(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】キャスク
(51)【国際特許分類】
G21F 9/36 20060101AFI20240709BHJP
G21F 5/005 20060101ALI20240709BHJP
G21F 5/06 20060101ALI20240709BHJP
G21C 19/32 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G21F9/36 501C
G21F5/005
G21F5/06 Z
G21C19/32 090
(21)【出願番号】P 2021001354
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】下条 純
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 健一
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-264890(JP,A)
【文献】特開2004-340578(JP,A)
【文献】特開2005-207975(JP,A)
【文献】特開2006-275730(JP,A)
【文献】特開2014-095569(JP,A)
【文献】特開2015-184196(JP,A)
【文献】特開2018-169173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0059445(US,A1)
【文献】原子力規制委員会からのコメントへのリサイクル燃料貯蔵株式会社の回答。国立国会図書館所蔵資料,RFS1418 改訂00,日本,原子力規制委員会,2015年02月13日,https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11713743/www.nsr.go.jp/data/000091456.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/36
G21F 5/005
G21F 5/06
G21C 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質を収納する有底円筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられた貯蔵用蓋と、
前記容器本体の前記開口部側の軸方向端に設けられた本体フランジ面であって、前記貯蔵用蓋の外方から輸送用蓋を前記容器本体に取り付けるための取付部を有する本体フランジ面と、前記貯蔵用蓋の外周縁部とを外部環境から保護するため
、前記本体フランジ面と前記外周縁部とを跨ぐように設置される環形状の保護カバーと、
を備え、
前記取付部は、前記輸送用蓋に加えて前記保護カバーを前記容器本体に取り付けるためにも用いられ、
前記保護カバーの材質は、前記容器本体の材質よりも硬度が低い、
キャスク。
【請求項2】
請求項1に記載のキャスクにおいて、
前記保護カバーは透明である、
キャスク。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャスクにおいて、
前記保護カバーが複数の分割保護カバーで構成されている、
キャスク。
【請求項4】
請求項3に記載のキャスクにおいて、
前記分割保護カバー同士の隙間がシール材でシールされている、
キャスク。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のキャスクにおいて、
前記保護カバーと前記本体フランジ面との隙間、および前記保護カバーと前記貯蔵用蓋の前記外周縁部との隙間がシール材でシールされている、
キャスク。
【請求項6】
放射性物質を収納する有底円筒形状の容器本体と、
前記容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられた貯蔵用蓋と、
前記容器本体の前記開口部側の軸方向端に設けられた本体フランジ面であって、前記貯蔵用蓋の外方から輸送用蓋を前記容器本体に取り付けるための取付部を有する本体フランジ面と、前記貯蔵用蓋の外周縁部とを外部環境から保護するための保護カバーと、
を備え、
前記保護カバーが複数の分割保護カバーで構成され、
前記分割保護カバー同士の隙間がシール材でシールされ、
前記保護カバーの材質は、前記容器本体の材質よりも硬度が低い、
キャスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質を収納して、輸送、貯蔵するための容器であるキャスクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放射性物質を収納する貯蔵容器(キャスク)に関する技術が記載されている。特許文献1の例えば段落0037、
図4に記載されているように、この貯蔵容器は、二次蓋の外周縁部の上部の段差部分の空間を塞ぐためのカバープレートを有する。このカバープレートの設置により、上記空間に外部からゴミなどが入り込んだり、二次蓋と容器本体の上端部との隙間に雨水が浸透したりすることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記貯蔵容器を輸送する際、輸送時における放射性物質の密封境界を形成するために、輸送用蓋としての三次蓋が二次蓋の外側に設置される。容器本体の上端には、この三次蓋を容器本体に取り付けるためのボルト穴が設けられる。一方、貯蔵期間中は、通常、三次蓋は外される。特許文献1に記載のカバープレートによると、三次蓋が外された状態の貯蔵容器の貯蔵期間中に上記ボルト穴に水分、ゴミなどが付着したり堆積したりすることを防止することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1には、カバープレートの材質が記載されていない。カバープレートの材質が、例えば、容器本体の材質と同程度の硬度を有するものである場合、容器本体へのカバープレートの着脱時に、カバープレートが容器本体に当たるなどしてカバープレートで容器本体を傷つけてしまうことが懸念される。
【0006】
本発明の目的は、貯蔵期間中、輸送用蓋の取付部に水分、ゴミなどが付着したり堆積したりすることを防止することができることに加えて、容器本体に傷がつきにくい構成のキャスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、放射性物質を収納する有底円筒形状の容器本体と、前記容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられた貯蔵用蓋と、前記容器本体の前記開口部側の軸方向端に設けられた本体フランジ面であって、前記貯蔵用蓋の外方から輸送用蓋を前記容器本体に取り付けるための取付部を有する本体フランジ面と、前記貯蔵用蓋の外周縁部とを外部環境から保護するための保護カバーと、を備えるキャスクである。前記保護カバーの材質は、前記容器本体の材質よりも硬度が低いものとされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貯蔵期間中、輸送用蓋の取付部に水分、ゴミなどが付着したり堆積したりすることを防止することができることに加えて、容器本体に傷がつきにくい構成のキャスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るキャスクの縦断面図である。
【
図5】
図1に示すキャスクの軸方向の端部に、輸送用蓋としての三次蓋、および物体との衝突によって生じる衝撃を吸収する緩衝体が取り付けられた状態のキャスクの一部縦断面図である。
【
図6】保護カバーの変形例を示すための
図2に相当する図である。
【
図7】保護カバーの変形例を示すための
図2に相当する図である。
【
図8】保護カバーと本体フランジ面との隙間、および保護カバーと貯蔵用蓋の外周縁部との隙間がシール材でシール(コーキング)された
図2に相当する図である。
【
図9】保護カバーの変形例を示すための
図2に相当する図である。
【
図10】保護カバーの変形例を示すための保護カバーの一部の平面図である。
【
図11】保護カバーの変形例を示すための
図4に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1~
図5を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るキャスク100について説明する。キャスク100は、燃料集合体などの放射性物質を収納して、輸送、貯蔵するために用いられるものであって、放射性物質を収納する有底円筒形状の容器本体1と、容器本体1の開口部に着脱可能に取り付けられる貯蔵用蓋としての一次蓋2および二次蓋3を備えている。容器本体1の中には、燃料集合体などの放射性物質が格納されるバスケット(不図示)が設置される。一次蓋2は、容器本体1の開口を密封する蓋である。一次蓋2の外側に設置される二次蓋3は、一次蓋2との間の空間S1の圧力を一次蓋2および容器本体1とともに保持する蓋である。キャスク100を輸送する際は、二次蓋3の外側に輸送用蓋としての三次蓋4が設置される(
