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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】リッド装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20240709BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240709BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240709BHJP
【FI】
B60K15/05 B
B60K1/04 Z
B60L53/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021002918
(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公開番号】P2022108086
(43)【公開日】2022-07-25
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】西塚 三男
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204567272(CN,U)
【文献】特開2015-104983(JP,A)
【文献】特開2019-018673(JP,A)
【文献】特開2013-144507(JP,A)
【文献】実開平03-010925(JP,U)
【文献】特開2016-088252(JP,A)
【文献】特開2013-123930(JP,A)
【文献】特開2013-001384(JP,A)
【文献】特開2017-154720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/05
B60K 1/04
B60L 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す上下一対の補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、各前記補強リブの上面が、自由端側が下方へ向くように傾斜された傾斜面となっており
下側の前記補強リブには、前記傾斜面から突出する支持板部が設けられ、
上側の前記補強リブの下面、及び、下側の前記補強リブの前記支持板部の各々には、前記蓋体を係止する係止爪が設けられており、
前記支持板部の上面が、上側の前記補強リブの前記下面と平行であることで、下側の前記補強リブの前記支持板部に設けられた前記係止爪の姿勢が、上側の前記補強リブの前記下面に設けられた前記係止爪の姿勢に合わされている、
リッド装置。
【請求項2】
車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、前記補強リブの水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜され、
前記支持体の底部には、前記蓋体との間に入り込んだ水を下方へ排水する排水口が形成されている、
ッド装置。
【請求項3】
車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、前記補強リブの水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜され、
前記補強リブにおける自由端側が下方へ向くように傾斜される傾斜面には、前記蓋体を係止する係止爪を有する支持板部が設けられ、
前記支持板部には、表裏に貫通する孔部が形成されている、
ッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の給油口又は給電口を開閉するリッド装置として、給油口に装着されるハウジングと、ハウジングの開口を開閉する支持体と蓋体とからなるリッドと、リッドをハウジングに対して開閉可能に連結するリンク部材とを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-167833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、支持体に対して蓋体を組付けて構成されるリッドは、車両の洗車時などにおいて、支持体と蓋体との隙間から水が入り込むことがある。このため、リッドには、支持体と蓋体との隙間から入り込んだ水が、強度を確保するために支持体に設けられたリブに溜まることがある。この状態でリッドを開くと、開いた勢いでリッド内の水が飛散し、ユーザにかかってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な強度を確保しつつ開閉時における水の飛散を抑えることが可能なリッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係るリッド装置は、下記(1)~(3)を特徴としている。
