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特許7517998ディスクブレーキキャリパにおける摩擦パッド用のスプリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ディスクブレーキキャリパにおける摩擦パッド用のスプリング
(51)【国際特許分類】
   F16D 55/228 20060101AFI20240709BHJP
   F16D 65/097 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
F16D55/228
F16D65/097 B
F16D65/097 E
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020570497
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 IB2019054937
(87)【国際公開番号】W WO2019243958
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-05-30
(31)【優先権主張番号】102018000006498
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・ダレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ペンデジーニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・メコッチ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ・マンブレッティ
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0003251(US,A1)
【文献】特開2002-161931(JP,A)
【文献】特開2013-204742(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159281(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256068(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキ(1)のブレーキディスク(3)から離れた摩擦パッド(11)を弾性的にバイアスするための、前記ディスクブレーキ(1)のキャリパ(2)と関連する前記摩擦パッド(11)用のスプリング(22)であって、前記スプリング(22)は、中央ストレッチ(26)と、前記スプリング(22)の縦方向の正中面(28)に対して2つの反対の横方向へ前記中央ストレッチ(26)から広がる2個の反対側の横方向のストレッチ(27)と、を形成するように折り畳まれた横方向の細長いプレート(25)を備え、
前記反対側の横方向ストレッチ(27)はそれぞれ、支持ストレッチ(29)、静止ストレッチ(30)、及び前記支持ストレッチ(29)と前記静止ストレッチ(30)との間に延在する翼ストレッチ(31)を形成し、
前記支持ストレッチ(29)は、前記中央ストレッチ(26)と隣接して、両方の前記支持ストレッチ(29)が前記縦方向の正中面(28)に対して横方向に、場合によっては正中面(28)に対して直交する同一の仮想支持面(32)上に位置するように配向し、
前記翼ストレッチ(31)は、前各支持ストレッチ(29)と隣接し、
前記翼ストレッチ(31)は、
前記仮想支持面(32)から前記スプリング(22)の上側(34)に向かって、かつ前記縦方向の正中面(28)から上部頂端(35)に向かって、前記支持ストレッチ(29)から延在する上向きの翼ストレッチ(33)と、
前記縦方向の正中面(28)からさらに離れて前記上部頂端(35)から、前記静止ストレッチ(30)に前記翼ストレッチ(31)を接続する折り畳み線(38)まで前記スプリング(22)の下側(37)に向かって伸ばされた下向きの翼ストレッチ(36)と、
を備え、
前記スプリング(22)はさらに、前記中央ストレッチ(26)に接続され、前記キャリパ(2)の対応する固定シート(41)に弾性スナップ固定するための少なくとも2個の反対側の固定ストレッチ(40)を形成する1つ又は複数の固定ストレッチ(39)を備え、
前記静止ストレッチ(30)は、
前記摩擦パッド(11)の対応する接触面(45)に対して、スライドし得る自由サポートのための板状の接触部分(44)と、
前記翼ストレッチ(31)及び前記接触部分(44)の間に延在する板状の中間部分(46)と、
を形成し、
前記スプリング(22)が変形していない状態で、前記中間部分(46)は、前記スプリング(22)の前記下側(37)に向かって前記仮想支持面(32)に対して交差する方向に延在し、前記接触部分(44)は、前記仮想支持面(32)に対して広がるように、前記接触部分(44)及び前記中間部分(46)の間に形成された折り畳みエッジ(48)から始まり、前記縦方向の正中面(28)に向かって延び、
前記細長い横方向のプレート(25)の前記中央ストレッチ(26)で支持部分(51)及び前記スプリング(22)の横方向の正中面(49)に対して2つの反対の縦方向へ前記支持部分(51)から延在する2つの縦方向の固定ストレッチ(39)を有する縦方向の細長いプレート(50)を備え、
前記横方向の正中面(49)は、前記縦方向の正中面(28)に直交し、かつ前記仮想支持面(32)に直交し、
前記スプリング(22)が変形していない状態で、前記支持部分(51)は、前記仮想支持面(32)に実質的に平行に配向され、前記縦方向の固定ストレッチ(39)は、
前記仮想支持面(32)から前記スプリング(22)の前記上側(34)に向かって、かつ前記横方向の正中面(49)から離れてスナップ固定部分の上側固定部分(53)に向かって、前記支持部分(51)から延在する上向きの縦方向のストレッチ(52)、及び
前記仮想支持面(32)から前記スプリング(22)の前記下側(37)に向かって、かつ前記横方向の正中面(49)から前記上向きの縦方向のストレッチ(52)の反対側の方向へ、スナップ固定部分(40)の下側固定部分(55)に向かって、前記支持部分(51)から延在する下向きの縦方向のストレッチ(54)と、を形成する、スプリング(22)。
【請求項2】
前記スプリング(22)の前記2個の反対側の横方向ストレッチ(27)はまた、前記静止ストレッチ(30)及び前記翼ストレッチ(31)の間に形成されたアーチ型の降伏ストレッチ(43)を形成し得、前記降伏ストレッチ(43)は、実質的に反対側に向き合う2つの折り線(42)から生じ、前記2つの向き合う折り線(42)の間で距離に対して広げられたループ形状である、請求項1に係るスプリング(22)。
【請求項3】
前記支持ストレッチ(29)及び前記上向きの翼ストレッチ(33)は、折り目で互いに隣接し、鈍角によって相互に傾斜し、
前記上向きの翼ストレッチ(33)及び前記下向きの翼ストレッチ(36)は、折り目で互いに隣接し、鋭角の傾斜角によって相互に傾斜し、
前記下向きの翼ストレッチ(36)及び前記中間部分(46)は、相互に傾斜し、
前記中間部分(46)及び前記接触部分(44)は、折り目で相互に隣接し、鈍角の傾きで相互に傾斜する、請求項1又は2に係るスプリング(22)。
【請求項4】
前記固定シート(41)の両側のエンドブリッジ(6)に形成された2つのコントラスト面(78)をプレス弾性接触させる補助ばね(58)を備える、請求項1に係るスプリング(22)。
【請求項5】
前記補助ばね(58)は、前記支持ストレッチ(29)から延在した2つの平行な補助翼(59)を形成し、
前記補助ばね(58)は、
前記仮想支持面(32)から前記スプリング(22)の前記上側(34)に向かって、かつ前記横方向の正中面(49)から上部戻り点(61)まで、前記支持ストレッチ(29)から延在する上向きの部分(60)、及び
