(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】信用リスクアセット計測確認装置、信用リスクアセット計測確認方法および信用リスクアセット計測確認プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2022000296
(22)【出願日】2022-01-04
【審査請求日】2024-03-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 万莉
(72)【発明者】
【氏名】加村 雅史
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-244310(JP,A)
【文献】特開2005-242938(JP,A)
【文献】特開平11-175602(JP,A)
【文献】特開2015-31993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置であって、
債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、
債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、
債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、
債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、
債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、
業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、
業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、
エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、
エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、
外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測部と、
前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力部と、
を備
え、
前記信用リスクアセット計測部は、
前記債権データを参照し、前記処理基準日に基づく仮の前記計測結果明細データを作成する作成部と、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタおよび前記業種区分マスタを参照し、前記計測結果明細データにおける所定の条件に合致する債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定するエクスポージャー判定部と、
前記エクスポージャー種類マスタ、前記外部格付マスタおよび前記外部格付データを参照し、前記計測結果明細データにおけるリスクウェイトを調整するリスクウェイト調整部と、
前記債権データおよび前記計測結果明細データにおける最新のリスクウェイトと、に基づいて、計測結果明細データにおけるリスクアセット額を算出するリスクアセット額算出部と、
を有し、
前記作成部は、
前記エクスポージャー判定部の判定結果、前記リスクウェイト調整部の調整結果および前記リスクアセット額算出部の算出結果を前記計測結果明細データに更新すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記エクスポージャー判定部は、
前記顧客データを参照し、前記計測結果明細データが国地公体である場合の債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する国地公体判定処理部と、
前記債権データおよび前記不動産データを参照し、前記計測結果明細データの不動産担保における債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する不動産担保債権判定処理部と、
前記保証協会データを参照し、前記計測結果明細データの保証協会における債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する保証協会判定処理部と、
前記顧客データ、前記業種マスタおよび前記業種区分マスタを参照し、前記計測結果明細データにおけるリテール債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定するリテール債権判定処理部と、
を含むこと、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記リテール債権判定処理部は、
前記計測結果明細データが法人、中小企業および個人のいずれかに応じたエクスポージャーの種別を判定すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項4】
請求項
1~
3のいずれか一つに記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記リスクウェイト調整部は、
前記外部格付データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、前記計測結果明細データにおける前記エクスポージャーの種別に応じたリスクウェイトを判定する格付判定処理部と、
前記債権データを参照し、前記計測結果明細データにおける前記延滞月数および前記引当率に応じたリスクウェイトを判定する延滞判定処理部と、
を有すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一つに記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記計測結果明細出力部は、
所定の処理基準毎の前記計測結果明細データを出力すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか一つに記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記計測結果明細出力部は、
所定の資産区分毎の前記計測結果明細データを出力すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一つに記載の信用リスクアセット計測確認装置であって、
前記計測結果明細出力部は、
明細単位、科目単位およびエクスポージャー単位のいずれかの単位毎に前記計測結果明細データを出力すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認装置。
【請求項8】
制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置で実行される信用リスクアセット計測確認方法であって、
債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、
債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、
債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、
債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、
債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、
業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、
業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、
エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、
エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、
外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測ステップと、
前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力ステップと、
を含
み、
前記信用リスクアセット計測ステップは、
