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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コンパレータ回路およびADコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/08 20060101AFI20240709BHJP
   H03M 1/46 20060101ALI20240709BHJP
   H03M 1/10 20060101ALN20240709BHJP
   H03M 1/38 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
H03K5/08 S
H03M1/46
H03M1/10 A
H03M1/38
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021561271
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2020041842
(87)【国際公開番号】W WO2021106544
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019215020
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 善昭
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-329518(JP,A)
【文献】特開平10-145196(JP,A)
【文献】特開昭61-46614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/08
H03M 1/46
H03M 1/10
H03M 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧が印加される第1端を有する第0コンデンサと、
前記第0コンデンサの第2端と第0ノードで接続される入力端を有する第0インバータと、
前記第0インバータの出力端と第1ノードで接続される第1端を有する第1コンデンサと、
前記第1コンデンサの第2端と第2ノードで接続される入力端を有する第1インバータと、
前記第1インバータの出力端と第3ノードで接続される入力端を有する第2インバータと、
前記第0ノードと前記第1ノードの間の導通/遮断を切り替える第0スイッチと、
前記第2ノードと前記第3ノードの間の導通/遮断を切り替える第1スイッチと、
前記第1ノードと前記第3ノードの間の導通/遮断を切り替える第2スイッチと、
前記第3ノードと前記第2インバータの出力端の間の導通/遮断を切り替える第3スイッチと、
を有する、コンパレータ回路。
【請求項2】
前記第2インバータの出力端と第4ノードで接続される入力端を有する第3インバータを有する、請求項1に記載のコンパレータ回路。
【請求項3】
前記第0~第2インバータは、
電源電圧を印加されるソースを有するPMOSトランジスタと、
前記PMOSトランジスタのドレインと接続されるドレインとグランド電位を印加されるソースとを有するNMOSトランジスタと、
を有し、
前記PMOSトランジスタのゲートと、前記NMOSトランジスタのゲートは、短絡される、請求項1または請求項2に記載のコンパレータ回路。
【請求項4】
前記電源電圧の印加端と前記PMOSトランジスタのソースとの間の導通/遮断を切り替える電源供給スイッチを有する、請求項3に記載のコンパレータ回路。
【請求項5】
前記電源供給スイッチがオフのときに、前記第1インバータと前記第2インバータの少なくとも一方に含まれる前記PMOSトランジスタのゲートとバックゲートに同じ電位を印加させる、請求項4に記載のコンパレータ回路。
【請求項6】
前記バックゲートとグランド電位の印加端との間の導通/遮断を切り替える切替スイッチを有する、請求項5に記載のコンパレータ回路。
【請求項7】
前記第3ノードと前記第2ノードの少なくとも一方をPMOSトランジスタによりプルアップする、請求項5に記載のコンパレータ回路。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンパレータ回路と、
デジタルデータであるDACデータを生成するDACデータ生成部と、
DAC(DAコンバータ)と、
出力信号生成部と、
を有して、
前記コンパレータ回路は、アナログ信号である入力信号をサンプリングし、サンプリングされた前記入力信号と、前記DACにより前記DACデータから変換されたアナログデータとを比較し、
前記DACデータ生成部は、前記コンパレータ回路による比較結果に応じて前記DACデータを更新し、
前記出力信号生成部は、前記コンパレータ回路による比較結果に応じて出力信号のビットデータを確定する、
ADコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパレータ回路およびADコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(ADコンバータ)は、様々なシステムに適用されている。ADCの一種として、逐次比較型ADCが存在する(例えば特許文献1)。
