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特許7518101シンプルなマルチサーマル調節機能を有する飲料調製装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】シンプルなマルチサーマル調節機能を有する飲料調製装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/00 20060101AFI20240709BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20240709BHJP
   A47J 31/54 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A47J31/00 302
A47J31/36 100
A47J31/54 115
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021573932
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2020067054
(87)【国際公開番号】W WO2020254545
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】19181432.6
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーヴル‐ポーティニー, フローラン
(72)【発明者】
【氏名】テクリッツ, アラン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-504082(JP,A)
【文献】特開昭62-164424(JP,A)
【文献】特開2005-230218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00
A47J 31/36
A47J 31/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水(4)を香味原材料(2)と混合することによって、飲料(3)を前記香味原材料から調製するためのマシン(1)であって、前記マシン(1)は、
飲料処理ユニット(10、20)と、熱調節器(30)と、液体駆動装置(5)と、制御ユニット(7)とを備え、
前記飲料処理ユニット(10、20)は、
混合チャンバ(11)の範囲を定めるホルダ(10)であって、前記混合チャンバ(11)では、前記香味原材料が、受け入れられ、保持され、飲料調製中前記水(4)と混合される、ホルダ(10)と、
前記飲料(3)を前記混合チャンバ(11)から送出するように構成された飲料出口機構(21)と、
前記混合チャンバ(11)内に水(4)を導くように構成され、前記混合チャンバ(11)では、水が前記香味原材料(2)と混合されて、前記飲料(3)が形成される、水入口部(22)と、を有し、
記熱調節器(30)は、本体(31)を有し、前記本体(31)は、
前記水(4)を前記飲料処理ユニット(10、20)に向けて導くための案内部(32)と、
デバイス(33)であって、前記案内部(32)によって導かれた前記水(4)を温度調節するために電力を供給されて前記案内部(32)を温度調節することができる熱デバイス(33)と、を含み、
前記液体駆動装置(5)は、前記水(4)を前記熱調節器(30)の前記案内部(32)に沿って前入口部(22)へと駆動する駆動モードと、前記水(4)が、前記熱調節器(30)の前記案内部に沿って実質的に静止したままである、静止モードと、を有し
記制御ユニット(7)は、前記熱デバイス(33)及び前記駆動装置(5)を制御するように構成され、
前記制御ユニット(7)は
第1の制御モードであって、前記熱デバイス(33)が電力を供給されて、前記案内部(32)に沿って位置する前記水(4)が、案内部の出口での水温が少なくとも目標温度近くに到達するように前記案内部(32)によって温度調節される、第1の制御モードにあるか、又は
前記第1の制御モードと異なる第2の制御モードにあり
前記制御ユニット(7)は、前記第1の制御モードを使用する第1の飲料調製モードと、前記第2の制御モードを使用する第2の飲料調製モードのうちの1つを選択するための選択装置(71)を有する、マシン(1)において、
前記第2の制御モードでは、前記熱デバイスは、電力を供給されない、又は前記第1の制御モードでの前記熱デバイス(33)の電力供給レベルよりも著しく低い電力供給レベルで電力供給され、
前記選択装置(71)によって前記第2の飲料調製モードが選択されると、前記制御ユニット(7)は、前記駆動装置(5)を前記静止モードから前記駆動モードに切り替え、かつ/又は前記駆動装置(5)を前記駆動モードに維持するように構成される、ことを特徴とする、マシン(1)。
【請求項2】
前記第2の飲料調製モードが前記選択装置(71)によって選択されているときに、前記制御ユニット(7)は、前記第1の飲料調製モードが前記選択装置(71)によって選択されることにより、又は待機モードに入りその後、前記待機モードから出た後に自動的に、又は、前記駆動装置(5)を前記駆動モードから前記静止モードへ切り替えることにより自動的に、それ自体を前記第2の飲料調製モードから前記第1の飲料調製モードに切り替えるように構成される、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記第1の飲料調製モードにおいて、前記制御ユニット(7)は、前記案内部(32)が前記飲料(3)を目標平均温度範囲内で送出するのに十分な程度にまで前記熱デバイス(33)によって温度調節される前に、前記駆動装置(5)を前記静止モードから前記駆動モードに切り替えることを防止される、請求項1又は2に記載のマシン。
【請求項4】
前記熱調節器(30)は、前記第2の飲料調製モードにおいて、前記案内部(32)内へ所定の量で駆動された室温の前記水(4)が、前記案内部(32)の水出口で、室温と15℃未満の平均温度差を有するようになっている、請求項1~3のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項5】
前記熱調節器(30)は、
前記調節器の本体(31)が、熱蓄積体(31)であること、
前記案内部(32)が、前記熱調節器(30)を通るダクトを形成し、前記ダクトは、全長に沿って前記水(4)が前記液体駆動装置(5)によって前記熱調節器(30)内で駆動される全長と、平均横方向幅とを有し、前記ダクトは、前記平均横方向幅に対する長さの比が少なくとも10であること、
前記案内部(32)が、前記熱調節器(30)を通るダクトを形成し、前記ダクトの平均横断面積は、1~20mm 範囲であること、及び
前記熱デバイス(33)が、300~3000ワットの範囲の熱電力を有すること、
のうち1つ以上の特徴を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項6】