前記横方向の正中面(49)から前記スプリング(22)の前記下側(37)に向かって、前記横方向の正中面(49)に向かってフックで折り返される端部(63)に至るまで、前記上部戻り点(61)から延在する下向き部分(62)と、
を備え、
前記下向き部分(62)は、前記仮想支持面(32)と交差し、前記端部(63)は、前記上部戻り点(61)に対して反対側で前記仮想支持面(32)から距離をおいて形成されている、請求項4に係るスプリング(22)。
【請求項6】
前記固定ストレッチ(39)は、それぞれ2つの互いに反対側で面する弾性タング(65、65’)の2つの対(64)を形成し、
前記各対(64)の2つの弾性タング(65、65’)は、2つの反対側に、前記縦方向の正中面(28)から離れて延在し、かつ前記縦方向の正中面(28)に向かって及び離れて弾性的に曲がる、請求項1~3のいずれか1項に係るスプリング(22)。
【請求項7】
前記各対(64)の2つの弾性タング(65、65’)は、前記縦方向の正中面(28)に対して対称であり、
前記弾性タングの2つの対(64)は、2つの反対側に、前記横方向の正中面(49)から距離をとって広がり、かつ前記横方向の正中面(49)に対して対称である、請求項6に係るスプリング(22)。
【請求項8】
前記弾性タング(65、65’)は、前記キャリパ(2)の対応する空洞(67)と係合するように構成された突出部(66)を形成し、前記キャリパ(2)から前記スプリング(22)の弾性的で、剥離を防止するスナップ係合を作る、請求項6又は7に係るスプリング(22)。
【請求項9】
スロット(68)が、前記対(64)の弾性タング(65、65’)と前記横方向の細長いプレート(25)の隣接する支持ストレッチ(29)との間に形成され、
前記スロット(68)は、前記弾性タング(65、65’)の自由曲げ長さを広げる、請求項6~8のいずれか1項に係るスプリング(22)。
【請求項10】
前記横方向の細長いプレート(25)の前記中央ストレッチ(26)は、前記固定ストレッチ(39)を形成し、前記スプリング(22)の前記下側(37)に向かって開口する台形のチャンネルの形状で折り畳まれ、それぞれが前記キャリパ(2)の対応する突起(73)のスナップ受け入れのためのくぼみを形成する2つの側壁(69)を形成する、請求項1~3のいずれか1項に係るスプリング(22)。
【請求項11】
互いに実質的に平行な軸であって、前記ブレーキディスク(3)の平面(23)に実質的に平行な該軸に対して曲率のみを有するような形状の、前記キャリパ(2)に取り付けられた単一のストリップ形状の鋼部材によって形成される、請求項1~10のいずれか1項に記載のスプリング(22)。
【請求項12】
前記スプリング(22)の前記横方向の細長いプレート(25)は、単一のストリップ形状の鋼部材によって形成され、互いに実質的に平行な軸であって、前記ブレーキディスク(3)の平面(23)に実質的に平行な該軸に対して曲率のみを有して前記キャリパ(2)に取り付けられており、
前記縦方向の細長いプレート(50)は、単一のストリップ形状の鋼部材によって形成され、互いに実質的に平行であり、前記ブレーキディスク(3)の回転軸(18)に実質的に平行な軸に対して曲率のみを有して、前記キャリパ(2)に取り付けられている、
請求項1~10のいずれか1項に係るスプリング(22)。
【請求項13】
前記スプリング(22)の前記反対側の横方向のストレッチ(27)は、2つの反対側の折り畳み線(42’)から、互いが2つの反対側の折り線(42’’)から離れており、同一方向に向く二重のループ形状で発生する二重アーチ形状の降伏ストレッチ(43’、43’’)を形成する、請求項1に係るスプリング(22)。
【請求項14】
前記ブレーキディスク(3)の平面(23)の両方の面に配置され、中央開口部(7)を区切るエンドブリッジによって互いに接続されたた2つの側壁(5)を有し、パッドシート(14)を形成するキャリパ(2)と、
前記パッドシート(14)内に配置され、摩擦ライニング(13)を備え、かつ支持穴(16)を形成する支持プレート(12)を含む、一対の摩擦パッド(11)と、
前記側壁(5)から突出し、前記摩擦パッド(11)を支持するための前記支持穴(16)に挿入された1つ又は複数の支持ピン(15)と、
請求項1~13のいずれか1項に係る1つ又は複数のスプリング(22)と、を備え、
前記スプリング(22)は、
前記キャリパ(2)の半径方向外側(74)に向かい合う前記翼ストレッチ(31)の上部頂端領域(35)と、
前記キャリパ(2)の半径方向内側(75)に向いて突出する前記静止ストレッチ(30)と、
前記ブレーキディスク(3)の前記平面(23)の横方向へ延びる前記支持ストレッチ(29)と、
で前記ディスクブレーキ(1)に固定される、ディスクブレーキ(1)。
【請求項15】
前記スプリング(22)を固定するための前記固定シート(41)は、前記スプリング(22)を前記ディスクブレーキ(3)の前記平面(23)に対して傾斜させて、かつ対称鏡面反射位置に収容するように、エンドブリッジ(6)及び前記キャリパ(2)の中央タイロッド(8)において形成された固定空洞を備える、請求項14に係るディスクブレーキ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキキャリパ内にパッドを弾性的に保持および配置するためのスプリング、ならびにそのようなスプリングを備えたディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
固定されたキャリパディスクブレーキ用の十字形状の拡張スプリングであって、例えば、パッドを支持する2つの支持ピンに隣接している端部を有する縦方向部材と、パッドを「下げられた」位置に弾性的に保持するために、端部がパッドの上端に隣接する交差する部材(クロスピース)とを備える拡張スプリングが知られている。クロスピースの下面の傾斜した構成により、拡張スプリングはパッドを互いに離れるようにバイアスし、各ブレーキ後にパッドをブレーキディスクから確実に分離する。
【0003】
既知の拡張スプリングの長手方向部分の端部は、通常、両方の支持ピンを下から係合し、拡張スプリングのクロスピースは、パッドの支持プレート上でスプリング状に上から押す。
【0004】
したがって、既知の拡張スプリングを使用して、3つの作用、
【0005】
-パッドの振動を減らすこと、
【0006】
-ブレーキが作動していない状態でブレーキパッドとブレーキディスクとの間の望ましくない接触による残留ブレーキトルクを低減または排除するために、ブレーキパッドをブレーキディスクから離すこと、
【0007】
-パッドの摩擦ライニングの均一な摩耗を得こと、
を得る。
【0008】
従来技術の拡張スプリングは、パッドの平面に対して15°未満の弾性力の適用角度でパッドに隣接し、したがって、高い半径方向の弾性力およびはるかに低い弾性軸方向の力をパッドに伝達する。軸方向の弾性力により、パッドは互いに離れ、ブレーキディスクから計画された軸方向のスライド方向に沿って移動する。これとは対照的に、半径方向の弾性力は、パッドとキャリパとの間の静止インターフェース、例えば、支持ピンと対応するパッド穴との間の静止インターフェースでは、スプリングの軸方向の推力に対抗する摩擦抵抗、したがってパッドの相互分離を生じさせる。
【0009】
従来技術の拡張スプリングでは、軸方向弾性力は、ブレーキのすべての動作条件において完全かつ信頼できる方法で弾性半径方向弾性力によって生じる摩擦抵抗を克服するには不十分である。
【0010】
したがって、ブレーキパッドとディスクとの間の不完全な分離は、ブレーキが非アクティブ化された状態でしばしば発生し、以下をもたらす。
【0011】
-望ましくない残留ブレーキモーメント、
【0012】
-計画外のパッドの位置と向き、
【0013】
-不均一なパッドの摩耗。
【0014】
