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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】落下検出システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240709BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20240709BHJP
   A63G 31/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G06F3/0481
A63F13/25
A63G31/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021539874
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020013163
(87)【国際公開番号】W WO2020146783
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】62/791,735
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/738,908
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トルヒーヨ トマス マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】グラハム マーティン エヴァン
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-038707(JP,A)
【文献】特開2013-195867(JP,A)
【文献】国際公開第2018/165170(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
A63F 13/25
A63G 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを検出するように構成された検出システムであって、
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合されたセンサと、
プロセッサであって、
前記ウェアラブル視覚化デバイスが乗り物周期中の乗り物車両によって運ばれている間の前記ウェアラブル視覚化デバイスのトータル加速度を示す信号を前記センサから受信し、
前記乗り物周期中の前記乗り物車両の加速度を示すデータを受信し、
前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度と前記乗り物車両の前記加速度とを使用して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度から、前記乗り物車両に対する前記ウェアラブル視覚化デバイスの加速度を示す前記ウェアラブル視覚化デバイスの個別の加速度を分離し、
前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記個別の加速度が加速度しきい値を超えることに応じて前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定し、
前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて前記乗り物車両を有するアトラクションシステムに前記乗り物周期中の前記乗り物車両の移動の経路を調整するよう指示する、
ように構成されたプロセッサと、
を備える、検出システム。
【請求項2】
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いのイベントの数を経時的に判定し、前記イベントの数がカウントしきい値を超えると判定されることに応じて前記発光体の発光を指示するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記信号に基づいて前記不適切な取り扱いの重大度を判定するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記重大度が第1のレベルであると判定されることに応じて第1の色での前記発光体の発光を指示し、前記重大度が第2のレベルであると判定されることに応じて第2の色での前記発光体の発光を指示するように構成されている、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記信号のパラメータを1以上のパラメータしきい値と比較することによって前記重大度を判定するように構成されている、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項6】
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて前記ウェアラブル視覚化デバイスの少なくとも1つのコンポーネントの動作を停止させるように構成されており、前記少なくとも1つのコンポーネントは、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)および/または複合現実体験をユーザに提供するように構成された前記ウェアラブル視覚化デバイスの1以上のレンズを含む、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記信号に基づいて前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いのタイプを判定するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項8】
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記タイプが前記ウェアラブル視覚化デバイスが落下したことと相関すると判定されることに応じて第1の色での前記発光体の発光を指示し、前記タイプが前記ウェアラブル視覚化デバイスが投擲されたことと相関すると判定されることに応じて第2の色での前記発光体の発光を指示するように構成されている、
請求項7に記載の検出システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて、前記ウェアラブル視覚化デバイスから遠隔に配置された遠隔システムに通知を提供するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項10】
前記遠隔システムは、前記アトラクションシステムを備え、
前記通知は、前記アトラクションシステムにアトラクションの特徴を調整させるように構成されている、
求項に記載の検出システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて、前記乗り物車両上の発光体の動作を調整するための指示を生成するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項12】
前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて、前記発光体の発光を指示するように構成されている、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項13】
ウェアラブル視覚化デバイスであって、
インターフェースデバイスを介してユーザの頭と結合するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合され、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)および/または複合現実の特徴を前記ユーザの視線上にオーバーレイするように構成された1以上のレンズと、
前記ハウジングによって支持され、前記ウェアラブル視覚化デバイスの動きを検出するように構成されたセンサと、
前記センサから信号を受信し、前記ウェアラブル視覚化デバイスの検出された動きに基づいて、前記ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲されたことを前記信号が示すか否かを判定し、前記ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲されたことを前記信号が示すと判定されることに応じて、乗り物車両を有するアトラクションシステムおよび前記ウェアラブル視覚化デバイスに、荷積み/荷降ろしゾーンからの前記乗り物車両の移動を遮断するよう指示するように構成されたプロセッサと、
を備える、ウェアラブル視覚化デバイス。
【請求項14】
前記ハウジングによって支持された発光体を備え、
前記プロセッサは、前記ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲された回数を経時的に判定し、前記回数がカウントしきい値を超えると判定されることに応じて前記発光体の発光を指示するように構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル視覚化デバイス。
【請求項15】
前記ハウジングによって支持された発光体を備え、
前記プロセッサは、
前記信号に基づいて前記ウェアラブル視覚化デバイスの落下または投擲の重大度を判定し、
