(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】エレベーターシステム及びエレベーター呼び方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20240709BHJP
B66B 1/16 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B1/16 F
(21)【出願番号】P 2021095845
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 祺
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-174319(JP,A)
【文献】特開2013-001498(JP,A)
【文献】特開2015-030613(JP,A)
【文献】特開2017-178482(JP,A)
【文献】特開平10-087192(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0118510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00ー 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を用いてエレベーターの乗り合わせ可否の情報を含む呼び登録が可能なエレベーターシステムにおいて、
前記呼び登録に従って前記エレベーターの運行を制御する制御部と、
複数の呼び登録に対して、運行が実施されるまでの待ち順番を決定するサービス制御部と、
前記呼び登録に応答する画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する画面制御部と、を備え、
前記制御部は、前記呼び登録を受信した場合に、前記呼び登録の情報と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び登録の情報から、前記呼び登録の情報における乗り合わせ可否を変更することにより、前記待ち順番が早まるか否かを判定し、
前記制御部の判定結果が前記待ち順番が早まる第1判定結果である場合に、前記画面制御部は、乗り合わせ可否を選択可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成し、
前記制御部の判定結果が前記待ち順番が早まらない第2判定結果である場合に、前記画面制御部は、前記待ち順番を確認可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する
エレベーターシステム。
【請求項2】
前記画面制御部は、前記第1判定結果である場合に、前記待ち順番を確認可能であり、且つ、乗り合わせ可否を選択可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記画面制御部は、前記第1判定結果である場合に、前記待ち順番を確認可能であり、且つ、乗り合わせ可否と前記呼び登録のキャンセルを選択可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記画面制御部は、前記第2判定結果である場合に、前記待ち順番を確認可能であり、且つ、前記呼び登録のキャンセルを選択可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記呼び登録の情報は、順番待ち閾値を含み、
前記画面制御部は、前記待ち順番が待ち順番閾値を越えてない場合に、前記待ち順番を表示しない登録受付画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成し、
前記画面制御部は、前記待ち順番が待ち順番閾値を越えている場合に、前記第1判定結果又は前記第2判定結果に応じて表示指令を生成する
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記サービス制御部は、前記複数の呼び登録に対して、前記エレベーターにおける運行が開始されるまでの待ち時間を予測し、
前記画面制御部は、前記第1判定結果又は前記第2判定結果である場合に、前記携帯端末に表示させる画面において前記待ち時間を確認可能にする表示指令を生成する
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
携帯端末を用いてエレベーターの乗り合わせ可否の情報を含む呼び登録が可能なエレベーターシステムにおけるエレベーター呼び方法において、
前記エレベーターシステムは、
前記呼び登録に従って前記エレベーターの運行を制御する制御部と、
複数の呼び登録に対して、運行が実施されるまでの待ち順番を決定するサービス制御部と、
前記呼び登録に応答する画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する画面制御部と、を備えており、
制御部が、前記呼び登録を受信して、前記呼び登録の情報と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び登録の情報から、前記呼び登録の情報における乗り合わせ可否を変更することにより、前記待ち順番が早まるか否かを判定し、
前記制御部の判定結果が前記待ち順番が早まる第1判定結果である場合に、前記画面制御部が、乗り合わせ可否を選択可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成し、
前記制御部の判定結果が前記待ち順番が早まらない第2判定結果である場合に、前記画面制御部が、前記待ち順番を確認可能な画面を前記携帯端末に表示させるための表示指令を生成する
エレベーター呼び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターシステム及びエレベーター呼び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターの利用者がスマートフォンやスマートデバイス等の携帯端末を用いてエレベーターの乗り場呼びとかご呼びを登録することが知られている。登録された乗り場呼びとかご呼びは、無線通信を介してエレベーターに送信される。エレベーターは、受信した乗り場呼びとかご呼びに応じて、乗りかごを乗り場階と行先階の間で昇降させる。これにより、利用者は、各階の乗り場やエレベーターの乗りかごに設けられた物理ボタンを触ることなく、乗り場呼びとかご呼びを登録することができる。
【0003】