さらに、従来技術の拡張スプリングによって加えられる軸方向の弾性力は、摩擦パッドの摩耗状態に応じて(したがって、軸方向の位置に応じて)変化する。
【0015】
したがって、弾性力の適用条件、したがってパッドの拘束条件は不確実であり、正確に予測することは困難であり、時間とともに変化する。摩擦パッドに作用するモーメントのバランスは、摩擦および幾何学的変動に望ましくないほど敏感である(そして影響を受ける)。
【0016】
ブレーキディスクからのパッドの分離機能は、徐々に摩耗するパッドのライフサイクル全体にわたって保証されないということになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、ブレーキが非アクティブ化されたときの残留ブレーキトルクを低減し、ブレーキディスクからのパッドの分離機能を改良し、パッドが摩耗している場合でも、全ライフサイクルの間でもより均一にするための特徴を有する、パッド用の改良されたスプリング及び改良されたディスクブレーキを提供することである。
【0018】
本発明の一般的な目的の範囲において、さらなる目的は、摩擦パッドの弾性拘束システムの感度の低下(または言い換えれば、ロバスト性の改善)、摩擦パッドに作用するモーメントのバランスの低下、幾何公差、摩擦効果、およびパッドとキャリパとの間、および拡張スプリングとパッドとの間の支持条件の変化に関する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらおよび他の目的は、請求項1に係るパッド用のスプリング、および請求項32に係るディスクブレーキによって達成される。従属請求項は、有利で好ましい実施形態に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明をよりよく理解し、その利点を理解するために、実施形態のいくつかの非限定的な例を、添付の図を参照して以下に説明する。
図1図1は、一実施形態に係るディスクブレーキの斜視図である。
図2図2は、図1のディスクブレーキの(ディスクブレーキの回転軸に関する)半径方向断面図である。
図3図3は、非アクティブ化された構成でのディスクブレーキの半径方向断面図である(より明確にするためにブレーキディスクが取り外されている)。
図4図4は、作動された構成における図3のディスクブレーキを示している。
図5図5は、図1のディスクブレーキの上面図である。
図6図6は、図1のディスクブレーキの底面図である。
図7図7は、図1のディスクブレーキの背面図である。
図8図8は、図1のディスクブレーキの断面図であり、ディスク平面に平行な断面に沿って取られ、明確にするためにブレーキディスクが取り外されている。
図9図9は、図1のディスクブレーキの詳細の斜視図である。
図10A図10Aは、図1から図9に係るディスクブレーキで使用されるように構成された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図10B図10Bは、図1から図9に係るディスクブレーキで使用されるように構成された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図10C図10Cは、図1から図9に係るディスクブレーキで使用されるように構成された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図10D図10Dは、図1から図9に係るディスクブレーキで使用されるように構成された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図11図11は、一実施形態に係るブレーキディスクの透視図である。
図12図12は、図11におけるディスクブレーキの(ディスクブレーキの回転軸に対する)径方向の断面図である。
図13図13は、非作動された構成における図11のブレーキディスクの半径方向の断面図である(より明確にするためにブレーキディスクが取り外されている)。
図14図14は、作動された構成における図13のディスクブレーキを示す。
図15図15は、図11のディスクブレーキの上面図である。
図16図16は、図11のディスクブレーキの底面図である。
図17図17は、図11のディスクブレーキの背面図である。
図18図18は、ディスク平面に平行な断面に沿って取られた、図11のディスクブレーキの断面図であり、明確にするためにブレーキディスクが取り外されている。
図19図19は、本発明の好ましい実施形態に係るディスクブレーキでの使用に適合された摩擦パッドを示す。
図20図20は、本発明の好ましい実施形態に係るディスクブレーキでの使用に適合された摩擦パッドを示す。
図21図21は、図11のディスクブレーキの詳細な斜視図である。
図22A図22Aは、図11から21に係る、ディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図22B図22Bは、図22Aは、図11から21に係る、ディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図22C図22Cは、図22Aは、図11から21に係る、ディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図22D図22Dは、図22Aは、図11から21に係る、ディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図23図23は、一実施形態に係るディスクブレーキの斜視図である。
図24図24は、図23のディスクブレーキの(ディスクブレーキの回転軸に対する)半径方向の断面図である。
図25図25は、非作動にされた構成における、図23のディスクブレーキの半径方向の断面図である(より明確にするためにブレーキディスクが取り外されている)。
図26図26は、作動された構成における図25のディスクブレーキを示す。
図27図27は、図23のディスクブレーキの上面図である。
図28図28は、図23のディスクブレーキの底面図である。
図29図29は、図23のディスクブレーキの背面図である。
図30図30は、ディスク面に平行な断面に沿って取られた図23のディスクブレーキの断面図であり、明確にするためにブレーキディスクが取り外されている。
図31図31は、より明確にするためにブレーキディスクが取り外された、図23のディスクブレーキの斜視図である。
図32図32は、本発明の好ましい実施形態に係るディスクブレーキに適合された、図23のディスクブレーキの摩擦パッドを示す。
図33図33は、本発明の好ましい実施形態に係るディスクブレーキに適合された、図23のディスクブレーキの摩擦パッドを示す。
図34図34は、図23のディスクブレーキの詳細な斜視図である。
図35A図35Aは、一実施形態による、図23から34に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図35B図35Bは、一実施形態による、図23から34に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図35C図35Cは、一実施形態による、図23から34に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図35D図35Dは、一実施形態による、図23から34に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図36A図36Aは、さらなる実施形態に係る、図23から34によるディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図36B図36Bは、さらなる実施形態に係る、図23から34によるディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図36C図36Cは、さらなる実施形態に係る、図23から34によるディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図37A図37Aは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図37B図37Bは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図37C図37Cは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図37D図37Dは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図38A図38Aは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図38B図38Bは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図38C図38Cは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
