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特許7518083タバコを加工処理するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】タバコを加工処理するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/04 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A24B3/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021545747
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2020057431
(87)【国際公開番号】W WO2020200785
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】19167030.6
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】クンディド,デニス
(72)【発明者】
【氏名】オット,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】リッケフェルト,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】メルツ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ディルク
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-219552(JP,A)
【文献】実開平06-059793(JP,U)
【文献】特開昭49-109596(JP,A)
【文献】特開昭55-096087(JP,A)
【文献】実開平04-131500(JP,U)
【文献】国際公開第2017/130329(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0125395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 3/00-3/18
F26B 1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ(1)を加工処理するための方法(100)であって、
少なくとも1つの入口(21)及び少なくとも1つ出口(22)を有し、且つ複数のスレッド(23a~h)を有するらせん形状を含む第1の管(20)を提供するステップ(101)、
振動を発生させる第1のモーター(50)を提供するステップ(102)、
前記第1の管(20)に前記振動を伝達するステップ(103)、
第1の水分含有率(w1)を有するある量のタバコ(1)を前記第1の管(20)の前記入口(21)に挿入するステップ(104)、
前記入口(21)から前記出口(22)への方向において前記第1の管(20)を通る第1の空気流(60)を提供するステップ(105)、
前記第1の管(20)に伝達された前記振動により且つ前記第1の空気流(60)により、前記第1の管(20)内の前記量のタバコ(1)を前記第1の管(20)の前記出口(22)に向かって運ぶステップ(106)、
前記第1の管(20)の前記出口(22)で前記タバコ(1)を取り出すステップ(107)であって、前記タバコ(1)は、前記第1の水分含有率(w1)よりも低い第2の水分含有率(w2)を有する、ステップ(107)
を含み、
前記方法(100)は、加熱(70)を提供し、且つ前記加熱(70)を適用することにより、前記第1の管(20)の壁(25)の少なくとも第1のセクション(25a)の温度(T)を制御するステップ(103b)を更に含む、方法(100)。
【請求項2】
前記第1の管(20)は、内径(20D)及び前記入口(21)から前記出口(22)までの全長(24L)を有する中央軸(24)を含み、前記中央軸(24)の前記全長(24L)と前記第1の管(20)の前記内径(20D)との間の関係は、100~140、好ましくは120~130の範囲内である、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記第1の管(20)は、5~10個のある数のスレッド(23a~h)、好ましくは8個のスレッド(23a~h)を含む、請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記スレッド(23a~h)のそれぞれの1つは、他のスレッド(23a~h)の1つ又は2つと接触するように配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記第1の管(20)は、金属管であり、及び前記加熱(70)は、抵抗性加熱であり、電流は、少なくとも前記第1の管(20)の前記壁(25)の前記第1のセクション(25a)に印加される、請求項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記第1の管(20)は、前記第1の管(20)の前記中央軸(24)に対して順に配置された複数のセクション(25a、25b、25c)を含み、前記セクション(25a、25b、25c)のそれぞれの前記壁(25)の温度(T25a、T25b、T25c)は、個別に制御される、請求項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記第1の管(20)の前記壁(25)は、前記第1の管(20)の前記中央軸(24)に対して順に配置された第1のセクション(25a)、第2のセクション(25b)及び第3のセクション(25c)を含み、前記第1のセクション(25a)の前記壁(25)の前記温度(T25a)は、前記第2のセクション(25b)の前記壁(25)の前記温度(T25b)に等しく、前記第2のセクション(25b)の前記壁(25)の前記温度(T25b)は、前記第3のセクション(25c)の前記壁(25)の前記温度(25c)よりも高い、請求項に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記第1の管(20)の内側(26)に新鮮な空気を供給するために、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間に少なくとも1つの供給ポート(80a~h)を提供するステップ(103c)を更に含む、請求項1~の何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