【0003】
逐次比較型ADCは、コンパレータと、DAC(DAコンバータ)と、を有し、コンパレータによるアナログ入力信号とDACの出力との比較処理に基づき、アナログ入力信号をデジタル出力信号に変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-220172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、コンパレータは、インバータを有しており、インバータには閾値電圧のオフセットが生じうる。このオフセットによりインバータの比較判定出力が不定となることが生じうる。
【0006】
上記状況に鑑み、本発明は、比較判定出力が不定となることを抑制できるコンパレータ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るコンパレータ回路は、
入力電圧が印加される第1端を有する第0コンデンサと、
前記第0コンデンサの第2端と第0ノードで接続される入力端を有する第0インバータと、
前記第0インバータの出力端と第1ノードで接続される第1端を有する第1コンデンサと、
前記第1コンデンサの第2端と第2ノードで接続される入力端を有する第1インバータと、
前記第1インバータの出力端と第3ノードで接続される入力端を有する第2インバータと、
前記第0ノードと前記第1ノードの間の導通/遮断を切り替える第0スイッチと、
前記第2ノードと前記第3ノードの間の導通/遮断を切り替える第1スイッチと、
前記第1ノードと前記第3ノードの間の導通/遮断を切り替える第2スイッチと、
前記第3ノードと前記第2インバータの出力端の間の導通/遮断を切り替える第3スイッチと、
を有する構成としている(第1の構成)。
【0008】
また、上記第1の構成において、前記第2インバータの出力端と第4ノードで接続される入力端を有する第3インバータを有することとしてもよい(第2の構成)。
【0009】
また、上記第1または第2の構成において、前記第0~第2インバータは、電源電圧を印加されるソースを有するPMOSトランジスタと、前記PMOSトランジスタのドレインと接続されるドレインとグランド電位を印加されるソースとを有するNMOSトランジスタと、を有し、前記PMOSトランジスタのゲートと、前記NMOSトランジスタのゲートは、短絡されることとしてもよい(第3の構成)。
【0010】
また、上記第3の構成において、前記電源電圧の印加端と前記PMOSトランジスタのソースとの間の導通/遮断を切り替える電源供給スイッチを有することとしてもよい(第4の構成)。
【0011】
また、上記第4の構成において、前記電源供給スイッチがオフのときに、前記第1インバータと前記第2インバータの少なくとも一方に含まれる前記PMOSトランジスタのゲートとバックゲートに同じ電位を印加させることとしてもよい(第5の構成)。
【0012】
また、上記第5の構成において、前記バックゲートとグランド電位の印加端との間の導通/遮断を切り替える切替スイッチを有することとしてもよい(第6の構成)。
【0013】
また、上記第5の構成において、前記第3ノードと前記第2ノードの少なくとも一方をPMOSトランジスタによりプルアップすることとしてもよい(第7の構成)。
【0014】
また、本発明の別態様に係るADコンバータは、上記いずれかの構成としたコンパレータ回路と、デジタルデータであるDACデータを生成するDACデータ生成部と、DAC(DAコンバータ)と、出力信号生成部と、を有して、前記コンパレータ回路は、アナログ信号である入力信号をサンプリングし、サンプリングされた前記入力信号と、前記DACにより前記DACデータから変換されたアナログデータとを比較し、前記DACデータ生成部は、前記コンパレータ回路による比較結果に応じて前記DACデータを更新し、前記出力信号生成部は、前記コンパレータ回路による比較結果に応じて出力信号のビットデータを確定する構成としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコンパレータ回路によれば、比較判定出力が不定となることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るADコンバータの構成を示す図である。
図2】第1比較例に係るコンパレータの構成を示す図である。
図3】第1比較例に係るコンパレータにおける各ノード電圧の挙動の一例を示す図である。
図4】第2比較例に係るコンパレータの構成を示す図である。
図5】第2比較例に係るコンパレータにおける各インバータの特性を示す図である。
図6】第2比較例に係るコンパレータにおける各ノード電圧の挙動の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るコンパレータの構成を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るコンパレータにおける各ノード電圧の挙動の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るコンパレータの構成を示す図である。
図10】本発明の一変形例に係るコンパレータの構成を示す図である。