図38D図38Dは、さらなる実施形態に係るディスクブレーキで使用されるように適合された摩擦パッド用のスプリングの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照すると、ディスクブレーキ、特に自動車で使用するためのディスクブレーキは、参照符号1によって全体的に示されている。特定の場合、それは固定されたキャリパタイプのディスクブレーキである。しかしながら、本発明は、いわゆるフローティングキャリパおよびフローティングキャリパを備えたブレーキにも適用される。
【0022】
ディスクブレーキ1は、キャリパ2およびブレーキディスク3を含む。キャリパ2は、例えば、固定ねじで車両サスペンションに固定することができ、一方で、環状ブレーキバンド4を備えたブレーキディスク3は、車両のホイールハブ(図示せず)に接続され得る。
【0023】
キャリパ2は、ブレーキディスク3の両側に配置され、ブレーキディスク3のブレーキバンド4にまたがって延びる接続要素によって互いに接続された2つの側壁5を備える。有利には、キャリパ2は、中央開口部7を区切る2つのエンドブリッジ6と、中央開口部7に配置され、ブレーキの間、キャリパ2の変形を制限するように2つの側壁5を構造的に接続する少なくとも1つまたはまさに1つのタイロッド8とを備える。好ましくは、タイロッド8は、中央開口部7のほぼ中央に配置され、中央開口部7を(ブレーキディスク3の回転軸18に対して)実質的に等しい円周方向延長の2つの半開口部9、10に分割する。
【0024】
例えば鋼製である支持プレート12を有する少なくとも2つのパッド11、及び摩擦材料ライニング13はそれぞれ、ブレーキバンド4でブレーキディスク3の片側に配置され、キャリパ2の専用シート14に収容され、少なくとも1つ、好ましくは2つの支持ピン15によって支持される。摩擦パッド11の(ブレーキディスク3の回転軸18に対する)半径方向の変位を防止するために、支持ピン15のサイズおよび機械的強度は、例えば、支持プレート12、好ましくは支持プレート12の側端部分17または2つの反対側の側端部分17、好ましくは(ブレーキディスク3の回転軸18に対して)半径方向内側半分および/または支持プレート12の下端(すなわち半径方向内側)縁19またはその近くに形成された支持穴またはスロット16によって、パッド11がそのような支持ピン15からぶら下がる、またはその上に載ることを可能にするのに十分である。摩擦パッド11の支持ピン15は、一般に、キャリパ2の全体的な剛性に寄与しないことに留意されたい。
【0025】
摩擦パッド11は、支持ピン15に沿ってブレーキディスク3の平面23に垂直な軸方向に移動可能であり、推力手段、例えば、キャリパ2内に配置された1つまたは複数の油圧シリンダーピストンユニット20、21などによってバイアスされ、摩擦ライニング13を介して、ブレーキバンド4のセクターをクランプし、その表面および形状は摩擦ライニング13のそれらに対応する。
【0026】
ディスクブレーキ1は、ブレーキが作動されていない状態で摩擦パッド11をブレーキディスク3から離して維持するために、パッド11に弾性予荷重を加える少なくとも1つのパッドスプリング22をさらに備える。同一の1つまたは複数のスプリング22、若しくは(例えば、図23、28、29に示される)1つまたは複数の追加のスプリング24は、シート14内の摩擦パッド11を弾性的に停止するさらなる機能を実行し、それによって、ブレーキが作動していない状態でのキャリパ2に対するパッドの動きによる振動および騒音の発生を低減し得る。
【0027】
(スプリング22の詳細な説明)
一般的に、ディスクブレーキ1は、2つのスプリング22を含み得、これらのスプリングはそれぞれ、反対側の摩擦パッド11両方に対して弾性プレス接触するように配置された2つの反対側の摩擦パッド11にそれぞれ関連付けられる。
【0028】
(スプリング22の横方向の細長いプレート25の詳細な説明)
スプリング22は、中央ストレッチ26と、スプリング22の縦方向の正中面28(幾何学的、材料ではない)に対して2つの反対側の横方向において、中央ストレッチ26から延び、それぞれが、支持ストレッチ29、静止ストレッチ30、および支持ストレッチ29と静止ストレッチ30との間に延びる翼ストレッチ31を順番に形成する2つの反対側の横方向部分27と、を備える横方向の細長いプレート25を含む(図10D、22B、22D、35D、36C、37D)。
【0029】
支持ストレッチ29は、中央ストレッチ26に隣接して(または直接隣接して)、両方の支持ストレッチ29は、横方向に、おそらく直交して、縦方向の正中面28まで同一支持面32(幾何学的であり、材料ではない)内で延びる、又は該面32内にあるように配向される。
【0030】
翼ストレッチ31は、それぞれの支持セクション29に隣接(または直接隣接)し、
【0031】
-支持面32からスプリング22の上側34に向かって、かつ縦方向の正中面28から上部頂端点(または領域)35に向かって、支持ストレッチ29から延びる上向きの翼ストレッチ33と、
【0032】
-上部頂端(または領域)35から、縦方向の正中面28からさらに離れてスプリング22の下側37に向かって、翼ストレッチ31を静止ストレッチ30に接続する折り畳み線38まで延びる下向きの翼ストレッチ36と、を含み、下向きの翼ストレッチ36は支持面32と交差する可能性があり、折り畳み線38は、上部頂端(または領域)35に対して反対側の支持面32から離れて形成される。
【0033】
スプリング22はさらに、横方向の細長いプレート25の中央ストレッチ26に接続または形成され、キャリパの対応する固定シート41に弾性スナップ固定するための少なくとも2つの反対側の固定部分40を形成する1つまたは複数の固定ストレッチ39を備える。
【0034】
一実施形態(図35A~35D)によれば、スプリング22の2つの反対側の横方向のストレッチ27はまた、例えば、静止ストレッチ30内、または静止ストレッチ30と翼ストレッチ31との間のいずれかで形成されたアーチ型の降伏ストレッチ43を形成し得、降伏ストレッチ43は、ループまたは円弧の形状で、2つの向かい合う折り線42の間の距離よりも大きいであろう、2つの実質的に反対側の向かい合う折り線42から生じる。降伏ストレッチは、弾性変形エネルギーを蓄積し、摩擦パッド11の異なる軸方向位置でスプリングの弾性推力をさらに均一にするように構成されたさらなる曲げ長さを提供する。
【0035】
好ましくは、降伏ストレッチ43は、縦方向の正中面28から離れる方向に突出し、支持面32から離れて延在し、支持面32からスプリング22の下側37に向かって変位する。
【0036】