(1) 車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す上下一対の補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、各前記補強リブの上面が、自由端側が下方へ向くように傾斜された傾斜面となっており
下側の前記補強リブには、前記傾斜面から突出する支持板部が設けられ、
上側の前記補強リブの下面、及び、下側の前記補強リブの前記支持板部の各々には、前記蓋体を係止する係止爪が設けられており、
前記支持板部の上面が、上側の前記補強リブの前記下面と平行であることで、下側の前記補強リブの前記支持板部に設けられた前記係止爪の姿勢が、上側の前記補強リブの前記下面に設けられた前記係止爪の姿勢に合わされている、
リッド装置。
【0007】
上記(1)の構成のリッド装置によれば、支持体に補強リブを設けたことにより、リッドに十分な強度を持たせることができる。また、給油口又は給電口へ装着した状態において、補強リブの水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜されている。これにより、支持体と蓋体との間に入り込んで補強リブの上部に滴下した水を、補強リブの自由端から下方へ導き、補強リブに溜まるのを回避できる。したがって、リッドを開いた際にリッドから水が飛散してユーザにかかるのを抑えることができる。
【0008】
(2) 車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、前記補強リブの水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜され、
前記支持体の底部には、前記蓋体との間に入り込んだ水を下方へ排水する排水口が形成されている、
ッド装置。
【0009】
上記(2)の構成のリッド装置によれば、支持体と蓋体との間に入り込んだ水を支持体の底部に形成された排水口から下方へ排水することができる。これにより、リッドを開いた際の水の飛散をさらに良好に抑えることができる。
【0010】
(3) 車両の給油口又は給電口に装着され、前記給油口又は給電口を開閉するリッド装置であって、
前記給油口又は給電口に組付けられるハウジングと、
前記ハウジングに対して回動可能に設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記支持体には、前記蓋体側に張り出す補強リブが形成され、
前記給油口又は給電口へ装着した状態において、前記補強リブの水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜され、
前記補強リブにおける自由端側が下方へ向くように傾斜される傾斜面には、前記蓋体を係止する係止爪を有する支持板部が設けられ、
前記支持板部には、表裏に貫通する孔部が形成されている、
ッド装置。
【0011】
上記(3)の構成のリッド装置によれば、蓋体を係止する係止爪を有する支持板部に表裏に貫通する孔部が形成されている。これにより、支持体と蓋体との間に入り込んで補強リブに設けられた支持板部の上部に滴下した水を、支持板部の孔部から下方へ導くことができる。したがって、支持板部に水が溜まるのを回避でき、リッドを開いた際の水の飛散をさらに良好に抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、十分な強度を確保しつつ開閉時における水の飛散を抑えることが可能なリッド装置を提供できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、リッド装置が装着された車両のリアフェンダの斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係るリッド装置の分解斜視図である。
図3図3は、本実施形態に係るリッド装置を示す図であって、図3(a)は下方から視た平面図、図3(b)は水平方向に沿う概略断面図である。
図4図4は、給油口に装着されたリッド装置の蓋体を除いた状態を示す図であって、図4(a)は全体の斜視図、図4(b)は下部の斜視図である。
図5図5は、リッドを構成する蓋体の下方側からの斜視図である。
図6図6は、蓋体が本体部に取り付けられる前の状態を示す図であって、図6(a)は蓋体の取り付け面より内側のロック爪同士の位置関係を示す面方向の概略断面図、図6(b)は蓋体の取り付け面より内側の係止爪同士の位置関係を示す面方向の概略断面図、図6(c)は係止爪同士の位置関係を示す水平方向の概略断面図である。
図7図7は、蓋体が本体部に取り付けられた状態を示す図であって、図7(a)は蓋体の取り付け面より内側のロック爪同士の係止状態を示す面方向の概略断面図、図7(b)は蓋体の取り付け面より内側の係止爪同士の係止状態を示す面方向の概略断面図、図7(c)は係止爪同士の係止状態を示す水平方向の概略断面図である。
図8図8は、リッドにおける水の流れを示す図であって、図8(a)は図4(a)におけるA-A断面図、図8(b)は図4(a)におけるB-B断面図である。