気化された水及び/又は空気を排気するために、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間に少なくとも1つの排気ポート(81a~h)を提供するステップ(103d)を更に含む、請求項に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記第1の管(20)の前記スレッド(23a~h)のそれぞれは、1つの単一の供給ポート(80a~h)及び/又は1つの単一の排気ポート(81a~h)を含む、請求項に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記排気された空気を燃焼させるステップ(108)を更に含む、請求項又は10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記第1のモーター(50)は、中央軸(51)を含み、前記第1のモーター(50)の前記中央軸(51)と、前記第1の管(20)の前記入口(21)における前記第1の管(20)の前記中央軸(24)とは、取り付け角度(52)で互いに向かって配置され、前記モーター(50)の前記取り付け角度(52)、回転速度及び/又はオフバランスは、所定の範囲内で調節可能である、請求項1~11の何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項13】
少なくとも1つの入口(31)及び少なくとも1つの出口(32)を有する第2の管(30)を提供するステップ(109)、
振動を発生させる第2のモーター(90)を提供するステップ(110)、
前記第2のモーター(90)によって発生された前記振動を前記第2の管(30)に伝達するステップ(111)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)で開始する、前記第2の管(30)を通る第2の空気流(61)を提供するステップ(112)、
前記第1の管(20)及び前記第2の管(30)を直列に接続するステップ(113)、
前記第1の管(20)の前記出口(22)から到来し、且つ前記第2の水分含有率(w2)を有する前記タバコ(1)を前記第2の管(30)の前記入口(31)に挿入するステップ(114)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)の前の位置(P1)及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の位置(P2)で前記タバコ(1)に水を提供するステップ(115)、
前記第2の管(30)内の前記タバコ(1)を前記第2の管(30)の前記出口(31)に向かって運ぶステップ(116)、
前記第2の管(30)の前記出口(32)で前記タバコ(1)を取り出すステップ(117)であって、前記タバコ(1)は、前記第1の水分含有率(w1)よりも低く、且つ前記第2の水分含有率(w2)よりも高い第3の水分含有率(w3)を有する、ステップ(117)
を更に含む、請求項1~12の何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項14】
タバコ(1)を加工処理するためのシステム(S)であって、
それぞれ少なくとも1つの入口(21、31)及び少なくとも1つの出口(22、32)を有し、且つ複数のスレッド(23a~h、33a~h)を有するらせん形状を含む第1の管(20)及び第2の管(30)であって、直列に接続される第1の管(20)及び第2の管(30)、
それぞれ振動を発生させる第1のモーター(50)及び第2のモーター(90)であって、前記第1のモーター(50)によって発生された前記振動は、前記第1の管(20)に伝達可能であり、前記第2のモーター(90)によって発生された前記振動は、前記第2の管(30)に伝達可能である、第1のモーター(50)及び第2のモーター(90)、
それぞれ前記第1の管(20)又は前記第2の管(30)の前記入口(21、31)で開始する、前記第1の管(20)を通る第1の空気流(60)及び前記第2の管(30)を通る第2の空気流(61)、
前記第1の管(20)及び/又は前記第2の管(30)の壁(25)の少なくとも第1のセクション(25a)の温度(T)を制御するための加熱(70)
を含み、ある量のタバコ(1)は、前記第1の管(20)及び前記第2の管(30)を順に通して移送可能であり、前記システム(S)は、
前記第1の管(20)又は前記第2の管(30)の内側(26)に新鮮な空気を供給するための、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の少なくとも1つの供給ポート(80a~h)、
気化された水及び/又は空気を排気するための、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の少なくとも1つの排気ポート(81a~h)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)の前の位置(P1)及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の位置(P2)で前記タバコ(1)に水を送達する水源(62)