静止ストレッチ30は、摩擦パッド11の支持プレート12に形成された対応する接触面45に対するスプリング22の(滑りの可能性がある)自由橋台のために、好ましくは平面の、板状の接触部分44、ならびに翼ストレッチ31と接触部分44との間に延在し、場合によっては2つの折り畳み線47、48によって区切られる中間部分46を形成する。スプリング22が変形していない状態で、中間板状部分46は、スプリング22の下側37に向かって支持面32に対して横方向に延在し、接触部分44は、中間部分46に対して折り畳まれ、接触部分44と中間部分46との間に形成された折り畳みエッジ48から始まり、支持面32に対して(したがって、支持ストレッチ29に対して)発散するように、縦方向の正中面28に向かって延びる。
【0037】
実施形態によれば、反対側の横方向部分27の個々のストレッチの2つ以上の長さの間の比率は、以下の表にリストされている範囲内にあり、
【0038】
L29は、縦方向の正中面28から翼ストレッチ31まで測定された支持ストレッチ29の延長であり、
【0039】
L33は、上向きの翼ストレッチ33の長さであり、
【0040】
L36は、下向きの翼ストレッチ36の長さであり、
【0041】
L46は、静止ストレッチ30の中間ストレッチ46の長さであり、
【0042】
L44は、静止ストレッチ30の接触部分44の長さである。
【0043】
【表1】
【0044】
L33は0.35×L29~0.95×L29の範囲にあり、および/又は、L36は1.22×L29~1.7×L29の範囲にあり、および/又は、L46は0.42×L29~0.90×L29の範囲にあり、および/又は、L44は0.58×L29~1.35×L29の範囲にある。
【0045】
【表2】
【0046】
L29は1.07×L33~2.56×L33の範囲にあり、および/又は、L36は1.78×L33~3.19×L33の範囲にあり、および/又は、L46は0.67×L33~1.55×L33の範囲にあり、および/又は、L44は0.9×L33~2.01×L33の範囲にある。
【0047】
【表3】
【0048】
L29は0.53×L36~0.86×L36の範囲にあり、および/又は、L33は0.22×L36~0.63×L36の範囲にあり、および/又は、L46は0.3×L36~1.5×L36の範囲にあり、および/又は、L44は0.42×L36~0.88×L36の範囲にある。
【0049】
【表4】
【0050】
L29は1.15×L46~2.0×L46の範囲にあり、および/又は、L33は0.59×L46~1.4×L46の範囲にあり、および/又は、L36は1.9×L46~2.6×L46の範囲にあり、および/又は、L44は1.2×L46~1.66×L46の範囲にある。
【0051】
【表5】
【0052】
L29は0.7×L44~1.56×L44の範囲にあり、および/又は、L33は0.42×L44~1.1×L44の範囲にあり、および/又は、L36は1.18×L44~2.02×L44の範囲にあり、および/又は、L46は0.54×L44~0.87×L44の範囲にある。
【0053】
有利な実施形態(図10D、22A)によれば、L33は0.8×L29~0.9×L29の範囲にあり、および/又は、L36は1.5×L29~1.7×L29の範囲にあり、および/又は、L46は0.7×L29~0.9×L29の範囲にあり、および/又は、L44は1.2×L29~1.35×L29の範囲にある。
【0054】
有利な実施形態(図37D)によれば、L33は0.4×L29~0.6×L29の範囲にあり、および/または、L36は1.25×L29~1.5×L29の範囲にあり、および/または、L46は0.6×L29~0.8×L29の範囲にあり、および/又は、L44は0.8×L29~1.0×L29の範囲にある。
【0055】
有利な実施形態(図36C)によれば、L33は0.35×L29~0.55×L29の範囲にあり、L36は1.32×L29~1.52×L29の範囲にあり、および/または、L46は0.57×L29~0.77×L29の範囲にあり、および/または、L44は0.78×L29~1.0×L29の範囲にある。
【0056】
さらに有利な実施形態(図35D)によれば、L33は0.85×L29~0.78×L29の範囲にあり、および/または、L36は1.22×L29~1.42×L29の範囲にあり、および/または、L46は0.42×L29~0.62×L29の範囲にあり、および/または、L44は0.58×L29~0.78×L29の範囲にある。
【0057】
細長い横方向のプレート25の反対側の横方向のストレッチ27の個々のストレッチの長さのこれらの幾何学的比は、摩擦パッド11の異なる軸方向位置及び摩擦パッド11の異なる摩耗条件で、スプリング22の弾性力を少なくともほぼ一定または均一にするのに有利であることが証明された。
【0058】
好ましい実施形態によれば、支持ストレッチ29および上向きの翼ストレッチ33は、折り目で互いに隣接し、好ましくは鋭角ではなく丸みを帯びており、鈍角によって相互に傾斜している。
【0059】
さらなる利点により、上向きの翼ストレッチ33と下向きの翼ストレッチ36は、折り目で相互に隣接しており、好ましくは鋭角ではなく丸みを帯びており、鋭角の傾斜角によって相互に傾斜している。
【0060】
さらなる利点により、下向きの翼ストレッチ36と中間部分46とは、折り目で相互に隣接し、好ましくは鋭角ではないが丸みを帯びているか、またはそれらの間にさらなる降伏ストレッチ43(図35D)が挿入され、それらは相互に鈍角の傾きで傾斜している。
【0061】
同様に、さらに有利なことに、中間部分46および接触部分44は、折り目で相互に隣接し、好ましくは鋭角ではなく丸みを帯びており、鈍角によって相互に傾斜している。
【0062】
有利には、縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ29の傾斜角α29は、-10°から+10°の範囲、好ましくは-5°から+5°であり、および/または、
【0063】
縦方向の正中面28に対する上向きの翼ストレッチ33の傾斜角α33は、20°から65°の範囲、好ましくは30°から55°の範囲内であり、
【0064】
縦方向の正中面28に対する下向きの翼ストレッチ36の傾斜角α36は、10°から60°の範囲、好ましくは20°から50°の範囲にあり、
【0065】
縦方向の正中面28に対する静止ストレッチ30の中間部分46の傾斜角α46は、-20°から+35°の範囲、好ましくは-10°から+25°の範囲にあり、および/または
【0066】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ30の接触部分44の傾斜角α44は、20°から60°の範囲、好ましくは30°から50°の範囲、好ましくは約50°である。
【0067】
実施形態(図10D、22D)によれば、
【0068】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ29の傾斜角α29は、-10°から+10°の範囲、好ましくは-5°から+5°の範囲、好ましくは約0°の範囲にあり、および/または、
【0069】
縦方向の正中面28に対する上向きの翼ストレッチ33の傾斜角α33は、25°から45°の範囲、好ましくは30°から40°の範囲、好ましくは約35°であり、および/または
【0070】
縦方向の正中面28に対する下向きの翼ストレッチ36の傾斜角α36は、30°から50°の範囲、好ましくは35°から45°の範囲、好ましくは約38°であり、および/または、
【0071】
縦方向の正中面28に対する静止ストレッチ30の中間部分46の傾斜角α46は、15°から35°の範囲、好ましくは20°から30°の範囲、好ましくは約25°であり、および/または、
【0072】
縦方向の正中面28に対する静止ストレッチ30の接触部分44の傾斜角α44は、40°から60°の範囲、好ましくは45°から55°の範囲、好ましくは約50°である。
【0073】
さらなる実施形態(図36C、37D)によれば、