前記債権データを参照し、前記処理基準日に基づく仮の前記計測結果明細データを作成する作成ステップと、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタおよび前記業種区分マスタを参照し、前記計測結果明細データにおける所定の条件に合致する債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定するエクスポージャー判定ステップと、
前記エクスポージャー種類マスタ、前記外部格付マスタおよび前記外部格付データを参照し、前記計測結果明細データにおけるリスクウェイトを調整するリスクウェイト調整ステップと、
前記債権データおよび前記計測結果明細データにおける最新のリスクウェイトと、に基づいて、計測結果明細データにおけるリスクアセット額を算出するリスクアセット額算出ステップと、
を含み、
前記作成ステップは、
前記エクスポージャー判定ステップの判定結果、前記リスクウェイト調整ステップの調整結果および前記リスクアセット額算出ステップの算出結果を前記計測結果明細データに更新すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認方法。
【請求項9】
制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置で実行される信用リスクアセット計測確認プログラムであって、
債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、
債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、
債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、
債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、
債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、
業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、
業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、
エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、
エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、
外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行されるための、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測ステップと、
前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力ステップと、
を含
み、
前記信用リスクアセット計測ステップは、
前記債権データを参照し、前記処理基準日に基づく仮の前記計測結果明細データを作成する作成ステップと、
前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタおよび前記業種区分マスタを参照し、前記計測結果明細データにおける所定の条件に合致する債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定するエクスポージャー判定ステップと、
前記エクスポージャー種類マスタ、前記外部格付マスタおよび前記外部格付データを参照し、前記計測結果明細データにおけるリスクウェイトを調整するリスクウェイト調整ステップと、
前記債権データおよび前記計測結果明細データにおける最新のリスクウェイトと、に基づいて、計測結果明細データにおけるリスクアセット額を算出するリスクアセット額算出ステップと、
を含み、
前記作成ステップは、
前記エクスポージャー判定ステップの判定結果、前記リスクウェイト調整ステップの調整結果および前記リスクアセット額算出ステップの算出結果を前記計測結果明細データに更新すること、
を特徴とする信用リスクアセット計測確認プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信用リスクアセット計測確認装置、信用リスクアセット計測確認方法および信用リスクアセット計測確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融業界(銀行、信用金庫)のリスク管理業務において、自己資本比率を算出する業務がある。この業務では、バーゼル規制と呼ばれる国際統一基準がある。この国際統一基準の中には、以下のような式(1)に基づく自己資本比率規制が定められている。
【数1】
ここで、自己資本比率で用いる信用リスクとは、貸出先の債務不履行リスクである。
なお、海外拠点の有無によって、達成すべき自己資本比率の基準が異なる。具体的には、海外営業拠点を有する金融機関では、8%以上(国際統一基準)であり、海外営業拠点を持たない金融機関では、4%以上(国内基準)である。
【0003】
また、自己資本比率規制では、債権の種類や返済状況等に応じてリスクウェイト(保有するリスクの度合)を設定し、このリスクウェイトを資産額に乗じることで信用リスクアセット額(リスクのある資産額)を算出する。このため、自己資本比率規制の順守は、金融機関の経営に直結するものであり、経営者にとっては関心の高い内容である。このため、特許文献1には、債権のデフォルト率やデフォルト時損失率を計算し、債権の金額(融資残金額)と共に、リスクウェイト関数に代入することで、リスクアセット額(「信用リスク」勘案後の融資残高)を求めて、新BIS規制における自己資本比率の計算に利用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、経営者等は、年度末の決算に向けて予測を立てたいため、決算データだけでなく最新データ等、任意のタイミングのデータを基にリスクアセット額を把握したいうえ、過去の実績データと組み合わせて、信頼性の高い予測データを用いて確認したい。
【0006】
しかしながら、信用リスクは、随時変動するものであるため、容易にシミュレーションすることができないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、任意の基準日に応じたリスクアセット額および過去の実績データを確認することができる信用リスクアセット計測確認装置、信用リスクアセット計測確認方法および信用リスクアセット計測確認プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る信用リスクアセット計測確認装置は、制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置であって、債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測部と、前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力部と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る信用リスクアセット計測確認方法は、制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置で実行される信用リスクアセット計測確認方法であって、債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測ステップと、前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力ステップと、を含むことを、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る信用リスクアセット計測確認プログラムは、制御部を備える信用リスクアセット計測確認装置で実行される信用リスクアセット計測確認プログラムであって、債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、延滞月数と、引当率と、を対応付けた債権データと、債権番号と、顧客番号と、業務区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けた顧客データと、債権番号と、担保評価額と、を対応付けた不動産データと、債権番号と、保証額と、を対応付けた保証協会データと、債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けた外部格付