特許文献1には、エレベーターの利用者が携帯端末でエレベーターの呼びを登録する際に、携帯端末にエレベーターのかご内の混雑状況を表示させるエレベーターシステムが開示されている。このエレベーターシステムでは、かご内の混雑状況を確認した利用者が、エレベーターの呼び登録をキャンセルすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されたエレベーターシステムでは、エレベーターの待ち時間が長い場合に呼び登録をキャンセルできない。そのため、利用者がエレベーターの待ち時間に応じて、最適な移動方法を選択することを妨げていた。
【0006】
近年、他の利用者と乗り合わせない呼びを登録可能なエレベーターシステムがある。他の利用者と乗り合わせない呼び登録が行われた場合は、その登録に対応する運転サービスを完了するまで、次の呼び登録に対応する運転サービスを開始できない。したがって、次の呼び登録を行った利用者は、エレベーターの待ち時間が長くなる傾向がある。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、利用者がエレベーターの待ち状況に応じて、最適な移動方法を選択することが可能なエレベーターシステム及びエレベーター呼び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、エレベーターシステムは、携帯端末を用いてエレベーターの乗り合わせ可否の情報を含む呼び登録が可能である。このエレベーターシステムは、制御部と、サービス制御部と、画面制御部とを備える。制御部は、呼び登録に従ってエレベーターの運行を制御する。サービス制御部は、複数の呼び登録に対して、運行が実施されるまでの待ち順番を決定する。画面制御部は、呼び登録に応答する画面を携帯端末に表示させるための表示指令を生成する。
制御部は、呼び登録を受信した場合に、呼び登録の情報と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び登録の情報から、呼び登録の情報における乗り合わせ可否を変更することにより、待ち順番が早まるか否かを判定する。
制御部の判定結果が待ち順番が早まる第1判定結果である場合に、画面制御部は、乗り合わせ可否を選択可能な画面を携帯端末に表示させるための表示指令を生成する。
制御部の判定結果が待ち順番が早まらない第2判定結果である場合に、画面制御部は、待ち順番を確認可能な画面を携帯端末に表示させるための表示指令を生成する。
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、及びエレベーター呼び方法は、携帯端末を用いてエレベーターの乗り合わせ可否の情報を含む呼び登録が可能な上記エレベーターシステムにおいて行われる。
このエレベーター呼び方法は、制御部が、呼び登録を受信して、呼び登録の情報と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び登録の情報から、呼び登録の情報における乗り合わせ可否を変更することにより、待ち順番が早まるか否かを判定する。
そして、制御部の判定結果が待ち順番が早まる第1判定結果である場合に、画面制御部が、乗り合わせ可否を選択可能な画面を携帯端末に表示させるための表示指令を生成する。
また、制御部の判定結果が待ち順番が早まらない第2判定結果である場合に、画面制御部が、待ち順番を確認可能な画面を携帯端末に表示させるための表示指令を生成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエレベーターシステム及びエレベーター呼び方法によれば、利用者がエレベーターの待ち状況に応じて、最適な移動方法を選択することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの全体構成を示したブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における呼び出し開始操作画面を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における階床選択画面を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における登録受付画面(サービス待ち無し)を示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における乗り合わせ選択画面を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における登録受付画面(サービス待ち順番表示)を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムのサービス待ち以降の遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における乗り合わせ及びキャンセル選択画面を示す図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末におけるキャンセル選択画面を示す図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るエレベーターシステムの遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における階床選択画面を示す図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係るエレベーターシステムの携帯端末における閾値入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1~第3実施形態に係るエレベーターシステムについて、
図1~
図13を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.第1実施形態
[エレベーターシステムの構成]
まず、本発明の第1実施形態に係るエレベーターシステムの構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係るエレベーターシステムの全体構成を示したブロック図である。
【0014】
図1に示すように、エレベーターシステムは、遠隔制御装置1と、制御装置3と、エレベーター4と、携帯端末5とを備える。遠隔制御装置1は、一般通信回線2を介して、制御装置3及び携帯端末5と接続されている。制御装置3は、エレベーター4全体の制御を行う。携帯端末5は、エレベーター4の利用者7が携行している。
【0015】
エレベーター4は、図示されないが、建屋の昇降路内に設けられた乗りかごと、一端が乗りかごに取付けられた主ロープと、この主ロープの他端が取付けられ、昇降路内に吊り下げられた釣合い錘とを有している。また、エレベーター4は、主ロープが巻き掛けられた巻上機を有している。巻上機は、例えば、昇降路の上部に設けられた機械室に回転可能に設置されている。巻上機は、制御装置3から受信した制御信号に従って回転する。その結果、乗りかごは、釣合い錘に対して相対的に昇降する。