前記処理ユニット(10、20)は、混合する前に前記香味原材料(2)を挿入し、かつ/又は、混合後に残留原材料(2)を除去するための開放位置と、飲料調製中に前記香味原材料(2)を前記水(4)と混合するための閉鎖位置と、を有するカバー(20)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項7】
前記カバー(20)が、前記開放位置と前記閉鎖位置との間でフレームはハウジング(16)に対して移動可能であり、前記フレーム又はハウジング(16)は、前記飲料(3)が前記チャンバ(11)内で前記原材料(2)から調製されているときに静止している、請求項6に記載のマシン。
【請求項8】
能ブロック(40)を備え、前記カバー(20)が、前記熱調節器(30)から離れた枢動軸(25)を中心として、フレームは外側ハウジング(16)に対して枢動可能であり、前記機能ブロック(40)又は前記機能ブロック(40)へのアクセスは、前記枢動軸(25)と前記チャンバ(11)とを離間させる空間(41)内に配置される、請求項6又は7に記載のマシン。
【請求項9】
飲料の調製中に、前記ホルダ(10)は、前記ホルダ(10)を駆動して回転させるように構成された駆動装置(12)に直接又は間接的に接続される、請求項1~8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
前記調節器の本体(31)は、前記熱デバイス(33)と熱連通する飲料収集面(35)を有する熱蓄積体(31)であり、前記飲料収集面(35)は、前記飲料出口機構(21)から送出された前記飲料(3)を収集するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項11】
記飲料収集面(35)から、前記マシン(1)からの前記飲料(3)を収集するためのユーザ容器を受けるように構成された注出領域(5)に前記飲料(3)を導くように構成された放出装置(36、37)を有する、請求項10に記載のマシン。
【請求項12】
供給源(6)と、前記水(4)を前記供給源(6)から前記調節器(30)に導くために、前記水供給源(6)及び前記熱調節器(30)に流体接続されている、上流側水案内部(24)と、を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の前記マシン(1)と、前記マシン(1)内で前記飲料(3)を調製するための前記香味原材料(2)との組み合わせ。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の前記マシン(1)において、前記飲料(3)を前記香味原材料(2)から調製する方法であって、
記ホルダ(10)によって範囲を定められた前記混合チャンバ(11)内に前記原材料(2)を配置する工程と、
前記選択装置(71)によって前記第1の飲料調製モード及び前記第2の飲料調製モードから選択される飲料調製モードを選択する工程と、
その後、前記制御ユニット(7)によって、
)前記選択された飲料調製モードが前記第1の飲料調製モードである場合、前記第1の制御モードで前記熱デバイス(33)に電力供給し、前記選択された飲料調製モードが前記第2の飲料調製モードである場合、前記第2の制御モードで前記熱デバイス(33)に電力供給するように制御し、かつ、
b)記水(4)を前記熱調節(30)の前記案内部(32)に沿って前記飲料処理ユニットの前記入口部(22)へと駆動するために、前記液体駆動装置(5)を前記駆動モードに切り替える又は維持するように前記液体駆動装置(5)を制御する工程と
を含み、
前記選択された飲料調製モードが前記第2の飲料調製モードであるとき、前記制御ユニット(7)は、前記駆動装置(5)を前記静止モードから前記駆動モードに切り替え、かつ/又は前記駆動装置(5)を前記駆動モードに維持する、方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載のマシンで前記飲料(3)を調製するための前記香味原材料(2)の使用、又は、請求項13に記載の組み合わせを実施するための前記香味原材料(2)の使用、又は、請求項14に記載の方法によって前記飲料(3)を調製するための前記香味原材料(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、加熱及び/又は冷却された液体など熱的に調節された液体を使用する飲料調製マシンに関する。液体は、典型的には水又は水性である。マシンは、コーヒー、茶、カカオ、ミルク、砂糖、及び/又はスープ原材料のうちの少なくとも1つなど、調製される飲料の原材料に液体を通過させることによって、飲料を調製するように構成され得る。原材料は、カプセル内でマシン内に供給されてもよい。例えば、液体は、液体がカプセルを通過している間にカプセルを遠心処理することによって、カプセル内に収容された原材料と混合される。
【0002】
本明細書の目的に関して、「飲料」は、茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、人が飲食可能な任意の液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、例えば、風味原材料などの、予めポーション化された飲料原材料を収容するためのパッケージなど、任意の容器を含むことを意図され、該パッケージは、任意の材料、特に気密性又は透過性材料、多孔性又は非多孔性材料(例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生分解性のパッケージ)、並びに原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の、エンクロージャを形成するものである。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンはカプセルを使用しており、カプセルは、抽出若しくは溶解される原材料、及び/又はマシン内にて保管され自動的に投入される、若しくは飲み物の調製時に添加される原材料を収容している。いくつかの飲料マシンは充填手段を有し、充填手段は、通常は水である液体用のポンプを含み、ポンプは水の供給源から、冷水、又は例えばサーモブロック等の加熱手段により実際には加熱された液体を圧送する。
【0004】
特に、コーヒー調製の分野では、飲料原材料を収容したカプセルが淹出デバイスに挿入されるマシンが広く開発されてきた。淹出デバイスは、カプセルの周囲で密閉されており、カプセルの第1の面に水を注入し、カプセルの密閉された内容積部で飲料を生成し、淹出された飲料をカプセルの第2の面から排出し、カップ又はグラスなどの容器内に収集することができる。
【0005】
遠心処理を用いることによる飲料の調製は知られている。このような飲料調整は、例えば、粉末及び/又は茶葉などの、カプセルに入った飲料(風味)原材料を提供するステップと、カプセル内に液体を流通させ、カプセル内で液体の圧力勾配を生成しながら液体の原材料との相互作用を確保するのに十分な速度でカプセルを回転させるステップとを含む。このような圧力は、カプセルの中心から周縁に向かって徐々に増加する。液体がコーヒー層などの原材料を通過するにつれて、コーヒー混合物などの原材料の抽出が起こり、カプセルの周縁にて流出する液体抽出物が得られる。このようなシステムの例が、国際公開第2008/148601号、同第2013/007776号、同第2013/007779号、及び同第2013/007780号に開示されている。
