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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】高密度電極マッピングカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240709BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20240709BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/25
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020553660
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019025604
(87)【国際公開番号】W WO2019195439
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/653,031
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. ボス
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エム. モナハン
【合議体】
【審判長】井上 哲男
【審判官】栗山 卓也
【審判官】小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/070559(WO,A1)
【文献】特表2013-510689(JP,A)
【文献】特表2010-507403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B18/14
A61B5/287
A61B5/296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフト(214A;214B)であって、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する前記カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分(220A;220B)であって、可撓性フレームワークを備え、前記可撓性フレームワークは断面円形状であり、上面と、下面と、を有する、前記可撓性先端部分と、
前記可撓性フレームワーク上に配置される複数の曲線状電極(202A´;202B´)であって、前記複数の曲線状電極は、組織に応じて変形するように構成された曲線状微小電極の可撓性アレイを形成し、
前記可撓性フレームワークは、第1の内側アーム(206A;206B)と、第2の内側アーム(208A;208B)と、第1の外側アーム(204A;204B)と、第2の外側アーム(210A;210B)と、を含み、
前記複数の曲線状電極の各々は、前記可撓性フレームワークの周囲全体の周りに延在しておらず、
1つのアーム上に配置される前記曲線状電極の位置は、隣接するアーム上に配置される前記曲線状電極と互い違いにされる、
前記複数の曲線状電極と、
を備え、
前記第1の内側アーム(206A;206B)、前記第2の内側アーム(208A;208B)、前記第1の外側アーム(204A;204B)、および前記第2の外側アーム(210A;210B)の各々は、上半分と、下半分と、を備え、
前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)のうちの少なくとも1つは前記上半分に配置され、前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)のうちの少なくとも1つは前記下半分に配置されており、
前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)のうち、前記上半分に配置されている前記少なくとも1つは、曲線状電極(202A´;202B´)の対応するペアを形成するために、前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)のうち、前記下半分に配置されている対応する一つの反対側に配置されており、
前記複数の曲線状電極の各々は、90度から270度の範囲で、前記アームのうちの当該曲線状電極が配置される一つのアームのアーム長手方向軸の周りに周方向に延在し、
前記周方向に関する前記下半分に配置されている前記複数の曲線状電極の各々の中心は、前記周方向に関する前記可撓性フレームワークの前記下面の中心と位置合わせされており、
前記周方向に関する前記上半分に配置されている前記複数の曲線状電極の各々の中心は、前記周方向に関する前記可撓性フレームワークの前記上面の中心と位置合わせされている、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々は、それぞれの前記アーム長手方向軸に沿って延伸する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)は、前記第1の内側アーム(206A;206B)、前記第2の内側アーム(208A;208B)、前記第1の外側アーム(204A;204B)、および前記第2の外側アーム(210A;210B)の各々の上に配置され、互いから長手方向に離間されている、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)の各々は、複数のアームのうちの特定のアームの前記アーム長手方向軸の周りに部分的に巻かれている、請求項2又は3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記曲線状電極(202A´;202B´)の対応するペアの各々は、互いから周方向に離間されており、
好ましくは、前記第1の内側アーム(206A;206B)、前記第2の内側アーム(208A;208B)、前記第1の外側アーム(204A;204B)、および前記第2の外側アーム(210A;210B)の各々は、曲線状電極(202A´;202B´)の複数の対応するペアを含み、
前記曲線状電極(202A´;202B´)の複数の対応するペアは、互いから長手方向に離間されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項6】
可撓性回路(274-1、274-2、274-3、274-4)は、前記第1の内側アーム(276-3)、前記第2の内側アーム(276-4)、前記第1の外側アーム(276-1)、および前記第2の外側アーム(276-2)の各々の上に配置され、
前記複数の曲線状電極は、前記可撓性回路の各々の上に配置されている、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第1の内側アーム(276-3)、前記第2の内側アーム(276-4)、前記第1の外側アーム(276-1)、および前記第2の外側アーム(276-2)は、上半分と、下半分と、を含み、
好ましくは、第1の可撓性回路は前記アームの各々の上半分に配置され、第2の可撓性回路は前記アームの各々の下半分に配置されており、
好ましくは、前記第1の可撓性回路および前記第2の可撓性回路は、曲線状電極の対応するペアを含む、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記可撓性回路は、前記複数の曲線状電極の各々に電気的に結合された電気トレースを含む、請求項6又は7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記複数の曲線状電極は、前記可撓性フレームワークの前記下面および前記上面の上に配置され、互いに反対側に配置されている曲線状電極のペアを形成し、
前記曲線状電極のペアの各々のうちの各曲線状電極は、90から170度の範囲で、複数のアームのうちの当該曲線状電極が配置される一つのアームの前記アーム長手方向軸の周りに周方向に延在し、
好ましくは、前記曲線状電極のペアの各々は、上部曲線状電極と、下部曲線状電極と、を含み、
前記周方向に関する前記上面の中心は、前記周方向に関する前記上部曲線状電極の中心と位置合わせされており、
前記周方向に関する前記下面の中心は、前記周方向に関する前記下部曲線状電極の中心と位置合わせされている、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記可撓性フレームワークの前記上面の上に配置されている前記複数の曲線状電極のうちの少なくとも1つは、前記可撓性フレームワークの前記下面の上に配置されている前記複数の曲線状電極のうちの1つであって、前記複数の曲線状電極のうちの前記少なくとも1つとペアを形成する曲線状電極のうちの1つから長手方向に互い違いにされる、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記可撓性フレームワークは、患者の組織に対して配置されるように構成され、及び/又は、
前記複数の曲線状電極(202A´;202B´)のうちの選択された電極は、複数の活性化された曲線状電極(202A´;202B´)のパターンを形成するために非活性化されるように構成され、
前記複数の活性化された曲線状電極は、前記患者の前記組織によって生成される電気信号を測定するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高密度電極マッピングカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは長年にわたって、心臓医療処置に使用されている。カテーテルは、例えば、そうでなければより侵襲的な処置を用いなければアクセス不可能な、身体内の特定の箇所に配置されながら、心不整脈を診断及び処置するために使用することができる。
【0003】
従来のマッピングカテーテルは、例えば、カテーテルの長手方向軸を囲み、白金または何らかの他の金属から構築される複数の隣接するリング電極を含むことができる。これらのリング電極は、相対的に剛性である。同様に、従来のアブレーションカテーテルは、治療を送達する(例えば、RFアブレーションエネルギーを送達する)ための相対的に剛性の先端電極を備えることができ、複数の隣接するリング電極を含むこともできる。特に急な勾配および起伏が存在するときに、これらの従来のカテーテルおよびそれらの相対的に剛性の(即ち、変形しない)電極を使用するときは、心臓組織との良好な電気的接触を維持することが困難である可能性がある。
【0004】
心臓内の損傷のマッピングまたは形成にかかわらず、心臓の拍動が、特に不安定または不規則である場合、事態を複雑にし、十分に長い時間にわたって電極と組織との間の十分な接触を維持するのが困難になる。これらの問題は、起伏または肉柱のある表面上で悪化する。電極と組織との間の接触を十分に維持することができない場合、良質の損傷または正確なマッピングがもたらされる可能性は低い。
【0005】
上記の論述は、当該技術分野を解説することのみを意図しており、特許請求の範囲の否認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
本明細書における様々な実施形態は、近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトを備える医療デバイスを提供し、このカテーテルシャフトは、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する。可撓性先端部分は、カテーテルシャフトの遠位端に隣接して位置することができ、可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備える。複数の曲線状微小電極は、可撓性フレームワーク上に配置され得、組織に応じて変形するようになっている曲線状微小電極の可撓性アレイを形成することができる。
【0007】
本明細書における様々な実施形態は、近位端および遠位端を含むカテーテルシャフトを備える医療デバイスを提供し、このカテーテルシャフトは、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する。可撓性先端部分は、カテーテルシャフトの遠位端に隣接して位置することができ、可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備える。この可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームとを含むことができ、可撓性フレームワークは、上部部分と、下部部分とをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の複数の曲線状電極は、可撓性フレームワークの上部部分上に配置することができる。いくつかの実施形態において、第2の複数の曲線状電極は、可撓性フレームワークの下部部分上に配置することができる。
【0008】
本明細書における様々な実施形態は、カテーテルを備える医療デバイスを提供する。カテーテルシャフトは、近位端および遠位端を備えることができる。カテーテルシャフトは、カテーテルシャフト長手方向軸を規定することができる。可撓性先端部分は、カテーテルシャフトの遠位端に隣接して位置することができ、可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備える。この可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームとを含むことができ、可撓性フレームワークは、上面と、下面とをさらに含む。複数の曲線状電極は、第1の内側アーム、第2の内側アーム、第1の外側アーム、および第2の外側アームの各々の長手方向軸の周りに配置することができ、複数の曲線状電極の各々は、アームのうちの対応する一つのアーム長手方向軸の周りに巻かれている。
【0009】
本明細書における様々な実施形態は、カテーテルシャフトを備える医療デバイスを提供する。カテーテルシャフトは、近位端および遠位端を備えることができる。カテーテルシャフトは、カテーテルシャフト長手方向軸を規定することができる。医療デバイスは、カテーテルシャフトの遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分を含むことができ、この可撓性先端部分は可撓性フレームワークを備える。この可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームとを含むことができ、アームの各々は、チューブを通って配置されている。医療デバイスは、チューブの各々の上に配置されている複数の微小電極を含むことができ、この複数の微小電極は、組織に応じて変形するように構成された微小電極の可撓性アレイを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の様々な実施形態による高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