前記重大度が第1のレベルであると判定されることに応じて第1の色での前記発光体の発光を指示し、前記重大度が第2のレベルであると判定されることに応じて第2の色での前記発光体の発光を指示する、
ように構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル視覚化デバイス。
【請求項16】
前記センサによって生成された前記信号は、前記ウェアラブル視覚化デバイスが乗り物周期中の前記乗り物車両によって運ばれている間の前記ウェアラブル視覚化デバイスのトータル加速度を示し、
前記プロセッサは、
前記乗り物周期中の前記乗り物車両の加速度を示すデータを受信し、
前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度と前記乗り物車両の前記加速度とを使用して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度から、前記乗り物車両に対する前記ウェアラブル視覚化デバイスの加速度を示す前記ウェアラブル視覚化デバイスの個別の加速度を分離し、
前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記個別の加速度が加速度しきい値を超えることに応じて、前記信号が、前記ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲されたことを示すと判定する、
ように構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル視覚化デバイス。
【請求項17】
前記インターフェースデバイスを備え、
前記インターフェースデバイスは、ヘッドストラップアセンブリを介して前記ユーザの前記頭と結合するように構成されている、
請求項13に記載のウェアラブル視覚化デバイス。
【請求項18】
ェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを検出する検出システムを使用する方法であって、
プロセッサで、前記ウェアラブル視覚化デバイスに結合されたセンサから、乗り物周期中の乗り物車両によって運ばれている前記ウェアラブル視覚化デバイスのトータル加速度を示す信号を受信することと、
前記プロセッサで、前記乗り物周期中の前記乗り物車両の加速度を示すデータを判定することと、
前記プロセッサを介して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度と前記乗り物車両の前記加速度とを使用して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記トータル加速度から、前記乗り物車両に対する前記ウェアラブル視覚化デバイスの加速度を示す前記ウェアラブル視覚化デバイスの個別の加速度を分離することと、
前記プロセッサを使用して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの前記個別の加速度に応じて、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定することと、
前記プロセッサを使用して、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて、前記乗り物車両を有するアトラクションシステムに前記乗り物周期中の前記乗り物車両の移動の経路を調整するか、または、荷積み/荷降ろしゾーンからの前記乗り物車両の移動を遮断するよう指示することと、
を備える、方法。
【請求項19】
前記プロセッサを介して、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて前記ウェアラブル視覚化デバイスの1以上のレンズ上での拡張現実(AR)、仮想現実(VR)および/または複合現実の特徴の表示を停止させることを備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサを介して、前記信号が前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて、前記ウェアラブル視覚化デバイスから遠隔に配置された遠隔システムに通知を提供する、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記乗り物周期中の前記乗り物車両の前記加速度を示す前記データは、前記乗り物車両の既知の加速度プロファイルであり、
前記方法は、
前記プロセッサを介して、前記乗り物車両の既知の加速度プロファイルに基づいて、前記乗り物周期中の前記乗り物車両の加速度を判定することであって、前記既知の加速度プロファイルは、前記乗り物車両の荷積み/荷降ろし動作の間の前記乗り物周期の連続的なコース中に繰り返される前記乗り物車両の前記加速度の期待値を示すデータを含む、こと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記プロセッサを使用して、前記ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いのイベントの数を経時的にカウントすることと、
前記プロセッサを使用して、前記イベントの数がカウントしきい値を超えると判定されることに応じて発光体の発光を指示することと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
この出願は、2019年1月11日に出願された「高スループットのアトラクションのための拡張現実(AR)ヘッドセット」というタイトルの米国仮出願番号62/791,735からの優先権およびその利益を主張するものであり、当該仮出願のすべては参照によって組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、以下に記載および/または主張される本技術の様々な側面に関連しうる技術の様々な側面を読者に紹介することを意図している。この検討は、本開示の様々な側面のより良い理解を容易化するための背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記述は、先行技術の承認としてではなく、この観点で読まれるべきであることを理解されたい。
【0003】
アミューズメントパークおよび/またはテーマパークは、ゲストに楽しみを提供するために設計されている。アミューズメントパークのエリアは、特定のオーディエンスを特に対象とした様々なテーマを有しうる。たとえば、あるエリアは、子供が伝統的に興味を持つテーマを含むことがあり、他のエリアは、より成熟した者が伝統的に興味を持つテーマを含むことがあり。一般に、テーマを有するそのようなエリアは、アトラクションまたはテーマアトラクションと呼ばれることがある。テーマを仮想特徴で拡張するなどによって、そのようなアトラクションのゲストの没入型体験を強化することが望ましい場合があることが認識されている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される特定の実施形態の概要が以下に記載される。これらの側面は、単に読者にこれらの特定の実施形態の簡単な概要を提供するために提示されており、これらの側面は、本開示の範囲を限定することを意図していない、ということを理解されたい。実際に、この開示は、以下に記載されていない可能性がある様々な側面を包含しうる。
【0005】
一実施形態において、検出システムは、ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを検出するように構成されている。検出システムは、ウェアラブル視覚化デバイスに結合されたセンサと、ウェアラブル視覚化デバイスに結合された発光体と、センサから信号を受信するように構成されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、信号がウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すか否かを判定し、信号がウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定されることに応じて発光体の発光を指示するようにも構成されている。
【0006】
一実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイスは、ハウジングと、ハウジングによって支持され、ウェアラブル視覚化デバイスの動きを検出するように構成されたセンサと、ハウジングによって支持された発光体と、センサから信号を受信し、ウェアラブル視覚化デバイスの検出された動きに基づいて、ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲されたことを信号が示すか否かを判定し、ウェアラブル視覚化デバイスが落下または投擲されたことを信号が示すと判定されることに応じて発光体の発光を指示するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0007】
一実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを検出する検出システムを使用する方法は、プロセッサで、ウェアラブル視覚化デバイスに結合されたセンサから信号を受信することを含む。方法は、プロセッサを使用して、信号がウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いを示すと判定することも含む。方法は、プロセッサを使用して、ウェアラブル視覚化デバイスの不適切な取り扱いのイベントの数を経時的にカウントすることをさらに含む。方法は、プロセッサを使用して、イベントの数がカウントしきい値を超えると判定されることに応じて発光体の発光を指示することをさらに含む。