データと、業種コードと、業種区分と、を対応付けた業種マスタと、業種区分と、業種区分名と、資本金と、従業員数と、を対応付けた業種区分マスタと、エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けたエクスポージャー種類マスタと、エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けたエクスポージャー分類マスタと、外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けた外部格付マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行されるための、前記債権データ、前記顧客データ、前記不動産データ、前記保証協会データ、前記外部格付データ、前記業種マスタ、前記業種区分マスタ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記外部格付マスタを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データを生成して蓄積する信用リスクアセット計測ステップと、前記計測結果明細データ、前記債権データ、前記顧客データ、前記エクスポージャー種類マスタおよび前記エクスポージャー分類マスタを参照し、指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、任意の基準日に応じたリスクアセット額および過去の実績データを確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する債権データにおける債権データテーブルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する顧客データにおける顧客データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する不動産データにおける不動産データテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する保証協会データにおける保証協会データテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する業種マスタにおける業務マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する業種区分マスタにおける業務区分マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶するエクスポージャー種類マスタにおけるエクスポージャー種類マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶するエクスポージャー分類マスタにおけるエクスポージャー分類マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する外部格付データにおける外部格付データテーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する外部格付マスタにおける外部格付マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の記憶部が記憶する計測結果明細データにおける計測結果明細データテーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図13のステップS101における信用リスクアセット計測部が実行する信用リスクアセット計測処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、共通バッチメニュー画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の作成部による計測結果明細データの作成方法を模式的に示す図である。
【
図17】
図17は、
図14のステップS204におけるエクスポージャー判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の国地公体判定処理部による国地公体・他の判定方法を模式的に説明する図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の不動産担保債権判定処理部による不動産担保債権の判定方法を模式的に説明する図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の保証協会判定処理部による保証協会の判定方法を模式的に説明する図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置のリテール債権判定処理部による法人の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置のリテール債権判定処理部による中小企業の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置のリテール債権判定処理部による個人の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図24】
図24は、
図14のステップS205におけるリスクウェイト調整処理部の詳細を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の格付判定処理部による格付に基づくリスクウェイトの格付判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の延滞判定処理部による遅延に基づくリスクウェイトの延滞判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置のリスクアセット額算出部によるリスクアセット額の算出方法の概要を模式的に説明する図である。
【
図28】
図28は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の計測結果明細出力部が計測結果明細出力処理にモニタに表示させる計測結果明細出力画面の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置が四半期毎に信用リスクアセット計測処理を行って四半期毎に計測結果明細データを追加する図である。
【
図34】
図34は、実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置が出力する計測結果明細データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る信用リスクアセット計測確認装置、信用リスクアセット計測確認方法および信用リスクアセット計測確認プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る信用リスクアセット計測確認装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、信用リスクアセット計測確認装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【0015】
図1に示す信用リスクアセット計測確認装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、信用リスクアセット計測確認装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0016】
信用リスクアセット計測確認装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。信用リスクアセット計測確認装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、信用リスクアセット計測確認装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と、通信回線と、を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、信用リスクアセット計測確認装置100と、サーバ200と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置112と、出力装置114と、が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記憶される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、債権データ106aと、顧客データ106bと、不動産データ106cと、保証協会データ106dと、業種マスタ106eと、業種区分マスタ106fと、エクスポージャー種類マスタ106gと、エクスポージャー分類マスタ106hと、外部格付データ106iと、外部格付マスタ106jと、計測結果明細データ106kは、を記憶している。