【0006】
適切な対策を取らない場合、遠心処理システムは、デバイスから排出された液体抽出物が環境との著しい熱交換に曝されるという不都合を抱え、これは、飲料が所望されるよりも著しく低温又は高温になり得ることにつながる。具体的には、液体抽出物は、デバイスの収集器の広い表面との熱交換によって、収集デバイス内で冷却(液体が事前に加熱されている場合)又は加熱(液体が事前に冷却されている場合)され得る。これは、淹出ユニットが中心軸線に沿って回転され、実質的に管状の衝突面に衝突する、液体の薄層又は噴流を形成することから生じる。この液体は、表面と接触してそこから滴り落ち、この表面は、例えば、円筒状である場合には、少なくとも約500mmの表面積を有し得る第1の衝突面に等しくなり得る。更に、液体がその後、注出ダクトにつながる実質的にU字形の空洞部内に収集される場合、そのような空洞部は、再び抽出された液体との広範囲の接触領域を形成する。更に、カップなどの容器は、液体を受けるためにデバイスの下に配置される前に加熱されていない限り、液体を更に冷却する。
【0007】
更に、焙煎して挽いたコーヒー又は茶などのある飲料原材料は、所望のアロマ化合物の捕捉を含む原材料の完全な抽出を確実にするために、特定の温度範囲内の加熱された液体、例えば、熱湯で抽出される必要がある。したがって、抽出物の品質に悪影響を与えるため、抽出後の液体による温度損失を補償するために抽出ユニットに供給される液体を過熱することはできない。最終的な飲料の最高品質を確保するために、コーヒー又は茶などの最適な淹出の温度範囲を尊重する必要がある。更に、コーヒー飲料の他の品質特性、例えば、「クレマ」と呼ばれる泡の上部は、調製中に保持される必要がある。
【0008】
上述したようにデバイスにおける温度損失を追加の加熱要素を使用することによって補償することは欧州特許第2393404(A1)号から既知であるが、これらのデバイスは非常に複雑である。
【0009】
飲料風味原材料と混合する前の液体の温度及び結果として得られた飲料の温度を管理するための好都合なシステムは、国際公開第2010/089329号及び同第2014/090850号に開示されている。
【0010】
例えば、国際公開第2011/020779号及び同第2012/007260号に開示されているように、飲料を送出するプロセスにないときにマシンの電力消費を低減するために、飲料マシンの熱調節器の電力供給を中断又は減少させることも知られている。
【0011】
例えば、国際公開第2018/158179号に開示されているように、所望の飲料調製のために、熱調節器をバイパスし、温度調節されていない水を処理することも知られている。
【0012】
風味飲料を調製するために使用される水の熱管理を最適化する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、少なくとも1つの原材料から飲料を調製するためのマシンに関する。通常、このような飲料は、その後、例えば、ユーザのカップ又はユーザのマグなどユーザに対して注出される。
【0014】
例えば、本マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、カカオ、ミルク、又はスープ調製マシンである。
【0015】
マシンは、例えば、このような香味原材料を水と共に遠心駆動することによって、又は、香味原材料をそれが水に曝されている間、実質的に静止した状態に維持することによって、飲料を調製するように構成される。飲料調製の後者の種類(静止型)のデバイスの例は、国際公開第2005/004683号及び同第2007/135136号に開示されている。
【0016】
飲料の調製は、典型的には、複数の飲料原材料、例えば水と乳粉末の混合、及び/又は、飲料原材料の浸出、例えば挽いたコーヒー若しくは茶の水による浸出などを含む。例えば、1杯に対応するユーザの要求に基づいて、所定の量の飲料が生成されて注出される。このような1杯の量は、飲料の種類に応じて、例えば、カップ又はマグを満たす量である、25~600mL(例えば、40~250mL)など、15~1000mLの範囲内であってもよい。形成されて注出される飲料は、リステロット、エスプレッソ、ルンゴ、カプチーノ、カフェラッテ、アメリカーノコーヒー、茶などから選択することができる。例えば、コーヒーマシンは、例えば、1杯当たり20~60mLの調整可能な量のエスプレッソ、及び/又は、例えば、1杯当たり70~200mLの範囲の量のルンゴ、及び/又は、例えば、150~750mLの範囲の量のアメリカーノを注出するように構成され得る。
【0017】
マシンは、飲料調製中に香味原材料が、例えばカプセル内で、受け入れられ、保持され、水と混合される混合チャンバの範囲を定めるホルダを有する飲料処理ユニットを含む。例えば、ホルダは、上方又は側方又は斜めに向いた口部を有し、口部を経て、香味原材料がホルダ内に受け入れられる。
【0018】
一実施形態では、香味原材料は、カプセル内で混合チャンバ内に供給される。
【0019】
カプセルは、口部と概ね平行に延びるカプセルフランジを有することができる。
【0020】
カプセルは、原材料を収容した本体と、周方向に突出したフランジとを有し得る。カプセルは、「技術分野」の見出しの下で上記したタイプのカプセルであってもよい。カプセルは、フランジを有する容器本体(例えば、略カップ形、半球体、又は半楕円体の本体)を有するカプセルであってもよく、フランジにはカバー蓋が取り付けられ、特に密封されている。典型的には、カプセルは飲料原材料を収容している。
【0021】
カプセルは、対称又は非対称、円錐形又は円錐台状、ピラミッド形又は角錐台状、円筒形又は角柱状、球状又は半球状又は切頂球状、ドーム状又は切頂ドーム状の、原材料を収容する上記又はそれ以外の本体を有してもよい。
【0022】
飲料処理ユニットは、混合チャンバから飲料を送出するように構成された飲料出口機構と、飲料を形成するために、混合チャンバ内に水を導くように構成された水入口部と、を有し、混合チャンバ内で水が香味原材料と混合されて飲料を形成する。
【0023】
マシンは、加熱器及び/又は冷却器などの熱調節器を有し、この熱調節器は、水を飲料処理ユニットに向けて導くためのダクトなどの案内部と、案内部によって導かれた水を温度調節するために電力を供給されて案内部を温度調節することができる電気式熱デバイスなどの熱デバイスと、を備える本体を有する。例えば、熱デバイスは、熱除去器及び/又は熱発生器、例えば、熱電対、ヒートポンプ、個別の抵抗器及び/又は厚膜加熱器などの抵抗加熱器、並びに誘導加熱器のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