【0074】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ29の傾斜角α29は、-15°から+15°の範囲、好ましくは-5°から+5°の範囲、好ましくは約0°であり、および/または、
【0075】
縦方向の正中面28に対する上向きの翼ストレッチ33の傾斜角α33は、20°から40°の範囲、好ましくは25°から35°の範囲、好ましくは約30°であり、および/または、
【0076】
縦方向の正中面28に対する下向きの翼ストレッチ36の傾斜角α36は、40°から60°の範囲、好ましくは45°から55°の範囲、好ましくは約50°であり、および/または、
【0077】
縦方向の正中面28に対する静止ストレッチ30の中間部分46の傾斜角α46は、-10°から+10°の範囲、好ましくは-5°から+5°の範囲、好ましくは約0°であり、および/または、
【0078】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ30の接触部分44の傾斜角α44は、20°から40°の範囲、好ましくは25°から35°の範囲、好ましくは約30°である。
【0079】
さらに別の実施形態(図35D)によれば、
【0080】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ29の傾斜角α29は、-10°から+10°の範囲、好ましくは-5°から+5°の範囲、好ましくは約0°の範囲にあり、および/または、
【0081】
縦方向の正中面28に対する上向きの翼ストレッチ33の傾斜角α33は、45°から65°の範囲、好ましくは50°から60°の範囲、好ましくは約55°であり、および/または、
【0082】
縦方向の正中面28に対する下向きの翼ストレッチ36の傾斜角α36は、10°から30°の範囲、好ましくは15°から25°の範囲、好ましくは約19°であり、および/または、
【0083】
縦方向の正中面28に対する静止ストレッチ30の中間部分46の傾斜角α46は、0°から-20°の範囲、好ましくは-5°から-15°の範囲、好ましくは約-10°であり、および/または、
【0084】
縦方向の正中面28に対する支持ストレッチ30の接触部分44の傾斜角α44は、30°から50°の範囲、好ましくは35°から45°の範囲、好ましくは約40°である。
【0085】
説明されている幾何学的値は、図10Dにのみ示されているが、図22D、35D、36C、37Dにも同様に適用され、図が乱雑にならないように明示的に示されていない。
【0086】
細長い横方向のプレート25の反対側の各ストレッチ27の傾斜の選択は、摩擦パッド11にバイアスをかけるのに必要な弾性エネルギーを蓄積するのに十分なスプリング22の曲げ長さを確保するためのようなものであり、キャリパ2の内側に向かってスプリング22を有利に配置するためのものである。
【0087】
ストレッチおよび横方向の細長いプレート25の部分の傾斜角および長さに関する前述の説明は、図10Dおよび他の実施形態の対応する図を参照し、したがって、縦方向の正中面28に直交し、かつ支持面32に垂直な横方向の正中面49上のスプリング22の断面または投影図を参照する。
【0088】
有利には、スプリング22および/または細長い横方向のプレート25は、縦方向の正中面28に関して対称または対称鏡面反射形状を有する。
【0089】
(スプリング22の固定ストレッチ39の詳細な説明)
実施形態(図10A~10D、22A~22D)によれば、スプリング22は、(例えば、同時に、一体形成、若しくは例えばリベットまたはTOXによって互いに接続される)横方向の細長いプレート25の中央ストレッチ26に支持部分51、および2つの縦方向の固定ストレッチ39を有する縦方向の細長いプレート50をさらに備え、固定ストレッチ39は、スプリング22の横方向の正中面49(幾何学的ではなく、幾何学的ではない)に対して2つの反対側の縦方向に支持ストレッチ51から延び、前記横方向の正中面は、縦方向の正中面28に直交し、好ましくは、支持面32に直交する。
【0090】
スプリング22が変形していない状態で、支持部分51は、支持面32に実質的に平行に配向されている。縦方向の固定ストレッチ39は、支持面32からスプリング22の上側34に向かって伸び、かつ横方向の正中面49から離れて前記スナップ固定部分40の上側固定ストレッチ53に向かって、支持ストレッチ51から伸びる縦方向の上向きのトレッチ52を形成し、ならびに支持面32からスプリング22の下側37に向かって、かつ横方向の正中面49から離れて縦方向の上向きのトレッチ52と反対の方向に、支持部分51から前記スナップ固定部分40の下側固定部分55(図10C)に向かって延びる縦方向の下向きのストレッチ54を形成する。
【0091】
これにより、スプリング22を摩擦パッド11の2つの反対側に配置することができ、場合によっては、ブレーキディスク3の平面23に平行および垂直な平面内に延び、同時に、ブレーキディスク3の回転軸に対して円周方向に進行するキャリパ2でスプリング22を固定する横方向の部分27とともに配置することができる。
【0092】
上向きの縦方向のストレッチ52および下向きの縦方向のストレッチ54は、好ましくは板状であり、実質的に平面状である。
【0093】
伸長ストレッチ56は、好ましくは平らで平面状であり、おそらく支持面32に実質的に平行であり、縦方向の上向きのトレッチ52と上側固定部分53との間に形成され得る。
【0094】
一実施形態によれば、固定部分40(上側部分53および下側部分55)はそれぞれ、「U」字型の折り畳まれたストレッチを形成し、場合によっては、「U」字型の折り畳みの反対側方向へ(図10B、10C、22A、2C)、「U」字形のストレッチに対して折り畳まれた自由端57を形成する。
【0095】
実施形態によれば、固定ストレッチ39の個々のストレッチの2つ以上の長さの間の比率は、以下の表にリストされた範囲内にあり、
【0096】
L51は、支持部分51の長さであり、
【0097】
L52は、縦方向の上向きのトレッチ52の長さであり、
【0098】
L54は、縦方向の下向きのストレッチ54の長さであり、
【0099】
L56は、伸長ストレッチ56の長さであり、
【0100】
【表6】
【0101】
L52は1.35×L51から1.65×L51の範囲、好ましくは約1.48×L51であり、および/またはL54は1.0×L51から1.2×L51、好ましくは約1.1×L51であり、および/またはL56は1.2×L51から1.48×L51の範囲であり、好ましくは約1.33×L51である。
【0102】
【表7】
【0103】
L51は0.58×L52から0.78×L52の範囲、好ましくは約0.68×L52であり、および/またはL54は0.64×L52から0.84×L52、好ましくは約0.74×L52であり、および/またはL56は0.8×L52から1.0×L52の範囲であり、好ましくは約0.9×L52である。
【0104】
【表8】
【0105】
L51は0.8×L54から1.0×L54の範囲、好ましくは約0.91×L54であり、および/またはL52は1.2×L54から1.45×L54、好ましくは約1.35×L54であり、および/またはL56は1.12×L54から1.32×L54の範囲であり、好ましくは約1.22×L54である。
【0106】
【表9】
【0107】
L51は0.65×L56から0.85×L56の範囲、好ましくは約0.75×L56であり、および/またはL52は1.0×L56から1.2×L56、好ましくは約1.11×L56であり、および/またはL54は0.72×L56から0.92×L56の範囲であり、好ましくは約0.82×L56である。
【0108】
縦方向の細長いプレート50の縦方向の固定ストレッチ39の個々のストレッチの長さのこれらの幾何学的比は、所望の安定した位置決めおよびキャリパ2の固定シート41への容易な挿入の両方を保証するスプリング22の弾性平衡を得るために有利であることが証明された。
【0109】