図9図9は、図4(a)におけるC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1は、リッド装置が装着された車両のリアフェンダの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係るリッド装置1は、自動車等の車両におけるリアフェンダ2に設けられた給油口3に装着される。リッド装置1は、給油口3を開閉させるリッド20を備えている。ユーザは、給油口3が開いた状態で車両への給油作業を行い、給油作業の終了後にリッド装置1のリッド20によって給油口3を閉鎖させる。リッド装置1は、給油口3を閉じた状態でリッド20をロックするロック機構を有しており、例えば、車室内のオープナを操作したり、車両のドアロックの解除操作に連動してリッド20のロックが解除されて開閉可能となる。リッド装置1では、ロックが解除された状態でリッド20の表面を押し込むことにより、後述するプッシュリフタ15によってリッド20が一定量押上げられるようになっている。
【0017】
図2は、本実施形態に係るリッド装置の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るリッド装置を示す図であって、図3(a)は下方から視た平面図、図3(b)は水平方向に沿う概略断面図である。
図2図3(a)及び図3(b)に示すように、リッド装置1は、ハウジング10と、リッド20と、を備えている。
【0018】
ハウジング10は、筒状に形成されている。また、車両のリアフェンダ2には、凹状の装着部(図示略)が形成されている。ハウジング10は、この装着部に嵌合されて組付けられるようになっている。ハウジング10は、給油口3への組付け側と反対側に、意匠パネル部11を有するフランジ部12が設けられている。ハウジング10は、一側部に、外側へ張り出すアーム収容室13を有している。また、ハウジング10は、他側部側に、プッシュリフタ装着部14が形成されており、このプッシュリフタ装着部14には、プッシュリフタ15が装着される(図3(b)参照)。
【0019】
リッド20は、支持体21と、蓋体41とを有している。支持体21は、本体部22と、アーム部23とを有している。本体部22は、略板状に形成されており、この本体部22におけるハウジング10への組付け側と反対側の前面側に蓋体41が取り付けられる。アーム部23は、本体部22の一側部に一体に連設されている。アーム部23は、本体部22から斜め後方へ延在し、先端部分が前方側へ湾曲している。
【0020】
支持体21は、ハウジング10の前方側からアーム部23を挿し込んでアーム収容室13内に収容させることによってハウジング10に組付けられる。そして、この支持体21は、アーム収容室13に収容されたアーム部23の先端部分が回動軸24によって回動可能に支持される(図3(b)参照)。これにより、リッド20は、ハウジング10のフランジ部12が設けられた開口部に対して開閉可能となっている。
【0021】
図4は、給油口に装着されたリッド装置の蓋体を除いた状態を示す図であって、図4(a)は全体の斜視図、図4(b)は下部の斜視図である。
図4(a)に示すように、支持体21の本体部22は、その周縁に、蓋体41の取り付け側に張り出す周壁部25を有している。また、本体部22は、その中央部分が平板部26となっている。本体部22は、平板部26の裏面側に、例えば、給油口3から給油する燃料の種類が記載されたラベル(図示略)が貼付可能となっている。
【0022】
支持体21の本体部22には、蓋体41の取り付け側に、二つの補強リブ27,28を有している。これらの補強リブ27,28は、水平方向(車両の前後方向)に沿って形成されている。これらの補強リブ27,28は、軽量化のために本体部22の裏面側が肉抜きされ、断面V字状になっている。補強リブ27は、平板部26の上部に形成されており、補強リブ28は、平板部26の下部に形成されている。これらの補強リブ27,28は、その上面が、自由端側が下方へ向くように傾斜された傾斜面27a,28aとなっている。リッド20は、本体部22に補強リブ27,28を設けることにより強度が高められる。これにより、リッド20を開く際に、リッド20の表面のどの部分が押し込まれても、その押し込み力がプッシュリフタ15に伝達しリッド20が押し上げられるようになっている。
【0023】
補強リブ27,28は、互いの対向側に、それぞれ三つのL字状の係止爪31を有している。即ち、各係止爪31は、補強リブ27の下面と、補強リブ28の傾斜面である上面に形成されており、水平方向に間隔を開けて配置されている。
【0024】
図4(b)に示すように、補強リブ28には、三つの支持板部33が形成されている。これらの支持板部33は、補強リブ28の傾斜面28aに一体に形成されており、これらの支持板部33のそれぞれの一端に係止爪31が形成されている。各支持板部33の上面は、平板部26の上部に形成された補強リブ27の下面と略平行になっている。これにより、補強リブ28の傾斜面28aに設けられた係止爪31の姿勢が補強リブ27の下面に設けられた係止爪31に合わされている。また、各支持板部33には、係止爪31が設けられた端部に、表裏に貫通する孔部35が形成されている。
【0025】
