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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】巣状分節性糸球体硬化症を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/444 20060101AFI20240709BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K31/444
A61K31/519
A61P13/12
A61P43/00 121
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022005829
(22)【出願日】2022-01-18
(62)【分割の表示】P 2019527910の分割
【原出願日】2017-11-22
(65)【公開番号】P2022058650
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】62/425,832
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502129656
【氏名又は名称】ケモセントリックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ミヤオ,ジェンホワ
(72)【発明者】
【氏名】シャール,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スィン,ラジンダー
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0118248(US,A1)
【文献】特表2010-533203(JP,A)
【文献】特表2008-512463(JP,A)
【文献】特表2013-538838(JP,A)
【文献】国際公開第2015/062743(WO,A1)
【文献】Kidney International,2011年,Vol.80,pp.68-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする患者において、糖尿病性腎症を治療するための医薬組成物であって、式I:
【化1】
(式中、
は、ハロゲンまたはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、または-CNであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
各Rは、独立して、C1~6アルキル、-OH、または-NHであり、
nは、0、1、2、または3であり、
、A、およびAの各々は、-CH-または-N-であり、ここで、A、A、またはAの少なくとも1つは-N-である)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
が、ハロゲンまたはメチルであり、
が、ハロゲンまたはC1~3ハロアルキルであり、
が、ハロゲンまたはC1~3アルキルであり、
が、水素であり、
nが、0であり、
が、-CH-であり、
が、-N-である、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
化合物が、下記:
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
化合物が、下記:
【化3】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
化合物が、下記:
【化4】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記治療が、患者に1種または複数の追加の治療用化合物を投与することをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
患者が、体外血液浄化、同種移植、および/または幹細胞治療も施される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
1種または複数の追加の治療用化合物が、同時にまたは連続的に投与される、請求項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2016年11月23日に出願された米国特許仮出願第62/425,832号に基づく優先権を主張するものである。この優先権出願の開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、式Iの化合物を用いて巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を治療する方法を記載する。FSGSは、光学顕微鏡レベルで、一部の(巣状)糸球体のみが関与し、関与する糸球体の(分節性)部分のみが、関与するように見える腎病変によって特徴づけられる一群の障害を含む。FSGSは、遺伝的危険因子(遺伝性FSGS)、apoL1の危険変異体に対する異型接合性(heterzygousity)または同型接合性(apoL1 FSGS)、ウイルスへの曝露(ウイルス性FSGS)、ネフロンに対する濾過負荷の増加(ネフロン喪失、高血圧、肥満、他の状態の状況で発症し得る適応性FSGS)、毒素または医薬への曝露(毒性FSGS)に関連して、他の腎または全身性疾患(糖尿病、ループス腎炎、および他の疾患の状況で発症し得る二次性FSGS)に関連して、認識されているまたは認識されていない循環因子に関連して発生することがあり、あるいは特発性(一次性FSGS)であり得る。
【0003】
[0003]FSGSは、一次性(原因が明らかでない)、または二次性であり得る。二次性FSGSは、感染またはHIVなどのウイルス、鎌状赤血球症またはループスなどの疾患、アナボリックステロイド、ヘロインもしくはパミドロネートなどの毒素もしくは薬物、ネフロン喪失、ならびに慢性腎盂腎炎および逆流などを伴う過剰濾過、病的肥満、または糖尿病に関連していることがある。
【背景技術】
【0004】