を含む、システム(S)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本請求項1及び15の前提部による、タバコを加工処理するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの葉などのタバコ材料は、収穫後、更なる加工処理のために特定の水分レベルまで乾燥させる必要がある。前記水分レベルは、例えば、意図されるタバコの更なる用途に依存する。参考文献中国特許出願公開第206251926U号明細書及び中国特許出願公開第206612196U号明細書は、両方ともタバコの乾燥方法に関する。加熱された回転シリンダー内にタバコを配置することにより、タバコを徐々に乾燥させることが知られている。しかしながら、この方法及び現在利用可能な他のタバコ乾燥方法は、タバコ材料の非常に大きい劣化及び破損につながる。水分レベルが低いと、タバコは、壊れやすく、且つ埃に対して劣化しやすく、それにより生産量が低下することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、タバコ材料をやさしく扱うことを可能にし、それによってタバコ材料の劣化を回避する、タバコを加工処理するための方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の問題は、タバコを加工処理するための方法であって、
少なくとも1つの入口及び少なくとも1つ出口を有し、且つ複数のスレッドを有するらせん形状を含む第1の管を提供するステップ、
振動を発生させる第1のモーターを提供するステップ、
第1の管に振動を伝達するステップ、
第1の水分含有率を有するある量のタバコを第1の管の入口に挿入するステップ、
入口から出口への方向において第1の管を通る第1の空気流を提供するステップ、
第1の管に伝達された振動により且つ第1の空気流により、第1の管内のその量のタバコを第1の管の出口に向かって運ぶステップ、
第1の管の出口でタバコを取り出すステップであって、タバコは、第1の水分含有率よりも低い第2の水分含有率を有する、ステップ
を含む方法によって解決される。
【0005】
第1の管は、第1の管の第1の前面に1つの単一の入口を、且つ第1の管の第2の前面に1つの単一の出口を含むことが好ましい。この入口及び出口を除いて、第1の管に他の入口及び出口がないことが好ましい。タバコは、この入口又は出口を介してのみ第1の管に入り、且つ/又は第1の管を出ることができることが好ましい。
【0006】
特定の期間中に第1の管を通して運ばれるタバコの量、即ちタバコ流量は、所定の範囲内で調節可能であることが好ましい。しかしながら、特定のタバコのタバコ流量は、サイクル時間全体にわたり、即ちタバコのバッチ全体が第1の管の入口に挿入され、且つ出口から出るまで一定であることが好ましい。例えば、タバコ流量は、180~220kg/h、好ましくは200kg/hの値に調節される。例として、タバコの第1の水分含有率は、19%(重量当たり)であり、且つ/又はタバコの第2の水分含有率は、1%である。
【0007】
振動は、周期的な機械的振動であることが一般的に知られており、中周波数若しくは高周波数及び/又は低振幅を含むことが多い。タバコに加えられる振動運動が周期的であることにより、タバコの構造を壊す危険性を抑えて、タバコを非常にやさしく運ぶ方法が確実になることが証明されている。それに加えて、タバコは、振動によって永続的に円運動され、それによりタバコ内部の温度及び残留水分の分布に関して高い水準の均一性がもたらされる。
【0008】
更に、空気流は、水を気化させ、前記気化された水をタバコから除去するのに役立つ。空気流は、室温(例えば、293K)を有する空気又は特定の温度、例えば293K~333Kまで予熱された空気を含むことが可能である。更に、空気流が調節可能であることが好ましい。例えば、空気流量は、2.0~3.0m/s、好ましくは2.45m/sの値に調節される。
【0009】
らせんは、一定の勾配で円柱のシェル表面が巻かれた3次元曲線であることが知られている。従って、らせんである管の形状は、管の占有面積を低減する。
【0010】
そのようならせん形状でありながら、第1の管は、ある内径及び入口から出口までの全長を有する中央軸を含む。中央軸の全長と第1の管の内径との間の関係は、100~140、好ましくは120~130の範囲内であることが好ましい。これらの好ましい値は、管の内径が管の長さと比べて小さいことを意味し、それによりタバコを第1の管の壁に容易に接触させ得ることが確実になる。これは、第1のモーターの振動を第1の管内部のタバコに効果的に伝達し、第1の管を通してタバコを移送するのに役立つ。
【0011】
そのようならせん形状の管を製造することは、例えば、中空の円柱の形態で直線状の管を設け、前記直線状の管を特定の巻き直径の周りに巻き付けて、らせん形状の管を形成することを含む。直線状の管の寸法、例えば中央軸の長さ並びに内径及び外径などは、巻きつけるプロセスによって影響を受けず、従って前記直線状の管から製造されるらせん形状の管の寸法と等しいことが想定される。当然ながら、らせん形状の管の中央軸もらせん形状になり、直線の形態を含む直線状の管の中央軸とは対照的である。代わりに、らせん形状の管は、前記中央軸に沿ってリベット締めされ、溶接される管状セグメントの組立体から形成され得る。らせん形状の管は、例えば、飛行機の客室の形成と同様に、相補的に湾曲したパネルのリベット締め及び溶接された組立体から得ることもできる。
【0012】
仮想的な巻き軸が第1の管の巻き直径に割り当てられる場合、第1の管は、仮想的な中央軸が、重力ベクトルに従う全体的な高さ方向に平行になるように構成され得る。それに依存して又はそれとは無関係に、第1の管の入口を全体的な高さ方向に関して第1の管の出口の下方又は上方の位置に配置することができる。入口の位置が出口の上方に配置される場合、タバコが管を通して出口に向かってあまりに速く移動することが防止される。従って、空気流及び振動にさらされる時間が長くなる。
【0013】
第1の管は、外径も含み、第1の管の外径と第1の管の内径との間の差は、第1の管の壁の厚さに等しい。前記壁の厚さは、第1の管の中央軸に沿って且つ/又は第1の管の円周方向において一定であることが好ましい。これは、少なくとも1つの特定の位置に当てはまり、最も好ましくは中央軸の全ての位置に当てはまることが好ましい。従って、第1の管は、全体的に一定の壁厚さを含むことが好ましい。
【0014】