【0020】
債権データ106aは、基準日と、債権番号と、与信残高と、任意コードと、担保種類コードと、科目コードと、遅滞月数と、引当率と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0021】
図2は、債権データ106aにおける債権データテーブルの一例を示す図である。
図2に示すように、債権データテーブルT1の1行目には、基準日「2020/12/31」に、債権番号「100」と、予算残高「25,200,000」と、任意コード「0」と、担保種類コード「0」と、科目コード「33」と、延滞月数「0」と、引当率「60」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0022】
顧客データ106bは、基準日に、債権番号と、店番号と、顧客番号と、業態区分と、業種コードと、資本金と、従業員と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0023】
図3は、顧客データ106bにおける顧客データテーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、顧客データテーブルT2の1行目には、基準日「2020/12/31」に、債権番号「100」と、店番号「101」と、顧客番号「12345」と、業態区分「1」と、業種コード「010000」と、資本金「180,000,000」と、従業員「200」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0024】
不動産データ106cは、基準日に、債権番号と、担保評価額と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0025】
図4は、不動産データ106cにおける不動産データテーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、不動産データテーブルT3の1行目には、基準日に、債権番号と、担保評価額と、を対応付けて管理されている。なお、
図4では、各項目のレコードなしの状態を示す。
【0026】
保証協会データ106dは、基準日に、債権番号と、保証額と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0027】
図5は、保証協会データ106dにおける保証協会データテーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、保証協会データ1テーブルT4の1行目には、基準日に、債権番号と、保証額と、を対応付けて管理されて記憶されている。なお、
図5では、各項目のレコードなしの状態を示す。
【0028】
業種マスタ106eは、業種コードと、業種区分と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0029】
図6は、業種マスタ106eにおける業務マスタテーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、業種マスタテーブルT5の1行目には、業務コード「010000」と、業務区分「1」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0030】
業種区分マスタ106fは、業務区分と、業務区分名と、資本金と、従業員と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0031】
図7は、業種区分マスタ106fにおける業務区分マスタテーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、業種区分マスタテーブルT6の1行目には、業務区分「1」と、業務区分名「製造業・その他」と、資本金「300,000,000」と、従業員「300」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0032】
エクスポージャー種類マスタ106gは、エクスポージャーコードと、エクスポージャー名と、エクスポージャー分類コードと、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0033】
図8は、エクスポージャー種類マスタ106gにおけるエクスポージャー種類マスタテーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、エクスポージャー種類マスタテーブルT7の1行目には、エクスポージャーコード「1002」と、エクスポージャー名「信用保証協会等により保証された債権(RW:10%)」と、エクスポージャー分類コード「10」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0034】
エクスポージャー分類マスタ106hは、エクスポージャー分類コードと、エクスポージャー分類名と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0035】
図9は、エクスポージャー分類マスタ106hにおけるエクスポージャー分類マスタテーブルの一例を示す図である。
図9に示すように、エクスポージャー分類マスタテーブルT8の1行目には、エクスポージャー分類コード「10」と、エクスポージャー分類名「信用保証協会等により保証された債権」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0036】
外部格付データ106iは、基準日に、債権番号と、外部格付機関コードと、外部格付コードと、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0037】
図10は、外部格付データ106iにおける外部格付データテーブルの一例を示す図である。
図10に示すように、外部格付データテーブルT9の1行目には、基準日「2021/3/31」に、債権番号「100」と、外部格付機関コード「41」と、外部格付コード「A+~A-」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0038】
外部格付マスタ106jは、外部格付機関コードと、外部格付コードと、リスクウェイトと、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0039】
図11は、外部格付マスタ106jにおける外部格付マスタテーブルの一例を示す図である。
図11に示すように、外部格付マスタテーブルT10の1行目には、外部格付機関コード「41」と、外部格付コード「AAA~AA-」と、リスクウェイト「20」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0040】
計測結果明細データ106kは、後述する信用リスクアセット計測部102aによって計測された計測結果明細を記憶する。具体的には、計測結果明細データ106kは、基準日に、債権番号と、資産区分と、エクスポージャーコードと、リスクウェイトと、リスクアセット額と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0041】
図12は、計測結果明細データ106kにおける計測結果明細データテーブルの一例を示す図である。
図12に示すように、計測結果明細データテーブルT11の1行目には、基準日「2020/12/31」に、債権番号「100」と、資産区分「0」と、エクスポージャーコード「2304」と、リスクウェイト「50」と、リスクアセット額「12,600,000」と、を対応付けて管理されて記憶されている。
【0042】
図1に戻り、信用リスクアセット計測確認装置100の構成の説明を続ける。
制御部102は、信用リスクアセット計測確認装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、信用リスクアセット計測部102aと、計測結果明細出力部102bと、表示制御部102hと、を備える。
【0043】