[0004]FSGSは、一次性タコ足細胞傷害によって特徴づけられる疾患と、いずれかの種類の慢性腎疾患(CKD)において二次的に発生する病変とを説明するのに使用される。それは、光学顕微鏡の使用により、(分節性)部分または一部の(巣状)糸球体における硬化の存在によって定義される。FSGSが、特定可能な原因なしである(「一次性」または「特発性」FSGSは、原因の80%を占める)、または高血圧もしくは肥満など先立つ糸球体傷害に応答する(「二次性」FSGSは、原因の20%を占める)と判明し得る。
【0005】
[0005]FSGSのもっともよくみられる症状は、ネフローゼレベル以下からネフローゼレベル(subnephrotic to nephrotic levels)に及ぶタンパク尿(重タンパク尿、低アルブミン血症および高脂質血症)である。重タンパク尿は、腎機能の進行性消失(糸球体硬化症)および腎不全を引き起こす。それは、末期腎疾患(ESRD)の約15%を占める。高度なタンパク尿(>10~15g/日)は、腎機能の急速な増悪および2~3年以内でのESRDへの進行を引き起こす。高度なタンパク尿を呈するFSGS患者の生存率はわずか45%である。
【0006】
[0006]巣状分節性糸球体硬化症は、米国国立衛生研究所(NIH)の希少疾患対策室(ORD)によって「希少疾患」として収載されており、FSGSに対して一般に用いられている承認薬はない。米国においては、毎年約5400名の患者がFSGSと診断されるが、症例数はネフローゼ症候群のいずれか他の原因よりも高まりつつある。毎年約1,000名のFSGS患者が腎移植を受ける。しかし、腎移植を受けた後、何時間から何週間か以内に、FSGSが約30~40%の患者において再発する。現在の標準治療には、ステロイド、カルシニューリン阻害剤、ACE阻害剤またはARB、免疫抑制薬、利尿薬、プラスマフェレーシス、食事変更およびスタチンの使用が含まれる。しかし、治療を5年行った後、わずか20%の患者が完全寛解を達成し、40%の患者は寛解を示さない(Focal and Segmental Glomerulosclerosis:Definition and Relevance of a Partial Remission.、Troyanovら、J Am Soc Nephrol、16:1061~1068ページ、2005)。したがって、疾患を治療するのに効果的な新規薬物の開発が依然として求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本開示は、それを必要とする患者において巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を治療する方法であって、患者に有効量の式I:
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、
は、ハロゲンまたはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、または-CNであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
各Rは、独立して、C1~6アルキル、-OH、または-NHであり、
nは、0、1、2、または3であり、
、A、およびAの各々は、-CH-または-N-であり、ここで、A、A、またはAの少なくとも1つは-N-である)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0008]図1は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療の有無におけるベースライン、1週目および2週目のUACR値を示す。
図2】[0009]図2は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療の有無におけるマクロファージ含有量を全面積の百分率として示す。
図3】[0010]図3は、化合物3治療の有無における5/6残存腎モデルの腎間質マクロファージの代表的画像を示す。
図4】[0011]図4は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療の有無における糸球体断面積当たりのタコ足細胞数を示す。
図5】[0012]図5は、化合物3治療の有無における5/6残存腎モデルのタコ足細胞の代表的画像を示す。
図6】[0013]図6は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療の有無における健常対照マウスおよび5/6腎摘出マウスのメサンギウム融解を有する糸球体の百分率を示す。
図7】[0014]図7は、メサンギウム融解を有する糸球体の代表的画像を示す。
図8】[0015]図8は、アドリアマイシン腎症モデルにおいて、ビヒクルと比較して、化合物1、カンデサルタン、および化合物1とカンデサルタンとの組合せを用いた治療の1、2および3週後におけるUACRレベルを示す。
図9】[0016]図9は、アドリアマイシン腎症モデルにおいて、ビヒクルと比較して、化合物1、カンデサルタン、および化合物1とカンデサルタンとの組合せを用いた治療の1、2および3週後におけるUAERレベルを示す。
図10】[0017]図10は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療、カンデサルタン治療、および化合物3治療とカンデサルタン治療との組合せにおけるベースライン、1、2および3週目におけるUAER値を示す。
図11】[0018]図11は、5/6残存腎モデルにおいて、化合物3治療、カンデサルタン治療、および化合物3治療とカンデサルタン治療との組合せにおけるベースライン、1週目および2週目におけるUACR値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
略語および定義
[0019]本開示の化合物、組成物、方法およびプロセスを説明するとき、以下の用語は、別段の指示がない限り以下の意味を有する。
【0012】
[0020]「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定された数の炭素原子を有する(すなわち、C1~8は、1~8個の炭素原子を意味する)、直鎖状、環状、もしくは分枝状、またはこれらの組合せであり得る炭化水素基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどが含まれる。アルキル基は、別段の指示がない限り非置換である。置換アルキルの例には、ハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキルなどが含まれる。