第1の管は、5~10個のある数のスレッド、好ましくは8個のスレッドを含むことが好ましい。当然ながら、スレッドの数は、第1の管の中央軸の長さに比例する。これらの値は、タバコが第1の管を通過するなかでタバコから十分な量の水を除去できることを確実にするように十分に大きいことが証明されている。同時に、それらの値は、そのような管の材料費が経済的な範囲内にとどまることを確実にするように十分に小さいことが証明されている。
【0015】
スレッドのそれぞれは、他のスレッドの1つ又は2つと直接的に接触するように配置されることが好ましい。これは、第1の管の中央軸に沿った軸方向及び/又は第1の管の半径方向にあることを意味する。従って、各スレッドの外径は、例えば、少なくとも線に沿って他のスレッドの1つ又は2つの外径と直接的に接触するように構成されることが好ましい。これは、管に必要とされるスペースを減らすことに更に役立つ。更に、第1の管の温度効率が最適化される。
【0016】
この方法の好ましい実施形態は、加熱を提供し、且つ加熱を適用することにより、第1の管の壁の少なくとも第1のセクションの温度を制御するステップを含む。壁の温度を制御することにより、タバコに伝達されるエネルギーの量、従ってタバコから気化する水の量を制御することができる。従って、乾燥時間及び乾燥速度を所望の範囲内で調整することができる。
【0017】
第1の管が金属の管であり、及び加熱が抵抗性加熱である場合、電流は、少なくとも第1の管の壁の第1のセクションに印加され得、それにより壁の温度の制御が非常に簡単で且つ信頼性の高いものになる。
【0018】
第1の管が、第1の管の中央軸に対して順に配置された複数のセクションを含む場合、各セクションの壁の温度を個別に制御することができる。この特徴は、水分レベルが第1の管の入口から出口にかけて低下することを考慮している。従って、温度を前記水分レベルに調節し、それによってタバコの劣化を低減することが妥当である。全てのセクションが同じ長さを有することが好ましい。
【0019】
この方法の好ましい実施形態は、第1の管の壁が、第1の管の中央軸に対して順に配置された第1のセクション、第2のセクション及び第3のセクションを含み、第1のセクションの壁の温度が第2のセクションの壁の温度に等しく、第2のセクションの壁の温度が第3のセクションの壁の温度よりも高いという条件を含む。
【0020】
3つのセクションの全てが同じ長さを有する場合、それぞれの長さは、管の中央軸の長さの3分の1に等しくなる。第1の管の端部での温度を下げることは、所望の芳香剤の構造を保持し、従ってタバコ内部の所望の香りを維持するのに役立つ。例えば、第1のセクションの壁の温度及び第2のセクションの壁の温度は、両方とも513.15Kに調節され、第3のセクションの壁の温度は、510.15Kに調節される。
【0021】
本発明による方法の別の好ましい実施形態は、第1の管の内側に新鮮な空気を供給するために、第1の管の入口と出口との間に少なくとも1つの供給ポートを提供するステップを含む。従って、水結合能力が高い新鮮なガスを、供給ポートを介して第1の管の内側に送達し、それによりタバコの乾燥速度を高めることができる。供給ポートを介して第1の管の内側に送達される新鮮なガスは、空気又は香料剤などの追加の成分を有する空気であることが可能である。
【0022】
本発明による方法の別の好ましい実施形態は、気化された水及び/又は空気を排気するために、第1の管の入口と出口との間に少なくとも1つの排気ポートを提供するステップを含む。従って、第1の管の内部の空気の湿度を下げることができ、第1の管の内部の空気の水結合能力を高めることができる。それに加えて、不快な臭いがタバコから取り除かれる。
【0023】
単一の供給ポート及び単一の排気ポートが設けられる場合、排気ポートは、第1の管の中央軸に沿った方向において入口と供給ポートとの間に配置されることが好ましい。
【0024】
好ましい実施形態は、第1の管の各スレッドが、1つの単一の供給ポート及び/又は1つの単一の排気ポートを含むことを含む。この場合、第1の排気ポートは、第1の管の中央軸に沿った方向において入口と第1の供給ポートとの間に配置され、全ての排気ポート及び全ての供給ポートは、交互に配置されることが好ましい。
【0025】
タバコは、供給ポートを通過することができず、且つ排気ポートを通過することができないことが好ましい。
【0026】
説明したような方法は、排気された空気を燃焼させるステップを含み得る。前記ステップから引き出されたエネルギーをこの方法にフィードバックし、第1の管の入口の前の位置で空気流を加熱するために使用することができる。更に、前記ステップにより、排気された空気から不快な臭いが取り除かれる。
【0027】
好ましい実施形態によれば、第1のモーターは、中央軸を含み、第1のモーターの中央軸と、第1の管の入口における第1の管の中央軸は、ある取り付け角度で互いに向かって配置され、モーターのこの取り付け角度、回転速度及び/又はオフバランスは、所定の範囲内で調節可能である。前記パラメータは、例えば、振動の周波数及び/又は振幅に影響を与えるのに適している。必要に応じて、予め決定可能な時間スキームに従ってモーターをオフに切り替えることにより、振動を省くことができる。従って、多数の異なるタイプのタバコのニーズを満たすことができる。
【0028】
好ましいパラメータに従い、取り付け角度は、10°~30°の範囲内で調節可能であり、回転速度は、400~1000rpmの範囲内で調節可能であり、且つ/又はモーターのオフバランスは、0~100%の範囲内で調節可能である。例として、取り付け角度は、22°に調節され、回転速度は、740rpmに調節され、且つ/又はモーターのオフバランスは、75%に調節される。
【0029】
タバコを特定の水分含有率まで乾燥させると、タバコから不快な臭いを全て取り除くのに役立つことが知られている。しかしながら、タバコを更に加工処理するために、後に再びタバコの水分含有率を増やし、それによってタバコが劣化する危険性を低減することがときに必要である。
【0030】
従って、この方法の好ましい実施形態が提案され、ここで、この方法は、