図1B】本開示の様々な実施形態による、図1Aの高密度電極マッピングカテーテルの等角上側面図である。
図1C】本開示の様々な実施形態による、図1Aおよび図1Bに示す高密度電極マッピングカテーテルの可撓性フレームワーク上に配置されている電極の等角上側遠位端面図である。
図1D】本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク上に配置されている複数の曲線状電極の断端面図である。
図2A】本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク上に配置されている複数の曲線状電極の断端面図である。上部曲線状電極と下部曲線状電極の間の画定された間隔は、図1Dに示す間隔を超えて増加される。
図2B】本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク上に配置されている複数の曲線状電極の断端面図である。上部曲線状電極と下部曲線状電極の間の画定された間隔は、図1Dに示す間隔を超えて減少される。
図2C】本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク上に配置されている複数の曲線状電極の断端面図である。上部曲線状電極の周幅は下部曲線状電極の周幅よりも小さい。
図3A】本開示の様々な実施形態による、上部曲線状電極と下部曲線状電極の32個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
図3B】本開示の様々な実施形態による、上部曲線状電極と下部曲線状電極の64個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
図4A】本開示の様々な実施形態による、交互構成で配置されている上部曲線状電極と下部曲線状電極の24個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
図4B】本開示の様々な実施形態による、交互構成で配置されている上部曲線状電極と下部曲線状電極の48個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
図5】本開示の実施形態による、医療システムの概略ブロック図である。
図6】本開示の実施形態による、バスケットカテーテルの複数のスプライン上に配置されている複数の曲線状電極を含む電極バスケットカテーテルの上面図である。
図7A】本開示の様々な実施形態による、可撓性回路上に配置されている曲線状電極を含む高密度電極マッピングカテーテルの等角上側面図である。
図7B】本開示の実施形態による、図7Aに示す可撓性回路の概略図である。
図8】本開示の実施形態による、電極と、電極と電気的に結合された導電性トレースとを含む、リフローされたチューブの図である。
図9】本開示の実施形態による、電極と、電極に電気的に結合された導電性ワイヤとを含む、電極チューブの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「Flexible High-Density Mapping Catheter Tips and Flexible Ablation Catheter Tips with Onboard High-Density Mapping Electrodes」と題する国際出願PCT/US2014/011940号明細書の内容が、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれる。「High Density Electrode Mapping Catheter」と題する米国出願第15/331,562号および「Catheter with High-Density Mapping Electrodes」と題する米国出願第62/572,186号の内容が、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれる。
【0012】
図1Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテル101の上面図であり、図1Bは、高密度電極マッピングカテーテル101の等角上側面図である。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、電極の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分110を含むことができる。高密度電極マッピングカテーテル101は複数の電極を含むが、図1Bでは、わかりやすいように、本明細書においては微小電極としても参照される電極102-1’、102-1’’、102-13’、102-13’’のみが、ラベリングされている。以下、電極102-1’は、複数形で電極102として参照される。電極102のこの平面アレイ(または「パドル」構成)は、電極102が配置される可撓性フレームワークを形成することができる、4つの隣接した長手方向に延伸するアーム103、104、105、106を備える。4つの電極キャリアアームは、第1の外側アーム103と、第2の外側アーム106と、第1の内側アーム104と、第2の内側アーム105とを備える。これらのアームは、互いから側方に分離することができる。
【0013】
4つのアームの各々は、複数の電極102を担持することができる。例えば、4つのアームの各々は、4つのアームの各々の長さに沿って離間した電極102を担持することができる。図1Aおよび図1Bに示す高密度電極マッピングカテーテル101の各々は4つのアームを示しているが、高密度電極マッピングカテーテル101は、より多いまたはより少ないアームを備えてもよい。加えて、図1Aおよび図1Bに示す高密度電極マッピングカテーテル101は、本明細書においては上部部分または上面としても参照される可撓性先端部分110の上半分に配置されている16個の電極(例えば、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106の上半分の4個の電極、第1の内側アーム104および第2の内側アーム105の上半分の4個の電極)と、図1Bに示す、本明細書においては下部部分または下面としても参照される可撓性先端部分110の下半分に配置されている16個の電極(例えば、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106の下半分の4個の電極、第1の内側アーム104および第2の内側アーム105の下半分の4個の電極)を示しているが、カテーテルは、上半分に配置されている16個よりも多いもしくは少ない電極および/または下半分に配置されている16個よりも多いもしくは少ない電極を含んでもよい。加えて、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106は、上半分および/または下半分に配置されている4つよりも多いまたは少ない電極を含んでもよく、第1の内側アーム104および第2の内側アーム105は、上半分および/または下半分に配置されている4つよりも多いまたは少ない電極を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、電極102は、診断、治療、および/またはマッピング処置において使用することができる。例えば、限定でなく、電極102は、電気生理学的研究、ペーシング、心臓マッピング、およびアブレーションに使用することができる。いくつかの実施形態において、電極102は、単極または双極アブレーションを実施するために使用することができる。この単極または双極アブレーションは、特定のラインまたはパターンの損傷を形成することができる。いくつかの実施形態において、電極102は、心臓から、電気生理学的研究に使用することができる電気信号を受信することができる。いくつかの実施形態において、電極102は、心臓マッピングに関連する所在または位置検知機能を実施することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、カテーテルシャフト107を含むことができる。カテーテルシャフト107は、近位端および遠位端を含むことができる。遠位端は、カテーテルシャフト107の遠位端を平面アレイの近位端に結合することができるコネクタ108を含むことができる。カテーテルシャフト107は、図1Aに示すようにカテーテルシャフト長手方向軸aaを規定することができ、カテーテルシャフト長手方向軸aaに沿って、第1の外側アーム103、第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、および第2の外側アーム106は、カテーテルシャフト長手方向軸aaとの関係において概して平行に延伸することができる。カテーテルシャフト107は、患者の蛇行した血管系を通じて縫うように進むことができるように、可撓性材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、カテーテルシャフト107は、カテーテルシャフト107の長さに沿って配置されている1つまたは複数のリング電極111を含むことができる。リング電極111は、一例において、診断、治療、および/またはマッピング処置に使用することができる。
【0016】
可撓性先端部分110は、組織(例えば、心臓組織)に応じて変形するようにすることができる。例えば、可撓性先端部分110が組織に接触すると、この可撓性先端部分は屈曲することができ、可撓性フレームワークが組織に応じて変形することが可能になる。いくつかの実施形態において、図1Aおよび図1Bに示すカテーテルの遠位端においてパドル構造(またはマルチアーム、電極担持、可撓性のフレームワーク)を備えるアーム(またはアームの下部構造)は、本明細書において論じるように、ニチノールおよび/または可撓性基板のような可撓性またはばね状材料から構築されることが好ましい。アームの構造(例えば、アームの長さおよび/または直径を含む)および材料は、例えば、単一のアームの近位端からそのアームの遠位端までで、または、単一のパドル構造を備える複数のアームの間で変化することができる1つまたは複数の特性を含む、所望の弾性、可撓性、折り曲げ性、なじみ性、および剛性の特性に作製されるように、調整または調節することができる。ニチノールおよび/または可撓性基板のような材料の折り曲げ性は、カテーテルを身体内に送達している間、または、処置の終わりにカテーテルを身体から除去している間にかかわらず、パドル構造を送達カテーテルまたはイントロデューサに挿入することを容易にするという利点を、さらにもたらす。
【0017】
とりわけ、開示されているカテーテルは、それらの複数の電極によって、(1)心臓の心房壁内の特定のサイズの領域(例えば、1平方センチメートルの領域)の局所伝搬マップを規定し、(2)アブレーションのために複雑な分割心房電位図を特定し、(3)電位図の解像度をより高くするために電極間の局所的な限局電位を特定し、および/または、(4)アブレーションのための領域をより正確に標的化するのに有用である。これらのマッピングカテーテルおよびアブレーションカテーテルは、不安定である可能性がある心臓の動きにかかわらず、心臓組織に応じて変形し、心臓組織と接触したままであるように構築される。心臓が動いている間のカテーテルの心臓に対するそのような増強した安定性によって、組織と電極と接触が持続することに起因して、より正確なマッピングおよびアブレーションが可能である。加えて、本明細書において説明されているカテーテルは、心外膜および/または心内膜用途にとって有用であり得る。例えば、本明細書において示されている平面アレイは、電極の平面アレイが心筋表面と心膜との間に配置される、心外膜処置において使用されてもよい。代替的に、平面アレイ実施形態は、心内膜処置において、心筋の内表面を迅速に掃引および/または解析し、心臓組織の電気的特性の高密度マップを迅速に生成するために使用されてもよい。
【0018】
図1Bは、本開示の様々な実施形態による、図1Aの高密度電極マッピングカテーテル101の等角上側面図を示す。図1Bに示すように、高密度電極マッピングカテーテル101は、近位端および遠位端を含むカテーテルシャフト107を含むことができる。カテーテルシャフト107は、それに沿って可撓性先端部分110がカテーテルシャフト107の遠位端から遠位方向に延在するカテーテルシャフト長手方向軸aaを規定することができる。一例において、前述したように、可撓性先端部分110は、カテーテルシャフト107の遠位端に隣接して位置することができ、可撓性先端部分110は、可撓性フレームワークを備える。この可撓性フレームワークは、第1の内側アーム104と、第2の内側アーム105と、第1の外側アーム103と、第2の外側アーム106とを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、複数の曲線状電極102は、可撓性フレームワーク110上に配置することができ、組織に応じて変形するように構成された曲線状電極102の可撓性アレイを形成することができる。図1Bに開示され、本明細書においてさらに論じられ、図に示される実施形態において、曲線状電極102は、セグメント化された電極であってもよい。例えば、図1B図2Bに示すように、曲線状電極102は、それらの電極が配置されている可撓性フレームワーク110の周囲全体の周りに延在しなくてもよい。一例において、曲線状電極ペア102-1’および102-1’’を参照すると、第1の複数の電極は、例えば、下部曲線状電極102-1’’などの可撓性フレームワーク110の下半分に配置することができ、第2の複数の電極は、上部曲線状電極102-1’などの可撓性フレームワーク110の上半分に配置することができる。第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、第1の外側アーム103、および第2の外側アーム106の各々は、それぞれのアーム長手方向軸に沿って延伸することができ、アーム長手方向軸の各々は、カテーテルシャフト長手方向軸aaと平行であってよい。いくつかの実施形態において、それぞれのアームの各々は、カテーテルシャフト長手方向軸aaと分岐してもよいし、これと1つになってもよい。例えば、図1Bに示すように、第1の外側アーム103のアーム長手方向軸cc、ならびに他のアーム104、105、106は、カテーテルシャフト長手方向軸aaと平行であってよい。いくつかの実施形態において、曲線状電極ペア102-1’および102-1’’は、例えば、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれる米国特許第9,808,171号および米国公報第2017/0042449号に記載されるように、オムニポーラ(omnipolar)技術(OT)とともに使用することができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、複数の曲線状電極102は、図1Bに示すように、第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、第1の外側アーム103、および第2の外側アーム106の各々の上に配置され、互いから長手方向に離間されている。一例において、第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、第1の外側アーム103、および第2の外側アーム106は各々、曲線状電極102-1’、102-1’’が配置され得る上半分と下半分とを含むことができる。例えば、曲線状電極の複数の対応するペアは、アーム103、104、105、106の各々の上に配置することができる。曲線状電極の対応するペアの各々は、上部曲線状電極と、アーム103、104、105、106のうちの対応する一つにおいて上部曲線状電極の反対側およびこの下に配置されている下部曲線状電極とを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、アーム103、104、105、106の各々の上面上に配置されている曲線状電極は、アーム103、104、105、106の各々の下面上に配置されているそれぞれの曲線状電極から長手方向に互い違いにされ得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、複数の曲線状電極のうちの少なくとも1つは、上半分に配置することができ、複数の曲線状電極のうちの少なくとも1つは、下半分に配置することができる。いくつかの実施形態において、曲線状電極の各々は、曲線状電極が配置されているアームの特定のもののアーム長手方向軸の周りに部分的に巻くことができる。例えば、上部および下部曲線状電極102-1’、102-1’’に関して示すように、曲線状電極は、アーム長手方向軸ccの周りに巻かれ、および/または回転することができる。いくつかの実施形態において、上部曲線状電極102-1’と下部曲線状電極102-1’’は、曲線状電極ペアを形成することができる。