マシンは、水を、例えば、水タンク及び/又は外部給水配管などの水源から、熱調節装置の案内部に沿って入口部内へ駆動する駆動モードと、水は、熱調節器の案内部に沿って、かつ任意選択的に入口部内で、実質的に静止したままである静止モードと、を有する液体駆動装置を含む。例えば、静止モードにおいて、駆動装置は非動作状態、又は水を入口部に向かって(水を実質的に変位させることなく)加圧するためにのみ動作状態にある。したがって、静止モードでは、水は、加圧されていてもいなくても案内部内に静止したままである。静止している水の加圧は、駆動装置を動作させることによって得ることができる。
【0025】
マシンは、制御ユニット、例えば、コントローラ及び/又はプロセッサを備える制御ユニットを有し、制御ユニットは、熱デバイス及び駆動構成を制御するように構成されている。制御ユニットによって、例えば、自動原材料検出及び/又は検知、容器及びマシン内に組み込まれた又はマシンに関連付けられたリザーバの充填レベルなどの他の機能が制御されてもよい。制御ユニットは、選択的に、
水が案内部の入口部において室温にあるとき、熱デバイスが電力を供給されて、案内部に沿って位置する水が案内部によって温度調節され、案内部の出口での水温が少なくとも目標温度近く、例えば、標的温度に対して2又は5又は8℃の範囲、かつ/又は、55~98℃、例えば、70~95℃、例えば86~93℃の範囲の目標温度に到達するように温度調節される、第1の制御モードと;
第1の制御モードとは異なる第2の制御モードとにある。
【0026】
例えば、制御ユニットは、デフォルト設定では第1の制御モードにある。
【0027】
制御ユニットは、選択装置、例えば、第1の制御モードを使用する第1の飲料調製モードと、第2の制御モードを使用する第2の飲料調製モードのうちの1つを選択するための選択装置を有する。
【0028】
選択装置は、対応する結果として得る、特定の容積の飲料を調製するため、選択可能な複数の利用可能容積のうち特定の体積の水を選択して、前記水入口部に供給するように構成されてもよい。例えば、選択可能な利用可能な量としては、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mLなどであり、約200、400、700、又は更には1000mLまでが含まれる。調製の調節の例は、国際公開第2010/026053号、同第2014/090965号及びPCT/EP18/085737号に開示されている。
【0029】
自動カプセル認識システムを使用して、上記のカプセルに収容された香味原材料の処理を、原材料の種類に従って自動的にパラメータ化し調整することができる。そのような技術及び関連する特徴の例は、国際公開第2011/141532号、同第2011/141535号、同第2012/010470号、同第2013/072239号、同第2013/072297号、同第2013/072326号、同第2013/072351号、及び同第2015/044400号に開示されている。
【0030】
ユーザインターフェースの例は、国際公開第2015/096998号に開示されている。
【0031】
第2の制御モードでは、熱デバイスは、電力を供給されない、又は第1の制御モードでの熱デバイスの電力供給レベルよりも著しく低い電力供給レベルで電力供給される。例えば、第2の制御モードにおける電力供給レベルは、第1の制御モードにおける電力供給レベルの50%未満、例えば25%未満、例えば0.5~15%の範囲である。選択装置によって第2の飲料調製モードが選択されると、制御ユニットは、駆動装置を静止モードから駆動モードに切り替え、かつ/又は駆動装置を駆動モードに維持するように構成される。例えば、駆動装置は、第2の飲料調製モードが選択されると直ちに、又は最大20秒、例えば最大10秒、例えば最大5秒の遅延後に、静止モードから駆動モードに切り替えられる。
【0032】
したがって、先行技術のシステムとは対照的に、(実質的に)温度調節されていない水又は温度調節が減じられた水を香味原材料との混合に使用する場合、専用導水管経由の、水の熱調節器迂回は行わない。水は、そのまま熱調節器を通される。このような調製サイクルの開始時に、前の飲料調製サイクルからの残留熱エネルギーが、それでもなお、水と熱調節器との間のエネルギーの伝達をもたらし得る。しかしながら、十分な量の水が(電力を供給されない、又は低減された)熱調節器を通過した後、飲料調製サイクルの全体の水の温度の平均値は、水が熱調節器に到達する前に有していた温度、例えば室温又は室温付近の温度に近い温度となる。
【0033】
第2の飲料調製モードが選択装置によって選択されると、制御ユニットは、第1の飲料調製モードが選択装置によって選択されることにより;又は、待機モード(典型的には、例えば、飲料調製及び/又はデータ処理に必要な、少なくとも一部の電気構成要素が電力供給されていない、マシン低エネルギー消費モード)に入りその後退出した後に自動的に;又は、駆動装置を駆動モードから静止モードに切り替える際に自動的に、それ自体を第2の飲料調製モードから第1の飲料調製モードに切り替えることができる。例えば、制御ユニットのこのような自動切替及び駆動装置のこのような切替の両者は、同時に、又は最大50秒、例えば、0.01~20秒、例えば、1~10秒、例えば、2~5秒の時間枠内に発生する。このような時間枠は、ユーザが、満杯までの飲料注出を要求すること、すなわち注出容積を増加させることができるように提供されてもよい。
【0034】
液体駆動装置及び熱調節器を制御するために、制御ユニットは、例えば、流量計、圧力センサ、及び熱センサのうちの1つ以上に接続されて、水の特性、例えば、熱調節器の前、中、及び/若しくは後、並びに/又は処理ユニット内の水の特性を監視してもよい。
【0035】
第1の飲料調製モードでは、制御ユニットは、案内部が、目標平均温度範囲内で飲料を送出するのに十分な程度まで、加熱装置によって温度調節される前に、駆動装置を静止モードから駆動モードに切り替えることを防止することができ、任意選択的に、目標温度は、5℃未満、例えば3℃未満、例えば2℃未満、及び/又は83°~92℃の範囲の温度の範囲を有する。
【0036】
熱調節器は、第2の飲料調製モードにおいて、所定の量、例えば、25~200mL、例えば、40~100mL、例えば50~70mLの範囲の量で、案内部内へ駆動された室温の水が、案内部の水出口で、15℃未満、例えば10℃未満、例えば5℃未満又は2.5℃未満の室温との平均温度差を有するようになっていてよい。
【0037】
調節器の本体は、熱蓄積体であり得る。蓄積体は、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ及び鉛のうちの少なくとも1つでできている金属ベースの塊であってもよい。蓄積体は、50~1000J/℃、例えば100~750J/℃、例えば200~600J/℃の範囲の熱容量を有し得る。
【0038】
熱調節器の案内部は、熱調節器を通る上記又はそれ以外のダクトを形成してもよく、ダクトは、全長に沿って水が液体駆動装置によって熱調節器内で駆動される全長と、平均横方向幅とを有し、ダクトは、少なくとも10、少なくとも20、例えば、30~1500、例えば100~1000の範囲の平均横方向幅に対する長さの比を有する。
【0039】
熱調節器の案内部は、熱調節器を通る上記又はそれ以外のダクトを形成することができ、ダクトは、1~20mm、例えば3~15mm、例えば5~10mmの範囲の平均横断面積を有する。
【0040】
熱デバイスは、300~3000ワット、例えば、500~2300ワット、例えば700~1800ワット、例えば950~1500ワットの範囲の熱電力を有してもよい。
【0041】
処理ユニットは、混合する前に香味原材料を挿入し、かつ/又は、混合後に残留原材料を除去するための開放位置と、飲料調製中に香味原材料を水と混合するための閉鎖位置と、を有するカバーを有することができる。
【0042】
熱調節器は、ホルダとカバーとが閉鎖位置にあるとき、及びホルダとカバーとが開放位置にあるときに、少なくとも部分的にカバーの範囲を定める又はカバーを収容する空洞部を形成してもよく、かつ/又は、熱調節器は、飲料処理ユニットをホルダの香味原材料挿入及び/又は除去口の高さで完全に取り囲んでもよい。例えば、熱調節器は、フレーム又は外側ハウジングに対してカバーと共に移動可能である。
【0043】
そのようなアーキテクチャ及びそれに関連する利点を具現化するマシンの例は、欧州特許第19167543号に開示されている。
【0044】
飲料出口機構は、ホルダとカバーとの間、及び/又はカバーを通って延びてもよく、出口機構は、チャンバから飲料を送出するように構成されている。出口機構は、ホルダとカバーとの間の複数の隙間によって形成されてもよい。
【0045】
例えば、隙間は、カバーの周辺部分と、向かい合ったカプセルの境界面(例えば、カプセルの周辺フランジ)とによって範囲が定められる。例えば、出口機構は、カバー及びホルダの閉鎖位置において、ホルダに面したカバーの周辺部で略水平及び/又は平面配置である。
【0046】
出口機構の例は、国際公開第2009/106175号、同第2012/100836号、同第2013/020939号、及び同第2017/068134号に開示されている。
【0047】
水入口部は、カバーを通って延びて、水をチャンバ内に導き、チャンバ内で水を香味原材料と混合して飲料を形成することができる。
【0048】
入口部は、国際公開第2010/063644号に開示されている特徴を含み得る。
【0049】
カバーは、開放位置と閉鎖位置との間で、上記又はそれ以外のフレーム又はハウジングに対して移動可能であり得、フレーム又はハウジングは、飲料がチャンバ内で原材料から調製されているときに静止している。例えば、ホルダは、カバー及びホルダが開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動されるときに、フレーム又は外側ハウジングに対して静止している。カバーは、熱調節器から離れた枢動軸線を中心にしてフレーム又は外側ハウジングに対して枢動可能であってもよく、枢動軸線と熱調節器とは、チャンバの最大寸法よりも大きい離間距離だけ離間されてもよい。
【0050】
マシンは、廃棄物原材料リザーバ及び/又は水リザーバなどの機能ブロックを含んでもよい。カバーは、上記又はそれ以外のフレーム又は外側ハウジングに対して、上記又はそれ以外の熱調節器から離れている枢動軸線を中心にして枢動可能であってもよい。機能ブロック又は機能ブロックへのアクセスは、枢動軸とチャンバとを離間させる空間内に配置されてもよい。例えば、カバーは、カバーとホルダとが閉鎖位置にあるときに機能ブロックを覆い、カバーとホルダとが開放位置にあるときに機能ブロックを露出させる接続部材などの接続部材によって、枢動軸に接続されている。例えば、接続部材は上部ハウジング部を形成する。
【0051】
飲料調製中、ホルダは、ホルダを駆動して回転させるように構成された駆動装置、例えば電気モータに直接又は間接的に接続されてもよい。
【0052】
駆動装置は、飲料を調製するために、かつ/又は、飲料出口機構によって飲料を送出するために、香味原材料及び熱調節器によってチャンバ内に送出された水を収容するチャンバに遠心作用を及ぼすように構成され得る。
【0053】
調節器の本体は、上記又はそれ以外の熱蓄積体であってもよく、本体は、遠心作用軸線などの飲料処理ユニットの中心軸線を中心に延びている。
【0054】
案内部は、例えば、飲料処理ユニットの、例えば、遠心作用軸線などの上記又はそれ以外の中心軸線を螺旋状に取り巻いている1つ以上の外周ループを形成してもよい。
【0055】
熱デバイスは、飲料処理ユニットの上記又はそれ以外の中心軸線を取り巻いて、例えば遠心作用軸線を取り巻いている外周ループを形成することができる。
【0056】
調節器の本体は、上記又はそれ以外の熱蓄積体であってよい。本体は、熱デバイスと熱連通する飲料収集面を有することができ、収集面は、飲料出口機構から送出される飲料を収集するように構成されている。収集面は、例えば、出口機構を取り囲むように面する環状空洞部の少なくとも一部の範囲を定めてもよく、空洞部は、例えば、外側飲料衝突壁及び内側飲料封じ込め壁及び下部底部を有する環状空洞部などの断面において実質的にU字形状である。例えば、衝突壁及び/又は封じ込め壁は、本体によって形成され、底部は、本体によって、又は本体と熱的に実質的に別個で、本体よりも熱伝導性が著しく低い構成要素によって形成されている。
【0057】
収集面は、国際公開第2013/020940号に開示されている特徴を含み得る。
【0058】
マシンは、飲料を飲料収集面から、そのようなマシンから飲料を収集するためのユーザ容器を受け入れるように構成された注出領域に飲料を導くように構成された放出装置を有することができる。注出領域は、外側直立マシン面及び/又はカップ支持体によって範囲を定められ得る。
【0059】
放出装置は、ホルダと飲料処理ユニットの上記又はそれ以外のカバーとが相対的に移動されるときに、カバーに対して静止している上流部を有することができる。
【0060】
放出装置は、ホルダと上記又はそれ以外のカバーとが相対的に移動されるとき、ホルダに対して静止している下流部分を有してもよい。
【0061】
放出装置は、管状部分を含むことができる。例えば、管状部分は、上記又はそれ以外の上流部分を形成する。
【0062】
放出装置は、下流部材、例えば、飲料内に含まれる泡を、例えば1つ以上の泡分割器などの微細化装置によって、微細化するための下流チャンバ、及び/又は、選択的に、飲料を注出領域に、廃棄液を廃棄物収集器に向けるように構成されている液体導流部材などの下流部材を含むことができる。例えば、下流部材は、上記又はそれ以外の下流部分を形成する。
【0063】
放出装置は、洗浄及び/又は整備のためにユーザによって取り外し可能な、少なくとも1つの部分、例えば、上記又はそれ以外の下流部分を有することができる。
【0064】
放出装置は、上記又はそれ以外の上流部などの第1の部分と、上記又はそれ以外の下流部分などの第2の部分と、を有することができ、第2の部分は、飲料がチャンバ内で香味原材料から調製されているときに静止している上記又はそれ以外の外側ハウジングに、又はその中に取り付けられている。第1の部分は、上記又はそれ以外のカバーを、ホルダとカバーとが相対的に、例えば、それらの開放位置と閉鎖位置との間で前記案内構造体に沿って枢動かつ/又は水平移動することを可能にするように構成された案内構造体に接続する接続部材に若しくはその中に取り付けられており、それにより、ホルダとカバーとがそれらの閉鎖位置にあるとき、第1の部分が外側ハウジング内に突出し、かつ/又は第2の部分が接続部材内に突出するようになっている。
【0065】
放出装置は、国際出願PCT/EP18/085359号、国際出願PCT/EP18/085360号、及び国際出願PCT/EP18/085763号に開示されている構成を含み得る。
【0066】
マシンは、水タンクなどの水源と、例えば、水源及び熱調節器に流体接続された、供給源から調節器へ水を導くための可撓性案内部などの上流側水案内部と、を含んでもよい。例えば、水案内部は、案内部を介して供給源から調節器へ水を駆動するための液体駆動装置と関連付けられている。
【0067】
飲料処理ユニットのホルダと上記又はそれ以外のカバーとは、それらの開放位置と閉鎖位置との間で案内構造体に沿って、例えば水平移動及び/又は枢動など、相対的に移動可能であり、上流側水案内部は案内構造体又はその近くを通過している。例えば、上流側水案内部は、案内構造部及び水案内部支持体によって固定される。
【0068】
カプセルホルダ及び/又は存在する場合、カバーは、例えばカプセルの遠心処理のために、電動駆動軸によって回転駆動可能であってもよい。
【0069】
例えば、マシンは、国際公開第2008/148604号、同第2009/106598号、同第2014/096122号、又は同第2014/096123号に開示されている特徴を組み込んでいる。
【0070】
カプセルホルダ及び(存在する場合)カバーは、例えば、欧州特許第2 000 062号、同第2 155 020号、同第2 152 128号、国際公開第2008/148646号、同第2008/148650号、同第2008/148834号、同第2009/106175号、同第2009/106589号、同第2010/026045号、同第2010/026053号、同第2010/063644号、同第2010/066705号、同第2010/066736号、及び同第2011/023711号に開示されているように、飲料調製装置の、典型的には遠心式である原材料処理モジュールに組み込むことができる。
【0071】
カプセルホルダ及びカバーは、例えば国際公開第2012/007293号及び同第2014/102048号に開示されているような対応する装置によって、それらの閉鎖位置で一緒に固定されてもよい。
【0072】
マシン(原材料カプセルを使用するとき)は、例えば国際公開第2012/041605号、同第2017/046294号、及び同第2017/202746号に開示されているようなカプセル移送装置を有し得る。
【0073】
飲料処理ユニット(原材料カプセルを使用するとき)には、例えば、国際公開第2008/148656号、同第2010/026045号、及び同第2010/066736号に開示されているような、カプセルを開くための装置を装着し得る。
【0074】
飲料処理ユニット(原材料カプセルを使用するとき)は、例えば、国際公開第2011/023711号に開示されているような、異なるサイズのカプセルを受け入れるように構成され得る。
【0075】
本発明はまた、マシン内で飲料を調製するための、上記したようなマシンと、例えばカプセル内でマシン内に供給される、上記の香味原材料との組み合わせにも関する。
【0076】
本発明の別の態様は、上記のマシンにおいて、例えば、カプセル内でマシン内に供給される、上記の香味原材料から飲料を調製する方法に関する。本方法は、
例えば、上記カプセル内で供給される、原材料を、ホルダによって範囲を定められた混合チャンバ内に配置する工程と;
選択装置によって、第1及び第2の飲料調製モードから選択される飲料調製モードを選択する工程と、
その後、制御ユニットによって、
a)熱デバイスを、選択された飲料調製モードが第1の飲料調製モードである場合、第1の制御モードで電力供給し、選択された飲料調製モードが第2の飲料調製モードである場合、第2の制御モードで電力供給するように;かつ、
b)液体駆動装置を、水を熱調節装置の案内部に沿って飲料処理ユニットの入口部の中へ駆動するために、それ自体を駆動モードに切り替える又は維持するように
制御する工程とを含む。
【0077】
選択された飲料調製モードが第2の飲料調製モードであるとき、制御ユニットは、駆動装置を静止モードから駆動モードに切り替え、かつ/又は駆動装置を駆動モードに維持し、任意選択的に、駆動装置を、第2の飲料調製モードが選択されると直ちに、又は最大20秒、例えば最大10秒、例えば最大5秒の遅延後に、静止モードから駆動モードに切り替える。
【0078】
更に本発明の更なる態様は、飲料を上記のマシンで調製するための香味原材料の使用、例えば、香味原材料を収容した上記のカプセルの使用、又は上記の組み合わせを実施すること、又は上記の方法によって飲料を調製すること、に関する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
図1】ホルダとカバーとが閉鎖位置にある、本発明によるマシンの一部の斜視図である。
図1a】ホルダとカバーとが開放位置にあるときの、図1に示すマシンの側面図である。
図2】ホルダとカバーとが閉鎖位置にあるときの、マシンの熱調節器(マシンの上部ハウジングの一部の取り外し後)を示す、図1に示されるマシンの一部の斜視図である。
図2a】ホルダとカバーとが開放位置にあるときの、マシンの熱調節器(マシンの上部ハウジングの一部の取り外し後)を示す、図1に示されるマシンの一部の斜視図である。
図3図1に示されるマシンの一部の部分概略断面図である。
図4】ホルダ及びカバーがそれらの閉鎖位置にある、図1に示すマシンの熱調節器及び放出装置の一部の拡大断面図である。
図4a】ホルダ及びカバーがそれらの開放位置と閉鎖位置との間で移動されるときの図4に示される部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
同じ参照番号が一般に同じ部分を示す図1図4aは、本発明によるマシン1及びその一部の例示的な実施形態を示す。
【0081】
マシン1は、水4を、例えば、コーヒー又は茶又はチョコレート若しくはカカオ又はミルク又はスープなどの香味原材料2と混合し、そのような香味原材料2を水4と共に遠心駆動することによって、飲料3を香味原材料2から調製するように構成されている。
【0082】
マシン1は、飲料処理ユニット10、20を有し、飲料処理ユニット10、20は、飲料調製中、例えば、カプセル内に香味原材料が受け入れられ、保持され、水4と混合される、混合チャンバ11の範囲を定めるホルダ10を含む。例えば、ホルダ10は、上方又は側方又は斜めに向いた口部を有し、口部を経て香味原材料がホルダ内に受け入れられる。
【0083】
一実施形態では、香味原材料は、カプセル内でチャンバ内に供給される。カプセルは、口部と概ね平行に延びるカプセルフランジを有してもよい(存在する場合)。
【0084】
飲料処理ユニット10、20は、飲料3を混合チャンバ11から送出するように構成された飲料出口機構21を有する。
【0085】
飲料処理ユニット10、20は、水4を混合チャンバ11内に導くように構成された水入口部22を含み、水は、香味原材料2と混合されて飲料3を形成する。
【0086】
マシン1は、本体31を有する加熱器及び/又は冷却器などの熱調節器30を含む。
【0087】
本体31は、飲料処理ユニット10、20に向かって水4を導くためのダクトなどの案内部32と、案内部32によって誘導された水4を温度調節するために案内部32を温度調節するために電力供給されることができる電気式熱デバイスなどの熱デバイス33と、を含む。例えば、熱デバイス33は、熱電対、ヒートポンプ、抵抗加熱器、例えば別個の抵抗器及び/又は厚膜加熱器、及び誘導加熱器のうちの少なくとも1つなどの熱除去器及び/又は熱発生器を有する。
【0088】
マシン1は、例えば、水タンク40及び/又は外部給水配管などの水源から、熱調節器30の案内部33に沿って入口部22内へと水4を駆動する駆動モードと、水4が熱調節器30の案内部33に沿って、及び任意選択的に入口部22内に実質的に静止したままである静止モードと、を含む、液体駆動装置5を有する。例えば、静止モードにおいて、駆動装置5は非動作状態、又は、入口部22に向かって水4を加圧するためにのみ動作状態である。
【0089】
マシン1は、制御ユニット7、例えば、熱デバイス33及び駆動装置5を制御するように構成されたコントローラ及び/又はプロセッサ70を備える制御ユニットを含む。制御ユニット7は、選択的に、
第1の制御モードであって、熱デバイス33が電力を供給されて、案内部32に沿って位置する水4が案内部32によって温度調節され、水4が案内部32の入口において室温にあるとき、案内部の出口での水温が少なくとも目標温度近く、例えば、目標温度に対して2又は5又は8℃の範囲、かつ/又は、55~98℃、例えば、70~95℃、例えば86~93℃の範囲の目標温度に到達するように温度調節される、第1の制御モードと、
第1の制御モードと異なる第2の制御モードにあり、任意選択的に、制御ユニット7はデフォルトで第1の制御モードにある。
【0090】
制御ユニット7は、選択装置71、例えば、第1の制御モードを使用する第1の飲料調製モードと、第2の制御モードを使用する第2の飲料調製モードのうちの1つを選択するための、ユーザインターフェース71及び/又は香味原材料センサ71を含む選択装置を有してもよい。
【0091】
第2の制御モードでは、熱デバイスは、電力を供給されない、又は第1の制御モードでの熱デバイス33の電力供給レベルよりも著しく低い電力供給レベル、例えば、第1の制御モードにおける電力供給レベルの50%未満、例えば25%未満、例えば0.5~15%の範囲などの、第2の制御モードにおける電力供給レベルで電力供給される。
【0092】
選択装置71によって第2の飲料調製モードが選択されると、制御ユニット7は、駆動装置5を静止モードから駆動モードに切り替え、かつ/又は駆動装置5を駆動モードに維持するように構成され、任意選択的に、駆動装置を、第2の飲料調製モードが選択されると直ちに、又は最大20秒、例えば最大10秒、例えば最大5秒の遅延後に、静止モードから駆動モードに切り替える。
【0093】
第2の飲料調製モードが選択装置71によって選択されると、制御ユニット7は、第1の飲料調製モードが選択装置71によって選択されることにより;又は待機モードに入りその後退出した後に自動的に;又は、駆動装置5を駆動モードから静止モードへ切り替えることにより自動的に、それ自体を第2の飲料調製モードから第1の飲料調製モードに自動的に切り替えるように構成されてよく、任意選択的に、制御ユニット7のそのような自動切替、及び駆動装置5のそのような切替の両者は、同時に、又は最大50秒、例えば、0.01~20秒、例えば1~10秒、例えば2~5秒の時間枠内に発生する。
【0094】
第1の飲料調製モードにおいて、制御ユニット7は、案内部32が、飲料3を目標平均温度範囲内で送出するのに十分な程度にまで、熱デバイス33によって温度調節される前に、駆動装置5を静止モードから駆動モードに切り替えることが防止される。例えば、目標温度範囲は、5℃未満、例えば3℃未満、例えば2℃未満の範囲であり、かつ/又は83°~92℃の範囲の温度を有する。
【0095】
第2の飲料調製モードにおいて、所定の、例えば25~200mL、例えば40~100mL、例えば50~70mLの範囲の量で、案内部33内へ駆動された室温の水4が、案内部33の水出口で、室温と15℃未満、例えば10℃未満、例えば5℃未満又は2.5℃未満の平均温度差を有するようになっていてもよい。
【0096】
調節器の本体31は、熱蓄積体31であってもよい。蓄積体31は、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、スズ及び鉛のうちの少なくとも1つでできている金属ベースの塊であり得る。蓄積体31は、50~1000J/℃、例えば100~750J/℃、例えば200~600J/℃の範囲の熱容量を有することができる。
【0097】
案内部32は、熱調節器30を通って上記又はそれ以外のダクトを形成してよく、ダクトは、全長に沿って水4が液体駆動装置5によって熱調節器30内で駆動される全長と、平均横方向幅とを有し、ダクトは、平均横方向幅に対する長さの比が少なくとも10、例えば少なくとも20、例えば30~1500、例えば100~1000の範囲である。
【0098】
案内部32は、熱調節器30を通り、1~20mm、例えば3~15mm、例えば5~10mmの範囲の平均横断面積を有する、上記又はそれ以外のダクトを形成することができる。
【0099】
熱デバイス33は、300~3000ワット、例えば、500~2300ワット、例えば700~1800ワット、例えば950~1500ワットの範囲の熱電力を有してもよい。
【0100】
処理ユニット10、20は、混合する前に香味原材料2を挿入し、かつ/又は、混合後に残留原材料を除去するための開放位置と、飲料調製中に香味原材料2を水4と混合するための閉鎖位置とを有するカバー20を有してもよい。
【0101】
熱調節器30は、ホルダ10とカバー20とが閉鎖位置にあるとき及びホルダ10とカバー20とが開放位置にあるときに、少なくとも部分的にカバー20の範囲を定める又はカバー20を収容する空洞部を形成し、かつ/又は、熱調節器30は、飲料処理ユニット10、20をホルダ10の香味原材料挿入及び/又は除去口の高さで完全に取り囲んでもよい。例えば、熱調節器30は、フレーム又は外側ハウジング16に対してカバー20と共に移動可能である。
【0102】
飲料出口機構21は、ホルダ10とカバー20との間に、かつ/又はカバー20を通って延びることができ、出口機構21は、チャンバ11から飲料3を送出するように構成されている。例えば、出口機構21は、ホルダ10とカバー20との間の複数の隙間によって形成される。
【0103】
水入口部22は、カバー20を通って延びて、水4をチャンバ11内に導き、チャンバ11では、水4が香味原材料2と混合されて飲料3が形成される。
【0104】
カバー20は、開放位置と閉鎖位置との間で、又はフレーム又はハウジング16に対して移動可能であり得、フレーム又はハウジング16は、飲料3がチャンバ11内の原材料2から調製されるときに静止している。ホルダ10は、カバー20及びホルダ10が開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動するとき、フレーム又は外側ハウジング16に対して静止していてもよい。例えば、カバー20は、熱調節器30から離れた枢動軸線25を中心として、フレーム又は外側ハウジング16に対して枢動可能である。枢動軸25と熱調節器30とは、チャンバ11の最大寸法よりも大きい離間距離だけ離間されてもよい。