【0013】
[0021]「アルコキシ」は、-O-アルキルを指す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシなどが含まれる。
[0022]「アルケニル」は、直鎖状、環状、もしくは分枝状、またはこれらの組合せであり得る不飽和炭化水素基を指す。2~8個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましいが、アルケニルは、8個より多い炭素原子を有することができる。アルケニル基は、1、2または3つの炭素-炭素二重結合を含有することができる。アルケニル基の例には、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブタ-2-エニル、n-ヘキサ-3-エニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルなどが含まれる。アルケニル基は、別段の指示がない限り非置換である。
【0014】
[0023]「アルキニル」は、直鎖状、環状、もしくは分枝状、またはこれらの組合せであり得る不飽和炭化水素基を指す。2~8個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。アルキニル基は、1、2または3つの炭素-炭素三重結合を含有することができる。アルキニル基の例には、エチニル、n-プロピニル、n-ブタ-2-イニル、n-ヘキサ-3-イニルなどが含まれる。アルキニル基は、別段の指示がない限り非置換である。
【0015】
[0024]「アリール」は、一緒に縮合または共有結合することができる単一の環(単環状)または複数の環(二環状)を有する多価不飽和芳香族炭化水素基を指す。6~10個の炭素原子を有するアリール基が好ましく、この数の炭素原子は、例えばC6~10で示す
ことができる。アリール基の例には、フェニルおよびナフタレン-1-イル、ナフタレン-2-イル、ビフェニルなどが含まれる。アリール基は、別段の指示がない限り非置換である。
【0016】
[0025]「ハロ」または「ハロゲン」は、それ自体または置換基の一部として、塩素、臭素、ヨウ素、またはフッ素原子を指す。
[0026]「ハロアルキル」は、置換アルキル基として、最も典型的には1~3個のハロゲン原子で置換されているモノハロアルキルまたはポリハロアルキル基を指す。例には、1-クロロエチル、3-ブロモプロピル、トリフルオロメチルなどが含まれる。
【0017】
[0027]「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(典型的には、1~5個のヘテロ原子)を含有する飽和または不飽和非芳香族環を指す。ヘテロシクリル環は、単環状または二環状であり得る。好ましくは、これらの基は、0~5個の窒素原子、0~2個の硫黄原子および0~2個の酸素原子を含有する。より好ましくは、これらの基は、0~3個の窒素原子、0~1個の硫黄原子および0~1個の酸素原子を含有する。ヘテロ環基の例には、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-ジオキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジンなどが含まれる。好ましいヘテロ環状基は単環状であるが、アリールまたはヘテロアリール環系に縮合または共有結合されていてもよい。
【0018】
[0028]「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する芳香族基を指し、ヘテロアリール基は、単環状または二環状であり得る。例には、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、アザインドリル、アザインダゾリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリルまたはチエニルが含まれる。好ましいヘテロアリール基は、キノリニル、キノキサリニル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、キノリル、イソキノリルなど少なくとも1個のアリール環窒素原子を有するものである。好ましい6員環(6-ring)ヘテロアリール系には、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニルなどが含まれる。好ましい5員環ヘテロアリール系には、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリルなどが含まれる。
【0019】
[0029]ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれか存在する環炭素またはヘテロ原子において結合することができる。ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはそれぞれ、1つまたは複数の環を有することができる。複数の環が存在するとき、それらは一緒に縮合または共有結合することができる。ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはそれぞれ、窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(典型的には、1~5個のヘテロ原子)を含まなければならない。好ましくは、これらの基は、0~5個の窒素原子、0~2個の硫黄原子および0~2個の酸素原子を含有する。より好ましくは、これ
らの基は、0~3個の窒素原子、0~1個の硫黄原子および0~1個の酸素原子を含有する。ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は、別段の指示がない限り非置換である。置換基については、置換が炭素またはヘテロ原子上で行われ得る。例えば、置換がオキソ(=Oまたは-O)であるとき、得られた基はカルボニル(-C(O)-)またはN-オキシド(-N-O)を有することができる。
【0020】