図11】本発明の別の変形例に係るコンパレータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
<ADCの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るADC(ADコンバータ)10の構成を示すブロック図である。ADC10は、アナログ信号である入力信号INをデジタル信号である出力信号OUTに変換して出力する。ADC10は、いわゆる逐次比較型のAD変換を行う。
【0019】
AD変換部1は、コンパレータ1と、比較ラッチ部2と、データラッチ部3と、DACデータ生成部4と、DAC(DAコンバータ)5と、スイッチ6と、スイッチ7と、を有する。
【0020】
コンパレータ1は、入力信号INと、DAC5から出力されるアナログデータと、を比較し、比較結果としての比較判定出力CMPOUTを出力する。より具体的には、コンパレータ1は、入力信号INのサンプリング動作と、入力信号INと上記アナログデータとを比較する比較動作を行う。
【0021】
比較ラッチ部2は、コンパレータ1から出力される比較判定出力CMPOUTを保持する。すなわち、比較ラッチ部2は、HighまたはLowの1ビット信号を保持する。
【0022】
データラッチ部(出力信号生成部)3は、比較ラッチ部2の保持データに応じてビットごとにHighまたはLowのデータを保持し、所定ビット数(例えば12ビット)のデータを保持する。データラッチ部3に保持された所定ビット数のデータは、出力信号OUTとして出力される。
【0023】
DACデータ生成部4は、逐次比較レジスタ(SAR:Successive Approximation Register)から構成され、比較ラッチ部2の保持データに応じて、デジタルデータであるDACデータを生成する。DACデータは、DAC5によりアナログデータへ変換される。
【0024】
スイッチ6は、入力信号INのコンパレータ1への入力経路の接続/遮断を切り替える。スイッチ7は、DAC5から出力されるアナログデータのコンパレータ1への入力経路の接続/遮断を切り替える。
【0025】
<逐次比較型のAD変換>
ADC10において入力信号INを出力信号OUTへ変換する逐次比較型のAD変換動作について説明する。逐次比較型のAD変換動作は、サンプリング動作と比較動作を有する。なお、ここでは、一例としてADC10は12ビットのAD変換を行うものとする。
【0026】
まず、スイッチ6をオン、スイッチ7をオフとすることで、入力信号INがコンパレータ1へ入力され、コンパレータ1によって入力信号INのサンプリングが行われる。その後、スイッチ6をオフ、スイッチ7をオンとして、比較動作に移行する。
【0027】
比較動作では、初期値としてDACデータ生成部4における12ビットのデジタル値のMSB(最上位ビット)に“1”がセットされ、それ以外のビットが“0”にセットされる。すなわち、12ビットのダイナミックレンジ(0~4095)の半値(2048)にセットされる。そして、DAC5によりDACデータ生成部4のデジタル値がアナログデータにDA変換される。当該アナログデータは、スイッチ7を介してコンパレータ1に入力される。
【0028】
コンパレータ1は、入力信号INとアナログデータの比較を行い、比較判定出力CMPOUTを出力する。
【0029】
比較ラッチ部12に保持された比較信号CMPOUTのレベルが入力信号IN>アナログデータ(DAC出力電圧)を示す場合、データラッチ部3における12ビットのデジタル値のうちMSB=“1”と確定される。また、この場合、DACデータ生成部4における12ビットのデジタル値のMSBに“1”、MSBの次のビットに“1”、それ以外のビットに“0”がセットされる。すなわち、12ビットのダイナミックレンジの上半分の半値(3072)にセットされる。そして、DAC5によりDACデータ生成部4のデジタル値はアナログデータに変換され、コンパレータ1に入力される。
【0030】
一方、比較ラッチ部12に保持された比較信号CMPのレベルが入力信号IN<アナログデータを示す場合、データラッチ部3における12ビットのデジタル値のうちMSB=“0”と確定される。また、この場合、DACデータ生成部4における12ビットのデジタル値のMSBに“0”、MSBの次のビットに“1”、それ以外のビットに“0”がセットされる。すなわち、12ビットのダイナミックレンジの下半分の半値(1024)にセットされる。そして、DAC5によりDACデータ生成部4のデジタル値はアナログデータに変換され、コンパレータ1に入力される。
【0031】
以降、同様にコンパレータ1による比較結果に応じてデータラッチ部3におけるデジタル値のビットが順次確定されつつ、DACデータ生成部4にセットされるデジタル値が更新される。そして、データラッチ部3におけるデジタル値のLSB(最下位ビット)までビットが確定すると、変換動作が完了され、データラッチ部3におけるデジタル値は出力信号OUTとして出力される。
【0032】
<第1比較例>
以下、先述したADC10に設けられるコンパレータ1について、より詳細に述べる。ここではまず、本発明の実施形態について説明する前に、比較例に係るコンパレータ1について述べる。
【0033】