【0022】
図1Cに示すように、上部曲線状電極102-1’および下部曲線状電極102-1’’の各々は、アーム長手方向軸ccの周りに部分的に巻かれている。一例において、アームの上半分に配置されている上部曲線状電極のうちの少なくとも1つの各々は、曲線状電極の対応するペアを形成するために、アームの下半分に配置されている下部曲線状電極のうちの対応する一つの反対側に配置することができる。本明細書においてさらに論じるように、上部曲線状電極102-1’および下部曲線状電極102-1’’がアーム長手方向軸ccの周りに巻かれる量は、変化することができる。
【0023】
図1Cにさらに示すように、上部曲線状電極102-1’は、下部曲線状電極102-1’’から周方向に離間することができる。いくつかの実施形態において、図1Cを参照して示し、本明細書においてさらに論じるように、上部曲線状電極102-1’の周幅は、下部曲線状電極102-1’’の周幅と同じであってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、図1Cを参照して示され、本明細書においてさらに論じるように、上部曲線状電極102-1’の周幅は、下部曲線状電極102-1’’の周幅とは異なってもよい。さらに、上部電極102-1’と下部電極102-1’’の間の周囲間隔は、同じであってよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、第1の外側アーム103、および第2の外側アーム106の各々は、曲線状電極102の複数の対応するペアを含むことができる。複数の曲線状電極102の第1の部分は、可撓性フレームワーク110の上に配置することができ、複数の曲線状電極102の第2の部分は、可撓性フレームワーク110の下に配置することができる。いくつかの実施形態において、複数の曲線状電極102の配置、ならびに複数の曲線状電極102の周幅、長手方向の長さ、および/または厚さは、本明細書においてさらに論じるように、変化することができる。
【0025】
図1Dは、本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク110上に配置されている複数の曲線状電極102の断端面図を示す。可撓性フレームワーク110は、第1の外側アーム103と、第2の外側アーム106と、第1の内側アーム104と、第2の内側アーム105とを含むことができる。第1の外側アーム103、第2の外側アーム106、第1の内側アーム104、および第2の内側アーム105の断面は、図1D、ならびに図2A~2Cにおいては、中実(solid)として示されているが、それぞれの断面は、中空であってもよい。例えば、可撓性フレームワーク110のアームは、管状構造であってもよい。第1の外側アーム103を参照して示すように、アームは、水平軸ddを介して上半分120-1と下半分120-2に分割することができる。また、第1の外側アーム103は、アーム長手方向軸ccに沿って長手方向に延伸することができる。いくつかの実施形態において、上部曲線状電極102-13’は、上半分120-1に配置することができ、下部曲線状電極102-13’’は、下半分120-2に配置することができる。図1Dに示すように、上部曲線状電極102-13’は、等しい周囲間隔が上部曲線状電極102-13’と下部曲線状電極102-13’’の各々の間で画定されるように、直径に沿って下部曲線状電極に対向することができる。
【0026】
上部曲線状電極102-13’と下部曲線状電極102-13’’の間に画定された周囲間隔は、図1Dに示す周囲間隔よりも大きくおよび/または小さくてもよい。一例において、上部曲線状電極102-13’と下部曲線状電極102-13’’の間に画定された周囲間隔は、1ミリメートルから0.25ミリメートルの範囲内であってよい。いくつかの実施形態において、上部曲線状電極102-13’と下部曲線状電極102-13’’の間に画定された間隔は、0.75ミリメートルから0.5ミリメートルの範囲内であってよい。いくつかの実施形態において、上部曲線状電極および下部曲線状電極の各々の周囲縁の間の間隔は、上部曲線状電極102-16’および下部曲線状電極102-16’’の各々の周囲縁と第2の外側アーム106がそれに沿って長手方向に延伸する中心軸cc’の間に存在する角度によって画定することができる。例えば、角度Θは、中心軸cc’と上部曲線状電極102-16’の上部外側縁122-1と下部曲線状電極102-16’’の下部外側縁122-2の間に画定される。図1Dを参照して示すように、角度Θは、約80度であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、角度Θは80度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0027】
図2Aは、本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク140A上に配置されている複数の曲線状電極138-1A’、138-1A’’、138-2A’、138-2A’’、138-3A’、138-3A’’、138-4A’、138-4A’’の断端面図である。上部曲線状電極と下部曲線状電極の間の画定された間隔は、図1Dに示す間隔を超えて増加される。以下、複数の曲線状電極138-1A’、138-1A’’、138-2A’、138-2A’’、138-3A’、138-3A’’、138-4A’、138-4A’’は、複数形で曲線状電極138Aとして参照される。図2Aに示すように、上部曲線状電極138-1A’、138-2A’、138-3A’、138-4A’と下部曲線状電極138-1A’’、138-2A’’、138-3A’’、138-4A’’の間に画定された周囲空間は、増加することができる。したがって、例えば、第2の外側アームがそれに沿って延伸する中心長手方向軸ee’と上部曲線状電極138-4A’の外側縁142-1Aと下部曲線状電極142-2A’’の外側縁142-2Aの間に画定された角度Θは、図1Dに関連して論じられ、示されている角度を超えて増加することができる。図2Aに示すように、角度Θは約135度である。しかしながら、いくつかの実施形態において、角度Θは、135度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。第2の外側アーム136Aについて論じているが、他のアームも同じまたは類似した特徴を含む。
【0028】
図2Bは、本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク140B上に配置されている複数の曲線状電極138-1B’、138-1B’’、138-2B’、138-2B’’、138-3B’、138-3B’’、138-4B’、138-4B’’の断端面図である。上部曲線状電極と下部曲線状電極の間の画定された間隔は、図1Dに示す間隔を超えて減少される。図2Bに示すように、周囲間隙150B、152Bのペアは、第1の上部曲線状電極138-1B’と第1の下部曲線状電極138-1B’’の間に画定することができる。いくつかの実施形態において、曲線状電極138Bの各々は、周囲間隙150B、152Bの半径方向の深度が最小であるように、図2Bに関連して示したものから減少した半径方向の厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、周囲間隙150B、152Bは、絶縁材料で充填することができる。一例において、周囲間隙150B、152Bは、アーム130Bおよび上部曲線状電極138-1B’および下部曲線状電極138-1B’’によって形成された構成要素の外面が1つの連続した面であることができるように、充填することができる。例えば、構成要素の外面は、滑らかで途切れないことができる。
【0029】
図2Bに関してさらに示すように、上部曲線状電極138-1B’、138-2B’、138-3B’、138-4B’と下部曲線状電極138-1B’’、138-2B’’、138-3B’’、138-4B’’の間に画定された周囲空間は、図1Dおよび図2Aに対して減少することができる。したがって、第2の外側アーム136Bがそれに沿って延伸する中心軸ee’’と上部曲線状電極138-4B’の上部外側縁142-1Bと下部曲線状電極138-4B’’の下部外側縁142-2Bの間に画定された角度Θは、図1Dおよび図2Aに関連して論じられ、示されている角度を超えて増加することができる。図2Bに示すように、角度Θは約20度である。しかしながら、いくつかの実施形態において、角度Θは、20度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。図1D図2Bを参照して示すように、上部曲線状電極は、直径に沿って下部曲線状電極に対向することができる。さらに、上部曲線状電極は、下部曲線状電極と同じ周幅を有することができる。しかしながら、図2Cに示すように、いくつかの実施形態において、上部曲線状電極は、下部曲線状電極よりも小さい周幅を有してもよいし、これよりも大きい周幅を有してもよい。
【0030】
図2Cは、本開示の実施形態による、可撓性フレームワーク140C上に配置されている複数の曲線状電極138-1C’、138-1C’’、138-2C’、138-2C’’、138-3C’、138-3C’’、138-4C’、138-4C’’の断端面図である。上部曲線状電極の周幅は下部曲線状電極の周幅よりも小さい。複数の曲線状電極138-1C’、138-1C’’、138-2C’、138-2C’’、138-3C’、138-3C’’、138-4C’、138-4C’’の各々は、第1の外側アーム130C、第1の内側アーム132C、第2の内側アーム134C、および第2の外側アーム136Cのうちの対応する一つの長手方向軸(すなわち、ee’’’)の周りに巻かれている。図2Cに示すように、周囲間隙は、上部曲線状電極138-4C’と下部曲線状電極138-4C’’の間に画定することができる。例えば、間隙は、上部曲線状電極138-4C’の上部外側縁142-1Cと下部曲線状電極138-4C’’の下部外側縁142-2Cの間に画定することができる。いくつかの実施形態において、上部曲線状電極138-1C’、138-2C’、138-3C’、および下部曲線状電極138-1C’’、138-2C’’、138-3C’’は、それらの外側縁の間に同じ間隙を有することができる。いくつかの実施形態において、等しい間隙は、外側縁に関連して論じたもののように、上部曲線状電極138-1C’、138-2C’、138-3C’、138-4C’と下部曲線状電極138-1C’’、138-2C’’、138-3C’’、138-4C’’の内側縁の間に画定することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、内側縁と外側縁の間に画定された間隙は、互いに対して異なってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、角度Θは、図1D図2Bに関連して同様に論じたように、例えば、第2の外側アーム136Cがそれに沿って延伸する中心軸ee’’’と上部曲線状電極138-4C’の上部外側縁142-1Cと下部曲線状電極138-4C’’の下部外側縁142-2Cの間に画定することができる。図2Cに示すように、角度Θは約60度である。しかしながら、いくつかの実施形態において、角度Θは、20度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、上部曲線状電極138-4C’の周幅は、図2Cに示すものを超えて増加してもよいし、減少してもよく、したがって、角度Θを減少または増加させることができる。いくつかの実施形態において、下部電極138-4C’’の周幅は、図2Cに示すものを超えて増加してもよいし、減少してもよく、したがって、角度Θを減少または増加させることができる。
【0032】
図3Aは、本開示の様々な実施形態による、上部曲線状電極と下部曲線状電極(図示せず)の32個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテル170Aの上面図を示す。高密度電極マッピングカテーテル170Aは、カテーテルシャフト182Aを含むことができ、カテーテルシャフト182Aに沿って、複数のリング電極190Aが配置されている。カテーテルシャフト182Aの遠位端はコネクタを含むことができ、コネクタから、複数の長手方向に延伸するアーム174A、176A、178A、180Aが延伸する。高密度電極マッピングカテーテル170Aは、長手方向軸ff’に沿って延在することができる。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル170Aは、電極の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分188Aを含むことができる。高密度電極マッピングカテーテル170Aは複数の電極を含むが、図3Aでは、わかりやすいように、上部曲線状電極172-1A’のみがラベリングされている。下部曲線状電極は図3Aでは認識できないが、上部曲線状電極172-1A’および下部曲線状電極は、4つの並んだ、長手方向に延伸するアーム174A、176A、178A、180A上に配置することができ、これらのアームは、電極172Aが配置された可撓性フレームワーク188Aを形成することができる。