[0030]置換アルキル、置換アルケニル、および置換アルキニルに適した置換基には、ハロゲン、-CN、-COR’、-C(O)R’、-C(O)NR’R”、オキソ(=Oまたは-O)、-OR’、-OC(O)R’、-OC(O)NR’R” -NO、-NR’C(O)R”、
-NR’’’C(O)NR’R”、-NR’R”、-NR’COR”、-NR’S(O)R”、-NR’S(O)R’’’、
-NR’’’S(O)NR’R”、-NR’’’S(O)NR’R”、-SR’、-S(O)R’、-S(O)R’、-S(O)NR’R”、
-NR’-C(NHR”)=NR’’’、-SiR’R”R’’’、-N、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、および置換または非置換3~10員ヘテロシクリルが含まれる。可能な置換基の数は0~(2m’+1)の範囲であり、ここで、m’はそのような基の炭素原子の全数である。
【0021】
[0031]置換アリール、置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロシクリルに適した置換基には、ハロゲン、-CN、-COR’、-C(O)R’、-C(O)NR’R”、オキソ(=Oまたは-O)、-OR’、-OC(O)R’、-OC(O)NR’R”、-NO、-NR’C(O)R”、
-NR’’’C(O)NR’R”、-NR’R”、-NR’COR”、-NR’S(O)R”、-NR’S(O)R”、
-NR’’’S(O)NR’R”、-NR’’’S(O)NR’R”、-SR’、-S(O)R’、-S(O)R’、-S(O)NR’R”、
-NR’-C(NHR”)=NR’’’、-SiR’R”R’’’、-N、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、および置換または非置換3~10員ヘテロシクリルが含まれる。可能な置換基の数は、0~芳香族環系の空いている原子価の全数の範囲である。
【0022】
[0032]以上に使用されているように、R’、R”およびR’’’はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換アリールオキシアルキルを含む様々な基を指す。R’およびR”が同じ窒素原子に結合しているとき、それらは窒素原子と組み合わされて、3、4、5、6、または7員環を形成することができる(例えば、-NR’R”には、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルが含まれる)。さらに、R’およびR”、R”およびR’’’、またはR’およびR’’’は、それらが結合している原子(単数または複数)と一緒になって、置換または非置換5、6、または7員環を形成することができる。
【0023】
[0033]アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択で式-T-C(O)-(CH-U-の置換基で置き換えられてもよく、ここで、TおよびUは独立して、-NR’’’’-、-O-、-CH-または単結合であり、qは0~2の整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択で式-A’-(CH-B’-の置換基で置き換えられてもよく、ここで、A’およびB’は独立して、-CH-、-O-、-NR’’’’-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)NR’’’’-または単結合であり、rは、1~3の整数である。そのようにして形成された新しい環の単結合のうちの1つは、任意選択で二重結合で置き換えられてもよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択で式-(CH-X-(CH-の置換基で置き換えられてもよく、ここで、sおよびtは独立して、0~3の整数であり、Xは-O-、-NR’’’’-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、または-S(O)NR’-である。R’’’’は、水素または非置換C1~8アルキルから選択される。
【0024】
[0034]「ヘテロ原子」には、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)およびケイ素(Si)が含まれることになっている。
[0035]「天然の同位体存在度を超える」は、自然に測定された化学元素の同位体の存在度を指す。
【0025】
[0036]「薬学的に許容される」担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤中の他の成分と適合し、その受容者に有害ではない担体、希釈剤、または賦形剤である。
[0037]「薬学的に許容される塩」は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(例えば、所定の投与量レジメンにおいて哺乳動物に許容される安全性を有する塩)を指す。そのような塩は、本明細書に記載されている化合物に見出される特定の置換基に応じて、薬学的に許容される無機または有機塩基から、および薬学的に許容される無機または有機酸から誘導され得る。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の塩基と、未希釈で(neat)、または適切な不活性溶媒中において接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなど、置換アミン、環状アミン、天然に生じるアミンなどを含む第一級、第二級、第三級、および第四級アミンの塩が含まれる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の酸と、未希釈で、または適切な不活性溶媒中において接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸から誘導される塩には、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンホスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルコロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸の塩などが含まれる。
【0026】