図2は、第1比較例に係るコンパレータ1Xの構成を示す。コンパレータ1Xは、インバータINV0と、インバータINV1と、を有する。インバータINV0,INV1は、ともに、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタから構成される。
【0034】
より具体的には、PMOSトランジスタのソースには、電源電圧の印加端が接続され、ドレインには、NMOSトランジスタのドレインが接続される。NMOSトランジスタのソースは、グランド電位の印加端に接続される。PMOSトランジスタのゲートとNMOSトランジスタのゲートとは短絡される。PMOSトランジスタのドレインとNMOSトランジスタのドレインとが接続されるノードは、インバータの出力端となり、PMOSトランジスタのゲートとNMOSトランジスタのゲートとが接続されるノードは、インバータの入力端となる。なお、後述する他のコンパレータにおけるインバータについても同様の構成である。
【0035】
図2に示すように、コンパレータ1Xは、コンデンサC0,C1も有する。コンデンサC0の第1端には、入力電圧Vinが印加される。コンデンサC0の第2端とインバータINV0の入力端とは、ノードN0にて接続される。インバータINV0の出力端とコンデンサC1の第1端とは、ノードN1にて接続される。コンデンサC1の第2端とインバータINV1の入力端とは、ノードN2にて接続される。インバータINV1の出力端から比較判定出力CMPOUTが出力される。
【0036】
また、図2に示すように、コンパレータ1Xは、スイッチSW0,SW1も有する。スイッチSW0は、ノードN0とノードN1の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW1は、ノードN2とインバータINV1の出力端との間の導通/遮断を切り替える。
【0037】
このような構成のコンパレータ1Xの動作について、図3を参照して説明する。図3には、ノードN0~N2のそれぞれの電圧であるノード電圧NET0~NET2の挙動を示す。また、図3において、実線はサンプリングを、破線は比較動作を示す。
【0038】
まず、スイッチSW0とSW1をオンとして、サンプリングが行われる。このとき、ノードN0とN1の短絡により、ノード電圧NET0、NET1は、ともにインバータINV0の閾値電圧となる。ここで、図3の例では、インバータINV0の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos0が生じている。また、ノードN2とインバータINV1の出力端の短絡により、ノード電圧NET2は、インバータINV1の閾値電圧となる。ここで、図3の例では、インバータINV1の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos1が生じている。
【0039】
また、サンプリングのときには、ADC10(図1)におけるスイッチ6のオンにより、入力信号INが入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加される。従って、入力信号INとノード電圧NET0との電位差により、コンデンサC0に電荷が蓄えられる。また、ノード電圧NET1とノード電圧NET2との電位差により、コンデンサC1に電荷が蓄えられる。
【0040】
次に、スイッチSW0とSW1をオフとして、比較動作が行われる。このとき、ADC10におけるスイッチ7のオンにより、DAC5から出力されるアナログデータ(DAC出力電圧)が入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加される。コンデンサC0の電荷によりコンデンサC0での電位差は保持されるので、入力信号INからアナログデータへの電圧変化と同じ電圧変化ΔVがノード電圧NET0に生じる。図3は、入力信号INよりもアナログデータのほうが高い場合の電圧変化ΔVの例を示す。
【0041】
このとき、図3に示すように、ノード電圧NET1は、インバータINV0のゲインをA0とすれば、インバータINV0の閾値電圧よりΔV・A0だけノード電圧NET0側とは逆側にずれた電圧となる。そして、サンプリング時にコンデンサC1に蓄えられた電荷は保持されるので、図3に示すように、ノード電圧NET2は、インバータINV1の閾値電圧よりΔV・A0だけずれた電圧となる。
【0042】
インバータINV1のゲインは∞であるので、図3の場合、インバータINV1の出力となる比較判定出力CMPOUTは、Highとなる。
【0043】
このような第1比較例に係るコンパレータ1Xによれば、コンパレータのオフセットをゼロとすることができる。しかしながら、インバータINV0の入力であるノード電圧NET0と、インバータINV0の閾値電圧との差が大きい場合、インバータINV0の出力であるノード電圧NET1の反応が遅くなる課題がある。図3の例であれば、図3に示す比較動作の次の比較動作時に、ノード電圧NET0がインバータINV0の閾値電圧よりも低く、ノード電圧NET0と上記閾値電圧との差が大きい場合、ノード電圧NET1は、上記閾値電圧よりもΔV・A0だけ低い電圧から、上記閾値電圧よりも高い電圧まで大幅に立ち上がる必要があるので、反応が遅くなってしまう。
【0044】