少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を有する第2の管を提供するステップ、
振動を発生させる第2のモーターを提供するステップ、
第2のモーターによって発生された振動を第2の管に伝達するステップ、
第2の管の入口で開始する、第2の管を通る第2の空気流を提供するステップ、
第1の管及び第2の管を直列に接続するステップ、
第1の管の出口から到来し、且つ第2の水分含有率を有するタバコを第2の管の入口に挿入するステップ、
第2の管の入口の前の位置及び/又は第2の管の入口と出口との間の位置でタバコに水を提供するステップ、
第2の管内のタバコを第2の管の出口に向かって運ぶステップ、
第2の管の出口でタバコを取り出すステップであって、タバコは、第1の水分含有率よりも低く、且つ第2の水分含有率よりも高い第3の水分含有率を有する、ステップ
を更に含む。
【0031】
第2の管は、第1の管に関して上述したような少なくとも1つの特徴を含み得ることが想定され得る。第1の管及び第2の管は、例えば、それらの寸法の少なくとも1つに関して同じであるか又は異なることが可能である。第2の管に対して選択されたパラメータ、例えばモーター速度又は空気流量などは、第1の管に対して選択されたパラメータと同じであるか又は異なり得る。
【0032】
全体的な高さ方向に対して、第1及び第2の管は、互いに上方に配置されることが可能であり、最も好ましくは第2の管が第1の管の上方に配置される。それに加えて、第1及び第2の管の少なくとも一方、好ましくは両方は、それらの仮想巻き軸のそれぞれが全体的な高さ方向と平行になるように配置されることが好ましい。第1の管の仮想巻き軸は、第2の管の仮想巻き軸と平行であり、且つ第2の管の仮想巻き軸に向かってある距離で配置されることが可能である。代わりに、第1の管の仮想巻き軸は、第2の管の仮想巻き軸と整列していることが可能である。
【0033】
両方の管を容易に接続するために、接続管又は接続ホースが第1の管の出口と第2の管の入口との間に配置されることが好ましい。
【0034】
目的は、タバコを加工処理するためのシステムであって、
それぞれ少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を有し、且つ複数のスレッドを有するらせん形状を含む第1の管及び第2の管であって、直列に接続される、第1の管及び第2の管、
それぞれ振動を発生させる第1のモーター及び第2のモーターであって、第1のモーターによって発生された振動は、第1の管に伝達可能であり、第2のモーターによって発生された振動は、第2の管に伝達可能である、第1のモーター及び第2のモーター、
それぞれ第1又は第2の管の入口で開始する、第1の管を通る第1の空気流及び第2の管を通る第2の空気流、
第1の管の壁の少なくともセクションの温度を制御するための加熱
を含み、ある量のタバコは、第1の管及び第2の管を順に通して移送可能であり、システムは、
第1の管の内側に新鮮な空気を供給するための、第1の管の入口と出口との間の少なくとも1つの供給ポート、
気化された水及び/又は空気を排気するための、第1の管の入口と出口との間の少なくとも1つの排気ポート、
第2の管の入口の前の位置及び/又は第2の管の入口と出口との間の位置でタバコに水を送達する水源
を含む、システムによっても達成される。
【0035】
本明細書で説明するような方法の全ての好ましい実施形態について、システムに関して記載した特徴の1つ又は複数を使用することが可能である。本明細書で説明するようなシステムの全ての好ましい実施形態について、方法に関して記載した特徴の1つ又は複数を使用することが可能である。
【0036】
本発明の更なる利点、目的及び特徴について、単なる例として添付の図を参照しながら以下の記載において説明する。図では、異なる実施形態における同様の構成要素は、同じ参照符号で示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による方法の好ましい実施形態の概略図である。
図2a】本発明による方法内で使用される第1のシステムの概略図である。
図2b】本発明による方法内で使用される第2のシステムの概略図である。
図3a図2による第1の管の断面図である。
図3b】らせん形状の管を製造するための直線状の管の正面図である。
図3c】第1の管の中央軸の長さに沿った温度制御の図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明によるタバコ1を加工処理するための方法100の好ましい実施形態の概要を示す。図2aは、第1の管20の好ましい実施形態を示す。
【0039】
この方法100は、
少なくとも1つの入口21及び少なくとも1つ出口22を有し、且つ複数のスレッド23a~hを有するらせん形状を含む第1の管20を提供するステップ(101)、
振動を発生させる第1のモーター50を提供するステップ(102)、
第1の管20に振動を伝達するステップ(103)、
第1の水分含有率w1を有するある量のタバコ1を第1の管20の入口21に挿入するステップ(104)、
入口21から出口22への方向において第1の管20を通る第1の空気流60を提供するステップ(105)、
第1の管20に伝達された振動により且つ第1の空気流60により、第1の管20内のその量のタバコ1を第1の管20の出口22に向かって運ぶステップ(106)、
第1の管20の出口22でタバコ1を取り出すステップ(107)であって、タバコ1は、第1の水分含有率w1よりも低い第2の水分含有率w2を有する、ステップ(107)
を含む。
【0040】
図2aは、第1の管20が第1の管20の第1の前面に1つの単一の入口21を、且つ第1の管20の第2の前面に1つの単一の出口22を含むことを示す。それを除いて、第1の管20には、他の入口及び出口がない。タバコ1は、この入口21又は出口22を介してのみ第1の管20に入り、且つ/又は第1の管20を出ることができる。
【0041】