[0038]アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルコン酸塩またはガラクツロン酸塩などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge,S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharmaceutical Science、1977、66:1~19ページを参照すること)。本開示のある特定の化合物は、塩基性と酸性の両方の官能基を含有し、化合物が塩基または酸のいずれかの付加塩に変換されることを可能にする。
【0027】
[0039]化合物の中性形態は、塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を従来の様式で単離することによって再生され得る。化合物の親形態は、極性溶媒中の溶解度など、ある特定の物理的特性が様々な塩形態と異なるが、それ以外では、塩は化合物の親形態と本開示の目的において同等である。
【0028】
[0040]塩形態に加えて、本開示は、プロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書に記載されている化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて、本開示の化合物を提供する化合物である。加えて、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的な方法によって本開示の化合物に変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬を有する経皮パッチレザバーに配置されると、本開示の化合物にゆっくりと変換され得る。
【0029】
[0041]「治療有効量」は、治療の必要な患者に投与されたとき、治療をもたらすのに十分な量を指す。
[0042]本明細書において使用されるとき「治療すること」または「治療」は、哺乳動物などの患者(特に、ヒトまたは愛玩動物)において疾患または医学的状態を治療することまたはその治療であって、患者において疾患または医学的状態を改善すること、すなわち疾患または医学的状態をなくすまたはその退行を引き起こすこと;患者において疾患または医学的状態を抑制すること、例えば疾患または医学的状態の発生を遅らせるまたは停止すること;あるいは患者において疾患または医学的状態の症状を軽減すること;あるいは疾患が発生するのを予防することを含む、治療することまたは治療を指す。
【0030】
[0043]「UACR」は、クレアチニンに対する尿アルブミンの比を指す。
[0044]「UAER」は、尿中アルブミン排出速度を指す。
[0045]本発明のある特定の化合物は、水和形態を含む溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態として存在していてよい。一般に、溶媒和形態と非溶媒和形態は、両方とも、本開示の範囲内に包含されることが意図される。
【0031】
[0046]本開示のある特定の化合物は、互変異性形で存在していてよく、化合物のそのような互変異性形は全て本開示の範囲内であることが、当業者に理解される。本開示のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学的中心)または二重結合を有し、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体および個別の異性体(例えば、別個の鏡像異性体)は、全て本開示の範囲内に包含されることが意図される。
【0032】
[0047]化合物は、いずれかの数の水素原子が重水素(H)同位体で置き換えられるように調製され得る。また本開示の化合物は、そのような化合物を構成する1個または複数の原子に対して非天然の割合で原子同位体を含有してもよい。同位体の非天然の割合とは、天然に見出される量から、当該原子100%からなる量までの範囲と定義され得る。例えば化合物は、例えば、トリチウム(H)、ヨウ素125(125I)、もしくは炭素14(14C)などの放射性同位体、または重水素(H)もしくは炭素13(13C)などの非放射性同位体を組み込むことができる。そのような同位体の変異は、本出願内の他の箇所に記載されたものに追加的な有用性を提供することができる。本開示の化合物の全ての同位体の変異は、放射性であっても、なくても、本開示の範囲内に包含されることが意図される。例えば、本開示の化合物の同位体変異体は、診断用および/もしくは画像用試薬、または細胞傷害性/放射線傷害性治療剤としての有用性を含むがこれらに限定されない、追加の有用性を見出すことができる。加えて、本開示の化合物の同位体変異体は、薬物動態学および薬物力学的特性を変更することができ、このことは、治療の際に安全性、耐容性、または有効性を増強させることに寄与することができる。
FSGSを治療する方法
[0048]本開示は、患者においてFSGSを治療する方法であって、それを必要とする患
者に有効量の式(Ia):
【0033】
【化2】
【0034】
[0049](式中、
[0050]Arは、置換または非置換C6~10アリールおよび置換または非置換5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、
[0051]R1aは、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~6アルケニル、置換または非置換C2~6アルキニル、および置換または非置換3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
[0052]Yは、-CR2a-、-N-、および-N(O)-からなる群から選択され、
[0053]Yは、-CR2b-、-N-、および-N(O)-からなる群から選択され、
[0054]Yは、-CR2c-、-N-、および-N(O)-からなる群から選択され、
[0055]R2a、R2b、およびR2cはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CN、-C(O)R3a、-CO3a、-C(O)NR3a4a
-OR3a、-OC(O)R3a、-OC(O)NR3a4a、-SR3a、-S(O)R3a、-S(O)3a
-S(O)NR3a4a、-NO、-NR3a4a、-NR3aC(O)R4a、-NR3aC(O)OR4a