<第2比較例>
次に、第2比較例に係るコンパレータについて説明する。第2比較例は、上記第1比較例の課題を解決すべく改良したものとなる。図4は、第2比較例に係るコンパレータ1Yの構成を示す。
【0045】
図4に示すように、コンパレータ1Yは、インバータINV0~INV3と、コンデンサC0,C1と、スイッチSW0~SW3と、を有している。
【0046】
コンデンサC0の第1端には、入力電圧Vinが印加される。コンデンサC0の第2端は、インバータINV0の入力端とノードN0にて接続される。インバータINV0の出力端は、インバータINV1の入力端とノードN1にて接続される。インバータINV1の出力端は、コンデンサC1の第1端とノードN2にて接続される。コンデンサC1の第2端は、インバータINV2の入力端とノードN3にて接続される。インバータINV2の出力端は、インバータINV3の入力端とノードN4にて接続される。
【0047】
スイッチSW0は、ノードN0とノードN1の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW1は、ノードN3とノードN4の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW2は、ノードN1とノードN2の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW3は、ノードN2とノードN4の間の導通/遮断を切り替える。
【0048】
このような構成のコンパレータ1Yの動作について、図6を参照して説明する。図6は、ノードN0~N4のノード電圧NET0~NET4の挙動を示す。また、図6において、実線はサンプリング、破線はプリセット、一点鎖線は比較動作を示す。
【0049】
なお、図5に示すように、インバータINV0~INV2のゲインをA0~A2、インバータINV0~INV2の閾値電圧のオフセットをVos0~Vos2であるとする。
【0050】
まず、スイッチSW0とSW1をオン、スイッチSW2とSW3はオフとして、サンプリングが行われる。このとき、ノードN0とN1の短絡により、ノード電圧NET0、NET1は、ともにインバータINV0の閾値電圧となる。ここで、図6の例では、インバータINV0の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos0(図5)が生じている。また、ノードN3とN4との短絡により、ノード電圧NET3、NET4は、インバータINV2の閾値電圧となる。ここで、図6の例では、インバータINV2の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos2(図5)が生じている。
【0051】
このとき、インバータINV1の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos1(図5)が生じている。インバータINV1の入力であるノード電圧NET1とインバータINV1の閾値電圧との差は、Vdiff=Vos1-Vos0となる。従って、インバータINV1の出力であるノード電圧NET2は、Vth_ideal+Vdiff・A1+Vos1となる。
【0052】
また、サンプリング時には、入力信号INが入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加され、入力電圧Vinとノード電圧NET0との電位差に応じて、コンデンサC0に電荷が蓄えられる。
【0053】
次に、スイッチSW0,SW1はオフ、スイッチSW2,SW3はオンとして、プリセットが行われる。このとき、ノードN1とN2とN4は短絡されるので、ノード電圧NET1、NET2、NET4は、同じ電圧となり、安定点であるプリセット電圧Vth_presetとなる。
【0054】
また、ノード電圧NET2は、サンプリング時のVth_ideal+Vdiff・A1+Vos1からプリセット電圧Vth_presetへ変化する。コンデンサC1には、サンプリング時のノード電圧NET2,NET3の電位差に応じた電荷が保持されるので、プリセット時にはノード電圧NET3は、インバータINV2の閾値電圧からVth_ideal+Vdiff・A1+Vos1-Vth_presetだけ変化した電圧となる。
【0055】
また、プリセット時には、DAC5から出力されるアナログデータ(DAC出力電圧)が入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加される。コンデンサC0の電荷によりコンデンサC0での電位差は保持されるので、入力信号INからアナログデータへの電圧変化と同じ電圧変化ΔVがノード電圧NET0に生じる。図6は、入力信号INよりもアナログデータのほうが高い場合の電圧変化ΔVの例を示す。
【0056】
次に、スイッチSW0~SW3は、すべてオフとされて、比較動作が行われる。このとき、インバータINV0の出力であるノード電圧NET1は、インバータINV0の閾値電圧よりΔV・A0だけΔVの変化方向と逆方向にずれた電圧となる。インバータINV1の出力であるノード電圧NET2は、インバータINV1の閾値電圧より(ΔV・A0+Vdiff)・A1だけノード電圧NET1側と逆側にずれた電圧となる。
【0057】
このとき、コンデンサC1の電荷によりノード電圧NET2とNET3の電位差は保持されるので、ノード電圧NET3は、プリセット時の電圧よりも(ΔV・A0+Vdiff)・A1+Vos1-(Vth_preset-Vth_ideal)だけずれた電圧となる。
【0058】
ノード電圧NET3は、インバータINV2の閾値電圧よりもΔV・A0・A1だけずれた電圧となる。従って、インバータINV2の出力であるノード電圧NET4は、インバータINV2の閾値電圧よりもΔV・A0・A1・A2だけノード電圧NET3側と逆側にずれた電圧となる。
【0059】
図6の例では、ゲインが∞であるインバータINV3の閾値電圧が例えばVth_idealである場合、ノード電圧NET4は、Vth_idealよりも低いので、インバータINV3の出力である比較判定出力CMPOUTは、Highとなる。
【0060】
以降は、プリセットと比較動作が交互に繰り返されて行われる。このように、第2比較例に係るコンパレータ1Yでは、プリセットによりインバータの出力であるノード電圧NET1、NET2、NET4をVth_ideal付近にセットすることが可能となるので、比較動作においてインバータの出力の反応が遅れることを抑制できる。
【0061】
しかしながら、このような第2比較例に係るコンパレータ1Yでは、サンプリング時のノード電圧NET2(コンデンサC1の第1端の電圧)は、先述したようにVth_ideal+Vdiff・A1+Vos1となるが、インバータINV1の閾値電圧とインバータINV0の閾値電圧との差であるVdiffが大きくなった場合、ノード電圧NET2が電源電圧VCCに固着される虞がある。この場合、比較動作時にノード電圧NET2が電源電圧VCCに固着すると、コンデンサC1の第2端に生じるノード電圧NET3は、比較動作時にインバータINV2の閾値電圧となりサンプリング時から変化しないこととなり、比較判定出力CMPOUTが不定となる虞がある。図6の例では、Vdiffが大きいと、サンプリング時にノード電圧NET2が電源電圧VCCに固着される虞がある。
【0062】
同様に、Vdiffが大きくなった場合、サンプリング時にノード電圧NET2がグランド電位に固着される虞がある。この場合、比較動作時にノード電圧NET2がグランド電位に固着すると、ノード電圧NET3は変動できないことになり、やはり比較判定出力CMPOUTが不定となる虞がある。
【0063】
<本発明の例示的な実施形態に係るコンパレータ>
次に、本発明の例示的な実施形態に係るコンパレータについて述べる。本実施形態は、先述した第2比較例の課題を解決すべく改良したものとなる。
【0064】
図7は、本実施形態に係るコンパレータ1Aの構成を示す。コンパレータ1Aは、第2比較例と同様にプリセット機能を有する。図7に示すように、コンパレータ1Aは、インバータINV0~INV3と、コンデンサC0と、コンデンサC1と、スイッチSW0~SW3と、を有している。
【0065】
コンデンサC0の第1端には、入力電圧Vinが印加される。コンデンサC0の第2端は、インバータINV0の入力端とノードN0にて接続される。インバータINV0の出力端は、コンデンサC1の入力端とノードN1にて接続される。コンデンサC1の第2端は、インバータINV1の入力端とノードN2にて接続される。インバータINV1の出力端は、インバータINV2の入力端とノードN3にて接続される。インバータINV2の出力端は、インバータINV3の入力端とノードN4にて接続される。
【0066】
スイッチSW0は、ノードN0とノードN1の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW1は、ノードN2とノードN3の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW2は、ノードN1とノードN3の間の導通/遮断を切り替える。スイッチSW3は、ノードN3とノードN4の間の導通/遮断を切り替える。
【0067】
このような構成のコンパレータ1Aの動作について、図8を参照して説明する。図8は、ノードN0~N4のノード電圧NET0~NET4の挙動を示す。また、図8において、実線はサンプリング、破線はプリセット、一点鎖線は比較動作を示す。
【0068】
なお、図5に示すように、インバータINV0~INV2のゲインをA0~A2、インバータINV0~INV2の閾値電圧のオフセットをVos0~Vos2であるとする。
【0069】
まず、スイッチSW0とSW1をオン、スイッチSW2とSW3はオフとして、サンプリングが行われる。このとき、ノードN0とN1の短絡により、ノード電圧NET0、NET1は、ともにインバータINV0の閾値電圧となる。ここで、図8の例では、インバータINV0の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos0(図5)が生じている。また、ノードN2とN3との短絡により、ノード電圧NET2、NET3は、インバータINV1の閾値電圧となる。ここで、図8の例では、インバータINV1の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos1(図5)が生じている。
【0070】