図3aは、第1の管20の一部(図2aのマークを付された部分Aを参照されたい)の断面を示す。第1の管20は、内径20D1及び中央軸24を含むことが示されている。更に、第1の管20は、外径20D2も含み、第1の管20の外径20D2と第1の管20の内径20D1との間の差は、第1の管20の壁の厚さtに等しい。この場合、第1の管20は、全体的に一定の壁厚さtを含む。図3aは、第1の管の内側26も示し、これは、第1の管20の半径方向20Rに対して中央軸24と内径20D1との間の領域を表す。中央軸24の全長24Lと第1の管20の内径20Dとの間の関係は、120~130の範囲内である。
【0042】
仮想巻き軸64が第1の管20の巻き直径63に割り当てられている。図2aによって示されるように、第1の管20は、仮想中央軸64が、重力ベクトルに従う全体的な高さ方向zと平行になるように配置される。第1の管20の入口21は、全体的な高さ方向zに対して、第1の管20の出口22よりも下方の位置に配置される。
【0043】
この場合、第1の管20は、8個のスレッド23a~hを含む。スレッド23a~hのそれぞれの1つは、他のスレッド23a~hの1つ又は2つと直接的に接触するように配置される。らせん形状に起因して、最初のスレッド23a及び最後のスレッド23hは、それぞれ他のスレッド23a~hの1つ23b、23gのみと直接的に接触するように配置される。全ての他のスレッド23b~gは、他のスレッド23a~hの2つと直接的に接触するように配置される。この場合、各スレッド23a~hの外径20D2は、他のスレッド23a~hの1つ又は2つの外径20D2と直接的に接触するように配置される。
【0044】
図3b及び図3cは、図2aによって示されるようならせん形状の第1の管20を製造するために使用される直線状の管20’の2つの実施形態を示す。前記直線状の管20’は、中空の円柱の形態を含み、特定の巻き直径63(図2aを参照されたお)の周りに巻かれて、らせん形状の第1の管20を形成する。中央軸24’の長さ24L’並びに内径及び外径など、直線状の管20’の寸法は、巻き付けのプロセスによって影響を受けず、従って中央軸24の長さ24L並びに内径20D1及び外径20D2など、前記直線状の管から製造されたらせん形状の管20の寸法と等しいことが想定される。当然ながら、らせん形状の管20の中央軸24もらせん形状になり(図2aを参照されたい)、直線の形態を含む直線状の管20’の中央軸24’とは対照的である。
【0045】
従って、分かり易くするために、幾つかの好ましい特徴は、図3b及び図3cによって示されるような直線状の管20’の例に関して説明される。明示的に言及されない限り、直線状の管20’の例に関して説明された特徴の全ては、らせん形状の第1の管20にも当てはまる。
【0046】
図1によれば、この方法100は、加熱70を提供し、且つ加熱70を適用することにより、第1の管20、20’の壁25の少なくとも第1のセクション25aの温度Tを制御するステップ(103b)(図3bを参照されたい)を更に含む。この場合、第1の管20、20’は、金属管であり、及び加熱70は、抵抗性加熱である。
【0047】
図3cは、第1の管20、20’が、第1の管20、20’の中央軸24、24’に対して順に配置された複数のセクション25a、25b、25cを含むことを示す。従って、各セクション25a、25b、25cの壁25の温度T25a、T25b、T25cを個別に制御することができる。全てのセクション25a、25b、25cは、同じ長さ(長さ24L、24L’の3分の1)を有する。この場合、第1のセクション25aの壁25の温度T25aは、第2のセクション25bの壁25の温度T25bと等しく、第2のセクション25bの壁25の温度T25bは、第3のセクション25cの壁25の温度25cよりも高い。
【0048】
図1は、この場合、方法100が、第1の管20の内側26に新鮮な空気65を供給するために、第1の管20の入口21と出口22との間に複数の供給ポート80a~hを提供するステップ(103c)を含むことを示す。更に、図1は、この場合、方法100が、気化された水及び空気の混合物66を排気するために、第1の管20の入口21と出口22との間に複数の排気ポート81a~hを提供するステップ(103d)を含むことを示す。より正確には、第1の管20の各スレッド23a~hは、1つの単一の供給ポート80a~h及び1つの単一の排気ポート81a~hを含む。この場合、第1の排気ポート81aは、第1の管20の中央軸24に沿った方向において入口21と第1の供給ポート80aとの間に配置される。更に、全ての排気ポート81a~h及び全ての供給ポート80a~hは、以下の順序に従って入口21と出口22との間に交互に配置される:入口21、第1の排気ポート81a、第1の供給ポート80a、第2の排気ポート81b、第2の供給ポート80b、...、第8の排気ポート81h、第8の供給ポート80h、出口22。
【0049】
更に、図1は、方法100が、排気された空気を燃焼させるステップ(108)を含むことを示す。
【0050】
図2aは、第1のモーター50が中央軸51を含むことを示し、ここで、第1のモーター50の中央軸51と、第1の管20の入口21における第1の管20の中央軸24とは、取り付け角度52で互いに向かって配置される。この場合、モーター50の取り付け角度52、回転速度及びオフバランスは、所定の範囲内で調節可能である。
【0051】
図1は、方法100が、
少なくとも1つの入口31及び少なくとも1つの出口32を有する第2の管30(図2bも参照されたい)を提供するステップ(109)、
振動を発生させる第2のモーター90を提供するステップ(110)、
第2のモーター90によって発生された振動を第2の管30に伝達するステップ(111)、
第2の管30の入口31で開始する、第2の管30を通る第2の空気流61を提供するステップ(112)、
第1の管20及び第2の管30を直列に接続するステップ(113)、
第1の管20の出口22から到来し、且つ第2の水分含有率w2を有するタバコ1を第2の管30の入口31に挿入するステップ(114)、
第2の管30の入口31の前の位置P1でタバコ1に水を提供するステップ(115)
第2の管30内のタバコ1を第2の管30の出口31に向かって運ぶステップ(116)、