【0033】
上部曲線状電極172Aおよび下部曲線状電極は、本明細書において、例えば図1D図2Cに関連して論じるものに類似した様式で、長手方向に延伸するアームに沿って配置することができる。4つの電極キャリアアームは、第1の外側アーム174Aと、第2の外側アーム180Aと、第1の内側アーム176Aと、第2の内側アーム178Aとを備える。これらのアームは、互いから側方に分離することができる。4つのアームの各々は、複数の電極172Aを担持することができる。例えば、図3Aに示すように、4つのアームの各々は、各アームの上部に沿って配置されている8つの曲線状電極172Aを有することができる。加えて、4つのアームの各々は、各アームの下部に沿って配置されている8つの曲線状電極を有することができる。例えば、曲線状電極の合計32個のペアは、高密度電極マッピングカテーテル170Aの可撓性先端部分188A上に配置され、長手方向に延伸するアームの上および下に配置された合計64個の電極を提供することができる。曲線状電極のペアは、いくつかの実施形態において、上部曲線状電極と、対応する下部曲線状電極とを含むことができる。例えば、本明細書において論じるように、上部曲線状電極は、直径に沿って下部曲線状電極のうちの対応する一つに対向することができる。
【0034】
図3Bは、本開示の様々な実施形態による、上部曲線状電極172-1B’、172-2B’、172-3B’、172-4B’、172-5B’、172-6B’、172-7B’、172-8B’と下部曲線状電極(図示せず)の64個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテル170Aの上面図を示す。高密度電極マッピングカテーテル170Bは、曲線状電極172の64個のペアが高密度電極マッピングカテーテル170Bの可撓性先端部分188B上に配置することができることを除いて、図3Aに関連して論じられたような特徴を含むことができる。したがって、合計128個の電極は、長手方向に延伸するアームの上および下に配置することができる。いくつかの実施形態において、示したように、上部曲線状電極および下部曲線状電極は、長手方向に延伸するアーム174B、176B、178B、180Bの各々に沿って配置することができ、長手方向軸ff’’に対して横断方向に配置された電極の列をなして整列することもできる。例えば、曲線状上部電極172-1B’、172-2B’、172-3B’、172-4B’は、カテーテルシャフト長手方向軸ff’’に対して直角である線ggに沿って、長手方向に延伸するアーム174B、176B、178B、180Bの各々の上に配置することができる。したがって、高密度電極マッピングカテーテル170Bは、図3Bに示すように、電極の16個の列を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、電極の1つまたは複数は、活性電極のパターンが高密度電極マッピングカテーテル170B上に形成されるように、非活性化することができる。例えば、第1の上部電極172-1B’と第3の上部電極172-3B’を、それらの対応する下部電極とともに遮断して、第2の上部電極172-1B’および第4の上部電極172-4B’を活性電極として残すことができる。さらに、第6の上部電極172-6B’と第8の上部電極172-6B’を、それらの対応する下部電極とともに遮断して、第5の上部電極172-5B’および第7の上部電極172-7B’を活性電極として残すことができる。一例において、電極は、いくつかの実施形態において、物理的および/または仮想スイッチを介して中央処理ユニットから電極を電気的に切断することによって非活性化する(すなわち、遮断する)ことができる。したがって、測定は、非活性化された電極ではなく、活性電極から行うことができる。
【0036】
図4Aは、本開示の様々な実施形態による、交互構成で配置されている上部曲線状電極202-1A’、202-2A’、…、202-24A’と下部曲線状電極(図示せず)の24個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテル200Aの上面図を示す。いくつかの実施形態において、以下に複数形で上部曲線状電極202A’として参照される上部曲線状電極202-1A’、202-2A’、…、202-24A’と、下部曲線状電極は、上部曲線状電極202A’および下部曲線状電極の各々と電気的に結合された複数のワイヤを介して中央処理ユニットと電気的に接続することができる。しかしながら、第1の外側アーム204A、第1の内側アーム206A、第2の内側アーム208A、および第2の外側アーム210Aの各々によって画定された空洞、ならびにカテーテルシャフト214Aによって画定された中心空洞における空間制限により、電極の各々を電気的に結合するそれぞれのワイヤを、第1の外側アーム204A、第1の内側アーム206A、第2の内側アーム208A、および第2の外側アーム210Aの各々、ならびに長手方向軸hh’に沿って延在するカテーテルシャフト214Aによって画定された中央空洞に適合させることが困難である可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、電極のパターンは、高密度電極マッピングカテーテル200Aの可撓性先端部分220A上に配置することができる。
【0037】
一例において、パターンは、アームの各々の上の電極が互い違いにされる交互構成を含むことができる。これは、可撓性先端部分220A上に配置される電極の数を減少させ、電極のすべてを電気的に結合するために必要とされる電気ワイヤの数も減少させることができる。一例において、図1Aおよび図1Bに示すものなどの構成に対して、交互構成における電極の配置は、可撓性先端部分220A上に配置される電極の数を減少させることができ、電極を接続するワイヤの数を半分に減少させることもできる。例えば、電極の構成は、いくつかの実施形態において、チェッカーボードパターンを含むことができ、複数の電極は、離間された関係でアームの各々に沿って長手方向に配置される。一例において、電極の間隔は、隣接するアームに対して互い違いにすることができる。例えば、第1の外側アーム204Aに対して、上部曲線状電極202-1A’、202-5A’、202-9A’、202-13A’、202-17A’、および202-21A’は、離間された関係で第1の外側アーム204Aに沿って配置することができる。一例において、上部曲線状電極202-1A’、202-5A’、202-9A’、202-13A’、202-17A’、および202-21A’の各々の間の間隔は、同じであってよい。
【0038】
第1の内側アーム206A上に配置されている上部曲線状電極202-3A’、202-7A’、202-11A’、202-15A’、202-19A’、および202-23A’に対して、電極202-3A’、202-7A’、202-11A’、202-15A’、202-19A’、および202-23A’は、第1の内側アーム204A上に配置されている上部曲線状電極202-1A’、202-5A’、202-9A’、202-13A’、202-17A’、および202-21A’と同じ間隔を有することができるが、上部曲線状電極202-3A’、202-7A’、202-11A’、202-15A’、202-19A’、および202-23A’の各々の位置は、チェッカーボードパターンを形成するために近位方向に移ることができる。例えば、第1の内側アーム206A上の最も遠位の上部曲線状電極202-3A’は、上部曲線状電極202-1A’と202-5A’の間の第1の内側アーム206A上の位置に長手方向に配置することができる。図4Aを参照すると、上部曲線状電極202A’のみが示されているが、下部曲線状電極は、上部曲線状電極202A’の各々の下に配置され、上部曲線状電極202A’と同じ間隔を有することができる。図4Aに示すものなどの交互構成内の電極の配置を通して、高密度電極マッピングカテーテル200Aが心臓組織によって生成される電気信号を正確に測定することを依然として可能にしながら、電極の総数ならびに電気接続を減少させて製造の複雑さおよびコストを減少させ得るのと同時に、電極の適切な密度が維持され得る。
【0039】
図4Bは、本開示の様々な実施形態による、交互構成で配置されている上部曲線状電極202-1B’、202-2B’、…、202-10B’と下部曲線状電極(図示せず)の48個のペアを含む高密度電極マッピングカテーテル200Bの上面図を示す。高密度電極マッピングカテーテル200Bは上部曲線状電極を含むが、分かりやすくするため、上部曲線状電極202-1B’、202-2B’、…、202-10B’のみがラベリングされている。いくつかの実施形態において、以下に複数形で上部曲線状電極202B’として参照される上部曲線状電極202-1B’、202-2B’、…、202-24B’と、下部曲線状電極は、上部曲線状電極202B’および下部曲線状電極の各々と電気的に結合された複数のワイヤを介して中央処理ユニットと電気的に接続することができる。上記で論じたように、本開示の実施形態は、上部曲線状電極202B’および下部曲線状電極の各々を電気的に結合する複数のワイヤを収容するために必要とされる空間の大きさを減少させることができる。図4Aとは対照的に、可撓性先端部分220Bは、図4Aに示す可撓性先端部分220Aに対して、2倍の数の電極を含む。前述したように、図1Aおよび図1Bに示すものなどの構成に対して、交互構成における電極の配置は、可撓性先端部分220B上に配置される電極の数を減少させることができ、電極を接続するワイヤの数を半分に減少させることができる。例えば、図4Bに開示する実施形態は、可撓性先端部分220Bの上半分および下半分に配置されている96個の全電極を含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、電極の構成は、チェッカーボードパターンを含むことができ、複数の電極は、離間された関係でアームの各々に沿って長手方向に配置されている。一例において、電極の間隔は、隣接するアームに対して互い違いにすることができる。例えば、第1の外側アーム204Bに対して、上部曲線状電極202-1B’、202-5B’、202-9B’などは、離間された関係で第1の外側アーム204Bに沿って配置することができる。一例において、上部曲線状電極202-1B’、202-5B’、202-9B’などの各々の間の間隔は、同じであってよい。第1の内側アーム206B上に配置されている上部曲線状電極202-3B’、202-7B’などに対して、上部曲線状電極202-3B’、202-7B’などは、第1の内側アーム204B上に配置されている上部曲線状電極202-1B’、202-5B’、202-9B’などと同じ間隔を有することができるが、上部曲線状電極202-3B’、202-7B’などの各々の位置は、チェッカーボードパターンを形成するために近位方向に移ることができる。例えば、第1の内側アーム206B上の最も遠位の上部曲線状電極202-3B’は、上部曲線状電極202-1B’と202-5B’の間の第1の内側アーム206B上の位置に長手方向に配置することができる。
【0041】
図5は、本開示の様々な実施形態による、医療システム230の概略ブロック図を示す。システム230は、図示されているように、様々な入出力機構234を有する主電子制御回路232(例えば、プロセッサ)と、ディスプレイ236と、任意選択の画像データベース238と、心電図(ECG)モニタ240と、医療測位システム242のような位置特定システムと、医療測位システムが使用可能な細長い医療デバイス244と、患者基準センサ246と、磁気位置センサ248と、電極250(例えば、位置検知電極)と、心臓によって生成される電気信号を検知するように構成されている微小電極252とを含む。単純にするために、1つの磁気位置センサ248、1つの電極250、および1つの微小電極252が示されているが、2つ以上の磁気位置センサ248、2つ以上の電極250、および/または2つ以上の微小電極252が、システム230内に含まれてもよい。
【0042】
入出力機構234は、例えば、キーボード、マウス、タブレット、フットペダル、スイッチなどを含む、コンピュータベースの制御ユニットと接続する(interfacing)ための従来の装置を含んでもよい。ディスプレイ236もまた、コンピュータモニタのような従来の装置を含んでもよい。
【0043】
システム230は、選択的に、患者の身体に関連する画像情報を記憶するための画像データベース238を含んでもよい。画像情報は、例えば、医療デバイス244の行先部位を包囲する関心領域、および/または、医療デバイス244が進行するように企図されているナビゲーション経路に沿った複数の関心領域を含むことができる。画像データベース238内のデータは、(1)過去のそれぞれの時点において取得されている1つもしくは複数の二次元静止画像、(2)画像取得デバイスからリアルタイムで得られる複数の関連二次元画像(例えば、x線撮像装置からの蛍光画像)であって、画像データベースはバッファとして機能する(ライブ蛍光透視法)、複数の関連二次元画像、および/または、(3)シネループを規定する関連二次元画像のシーケンスであって、シーケンス内の各画像は少なくとも、ECGモニタ240から得られる取得リアルタイムECG信号と関連付けられるシーケンスの再生を可能にするのに十分なECGタイミングパラメータを有する、関連二次元画像のシーケンスを含む、既知の画像タイプを含むことができる。上記の実施形態は例に過ぎず、本質的に限定ではないことを理解されたい。例えば、画像データベースはまた、三次元画像データを含んでもよい。画像は、例えば、X線、超音波、コンピュータ断層撮影、核磁気共鳴などのような、既知でないまたは今後開発される任意の画像診断法を通じて取得され得てもよいことを、さらに理解されたい。
【0044】