信用リスクアセット計測部102aは、債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106d、外部格付データ106i、業種マスタ106e、業種区分マスタ106f、エクスポージャー種類マスタ106g、エクスポージャー分類マスタ106hおよび外部格付マスタ106jを参照し、指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データ106kを生成して記憶部106に記憶する。
【0044】
信用リスクアセット計測部102aは、取得部102cと、作成部102dと、エクスポージャー判定部102eと、リスクウェイト調整部102fと、リスクアセット額算出部102gと、表示制御部102hと、を有する。
【0045】
取得部102cは、取得部102cは、債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106dおよび外部格付データ106iの各々から、指定された処理基準日に応じた各データを取得する。
【0046】
作成部102dは、取得部102cが取得した債権データ106aに基づいて、仮の計測結果明細データを作成する。さらに、作成部102dは、後述するエクスポージャー判定部102eの判定結果、リスクウェイト調整部102fの調整結果およびリスクアセット額算出部102gの算出結果を計測結果明細データに更新する。
【0047】
エクスポージャー判定部102eは、取得部102cが取得した債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106d、外部格付データ106i、業種マスタ106e、業種区分マスタ106fを参照し、債権のエクスポージャーの種別を判定するエクスポージャー判定処理を実行する。エクスポージャー判定部102eは、国地公体判定処理部102iと、不動産担保債権判定処理部102jと、保証協会判定処理部102kと、リテール債権判定処理部102lと、を含む。
【0048】
国地公体判定処理部102iは、顧客データ106bを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データが国地公体である場合の債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する。
【0049】
不動産担保債権判定処理部102jは、債権データ106aおよび不動産データ106cを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データの不動産担保における債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する。
【0050】
保証協会判定処理部102kは、保証協会データ106dを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データの保証協会における債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する。
【0051】
リテール債権判定処理部102lは、顧客データ106b、業種マスタ106eおよび業種区分マスタ106fを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データにおけるリテール債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定する。さらに、リテール債権判定処理部102lは、作成部102dが作成した計測結果明細データが法人、中小企業および個人のいずれかに応じたエクスポージャーの種別を判定する。
【0052】
リスクウェイト調整部102fは、エクスポージャー種類マスタ106g、外部格付マスタ106jおよび外部格付データ106iを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データにおけるリスクウェイトを調整する。また、リスクウェイト調整部102fは、格付判定処理部102nと、延滞判定処理部102mと、を含む。
【0053】
格付判定処理部102nは、外部格付データ106i、エクスポージャー種類マスタ106gおよび外部格付マスタ106jを参照し、作成部102dが作成した計測結果明細データにおけるエクスポージャーの種別に応じたリスクウェイトを判定する。
【0054】
延滞判定処理部102mは、債権データ106aを参照し、延滞月数および引当率に応じたリスクウェイトを判定する。
【0055】
リスクアセット額算出部102gは、債権データおよび前記計測結果明細データにおける最新のリスクウェイトと、に基づいて、計測結果明細データにおけるリスクアセット額を算出する。
【0056】
表示制御部102hは、信用リスクアセット計測処理を行う際の処理基準日の指示信号の入力を受け付けるための共通バッチメニュー画面をモニタ114に表示させる。さらに、表示制御部102hは、信用リスクアセット計測処理の指定条件の入力を受け付ける計測結果明細出力画面をモニタ114に表示させる。
【0057】
計測結果明細出力部102bは、計測結果明細データ106k、債権データ106a、顧客データ106b、エクスポージャー種類マスタ106gおよびエクスポージャー分類マスタ106hを参照し、指定された指定条件に基づく計測結果明細データを出力データとして出力する。
【0058】
[2.信用リスクアセット計測確認装置100が実行する処理]
次に、信用リスクアセット計測確認装置100が実行する処理について説明する。
図13は、信用リスクアセット計測確認装置100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0059】
図13に示すように、まず、信用リスクアセット計測部102aは、債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106d、外部格付データ106i、業種マスタ106e、業種区分マスタ106f、エクスポージャー種類マスタ106gおよび外部格付マスタ106jを参照し、ユーザによって指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データ106kを生成して記憶部106に格納(記憶)する信用リスクアセット計測処理を実行する(ステップS101)。
【0060】
[2-1:信用リスクアセット計測処理]
図14は、
図13のステップS101における信用リスクアセット計測部102aが実行する信用リスクアセット計測処理の詳細を示すフローチャートである。
【0061】
図14に示すように、まず、表示制御部102hは、信用リスクアセット額を計測するための処理基準日の指示信号の入力を受け付けるための共通バッチメニュー画面をモニタ114に表示させる(ステップS201)。
【0062】
図15は、共通バッチメニュー画面P1の一例を示す図である。
図15に示す共通バッチメニュー画面P1には、信用リスクアセット額を計測するためのバッチメニューを指示する指示信号の入力を受け付けるバッチメニューアイコンW1と、信用リスクアセット計測処理結果を照合するための指示信号の入力を受け付けるアイコンW2と、現在のバッチメニューの内容を示すバッチメニューテーブルM1と、が含まれる。さらに、共通バッチメニュー画面P1には、処理Noを入力するNoセルK1と、システム名を入力するシステムセルK2と、ジョブ名を入力するジョブ名セルK3と、処理基準日を入力する処理基準日セルK4と、を含む。さらにまた、バッチメニューを実行する指示信号の入力を受け付ける実行ボタンB1と、共通バッチメニュー画面P1を前の画面に遷移させる戻るボタンB2と、を含む。ユーザは、入力装置112を用いて各セルに必要事項を入力し、実行ボタンB1を選択する。
【0063】
図14に戻り、ステップS202以降の説明を続ける。
ステップS202において、取得部102cは、債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106dおよび外部格付データ106iの各々から、例えば
図15に示した処理基準日セルK4に入力された処理基準日(2021/3/31)に応じた各データを取得する(ステップS202)。
【0064】
続いて、作成部102dは、取得部102cが取得した債権データ106aに基づいて、仮の計測結果明細データを作成する(ステップS203)。
【0065】
図16は、作成部102dによる計測結果明細データの作成方法を模式的に示す図である。
