に傾斜する傾斜面が設けられている。これにより、係合溝部44cの幅は、底部側が一定であり、開口側の部分が開口に向かって徐々に拡幅している。
【0038】
次に、
図2、
図5及び
図6を参照して、水栓用カバー17の組付け方法を説明する。なお、
図5においては、水栓本体13の図示を省略している。
図2に示すように、水栓本体13に水栓用カバー17を組み付ける場合には、まず、水栓本体13の後面にバックカバー30の前方側の面を対向させるようにして、水栓本体13の後方側の所定位置にバックカバー30を配置する。その後、水栓本体13の前面にトップカバー20の後方側の面を対向させた状態として、水栓本体13の第3回動軸13cをトップカバー20の取付孔21a内に挿入するようにして、水栓本体13の前方側の所定位置にトップカバー20を配置する。そして、水栓本体13を間に挟んでトップカバー20及びバックカバー30を互いに当接させた状態とする。
【0039】
このとき、
図5に示すように、トップカバー20の上壁22の下面とバックカバー30の上部後壁31の上端面とが当接し、トップカバー20の前部下壁23の後端面とバックカバー30の後部下壁32の前端面とが当接する。トップカバー20とバックカバー30とを当接させた状態において、トップカバー20及びバックカバー30は互いの移動を規制する係合状態にはなく、前後方向に相対移動可能である。
【0040】
次に、
図2に示すように、当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30に対して、水栓本体13の左右両側の側方から中央側に向かってサイドカバー40を組付ける。左側のサイドカバー40の場合、側壁41の内面を水栓本体13に対向させた状態として、水栓本体13の第1回動軸13a及び第1支持壁13dを側壁41の取付孔41aに挿入するようにして、水栓本体13の左側部に配置する。同様に、右側のサイドカバー40の場合、水栓本体13の第2回動軸13b及び第2支持壁13eを側壁41の取付孔41aに挿入するようにして、水栓本体13の右側部に配置する。
【0041】
両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、サイドカバー40の側部後壁42は、水栓本体13の後方側部に配置される。そして、サイドカバー40の側部後壁42に設けられた係合凸部42bと、バックカバー30の後部下壁32の後面に設けられた係合凹部31cとが係合する。
【0042】
図6に示すように、両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、両サイドカバー40の側壁41の内面に設けられている挿入部43が、当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30の内面側に挿入される。サイドカバー40の挿入部43は、トップカバー20の上壁22の下面とその下面に設けられる上係合壁部24aの横壁26aとの間、及びトップカバー20の前部下壁23の上面とその上面に設けられる上係合壁部24bの横壁26bとの間に挿入される。また、サイドカバー40の挿入部43は、バックカバー30の後部下壁32の上面とその上面に設けられる下係合壁部34の横壁36との間に挿入される。そして、サイドカバー40の挿入部43に設けられる係合溝部44a~44c内に、トップカバー20の上係合壁部24aの縦壁25a、上係合壁部24bの縦壁25b、及びバックカバー30の下係合壁部34の縦壁35がそれぞれ挿入される。
【0043】
これにより、トップカバー20の上係合壁部24a、24bとサイドカバー40の挿入部43とが係合する。具体的には、トップカバー20の内面である上壁22の下面と上係合壁部24aの横壁26aとの間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44a内に上係合壁部24aの縦壁25aが挿入された状態となる。また、トップカバー20の内面である前部下壁23の上面と上係合壁部24bの横壁26bとの間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44b内に上係合壁部24bの縦壁25bが挟み込まれた状態になる。
【0044】
上記の係合状態においては、上壁22の下面及び上係合壁部24aの横壁26aとサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する上壁22の上下方向への移動が規制される。前部下壁23の上面及び上係合壁部24bの横壁26bとサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する前部下壁23の上下方向への移動が規制される。
【0045】
また、上係合壁部24a、24bの縦壁25a、25bが挿入部43の係合溝部44a,44bの両側面に当接することにより、サイドカバー40に対する上壁22及び前部下壁23の前後方向への移動が規制される。その結果、サイドカバー40に対するトップカバー20の上下方向及び前後方向への移動が規制される。
【0046】
したがって、トップカバー20の上係合壁部24a、24b、及びサイドカバー40における係合溝部44a,44bを有する挿入部43は、サイドカバー40に対するトップカバー20の前後方向の移動を規制する第1規制部を構成する。なお、本実施形態においては、トップカバー20の左側の端部と一方のサイドカバー40との間、及びトップカバー20の右側の端部と他方のサイドカバー40との間にそれぞれ二つの第1規制部が設けられている。
【0047】
同様に、バックカバー30の下係合壁部34とサイドカバー40の挿入部43とが係合する。具体的には、バックカバー30の内面である後部下壁32の上面と下係合壁部34の横壁36との間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44c内に下係合壁部34の縦壁35が挿入された状態となる。
【0048】
上記の係合状態においては、バックカバー30の内面及び下係合壁部34の横壁36とサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する下係合壁部34の上下方向への移動が規制される。下係合壁部34の縦壁35が挿入部43の係合溝部44cの両側面に当接することにより、サイドカバー40に対する下係合壁部34の前後方向への移動が規制される。その結果、サイドカバー40に対するバックカバー30の上下方向及び前後方向への移動が規制される。
【0049】
したがって、バックカバー30の下係合壁部34、及びサイドカバー40における係合溝部44cを有する挿入部43は、サイドカバー40に対するバックカバー30の前後方向の移動を規制する第2規制部を構成する。なお、本実施形態においては、バックカバー30の左側の端部と一方のサイドカバー40との間、及びバックカバー30の右側の端部と他方のサイドカバー40との間にそれぞれ一つの第2規制部が設けられている。
【0050】
ここで、本実施形態では、水栓用カバー17における水栓本体13の下部を覆う下壁が、トップカバー20の前部下壁23とバックカバー30の後部下壁32とに分割されている。そして、前部下壁23に設けられる上係合壁部24bと係合する係合溝部44bの前方側の側面44b1の開口側に、開口から底側に向かって徐々に後方側に傾斜する傾斜面を設けている。また、後部下壁32に設けられる下係合壁部34と係合する係合溝部44cの後方側の側面44c1の開口側に、開口から底側に向かって徐々に前方側に傾斜する傾斜面を設けている。
【0051】
そのため、サイドカバー40を組付ける際に、前部下壁23に設けられる上係合壁部24bの縦壁25bが係合溝部44bの奥へと挿入されるにしたがって、縦壁25bが係合溝部44bの側面44b1の傾斜に案内されて後方側へと移動する。同様に、後部下壁32に設けられる下係合壁部34の縦壁35が係合溝部44cの奥へと挿入されるにしたがって、縦壁35が係合溝部44cの側面44c1の傾斜に案内されて前方側へと移動する。
【0052】
これにより、サイドカバー40を組付ける前の当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30において、前部下壁23と後部下壁32とが離れる方向に位置ずれしていたとしても、上係合壁部24b及び下係合壁部34と係合溝部44b,44cとを容易に係合させることができる。また、上係合壁部24b及び下係合壁部34と係合溝部44b,44cとの係合により、離れている状態にあった前部下壁23と後部下壁32とを接近させることができる。
【0053】
また、
図2に示すように、両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、サイドカバー40の取付孔41aの内周面と、水栓本体13の第1支持壁13d又は第2支持壁13eとが嵌合する。これにより、水栓本体13に対して両サイドカバー40が位置決めされる。水栓本体13に位置決めされた両サイドカバー40と、トップカバー20及びバックカバー30とが固定されることにより、水栓本体13に対して水栓用カバー17が固定された状態として組付けられる。
【0054】
次に、本実施形態の作用について説明する。
トップカバー20及びサイドカバー40に設けられる第1規制部である上係合壁部24a、24b及び係合溝部44a,44bを有する挿入部43が係合することにより、サイドカバー40に対するトップカバー20の前後方向及び上下方向の移動が規制される。バックカバー30及びサイドカバー40に設けられる第2規制部である下係合壁部34及び係合溝部44cを有する挿入部43が係合することにより、サイドカバー40に対するバックカバー30の前後方向及び上下方向の移動が規制される。
【0055】
このように、トップカバー20及びバックカバー30は、サイドカバー40との第1規制部及び第2規制部に基づく係合関係により、サイドカバー40を介して互いの前後方向への相対移動が規制されるように組付けられる。トップカバー20及びバックカバー30がそれぞれ、サイドカバー40との間に係合関係を形成することにより、水栓用カバー17を構成するトップカバー20、バックカバー30、及びサイドカバー40が互いに強固に固定される。
【0056】
また、トップカバー20、バックカバー30、及びサイドカバー40に分割された水栓用カバー17の場合、水栓本体13の上部及び下部を覆う上壁及び下壁は、高面積の部分になることから変形が生じやすい。例えば、水栓本体13の上部を覆う上壁は、上方へ開くように変形し、水栓本体13の下部を覆う下壁は、下方へ開くように変形する。特に、水栓本体13の上部を覆う上壁は、上記の変形が生じやすい。本実施形態において、水栓本体13の上部を覆う上壁は、トップカバー20の上壁22であり、水栓本体13の下部を覆う下壁は、トップカバー20の前部下壁23、及びバックカバー30の後部下壁32である。
【0057】
本実施形態では、トップカバー20の上壁22及び前部下壁23に上係合壁部24a、24bを設けて、上壁22とサイドカバー40との間、及び前部下壁23とサイドカバー40との間にそれぞれ第1規制部を設けている。トップカバー20の上壁22及び前部下壁23とサイドカバー40との間にそれぞれ第1規制部に基づく係合関係が形成されることにより、上壁22の上方への開き、及び前部下壁23の下方への開きが規制される。
【0058】
また、バックカバー30の後部下壁32に下係合壁部34を設けて、後部下壁32とサイドカバー40との間にそれぞれ第2規制部を設けている。バックカバー30の後部下壁32とサイドカバー40との間に第2規制部に基づく係合関係が形成されることにより、後部下壁32の下方への開きが規制される。
【0059】
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)水栓用カバー17は、水栓本体13の前部及び上部を覆うトップカバー20と、水栓本体13の後部を覆うバックカバー30と、水栓本体13の側部を覆うとともにトップカバー20とバックカバー30の相対移動を規制するサイドカバー40とを備える。トップカバー20及びサイドカバー40には、サイドカバー40に対するトップカバー20の前後方向の移動を規制する複数の第1規制部が設けられている。バックカバー30及びサイドカバー40には、サイドカバー40に対するバックカバー30の前後方向の移動を規制する第2規制部が設けられている。第1規制部の一つは、上壁22の上方への開きを規制する。
【0060】
上記構成によれば、トップカバー20及びバックカバー30は、サイドカバー40を介して互いの前後方向への相対移動が規制されるように組付けられることにより、強固に固定される。第1規制部を、トップカバー20の上壁22とサイドカバー40とに設けることにより、上壁22の上方への開きが規制される。特に、本実施形態では、第1規制部(上係合壁部24a)を中心線Lよりも後方側に設けることによって、トップカバー20の上壁22の上方への開きを効果的に抑制している。これらの結果、水栓用カバー17の剛性が向上する。
【0061】
また、サイドカバー40を介してトップカバー20及びバックカバー30が固定させる構成としたことにより、トップカバー20とバックカバー30との間に互いに係合するための構成を設ける必要がなく、トップカバー20とバックカバー30の構成を簡略化できる。
【0062】
(2)トップカバー20は、水栓本体13の下部を覆う前部下壁23を備えている。第1規制部の一つは、前部下壁23の下方への開きを規制する。
上記構成によれば、第1規制部を、トップカバー20の前部下壁23とサイドカバー40とに設けることにより、前部下壁23の下方への開きが規制される。これにより、水栓用カバー17の剛性が更に向上する。
【0063】
(3)バックカバー30は、水栓本体13の下部を覆う後部下壁32を備えている。第2規制部は、後部下壁32の下方への開きを規制する。
上記構成によれば、第2規制部を、バックカバー30の後部下壁32とサイドカバー40とに設けることにより、後部下壁32の下方への開きが規制される。これにより、水栓用カバー17の剛性が更に向上する。
【0064】
(4)水栓用カバー17は、水栓本体13の前後方向にトップカバー20及びバックカバー30を組付けた後、水栓本体13の側方からトップカバー20及びバックカバー30の内側にサイドカバー40の挿入部43を挿入することにより組付けられる。第1規制部及び第2規制部は、挿入部43に設けられる係合溝部44a~44cと、トップカバー20又はバックカバー30の内面に設けられる係合壁部(上係合壁部24a、24b、下係合壁部34)とを備えている。係合壁部は、各内面から突出するとともに係合溝部44a~44cに挿入される縦壁25a、25b、35と、縦壁25a、25b、35から前後方向に延びるとともに各内面との間に挿入部43を挟み込む横壁26a、26b、36とを備えている。
【0065】
上記構成によれば、当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30に対して、水栓本体13の左右両側の側方から中央側に向かってサイドカバー40を組付ける操作によって、第1規制部及び第2規制部のそれぞれの係合関係を容易に形成することができる。また、第1規制部及び第2規制部の構成を簡易なものにできる。
【0066】
(5)トップカバー20及びバックカバー30は、サイドカバー40を介して相対移動が規制されており、サイドカバー40を取り外したとき、前後方向に相対移動可能である。
【0067】