【0016】
遠隔制御装置1は、通信部101と、制御部102と、記憶部103と、画面制御部104とを有している。通信部101は、一般通信回線2を介して、制御装置3の通信部301及び携帯端末5の通信部501と通信を行う。
【0017】
制御部102は、エレベーター4に対する制御指令を生成する。制御部102は、エレベーター4に対する制御指令を、通信部101を経由して制御装置3の通信部301に送信する。また、制御部102は、携帯端末5に対する表示指令や入力指令を制御する。制御部102は、携帯端末5に対する表示指令や入力指令を、通信部101を経由して携帯端末5の通信部501に送信する。画面制御部104は、携帯端末5から受信した呼びに応答する処理を行う。
【0018】
記憶部103は、制御部102及び画面制御部104による演算を実行するためのプログラムを格納するROMやHDD、制御部102及び画面制御部104がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM等を有している。また、記憶部103には、エレベーター情報105と、ユーザー情報106が格納されている。
【0019】
エレベーター情報105は、エレベーターが設置されている建物名及び住所と、エレベーターの識別番号とを含む。ユーザー情報106は、エレベーターに呼び登録を行った利用者の利用者ID、利用者の操作履歴、利用者毎の呼び登録に関わる設定内容を含む。
【0020】
制御装置3は、通信部301と、制御部302と、記憶部303と、サービス制御部305とを有している。通信部301は、一般通信回線2を介して、遠隔制御装置1の通信部101と通信を行う。また、通信部301は、専用通信回線6を介して、エレベーター4の通信部(不図示)と通信を行う。
【0021】
制御部302は、遠隔制御装置1の制御指令に基づいて、エレベーター4の昇降速度やドアの開閉動作を含むエレベーター4全体の動作を制御するための各種の演算を行う。サービス制御部305は、エレベーター4への複数の呼び登録に対して、サービス(運行)する順番を決定する。また、サービス制御部305は、各呼び登録の待ち順番及び待ち時間を算出する。
【0022】
記憶部303は、制御部302及びサービス制御部305による演算を実行するためのプログラムを格納するROMやHDD、制御部302及びサービス制御部305がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM等を有している。また、記憶部303には、遠隔制御装置1より受信したエレベーター4の呼び情報が格納されている。
【0023】
携帯端末5は、通信部501と、表示制御部502と、表示部503とを有している。通信部501は、一般通信回線2を介して、遠隔制御装置1の通信部101と通信を行う。表示部503は、エレベーター4に対して呼び登録を行うための階床選択画面等を表示する。表示制御部502は、遠隔制御装置1の表示指令に応じた表示内容(階床選択画面等)を表示部503に表示させる。
【0024】
[遠隔呼び登録の処理]
次に、利用者7が携帯端末5を用いてエレベーター4に対し初回の呼び登録を行う場合の遠隔呼び登録の処理について、
図2を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係るエレベーターシステムの遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【0025】
まず、利用者7が、携帯端末5を操作して呼び出し開始操作画面(メイン画面)を表示部503に表示する(S101)。
【0026】
図3は、携帯端末5における呼び出し開始操作画面を示す図である。
図3に示すように、呼び出し開始操作画面には、呼び問い合わせボタン504が表示される。利用者7が呼び問い合わせボタン504をタッチすると、携帯端末5の表示制御部502は、呼び登録の問い合わせを、一般通信回線2を介して遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する。
【0027】
次に、画面制御部104は、携帯端末5による呼び登録がサービス待ち状態であるか否かを、制御装置3の制御部302に問い合わせる(S102)。今回は、初回の呼び登録を行っている途中であるため、まだ、呼び登録が終了していない。したがって、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態ではない。
【0028】
次に、制御部302は、画面制御部104に対して、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態ではないと回答する(S103)。続いて、遠隔制御装置1の画面制御部104は、制御部302より受信した結果がサービス待ちであるか否かを判定する(S104)。今回は、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態ではない。したがって、S104は、NO判定となる。
【0029】
次に、画面制御部104は、記憶部103に格納されているエレベーター情報105より、エレベーターの階床情報を取得し、携帯端末5の表示制御部502に送信する(S105)。次に、表示制御部502は、遠隔制御装置1から送信された階床情報に従って階床選択画面を表示部503に表示させる(S106)。
【0030】
図4は、携帯端末5における階床選択画面を示す図である。
図4に示すように、階床選択画面には、利用者7が現在いる階を入力するための現在階の選択ボタン511と、利用者7の行先階を入力するための行先階の選択ボタン512と、エレベーター呼び登録ボタン513とが表示される。また、階床選択画面には、エレベーター呼び登録ボタン513の下方に乗り合わせ選択ボタン514が表示される。
【0031】
次に、利用者7は、携帯端末5を操作して、現在階、行先階、乗り合わせ可否を入力する。利用者7は、他者と乗り合わせしたくない場合に、乗り合わせ選択ボタン514のチェックボックスをタッチして、チェックを付ける。一方、他者と乗り合わせしてもよい場合に、利用者7は、乗り合わせ選択ボタン514のチェックボックスにチェックを付けない。
【0032】
利用者7は、現在階、行先階、乗り合わせ可否を入力後、エレベーター呼び登録ボタン513をタッチする。これにより、携帯端末5の表示制御部502は、入力された現在階、行先階、乗り合わせ可否の呼び情報を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する(S107)。そして、画面制御部104は、受信した利用者7の呼び情報を、制御装置3の制御部302に送信する(S108)。
【0033】