図16に示すように、作成部102dは、取得部102cが基準日(2021/3/31)に応じて債権データ106aから取得した債権データテーブルT12を参照し、計測結果明細データテーブルT13を新規に仮に作成する。この場合、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13に示すように、基準日「2021/3/31」に、債権番号「100」と、資産区分「0」と、エクスポージャーコード「0」と、リスクウェイト「0」と、リスクアセット額「0」と、を対応付けてデータ作成する。
【0066】
続いて、エクスポージャー判定部102eは、取得部102cが取得した債権データ106a、顧客データ106b、不動産データ106c、保証協会データ106d、外部格付データ106i、業種マスタ106e、業種区分マスタ106fを参照し、債権のエクスポージャーの種別を判定するエクスポージャー判定処理を実行する(ステップS204)。
【0067】
[2-2:エクスポージャー判定処理]
図17は、
図14のステップS204におけるエクスポージャー判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0068】
図17に示すように、まず、国地公体判定処理部102iは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データ10bに含まれる業種コードが国地公体・他を示す業種コードであるか否かの国地公体・他を判定する(ステップS301)。
【0069】
図18は、国地公体判定処理部102iによる国地公体・他の判定方法を模式的に説明する図である。
図18に示すように、国地公体判定処理部102iは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データテーブルT14に含まれる業種コード「010000」が判定条件R1である業種コード「650000」であるか否かを判定する。この場合、
図18に示すように、国地公体判定処理部102iは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データテーブルT14に含まれる業種コードが業種コード「010000」であるため、条件に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコード等のデータ更新を行わない。
【0070】
続いて、不動産担保債権判定処理部102jは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く債権データ106aに含まれる任意コードが所定のコード、かつ、与信残高が担保評価額以下(与信残高≦担保評価額)であるか否かの不動産担保債権を判定する(ステップS302)。
【0071】
図19は、不動産担保債権判定処理部102jによる不動産担保債権の判定方法を模式的に説明する図である。
図19に示すように、不動産担保債権判定処理部102jは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く債権データテーブルT12に含まれる任意コード、予算残高および不動産データテーブルT15の担保評価額が判定条件R2である任意コード「1」、かつ、与信残高が担保評価額以下(与信残高≦担保評価額)であるか否かを判定する。この場合、
図19に示すように、不動産担保債権判定処理部102jは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く債権データテーブルT12に含まれる任意コードが任意コード「0」であり、かつ、不動産データテーブルT15に債権番号のレコードおよび担保評価額がないため、条件に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコード等のデータ更新を行わない。
【0072】
その後、保証協会判定処理部102kは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く債権データ106aに含まれる予算残高が保証額以下であるか、または担保種類コードおよび科目コードの各々が所定のコードを満たすか否かの保証協会を判定する(ステップS303)。なお、上述したステップS301~ステップS303の処理順は、適宜変更することができる。
【0073】
図20は、保証協会判定処理部102kによる保証協会の判定方法を模式的に説明する図である。
図20に示すように、保証協会判定処理部102kは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く債権データテーブルT12に含まれる予算残高が判定条件R4の保証額以下であるか、または担保種類コードおよび科目コードが判定条件R4の「7310118」「7310218」および「10」の各々を満たすか否かを判定する。この場合、
図20に示すように、保証協会判定処理部102kは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く保証協会データテーブルT16に債権番号および保証額のレコードがないうえ、担保種類コード「0」および科目コード「33」であるため、条件に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコード等のデータ更新を行わない。
【0074】
ステップS303の後、リテール債権判定処理部102lは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データ10bに含まれる業態区分が、法人、中小企業および個人のいずれかのリテール債権を判定する(ステップS304)。ステップS304の後、信用リスクアセット計測確認装置100は、
図14の信用リスクアセット計測処理のサブルーチンへ戻り、ステップS205へ移行する。
【0075】
ここで、リテール債権判定処理部102lが法人、中小企業および個人のいずれかのリテール債権を判定する際の判定方法の詳細について説明する。
【0076】
まず、リテール債権判定処理部102lによる法人の判定方法について説明する。
図21は、リテール債権判定処理部102lによる法人の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
図21に示すように、リテール債権判定処理部102lは、業種マスタ106eおよび業種区分マスタ106fを参照し、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データ10bに含まれる業態区分が判定条件R4である業態区分が「1」、かつ、資本金が業種区分マスタの資本金以上(資本金>業種区分マスタ.資本金)、かつ、従業員が業種区分マスタ.従業員以上(従業員>業種区分マスタ.従業員)であるか否かを判定する。この場合、
図21に示すように、リテール債権判定処理部102lは、業種マスタテーブルT5および業種区分マスタテーブルT6を参照し、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く顧客データテーブルT14における業態区分が「1」である。しかしながら、リテール債権判定処理部102lは、顧客データテーブルT14の資本金(180,000,000)が業種区分マスタテーブルT6の資本金(300,000,000)以上(180,000,000>300,000,000)でなく、かつ、従業員(200)が業種区分マスタ.従業員(300)以上(従業員>業種区分マスタ.従業員)でないため、判定条件R4に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコードおよびリスクウェイト等のデータ更新を行わない。
【0077】
次に、リテール債権判定処理部102lによる中小企業の判定方法について説明する。
図22は、リテール債権判定処理部102lによる中小企業の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【0078】
図22に示すように、リテール債権判定処理部102lは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データ10bに含まれる業態区分が判定条件R5である業態区分が「1」であるか否かを判定する。この場合、
図22に示すように、リテール債権判定処理部102lは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く顧客データテーブルT14における業態区分が「1」であるため、判定条件R5に該当すると判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコードおよびリスクウェイトを判定条件R5に該当する場合の数値にデータ更新する。具体的には、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコードを「2304」およびリスクウェイトを「85」にデータ更新する。