図5参照)。なお、キャスク100の貯蔵状態時は特別な場合を除いて三次蓋4は外される。キャスク100は、縦置き設置されてもよいし、横置き設置されてもよい。
【0012】
容器本体1内から外部への中性子の放出を抑えるために、容器本体1の外周部には、側部中性子遮蔽材5が設置され、容器本体1の底部、および二次蓋3には、それぞれ、底部中性子遮蔽材6、および蓋部中性子遮蔽材7が設置される。側部中性子遮蔽材5、底部中性子遮蔽材6、および蓋部中性子遮蔽材7は、例えば、エポキシ樹脂、もしくはポリエステル樹脂などの樹脂、またはシリコンゴム、もしくはエチレンポリプロピレンゴムなどのゴムである。
【0013】
キャスク100を構成する容器本体1、一次蓋2、二次蓋3、および三次蓋4は、例えば炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼などの金属材料で形成される。金属材料は、主として、ガンマ線を遮蔽する機能を有する材料であり、ある程度の中性子をも遮蔽するものが好ましい。
【0014】
放射性物質の密封を維持するため、容器本体1と一次蓋2の外周縁部との間にシール部材としての金属ガスケット8が設置される。また、一次蓋2と二次蓋3との間の空間S1の圧力を保持するため、容器本体1と二次蓋3の外周縁部との間にシール部材としての金属ガスケット9が設置される。また、キャスク100輸送時の密封境界を三次蓋4で形成するため、容器本体1と三次蓋4の外周縁部との間にシール部材としてのOリング10が設置される(
図5参照)。
【0015】
一次蓋2は、容器本体1に対して複数のボルト14にて固定される。二次蓋3は、容器本体1に対して複数のボルト15にて固定される。また、三次蓋4は、キャスク100の輸送時に、容器本体1に対して複数のボルト16にて固定される(
図5参照)。
【0016】
上記キャスク100は、収納物である燃料集合体およびバスケットが腐食することを防止するため、燃料集合体の格納の際に注入された水を排水・真空乾燥した後、不活性ガスであるヘリウムで容器本体1内を置換し、一次蓋2および二次蓋3を設置した状態で最長60年間貯蔵される(
図1参照)。キャスク100の貯蔵場所は、例えば、発電所内である。
【0017】
貯蔵終了後、二次蓋3の外方から三次蓋4および緩衝体11が取り付けられ、キャスク100は再処理工場などへ輸送される(
図5参照)。緩衝体11は、物体との衝突によって生じる衝撃を吸収するためのものであって、万が一のキャスク100の落下に備えて取り付けられるものである。緩衝体11は、例えば、木材12と、木材12を覆う金属カバー13とで構成される。
【0018】
なお、燃料集合体が格納されたキャスク100は、発電所内ではなく、発電所から貯蔵施設へ輸送され、その貯蔵施設にて貯蔵される場合もある。貯蔵終了後は、上記と同様、再処理工場などへ輸送される。
【0019】
容器本体1の開口部側の軸方向端に、三次蓋4を設置するための本体フランジ面17が設けられる(
図2参照)。本体フランジ面17には、三次蓋4を容器本体1に取り付けるための取付部としてのボルト穴18が形成される。この本体フランジ面17が、キャスク100の貯蔵期間中、適切に養生されていないと、その後のキャスク100輸送時に、三次蓋4および緩衝体11を容器本体1に適切に設置できない可能性がある。本体フランジ面17が適切に養生されていないと、ボルト穴18にゴミが堆積したり、ボルト穴18が腐食したりする可能性がある。
【0020】
また、二次蓋3の下面に設置されている金属ガスケット9の外周部に結露水などが付着し、金属ガスケット9が腐食する可能性もある。さらには、二次蓋3用のボルト15部分に水分が付着することにより、腐食しやすい環境となってしまう。
【0021】
これらの対策として、本体フランジ面17と二次蓋3(貯蔵用蓋)の外周縁部とを外部環境から保護するための保護カバー19が設置される。この保護カバー19は、本体フランジ面17と二次蓋3の外周縁部とを跨ぐように設置される。保護カバー19の設置により、ボルト穴18に水分、ゴミなどが付着したり堆積したりすることを防止することができる。
【0022】
保護カバー19の材質は、容器本体1の材質よりも硬度が低いものとされる。これにより、本体フランジ面17への保護カバー19の着脱時に、保護カバー19が本体フランジ面17に当たったとしても、本体フランジ面17(容器本体1)は傷つきにくい。
【0023】