-NR3aS(O)4a、-NR3aC(O)NR4a5a、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C6~10アリール、および置換または非置換5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、
[0056]R3a、R4a、およびR5aはそれぞれ独立して、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、および置換または非置換3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
[0057]R3aおよびR4a、R4aおよびR5a、またはR3aおよびR5aは、それらが結合している原子と一緒になって、置換または非置換5、6、または7員環を形成することができ、
[0058]Lは、結合、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-CR-、-NR-、-C(O)-および-NRC(O)-からなる群から選択され、
[0059]RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C2~6アルケニル、置換または非置換C2~6アルキニル、-CN、-OR、-NR1011、-S(O)R、および-S(O)からなる群から選択され、
[0060]RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換C3~8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換3~10員ヘテロ環状環を形成することができ、
[0061]Rは、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8
アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、および置換または非置換3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
[0062]R10およびR11はそれぞれ独立して、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C2~8アルケニル、および置換または非置換C2~8アルキニルからなる群から選択され、
[0063]-NR1011のR10およびR11は、窒素と一緒になって、置換もしくは非置換C3~8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換3~10員ヘテロシクリルを形成することができ、
[0064]Rは、水素、C(O)R12、S(O)12、CO12、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C2~6アルケニル、および置換または非置換C2~6アルキニルからなる群から選択され、
[0065]R12は、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~6アルケニル、置換または非置換C2~6アルキニル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C6~10アリール、および置換または非置換5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、
[0066]Zは、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、および-NR1314からなる群から選択され、
[0067]R13およびR14はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換C2~8アルケニル、置換または非置換C2~8アルキニル、置換または非置換3~10員ヘテロシクリル、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換(C1~4アルキル)-(C6~10アリール)、および置換または非置換(C1~4アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)からなる群から選択され、
[0068]R13およびR14は、窒素と一緒になって、置換または非置換4、5、6、または7員ヘテロシクリルを形成することができ、
[0069]Yは、-N-および-N(O)-からなる群から選択される)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0035】
[0070]一部の実施形態において、式CC:
【0036】
【化3】
【0037】
[0071](式中、X14は、-Cl、-NO、-OCH、-CH、-NHC(O)CH、および-CHCH-(フェニル)からなる群から選択され、
[0072]R65は、水素、置換または非置換C1~4アルキル、および置換または非置換-SO(フェニル)からなる群から選択され、
[0073]R60は、-NR61CHCHOR62、-NR61CHCHNR6364、-NR61CHCHSR62
【0038】
【化4】
【0039】
からなる群から選択され、
[0074]ここで、R61は、水素および置換または非置換フェニルからなる群から選択され、
[0075]R62は、置換または非置換フェニル、および置換または非置換C1~4アルキルからなる群から選択され、
[0076]R63およびR64はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換C1~8アルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換-SO(フェニル)、-C(O)CH、-C(O)C(O)OH、および-C(O)C(CHからなる群から選択される)の化合物は、式(Ia)から除外される。
【0040】
[0077]一部の実施形態において、Zは、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである。
[0078]一部の実施形態において、Lは-C(O)-である。
【0041】