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、補強リブ27の下面と、補強リブ28の上面には、ロック爪32が形成されている。補強リブ27に設けられたロック爪32は、係止爪31のうちアーム部23から最も離れた位置にある一つの係止爪31の形成位置に形成されており、補強リブ28に設けられたロック爪32は、支持板部33のうちアーム部23から最も離れた位置にある一つの支持板部33に形成されている。
【0026】
また、図4(a)に示すように、本体部22は、アーム部23との結合部に複数の補強リブ29を有している。これらの補強リブ29は、車両の上下方向に間隔を開けて設けられており、いずれも水平方向に沿って形成されている。これにより、リッド20は、開閉時に結合部に加わる力に対する強度が高められている。
【0027】
本体部22におけるアーム部23との結合部には、背面側へ向かって凹む背面板部30が設けられている。結合部において上下に間隔をあけて設けられた三つの補強リブ29のうちの上部及び下部の補強リブ29は、背面板部30との間に隙間を有しており、中間部の補強リブ29は、背面板部30に一体に形成されている。中間部の補強リブ29には、背面板部30の近傍位置に、表裏に貫通する孔部29aが形成されている。
【0028】
また、本体部22は、周壁部25の底部に形成された排水口34を有している。さらに、本体部22の周壁部25には、アーム部23側に、係合凹部36が形成されている。また、本体部22には、平板部26におけるアーム部23側に、縦リブ38が形成されている。補強リブ29は、図4(a)中左端部が縦リブ38の右側面に連なり、右端部が周壁部25に連なっている。
【0029】
図5は、リッドを構成する蓋体の下方側からの斜視図である。
図5に示すように、リッド20を構成する蓋体41は、平板状に形成されており、支持体21の本体部22に取り付けられる。この蓋体41は、支持体21の本体部22よりも大きな外形を有している。これにより、蓋体41は、周縁部が全周にわたって本体部22の外周から張り出した状態で本体部22に取り付けられる。
【0030】
蓋体41は、本体部22への取り付け面41aに、上下に間隔をあけて設けられた二つの係止部42,43を有している。これらの係止部42,43は、水平方向に沿って形成されている。係止部42,43は、本体部22の補強リブ27,28に対応する位置に設けられている。これらの係止部42,43は、互いに反対側へ突出する三つのL字状の係止爪45と、一つのロック部46とをそれぞれ有している。係止爪45は、水平方向に間隔をあけて形成されている。ロック部46には、ロック爪47が形成されており、このロック爪47は、蓋体41の一側部側の一つの係止爪45の近傍に配置されている。また、蓋体41の取り付け面41aには、水平方向に延びる係合突条48が一側部寄りに形成されている。
【0031】
次に、支持体21に蓋体41を取り付ける場合について説明する。図6及び図7は、本体部への蓋体の取り付け方を説明する図であって、図6は、蓋体が本体部に取り付けられる前の状態を示す図、図7は、蓋体が本体部に取り付けられた状態を示す図である。
【0032】
まず、支持体21の本体部22に対して、アーム部23と反対側へずらして蓋体41をあてがい、蓋体41の本体部22への取り付け面41aを本体部22の周壁部25の周縁に当接させる。このようにすると、図6(a)に示すように、蓋体41のロック爪47が本体部22のロック爪32の近傍に配置される。また、図6(b)及び(c)に示すように、蓋体41の係止爪45が本体部22の係止爪31の近傍に配置される。また、蓋体41の係合突条48が本体部22の係合凹部36に係合される。
【0033】
次に、本体部22に対して蓋体41をアーム部23側へスライドさせる。このとき、蓋体41の係合突条48が本体部22の係合凹部36に係合されているので、蓋体41が本体部22に対して案内されて円滑にスライドされる。本体部22に対して蓋体41をアーム部23側へスライドさせると、図7(a)に示すように、蓋体41のロック爪47が本体部22のロック爪32に係止される。また、図7(b)及び(c)に示すように、蓋体41の係止爪45が本体部22の係止爪31に係止される。これにより、支持体21の本体部22に対して蓋体41が取り付けられる。
【0034】
図8は、リッドにおける水の流れを示す図であって、図8(a)は図4(a)におけるA-A断面図、図8(b)は図4(a)におけるB-B断面図である。
【0035】
図8(a)及び(b)に示すように、リッド装置1は、車両の給油口3に装着された状態で、側面視においてリッド20側が斜め上方に向くように傾けられて配置される。このように給油口3に装着された状態において、支持体21の本体部22に形成された補強リブ27,28の傾斜面27a,28aは、自由端側が下方へ向くように傾斜している。
【0036】
ここで、リッド20は、支持体21に対して蓋体41を組付けて構成されているので、車両の洗車時などにおいて、支持体21の本体部22と蓋体41との隙間から水が入り込むことがある。
【0037】