【0079】
最後に、リテール債権判定処理部102lによる個人の判定方法について説明する。
図23は、リテール債権判定処理部102lによる個人の判定方法の概要を模式的に説明する図である。
【0080】
図23に示すように、リテール債権判定処理部102lは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く顧客データ10bに含まれる業態区分が判定条件R6である業態区分が「1」以外であるか否かを判定する。この場合、
図23に示すように、リテール債権判定処理部102lは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる識別番号「100」に紐付く顧客データテーブルT14における業態区分が「1」であるため、判定条件R6に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコードおよびリスクウェイト等のデータ更新を行わない。なお、
図23では、既に
図22においてリテール債権判定処理部102lによってエクスポージャーが決定しているため、処理対象外となる。
【0081】
図14に戻り、ステップS205以降の説明を続ける。
ステップS205において、リスクウェイト調整部102fは、計測結果明細データのリスクウェイトを調整するリスクウェイト調整処理部を実行する。
【0082】
[2-3:リスクウェイト調整処理部]
図24は、
図14のステップS205におけるリスクウェイト調整処理部の詳細を示すフローチャートである。
図24に示すように、まず、格付判定処理部102nは、作成部102dが作成した計測結果明細データにおけるエクスポージャー分類に応じた格付に基づくリスクウェイトを調整する(ステップS401)。
【0083】
図25は、格付判定処理部102nによる格付に基づくリスクウェイトの格付判定方法の概要を模式的に説明する図である。
図25に示すように、格付判定処理部102nは、エクスポージャー種類マスタ106gを参照し、計測結果明細データテーブルT13に含まれるエクスポージャーコードに基づくエクスポージャー分類コードが判定条件R7であるエクスポージャー分類コード「23:事業法人等向け債権」であるか否かを判定する。この場合、
図25に示すように、格付判定処理部102nは、計測結果明細データテーブルT13に含まれるエクスポージャーコード「2304」に基づくエクスポージャー種類マスタテーブルT17のエクスポージャー分類コードが「23」であるため、判定条件R7に該当すると判定する。この結果、作成部102dは、
図25に示すように、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く外部格付データテーブルT18に含まれる外部格付機関コード「41」および外部格付マスタテーブルT10を参照し、計測結果明細データテーブルT13に含まれるリスクウェイトを「85」から「50」にデータ更新する。
【0084】
続いて、延滞判定処理部102mは、計測結果明細データの延滞月数および引当率に応じたリスクウェイトを調整する(ステップS402)。
【0085】
図26は、延滞判定処理部102mによる遅延に基づくリスクウェイトの延滞判定方法の概要を模式的に説明する図である。
図26に示すように、延滞判定処理部102mは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く債権データ106aに含まれる延滞月数が判定条件R8である3以上(延滞月数≧3)であるか否かを判定する。この場合、
図26に示すように、延滞判定処理部102mは、計測結果明細データテーブルT13に含まれる債権番号「100」に紐付く債権データテーブルT12に含まれる延滞月数が「0」であるため、判定条件R8に該当しないと判定する。この結果、作成部102dは、計測結果明細データテーブルT13におけるエクスポージャーコードおよびリスクウェイトのデータ更新を行わない。なお、延滞判定処理部102mは、延滞月数が判定条件R8である「3」以上である場合、債権データ106aに含まれる引当率に応じて、エクスポージャーコードおよびリスクウェイトをセットする。ステップS402の後、信用リスクアセット計測確認装置100は、
図14の信用リスクアセット計測処理のサブルーチンへ戻り、ステップS206へ移行する。
【0086】
図14に戻り、ステップS206以降の説明を続ける。
ステップS206において、リスクアセット額算出部102gは、計測結果明細データおよび債権データに基づいて、計測結果明細データのリスクアセット額を算出する。ステップS206の後、信用リスクアセット計測確認装置100は、
図13のメインルーチンへ戻り、ステップS102へ移行する。
【0087】
図27は、リスクアセット額算出部102gによるリスクアセット額の算出方法の概要を模式的に説明する図である。
図27に示すように、リスクアセット額算出部102gは、計測結果明細データテーブルT13に含まれるリスクウェイトおよび債権データテーブルT12に含まれる与信残高に基づいて、計測結果明細データのリスクアセット額を算出する。具体的には、リスクアセット額算出部102gは、債権データテーブルT12に含まれる与信残高「25,000,000」に、計測結果明細データテーブルT13に含まれるリスクウェイト「50」を乗じた値を100で割った値(25,000,000×50÷100=12,500,000)をリスクアセット額(12,500,000)として算出する。この場合、作成部102dは、
図27に示すように、リスクアセット額算出部102gが算出したリスクアセット額を、計測結果明細データテーブルT13のリスクウェイト額「12,500,000」としてデータ更新する。
【0088】
図13に戻り、ステップS102以降の説明を続ける。
ステップS102において、計測結果明細出力部102bは、計測結果明細データ106k、債権データ106a、顧客データ106b、エクスポージャー種類マスタ106gおよびエクスポージャー分類マスタ106hを参照し、指定された指定条件に基づく計測結果明細データを出力データとして出力する計測結果明細出力処理を実行する。ステップS102の後、信用リスクアセット計測確認装置100は、本処理を終了する。
【0089】
図28は、計測結果明細出力部102bが計測結果明細出力処理にモニタ114に表示させる計測結果明細出力画面の一例を示す図である。
【0090】
図28に示す計測結果明細出力画面P2には、基準日O1の入力を受け付ける基準日セルK11と、エクスポージャーO2の入力を受け付けるエクスポージャーセルK12と、店番号O3の入力を受け付ける店番号セルK13と、顧客番号O4の入力を受け付ける顧客番号セルK14と、が含まれる。さらに、計測結果明細出力画面P2には、資産区分O5を指定する指定アイコンW11~W13と、出力単位O6を指定する指定アイコンW21~W23と、が含まれる。さらにまた、計測結果明細出力画面P2には、計測結果明細を出力する指示信号の入力を受け付ける出力ボタンB11と、前の画面に遷移させる戻るボタンB2と、を含む。
【0091】
図29は、出力対象データの一例を示す図である。
図29に示すように、計測結果明細出力部102b、計測結果明細データテーブルT11、債権データテーブルT1、顧客データテーブルT2、エクスポージャー種類マスタテーブルT7およびエクスポージャー分類マスタテーブルT8を参照し、上述した計測結果明細出力画面P2の基準日O1、エクスポージャーO2、店番号O3と、顧客番号O4の各々のセルに入力された内容および資産区分O5および出力単位O6の指定された指定アイコンと、による指定条件に基づく計測結果明細データを出力データとして出力する。なお、
図29では、計測結果明細データテーブルT13、債権データテーブルT1および顧客データテーブルT2におけるO1~O6が基準日O1、エクスポージャーO2、店番号O3、顧客番号O4および資産区分O5および出力単位O6の各々に対応する。
【0092】
ここで、計測結果明細出力画面P2で指定された指定条件に基づく出力データの一例について説明する。
【0093】
図30は、出力データの一例を示す図である。
図30に示す出力データテーブルT31は、基準日O1、エクスポージャーO2、店番号O3および顧客番号O4の各々の指定がなしであり、資産区分O5の「全明細」(指定アイコンW11)が指定され、かつ、出力単位O6の「明細単位」(指定アイコンW21)が指定された状態を示す。