容器本体1の材質は、前記のとおり、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼などである。これに対して、保護カバー19の材質は、例えば、アルミニウム合金、または樹脂とされる。
【0024】
また、保護カバー19は透明なものとされることが好ましい。保護カバー19が透明であると、キャスク100貯蔵期間中における定期的な外観検査の際に、本体フランジ面17およびボルト15などを容易に目視観察することができ、保護カバー19を取り外すことなく、これらに異常が生じていないか確認することができる。保護カバー19が透明なものとされる場合、保護カバー19の材質は、例えば、ポリカーボネイト、アクリル樹脂などの樹脂とされる。
【0025】
図3に示すように、保護カバー19は、本体フランジ面17と二次蓋3の外周縁部とを跨ぐ幅を有する環形状(リング形状)とされる。
【0026】
本実施形態では、保護カバー19は、複数の分割保護カバー20で構成されている。保護カバー19は、例えば4分割される。各分割保護カバー20(保護カバー19)には、保護カバー取付け用のボルト21を挿入するためのボルト穴20aが形成される。ボルト21がボルト穴20aに挿入されるとともに、本体フランジ面17に形成されたボルト穴18に捩じ込まれることで、各分割保護カバー20(保護カバー19)は容器本体1の本体フランジ面17に固定される。保護カバー19を分割構造とすることで、保護カバー19の着脱作業が容易になる。
【0027】
本実施形態では、ボルト穴18(取付部)は、三次蓋4(輸送用蓋)に加えて保護カバー19を容器本体1に取り付ける(固定する)ためにも用いられる。この構成によると、保護カバー19取付専用のボルト穴を本体フランジ面17に形成しないので、容器本体1の加工数をその分少なくすることができる。
【0028】
また本実施形態では、分割保護カバー20の両端は、それぞれ、斜めに面取りされて、分割保護カバー20の両端に面取り部20bが設けられている。分割保護カバー20を本体フランジ面17に取り付ける(固定する)際、隣り合う分割保護カバー20の端同士を突き合わせる。この突き合わせにより、2つの面取り部20bで断面V字の空間が形成される。この空間にシール材22が充填される(
図4参照)。このようにして、分割保護カバー20同士の隙間がシール材22でシール(コーキング)される。シール材22は、例えばシリコン樹脂である。分割保護カバー20同士の隙間をシールすることで、分割保護カバー20同士の隙間から水分やゴミが入ることを防止することができる。
【0029】
なお、ボルト21の頭部と、分割保護カバー20(保護カバー19)とが接触する部分、すなわち、ボルト21の頭部の下端まわりもシール材22でシールされてもよい。これにより、ボルト穴20aから水分やゴミが入ることをより防止することができる。
【0030】
図6は、保護カバー19の変形例を示すための
図2に相当する図である。
【0031】
容器本体1の開口部側の軸方向端において、本体フランジ面17と隣接する部分であって、本体フランジ面17よりも内側部分に、三次蓋4の位置決めを行うための段差部17aが設けられている。この段差部17aに嵌り込む凸部23が保護カバー19の下面に設けられる。保護カバー19の下面に凸部23が設けられることで、本体フランジ面17および二次蓋3の外周縁部に対する保護カバー19の位置決めを容器本体1の径方向において容易に行うことができる。
【0032】
凸部23は、保護カバー19の下面に、保護カバー19の周方向に延びるように連続して設けられてもよいし、保護カバー19の周方向において断続的に設けられてもよい。
【0033】
図7は、保護カバー19の変形例を示すための
図2に相当する図である。
【0034】
本実施形態では、保護カバー19と本体フランジ面17との隙間がシール材24でシールされる。また、保護カバー19と二次蓋3の外周縁部との隙間がシール材25でシールされる。シール材24、25は、例えばゴムガスケットである。シール材24、25は、例えばOリングである。シール材24、25は、保護カバー19の下面に装着される。シール材24およびシール材25により、保護カバー19と本体フランジ面17との隙間、および保護カバー19と二次蓋3の外周縁部との隙間から、水分やゴミが入ることを防止することができる。
【0035】
図8は、保護カバー19と本体フランジ面17との隙間、および保護カバー19と二次蓋3の外周縁部との隙間がシール材26でシール(コーキング)された