図4(a)、図8(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るリッド装置1では、支持体21の本体部22と蓋体41との隙間から入り込んだ水Wは、本体部22と蓋体41との間において本体部22に沿って下方へ流れる。このとき、水平方向に沿う補強リブ27,28では、自由端が下方へ向くように傾斜された傾斜面27a,28aに沿って水Wが流れ、これらの補強リブ27,28の自由端から下方へ導かれる。そして、本体部22と蓋体41との間において本体部22に沿って下方へ導かれた水Wは、支持体21の本体部22の底部に設けられた排水口34から外部へ排水される(図3(b)及び図4(a)参照)。
【0038】
また、支持体21の本体部22と蓋体41との隙間から入り込んだ水Wの一部は、補強リブ28の傾斜面28aに設けられた支持板部33の上面に流れ込む。この支持板部33の上面に流れ込んだ水Wは、支持板部33の上面に溜まることなく、係止爪31側の孔部35及び係止爪31と反対側の端部から下方へ導かれて傾斜面28aに沿って流れ落ち、排水口34から外部へ排水される(図4(a)参照)。
【0039】
図4(a)及び図9に示すように、支持体21の本体部22と蓋体41との隙間から入り込んだ水Wは、本体部22におけるアーム部23との結合部にも流れ込む。この水Wは、上部の補強リブ29と背面板部30との隙間、中間部の補強リブ29の孔部29a及び下部の補強リブ29と背面板部30との隙間を通り、そのまま下方へ流れて、意匠パネル部11の縁部から下方へ排水される。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態に係るリッド装置1によれば、補強リブ27,28を設けたことにより、リッド20に十分な強度を持たせることができる。また、給油口3へ装着した状態において、補強リブ27,28の水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜された傾斜面27a,28aとされている。これにより、支持体21の本体部22と蓋体41との間に入り込んで補強リブ27,28の上部に滴下した水Wを、補強リブ27,28の自由端から下方へ導き、補強リブ27,28に溜まるのを回避できる。したがって、リッド20を開いた際にリッド20から水Wが飛散してユーザにかかるのを抑えることができる。
【0041】
しかも、支持体21の本体部22と蓋体41との間に入り込んだ水Wを支持体21の本体部22の底部に形成された排水口34から下方へ排水することができる。これにより、リッド20を開いた際の水の飛散をさらに良好に抑えることができる。
【0042】
また、蓋体41を係止する係止爪31を有する支持板部33に表裏に貫通する孔部35が形成されている。これにより、支持体21と蓋体41との間に入り込んで補強リブ28に設けられた支持板部33の上部に滴下した水Wを、支持板部33の孔部35から下方へ導くことができる。したがって、支持板部33に水が溜まるのを回避でき、リッド20を開いた際の水Wの飛散をさらに良好に抑えることができる。
【0043】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0044】
例えば、本体部22に形成される補強リブの数は二つに限定されるものではなく、また、これらの補強リブの水平方向の長さは、平板部26の水平方向の長さと異なっていてもよい。さらに、補強リブが水平方向と異なる方向に沿う部分を有していてもよい。また、補強リブに形成される係止爪31の数も三つに限定されるものではない。
【0045】
また、リッド装置1は、給油口3の代わりに、ハイブリッド車両や電気自動車等の給電口に装着されてもよい。
【0046】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るリッド装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両の給油口(3)又は給電口に装着され、前記給油口(3)又は給電口を開閉するリッド装置(1)であって、
前記給油口(3)又は給電口に組付けられるハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)に対して回動可能に設けられる支持体(21)と、
前記支持体(21)に取り付けられる蓋体(41)と、
を備え、
前記支持体(21)には、前記蓋体(41)側に張り出す補強リブ(27,28)が形成され、
前記給油口(3)又は給電口へ装着した状態において、前記補強リブ(27,28)の水平方向に沿う部分は、自由端側が下方へ向くように傾斜される、
リッド装置。
[2] 前記支持体(21)の底部には、前記蓋体(41)との間に入り込んだ水(W)を下方へ排水する排水口(34)が形成されている、
上記[1]に記載のリッド装置。
[3] 前記補強リブ(28)における自由端側が下方へ向くように傾斜される傾斜面(28a)には、前記蓋体(41)を係止する係止爪(31)を有する支持板部(33)が設けられ、
前記支持板部(33)には、表裏に貫通する孔部(35)が形成されている、
上記[1]または[2]に記載のリッド装置。
【符号の説明】
【0047】
1 リッド装置
3 給油口
10 ハウジング
21 支持体
27,28 補強リブ
33 支持板部
34 排水口
35 孔部
41 蓋体
W 水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9