好ましい実施形態によれば、上向きの縦方向のストレッチ52および下向きの縦方向のストレッチ54は、鈍角傾斜角によって支持部分51に対して傾斜している。
【0110】
好ましくは、上向きの縦方向のストレッチ52および下向きの縦方向のストレッチ54は、折り目で支持部分51と境界を接し、好ましくは鋭くないが丸みを帯びている(図10C)。
【0111】
さらなる利点により、伸長ストレッチ56および上向きの縦方向のストレッチ52は、折り目で相互に隣接し、好ましくは鋭角ではなく丸みを帯びており、鈍角によって相互に傾斜している。
【0112】
有利には、伸長ストレッチ56は、支持部分51に実質的に平行であり、好ましくは、反対側の横方向のストレッチ27の支持ストレッチ29にも平行である。
【0113】
有利には、支持面32に対する縦方向の上向きのトレッチ52の傾斜角α52は、25°から40°の範囲、好ましくは28°から36°の範囲、好ましくは約33°であり、および/または
【0114】
支持面32に対する縦方向の下向きのストレッチ54の傾斜角α54は、25°から40°の範囲、好ましくは28°から36°の範囲、好ましくは約31°である。
【0115】
場合によっては、支持面32に対する縦方向の上向きのトレッチ52の傾斜角α52は、支持面32に対する縦方向の下向きのストレッチ54の傾斜角α54よりも大きい。
【0116】
縦方向の細長いプレート50は、ブレーキディスク3の回転軸18に対して実質的に円周方向に配向され、ブレーキディスク3の平面23と平行または同一のいずれかで縦方向の正中面28において/に沿って生じるように意図されている。
【0117】
横方向の細長いプレート25は、特に中央部分26を支持部分51に接続することによって、細長い縦方向のプレート50に固定されるか、または一体的に形成されるかのいずれかである。
【0118】
さらなる実施形態(図22A、22B)によれば、スプリング22は、横方向の細長いプレート25に固定され、好ましくは固定シート41から離間されたキャリパ2の1つまたは複数のさらなる固定シート64に対して弾性的に載置することを意図した1つまたは複数の湾曲した補助翼59を形成する、補助ばね58を含み得る。
【0119】
一実施形態によれば、補助ばね58は、2つの補助翼59を形成し、好ましくは平行であり、支持ストレッチ29から延在し、補助ばね58は、
【0120】
支持面32からスプリング22の上側34に向かって、かつ横方向の正中面49から離れて上部戻り点61まで、支持ストレッチ29から延びる上向き部分60と、
【0121】
横方向の正中面49からさらに離れてスプリング22の下側37に向かって、上部戻り点61から、横方向の正中面49に向かって折りたたまれたフック形状の端部63まで延びる下向き部分62と、を有し、下向き部分62は支持面32と交差し、端部63は上部戻り点61に対して反対側で支持面32から離れて形成されている。
【0122】
さらなる実施形態(図35A~35D、36A~36C)によれば、固定ストレッチ39は、それぞれ2つの相互に対向して向かい合う弾性タング65、65’の2つの対64を形成し、対64の2つの弾性タング65、65’はそれぞれ、2つの反対側に延在し、縦方向の正中面28から距離を置いて延在し、縦方向の正中面28に向かって、及びそれから離れて弾性的に曲がる。好ましくは、各対64の2つの弾性タング65、65’は、縦方向の正中面28に関して、対称または鏡面対称である。
【0123】
さらなる利点により、弾性タングの2つの対64は、2つの反対側に延在し、横方向の正中面49から距離を置いて延在し、好ましくは、横方向の正中面49に関して対称または鏡面対称であり得る。
【0124】
弾性タング65、65’は、キャリパ2の対応する空洞67と係合して、キャリパ2からのスプリング22の剥離防止効果または引き抜き防止効果を有する弾性スナップ固定を行うように構成された突出部66を形成する。
【0125】
有利には、スロット68は、対64の弾性タング65、65’と、横方向の細長いプレート25の隣接する支持ストレッチ29との間に形成され、そのおかげで、スロット68は、弾性タング65、65’の自由曲げ長さが長くなる。
【0126】
さらなる実施形態(図37A~37D)によれば、細長い横方向のプレート25の同じ中央ストレッチ26は、固定ストレッチ39を形成し、したがって、スナップ固定部分40を形成する。
【0127】
一実施形態によれば、中央ストレッチ26は、スプリング22の下側37に向かって開いたチャネルの形状に折り畳まれ、前記チャネルは、スプリング22の上側34に面する、閉じたより大きな基部70と、下側37に面するより小さい開いた基部71と、それぞれがキャリパ2の対応する突起または歯73をスナップすることによって受け入れるためのくぼみまたは開口72を形成する2つの側壁69と、を有する台形断面を有する(図37A)。
【0128】
実施形態(図35A、36A、37A)によれば、スプリング22は、好ましくは、互いに実質的に平行であり、ディスク3の平面23に実質的に平行な軸の周りの曲率のみを有するように成形された、キャリパ2に取り付けられた板状またはストリップ状の金属材料の1つの部材で形成される。
【0129】
代替の実施形態(図10A)によれば、スプリング22の横方向の細長いプレート25は、好ましくは、互いに実質的に平行であり、ディスク3の平面23に実質的に平行な軸の周りの曲率のみを有するように成形された、キャリパ2に取り付けられた板状またはストリップ状の金属材料の単一の部材で形成されており、一方、縦方向の細長いプレート50は、好ましくは、互いに実質的に平行であり、ブレーキディスク3の回転軸18に実質的に平行である軸の周りの曲率のみを有するように成形された、キャリパ2に取り付けられた板形状またはストリップ形状の金属材料の1つの部品で形成されている。細長い横方向のプレート25および細長い縦方向のプレート50は、例えば、リベット留め、TOX、溶接によって接続でき、若しくは、例えば、スプリング用の単一の鋼板から切り取ることによって1つの部品に形成することができる。
【0130】
さらに(図22A)、補助ばね58は、好ましくは、互いに実質的に平行であり、キャリパ2に取り付けられたスプリング22を備えたブレーキディスク3の回転面18に実質的に平行な軸の周りの曲率のみを有するように成形された、板状またはストリップ状の金属材料の単一の部品で形成され得る。横方向の細長いプレート25および縦方向の細長いプレート50および補助ばね58は、例えば、リベット留め、TOX、溶接によって接続でき、若しくは、例えば、スプリング用の単一の鋼板から切り取ることによって1つの部品に形成することができる。
【0131】
スプリング22の特別な構成は、それをキャリパ2へのスナップフィットによってクランプすることを可能にし、また、プレート形状の接触部分44によって摩擦パッド11に対してそれを自由に支持する(スライドおよび配向の可能性がある)ことを可能にし、ならびにスプリング22の中央ストレッチ26と静止ストレッチ30との間の距離を、反対側の横方向ストレッチ27、特に翼ストレッチ31の反対側の横方向ストレッチ27によって生成される弾性抵抗に対して、弾性的に広げることを可能にする。弾性屈曲によるその高い拡大能力のおかげで、翼ストレッチ31、および設けられる場合は降伏ストレッチ43は、摩擦パッド11をブレーキディスク3から離して効果的に押すように、反対側の接触部分44から離れる方向に十分に強い弾性力を提供する。
【0132】
さらなる実施形態(図38A~38D)によれば、スプリング22の2つの反対側の横方向のストレッチ27は、さらに、例えば、静止ストレッチ30内、または静止ストレッチ30と翼ストレッチ31との間に形成される、二重のアーチ形状の降伏ストレッチ43’、43’’を生じ得、二重降伏ストレッチ43’、43’’は、2つの実質的に反対および/または向かい合う折り線42’から、両方のループまたは弧が同じ方向を向き、2つの「ミッキーマウスの耳」の折り目42’’によって相互に分離され、おそらく、向かい合う2つの折り線42’の間の距離よりも大きい、二重ループまたは二重の円弧の形状で生じる。二重降伏ストレッチ43’、43’’は、弾性変形エネルギーを蓄積し、摩擦パッド11の異なる軸方向位置におけるスプリングの弾性推力をさらに均一にするように構成されたさらなる曲げ長さを提供する。