【0008】
本開示の様々な態様に関連して、上記の特徴の様々な改良が行われうる。これらの様々な側面には、さらなる特徴が組み込まれうる。これらの改良および追加の特徴は、個別に、または任意の組み合わせで存在しうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、図面全体にわたって同様の文字が同様の部分を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明が読まれるときによりよく理解されよう。
【0010】
図1図1は、本実施形態にかかる、係合構成(engaged configuration)における拡張現実、仮想現実、および/または複合現実システム(AR/VRシステム)のウェアラブル視覚化デバイスおよびインターフェースデバイスの透視図である。
【0011】
図2図2は、本実施形態にかかる、離脱構成(detached configuration)における図1のウェアラブル視覚化デバイスおよびインターフェースデバイスの透視図である。
【0012】
図3図3は、本実施形態にかかる、図1のウェアラブル視覚化デバイスの検出システムのコンポーネントの概略図である。
【0013】
図4図4は、本実施形態にかかる、図1のAR/VRシステムが利用されうる乗り物アトラクションの一部の透視図である。
【0014】
図5図5は、本実施形態にかかる、図1のAR/VRシステムを使用する方法である。
【0015】
図6図6は、本実施形態にかかる、図1のウェアラブル視覚化デバイスを介して提示されうる質問の概略図であって、ウェアラブル視覚化デバイスは、ユーザがジェスチャ入力で質問に応答することを可能とする、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の1以上の特定の実施形態が以下に記載される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装のすべての特徴が本明細書に記載されていないことがある。このような実際の実装の開発においては、任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様、システム関連およびビジネス関連の制約への準拠のような、実装ごとに異なりうる開発者の特定の目標を達成するために実装固有の多数の決定をくだす必要がある、ということを理解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとって、設計、製作、および製造の日常的な仕事である、ということを理解されたい。
【0017】
本開示の様々な実施形態の要素の導入時において、「a」、「an」、および「the」という冠詞は、1以上の要素が存在する、ということを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、リスト化された要素以外の追加要素が存在しうる、ということを意味している。さらに、本開示の「一実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない、ということを理解されたい。
【0018】
アミューズメントパークは、AR/VR体験(たとえば、AR体験、VR体験、またはその両方)をゲストに提供することによってゲストの体験を強化するように構成された拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、および/または混合現実(ARとVRとの組み合わせ)システム(たとえば、AR/VRシステム)を含みうる。実際に、特定のハードウェア構成、ソフトウェア構成(たとえば、アルゴリズム構造および/またはモデル化された応答)ばかりでなく特定のアトラクション特徴の組み合わせは、カスタマイズされた、パーソナライズされた、および/またはインタラクティブなAR/VR体験をゲストに提供するために利用されうる。たとえば、AR/VRシステムは、ゲストによって着用されうるとともにゲストが仮想特徴を見ることを可能とするように構成された、ヘッドマウントディスプレイ(たとえば、電子ゴーグルまたはディスプレイ、眼鏡)のような、ウェアラブル視覚化デバイスを含みうる。特に、ウェアラブル視覚化デバイスは、アミューズメントパークの実世界環境に仮想特徴をオーバーレイしたり、アトラクションにおいて様々な体験を提供するために調整可能な仮想環境を提供したりするなどによって、ゲストの体験を強化するために利用されうる。
【0019】
有利なことに、開示された実施形態は、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われたか(たとえば、落下または投擲のような不運なまたは潜在的に有害な事象を経験したか)否かを監視するように構成された検出システム(たとえば、落下検出システム)を提供する。特に、検出システムは、ウェアラブル視覚化デバイスに結合され、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われていることを示す1以上のパラメータ(たとえば、加速度および/または減速度)を監視するように構成されるセンサ(たとえば、慣性測定ユニット[IMU])を含みうる。センサは、パラメータを示す信号を、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に処理されたか否かを判定するために信号を処理し、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に処理されたと判断されることに応じて1以上のアクションを引き起こしうるコントローラ(たとえば、電子コントローラ)に提供しうる。たとえば、コントローラは、ウェアラブル視覚化デバイス上で、アトラクションの乗り物車両上で、アトラクションのオペレータステーションで、ライト(たとえば、発光体、発光ダイオード[LED])の発光を引き起こすか、さもなければウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われたという通知を提供しうる。いくつかの実施形態において、コントローラは、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われた回数(たとえば、センサからの信号によって示される、ウェアラブル視覚化デバイスの加速度が加速度しきい値を超えた回数)を経時的にカウントしうるとともに、コントローラは、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われた回数がカウントしきい値を超えた回数に応じて、1以上のアクションを引き起こしうる。したがって、検出システムは、不適切に取り扱われることに起因して損傷した可能性のある任意のウェアラブル視覚化デバイスの効率的な除去を容易化しうるとともに、機能しているウェアラブル視覚化デバイスを伴うアトラクションをゲストが体験できるように、AR/VRシステムの動作を容易化しうる。
【0020】
上記を念頭に置いて、図1は、ユーザ(たとえば、ゲスト、アミューズメントパークの従業員、アトラクションのオペレータ、乗り物車両の乗員)がAR/VR場面を体験する(たとえば、見る、対話する)ことを可能とするように構成されたAR/VRシステム10(たとえば、ウェアラブル視覚化システム)の実施形態の透視図である。示されているように、AR/VRシステム10は、AR/VRシステム10の使用を容易化するために互いに取り外し可能に結合可能でありうるウェアラブル視覚化デバイス12(たとえば、ヘッドマウントディスプレイ)およびゲストインターフェースデバイス14を含む。
【0021】
図示された実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ウェアラブル視覚化デバイス12のハウジング18に結合されたレンズ部16を含む。レンズ部16は、1以上のレンズ20(たとえば、ディスプレイ、透明、半透明、不透明)を含む。いくつかの実施形態において、レンズ20は、実世界環境22に統合されている仮想特徴24をユーザが知覚するように、レンズ20上に特定の仮想特徴24(たとえば、AR特徴)がオーバーレイされたレンズ20を通して、ユーザが実世界環境22(たとえば、アトラクション内の物理的構造)を見ることを可能とする。つまり、レンズ部16は、仮想特徴24をユーザの視線上にオーバーレイすることによって、ユーザの視界を少なくとも部分的に制御しうる。この目的を達成するために、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ユーザがレンズ20を通して見ることができる実世界環境22上にオーバーレイされた特定の仮想特徴24を有する超現実環境26(たとえば、ゲーム環境)をユーザが想像および知覚することを可能としうる。
【0022】
非限定的な例として、レンズ20は、透明(たとえば、シースルー)発光ダイオード(LED)ディスプレイまたは透明(たとえば、シースルー)有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含みうる。いくつかの実施形態において、レンズ部16は、ユーザの両目に画像を表示するように特定の距離をまたぐシングルピース構造から形成されうる。つまり、そのような実施形態において、レンズ20(たとえば、第1のレンズ28、第2のレンズ30)は、単一の連続した材料片から形成され、第1のレンズ28は、ユーザの第1の目と位置合わせされ、第2のレンズ30は、ユーザの第2の目と位置合わせされうる。他の実施形態において、レンズ部16は、2以上の別個のレンズ20から形成されるマルチピース構造でありうる。