図2に相当する図である。シール材26は、例えばシリコン樹脂である。
【0036】
保護カバー19と本体フランジ面17とが接触する部分の保護カバー19の端、および保護カバー19と二次蓋3の外周縁部とが接触する部分の保護カバー19の端を、保護カバー19の全周にわたってシリコン樹脂などのシール材26でシール(コーキング)することで、保護カバー19と本体フランジ面17との隙間、および保護カバー19と二次蓋3の外周縁部との隙間を簡単にシールしてもよい。
【0037】
図9は、保護カバー19の変形例を示すための
図2に相当する図である。
【0038】
本実施形態では、保護カバー19の外周に鍔部19aが設けられて、断面L字形状の保護カバー19とされている。鍔部19aは、容器本体1の軸方向端を全周にわたってその側方を覆うように保護カバー19の外周に設けられる。この構成によると、保護カバー19と本体フランジ面17との隙間から水分、ゴミなどが入ってくることを防止することができるとともに、容器本体1の軸方向端の側面が傷つくことを防止することができる。
【0039】
図10は、保護カバー19の変形例を示すための保護カバー19の一部の平面図である。
【0040】
保護カバー19が、複数の分割保護カバー20で構成されている点は、
図3に示す保護カバー19と同じである。なお、
図10には、合計4つの分割保護カバー20のうちの2つを示している。
【0041】
分割保護カバー20の端部に、断面コ字形状の被差込部27が取り付けられる。この被差込部27に、別の分割保護カバー20の端部が差し込まれて、分割保護カバー20の端同士が突き合わせられる。被差込部27の本体部27aが上側に位置するので、分割保護カバー20同士の隙間から水分やゴミが入ることを防止することができる。
【0042】
図11は、保護カバー19の変形例を示すための
図4に相当する図である。
【0043】
本実施形態では、保護カバー19を構成する分割保護カバー20の両端に、隣り合う分割保護カバー20の端と相互に嵌合する凸部20cが形成される。一方の分割保護カバー20の端に、他方の分割保護カバー20の端が突き合わせられると、分割保護カバー20の端同士の突き合わせ部には、1本の直線状の接触線(隙間)ではなく、折れ曲がった迷路状の接触線が形成される。そのため、分割保護カバー20同士の隙間から水分やゴミが入ることを防止することができる。なお、分割保護カバー20の端同士の突き合わせ部をシール材でシール(コーキング)すると、水分やゴミが入ることをより防止することができる。
【0044】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
【0045】
保護カバー19は、4分割のものに限定されることはない。2分割であってもよいし、3分割であってもよいし、5分割以上に分割されたものであってもよい。さらには、複数に分割されていない一体品の保護カバー19とされてもよい。
【0046】
上記実施形態では、容器本体1の本体フランジ面17に、三次蓋4取り付けと保護カバー19取り付けとを兼ねるボルト穴18(取付部)が形成されている。三次蓋4取付用のボルト穴18とは別に、保護カバー19取付用のボルト穴(保護カバー19用の取付部)が本体フランジ面17に形成されてもよい。
【0047】
分割保護カバー20の両端は、
図4に示すように、斜めに面取り(面取り部20b)されていなくてもよいし、
図11に示すような凸部20cが設けられていなくてもよい。すなわち、分割保護カバー20の両端は、単なる平坦な切断面とされてもよい。
【0048】
図2、
図4に示す保護カバー19の各部構成(平坦な保護カバー、および端部の面取り部20b)、
図6に示す保護カバー19の構成(凸部23)、
図7に示す保護カバー19の構成(シール材24、25)、
図8に示す保護カバー19の構成(シール材26によるシール(コーキング))、
図9に示す保護カバー19の構成(鍔部19a)、
図10に示す保護カバー19の端部構成(被差込部27)、および
図11に示す保護カバー19の端部構成(凸部20c)は、適宜、組み合わせることができる。
【0049】
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行うことは勿論可能である。
【符号の説明】
【0050】
1:容器本体
2:一次蓋(貯蔵用蓋)
3:二次蓋(貯蔵用蓋)
4:三次蓋(輸送用蓋)
17:本体フランジ面
18:ボルト穴(取付部)
19:保護カバー
20:分割保護カバー
22:シール材
24:シール材
25:シール材
26:シール材
100:キャスク