【0133】
好ましくは、二重降伏ストレッチ43’、43’’は、縦方向の正中面28から離れる方向に突出し、支持面32で延び得る(図38D)。
【0134】
(キャリパ2内のスプリング22の固定に関する詳細な説明)
本発明の一態様によれば、スプリング22は、ディスクブレーキ1に、
-キャリパ2の上部側(または半径方向外側)74に面する、翼ストレッチ31の上部頂端領域35と、
-キャリパ2の半径方向内側75に向かって突出する静止ストレッチ30と、
-例えば、ブレーキディスク3の平面23に直交する、横方向(言い換えれば、ブレーキディスク3の回転軸18に平行な方向)に延びる固定ストレッチ29と、
で固定されている。
【0135】
さらなる利点により、組み立てられた構成では、接触部分44は傾斜角82°で延び、ディスク平面23に対して、60°未満、好ましくは55°未満、例えば45°以下のいずれかで延びる(図3、13、25)。
【0136】
一実施形態(図1、11)によれば、スプリング22を固定するための固定シート41は、ディスクブレーキ3の平面23に対して傾斜して、鏡面対称反射の位置にスプリング22を整列して収容するように、エンドブリッジ6および中央タイロッド8に形成された固定空洞を備える。より具体的には、上側固定部分53は、中央タイロッド8に形成された固定空洞と係合し、下側固定部分55は、エンドブリッジ6に形成された固定空洞と係合する。同じことが、中央のタイロッド8に関してキャリパ2の反対側にある第2のスプリング22についても生じる。
【0137】
さらに(図11、18)、補助ばね58が設けられている場合、補助ばね58は、固定シート41の両側のエンドブリッジ6に形成された2つのコントラスト面78をプレス弾性接触させる。
【0138】
さらなる実施形態(図23、37)によれば、キャリパ2は、ブレーキディスク3の平面23と整列した1つまたは複数の剛性固定ビーム79をブレーキディスク3の軸18に対して円周方向に形成し、それぞれがエンドブリッジ6の1つから中央タイロッド8および/または反対側のエンドブリッジ6まで延び、固定シート41は、前記1つまたは複数の固定ビーム79に形成されている。この場合も、この実施形態では、固定シート41は、スプリング22の特定の配置のための固定キャビティまたはテーパー領域を形成する。
【0139】
固定ビームまたはビーム79は、キャリパ2を用いて(例えば、鋳造によって)単一の部品に形成され得る。
【0140】
有利には、キャリパ2の側壁5は、キャリパ2の半径方向外側から半径方向内側に向かって、またはその逆に延びる溝80を形成し、一実施形態によれば、スプリング22を下からまたは上から挿入するために、スプリング22の横方向の部分27をガイド方式で収容するように構成される。
【0141】
(摩擦パッド11の詳細な説明)
スプリング22を配置するために必要な空間を準備するために、摩擦パッド11は、前述の側端部分17の上に2つの側端くぼみ76を形成する。
【0142】
側端部分17は、摩擦パッド11の下部、すなわち半径方向内側の領域に延在し、(前述の接触面45を形成する)側端部分17の上端77は、摩擦パッド11の全半径方向延長の3分の1に等しい半径方向延長を有する半径方向の中央領域に配置される。好ましくは、側端部分17の上端77は、摩擦パッド11の全半径方向延長の約半分まで延在する(図9、20,21、32)。
【0143】
実施形態によれば、スプリング22の接触部分44は、摩擦パッド11の支持プレート12の側端部分17の上端77に対して、上から(すなわち、半径方向外側から半径方向内側方向に)隣接する(図4、13、25)。
【0144】
より正確には、スプリング22の接触部分44は、側端部分17の上から軸方向内側(ブレーキディスク3に向かって)およびキャリパ2の半径方向下向きに、または半径方向内側75に向かって傾斜して延在し、自由接合して静止しており、上端77の軸方向に内側の縁81に対して滑り得る。
【0145】
接触部分44は、ブレーキディスク3から離れる方向の軸方向弾性力と、キャリパ2の半径方向内側75に向かう半径方向弾性力(それほど強度が低くない)を摩擦パッド11に加える。実際、ディスク平面23に対する接触部分44の傾斜角82は、60°よりも小さく、好ましくは55°よりも小さく、例えば、45°以下(図3、12、25)で、半径方向のバイアス(支持ピン15のパッドの防振静止)を無視することなく、(パッド11をブレーキディスク3から離す)軸方向成分でかなりの力を伝達する。スプリング22の固定ストレッチ39は、半径方向外側74に向かって半径方向の弾性力をキャリパ2に加え、一方、スプリング22の軸方向の弾性力は、それら自体のバランスをとる。
【0146】
一実施形態によれば、スプリング22の接触部分44およびパッド11のそれぞれの接触面45は、支持ピン15および摩擦パッド11の支持穴16と位置合わせされている。これは安定化効果があり、パッド11の振動を低減します。
【0147】
有利には、摩擦パッド11の支持穴16と、それらのそれぞれの接触部分44と係合する接触面45との両方が、より低い、すなわち半径方向内側および/または側方端部付加部分17、すなわち支持ピン15に挿入された支持プレート12よりも円周方向により外側に形成される。
【0148】
実施形態によれば、下端および側端の付加部分17は、摩擦パッド11の半径方向の延長(高さ)の合計の3分の2以下、好ましくは半分以下の半径方向の延長を有していてもよく、また、パッド11の全円周方向延長部の4分の1以下、好ましくは5分の1以下の円周方向延長を有していてもよい。
【0149】
実施形態によれば、接触部分44との摩擦を低減するために、接触面45に凹面取り(図32)または凸状バルジ(図20)を形成することができる。
【0150】
提供された説明から、当業者は、本発明による摩擦パッド11のスプリング22およびディスクブレーキ1が、ブレーキが非アクティブ化されたときにパッドをブレーキディスクから切り離したままにし、したがって、ブレーキが非アクティブ化されたときの残留ブレーキトルクを低減することを理解するであろう。
【0151】
さらに、本発明によるディスクブレーキ1およびスプリング22は、幾何公差、摩擦の影響、およびパッド11とキャリパ2との間、およびスプリング22とパッド11との間の支持条件の変動に対してより敏感ではない。結果として、スプリング22は、パッド11の摩擦ライニング13の漸進的な摩耗が存在する場合でさえ、より強く、より均一な軸方向弾性バイアスを提供する。
【0152】
さらに、本発明によるスプリング22は、キャリパおよび摩擦パッドに容易に取り付けることができ、その位置は、ブレーキの他の機能的構成要素の空間に違反しないため、各機能要素を対象とする最適化された配置およびサイジングが可能になる。
【0153】
明らかに、当業者は、本発明に従って、パッド11のスプリング22およびディスクブレーキ1にさらなる変更および変更を加えることができ、これらはすべて、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の保護の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22A
図22B
図22C
図22D
図23
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図30
図31
図32
図33
図34
図35A
図35B
図35C
図35D
図36A
図36B
図36C
図37A
図37B
図37C
図37D
図38A
図38B
図38C
図38D