次に、制御部302は、受信した利用者7の呼び情報を、呼び情報304として記憶部303に格納する(S109)。次に、制御部302は、利用者7の呼び情報以外に、サービス待ちの呼び情報があるか否かを判定する(S110)。すなわち、制御部302は、利用者7以外の利用者が、既に呼び登録を済ませて、サービスを待っているか否かを判定する。
【0034】
S110において、サービス待ちの呼び情報がないと判定したとき(S110がNO判定の場合)、制御部302は、S113の処理に移行する。一方、S110において、サービス待ちの呼び情報があると判定したとき(S110がYES判定の場合)、制御部302は、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可であるか否かを判定する(S111)。
【0035】
S111において、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可でないと判定したとき(S111がNO判定の場合)、制御部302は、S115の処理に移行する。一方、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可であると判定したとき(S111がYES判定の場合)、制御部302は、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可であるか否かを判定する(S112)。
【0036】
S112において、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可であると判定したとき(S112がYES判定の場合)、制御部302は、S113の処理に移行する。一方、S112において、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可でないと判定したとき(S112がNO判定の場合)、制御部302は、S114の処理に移行する。
【0037】
S110がNO判定、又はS112がYES判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード1に決定する(S113)。モード1は、他の利用者のサービス終了待ちが無い場合に決定されるモードである。
【0038】
例えば、利用者7の呼び情報以外に、サービス待ちの呼び情報がある場合(S110がYES)であっても、そのサービス待ちの呼び情報及び利用者7の呼び情報が乗り合わせ可(S111とS112がYES)であれば、利用者7は、他の利用者のサービス終了を待たなくてよい。したがって、モード1が決定される。
【0039】
S112がYES判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード2に決定する(S114)。モード2は、他の利用者のサービス終了待ちが有るが、乗り合わせ可に変更すると待ち順番が早まる(待ち時間が短くなる)場合に決定されるモードである。
【0040】
S114において、制御部302は、サービス制御部305に、利用者7の呼び登録に対応するサービスの待ち順番と待ち時間を算出させる。そして、制御部302は、利用者7の呼び登録に対応するサービスの待ち順番と待ち時間をサービス制御部305から取得する。待ち順番は、利用者7の呼び登録に対応するサービスより前にサービスを実施する予定の呼び数である。待ち時間は、利用者7の呼び登録に対応するサービスより前に実施する全てのサービスが終了するまでの時間を予測したものである。
【0041】
S111がNO判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード3に決定する(S115)。モード3は、他の利用者のサービス終了待ちが有り、乗り合わせ可に変更しても順番が早まらない(待ち時間が短くならない)場合に決定されるモードである。S115において、制御部302は、サービス制御部305に、利用者7の呼び登録に対応するサービスの待ち順番と待ち時間を算出させる。そして、制御部302は、利用者7の呼び登録に対応するサービスの待ち順番と待ち時間をサービス制御部305から取得する。
【0042】
S113、S114、S115の処理後、制御部302は、決定したモードの種別と、サービス制御部305から取得した待ち順番及び待ち時間を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する(S116)。
【0043】
次に、遠隔制御装置1の画面制御部104は、受信したモード種別、待ち順番、及び待ち時間に従って表示指令を生成する。そして、生成した表示指令を携帯端末5の表示制御部502に送信する(S117)。
【0044】
受信したモード種別がモード1であった場合、画面制御部104は、待ち順番を表示しない登録受付画面を表示するための表示指令を生成する。受信したモード種別がモード2であった場合、画面制御部104は、待ち順番と、乗り合わせの切り替え選択を表示する表示指令を生成する。受信したモード種別がモード3であった場合、画面制御部104は、待ち順番を表示する表示指令を生成する。
【0045】
次に、携帯端末5の表示制御部502は、受信した表示指令に従った応答画面を表示部503に表示させる(S118)。
【0046】
モード1に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、登録受付画面(サービス待ち無し)を表示部503に表示させる。
図5は、携帯端末5における登録受付画面(サービス待ち無し)を示す図である。
図5に示すように、登録受付画面(サービス待ち無し)には、利用者7がエレベーター4に乗る階とエレベーター4から降りる階を示す乗降階表示521と、呼び登録を受け付けたことを示す受付確認表示522が表示される。
【0047】
モード2に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、乗り合わせ選択画面を表示部503に表示させる。
図6は、携帯端末5における乗り合わせ選択画面を示す図である。
図6に示すように、乗り合わせ選択画面には、乗り合わせ不可で呼び登録を継続する場合の待ち順番を示す待ち順番表示531が表示される。また、乗り合わせ選択画面には、乗り合わせ不可を選択するための乗り合わせ不可選択ボタン532と、乗り合わせ可を選択するための乗り合わせ可選択ボタン533と、呼び登録をやり直すための戻るボタン534が表示される。
【0048】
利用者7が乗り合わせ不可選択ボタン532をタッチすると、表示制御部502は、後述する登録受付画面(
図7参照)を表示部503に表示させる。一方、利用者7が乗り合わせ可選択ボタン533をタッチすると、
図2におけるS107の処理に戻る。すなわち、表示制御部502は、現在階、行先階、乗り合わせ可の呼び情報を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する。利用者7が戻るボタン534をタッチすると、
図2におけるS106の処理に戻る。すなわち、表示制御部502は、
図4に示す階床選択画面を表示部503に表示させる。
【0049】
本実施形態では、乗り合わせ選択画面において、待ち順番表示531を表示する構成にした。しかし、本発明に係るエレベーターシステムとしては、乗り合わせ選択画面において、待ち時間を表示する構成、又は待ち順番と待ち時間を表示する構成としてもよい。待ち順番と待ち時間を表示する構成にした場合は、利用者が乗り合わせ可否を検討する場合の判断材料を増やすことができ、利用者7が最適な移動方法を選択することに貢献することができる。
【0050】
モード3に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、登録受付画面(サービス待ち順番表示)を表示部503に表示させる。
図7は、携帯端末5における登録受付画面(サービス待ち順番表示)を示す図である。
図7に示すように、登録受付画面(サービス待ち順番表示)には、乗降階表示521と、受付確認表示522と、待ち順番を示す待ち順番表示541が表示される。
【0051】
本実施形態では、登録受付画面(サービス待ち順番表示)において、待ち順番表示541を表示する構成にした。しかし、本発明に係るエレベーターシステムとしては、登録受付画面(サービス待ち順番表示)において、待ち時間を表示する構成、又は待ち順番と待ち時間を表示する構成としてもよい。待ち順番と待ち時間を表示する構成にした場合は、利用者7が待ち状況を詳細に認識することができる。
【0052】
[サービス待ち以降の遠隔呼び登録の処理]
次に、呼び登録した結果、サービス待ち(
図7参照)となった以降の遠隔呼び登録の処理について、
図8を参照して説明する。
図8は、第1実施形態に係るエレベーターシステムのサービス待ち以降の遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【0053】
まず、利用者7が、携帯端末5を操作して
図3に示す呼び出し開始操作画面(メイン画面)を表示部503に表示する(S201)。そして、利用者7は、呼び問い合わせボタン504をタッチする。これにより、携帯端末5の表示制御部502は、呼び登録の問い合わせを、一般通信回線2を介して遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する。
【0054】
次に、画面制御部104は、携帯端末5による呼び登録がサービス待ち状態であるか否かを、制御装置3の制御部302に問い合わせる(S202)。今回は、初回の呼び登録後であり、サービス待ちの状態である。したがって、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態である。
【0055】
次に、制御部302は、画面制御部104に対して、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態であること、現在の待ち順番、待ち時間、現在のモードを、画面制御部104に返信する(S203)。例えば、利用者7の呼び登録に対応するサービスより前に実施する全てのサービスが終了していれば、モード種別はモード1である。
【0056】
続いて、遠隔制御装置1の画面制御部104は、制御部302より受信した結果がサービス待ちであるか否かを判定する(S204)。今回は、携帯端末5による呼び登録はサービス待ち状態である。したがって、S204は、YES判定となる。
【0057】
次に、画面制御部104は、受信したモード種別、待ち順番、及び待ち時間に従って表示指令を生成する。そして、生成した表示指令を携帯端末5の表示制御部502に送信する(S205)。
【0058】
サービス待ち以降に受信したモード種別がモード1であった場合、画面制御部104は、階床選択画面を表示する表示指令を生成する。モード種別がモード1である場合は、他の利用者のサービス終了待ちが無い場合に決定されるモードである。この場合は、現在階と行先階、及び乗り合わせ可否を再設定することができるようにする。
【0059】
サービス待ち以降に受信したモード種別がモード2であった場合、画面制御部104は、待ち順番、乗り合わせの切り替え選択、及びキャンセルを表示する表示指令を生成する。サービス待ち以降に受信したモード種別がモード3であった場合、画面制御部104は、待ち順番、及びキャンセルを表示する表示指令を生成する。
【0060】
次に、携帯端末5の表示制御部502は、受信した表示指令に従った応答画面を表示部503に表示させる(S206)。
【0061】
モード1に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、
図4に示す階床選択画面を表示部503に表示させる。これにより、利用者7は、現在階、行先階、乗り合わせ可否を再度入力して、呼び登録を変更することができる。また、利用者7が現在階、行先階、乗り合わせ可否を入力しない場合は、利用者7の現在の呼び登録に対応するサービスが実施される。
【0062】
モード2に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、乗り合わせ及びキャンセル選択画面を表示部503に表示させる。
図9は、携帯端末5における乗り合わせ及びキャンセル選択画面を示す図である。
図9に示すように、乗り合わせ及びキャンセル選択画面には、現在の待ち順番を示す待ち順番表示551が表示される。また、乗り合わせ及びキャンセル選択画面には、乗り合わせ可切り替えるための乗り合わせ可切替ボタン552と、乗り合わせ不可の状態でサービスを待つための閉じるボタン553と、呼び登録をキャンセルするためのキャンセルボタン554が表示される。
【0063】
利用者7が乗り合わせ可切替ボタン552をタッチすると、
図2におけるS107の処理に戻る。すなわち、表示制御部502は、現在階、行先階、乗り合わせ可の呼び情報を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する。利用者7が閉じるボタン553をタッチすると、表示制御部502は、
図7に示す登録受付画面(サービス待ち順番表示)を表示部503に表示させる。
【0064】
利用者7がキャンセルボタン554をタッチすると、表示制御部502は、呼び登録をキャンセルすることを示すキャンセル情報を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する。キャンセル情報には、利用者IDが含まれる。続いて、画面制御部104は、キャンセル情報を制御装置3の制御部302に送信する。制御部302は、キャンセル情報を受信すると、記憶部303に格納された利用者7の呼び情報304を削除する。その結果、利用者7の呼び登録がキャンセルされる。
【0065】
本実施形態では、乗り合わせ及びキャンセル選択画面において、待ち順番表示551を表示する構成にした。しかし、本発明に係るエレベーターシステムとしては、乗り合わせ及びキャンセル選択画面において、待ち時間を表示する構成、又は待ち順番と待ち時間を表示する構成としてもよい。待ち順番と待ち時間を表示する構成にした場合は、利用者が乗り合わせ可否や呼び登録のキャンセルを検討する場合の判断材料を増やすことができ、利用者7が最適な移動方法を選択することに貢献することができる。
【0066】
モード3に対応した表示指令を受信した場合に、表示制御部502は、キャンセル選択画面を表示部503に表示させる。
図10は、携帯端末5におけるキャンセル選択画面を示す図である。
図10に示すように、キャンセル選択画面には、現在の待ち順番を示す待ち順番表示551が表示される。また、キャンセル選択画面には、乗り合わせ不可の状態でサービスを待つための閉じるボタン553と、呼び登録をキャンセルするためのキャンセルボタン554が表示される。
【0067】
本実施形態では、キャンセル選択画面において、待ち順番表示551を表示する構成にした。しかし、本発明に係るエレベーターシステムとしては、キャンセル選択画面において、待ち時間を表示する構成、又は待ち順番と待ち時間を表示する構成としてもよい。待ち順番と待ち時間を表示する構成にした場合は、利用者が呼び登録のキャンセルを検討する場合の判断材料を増やすことができ、利用者7が最適な移動方法を選択することに貢献することができる。
【0068】
このように、利用者7は、待ち状況(待ち順番や待ち時間)に応じて、乗り合わせ可の呼び登録に変更するか、乗り合わせ不可の呼び登録を維持するか、又は呼び登録をキャンセルするかを選択することができる。すなわち、利用者7は、待ち状況(待ち順番や待ち時間)に応じて、最適な移動方法を選択することができる。
【0069】
例えば、利用者7が呼び登録をキャンセルすることができない場合は、利用者7がエレベーター4の乗車を取りやめると、エレベーター4が誰も利用しない運行(サービス)を実施することになる。その結果、エレベーター4の運行に無駄が生じてしまう。しかし、本実施形態のエレベーターシステムでは、利用者7が待ち状況に応じて呼び登録をキャンセルすることができるため、エレベーター4の無駄な運行を削減することができる。その結果、エレベーター4の利用者の待ち順番(待ち時間)の短縮化を図ることができる。
【0070】
2.第2実施形態
【0071】
第2実施形態に係るエレベーターシステムは、第1実施形態に係るエレベーターシステムと同様の構成を備えている。第2実施形態に係るエレベーターシステムが、第1実施形態に係るエレベーターシステムと異なる点は、遠隔呼び登録の処理である。そのため、ここでは、第2実施形態に係る遠隔呼び登録の処理について説明し、第1実施形態に係るエレベーターシステムと共通の構成についての説明を省略する。
【0072】
[遠隔呼び登録の処理]
第2実施形態に係るエレベーターシステムの遠隔呼び登録の処理について、
図11を参照して説明する。
図11は、第2実施形態に係るエレベーターシステムの遠隔呼び登録の処理を示すフローチャートである。
【0073】
第2実施形態に係る遠隔呼び登録の処理において、携帯端末5の表示部503に現在階等を入力するための階床選択画面を表示するまでの処理は、第1実施形態に係る遠隔呼び登録の処理におけるS101~S106(
図2参照)と同じである。
【0074】
図12は、第2実施形態に係る階床選択画面を示す図である。
図12に示すように、階床選択画面には、利用者7が現在いる階を入力するための現在階の選択ボタン511と、利用者7の行先階を入力するための行先階の選択ボタン512と、エレベーター呼び登録ボタン513とが表示される。また、階床選択画面には、エレベーター呼び登録ボタン513の下方に乗り合わせ選択ボタン514が表示される。
【0075】
さらに、階床選択画面には、待ち順番の閾値を設定するための閾値設定ボタン515が表示される。利用者7が閾値設定ボタン515をタッチすると、携帯端末5の表示制御部502は、閾値入力画面を表示部503に表示させる。
【0076】
図13は、第2実施形態に係る閾値入力画面を示す図である。
図13に示すように、閾値入力画面には、待ち順番閾値を入力するための待ち順番閾値選択ボタン561と、入力した待ち順番閾値を決定するための決定ボタン562が表示される。待ち順番閾値を設定した場合は、その待ち順番閾値を超える待ち順番である場合に、待ち順番が表示されるようになる。すなわち、待ち順番閾値以内の待ち順番である場合は、待ち順番が表示しされない。
【0077】
利用者7は、閾値入力画面(
図13参照)の待ち順番閾値選択ボタン561をタッチして、待ち順番閾値を入力する、そして、決定ボタン562をタッチして待ち順番閾値を決定する。また、利用者は、階床選択画面(
図12参照)において、現在階、行先階、乗り合わせ可否を入力する。
【0078】
利用者7は、待ち順番閾値、現在階、行先階、乗り合わせ可否を入力後、エレベーター呼び登録ボタン513をタッチする。これにより、携帯端末5の表示制御部502は、入力された待ち順番閾値、現在階、行先階、乗り合わせ可否の呼び情報を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する(S301)。
【0079】
次に、画面制御部104は、受信した利用者7の呼び情報のうちの待ち順番閾値をユーザー情報106として記憶部103に格納する。すなわち、待ち順番閾値は、利用者毎の呼び登録に関わる設定内容の一例を示すものである。
【0080】
待ち順番閾値を記憶部103に格納すると、待ち順番閾値が、利用者IDに紐づけられる。これにより、次回以降の呼び登録では、新たに待ち順番閾値を設定しなくてもよい。なお、次回以降の呼び登録において、待ち順番閾値を変更したい場合は、閾値入力画面(
図13参照)を表示させることで、待ち順番閾値を変更することができる。
【0081】
画面制御部104は、受信した利用者7の呼び情報のうちの現在階、行先階、乗り合わせ可否の情報を、制御装置3の制御部302に送信する(S302)。次に、制御部302は、受信した利用者7の呼び情報を、呼び情報304として記憶部303に格納する(S303)。
【0082】
次に、制御部302は、利用者7の呼び情報以外に、サービス待ちの呼び情報があるか否かを判定する(S304)。すなわち、制御部302は、利用者7以外の利用者が、既に呼び登録を済ませて、サービスを待っているか否かを判定する。
【0083】
S304において、サービス待ちの呼び情報がないと判定したとき(S304がNO判定の場合)、制御部302は、S307の処理に移行する。一方、S304において、サービス待ちの呼び情報があると判定したとき(S304がYES判定の場合)、制御部302は、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可であるか否かを判定する(S305)。
【0084】
S305において、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可でないと判定したとき(S305がNO判定の場合)、制御部302は、S309の処理に移行する。一方、サービス待ちの呼び情報は乗り合わせ可であると判定したとき(S305がYES判定の場合)、制御部302は、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可であるか否かを判定する(S306)。
【0085】
S306において、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可であると判定したとき(S306がYES判定の場合)、制御部302は、S307の処理に移行する。一方、S306において、利用者7の呼び情報は乗り合わせ可でないと判定したとき(S306がNO判定の場合)、制御部302は、S308の処理に移行する。
【0086】
S304がNO判定、又はS306がYES判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード1に決定する(S307)。S306がYES判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード2に決定する(S308)。S305がNO判定の場合、制御部302は、利用者7の呼び情報をモード3に決定する(S309)。S308又はS309において、制御部302は、サービス制御部305に、利用者7の呼び登録に対応するサービスの待ち順番と待ち時間を算出させる。
【0087】
S307、S308、S309の処理後、制御部302は、決定したモードの種別と、サービス制御部305から取得した待ち順番及び待ち時間を、遠隔制御装置1の画面制御部104に送信する(S310)。
【0088】
次に、遠隔制御装置1の画面制御部104は、待ち順番は待ち順番閾値を越えているか否かを判定する(S311)。S311において、待ち順番は待ち順番閾値を越えてない(待ち順番は待ち順番閾値以下)と判定したとき(S311がNO判定の場合)、画面制御部104は、
図5に示す登録受付画面(サービス待ち無し)を表示するための表示指令を生成する。そして、生成した表示指令を携帯端末5の表示制御部502に送信する(S312)。
【0089】
一方、S311において、待ち順番は待ち順番閾値を越えていると判定したとき(S311がYES判定の場合)、画面制御部104は、受信したモード種別、待ち順番、及び待ち時間に従って表示指令を生成する。そして、生成した表示指令を携帯端末5の表示制御部502に送信する(S313)。
【0090】
受信したモード種別がモード1であった場合、画面制御部104は、
図5に示す登録受付画面(サービス待ち無し)を表示するための表示指令を生成する。受信したモード種別がモード2であった場合、画面制御部104は、
図9に示す乗り合わせ及びキャンセル選択画面を表示するための表示指令を生成する。受信したモード種別がモード3であった場合、画面制御部104は、
図10に示すキャンセル選択画面を表示するための表示指令を生成する。
【0091】
次に、携帯端末5の表示制御部502は、受信した表示指令に従った応答画面を表示部503に表示させる(S314)。
【0092】
このように、利用者7が待ち順番閾値を設定することにより、待ち順番閾値以下の待ち順番を報知しないようにすることができる。その結果、待ち順番閾値以下の待ち順番であれば、利用者7は、乗り合わせ可否の変更を検討する必要が無く、呼び登録作業が煩雑にならないようにすることができる。一方、待ち順番が待ち順番閾値を越える場合に、利用者7は、乗り合わせ可否の変更を検討することができる。また、待ち順番が待ち順番閾値を越える場合に、利用者7は、呼び登録をキャンセルすることができる。その結果、エレベーターの待ち状況に応じて最適な移動方法を選択することができる。
【0093】
3.まとめ
以上説明したように、上述した実施形態のエレベーターシステムは、携帯端末5を用いてエレベーター4の乗り合わせ可否の情報を含む呼び登録が可能である。このエレベーターシステムは、制御装置3の制御部302と、制御装置3のサービス制御部305と、遠隔制御装置1の画面制御部104とを備える。
制御部302は、呼び登録に従ってエレベーター4の運行を制御する。
サービス制御部305は、複数の呼び登録に対して、運行が実施されるまでの待ち順番を決定する。
画面制御部104は、呼び登録に応答する画面を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する。
制御部302は、呼び登録を受信した場合に、呼び情報(呼び登録の情報)と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び情報から、呼び情報における乗り合わせ可否を変更することにより、待ち順番が早まるか否かを判定する(S110~S112)。
制御部302の判定結果が待ち順番が早まるモード2(第1判定結果)である場合に、画面制御部104は、乗り合わせ可否を選択可能な画面(
図6参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S117)。
制御部の判定結果が待ち順番が早まらないモード3(第2判定結果)である場合に、画面制御部104は、待ち順番を確認可能な画面(
図7参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する。
これにより、利用者7は、待ち状況(待ち順番)に応じて、最適な移動方法を選択することができる。
【0094】
また、上述した実施形態におけるエレベーターシステムの画面制御部104は、モード2(第1判定結果)である場合に、待ち順番を確認可能であり、且つ、乗り合わせ可否を選択可能な画面(
図6参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S117)。これにより、呼び登録をした利用者7は、待ち順番に応じて乗り合わせ可否を検討することができ、利用者7が最適な移動方法を選択し易くすることができる。
【0095】
また、上述した実施形態におけるエレベーターシステムの画面制御部104は、モード2(第1判定結果)である場合に、待ち順番を確認可能であり、且つ、乗り合わせ可否と呼び登録のキャンセルを選択可能な画面(
図9参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S313)。これにより、呼び登録をした利用者7は、待ち順番に応じて乗り合わせ可否と呼び登録のキャンセルを検討することができ、利用者7が最適な移動方法を選択し易くすることができる。また、呼び登録をした利用者7は、待ち順番に応じて呼び登録をキャンセルすることができ、利用者7の選択の幅を広げることができる。さらに、利用者7が待ち状況に応じて呼び登録をキャンセルすることにより、エレベーター4の無駄な運行を削減することができる。その結果、エレベーター4の利用者の待ち順番(待ち時間)の短縮化を図ることができる。
【0096】
また、上述した実施形態におけるエレベーターシステムの画面制御部104は、モード3(第2判定結果)である場合に、待ち順番を確認可能であり、且つ、呼び登録のキャンセルを選択可能な画面(
図10参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S313)。これにより、呼び登録をした利用者7は、待ち順番に応じて呼び登録のキャンセルを検討することができ、利用者7が最適な移動方法を選択し易くすることができる。また、呼び登録をした利用者7は、待ち順番に応じて乗り合わせ不可の呼び登録のキャンセルを選択することができ、利用者7の選択の幅を広げることができる。また、利用者7が待ち状況に応じて呼び登録をキャンセルすることにより、エレベーター4の無駄な運行を削減することができる。その結果、エレベーター4の利用者の待ち順番(待ち時間)の短縮化を図ることができる。
【0097】
また、上述した実施形態におけるエレベーターシステムの呼び情報(呼び登録の情報)は、順番待ち閾値を含む。画面制御部104は、待ち順番が待ち順番閾値を越えてない場合に、待ち順番を表示しない登録受付画面(
図5参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S312)。また、画面制御部104は、待ち順番が待ち順番閾値を越えている場合に、モード2(第1判定結果)又はモード3(第2判定結果)に応じて表示指令を生成する(S313)。これにより、待ち順番閾値以下の待ち順番であれば、利用者7は、乗り合わせ可否の変更を検討する必要が無くなる。その結果、呼び登録作業が煩雑にならないようにすることができる。一方、待ち順番が待ち順番閾値を越える場合に、利用者7は、乗り合わせ可否の変更や呼び登録のキャンセルを検討することができる。その結果、エレベーターの待ち状況に応じて最適な移動方法を選択することができる。
【0098】
また、上述した実施形態におけるエレベーターシステムのサービス制御部305は、複数の呼び登録に対して、運行が開始されるまでの待ち時間を予測する。画面制御部104は、モード2(第1判定結果)又はモード3(第2判定結果)である場合に、携帯端末5に表示させる画面において待ち時間を確認可能にする表示指令を生成する。これにより、利用者7が待ち状況を詳細に認識することができる。また、利用者7が乗り合わせ可否等を検討する場合の判断材料を増やすことができ、利用者7が最適な移動方法を選択することに貢献することができる。
【0099】
また、上述した実施形態におけるエレベーター呼び方法は、制御部302が、呼び登録を受信する。そして、制御部302が、呼び情報(呼び登録の情報)と、それよりも前に受信して運行が実施されていない他の呼び情報から、呼び情報における乗り合わせ可否を変更することにより、待ち順番が早まるか否かを判定する(S110~S112)。
そして、制御部302の判定結果が待ち順番が早まるモード2(第1判定結果)である場合に、画面制御部104が、乗り合わせ可否を選択可能な画面(
図6参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する(S117)。
また、制御部の判定結果が待ち順番が早まらないモード3(第2判定結果)である場合に、画面制御部104が、待ち順番を確認可能な画面(
図7参照)を携帯端末5に表示させるための表示指令を生成する。
これにより、利用者7は、待ち状況(待ち順番)に応じて、最適な移動方法を選択することができる。
【0100】
以上、本発明のエレベーターシステムについて、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明のエレベーターシステムは、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0101】
例えば、上述した実施形態では、遠隔制御装置1(画面制御部104)と制御装置3(制御部302、サービス制御部305)が一般通信回線2を介して接続されている。しかし、本発明に係る画面制御部は、制御部、サービス制御部等と同じハードウェアとして構成されていてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、待ち順番及び待ち時間を用いて待ち状況を表した。しかし、本発明に係る待ち状況は、他の要素を用いてもよい。例えば、現在階(乗る階)で止まるエレベーターの号機数を用いて待ち状況を表してもよい。この場合は、例えば、「あなたの乗るエレベーターは3号機目です。」と携帯端末5の表示部503に表示させる。
【0103】
また、上述した実施形態では、待ち順番閾値を設定可能な構成にして、待ち順番が待ち順番閾値以下である場合に、待ち順番を携帯端末に表示させないようにした。しかし、本発明に係るエレベーターシステムとしては、待ち時間閾値を設定可能な構成にしてもよい。この場合は、待ち時間が待ち時間閾値以下である場合に、待ち順番或いは待ち時間を携帯端末に表示させないようにする。
【0104】
また、上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1…遠隔制御装置、 2…一般通信回線、 3…制御装置、 4…エレベーター、 5…携帯端末、 6…専用通信回線、 7…利用者、 101…通信部、 102…制御部、 103…記憶部、 104…画面制御部、 105…エレベーター情報、 106…ユーザー情報、 301…通信部、 302…制御部、 303…記憶部、 304…呼び情報、 305…サービス制御部、 501…通信部、 502…表示制御、 503…表示部、 504…呼び問い合わせボタン、 511…現在階の選択ボタン、 512…行先階の選択ボタン、 513…エレベーター呼び登録ボタン、 514…乗り合わせ選択ボタン、 515…閾値設定ボタン、 521…乗降階表示、 522…受付確認表示、 531…待ち順番表示、 532…乗り合わせ不可選択ボタン、 533…乗り合わせ可選択ボタン、 534…戻るボタン、 541…待ち順番表示、 551…待ち順番表示、 552…乗り合わせ可切替ボタン、 553…閉じるボタン、 554…キャンセルボタン、 561…待ち順番閾値選択ボタン、 562…決定ボタン