【0023】
いくつかの実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、(たとえば、不透明な観察面を使用して)ユーザの視界を完全に制御しうる。つまり、レンズ20は、仮想特徴24(たとえば、VR特徴)をユーザに対して表示するように構成された不透明または非透明のディスプレイを含みうる。したがって、ユーザによって見ることができる超現実環境26は、たとえば、1以上の仮想特徴24と電子的にマージされた実世界環境22の実世界画像を含むリアルタイム映像でありうる。これにより、ウェアラブル視覚化デバイス12を着用すると、ユーザは、超現実環境26に完全に包囲されていると感じうるとともに、超現実環境26を、特定の仮想特徴24を含む実世界環境22であると知覚しうる。いくつかの実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、特定の仮想特徴24がユーザによって見ることができる実世界のオブジェクト上に重ね合わされるように、ユーザの一方または両方の目に光を投影するように構成された、光投影特徴のような、特徴を含みうる。そのようなウェアラブル視覚化デバイス12は、網膜ディスプレイを含むと見なされうる。
【0024】
そのため、超現実環境26は、AR体験、VR体験、複合現実体験、コンピュータ媒介現実体験、それらの組み合わせ、または他の同様の超現実環境を含みうる、ということを理解されたい。さらに、ウェアラブル視覚化デバイス12は、超現実環境26を作成するために、単独でまたは他の特徴との組み合わせで使用されうる、ということを理解されたい。実際に、以下で論じられるように、ユーザは、アミューズメントパークの乗り物アトラクション中、または、ゲーム中、アミューズメントパークの特定のエリアまたはアトラクションのいたるところ、アミューズメントパークに関連付けられたホテルへの、ホテルでの乗車中などのような他の時間中に、ウェアラブル視覚化デバイス12を着用しうる。いくつかの実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ウェアラブル視覚化デバイス12の構造物からの分離を防ぐために構造物(たとえば、乗り物車両)に物理的に結合され(たとえば、ケーブル32を介してつながれ)、および/または、ウェアラブル視覚化デバイス12の動作を容易化するために(たとえば、仮想特徴24を表示するために、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われたか否かを監視するとともに関連する通知を提供するために)コンピューティングシステムに(たとえば、ケーブル32を介して)電子的に結合されうる。
【0025】
示されているように、ウェアラブル視覚化デバイス12がゲストインターフェースデバイス14に結合されている係合構成34と、ウェアラブル視覚化デバイス12がゲストインターフェースデバイス14から分離している非係合構成36(disengaged configuration)(たとえば、図2参照)と、の間でウェアラブル視覚化デバイス12が迅速に遷移することを可能とするように、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ゲストインターフェースデバイス14に取り外し可能に結合可能(たとえば、ツールレス結合可能、ツール不使用で結合可能、ボルトのようなねじ付き締め具なしで結合、ツール不使用でかつウェアラブル視覚化デバイス12またはゲストインターフェースデバイス14のコンポーネントを破壊せずに分離可能)である。図示された実施形態において、ゲストインターフェースデバイス14は、ユーザの頭に張り付けられるように構成されており、このため、様々なアトラクション全体でまたは特定のアミューズメントパーク環境を横断しながらユーザがウェアラブル視覚化デバイス12を快適に着用することを可能とする。たとえば、ゲストインターフェースデバイス14は、ユーザの頭の周囲をまたぐように構成されるとともに、ユーザの頭において締まる(たとえば、収縮する)ように構成されたヘッドストラップアセンブリ38を含みうる。この方法において、ヘッドストラップアセンブリ38は、ゲストインターフェースデバイス14をユーザの頭に取り付けることを容易化し、その結果、ゲストインターフェースデバイス14は、(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12が係合構成34にある場合に)ウェアラブル視覚化デバイス12をユーザ上で保持するために利用されうる。
【0026】
そのような構成は、(たとえば、不適切に取り扱われていることなどに起因してウェアラブル視覚化デバイス12が保守点検されるべきと判定されたときに)ユーザまたは別の人(たとえば、オペレータ、保守技術者)がウェアラブル視覚化デバイス12をゲストインターフェースデバイス14に対して効率的に結合および分離することを可能としうる。しかしながら、ウェアラブル視覚化デバイス12および/またはゲストインターフェースデバイス14は、ウェアラブル視覚化デバイス12が本明細書に記載された方法で機能することを可能とする様々な形態または構造のうちいずれかを有しうる、ということを理解されたい。たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12は、別個のゲストインターフェースデバイス14なしで使用され、および/または、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ゲストインターフェースデバイス14と一体的に形成されうる。示されているように、ウェアラブル視覚化デバイス12は、センサ40(たとえば、IMU)および/または1以上のライト42(たとえば、LED)を含みうる。以下でより詳細に論じられるように、センサ40は、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われていることを示す1以上のパラメータ(たとえば、加速度および/または減速度)を監視するように構成されうるとともに、ライト42は、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われたと(たとえば、コントローラによって)判定されたことに応じて明るくなるように構成されうる。このようにして、ウェアラブル視覚化デバイス12は、(たとえば、目視検査時に)ウェアラブル視覚化デバイス12が損傷されていないように見えたとしても、潜在的に損傷されていると識別されうるとともに、保守作業のためにフラグが立てられうる。
【0027】
図2は、AR/VRシステム10の実施形態の透視図であり、離脱構成36におけるウェアラブル視覚化デバイス12およびゲストインターフェースデバイス14を示している。いくつかの実施形態において、ハウジング18は、集合的にハウジング18を形成しうる、蓋44、シャーシ46、およびレンズマウント48(たとえば、レンズ部16を支持するように構成されたパネル)のような、複数のパネル(たとえば、ハウジング部、成型および/または機械加工されたパネル)から組み立てられうる。以下に論じられるように、パネルの一部または全部は、ウェアラブル視覚化デバイス12の様々なサブコンポーネント(たとえば、センサ40、ライト42、コントローラのような他の電子コンポーネント)を受容および/または結合するように構成されたコンポーネント合わせ特徴(component mating features)(たとえば、パネルの表面の機械加工および/または成型された特徴)を含みうる。
【0028】
以下に論じられるように、1以上のパネルへのサブコンポーネントの設置の後、パネルは、ハウジング18を形成するように組み立てられ(たとえば、締め具、接着剤、および/または他の技術によって互いに結合され)うる。したがって、ハウジング18は、ハウジング18内のサブコンポーネントの少なくとも一部を実質的にシール(たとえば、気密シール)してウェアラブル視覚化デバイス12をとりまく周囲環境要素(たとえば、水分)への直接的な露出からこれらのサブコンポーネントを保護するようにサブコンポーネントを支持および/またはサブコンポーネントをカプセル化しうる。他の実施形態では、蓋44、シャーシ46、およびレンズマウント48よりも追加的なまたは少ないパネルからハウジング18が組み立てられうる、ということが理解される。実際、特定の実施形態において、ハウジング18は、組立構成において集合的にハウジング18を形成する1、2、3、4、5、6、または6つを超える個別のパネルを含みうる。
【0029】
ウェアラブル視覚化デバイス12の任意の位置にセンサ40が配置され、および/または任意の数(たとえば、1、2、3、4、またはそれ以上)のセンサ40が提供されうる、ということも理解されたい。非限定的な例として、センサ40は、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、全地球測位システム受信機、モーショントラッキングセンサ、電磁およびソリッドステートモーショントラッキングセンサ、および/またはIMUのような位置および/または衝撃センサでありうる。センサ40がIMUである場合、IMUは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、およびセンサフュージョンアルゴリズムを実行するためのプロセッサを備えた9自由度のシステムオンチップを含みうる。そのため、IMUからの信号は、(たとえば、重力ベクトルに対する)ウェアラブル視覚化デバイス12の加速度および/または方位を判定するために使用されうる。ウェアラブル視覚化デバイス12は、様々なパラメータを検出する様々なタイプのセンサ40(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12の加速度を検出するIMU、およびウェアラブル視覚化デバイス12上の衝撃の位置を検出する1以上の衝撃センサ)のような様々なタイプのセンサ40を含みうる。