このとき、インバータINV2の出力であるノード電圧NET4は、インバータINV2の閾値電圧よりノード電圧NET3側と逆側に(Vos1+Vos2)・A2だけずれた電圧となる。なお、図8の例では、インバータINV2の閾値電圧には、理想的な閾値電圧Vth_idealからのオフセットVos2(図5)が生じている。
【0071】
また、サンプリング時には、入力信号INが入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加され、入力電圧Vinとノード電圧NET0との電位差に応じて、コンデンサC0に電荷が蓄えられる。
【0072】
次に、スイッチSW0,SW1はオフ、スイッチSW2,SW3はオンとして、プリセットが行われる。このとき、ノードN1とN3とN4は短絡されるので、ノード電圧NET1、NET3、NET4は、同じ電圧となり、安定点であるプリセット電圧Vth_presetとなる。
【0073】
また、ノード電圧NET1は、サンプリング時の電圧からVos0-(Vth_preset-Vth_ideal)だけ変化する。コンデンサC1には、サンプリング時のノード電圧NET1,NET2の電位差に応じた電荷が保持されるので、プリセット時にはノード電圧NET2は、インバータINV1の閾値電圧からVos0-(Vth_preset-Vth_ideal)だけ変化した電圧となる。
【0074】
また、プリセット時には、DAC5から出力されるアナログデータ(DAC出力電圧)が入力電圧VinとしてコンデンサC0の第1端に印加される。コンデンサC0の電荷によりコンデンサC0での電位差は保持されるので、入力信号INからアナログデータへの電圧変化と同じ電圧変化ΔVがノード電圧NET0に生じる。図8は、入力信号INよりもアナログデータのほうが高い場合の電圧変化ΔVの例を示す。
【0075】
次に、スイッチSW0~SW3は、すべてオフとされて、比較動作が行われる。このとき、インバータINV0の出力であるノード電圧NET1は、インバータINV0の閾値電圧よりΔV・A0だけΔVの変化方向と逆方向にずれた電圧となる。コンデンサC1の電位差は保持されるので、ノード電圧NET2は、インバータINV1の閾値電圧よりΔV・A0だけずれた電圧となる。
【0076】
また、インバータINV1の出力であるノード電圧NET3は、インバータINV1の閾値電圧よりΔV・A0・A1だけノード電圧NET2側と逆側にずれた電圧となる。また、インバータINV2の出力であるノード電圧NET4は、インバータINV2の閾値電圧より(ΔV・A0・A1+Vos1+Vos2)・A2だけノード電圧NET3側と逆側にずれた電圧となる。
【0077】
図8の例では、ゲインが∞であるインバータINV3の閾値電圧が例えばVth_idealである場合、ノード電圧NET4は、Vth_idealよりも低いので、インバータINV3の出力である比較判定出力CMPOUTは、Highとなる。
【0078】
以降は、プリセットと比較動作が交互に繰り返されて行われる。このように、本実施形態に係るコンパレータ1Aでは、プリセットによりインバータの出力であるノード電圧NET1、NET3、NET4をVth_ideal付近にセットすることが可能となるので、比較動作においてインバータの出力の反応が遅れることを抑制できる。
【0079】
さらに、本実施形態であれば、コンデンサC1の第1端の電圧であるノード電圧NET1は、サンプリング時に必ずインバータINV0の閾値電圧となるので、電源電圧VCCおよびグランド電位に固着することがなくなる。これにより、比較動作時において、コンデンサC1の第2端の電圧であるノード電圧NET2は変動可能となり、比較判定出力CMPOUTが不定となることを抑制できる。
【0080】
<コンパレータのオフセット>
図7に示したコンパレータ1Aのオフセットは、以下のように計算される。
【0081】
電圧変化ΔVに対してノード電圧NET4の変化ΔVNET4は、(1)式で表される。
ΔVNET4=(ΔV・A0・A1+Vos1+Vos2)・A2
=ΔV・A0・A1・A2+(Vos1+Vos2)・A2 (1)
【0082】
(1)式の両辺をA0・A1・A2で除すると、
ΔVNET4/(A0・A1・A2)=ΔV+Vos_comp (2)
【0083】
ここで、(Vos1+Vos2)・A2/(A0・A1・A2)=(Vos1+Vos2)/(A0・A1)であるので、
(2)式におけるコンパレータのオフセットであるVos_compは、
Vos_comp=(Vos1+Vos2)/(A0・A1) (3)
と表される。ADCの特性としてオフセットを小さくするには、コンパレータのオフセットを小さくする必要がある。
【0084】
<NBTIの影響>
図9は、図7に示したコンパレータ1Aの構成に対して、各インバータへの電源電圧供給のオンオフを切り替える構成を付加した構成を示す。具体的には、図9では、コンパレータ1Aの構成に対して、PMOSトランジスタM0~M3を付加している。PMOSトランジスタM0~M3の各ソースは、電源電圧の印加端に接続される。PMOSトランジスタM0~M3の各ドレインは、インバータINV0~INV3における各PMOSトランジスタPM0~PM3のソースと接続される。また、PMOSトランジスタM0~M3の各バックゲートおよびPMOSトランジスタPM0~PM3の各バックゲートは、電源電圧の印加端に接続される。