図30の出力データテーブルT31に示すように、計測結果明細出力部102bは、明細単位で全件出力している。
【0094】
図31は、出力データの別の一例を示す図である。
図31に示す出力データテーブルT32は、基準日O1が「2021/3/31」が指定されるとともに、エクスポージャーO2、店番号O3および顧客番号O4の各々の指定がなしであり、かつ、資産区分O5の「全明細」(指定アイコンW11)が指定され、かつ、出力単位O6の「科目単位」(指定アイコンW22)が指定された状態を示す。
図31の出力データテーブルT32に示すように、計測結果明細出力部102bは、基準日が「2021/3/31」のデータを科目単位で出力する。
【0095】
図32は、出力データの別の一例を示す図である。
図32に示す出力データテーブルT33は、基準日O1が「2021/3/31」が指定されるとともに、エクスポージャーO2、店番号O3および顧客番号O4の各々の指定がなしであり、かつ、資産区分O5の「全明細」(指定アイコンW11)が指定され、かつ、出力単位O6の「エクスポージャー」(指定アイコンW23)が指定された状態を示す。
図32の出力データテーブルT33に示すように、計測結果明細出力部102bは、基準日が「2021/3/31」のデータをエクスポージャー分類単位で出力する。
【0096】
このように構成された信用リスクアセット計測確認装置100は、例えば
図33に示すように四半期毎に信用リスクアセット計測処理を行って四半期毎に計測結果明細データを追加する。その後、信用リスクアセット計測確認装置100は、例えば
図34に示すように、計測結果明細データに対して、今年度第2四半期の結果をエクスポージャー単位で集計して出力する。これにより、ユーザは、任意の基準日に応じたリスクアセット額および過去の実績データを比較しながら確認することができる。
【0097】
以上説明した実施形態によれば、信用リスクアセット計測部102aが指定された処理基準日に応じた債権のエクスポージャーの種別、リスクウェイトおよびリスクアセット額を計測した計測結果明細データ106kを生成して記憶部106に蓄積し、計測結果明細出力部102bが指定された指定条件に基づく前記計測結果明細データ106kを出力データとして出力する。これにより、任意の基準日に応じたリスクアセット額および過去の実績データを確認することができる。
【0098】
また、実施形態によれば、信用リスクアセット計測部102aが計測結果明細データにおける所定の条件に合致する債権のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定し、計測結果明細データ106kにおけるリスクウェイトを調整し、債権データ106aおよび計測結果明細データ106kにおける最新のリスクウェイトと、に基づいて、計測結果明細データ106kにおけるリスクアセット額を算出する。これにより、変動する信用リスクを反映したリスクアセット額を確認することができる。
【0099】
また、実施形態によれば、エクスポージャー判定部102eが国地公体、不動産担保債権、保証協会およびリテール債権の各々のエクスポージャーの種別およびリスクウェイトを判定するため、国地公体、不動産担保債権、保証協会およびリテール債権に応じたリスクアセット額を確認することができる。
【0100】
また、実施形態によれば、リテール債権判定処理部102lが法人、中小企業および個人のいずれかに応じたエクスポージャーの種別を判定するため、規模に応じたリスクウェイトを反映することができる。
【0101】
また、実施形態によれば、リスクウェイト調整部102gがエクスポージャーの種別、延滞月数および引当率に応じたリスクウェイトを調整するため、現在の顧客の業況に応じたリスクウェイトを反映することができる。
【0102】
また、実施の形態によれば、計測結果明細出力部102bが所定の処理基準毎の計測結果明細データ106kを出力するため、毎月または四半期といった区切りで、任意時点のデータを基に信用リスクアセット額を確認することができる。
【0103】
また、実施の形態によれば、計測結果明細出力部102bが所定の資産区分毎の計測結果明細データ106kを出力することができるため、蓄積された過去実績データと合わせて推移を確認できるため、年度末の本決算に向けた予測および分析に活用することができる。
【0104】
また、実施の形態によれば、計測結果明細出力部102bが明細単位、科目単位およびエクスポージャー単位のいずれかの単位毎に計測結果明細データ106kを出力するため、所望する分析内容に応じたデータを得ることができる。
【0105】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0106】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0107】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0108】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0109】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0110】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメーターを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0111】
また、信用リスクアセット計測確認装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0112】
例えば、信用リスクアセット計測確認装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、必要に応じて信用リスクアセット計測確認装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0113】
また、このコンピュータプログラムは、信用リスクアセット計測確認装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0114】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記憶媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0115】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記憶媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0116】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0117】
また、信用リスクアセット計測確認装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、信用リスクアセット計測確認装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0118】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、リスクアセット額を用いて評価する金融機関(銀行および信用金庫)等において有用である。
【符号の説明】
【0120】
100 信用リスクアセット計測確認装置
102 制御部
102a 信用リスクアセット計測部
102b 計測結果明細出力部
102c 取得部
102d 作成部
102e エクスポージャー判定部
102f リスクウェイト調整部
102g リスクアセット額算出部
102h 表示制御部
102i 国地公体判定処理部
102j 不動産担保債権判定処理部
102k 保証協会判定処理部
102l リテール債権判定処理部
102n 格付判定処理部
102m 遅滞判定処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 債権データ
106b 顧客データ
106c 不動産データ
106d 保証協会データ
106e 業種マスタ
106f 業種区分マスタ
106g エクスポージャー種類マスタ
106h エクスポージャー分類マスタ
106i 外部格付データ
106j 外部格付マスタ
106k 計測結果明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク