IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-蓄電装置 図1
  • 特許-蓄電装置 図2
  • 特許-蓄電装置 図3
  • 特許-蓄電装置 図4
  • 特許-蓄電装置 図5
  • 特許-蓄電装置 図6
  • 特許-蓄電装置 図7
  • 特許-蓄電装置 図8
  • 特許-蓄電装置 図9
  • 特許-蓄電装置 図10
  • 特許-蓄電装置 図11
  • 特許-蓄電装置 図12
  • 特許-蓄電装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20240709BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240709BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240709BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240709BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20240709BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20240709BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20240709BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/242 20210101ALN20240709BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/647
H01G11/12
H01G11/78
H01G11/18
H01M50/264
H01M50/204 401H
H01M50/242
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021145085
(22)【出願日】2021-09-07
(65)【公開番号】P2023038404
(43)【公開日】2023-03-17
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 裕也
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-528505(JP,A)
【文献】特開2013-025983(JP,A)
【文献】国際公開第2019/151036(WO,A1)
【文献】特開2021-096954(JP,A)
【文献】特開2021-111562(JP,A)
【文献】特開2015-111493(JP,A)
【文献】特開2019-009084(JP,A)
【文献】中国実用新案第213278229(CN,U)
【文献】特開2021-118150(JP,A)
【文献】特開2021-068523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/262 - 264
H01M 10/613
H01M 10/6556
H01M 10/647
H01G 11/12
H01G 11/78
H01G 11/18
H01M 50/204
H01M 50/242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に積層された複数の蓄電セルの積層体と、
前記積層体を収容するケースとを備え、
前記ケースは、前記第1方向において前記積層体の両端面に各々対向する第1部分および第2部分と、前記第1方向に直交する第2方向において前記積層体の両側面に各々対向する第3部分および第4部分と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向において前記積層体の上面および底面に各々対向する第5部分および第6部分とを含み、
前記第1部分および前記第2部分は、前記積層体の前記両端面に各々当接し、前記積層体から前記第1方向の力を受け、
前記第1部分および前記第2部分は、前記第3部分、前記第4部分、前記第5部分および前記第6部分のそれぞれと、溶接、接着または機械締結により結合され、
前記第1部分および前記第2部分が受けた前記第1方向の力が前記第3部分ないし前記第6部分の全てに伝達されることにより前記積層体が前記第1方向に沿って前記ケースに支持され、
前記複数の蓄電セルの底面は前記第6部分に接触する、蓄電装置。
【請求項2】
第1方向に積層された複数の蓄電セルの積層体と、
前記積層体を収容するケースとを備え、
前記ケースは、前記第1方向において前記積層体の両端面に各々対向する第1部分および第2部分と、前記第1方向に直交する第2方向において前記積層体の両側面に各々対向する第3部分および第4部分と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向において前記積層体の上面および底面に各々対向する第5部分および第6部分とを含み、
前記第1部分および前記第2部分は、前記積層体の前記両端面に各々当接し、前記積層体から前記第1方向の力を受け、