【0030】
同様に、ウェアラブル視覚化デバイス12の任意の位置にライト42が配置され、および/または、任意の数(たとえば、1、2、3、4、またはそれ以上)のライト42が提供されうる。ライト42は、ウェアラブル視覚化デバイス12がゲストインターフェースデバイス14に結合されている間に見ることができ、ウェアラブル視覚化デバイス12がドッキングされている(たとえば、乗り物車両のような構造物に結合または格納されている)間に見ることができ、ユーザがウェアラブル視覚化デバイス12を着用している間にユーザにとって見ることができ、および/または、ライト42が明るくなっている間にライト42の視覚化を容易化するためにオペレータ(たとえば、ユーザ以外の人)にとって見ることができるように、配置されうる。
【0031】
図3は、ウェアラブル視覚化デバイス12の検出システム50(たとえば、落下検出システム)の構成要素の概略図である。示されているように、検出システム50は、ウェアラブル視覚化デバイス12のセンサ40およびライト42を含みうる。検出システム50は、プロセッサ54およびメモリデバイス56を有するコントローラ52も含みうる。示されているように、コントローラ52は、ウェアラブル視覚化デバイス12上に配置されうるが、コントローラ52は、乗り物車両、またはウェアラブル視覚化デバイス12から遠隔に配置されたシステム上など、ウェアラブル視覚化デバイス12から離れて配置されうる、ということを理解されたい。さらに、コントローラ52によって実行されるものとして本明細書に記載される機能および処理ステップは、コントローラ52と、任意の他の適切なコントローラまたは処理システム(たとえば、センサ40、乗り物車両、ウェアラブル視覚化デバイス12から遠隔に配置されたシステムのもの、コントローラ52は、複数のプロセッサを有する分散制御システムまたはその一部でありうる)との間で分割されうる。たとえば、センサ40は、加速度しきい値を超えた加速度の数をカウントするように構成された第1のプロセッサを有するIMUでありうるとともに、センサ40は、さらなる処理のための、および/または第2のプロセッサがライト42を明るくするなどの特定のアクションを実行することを可能とする第2のプロセッサにその数を提供しうる。したがって、プロセッサ54は、任意の適切な場所に配置された1以上のプロセッサを含みうるとともに、メモリデバイス56は、任意の適切な場所に配置された1以上のメモリデバイスを含みうる。
【0032】
メモリデバイス56は、プロセッサ54によって実行可能なインストラクションおよび/またはプロセッサ54によって処理されるデータ(たとえば、パラメータ、イベントの数)を記憶する1以上の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体を含みうる。たとえば、メモリデバイス56は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、光ディスクなどのような書き換え可能な不揮発性メモリを含みうる。さらに、プロセッサ54は、1以上の汎用マイクロプロセッサ、1つ以上の特定用途向けプロセッサ(ASIC)、1以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。さらに、メモリデバイス56は、本明細書に記載される方法および制御アクションを実行するために、プロセッサ54によって実行可能なインストラクションを記憶しうる。コントローラ52は、(たとえば、プロセッサおよびメモリデバイスを備えたコンピューティングシステムを有する)オペレータシステム60および/または(たとえば、プロセッサおよびメモリデバイスを備えたコンピューティングシステムを有する)アトラクションシステム62のような他のデバイスまたはシステムとの通信ネットワークを介した通信を可能にする通信デバイス58も含みうる。
【0033】
センサ40は、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われていることを示す1以上のパラメータを検出するように構成されうる。たとえば、ユーザがウェアラブル視覚化デバイス12を(たとえば、地面に向かっての自由落下で/重力ベクトルに沿って)落下させた場合、センサ40は、加速度(たとえば、突然の加速または減速)を検出しうる。センサ40は、加速度(たとえば、最大加速度値)を加速度しきい値(たとえば、加速度しきい値の値)と比較することによって信号を処理しうるプロセッサ54に信号を提供しうる。プロセッサ54は、加速度が加速度しきい値を超えていると判定されたことに応じて、ウェアラブル視覚化デバイス12が落下されたと判定するように構成されうる。加速度は、落下および/または投擲を検出する様々な方法を包含する広義の用語であり、そのため、加速度は負でありうるとともに、加速度しきい値は、(たとえば、落下に起因する)負の加速度しきい値でありうるか、または、加速度しきい値は、(たとえば、衝撃に起因する突然の停止に起因する)減速度しきい値とみなされうる、ということを理解されたい。プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われたか否かを判定するため(および以下で論じられるイベントを特徴づけるため)に、経時的な加速度および/または他のパラメータ(たとえば、加速度パターンまたはシグニチャ)を判定および解析するとみなされることもありうる。
【0034】
加速度しきい値を超えている加速度は、一般に、落下の重大度(たとえば、重大度レベル)が重大度しきい値を超える(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12の動きが、ウェアラブル視覚化デバイス12が潜在的に損傷されうる落下と見なされるのに十分である)ことを示しうる。したがって、加速しきい値は、重大度しきい値を表しうる。いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、加速度を、それぞれ異なる重大度しきい値を表すとともにプロセッサが落下の重大度をより正確に判定することを可能とする複数の加速しきい値と比較しうる。たとえば、加速度が第1の加速度しきい値を上回り、かつ第2の加速度しきい値を下回る場合、プロセッサ54は、落下が、発生したとともに、第1の低い重大度レベルを有する、と判定しうる。また、加速度が第1および第2の加速度しきい値の両方を超える場合、プロセッサ54は、落下が、発生したとともに、第2の高い重大度レベルを有する、と判定しうる。プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12が投擲されたことを判定するとともに、同様の方法(たとえば、1以上の加速度しきい値との比較)で投擲の重大度を判定するように構成されうる。センサ40は、ウェアラブル視覚化デバイス12の減速度、角速度、および/または、(たとえば、重力ベクトルに対する)方位のような様々な他のパラメータを追加的または代替的に検出しうる、ということを理解されたい。プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12が落下したか否か、さもなければ不適切に処理されたか否かと、関連付けられた重大度レベルと、を判定するために、同様の方法(たとえば、1以上のしきい値との比較)でセンサ40からの信号を処理しうる。
【0035】
いくつかの実施形態では、パラメータに関係なく、およびパラメータの数に関係なく、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12の動きの特性を判定するために(たとえば、イベントを落下または投擲として特徴づけるためなど、イベントおよび/または不適切な取り扱いを特徴付けるために)センサ40からの信号を処理しうる。たとえば、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12が落下したこと、落下中のウェアラブル視覚化デバイス12の速度、落下中に移動した時間および/または距離、ウェアラブル視覚化デバイス12が投擲されたこと、ウェアラブル視覚化デバイス12が投擲されたときの速度、投擲の時間および/または距離、衝撃の場所など、を信号が示すことを判定しうる。落下は、一般に、投擲よりも低い加速度と、投擲とは異なる他のパラメータと、を有しうる。したがって、プロセッサ54は、落下または投擲に相関する(たとえば、メモリデバイス56に記憶された)既知のパラメータとのパラメータの比較に基づいて、イベントを落下または投擲として特徴付けしうる。
【0036】
上記のように、いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、イベントおよび/または不適切な取り扱いの重大度を判定するために、パラメータおよび/または特性を、それぞれのしきい値(たとえば、1以上の加速度しきい値、1以上の速度しきい値、1以上の時間しきい値、1以上の距離しきい値)と比較するように構成されうる。たとえば、低い加速度での短い落下は、高い加速度での高速な投擲よりも重大ではないことがある。場合によっては、プロセッサ54は、パラメータおよび/または特性に基づいて重大度を出力するかさもなければイベントおよび/または不適切な取り扱いを分類(たとえば、カテゴリ分け)するように構成されたモデルにパラメータおよび/または特性を入力するように構成されうる。たとえば、モデルは、同様のウェアラブル視覚化デバイス12の損傷につながったり動作を損なったりしたパラメータの特定の組み合わせを説明しうる。いくつかの実施形態において、レンズ20での衝撃は、ハウジング18(図1)での衝撃よりも重大でありうるとともに損傷につながる可能性が高いため、プロセッサ54は、重大度を判定するために、(たとえば、衝撃センサからの信号に基づいて)衝撃の位置を説明しうる。プロセッサ54は、乗り物車両に対するウェアラブル視覚化デバイス12の動きを判定する(たとえば、乗り物のコース中の乗り物車両の予想されるまたは既知の動きまたは加速度から、および/または、乗り物車両の動きを監視するように構成された乗り物車両センサによって検出されるような乗り物のコース中の乗り物車両の動きまたは加速度からなどといった乗用車の動きから、ウェアラブル視覚化デバイス12の動きを分離する)ようにも構成されうる。このようにして、(たとえば、この方法で乗り物車両を動かすように設計された乗り物の一部での)乗り物車両の突然の動きまたは加速度は、無視されたり、プロセッサ54による不適切な取り扱いとしてカウントされなかったりすることがある。
【0037】
ウェアラブル視覚化デバイス12が落下されたか、さもなければ(たとえば、重大度しきい値を超える重大度を伴って)不適切に取り扱われたと判定されることに応じて、プロセッサ54は、少なくとも1つのライト42の発光のような1以上のアクションを引き起こしうる。少なくとも1つのライト42の発光は、ユーザまたはオペレータに、ウェアラブル視覚化デバイス12を検査する、ウェアラブル視覚化デバイス12のテストを実行する、ウェアラブル視覚化デバイス12をゲストインターフェースデバイス14から分離する、ウェアラブル視覚化デバイス12を任意の構造物(たとえば、乗り物車両)から分離する、ウェアラブル視覚化デバイス12を交換する、および/または修理のためにウェアラブル視覚化デバイス12を保守技術者に送る、などといった保守操作を実行するように促しうる。場合によっては、コントローラ52は、イベントのパラメータ、特性、および/または重大度に基づいて、特定の色で発光するようにライト42に指示しうる。たとえば、低い加速度での短い落下は、ライト42が黄色で発光することにつながりうる一方、高い加速度での高速な投擲は、ライト42が赤色で発光することにつながりうる。任意の数の色は、様々なタイプのイベント(たとえば、黄色は落下を示し、赤色は投擲を示す)および/または重大度(たとえば、黄色は第1の加速度しきい値を下回る加速度を示し、赤色は第1の加速度しきい値を超える加速度を示す)を伝えるために利用されうる。いくつかの実施形態では、ライト42が異なる色で発光することが可能であり、および/または、複数の異なるライトが提供されうる。
【0038】
いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、イベントの数(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われたイベントの数)を経時的にカウントするように構成されうる。たとえば、(たとえば、それぞれが加速度しきい値を超える加速度を有する、それぞれが重大度しきい値を超える重大度を有する)特定の数の落下または投擲が達せられると、プロセッサ54は、少なくとも1つのライト42に発光するように指示しうる。場合によっては、プロセッサ54は、イベントごとに1つのライト42に発光するように指示しうる。たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12は、5つのライトを含み、第1のライトは、ウェアラブル視覚化デバイス12の第1の落下に応じて発光し、第2のライトは、ウェアラブル視覚化デバイス12の第2の落下に応じて発光し、第3のライトは、ウェアラブル視覚化デバイス12の投擲に応じて発光する、などといったことがありうる。いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、イベントごとに1以上のライト42に発光するように指示しうるとともに、ライト42の数は、各イベントの重大度に基づきうる。たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12は、5つのライトを含み、第1のライトは、ウェアラブル視覚化デバイス12の第1の短い落下に応じて発光し、第2のライトおよび第3のライトは、ウェアラブル視覚化デバイス12の高速な投擲に応じて発光する、などといったことがありうる。そして、ウェアラブル視覚化デバイス12の特定の数(たとえば、すべて)のライト42が発光されると、オペレータは、(たとえば、ライト42を見ることによって)アクションをとるように通知されうる。いくつかの実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、スピーカを含みうるとともに。1以上のアクションは、スピーカを介して聴覚的な出力を提供することを含みうる。
【0039】
少なくとも1つのライト42の発光に加えてまたは代えて、プロセッサ54は、オペレータシステム60および/またはアトラクションシステム62に通知を送信するなどの1以上の他のアクションをとることができる。様々なアクション(たとえば、自動化されたアクション)が想定される。たとえば、イベントが発生した(たとえば、重大度しきい値を超える重大度を有するイベント、特定の数のそのようなイベントが発生した)と判定されると、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12、またはウェアラブル視覚化デバイス12の少なくとも特定の特徴をオフにしうる(たとえば、レンズ20をオフにする、レンズ20上の仮想特徴の表示をブロックしうる)。いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、イベントが第1の高い重大度(たとえば、高速の投擲、第1の高い加速度)を有すると判定されたことに応じて、レンズ20上の仮想特徴の表示をブロックしうるが、プロセッサ54は、イベントが第2の低い重大度(たとえば、短い落下、第2の低い加速度)を有すると判定されたことに応じて、レンズ20上の仮想特徴の表示を許可することを継続しうる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ウェアラブル視覚化デバイス12は、ゲストインターフェースデバイス14、および/または、乗り物車両のような構造物に結合(たとえば、取り外し可能に結合、一時的にロック)されうる。たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12は、電磁システムを介してゲストインターフェースデバイス14にロックされうる。そのような場合、イベントが発生したと判定されることに応じて、電磁システムへの電力が遮断され(たとえば、電磁石が非アクティブ化され)、それにより、ウェアラブル視覚化デバイス12のゲストインターフェースデバイス14からの分離が可能となる。いくつかのそのような場合、電磁システムへの電力は、乗り物車両が荷積み/荷降ろしゾーンにある間、および/または、乗り物車両が静止している間のみ、遮断されうる。同様に、ウェアラブル視覚化デバイス12を乗り物車両に結合するロック装置は、イベントが発生したと判定されることに応じて、および/または、乗り物車両が荷積み/荷降ろしゾーンにある間、および/または、乗り物車両が静止している間に、アンロックされうる。そして、ウェアラブル視覚化デバイス12は、迅速に手動で切断できる機械的接続(たとえば、フック、キー/スロットインターフェース)を介してのみ、ゲストインターフェースデバイス14および/または構造物に結合されうる。そのような技術は、たとえば、アトラクションでのスループット(たとえば、ユーザの荷積みおよび荷降ろし)を遅くすることなく、イベントを経験したウェアラブル視覚化デバイス12が保守作業のために迅速に取り外され、別のウェアラブル視覚化デバイス12と交換されることを可能としうる。別の例として、プロセッサ54は、イベントが発生したと判定されることに応じて、テスト(たとえば、ヘルステスト)を開始(たとえば、実行)するように構成されうる。テストは、ウェアラブル視覚化デバイス12のレンズ20上に画像(たとえば、パターン、線)を表示することと、ウェアラブル視覚化デバイス12のカメラ64を使用して画像がレンズ20上に正しく表示されることを判定することと、を含みうる。プロセッサ54は、カメラ64から画像を受信するとともに(たとえば、テンプレートまたはパターンのマッチングを介して)画像を処理して、ウェアラブル視覚化デバイス12がイベント後に適切に機能しているか否かを判定しうる。図6を参照して以下でより詳細に論じられるように、テストは、ユーザによる視覚化のためにレンズ20に関する情報(たとえば、質問および/または画像)を提供することと、次いでセンサ40によって検出されるユーザからのジェスチャ入力(たとえば、ユーザの頭のうなずき)を受信することと、を含みうる。
【0041】
いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12(たとえば、アトラクションのオペレータによって保持されるタブレット、アミューズメントパークの運営を監督するオペレータによってアクセスされるコンピュータ)から遠隔に配置されうるオペレータシステム60に対して(たとえば、通信デバイス58を介して)標示を送信するように構成されうる。標示は、ウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われたというテキストメッセージまたは他の通知(たとえば、ライトの発光)を含みうる。標示は、イベントのパラメータ、特性、および/または重大度に関連するデータをさらに含みうる。
【0042】
イベントの数に関連するデータと、ならびに各イベントのパラメータ、特性、および/または重大度に関連するデータとは、ウェアラブル視覚化デバイス12ごとのイベントレポート(たとえば、テーブル)を生成するために使用され、および/または、アミューズメントパークのオペレータがウェアラブル視覚化デバイス12の信頼性および/または耐久性を追跡することを可能としうる、ということを理解されたい。たとえば、アトラクションで使用されるウェアラブル視覚化デバイス12が一般にほんの数回のたいしたことのない落下の後に機能障害を経験する場合、オペレータは、落下が存在あっても信頼性および/または耐久性を改善すること、および/または、落下を減らすための措置を講じることに努力を集中することが可能でありうる。ウェアラブル視覚化デバイス12が複数の深刻な落下および/または投擲を経験する場合、オペレータは、落下や投擲を減らすための措置を講じることに努力を集中することが可能でありうる。さらに、ウェアラブル視覚化デバイス12が落下することなく機能障害を経験する場合、オペレータは、ウェアラブル視覚化デバイス12の他の特徴を改善すること、および/または、保証の下で交換を求めることに努力を集中することが可能でありうる。
【0043】
いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、アトラクションシステム62に(たとえば、乗り物車両上で)ライトを発光させるために、および/または、乗り物車両の経路または移動を調整させるなど、アトラクションの特徴の動作を調整させるために、アトラクションシステム62に対して(たとえば、通信デバイス58を介して)標示を送信するように構成されうる。たとえば、イベントが発生したと判定されることに応じて、アトラクションシステム62は、保守作業を容易化するために、乗り物車両を(たとえば、保守ベイおよび/または荷積み/荷降ろしゾーンへと)迂回させうる。迂回は、潜在的に誤作動しているウェアラブル視覚化デバイス12を伴う乗り物をユーザが経験することを回避するように、乗車中に発生しうる。したがって、ユーザが乗車の残りの部分を通してAR/VR体験を楽しむことができるように、ユーザまたはオペレータは、ウェアラブル視覚化デバイス12を検査、修理、および/または交換し、および/または、ユーザは、乗り物車両からから荷下ろしするとともに適切に機能しているウェアラブル視覚化デバイス12を伴う別の乗り物車両に再度荷積みしうる。迂回は、潜在的に誤作動しているウェアラブル視覚化デバイス12を伴う乗車をユーザが経験することを回避するためにウェアラブル視覚化デバイス12が乗り物周期間および/またはユーザ間で検査、修理、および/または交換されることを可能とするために、乗車後に発生しうる。迂回は、ウェアラブル視覚化デバイス12が検査されるかさもなければ対処されるまで、荷積み/荷降ろしゾーンからの乗り物車両の前方移動を防ぐことを含みうる。いくつかの実施形態では、イベントが発生したと判定されることに応じて、アトラクションシステム62は、(たとえば、ユーザがテキストまたは画像をディスプレイ上などで見ることができるとともに、適切に機能しているウェアラブル視覚化デバイス12がなくてもアトラクションを概して楽しむことができるように、)乗り物車両上および/またはアトラクション内で、ディスプレイ、アニマトロニクス、ライトショウなどといった物理的な特徴を強化するように構成されうる。
【0044】
図4は、AR/VRシステム10が採用されうるアトラクション70の透視図である。示されているように、ユーザ72は、経路76に沿って進行する乗り物車両74内に配置される。少なくとも特定の乗車時間に、ユーザ72は、ウェアラブル視覚化デバイス12のレンズを通して実世界環境22内の物理的構造物78を見ることが可能でありうる。少なくとも特定の乗車時間に、ユーザ72は、ウェアラブル視覚化デバイス12のレンズ上の仮想特徴24を見ることが可能でありうる。図4に示されるように、仮想特徴24は、実世界環境22内の物理的構造物78と仮想特徴24との両方をユーザが同時に見ることが可能なように、実世界環境22上にオーバーレイされうる。各ユーザ72は、乗車中に各ユーザ72が様々な体験をするように様々な仮想特徴24を提示されうる。ユーザ72は、荷積みゾーンで乗り物車両74に乗り込み、荷降ろしゾーン(たとえば、荷積み/荷降ろしゾーン80)で乗り物車両74から出ることができる。しかしながら、乗り物の興奮において、ユーザ72がウェアラブル視覚化デバイス12を落下させうるか、またはそうでなければウェアラブル視覚化デバイス12がユーザ72から脱落しうる、という可能性がある。また、ユーザ72がウェアラブル視覚化デバイス12を投擲しうる、および/またはそうでなければウェアラブル視覚化デバイス12が不適切に取り扱われうる、という可能性もある。
【0045】
図3および4を参照すると、各ウェアラブル視覚化デバイス12は、ウェアラブル視覚化デバイス12が乗車中に不適切に取り扱われているか否かを監視しうる、検出システム50の一部であるコンポーネントを含みうる。いくつかの実施形態では、乗車中に、検出システム50は、少なくとも1つのライト42を発光させ、オペレータシステム60に通知を提供し、および/または、アトラクションシステム62によってとられるべきアクションを引き起こしうる。それに加えてまたは代えて、検出システム50は、メモリデバイス56内のイベントをカウントまたは記録しうる。それに加えてまたは代えて、検出システム50は、乗車を中断しないように、乗車の終了後にのみ(たとえば、荷積み/荷降ろしゾーン80で)、少なくとも1つのライト42を発光させ、オペレータシステム60に通知を提供し、および/または、アトラクションシステム62によってとられるべきアクションを引き起こしうる。
【0046】
いくつかの実施形態において、プロセッサ54は、イベントの総数をカウントし、および/または、一定期間後(たとえば、毎時、毎日、毎週)に、ウェアラブル視覚化デバイス12がゲストインターフェースデバイス14に結合されるまたはゲストインターフェースデバイス14から切り離されるたびに、ウェアラブル視覚化デバイス12が構造物に(たとえば、位置センサを介して検出されうる乗り物車両74に)ドッキングされるたびに、乗り物車両74が(たとえば、各乗り物周期後に)荷積み/荷降ろしゾーン80に存在するたびに、および/または、ユーザまたは他の人(たとえば、オペレータ、保守技術者)によるリクエストに応じて、などといったイベントに基づいて、1以上のアクションを定期的に引き起こしうる。図4は、乗り物車両74を備えたアトラクション70を示しているが、アトラクション70は、乗り物車両74を含まない場合がある、ということを理解されたい。代わりに、アトラクション70は、ユーザ72がウェアラブル視覚化デバイス12を着用して歩く経路、ユーザ72がウェアラブル視覚化デバイス12を着用しながら座ったり立ったりするシアター、または任意の他の適切なタイプのアトラクション、を含みうる。さらに、アトラクション70は、乗り物車両74に乗り込むために並んでいる間、乗り物車両74からの荷降ろしの後などといった乗り物車両74の外でユーザ72がウェアラブル視覚化デバイス12を着用および/または運ぶように構成されうる。したがって、ユーザ72または別の人(たとえば、オペレータ、保守技術者)は、乗り物車両74に対して他の場所、および/または乗車外の他の時間にウェアラブル視覚化デバイス12を落下させる可能性がありうる。検出システム50は、ウェアラブル視覚化デバイス12が乗り物車両74に対して他の場所にある間、および/または、乗車外の他の時間に、イベントを検出し、イベントをカウントし、および/または、本明細書に開示される1以上のアクションを引き起こすように構成されうる。
【0047】
図5は、ウェアラブル視覚化デバイス12のイベント(たとえば、不適切な取り扱い)を監視するために検出システム50を使用する方法90である。本明細書に開示される方法90は、ブロックによって表される様々なステップを含む。方法90の少なくともいくつかのステップは、本明細書に開示されるいずれかの検出システム50のようなシステムにより自動化された手順として実行されうる、ということに留意されたい。フローチャートは、特定の順序でステップを示しているが、適切な場合、ステップは、任意の適切な順序で実行されうるとともに、特定のステップは、同時に実行されうる、ということを理解されたい。さらに、ステップは、方法90に追加されるか、または方法90から省略されうる。
【0048】
示されているように、ステップ92において、方法90は、ウェアラブル視覚化デバイス12のイベントを示す信号を(たとえば、センサ40から、プロセッサ54において)受信することによって開始しうる。上述したように、プロセッサ54は、イベントが発生したことを判定するために、および/または、イベントを特徴付ける(たとえば、タイプ、時間、距離、速度、重大度、衝撃の場所)ために、信号を受信および処理するように構成されうる。ステップ94において、プロセッサ54は、イベントの数を経時的にカウントしうる。パラメータ、イベントの特性、重大度、および/または数に関連するデータは、たとえば、メモリデバイス56に記憶されうる。
【0049】
ステップ96において、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12上の少なくとも1つのライト42に発光を指示しうる。たとえば、プロセッサ54は、重大度しきい値を超える重大度を有する落下の検出に応じて、および/または、カウントしきい値を超える多数の落下の検出に応じて、少なくとも1つのライト42に発光を指示しうる。ステップ98において、プロセッサ54は、ウェアラブル視覚化デバイス12から遠隔に配置されうるオペレータシステム60に通知を提供しうる。ステップ100において、プロセッサ54は、乗り物車両上のライトを発光させる、乗り物車両の経路を調整するなどといった、アトラクションの特徴をアトラクションシステム62に調整させうるアトラクションシステム62と通信しうる。
【0050】
ウェアラブル視覚化デバイス12のセンサ40は、ユーザがジェスチャ入力を提供することを可能としうる。これを念頭に置いて、図6は、ウェアラブル視覚化デバイス12のレンズ20上に提示されうる質問の概略図である。たとえば、質問は、「下の画像が見えますか?」でありうるとともに、画像は、幾何学的形状または他の画像でありうる。ユーザは、頭を上下に振って「はい」と答えうるとともに、ユーザは、頭を左右に振って「いいえ」と答えうる。
【0051】
図3および6の両方を参照すると、ウェアラブル視覚化デバイス12がユーザによって着用されている間、センサ40は、ユーザの頭の動きを検出することが可能でありうる。センサ40は、信号に基づいてユーザからの応答または答えを判定しうる、動きを示す信号をプロセッサ54に提供しうる。この場合、プロセッサ54は、「はい」または「いいえ」の動きに相関する(たとえば、メモリデバイス56に格納された)既知のパラメータとのパラメータの比較に基づいて応答を特徴付けしうる。図示された例は、不適切に取り扱われた後のように、ウェアラブル視覚化デバイス12が機能しているか否かをテストするためのテストの一部として使用されうる。テストは、ウェアラブル視覚化デバイスが不適切に取り扱われたと判定されることに応じて、プロセッサ54によって自動的に開始されうる。たとえば、ユーザが「はい」と応答した場合、プロセッサ54は、不適切に取り扱われた後にウェアラブル視覚化デバイス12が機能していると判定しうる。しかしながら、ユーザが「いいえ」と応答した場合、プロセッサ54は、不適切に取り扱われた後にウェアラブル視覚化デバイス12が適切に機能していないと判定しうる。そのような場合、プロセッサ54は、本明細書に開示される1以上のアクション(たとえば、ライト42を発光させること、オペレータシステム60および/またはアトラクションシステム62に通知すること)を含む1以上のアクションをとりうる。テストは、(たとえば、ユーザまたはオペレータによる)入力に応じて開始されうる、または、テストは、乗り物の荷積みゾーンを離れる前などに、(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12をゲストインターフェースデバイス14に結合することに応じて)任意の他の時間に開始されうる、ということを理解されたい。
【0052】
ジェスチャ入力は、様々な質問または他のプロンプトへの様々な応答を提供するために使用され、ジェスチャ入力は、ゲームの一部として使用され、および/または、ジェスチャ入力は、ウェアラブル視覚化デバイス12および/またはアトラクションの他の側面を制御するために使用されうる。実際、ユーザの頭の様々な動きは、様々な応答または入力に対応しうる。たとえば、ユーザの頭を一方向に動かすことは、(たとえば、レンズ20上の画像を明るくするための、ゲームの一部としての1つの画像の表示を引き起こすため、乗り物車両の動きを一方向に調整するための)1つの入力でありうるとともに、ユーザの頭を別の方向に動かすことは、(たとえば、レンズ20上の画像を暗くするための、ゲームの一部としての別の画像の表示を引き起こすための、乗り物車両の動きを別の方向に調整するための)別の入力でありうる。
【0053】
ジェスチャ入力は、(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12を特定の方向におよび/または特定の動きパターンで動かすことによって)オペレータおよび/または保守技術者がウェアラブル視覚化デバイス12の特定の特徴をアンロックすることを可能とするためにも使用されうる。ジェスチャ入力は、問題を診断するためにおよび/またはゲストが利用できない情報を見るためにオペレータおよび/または保守技術者がウェアラブル視覚化デバイス12および/またはアトラクション(たとえば、ゲーム)と対話することを可能としうる。ジェスチャ入力は、オペレータおよび/または保守技術者が(たとえば、ウェアラブル視覚化デバイス12のレンズ20上に見える、乗り物車両上のディスプレイのようなウェアラブル視覚化デバイス12に接続されたディスプレイ上に見える)メニューにアクセスし、メニューを動かし、メニュー上で選択を行い、および/または、ジェスチャ入力を使用した(たとえば、ジェスチャ入力およびウェアラブル視覚化デバイス12の動きのみの、マウスまたはキーボードのような補助デバイス不使用の)保守テストおよび/またはステップを実行することを可能としうる。場合によっては、ジェスチャ入力は、オペレータおよび/または保守技術者が保守を実行すること、および/または、乗り物車両のコンピューティングシステム(たとえば、図3のアトラクションシステム62)のようなウェアラブル視覚化デバイス12に結合されたコンピューティングシステムに入力を提供し、それによってコンピューティングシステムの動作を調整することを可能としうる。
【0054】
ウェアラブル視覚化デバイス12のセンサ40は、ユーザの頭のヘッドトラッキングのような他の動作も可能としうる。センサ40(たとえば、IMU)は、ユーザの頭が空間を通って移動している方向を示すデータを取得するために使用されうる。しかしながら、特定の設定において、ユーザは、移動している(たとえば、地面に対して平行移動および/または回転している)乗り物車両上に配置されうる。したがって、AR/VRシステム10は、追加の機能を含み、および/または、ユーザの頭の動きを乗り物車両の動きから分離するための処理ステップを実行するように構成されうる。たとえば、AR/VRシステム10は、ソリッドステート車室トラッキングシステムを使用しうるとともに、予測アルゴリズム(たとえば、カルマンフィルタ)への追加の入力のために(たとえば、必要に応じて)センサ40を二次的に使用しうる。
【0055】
センサ40は、ウェアラブル視覚化デバイス10においてヘッドトラッキングを有する低コストの方法を提供するので、オフボード開発(たとえば、デスクトップ開発)にも利用されうる。開発者は、仮想場面を見回すためにセンサ40によって提供される基本的なトラッキングを利用しうるが、開発者は、仮想場面を作成するために仮想場面を実世界と合わせなくてもよい。したがって、開発者は、ケーブル(たとえば、USBケーブル、ケーブル32)に差し込まれることでユーザの頭の動きを示すデータを取得するように動作しうるセンサ40と比較してより高価で、多くの機器を使用し、かつセットアップに時間がかかる乗り物車両/車室トラッキングシステムを利用しなくてもよい。
【0056】
以上説明したように、本開示の実施形態は、ウェアラブル視覚化デバイスの保守活動の実行を容易化し、かつアミューズメントパークにおけるウェアラブル視覚化デバイスの統合を容易化するために有用な1以上の技術的効果を提供しうる。明細書における技術的効果および技術的課題は、例であり、限定的ではない、ということを理解されたい。実際、明細書に記載されている実施形態は、他の技術的効果を有しうるとともに、他の技術的問題を解決することができる、ということに留意されたい。
【0057】
本開示に記載された実施形態は、様々な改変および代替の形態の影響を受けうるが、特定の実施形態は、図面に例として示されているとともに、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図するものではない、ということを理解されたい。本開示は、以下の添付された特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲内に入るすべての変形、等価物、および代替をカバーするものである。
【0058】
本明細書で提示およびクレームされた技術は、現在の技術分野を実証的に改善する実用的な性質の物質的対象および具体例に参照および適用され、そのため、抽象的、無形的、または純粋に理論的なものではない。さらに、「[機能]を[実行]するための手段…」または「[機能]を[実行]するためのステップ…」として指定された1以上の要素を本明細書の最後に添付される請求項が含む場合、そのような要素は米国特許法第112条(f)に基づいて解釈される、ということが意図されている。しかしながら、その他の方法で指定された要素を含む任意の請求項については、そのような要素は米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されない、ということが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6