【0105】
マシン1は、廃棄物原材料リザーバ及び/又は水リザーバなどの機能ブロック40を組み込んでもよい。カバー20は、上記又はそれ以外のフレーム又は外側ハウジング16に対して、熱調節器30から離れている、上記又はそれ以外の枢動軸25を中心にして枢動可能であり得る。ブロック40又はブロック40へのアクセスは、枢動軸25及びチャンバ11を離間する空間41内に配置されてもよい。カバー20は、接続部材26によって枢動軸線25に接続することができ、接続部材26は、カバー20とホルダ10とが閉鎖位置にあるときにブロック40を覆い、カバー20とホルダ10とが開放位置にあるときには機能ブロック40を露出させる。接続部材は、上部ハウジング部26を形成してもよい。
【0106】
飲料調製中、ホルダ10は、ホルダ10を回転させるように構成された電気モータなどの駆動装置12に直接又は間接的に接続されていることができる。
【0107】
駆動装置12は、飲料3を調製するため、かつ/又は飲料出口機構21を介して飲料3を送出するために、香味原材料2及び熱調節器30によってチャンバ11内に送出された水4を収容したチャンバ11を遠心作用を及ぼすように構成することができる。
【0108】
調節器の本体31は、飲料処理ユニット10、20の中心軸線19を中心として、例えば遠心作用軸線19を中心として延びる、上記又はそれ以外の熱蓄積体31であってもよい。
【0109】
案内部32は、1つ以上の外周ループを形成し、例えば、飲料処理ユニット10、20の上記又はそれ以外の中心軸線19、例えば遠心作用軸線19を中心として螺旋状に延びることができる。
【0110】
熱デバイス33は、飲料処理ユニット10、20の上記又はそれ以外の中心軸線19を中心として、例えば、遠心作用軸線19を中心として延びる外周ループを形成してもよい。
【0111】
調節器の本体31は、熱蓄積体31であってもよく、蓄積体31は、飲料出口機構21から送出された飲料3を収集するように構成され、熱デバイス33と熱連通する飲料収集面35を有する。収集面35は、例えば、出口機構21に面した、例えば、出口機構21を取り囲む環状空洞部の少なくとも一部の範囲を定めてもよい。空洞部は、断面が実質的にU字形であってもよい。環状空洞部は、外側飲料衝突壁と内側飲料封じ込め壁と下部底部とを有することができる。例えば、衝突壁及び/又は封じ込め壁は、本体31によって形成され、底部は、本体31によって、又は本体31と熱的に実質的に別個であり、本体31よりも熱伝導性が著しく低い構成要素によって形成される。
【0112】
マシン1は、飲料3を、飲料収集面35から、そのようなマシン1から飲料3を収集するためのユーザ容器を受け入れるように構成された注出領域5に導くように構成された放出装置36、37を含むことができる。注出領域5は、外側直立マシン面51及び/又はカップ支持体52によって範囲を定められ得る。
【0113】
放出装置36、37は、ホルダ10とカバー20とが相対的に移動されるときに、飲料処理ユニット10、20の上記又はそれ以外のカバー20に対して静止している上流部36を有してもよい。
【0114】
放出装置36、37は、ホルダ10と上記又はそれ以外のカバー20とが相対的に移動されるときに、ホルダ10に対して静止している下流部37を組み込むことができる。
【0115】
放出装置36、37は、管状部分36を有し得る。例えば、管状部分36は、上記又はそれ以外の上流部分を形成する。
【0116】
放出装置36、37は、飲料3内に含まれる泡を、例えば、1つ以上の泡分割器37a、37b、37c、37dなどの微細化装置及び/又は液体導流部材37によって微細化するための下流チャンバ37などの下流部材37を含んでもよい。液体導流部材37は、飲料3を抽出領域5に、廃棄液を廃棄物収集器40に、選択的に向かわせるように構成されている。例えば、下流部材37は、上記又はそれ以外の下流部分を形成する。
【0117】
装置36、37は、洗浄及び/又は整備のためにユーザによって取り外し可能な、少なくとも1つの部分、例えば、上記又はそれ以外の下流部分37を有してもよい。
【0118】
放出装置36、37は、上記又はそれ以外の上流部分36などの第1の部分と、上記又はそれ以外の下流部分37などの第2の部分とを有することができ、第2の部分は、チャンバ11内で香味原材料2から飲料3が調製されるときに静止している上記又はそれ以外の外側ハウジング16に、又はその中に取り付けられている。第1の部分は、上記又はそれ以外のカバー20を、ホルダ10とカバー20とが、それらの開放位置と閉鎖位置との間で、案内構造体25に沿って、例えば枢動かつ/又は水平移動することを可能にするように構成された案内構造体25に、上記カバー20を接続する接続部材26に、又はその中に取り付けられてもよい。それにより、ホルダ10とカバー20とがそれらの閉鎖位置にあるとき、第1の部分は外側ハウジング内に突出し、かつ/又は第2の部分は接続部材26内に突出する。
【0119】
マシン1は、水タンクなどの水源6と、供給源6から調節器30に水4を導くために供給源6及び熱調節器30に流体的に接続された、可撓性案内部24などの上流側水案内部24と、を含んでもよい。例えば、水案内部は、案内部24を経て、供給源6から調節器30に水4を駆動するための液体駆動装置5に関連付けられている。
【0120】
処理ユニット10、20のホルダ10と上記又はそれ以外のカバー20とは、それらの開放位置と閉鎖位置との間で案内構造体25に沿って、例えば水平移動かつ/又は枢動など、相対的に移動可能であり得、上流側水案内部24は、案内構造体又はその近くを通過している。上流側水案内部24は、案内構造体25及び水案内部支持体25’によって固定されてもよい。
【0121】
飲料3を調製するためにマシン1を動作させる工程は、次によることができる。例えば上記カプセル内で供給される原材料2が、ホルダ10によって範囲を定められた混合チャンバ11内に配置される;第1の飲料調製モード及び第2の飲料調製モードから選択されるモードが、選択装置71によって選択される;その後、制御ユニット7が以下の制御を行う:
a)熱デバイス33を、選択された飲料調製モードが第1の飲料調製モードである場合、第1の制御モードで電力供給し、選択された飲料調製モードが第2の飲料調製モードである場合、第2の制御モードで電力供給する;
b)液体駆動装置5を、水4を熱調節装置30の案内部33に沿って飲料処理ユニットの入口部22の中へ駆動するために、それ自体を駆動モードに切り替える又は維持する。
【0122】
選択された飲料調製モードが第2の飲料調製モードであるとき、制御ユニット7は、駆動装置5を静止モードから駆動モードに切り替え、かつ/又は駆動装置5を駆動モードに維持し、任意選択的に、駆動装置5を、第2の飲料調製モードが選択されると直ちに、又は最大20秒、例えば最大10秒、例えば最大5秒の遅延後に、静止モードから駆動モードに切り替える。
図1
図1a
図2
図2a
図3
図4
図4a