ECGモニタ240は、複数の微小電極252を使用することによって心臓の電気タイミング信号を継続的に検出するように構成されている。本明細書において論じるように、微小電極252は、本明細書において例えば図1A図4Bに関連して前述したように、デバイスの可撓性先端部分上に配置されている電極を含むことができる。タイミング信号は一般に、とりわけ、心周期の特定の位相に対応する。一般に、ECG信号は、制御ユニット232によって、データベース238内に記憶されている、以前にキャプチャされた画像シーケンス(シネループ)のECG同期再生のために使用することができる。ECGモニタ240とECG電極は両方とも、従来の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、主制御部232は、本明細書において論じるように、微小電極によって受信される信号の差を判定するように構成されているハードウェア、および/または、ハードウェアとプログラミングとの組み合わせを含むことができる、コンピューティングデバイスを含むことができる。例えば、主制御部232は、微小電極から受信される信号の差を判定するために、主制御部232と通信するプロセッサによって実行可能である命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。医療測位システム244は、位置特定システムとしての役割を果たし、それゆえ、1つまたは複数の磁気位置センサ248および/または電極250に対する位置(位置特定)データを判定し、それぞれの位置読み値を出力するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施形態において、主制御部は、図3A図4Bに関連して論じられ、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれる「High Density Electrode Mapping Catheter」と題する米国出願第15/331,562号においてさらに論じられるように、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分上に配置されている電極の特定のパターンを形成するために電極の特定のものを使用不能にするおよび/または電極の特定のものを使用可能にするように構成されたコンピュータ可読命令を実行することができる。本開示のいくつかの実施形態は、医療デバイス(例えば、高密度電極マッピングカテーテル)の先端部分の第1の側面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信するステップを含むことができる。方法は、医療デバイスの先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信することをさらに含むことができる。前述したように、第1の電極および第2の電極は、垂直方向において互いに対して隣接して配置することができる。例えば、第1の電極は、本明細書において示し、論じたように、第2の電極の直下に配置されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の電気信号と第2の電気信号との間の比較に基づいて、第1の電極と組織との間の接触度を決定することを含むことができる。一例において、第1の電極が組織に対して配置されるとき、第2の電極は、医療デバイスの反対側に、かつ血液プール内に配置され得る。そのため、第1の電極から、第2の電極に対して異なる電気信号(例えば、電圧)が受信され得る。したがって、いくつかの実施形態において、第1の電気信号と第2の電気信号との間の比較は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との比較を含むことができる。
【0047】
一例において、心臓組織は、脱分極しているか否かにかかわらず、電圧を生成することができる。電圧は、心筋を通じて、およびまた、血液プールを通じて伝播することができ、第1の電極と第2の電極の両方によって取得することができる。それらの電極の1つ(例えば、第1の電極)が組織に触れている場合、その電圧は、血液プール内に配置されている電極(例えば、第2の電極)によって取得される電圧とは異なるものになる。第1の電極と関連付けられる第1の電気信号と第2の電極と関連付けられる第2の電気信号との間の差は、第1の電極が組織に触れており、第2の電極が血液プール内に配置されているときに、より大きくなる。第1の電極と関連付けられる第1の電気信号と第2の電極と関連付けられる第2の電気信号との間の差は、第1の電極と第2の電極の両方が血液プール内に配置されているときに、より小さくなる。
【0048】
電気信号(例えば、電圧)の差に基づいて、医療デバイス(例えば、第1の電極)と組織との間の接触の判定を行うことができる。例えば、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧とが同じであるとき、第1の電極が組織と接触していないと判定することを含むことができる。例えば、第1の電極と関連付けられる電圧と第2の電極と関連付けられる電圧とが同じであるとき、これは、第1の電極および第2の電極が血液プール内に配置されており、組織と接触していないことの指標であり得る。いくつかの実施形態において、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との間の差が閾値電圧未満である(例えば、それらの電圧が同じに近い)とき、第1の電極が組織と接触していないと判定することを含むことができる。例えば、第1の電極および第2の電極の各々と関連付けられる電圧は、血液プール内の電気的干渉に起因して正確に同じではない場合がある。
【0049】
代替的に、いくつかの実施形態において、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧と異なるとき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。一例において、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との間の差が閾値よりも大きいとき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。例えば、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧よりも大きい(例えば、規定の閾値を超えて大きい)とき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。論じられているように、第1の電極が組織に対して配置され、第2の電極が血液プール内に配置されているとき、第1の電極と関連付けられる第1の電気信号は、第2の電気信号よりも大きい電圧を有し得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧に対して増大していることに基づいて、第1の電極と組織との間の接触度が増大していると判定することを含むことができる。例えば、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧よりも大きい割合で増大する場合、かつ/または、第2の電圧が同じままである間に増大する場合、第1の電極と組織との間の接触度が増大していると判定することができる。いくつかの実施形態において、医療デバイスと組織との間に十分な接触が存在することを保証することは、診断情報が医療デバイス(例えば、電極)によって収集されており、かつ/または、治療エネルギーが医療デバイス(例えば、電極)から組織に送達されている場合に有益であり得る。代替的に、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧に対して低減していることに基づいて、第1の電極と組織との間の接触度が低減していると判定することを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1の電極および/または第2の電極は、電流(例えば、高周波電流)によって駆動されるように構成することができる。一例において、第1の電極および/または第2の電極は、電流によって駆動することができ、電流によって電圧(例えば、高周波電圧)を誘導することができる。例えば、電圧は、心臓組織および/または血液プール内で誘導することができる。したがって、心臓ではなく1つまたは複数の電極によって生成される誘導電圧を、医療デバイス上の1つまたは複数の電極によって受信することができる。それらの電極のうちの一方から受信される電気信号と関連付けられる誘導電圧(例えば、インピーダンス)を測定することができる。電気信号が受信される電極が血液プール内に配置されているか、または、組織と接触しているかに応じて、電気信号は変化し得る。一例において、第1の電極と第2の電極とから受信される電気信号から測定される誘導電圧は、それらの電極のうちの一方が組織に対して配置されており、それらの電極のうちの一方が血液プール内に配置されている場合は異なり得、両方の電極が血液プール内に配置されている場合は同様であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1の電極および第2の電極の一方または両方は、電流によって駆動することができ、医療デバイス上に配置されている1つもしくは複数の他の電極または皮膚パッチ上に配置されている電極は、誘導電圧を受信することができる。いくつかの実施形態において、第1の電極において電流を誘導することができ、第2の電極によって誘導電圧を受信することができる。第2の電極が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織と接触しているかは、誘導電圧の大きさに影響を及ぼし得る。同様に、第2の電極において電流を誘導することができ、第1の電極によって誘導電圧を受信することができる。第1の電極が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織と接触しているかは、誘導電圧の大きさに影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態において、医療デバイス上に配置されている別の電極において電流を誘導することができ、第1の電極および2の電極の一方または両方によって誘導電圧を受信することができる。第1の電極および第2の電極から受信される電気信号と関連付けられる誘導電圧は、本明細書において論じるように、第1の電極および第2の電極の一方または両方が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織に対して配置されているかに応じて変化し得る。
【0053】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の様々な実施形態による、心内膜組織と関連付けられる心臓活性化を決定するための方法を含むことができる。論じたように、方法は、医療デバイスの先端部分の第1の側面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信することを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、医療デバイスの先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信することを含むことができる。前述したように、第1の電極および第2の電極は本明細書において示し、論じたものと同様にして、垂直方向において互いに対して隣接して配置することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、方法は、心臓活性化と関連付けられる特性を決定するステップを含むことができ、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向である。一例において、第1の電極および第2の電極は垂直方向において互いに隣接するため、心臓活動が心内膜組織を通じて進行するとき、電気活動信号は、組織に対して配置されている第1の電極によって受信することができ、その後、垂直方向において第1の電極に隣接している第2の電極によって受信することができる。例えば、電気活動信号が、第1の電極が配置されている心内膜組織の表面に向かって進行するとき、電気活動信号は、心内膜組織の表面に垂直な方向において、第1の電極に向かって進行することができる。電気活動信号が、第1の電極が配置されている心内膜組織の表面に達すると、第1の電気信号を、第1の電極から受信することができる。電気活動信号はその後、血液プールの一部分を通じて進行することができ、垂直方向において第1の電極に隣接して配置されている第2の電極によって受信することができる。2つの電極が垂直方向において互いに隣接して配置されているため、これによって、電気活動信号のより良好な測定を可能にすることができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、心臓活性化と関連付けられる特性は、心臓活性化の方向を含むことができる。例えば、心臓活性化の方向ベクトルの成分が心内膜組織の表面に垂直であるという判定を行うことができる。いくつかの実施形態において、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向であることが一般的であり得る。例えば、厚い心室組織において、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、方法は、第2の電気信号に基づいて第1の電気信号から雑音をフィルタリング除外することを含むことができる。例えば、第1の電極が心内膜組織の表面に対して配置される場合、周囲の雑音が、第1の電極と関連付けられる第1の電気信号に対して悪影響を及ぼす可能性がある。周囲の雑音は、いくつかの実施形態において、血液プールを通じて流れる漂遊電気信号によって引き起こされる場合がある。したがって、血液プール内に配置されている第2の電極は、第2の電極と関連付けられる第2の電気信号内で表現され得る、血液プールを通じて流れる任意の漂遊電気信号を受信する可能性がある。いくつかの実施形態において、第2の電気信号は、第1の電気信号から漂遊電気信号をフィルタリング除外するのに使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において論じる方法は、図5に関連して論じたものなどのコンピュータによって実行することができる。
【0057】
図6は、本開示の実施形態による、バスケットカテーテル260の複数のスプライン(例えば、スプライン264-1)上に配置された複数の曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’、262-7’’、262-8’’、262-9’’を含む電極バスケットカテーテル260の上面図である。示すように、電極バスケットカテーテル260は、複数の曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’、262-7’’、262-8’’、262-9’’が配置された複数のスプライン264-1、264-2、…、264-8を含むことができる。電極バスケットカテーテル260は、拡張構成で示されている。例えば、電極バスケットカテーテル260は、以下、複数形でスプライン264として参照される、複数のスプライン264-1、264-2、…、264-8によって形成された可撓性フレームワークを含むことができ、これは、近位コネクタ(図示せず)を介してそれらの近位端で接続することができ、遠位コネクタ266を介してそれらの遠位端で接続することができる。近位コネクタは、スプライン264を折りたたむために遠位コネクタ266から離れて近位方向に移動することができ、示される拡張状態にスプライン264を拡張するために遠位コネクタ266に向かって遠位方向に移動することができる。複数の電極262-1’、262-2’、262-3’、262-7’’、262-8’’、262-9’’は、スプライン264の各々の上に配置することができる。図を簡略化するため、第1のスプライン264-1上に配置されている電極262-1’、262-2’、262-3’、262-7’’、262-8’’、262-9’’のみが示されている。
【0058】
いくつかの実施形態において、外方曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’は、スプライン264の1つまたは複数の外方面上に配置することができ、内方曲線状電極262-7’’、262-8’’、262-9’’は、スプライン264の1つまたは複数の内方面上に配置することができる。例えば、スプライン264の各々の断面は、図1D図2Cに関連して示され論じられるアームの断面に類似していてもよいし、これと同じであってもよい。いくつかの実施形態において、示すように、外方曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’は、内方曲線状電極262-7’’、262-8’’、262-9’’よりも大きい周幅を有することがある。いくつかの実施形態において、外方曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’は、内方曲線状電極262-7’’、262-8’’、262-9’’よりも小さい周幅を有することがある。いくつかの実施形態において、外方曲線状電極262-1’、262-2’、262-3’は、内方曲線状電極262-7’’、262-8’’、262-9’’にほぼ等しい周幅を有することがある。さらに、バスケットカテーテル260は、図1A図5に関連して論じられたような特徴を含むことができる。
【0059】
図7Aは、本開示の様々な実施形態による、可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4上に配置されている曲線状電極272-1、272-2、…、274-16(例えば、微小電極)を含む高密度電極マッピングカテーテルの等角上側面図を示す。以下、曲線状電極272-1、272-2、…、272-16は、複数形でまとめて曲線状電極272として参照される。いくつかの実施形態において、曲線状電極272および可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性部分の上部および下部部分上に配置することができるが、下部部分上に配置されている曲線状電極272および可撓性回路274-5、274-6、274-7、274-8は、図7Aからの視点からは隠れているまたは部分的に隠れている。一例において、可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性部分の上半分に配置することができ、可撓性回路274-5、274-6、274-7、274-8は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性部分の下半分に配置することができる。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル270は、本明細書において前述したように、曲線状電極272を含むことができる。例えば、曲線状電極272は、図1Bに関連して論じたように、それぞれのアーム長手方向軸の周りで曲線状であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル270は、曲線状でない電極を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル270は、第1の外側アーム276-1、第2の外側アーム276-2、第1の内側アーム276-3、および第2の内側アーム276-4の各々の上に配置されている1つまたは複数の可撓性回路を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の可撓性回路274-1は、第1の外側アーム276-1上に配置することができ、第2の可撓性回路274-2は、第1の内側アーム276-3上に配置することができ、第3の可撓性回路274-3は、第2の内側アーム276-4上に配置することができ、第4の可撓性回路274-4は、第2の外側アーム276-2上に配置することができる。可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4は、アーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々のすぐ上に配置することができる。いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4は、接着剤を介してアーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々に直に取り付けることができる。可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分に沿って近位方向に延在することができ、可撓性先端部分の接合部においてまたはその近くで終端することができる。いくつかの実施形態において、個々のリード線は、本明細書においてさらに論じるように、可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4内に含まれる導電性トレースに接続することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1、274-2、274-3、274-4の各々は、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれる米国特許出願第15/331,562号においてさらに論じられるように、アーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々のすぐ上での様々な材料の堆積を通して構築可能である。例えば、いくつかの実施形態において、誘電体層は、アーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々のすぐ上に形成することができる。1つまたは複数の曲線状電極272は、各それぞれの曲線状電極272へのリード線とともに、誘電体層の上に形成することができる。図7Bは、本開示の実施形態による、図7Aに示す第1の可撓性回路274-1の概略図である。図を簡略化するため、第1の可撓性回路274-1の近位端は示されていない。いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1は、それを通ってまたはその上に曲線状電極272-1、272-2、272-3、272-4が配置されている絶縁外方層を含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1は、アームのうちの対応する一つから可撓性回路274-1を絶縁する絶縁内方層(例えば、アームの金属下部構造)を含むことができる。
【0062】
曲線状電極272-1、272-2、272-3、272-4は、本明細書で前に開示された特徴などの特徴を含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1は、曲線状電極272-1、272-2、272-3、272-4の各々と電気的に結合されている導電性トレース(例えば、リード線)を含むことができる。例えば、第1の電気トレース278-1は、第1の曲線状電極272-1と電気的に結合することができ、第2の電気トレース278-2は、第2の曲線状電極272-2と電気的に結合することができ、第3の電気トレース278-3は、第3の曲線状電極272-3と電気的に結合することができ、第4の電気トレース278-4は、第4の曲線状電極272-4と電気的に結合することができる。電気トレース278-1、278-2、278-3、278-4の各々は、可撓性回路274-1に沿って近位方向に延伸することができ、接合部で終端することができる。いくつかの実施形態において、接合部は、図5に示すように、高密度電極マッピングカテーテル270上に、高密度電極マッピングカテーテル270のシャフト(図示せず)に沿って、または主制御部232においてなどの高密度電極マッピングカテーテルのシャフトに対して近位方向に位置する何らかの他の領域に、位置することができる。1つまたは複数の電気トレース278-1、278-2、278-3、278-4は、曲線状電極272の各々から1つまたは複数の信号を送信することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号は、治療行動(例えば、アブレーション)および/または診断行動を実施するために、曲線状電極272の1つまたは複数に送信することができる。示すように、電気トレース278-1、278-2、278-3、278-4は、絶縁および/または誘電体層の下に配置されているので、想像線で示されている。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のビアは、電気トレース278-1、278-2、278-3、278-4とそれぞれの曲線状電極272の各々の間の絶縁および/または誘電体層内に形成することができる。したがって、一例において、第1の曲線状電極272-1に対して、第2の電気トレース278-2、第3の電気トレース278-3、および第4の電気トレース278-4、第1の曲線状電極272-1の下を通過することができ、第1の曲線状電極272-1と電気的に結合しない。
【0063】
図7Aにさらに示すように、可撓性回路は、高密度電極マッピングカテーテル270の両側に配置することができる。例えば、第5の可撓性回路274-5、第6の可撓性回路274-6、第7の可撓性回路274-7、および第8の可撓性回路274-8は、高密度電極マッピングカテーテル270の下に配置される。いくつかの実施形態において、曲線状電極の同じパターンは、高密度電極マッピングカテーテル270の下に配置することができる。示すように、間隙280は、上部可撓性回路274-1が下部可撓性回路274-5に重ならないように、上部可撓性回路274-1と下部可撓性回路274-5の間に存在することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、曲線状電極が配置された可撓性回路274-1は、前述したように、可撓性材料から形成することができる。したがって、可撓性回路274-1は、アームのうちの対応する一つ(例えば、第1の外側アーム276-1)に適用することができる。いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1は、アームのうちの対応する一つの一部分を覆うことができる。例えば、可撓性回路274-1は、第1の外側アーム276-1の上部部分を覆うことができる。いくつかの実施形態において、追加の可撓性回路274-5は、第1の外側アーム276-1の下部部分を覆い、第1の外側アーム276-1に沿って長手方向に延伸する2つの可撓性回路の間の間隙280を残すことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、可撓性回路274-1、274-5のペアは互いに重なることができる、および/または単一の可撓性回路は、アームのうちの対応する一つの周りに巻かれ得る。例えば、曲線状電極の2つの列を含む単一の可撓性回路は、曲線状電極の第1の列がアームのうちの対応する一つの上に配置され、曲線状電極の第2の列が電極のそれぞれの下に配置されるように、アームのうちの対応する一つの周りに巻かれ得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、曲線状電極272は、曲線状電極272がフレックス回路とともに曲がることができるように、可撓性であることがある。しかしながら、いくつかの実施形態において、曲線状電極272は、高密度電極マッピングカテーテル270のアーム276-1、276-2、276-3、276-4の曲率に合わせて予備成形することができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、フレックス回路274-1、274-2、274-3、274-4は、ニチノールなどの可撓性金属からなり得る、アーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々を形成する下部構造のすぐ上に配置することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、下部構造は、管に挿入することができる。管は、いくつかの実施形態において、熱収縮管であってよく、この熱収縮管は、加熱され、したがってアーム276-1、276-2、276-3、276-4の各々の周りで管を収縮させることができる。その後、フレックス回路274は、熱収縮管の外部に適用することができる。いくつかの実施形態において、アーム276-1、276-2、276-3、276-4は、可撓性であってよい材料(例えば、ポリマー)でコーティングすることができ、フレックス回路274は、コーティング材料の外部に適用することができる。いくつかの実施形態において、下部構造が挿入される管および/または下部構造をコーティングする材料は、PEBAX(登録商標)などのポリマーを含んでよい。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル270の下部構造は、図8および図9に関連してさらに示し説明するように、可撓性回路を含まないチューブを通して挿入することができる。
【0067】
図8は、本開示の実施形態による、電極292-1、292-2、292-3と、電極292-1、292-2、292-3(例えば、微小電極)と電気的に結合されている導電性トレース294-1、294-2、294-3とを含む、リフローされた電極チューブ290を示す。リフローされた電極チューブ290は、電極292-1、292-2、292-3および/または導電性トレース294-1、294-2、294-3が配置されている側壁296を含むことができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース294-1、294-2、294-3は、側壁296の内面に沿って、および/または側壁296内に、延伸することができる。いくつかの実施形態において、ビア298-1、298-2、298-3は、リフローされた電極チューブ290によって画定された空洞300とリフローされた電極チューブ290の外面の間に通路が作製されるように、側壁内に形成することができる。電極292-1、292-2、292-3は、リフローされた電極チューブ290の片側に配置されているものとして示されているが、電極は、電極292-1、292-2、292-3の対応するペアを形成するためにリフローされた電極チューブ290の反対側に配置することもできる。
【0068】
導電性トレース294-1、294-2、294-3は、リフローされた電極チューブ290の近位端から遠位方向に延伸することができ、電極292-1、292-2、292-3のうちの対応する一つで終端することができる。例えば、導電性トレース294-1、294-2、294-3は、リフローされた電極チューブ290の近位端から遠位方向に延伸することができ、それぞれのビア298-1、298-2、298-3の各々を通って延伸することができ、それぞれの電極292-1、292-2、292-3の各々に結合することができる。1つまたは複数の導電性トレース294-1、294-2、294-3は、電極292-1、292-2、292-3の各々から1つまたは複数の信号を送信することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号は、治療行動(例えば、アブレーション)および/または診断行動を実施するために、電極292-1、292-2、292-3の1つまたは複数に送信することができる。いくつかの実施形態において、電極292-1、292-2、292-3は、本明細書において前述したように、曲線状電極であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、電極292-1、292-2、292-3は、平坦な電極であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、リフローされた電極チューブ290は、電極292-1、292-2、292-3および導電性トレース294-1、294-2、294-3の周りにリフローすることができる。例えば、電極292-1、292-2、292-3は、側壁296の外面上に配置することができ、導電性トレース294-1、294-2、294-3は、側壁296の内面上に配置され、各それぞれのビア298-1、298-2、298-3を通じて縫うように進むことができる。その後、チューブは、チューブをリフローし、側壁296の外面に電極292-1、292-2、292-3を接着し、それらのそれぞれの導電性トレース294-1、294-2、294-3を側壁296の内面に接着するために加熱することができる。
【0070】
いくつかの実施形態において、電極292-1、292-2、292-3は、平坦なポリマー材料の第1の面上に形成および/または配置することができ、導電性トレース294-1、294-2、294-3は、第1の面と反対側にある平坦なポリマーの第2の面上に形成および/または配置することができる。相互接続は、電極292-1、292-2、292-3および導電性トレース294-1、294-2、294-3の配置の前または後に平坦なポリマーの第1の面と第2の面の間に形成することができ、これは、電極292-1、292-2、292-3と導電性トレース294-1、294-2、294-3を電気的に結合することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、電極チューブ290は、電極チューブ290を作製するために電極292-1、292-2、292-3および導電性トレース294-1、294-2、294-3、ならびにチューブの側壁296をフォーム上にプリントすることを通じて形成することができる。例えば、プリンタ(例えば、エアロゾル/インクジェット技術)の使用を通じて、電極292-1、292-2、292-3および導電性トレース294-1、294-2、294-3、ならびに側壁296は、管状構成要素(例えば、電極チューブ)を作製するために円形フォーム上にプリントすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、保護層は、側壁296の内面および導電性トレース294-1、294-2、294-3の上に形成することができる。保護層は、図7Aに関連して示したものなどの、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分の下部構造などの他の導電性材料と導電性トレース294-1、294-2、294-3が接触することを防止する絶縁層であってよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、電極292-1、292-2、292-3と導電性トレース294-1、294-2、294-3をもつリフローされた電極チューブ290は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分の下部構造上に配置することができる。一例において、リフローされた電極チューブ290は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分の可撓性下部構造(例えば、ニチノールから形成される)上に配置することができる。例えば、リフローされた電極チューブ290は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分を形成する下部構造のそれぞれのアームと同軸であってもよい。
【0074】
リフローされた電極チューブ290は、リフローされた電極チューブ290が可撓性下部構造とともに曲がることを可能にすることができる、ポリマー(例えば、PEBAX(登録商標))などの可撓性材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、リフローされた電極チューブ290は、可撓性下部構造に接着することができる。例えば、リフローされた電極チューブ290は、いくつかの実施形態において、接着剤を介して可撓性下部構造に接着することができる。いくつかの実施形態において、リフローされた電極チューブ290は、摩擦によって可撓性下部構造に適合することができる。いくつかの実施形態において、リフローされた電極チューブ290は、熱収縮チューブであってよく、リフローされた電極チューブ290への熱の印加を通じて可撓性下部構造に接着し、リフローされた電極チューブ290を収縮させることができる。
【0075】
図9は、本開示の実施形態による、電極312-1、312-2、312-3(例えば、微小電極)と電極312-1、312-2、312-3に電気的に結合されている導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3とを含む電極チューブ310を示す。電極チューブ310は、空洞318を画定する側壁316を含むことができる。いくつかの実施形態において、導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3は、空洞318を通って延伸することができる。いくつかの実施形態において、ビア320-1、320-2、320-3は、電極チューブ310によって画定された空洞318と電極チューブ310の外面の間に通路が作製されるように、側壁内に形成することができる。電極312-1、312-2、312-3は、電極チューブ310の片側に配置されているものとして示されているが、電極は、電極312-1、312-2、312-3の対応するペアを形成するためにリフローされた電極チューブ310の反対側に配置することもできる。
【0076】
導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3は、電極チューブ310の近位端から遠位方向に延伸することができ、電極312-1、312-2、312-3のうちの対応する一つで終端することができる。例えば、導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3は、電極チューブ310の近位端から遠位方向に延伸することができ、それぞれのビア320-1、320-2、320-3の各々を通って延伸することができ、それぞれの電極312-1、312-2、312-3の各々に結合することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3は、電極312-1、312-2、312-3の各々から1つまたは複数の信号を送信することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号は、治療行動(例えば、アブレーション)および/または診断行動を実施するために、電極312-1、312-2、312-3の1つまたは複数に送信することができる。いくつかの実施形態において、電極312-1、312-2、312-3は、本明細書において前述したように、曲線状電極であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、電極312-1、312-2、312-3は、平坦な電極であってもよい。いくつかの実施形態において、電極は、スポット電極であってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、電極312-1、312-2、312-3は、導電性エポキシから形成することができる。一例において、導電性エポキシは、銀で充填された1つまたは2つの部分からなるエポキシを含んでよい。しかしながら、エポキシは、様々な導電性材料オプションの中でもとりわけ、ニッケルおよび/またはグラファイトなどの別の導電性材料で充填することもできる。一例において、導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3は、ビア320-1、320-2、320-3を通じて縫うように進むおよび/またはビア320-1、320-2、320-3の各々の中に配置されている導電性プラグに接続することができる。その後、導電性エポキシは、ビア内に配置されている導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3と導電性エポキシが電気的に結合されるおよび/またはビア320-1、320-2、320-3内に配置されている導電性プラグを介して導電性エポキシが導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3と電気的に結合されるように、ビア320-1、320-2、320-3上に堆積することができる。いくつかの実施形態において、その未硬化状態の導電性エポキシは、特定の形状(例えば、円形、正方形、長方形、三角形など)で形成可能である。導電性エポキシの硬化時、導電性電極312-1、312-2、312-3が形成可能である。
【0078】
いくつかの実施形態において、保護スリーブは、側壁316の内面上に形成され得、導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3を保護スリーブと側壁316の内壁の間に挟むことができる。保護スリーブは、導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3が他の導電性材料と接触することを防止するおよび/または導電性ワイヤの各々の周りに配置されている絶縁コーティング(例えば、絶縁体)が摩耗することを防止する絶縁層であってもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、電極312-1、312-2、312-3と導電性ワイヤ314-1、314-2、314-3をもつ電極チューブ310は、図7Aに示され開示されているものなどの高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分の下部構造上に配置することができる。一例において、電極チューブ310は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分の可撓性下部構造(例えば、ニチノールから形成される)上に配置することができる。例えば、電極チューブ310は、高密度電極マッピングカテーテル270の可撓性先端部分を形成する下部構造のそれぞれのアームと同軸であってもよい。
【0080】
電極チューブ310は、電極チューブ310が可撓性下部構造とともに曲がることを可能にすることができる、ポリマー(例えば、PEBAX(登録商標))などの可撓性材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、電極チューブ310は、可撓性下部構造に接着することができる。例えば、電極チューブ310は、いくつかの実施形態において、接着剤を介して可撓性下部構造に接着することができる。いくつかの実施形態において、電極チューブ310は、摩擦によって可撓性下部構造に適合することができる。いくつかの実施形態において、電極チューブ310は、熱収縮チューブであってよく、電極チューブ310への熱の印加を通じて可撓性下部構造に接着し、電極チューブ310を収縮させることができる。
【0081】
本開示の実施形態は、一般に、内側および外側下部構造をもつカテーテルに関連して、ならびに/またはバスケットカテーテルに関連して示されているが、本開示の実施形態は、任意のタイプのカテーテルに適用することができる。例えば、本開示の実施形態は、任意のタイプの治療および/または診断カテーテルに適用することができる。
【0082】
図8および図9の実施形態は、電極チューブ290、310、およびそれらの遠位端に配置された電極292-1、292-2、292-3、312-1、312-2、312-3に関連して論じられる。しかしながら、本開示の実施形態は、電極チューブ290、310の近位端に配置されている電気接続ハブをさらに含むことができる。例えば、図8および図9に示され論じられたものに類似した構成は、電極292-1、292-2、292-3、312-1、312-2、312-3が導電性ワイヤ294-1、294-2、294-3、314-1、314-2、314-3の近位端に結合される代わりに、電気接続接触が、図5に示すように、例えば主制御部232への電極の電気結合を可能にするために導電性ワイヤと電気的に結合されていることを除いて、電極チューブ290、310の近位端で用いることができる。
【0083】
本明細書において、様々な装置、システム、および/または方法の実施形態が説明されている。多数の特定の詳細が、本明細書において説明され、添付の図面に示されている実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、実施形態はこのような特定の詳細なしに実践することができることは当業者には理解されよう。他の事例において、本明細書において説明されている実施形態を不必要に不明瞭にしないように、既知の動作、構成要素、および要素は説明されていない。本明細書において説明され、示されている実施形態は非限定例であることは当業者には理解され、したがって、本明細書において開示されている特定の構造的および機能的詳細は代表的なものであり得、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、その範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ確定されることが諒解され得る。
【0084】
本明細書全体を通じて「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、または「一実施形態」などが参照されている場合、これは、その実施形態と関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、または「一実施形態において」などの語句が、本明細書全体を通じた箇所に見られるとき、これは必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な様式で組み合わせることができる。したがって、1つの実施形態に関連して示し、または説明されている特定の特徴、構造、または特性は、組み合わせが非論理的または非機能的でないことを所与として、限定はせず、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と、全体的にまたは部分的に組み合わせることができる。
【0085】
「近位」および「遠位」という用語は、本明細書全体を通じて、患者を処置するために使用される機器の一端を操作している臨床医を参照して使用され得る。「近位」という用語は、機器の、臨床医に最も近い部分を参照し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を参照する。簡潔かつ明瞭にするために、「垂直」、「水平」、「上」および「下」のような特定の用語は、本明細書においては、示されている実施形態を参照して使用され得る。しかしながら、手術器具は、多くの向きおよび位置において使用することができ、これらの用語は、限定的で絶対的であるようには意図されていない。
【0086】
高密度電極マッピングカテーテルの少なくとも1つの実施形態が、一定の詳細度で上述されているが、当業者であれば、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、開示されている実施形態に多くの改変を行うことができる。すべての方向の参照(例えば、上方、下方、上向き、下向き、左、右、左側、右側、上部、下部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、読者の本開示の理解を助けるための識別を目的として使用されているに過ぎず、特にデバイスの位置、向き、または使用に関する限定を成すものではない。結合の参照(例えば、固定されている、取り付けられている、結合されている、接続されている、など)は、広範に解釈されるべきであり、要素の接続の間の中間部材、および、要素間の相対運動を含んでもよい。そのため、結合の参照は、必ずしも、2つの要素が直に接続され、互いに固定された関係にあることを意味するとは限らない。上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定ではなく例示としてのみ解釈されるべきであることが意図されている。添付の特許請求の範囲に規定されている本開示の精神から逸脱することなく、詳細または構造の変更を行うことができる。
【0087】
その全体または一部が参照により本明細書に組み込まれると記載されている任意の特許、刊行物、または他の公開資料は、その組み込まれる資料が既存の定義、記述、または他の本開示において記載されている他の公開資料と矛盾しない限りにおいてのみ本明細書に組み込まれている。このようなものとして、かつ必要な限りにおいて、本明細書において明示的に記載されているような本開示は、参照により組み込まれている、いかなる矛盾する資料にも優先する。参照により本明細書に組み込まれると記載されているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれている資料と既存の公開資料との間に矛盾が生じない限りにおいてのみ組み込まれることになる。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
医療デバイスであって、
近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトであって、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する前記カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分であって、可撓性フレームワークを備える前記可撓性先端部分と、
前記可撓性フレームワーク上に配置される複数の曲線状微小電極であって、前記複数の曲線状微小電極は、組織に応じて変形するように構成された曲線状微小電極の可撓性アレイを形成し、前記複数の曲線状微小電極の各々がセグメント化されている、前記複数の曲線状微小電極と、
を備える、医療デバイス。
(項目2)
前記可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームと、を含み、
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々は、それぞれのアーム長手方向軸に沿って延伸する、項目1に記載の医療デバイス。
(項目3)
前記複数の曲線状微小電極は、前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々の上に配置され、互いから長手方向に離間されている、項目2に記載の医療デバイス。
(項目4)
前記複数の曲線状微小電極の各々は、複数のアームのうちの特定のアームのアーム長手方向軸の周りに部分的に巻かれている、項目3に記載の医療デバイス。
(項目5)
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々は、上半分と、下半分と、を備える、項目3に記載の医療デバイス。
(項目6)
前記複数の曲線状微小電極のうちの少なくとも1つは前記上半分に配置され、前記複数の曲線状微小電極のうちの少なくとも1つは前記下半分に配置されている、項目5に記載の医療デバイス。
(項目7)
前記複数の曲線状微小電極のうち、前記上半分に配置されている前記少なくとも1つの各々は、曲線状微小電極の対応するペアを形成するために、前記複数の曲線状微小電極のうち、前記下半分に配置されている対応する一つの反対側に配置されている、項目6に記載の医療デバイス。
(項目8)
前記曲線状微小電極の対応するペアの各々は、互いから周方向に離間されている、項目7に記載の医療デバイス。
(項目9)
可撓性回路は、前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々の上に配置され、
前記複数の曲線状微小電極は、前記可撓性回路の各々の上に配置されている、項目2に記載の医療デバイス。
(項目10)
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームは、上半分と、下半分と、を含む、項目9に記載の医療デバイス。
(項目11)
第1の可撓性回路は前記アームの各々の上半分に配置され、第2の可撓性回路は前記アームの各々の下半分に配置されている、項目10に記載の医療デバイス。
(項目12)
前記第1の可撓性回路および前記第2の可撓性回路は、曲線状微小電極の対応するペアを含む、項目10に記載の医療デバイス。
(項目13)
前記可撓性回路は、前記複数の曲線状微小電極の各々に電気的に結合された電気トレースを含む、項目9に記載の医療デバイス。
(項目14)
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々は、曲線状微小電極の複数の対応するペアを含み、
前記曲線状微小電極の複数の対応するペアは、互いから長手方向に離間されている、項目8に記載の医療デバイス。
(項目15)
前記複数の曲線状微小電極の第1の部分は、前記可撓性フレームワークの上に配置され、前記複数の曲線状微小電極の第2の部分は、前記可撓性フレームワークの下に配置されている、項目1に記載の医療デバイス。
(項目16)
医療デバイスであって、
近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトであって、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する前記カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分であって、前記可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備え、前記可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームと、を含み、前記可撓性フレームワークは、上部部分と、下部部分と、をさらに含む、前記可撓性先端部分と、
前記可撓性フレームワークの前記上部部分の上に配置されている第1の複数の曲線状電極と、
前記可撓性フレームワークの前記下部部分の上に配置されている第2の複数の曲線状電極と、
を備える医療デバイス。
(項目17)
前記第1の複数の曲線状電極および前記第2の複数の曲線状電極は、曲線状電極の対応するペア内に配置され、
曲線状電極の対応するペアは、前記可撓性フレームワークの前記上半分に配置されている第1の曲線状電極と、前記第1の曲線状電極の反対側の第2の曲線状電極であって、前記可撓性フレームワークの前記下半分に配置されている前記第2の曲線状電極と、を含む、項目16に記載の医療デバイス。
(項目18)
前記可撓性フレームワークは、患者の組織に対して配置されるように構成される、項目17に記載の医療デバイス。
(項目19)
前記曲線状電極の対応するペアは、前記可撓性フレームワーク上で互いから長手方向に離間されている、項目18に記載の医療デバイス。
(項目20)
前記複数の曲線状電極のうちの選択された電極は、複数の活性化された曲線状電極のパターンを形成するために非活性化されるように構成され、
前記複数の活性化された曲線状電極は、前記患者の前記組織によって生成される電気信号を測定するように構成される、項目19に記載の医療デバイス。
(項目21)
カテーテルであって、
近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトであって、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する前記カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分であって、前記可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備え、前記可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームと、を含み、前記可撓性フレームワークは、上面と、下面と、をさらに含む、前記可撓性先端部分と、
前記第1の内側アーム、前記第2の内側アーム、前記第1の外側アーム、および前記第2の外側アームの各々の長手方向軸の周りに配置されている複数の曲線状電極であって、前記複数の曲線状電極の各々は、複数のアームのうちの対応する一つのアームのアーム長手方向軸の周りに巻かれ、前記複数の曲線状電極の各々がセグメント化されている、前記複数の曲線状電極と、
を備える、カテーテル。
(項目22)
前記複数の曲線状電極の各々は、90度から270度の範囲で、前記アームのうちの前記対応する一つの前記アーム長手方向軸の周りに周方向に延在する、項目21に記載のカテーテル。
(項目23)
前記複数の曲線状電極の各々は、前記可撓性フレームワークの前記下面を中心とする、項目22に記載のカテーテル。
(項目24)
前記複数の曲線状電極は、前記可撓性フレームワークの前記下面および前記上面の上に配置され、互いに反対側に配置されている曲線状電極のペアを形成し、
前記曲線状電極のペアの各々のうちの各曲線状電極は、90から170度の範囲で、複数のアームのうちの前記対応する一つの前記アーム長手方向軸の周りに延在する、項目21に記載のカテーテル。
(項目25)
前記曲線状電極のペアの各々は、上部曲線状電極と、下部曲線状電極と、を含み、
前記上部曲線状電極は、前記可撓性フレームワークの前記上面を中心とし、
前記下部曲線状電極は、前記可撓性フレームワークの前記下面を中心とする、項目24に記載のカテーテル。
(項目26)
前記上面の上に配置されている前記複数の曲線状微小電極のうちの少なくとも1つの各々は、前記下面の上に配置されている前記複数の曲線状微小電極のうちの対応する一つから長手方向に互い違いにされる、項目21に記載の医療デバイス。
(項目27)
医療デバイスであって、
近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトであって、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する前記カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置する可撓性先端部分であって、前記可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備え、前記可撓性フレームワークは、第1の内側アームと、第2の内側アームと、第1の外側アームと、第2の外側アームと、を含み、複数のアームの各々がチューブを通って配置されている、前記可撓性先端部分と、
前記チューブの各々の上に配置されている複数の微小電極であって、組織に応じて変形するように構成された微小電極の可撓性アレイを形成する前記複数の微小電極と、
を備える、医療デバイス。
(項目28)
前記複数の微小電極の各々に電気的に結合された複数の導電性トレースをさらに備える、項目27に記載の医療デバイス。
(項目29)
前記チューブは、前記複数の導電性トレースおよび前記複数の微小電極の各々を前記チューブに組み込むためにリフローされる、項目28に記載の医療デバイス。
(項目30)
前記複数の導電性トレースは、前記チューブの内壁に沿って延在する、項目29に記載の医療デバイス。
(項目31)
複数の導電性ワイヤが、前記チューブによって画定された空洞(lumen)を通って延在する、項目27に記載の医療デバイス。
(項目32)
前記複数の導電性ワイヤは、前記チューブの側壁内に画定されたビアを通って前記微小電極に電気的に結合される、項目31に記載の医療デバイス。
(項目33)
前記複数の微小電極は導電性エポキシから形成される、項目32に記載の医療デバイス。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9