前記第1部分および前記第2部分が受けた前記第1方向の力が前記第3部分ないし前記第6部分の全てに伝達されることにより前記積層体が前記第1方向に沿って前記ケースに支持され、
前記第1部分および前記第2部分は、前記第2方向に沿う長辺と前記第3方向に沿う短辺とを含む矩形形状を各々有し、
前記第1部分および前記第2部分は、前記第2方向に沿って押し出された押出材により形成された部分を各々含み、
前記第1部分および前記第2部分には、前記第2方向に沿って延在する第1空洞および第2空洞が各々設けられる、蓄電装置。
【請求項3】
第1方向に積層された複数の蓄電セルの積層体と、
前記積層体を収容するケースとを備え、
前記ケースは、前記第1方向において前記積層体の両端面に各々対向する第1部分および第2部分と、前記第1方向に直交する第2方向において前記積層体の両側面に各々対向する第3部分および第4部分と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向において前記積層体の上面および底面に各々対向する第5部分および第6部分とを含み、
前記第1部分および前記第2部分は、前記積層体の前記両端面に各々当接し、前記積層体から前記第1方向の力を受け、
前記第1部分および前記第2部分が受けた前記第1方向の力が前記第3部分ないし前記第6部分の全てに伝達されることにより前記積層体が前記第1方向に沿って前記ケースに支持され、
前記第3部分および前記第4部分は、前記第1方向に沿って押し出された押出材により形成された部分を各々含み、
前記第3部分および前記第4部分には、前記第1方向に沿って延在する第3空洞および第4空洞が各々設けられる、蓄電装置。
【請求項4】
前記第5部分は、前記第1部分および前記第2部分に対して前記第1方向から当接するコンタクト部を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第6部分は、冷却媒体通路が形成された冷却プレートを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
第1方向に積層された複数の蓄電セルの積層体と、
前記積層体を収容するケースとを備え、
前記ケースは、前記第1方向において前記積層体の両端面に各々対向する第1部分および第2部分と、前記第1方向に直交する第2方向において前記積層体の両側面に各々対向する第3部分および第4部分と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向において前記積層体の上面および底面に各々対向する第5部分および第6部分とを含み、
前記第1部分および前記第2部分は、前記積層体の前記両端面に各々当接し、前記積層体から前記第1方向の力を受け、
前記第1部分および前記第2部分が受けた前記第1方向の力が前記第3部分ないし前記第6部分の全てに伝達されることにより前記積層体が前記第1方向に沿って前記ケースに支持され、
前記第6部分は、冷却媒体通路が形成された冷却プレートを含み、
前記第6部分は、前記第1方向に沿って押し出された押出材により形成された部分を含み、前記冷却媒体通路は前記第1方向に沿って延在する、蓄電装置。
【請求項7】
前記複数の蓄電セルの底面は前記第6部分に接触する、請求項2、請求項3、および請求項6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルの積層体に圧縮力を掛けながら積層体を収容可能なケースが従来から知られている。このようなケースは、たとえば特開2020-129474号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-129474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電装置のさらなる製造コスト削減、高エネルギー密度化、および省スペース化が求められている。従来の蓄電装置は、これらの観点から必ずしも十分な構成を備えたものではない。
【0005】
本技術の目的は、製造コスト削減、高エネルギー密度化、および省スペース化が可能な蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る蓄電装置は、第1方向に積層された複数の蓄電セルの積層体と、積層体を収容するケースとを備える。ケースは、第1方向に沿って積層体の両端面に各々対向する第1部分および第2部分と、第1方向に直交する第2方向に沿って積層体の両側面に各々対向する第3部分および第4部分と、第1方向および第2方向に直交する第3方向に沿って積層体の上面および底面に各々対向する第5部分および第6部分とを含む。第1部分および第2部分は、積層体の両端面に各々当接し、積層体から第1方向の力を受ける。第1部分および第2部分が受けた第1方向の力が第3部分ないし第6部分の全てに伝達されることにより積層体が第1方向に沿ってケースに支持される。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、製造コスト削減、高エネルギー密度化、および省スペース化が可能な蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る蓄電装置の分解斜視図である。
図2図1に示す蓄電装置のケースの底面部分の断面図である。
図3図1に示す蓄電装置のケースをさらに分解した状態を示す図である。
図4図1に示す蓄電装置のケースのみを示す分解斜視図である。
図5図1に示す蓄電装置の第1方向に沿う断面図である。
図6図1に示す蓄電装置のケースにおける力の流れを示す図である。
図7】実施の形態2に係る蓄電装置のケースのみを示す分解斜視図である。
図8】実施の形態3に係る蓄電装置のケースのみを示す分解斜視図である。
図9】実施の形態3に係る蓄電装置の第1方向に沿う断面図である。
図10】実施の形態4に係る蓄電装置のケースのみを示す分解斜視図である。
図11】実施の形態5に係る蓄電装置のケースのみを示す分解斜視図である。
図12】ケースの側面部分と蓋面部分との接合構造の一例を示す図である。
図13】ケースの側面部分と蓋面部分との接合構造の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0012】
また、本明細書において幾何学的な文言および位置・方向関係を表す文言、たとえば「平行」、「直交」、「斜め45°」、「同軸」、「沿って」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。本明細書において「上側」、「下側」などの相対的な位置関係を表す文言が用いられる場合、それらの文言は、1つの状態における相対的な位置関係を示すものとして用いられるものであり、各機構の設置方向(たとえば機構全体を上下反転させる等)により、相対的な位置関係は反転ないし任意の角度に回動し得る。
【0013】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0014】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電装置」なる用語が用いられる場合、「蓄電セル」ないし「蓄電装置」は電池セルないし電池に限定されず、キャパシタセルないしキャパシタを含み得る。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電池パック(蓄電装置)の分解斜視図である。図1に示すように、電池パックは、積層体100と、積層体100を収容するケース200とを含む。
【0016】
図2は、ケース200の底面部分の断面図である。図3は、ケース200をさらに分解した状態を示す図である。図4は、ケース200のみを示す分解斜視図である。図5は、電池パックのY軸方向に沿う断面図である。図6は、ケース200における力の流れを示す図である。以下、図1図6を参照しながら、本実施の形態に係る電池パックについて説明する。
【0017】
積層体100は、Y軸方向(第1方向)に積層された複数の電池セル110(蓄電セル)およびエンドセパレータ120およびセル間セパレータ130を含む。
【0018】
ケース200は、略直方体形状を有する。ケース200は、第1部分210と、第2部分220と、第3部分230と、第4部分240と、第5部分250と、第6部分260とを含む。第1部分210と第2部分220とは、Y軸方向(第1方向)に沿って対向する。第3部分230と第4部分240とは、X軸方向(第2方向)に沿って対向する。第5部分250と第6部分260とは、Z軸方向(第3方向)に沿って対向する。Y軸方向、X軸方向、およびZ軸方向は、各々互いに直交する。
【0019】
第1部分210および第2部分220は、Y軸方向に沿って積層体100の両端面に各々対向する。第1部分210および第2部分220は、X軸方向に沿う長辺とZ軸方向に沿う短辺とを含む矩形形状を各々有する。
【0020】
第1部分210および第2部分220は、積層体100のY軸方向の両端面に各々当接し、電池セル110の膨張に伴って積層体100からY軸方向の力を受ける。第1部分210および第2部分220に挟持された電池セル110、エンドセパレータ120およびセル間セパレータ130は、Y軸方向に拘束された状態でケース200に収容される。より具体的には、第1部分210および第2部分220が受けたY軸方向の力が第3部分230、第4部分240、第5部分250および第6部分260に伝達され、第3部分230ないし第6部分260が第1部分210および第2部分220をY軸方向に拘束する。これにより積層体100がY軸方向に沿ってケース200に拘束される。
【0021】
第1部分210および第2部分220は、X軸方向(長辺方向)に沿って押し出されたアルミニウムなどの金属製の押出材により形成することができる。第1部分210および第2部分220には、X軸方向に沿って延在する第1空洞210Aおよび第2空洞220Aが各々設けられる。ただし、第1部分210および第2部分220の構成は上記のものに限定されない。
【0022】
第3部分230および第4部分240は、Y軸方向(長辺方向)に沿って押し出されたアルミウムなどの金属製の押出材により形成することができる。第3部分230および第4部分240には、Y軸方向に沿って延在する第3空洞230Aおよび第4空洞240Aが各々設けられる。ただし、第3部分230および第4部分240の構成は上記のものに限定されない。
【0023】
第3部分230および第4部分240のY軸方向の両端面は、第1部分210および第2部分220の側面に結合される。
【0024】
第5部分250は、電極端子(図示せず)が設けられた電池セル110の上面を覆う蓋部分である。第5部分250は、側面部分である第1部分210ないし第4部分240と結合される。第5部分250は、典型的には鋼板により形成されるが、アルミニウム(押出材もしくは板)、または樹脂により第5部分250が形成されてもよい。
【0025】
第6部分260は、電池セル110の底面を覆う底面部分である。電池セル110の底面は、第6部分260に接触する。ここでいう「接触」は、電池セル110の底面を第6部分260に接着して固定することを含む。
【0026】
図2に示すように、第6部分260には、Y軸方向に沿って延在する冷却媒体通路260Aが形成される。つまり、第6部分260は底板となると同時に、セルの冷却の役割も担う冷却プレートとなり得る。第6部分260は、Y軸方向に押し出されたアルミニウムなどの金属製の押出材により形成することができる。
【0027】
アルミニウム材どうしの接合は、溶接によって行われてもよいし、接着によって行われてもよいし、機械締結により行われてもよい。
【0028】
図3に示すように、第6部分260は、第1底面部分261と、第2底面部分262と、第3底面部分263とを含む。第1底面部分261(中央部分)は、第1部分210および第2部分220と結合される。第2底面部分262(側方部分)は、第3部分230と結合される。第3底面部分263(側方部分)は、第4部分240と結合される。第1底面部分261、第2底面部分262、および第3底面部分263を組み合わせることにより、図4に示すように第6部分260が形成される。
【0029】
本実施の形態に係る電池パックにおいては、図5図6に示すように、第1部分210および第2部分220が受けたY軸方向の力が第3部分230、第4部分240、第5部分250および第6部分260のすべてに伝達される。したがって、電池セル110の膨化力をケース200の六面全体で効率的に受け止めることができる。
【0030】
第1部分210ないし第4部分240および第6部分260を各部分の長辺方向に沿って押し出された押出材により形成することにより、各部分の強度を効率よく高めることができる。
【0031】
第3部分230、第4部分240、および第6部分260をY軸方向に沿って押し出された押出材により形成することにより、Y軸方向の強度を高め、より大きなセル膨化力を受け止めることができる。
【0032】
また、電池セル110の積層体100をケース200により直接支持する構造(Cell to Pack)とすることにより、部品点数を削減することができる。
【0033】
以上の結果として、本実施の形態に係る電池パックによれば、コスト削減、高エネルギー密度、省スペース化を実現することができる。
【0034】
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る電池パックのケース200のみを示す分解斜視図である。
【0035】
本実施の形態に係る電池パックは、実施の形態1に係る電池パックの変形例であって、第1部分210および第2部分220のX軸方向の両端面を第3部分230および第4部分240の側面に結合するようにした点を特徴とする。その他の点については、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0036】
本実施の形態に係る電池パックによれば、実施の形態1に係る電池パックに比べて、第1部分210および第2部分220と第3部分230および第4部分240とで形成される角部に発生する応力が高くなる。したがって、本実施の形態に係る構造は、比較的セル膨化力が小さい場合に適している。また、本実施の形態に係る構造は、実施の形態1に係る電池パックに比べて組み付けが比較的容易であり、一層の製造コストの低減を図ることができる。
【0037】
本実施の形態に係る電池パックによれば、実施の形態1と同様に、コスト削減、高エネルギー密度、省スペース化を実現することができる。
【0038】
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に係る電池パックのケース200のみを示す分解斜視図である。図9は、電池パックのY軸方向に沿う断面図である。
【0039】
本実施の形態に係る電池パックは、実施の形態1,2に係る電池パックの変形例であって、図8図9に示すように、ケース200におけるY軸方向の中央部分にX軸方向に延びる第7部分270(中間プレート)が設けられている点を特徴とする。その他の点については、実施の形態1および2と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0040】
図9に示すように、第7部分270のY軸方向の両側に積層体100が各々設けられる。第7部分270は、Y軸方向の両側から電池セル110の膨化力を受け止めて相殺する。第5部分250は、第1部分210ないし第4部分240に加えて、第7部分270にも固定される。
【0041】
第7部分270は、電池パックに側突荷重が入力されたとき、側突衝撃力を吸収することができる。また、第7部分270は、ケース200のねじり剛性を向上させ得る。
【0042】
なお、第7部分270は、ケース200におけるX軸方向の中央部分にY軸方向に延びるように設けられてもよい。
【0043】
第7部分270(中間プレート)を設けることにより、1つの電池パックに搭載する電池セル110の数が多くなり、ケース200の全長ないし全幅が大きくなる場合にも対応することが可能となる。
【0044】
本実施の形態に係る電池パックによれば、実施の形態1および2と同様に、コスト削減、高エネルギー密度、省スペース化を実現することができる。
【0045】
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係る電池パックのケース200のみを示す分解斜視図である。
【0046】
本実施の形態に係る電池パックは、実施の形態3に係る電池パックのさらなる変形例であって、図10に示すように、ケース200におけるY軸方向の中央部分にX軸方向に延びる第7部分270(中間プレート)を設ける(実施の形態3と同様)とともに、X軸方向にケース200を拡張し、X軸方向の中央部分に位置するスペーサ260Bを挟んで2つの第6部分260が設けられている点を特徴とする。その他の点については、実施の形態1ないし3と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0047】
ケース200をX軸方向にも拡張することにより、さらに多くの電池セル110を1つの電池パックに搭載することが可能となる。
【0048】
本実施の形態に係る電池パックによれば、実施の形態1ないし3と同様に、コスト削減、高エネルギー密度、省スペース化を実現することができる。
【0049】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係る電池パックのケース200のみを示す分解斜視図である。
【0050】
本実施の形態に係る電池パックは、実施の形態1ないし4に係る電池パックの変形例であって、図11に示すように、ケース200の第1部分210および第2部分220と第5部分250との間にせん断構造を設けた点を特徴とする。その他の点については、実施の形態1ないし4と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0051】
より具体的には、ケース200の第5部分250は、第1部分210および第2部分220に対してY軸方向から当接するコンタクト部251を含む。第1部分210および第2部分220には、コンタクト部211,221(凹部)が各々形成される。第5部分250のコンタクト部251が、第1部分210および第2部分220のコンタクト部211,221にY軸方向から当接する。
【0052】
第5部分250にコンタクト部251を設けることにより、第1部分210および第2部分220から第5部分に向けて効率的にY軸方向の力を伝達することが可能となり、より大きなセル膨化力をケース200により受け止めることが可能となり得る。
【0053】
本実施の形態に係る電池パックによれば、実施の形態1ないし4と同様に、コスト削減、高エネルギー密度、省スペース化を実現することができる。
【0054】
(蓋面部分の接合構造)
図12図13は、ケース200の側面部分と蓋面部分との接合構造の例を示す図である。
【0055】
図12図13に示す例では、第5部分250は、接着/シーリング層290を介して第1部分210(第2部分220ないし第4部分240も同様)に当接する。締結部材280A,280Bが第5部分250を貫通し、第1部分210に固定される。
【0056】
図12に示す締結部材280Aはフロードリルスクリュー(FDS)である。締結部材280Aは、塑性流動により第1部分210側に雌ねじを形成しながら第5部分250を第1部分210に固定する。
【0057】
図13に示す締結部材280Bはボルトまたはねじであり、第1部分210に予めねじインサート280Cがはめ込まれたねじ穴212が形成されており、締結部材280Bがねじインサート280Cに挿入されることにより第5部分250が第1部分210に固定される。
【0058】
ただし、ケース200の側面部分と蓋面部分との接合構造は図12図13に示すものに限定されない。
【0059】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
100 積層体、110 電池セル、120 エンドセパレータ、130 セル間セパレータ、200 ケース、210 第1部分、210A 第1空洞、211 コンタクト部、212 ねじ穴、220 第2部分、220A 第2空洞、221 コンタクト部、230 第3部分、230A 第3空洞、240 第4部分、240A 第4空洞、250 第5部分、251 コンタクト部、260 第6部分、260A 冷却媒体通路、260B スペーサ、261 第1底面部分、262 第2底面部分、263 第3底面部分、270 第7部分、280A,280B 締結部材、280C ねじインサート、290 接着/シーリング層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13