【0085】
PMOSトランジスタM0~M3をオンオフさせることで、インバータINV0~INV3への電源電圧供給のオンオフを切り替えることができる。PMOSトランジスタM0~M3は、電源電圧の印加端とPMOSトランジスタPM0~PM3のソースとの間の導通/遮断を切り替える電源供給スイッチである。
【0086】
ここで、パワーダウン時でPMOSトランジスタM0~M3がオフのとき、例えばインバータINV1におけるオフのNMOSトランジスタNM1をリーク電流ILが流れ、ノード電圧NET3がグランド電位となりうる。この場合、インバータINV2におけるPMOSトランジスタPM2のゲート・バックゲート間に負バイアスVggが印加されることになり、PMOSトランジスタPM2はNBTI(Negative Bias Temperature Instability : 負バイアス温度不安定性)による劣化の影響を受けやすくなる。これにより、PMOSトランジスタPM2の閾値電圧がシフトし、先述した(3)式におけるインバータINV2の閾値電圧のオフセットVos2の値が変化し、コンパレータのオフセットVos_compが大きくなる虞がある。
【0087】
また、ノードN3を抵抗R1やMOSトランジスタなどでプルダウンした場合も、パワーダウン時にノード電圧NET3がグランド電位となり、PMOSトランジスタPM2のゲート・バックゲート間に負バイアスVggが印加されるので、上記と同様の現象が生じる虞がある。
【0088】
<NBTI対策>
そこで、図10に示すようなコンパレータの構成を採用してもよい。具体的には、図10に示す構成では、インバータINV2におけるPMOSトランジスタPM2のバックゲートは、PMOSトランジスタPM2のソースと接続させ、電源電圧は印加させないようにし、当該バックゲートにNMOSトランジスタNM20のドレインを接続する。NMOSトランジスタNM20のソースは、グランド電位の印加端に接続する。すなわち、NMOSトランジスタNM20は、上記バックゲートとグランド電位の印加端との間の導通/遮断を切り替える切替スイッチとなる。
【0089】
これにより、PMOSトランジスタM0~M3をオンとしてインバータINV2に電源電圧を供給しているときは、NMOSトランジスタNM20はオフとする。そして、パワーダウン時にPMOSトランジスタM0~M3をオフとするときに、NMOSトランジスタNM20をオンとする。これにより、パワーダウン時にノード電圧NET3がリーク電流によりグランド電位になったとしても、PMOSトランジスタPM2のバックゲートには、グランド電位が印加されているので、PMOSトランジスタPM2のゲート・バックゲート間に負バイアスが印加されることを回避できる。従って、PMOSトランジスタPM2のNBTIによる劣化を抑制することができる。
【0090】
なお、図11に示す構成を採用してもよい。図11に示す構成では、PMOSトランジスタPM2のバックゲートには電源電圧を印加させ、ノードN3をPMOSトランジスタPM20でプルアップしている。これにより、パワーダウン時にPMOSトランジスタM0~M3をオフとするときに、PMOSトランジスタPM2のバックゲートには電源電圧が印加されるが、PMOSトランジスタPM20をオンとさせることでノード電圧NET3も電源電圧となるので、PMOSトランジスタPM2のゲート・バックゲート間に負バイアスが印加されることを回避できる。なお、コンパレータ動作時には、PMOSトランジスタPM20は、オフとする。ただし、図11の構成では、パワーダウン時にNMOSトランジスタNM2のゲート・バックゲート間に正バイアスが印加されることになるので、NMOSトランジスタNM2にPBTI(Positive Bias Temperature Instability)による劣化が生じる虞がある。従って、図11よりは図10に示す構成のほうが望ましい。
【0091】
また、コンパレータのオフセットを抑えるには、インバータINV1のオフセットVos1を小さくすることも望ましい。従って、インバータINV1のPMOSトランジスタPM1のバックゲートにグランド電位を印加させるMOSトランジスタを上記MOSトランジスタNM20と同様に設けてもよい。または、図11に示すように、ノードN2をPMOSトランジスタPM21でプルアップしてもよい。
【0092】
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、例えば、ADCなどに利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
10 ADC(ADコンバータ)
1 コンパレータ
2 比較ラッチ部
3 データラッチ部
4 DACデータ生成部
5 DAC(DAコンバータ)
6 スイッチ
7 スイッチ
1X、1Y、1A コンパレータ
INV0~INV3 インバータ
C0、C1 コンデンサ
SW0~SW3 スイッチ
N0~N4 ノード
M0~M3 PMOSトランジスタ
PM0~PM3 PMOSトランジスタ
NM0~NM3 NMOSトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11