第2の管30の出口32でタバコ1を取り出すステップ(117)であって、タバコ1は、第1の水分含有率w1よりも低く、且つ第2の水分含有率w2よりも高い第3の水分含有率w3を有する、ステップ(117)
を更に含むことを示す。
【0052】
この方法の終わりは、(199)とマークを付されている。
【0053】
この場合、第1の管20と第2の管30とは、同一である。両方の管を容易に接続するために、図2cは、接続ホース67が第1の管20の出口22と第2の管30の入口31との間に配置されることを示す。
【0054】
目的は、タバコ1を加工処理するためのシステムSであって、
それぞれ1つの単一の入口21、31及び1つの単一の出口22、32を有し、且つ複数のスレッド23a~h、33a~hを有するらせん形状を含む第1の管20及び第2の管30であって、直列に接続される第1の管20及び第2の管30、
それぞれ振動を発生させる第1のモーター50及び第2のモーター90であって、第1のモーター50によって発生された振動は、第1の管20に伝達可能であり、第2のモーター90によって発生された振動は、第2の管30に伝達可能である、第1のモーター50及び第2のモーター90、
それぞれ第1の管20又は第2の管30の入口21、31で開始する、第1の管20を通る第1の空気流60及び第2の管30を通る第2の空気流61、
第1の管20及び第2の管30のぞれぞれの壁25の少なくともセクション25aの温度Tを制御するための加熱70(図3b及び図3cも参照されたい)
を含み、ある量のタバコ1は、第1の管20及び第2の管30を順に通して移送可能であり、システムSは、
第1の管20及び第2の管30の内側26に新鮮な空気65を供給するための、第1の管20の入口21と出口22との間及び第2の管30の入口31と出口32との間の複数の供給ポート80a~h、
気化された水及び/又は空気66を排気するための、第1の管20の入口21と出口22との間及び第2の管30の入口31と出口32との間の複数の排気ポート81a~h、
第2の管30の入口31の前の位置P1でタバコ1に水を送達する水源62(図1は、第2の管30の入口31と出口32との間の代替的な位置P2も示す)
を含む、システムSによっても達成される(図2bを参照されたい)。
【0055】
本出願人は、本出願明細書に開示された全ての特徴が、先行技術に照らして、個別に又は組み合わせて新規である限り、それらの特徴を本発明の本質的な特徴であるものとして特許請求する権利を保有する。更に、図では、個別に有利であり得る特徴が記載されていることに留意されたい。当業者であれば、図に開示された特定の特徴は、この図の別の特徴を取り入れなくても有利であり得ることを直接認識するであろう。更に、当業者であれば、1つ又は様々の図に開示された多様な特徴の組み合わせから利点が発展し得ることを認識するであろう。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]タバコ(1)を加工処理するための方法(100)であって、
少なくとも1つの入口(21)及び少なくとも1つ出口(22)を有し、且つ複数のスレッド(23a~h)を有するらせん形状を含む第1の管(20)を提供するステップ(101)、
振動を発生させる第1のモーター(50)を提供するステップ(102)、
前記第1の管(20)に前記振動を伝達するステップ(103)、
第1の水分含有率(w1)を有するある量のタバコ(1)を前記第1の管(20)の前記入口(21)に挿入するステップ(104)、
前記入口(21)から前記出口(22)への方向において前記第1の管(20)を通る第1の空気流(60)を提供するステップ(105)、
前記第1の管(20)に伝達された前記振動により且つ前記第1の空気流(60)により、前記第1の管(20)内の前記量のタバコ(1)を前記第1の管(20)の前記出口(22)に向かって運ぶステップ(106)、
前記第1の管(20)の前記出口(22)で前記タバコ(1)を取り出すステップ(107)であって、前記タバコ(1)は、前記第1の水分含有率(w1)よりも低い第2の水分含有率(w2)を有する、ステップ(107)
を含む方法(100)。
[2]前記第1の管(20)は、内径(20D)及び前記入口(21)から前記出口(22)までの全長(24L)を有する中央軸(24)を含み、前記中央軸(24)の前記全長(24L)と前記第1の管(20)の前記内径(20D)との間の関係は、100~140、好ましくは120~130の範囲内である、[1]に記載の方法(100)。
[3]前記第1の管(20)は、5~10個のある数のスレッド(23a~h)、好ましくは8個のスレッド(23a~h)を含む、[1]又は[2]に記載の方法(100)。
[4]前記スレッド(23a~h)のそれぞれの1つは、他のスレッド(23a~h)の1つ又は2つと接触するように配置される、[1]~[3]の何れかに記載の方法(100)。
[5]加熱(70)を提供し、且つ前記加熱(70)を適用することにより、前記第1の管(20)の壁(25)の少なくとも第1のセクション(25a)の温度(T)を制御するステップ(103b)を更に含む、[1]~[4]の何れかに記載の方法(100)。
[6]前記第1の管(20)は、金属管であり、及び前記加熱(70)は、抵抗性加熱であり、電流は、少なくとも前記第1の管(20)の前記壁(25)の前記第1のセクション(25a)に印加される、[5]に記載の方法(100)。
[7]前記第1の管(20)は、前記第1の管(20)の前記中央軸(24)に対して順に配置された複数のセクション(25a、25b、25c)を含み、前記セクション(25a、25b、25c)のそれぞれの前記壁(25)の温度(T25a、T25b、T25c)は、個別に制御される、[5]又は[6]に記載の方法(100)。
[8]前記第1の管(20)の前記壁(25)は、前記第1の管(20)の前記中央軸(24)に対して順に配置された第1のセクション(25a)、第2のセクション(25b)及び第3のセクション(25c)を含み、前記第1のセクション(25a)の前記壁(25)の前記温度(T25a)は、前記第2のセクション(25b)の前記壁(25)の前記温度(T25b)に等しく、前記第2のセクション(25b)の前記壁(25)の前記温度(T25b)は、前記第3のセクション(25c)の前記壁(25)の前記温度(25c)よりも高い、[7]に記載の方法(100)。
[9]前記第1の管(20)の内側(26)に新鮮な空気を供給するために、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間に少なくとも1つの供給ポート(80a~h)を提供するステップ(103c)を更に含む、[1]~[8]の何れかに記載の方法(100)。
[10]気化された水及び/又は空気を排気するために、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間に少なくとも1つの排気ポート(81a~h)を提供するステップ(103d)を更に含む、[9]に記載の方法(100)。
[11]前記第1の管(20)の前記スレッド(23a~h)のそれぞれは、1つの単一の供給ポート(80a~h)及び/又は1つの単一の排気ポート(81a~h)を含む、[10]に記載の方法(100)。
[12]前記排気された空気を燃焼させるステップ(108)を更に含む、[10]又は[11]に記載の方法(100)。
[13]前記第1のモーター(50)は、中央軸(51)を含み、前記第1のモーター(50)の前記中央軸(51)と、前記第1の管(20)の前記入口(21)における前記第1の管(20)の前記中央軸(24)とは、取り付け角度(52)で互いに向かって配置され、前記モーター(50)の前記取り付け角度(52)、回転速度及び/又はオフバランスは、所定の範囲内で調節可能である、[1]~[12]の何れかに記載の方法(100)。
[14]少なくとも1つの入口(31)及び少なくとも1つの出口(32)を有する第2の管(30)を提供するステップ(109)、
振動を発生させる第2のモーター(90)を提供するステップ(110)、
前記第2のモーター(90)によって発生された前記振動を前記第2の管(30)に伝達するステップ(111)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)で開始する、前記第2の管(30)を通る第2の空気流(61)を提供するステップ(112)、
前記第1の管(20)及び前記第2の管(30)を直列に接続するステップ(113)、
前記第1の管(20)の前記出口(22)から到来し、且つ前記第2の水分含有率(w2)を有する前記タバコ(1)を前記第2の管(30)の前記入口(31)に挿入するステップ(114)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)の前の位置(P1)及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の位置(P2)で前記タバコ(1)に水を提供するステップ(115)、
前記第2の管(30)内の前記タバコ(1)を前記第2の管(30)の前記出口(31)に向かって運ぶステップ(116)、
前記第2の管(30)の前記出口(32)で前記タバコ(1)を取り出すステップ(117)であって、前記タバコ(1)は、前記第1の水分含有率(w1)よりも低く、且つ前記第2の水分含有率(w2)よりも高い第3の水分含有率(w3)を有する、ステップ(117)
を更に含む、[1]~[13]の何れかに記載の方法(100)。
[15]タバコ(1)を加工処理するためのシステム(S)であって、
それぞれ少なくとも1つの入口(21、31)及び少なくとも1つの出口(22、32)を有し、且つ複数のスレッド(23a~h、33a~h)を有するらせん形状を含む第1の管(20)及び第2の管(30)であって、直列に接続される第1の管(20)及び第2の管(30)、
それぞれ振動を発生させる第1のモーター(50)及び第2のモーター(90)であって、前記第1のモーター(50)によって発生された前記振動は、前記第1の管(20)に伝達可能であり、前記第2のモーター(90)によって発生された前記振動は、前記第2の管(30)に伝達可能である、第1のモーター(50)及び第2のモーター(90)、
それぞれ前記第1の管(20)又は前記第2の管(30)の前記入口(21、31)で開始する、前記第1の管(20)を通る第1の空気流(60)及び前記第2の管(30)を通る第2の空気流(61)、
前記第1の管(20)及び/又は前記第2の管(30)の壁(25)の少なくとも第1のセクション(25a)の温度(T)を制御するための加熱(70)
を含み、ある量のタバコ(1)は、前記第1の管(20)及び前記第2の管(30)を順に通して移送可能であり、前記システム(S)は、
前記第1の管(20)又は前記第2の管(30)の内側(26)に新鮮な空気を供給するための、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の少なくとも1つの供給ポート(80a~h)、
気化された水及び/又は空気を排気するための、前記第1の管(20)の前記入口(21)と前記出口(22)との間及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の少なくとも1つの排気ポート(81a~h)、
前記第2の管(30)の前記入口(31)の前の位置(P1)及び/又は前記第2の管(30)の前記入口(31)と前記出口(32)との間の位置(P2)で前記タバコ(1)に水を送達する水源(62)
を含む、システム(S)。
【符号の説明】
【0056】
1 タバコ
20、20’、30 管
20D1 内径
20D2 外径
21、31 入口
22、32 出口
23a~h、33a~h スレッド
24、24’、51 中央軸
24L、24L’ 長さ
25 壁
25a~c 断面
26 内側
50、90 モーター
52 取り付け角度
60、61 空気流
62 水源
63 巻き直径
64 巻き軸
65 新鮮な空気
66 混合物
67 接続ホース
70 加熱
80a~h 供給ポート
81a~h 排気ポート
100 方法
101~117 ステップ
199 終了
P1、P2 位置
T、T25a~c 温度
S システム
w1、w2、w3 水分含有率
z 全体的な高さ方向
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c