上記構成によれば、一処理、即ち、組付けられた水栓用カバー17からサイドカバー40を取り外す処理によって、水栓用カバー17を水栓本体13から取り外し可能な状態にできる。そのため、水栓本体13から水栓用カバー17を取り外す作業が容易である。また、トップカバー20及びバックカバー30に対して、互いに係合するための構成を設けていないため、トップカバー20及びバックカバー30の構成を簡略化できる。
【0068】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1規制部の形成位置及び形成個数を変更してもよい。つまり、トップカバー20の内面における上係合壁部24a、24bの形成位置及び形成個数、並びにサイドカバー40における上係合壁部24a、24bの縦壁25a、25bが挿入される係合溝部44a,44bの形成位置及び形成個数を変更してもよい。例えば、左右方向の片側において、トップカバー20の上壁22とサイドカバー40とに設けられる第1規制部の数を2以上としてもよいし、トップカバー20の前部下壁23とサイドカバー40とに設けられる第1規制部の数を0又は2以上としてもよい。また、トップカバー20の前壁21及びサイドカバー40に第1規制部を設けてもよい。
【0069】
・第2規制部の形成位置及び形成個数を変更してもよい。つまり、バックカバー30の内面における下係合壁部34の形成位置及び形成個数、並びにサイドカバー40における下係合壁部34の縦壁35が挿入される係合溝部44cの形成位置及び形成個数を変更してもよい。例えば、バックカバー30における水栓本体13の後部を覆う後壁(上部後壁31及び下部後壁33)及びサイドカバー40に第2規制部を設けてもよい。
【0070】
・トップカバー20及びバックカバー30の形状は、上記実施形態の形状に限定されない。例えば、トップカバー20の前部下壁23を省略するとともに、バックカバー30の後部下壁32を、水栓本体13の下部全体を覆う下壁に変更し、バックカバー30の下壁によって水栓本体13の下部を覆う構成としてもよい。また、バックカバー30に水栓本体13の上部後方を覆う上壁としての後部上壁を設けるとともに、トップカバー20の上壁22を、水栓本体13の上部前方を覆う前部上壁に変更し、前部上壁と後部上壁とによって水栓本体13の上部を覆う構成としてもよい。この場合には、バックカバー30の後部上壁及びサイドカバー40に第2規制部を設けることが好ましい。また、前部上壁と後部上壁とによって水栓本体13の上部を覆う構成とした場合には、前部上壁及び後部上壁に上係合壁部24a及び下係合壁部34を設けるとともに、それら上係合壁部24a及び下係合壁部34が挿入される係合溝部の側面に上記傾斜面と同様の傾斜面を設けることが好ましい。
【0071】
・上係合壁部24a、24b及び下係合壁部34と、係合溝部44a~44cを有する挿入部43とは、互いに係合して前後方向及び上下方向の移動を規制する構成であればよく、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、前後両方向に延びる横壁26a、26b、36を有するT字状の上係合壁部24a、24b、下係合壁部34としてもよい。また、係合溝部44b,44cの側面に上記傾斜面を設けなくてもよい。
【0072】
・第1規制部及び第2規制部の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、トップカバー20及びバックカバー30に対して、サイドカバー40を取り付ける際に、サイドカバー40の内側に挿入される挿入部43を設け、サイドカバー40に対して、挿入部43の係合溝部に挿入される係合壁部を設けてもよい。
【0073】
・トップカバー20とサイドカバー40との間には、第1規制部以外の係合構成が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。バックカバー30とサイドカバー40との間には、第2規制部以外の係合構成が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0074】
・トップカバー20及びバックカバー30に互いに係合して相対移動を規制するための係合部分を設けてもよい。
・水栓10が設置される壁面Wは、鉛直方向に平行な垂直面であってもよいし、鉛直方向に対して傾斜する斜面であってもよいし、水平面であってもよい。
【0075】
・壁面Wに対して水栓10を設置する際の取付角度は、
図1に示す上記実施形態の取付角度に限定されない。上記実施形態では、水栓10の後面を壁面W側に向けた状態として壁面Wに水栓10を設置していたが、例えば、水栓10の後面を下側に向けた状態、即ち、水栓10の上面を壁面W側に向けた状態として壁面Wに水栓10を設置してもよい。上記取付角度は、例えば、水栓10の水栓本体13と、壁面Wの給水管及び給湯管とを接続するソケット等の接続部材(図示略)の形状を変化させること、例えば、接続部材における水栓本体13に連結される部分が指向する方向を上下左右に変化させることにより変更できる。
【符号の説明】
【0076】
10…水栓
20…トップカバー
22…上壁
24…上係合壁部
30…バックカバー
34…下係合壁部
40…サイドカバー
43…挿入部
44a~44c…係合溝部