[0079]一部の実施形態において、Yは-CR2a-であり、Yは-CR2b-であり、Yは-CR2c-であり、R2a、R2b、およびR2cはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C1~8アルキルからなる群から選択される。
【0042】
[0080]一部の実施形態において、R1aは、水素または置換もしくは非置換C1~8アルキルからなる群から選択される。
[0081]一部の実施形態において、Arは、置換または非置換C6~10アリールである。一部の実施形態において、Arは、ハロゲン、C1~6アルキルおよびC1~6ハロアルキルから選択される1~3つの置換基で置換されているC6~10アリールである。一部の実施形態において、Arは、ハロゲン、C1~3アルキルおよびC1~3ハロアルキルから選択される1~3つの置換基で置換されているフェニルである。
【0043】
[0082]一部の実施形態において、Yは-N-である。
[0083]一部の実施形態において、Zは、置換または非置換5~10員ヘテロアリールであり、Lは-C(O)-であり、Yは-CR2a-であり、Yは-CR2b-であり、Yは-CR2c-であり、R2a、R2b、およびR2cはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C1~8アルキルからなる群から選択され、R1aは、水素または置換または非置換C1~8アルキルからなる群から選択され、Arは、置換または非置換C6~10アリールであり、Yは-N-である。
【0044】
[0084]一部の実施形態において、Zは、非置換9~10員ヘテロアリールであり、Lは-C(O)-であり、Yは-CR2a-であり、Yは-CR2b-であり、Yは-CR2c-であり、R2a、R2b、およびR2cはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、およびC1~8アルキルからなる群から選択され、R1aは、水素またはC1~8アルキルからなる群から選択され、Arは、ハロゲン、C1~6アルキルおよびC1~6ハロアルキルから選択される1~3つの置換基で置換されているフェニルであり、Y
-N-である。
【0045】
[0085]本開示は、それを必要とする患者において巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を治療する方法であって、患者に有効量の式I:
【0046】
【化5】
【0047】
[0086](式中、
[0087]Rは、ハロゲンまたはC1~6アルキルであり、
[0088]Rは、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、または-CNであり、
[0089]Rは、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
[0090]Rは、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
[0091]各Rは、独立して、C1~6アルキル、-OH、または-NHであり、
[0092]nは、0、1、2、または3であり、
[0093]A、A、およびAの各々は、-CH-または-N-であり、ここで、A、A、またはAの少なくとも1つは-N-である)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法も提供する。
【0048】
[0094]一部の実施形態において、Rは、ハロゲンまたはメチルであり、
は、ハロゲンまたはC1~3ハロアルキルであり、
は、ハロゲンまたはC1~3アルキルであり、
は水素であり、
nは、0であり、
は、-CH-であり、
は、-N-である。
【0049】
[0095]一部の実施形態において、化合物は、下記:
【0050】
【化6】
【0051】
またはその薬学的に許容される塩である。
[0096]一部の実施形態において、化合物は、下記:
【0052】
【化7】
【0053】
またはその薬学的に許容される塩である。
[0097]一部の実施形態において、化合物は、下記:
【0054】
【化8】
【0055】
またはその薬学的に許容される塩である。
[0098]一部の実施形態において、FSGSを治療する方法は、FSGSの症状または合併症を予防する、低減するまたはなくすことを含む。
【0056】
[0099]一部の実施形態において、FSGSを治療する方法は、患者において末期腎疾患の発症を予防する、なくすまたは遅延させることを含む。
[0100]一部の実施形態において、FSGSは、一次性FSGSである。
【0057】
[0101]一部の実施形態において、FSGSは、二次性FSGSである。一部の実施形態において、二次性FSGSは、感染もしくはウイルス、疾患、毒素もしくは薬物への曝露、またはネフロン喪失、および過剰濾過に関連している。一部の実施形態において、FSGSは、HIV、鎌状赤血球症、ループス、アナボリックステロイド、ヘロインもしくは
パミドロネートへの曝露、慢性腎盂腎炎および逆流、病的肥満、または糖尿病に関連している。
【0058】
[0102]一部の実施形態において、方法は、タンパク尿を減少させること、タンパク尿の増加を遅らせること、UACRを低減すること、尿中アルブミンクレアチニン比(UACR)の増加を遅らせること、UAERを減少させること、UAERの増加を遅らせること、アルブミン尿を低減すること、アルブミン尿の増加を遅らせること、糸球体タコ足細胞密度を増加させること、糸球体基底膜(GBM)肥厚を予防するまたは遅らせること、糸球体面積を減少させること、腎間質マクロファージの数を低減すること、腎組織の線維化を減少させるまたは遅らせること、腎臓における炎症を止めるまたは減少させること、マクロファージにより誘発される腎臓損傷を止めるまたは減少させること、推定糸球体濾過量(eGFR)を増加させるまたは正常化すること、eGFRの低下を弱めること、糸球体硬化を低減すること、糸球体細胞外マトリックスの拡大を止めるまたは減少させること、ヒアリン塊の沈着を止めるまたは減少させること、糸球体上皮過形成病変(EPHL)を止めるまたは低減すること、およびリンパ球浸潤を止めるまたは減少させることのうちの1つまたは複数を含む。
【0059】
[0103]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。
[0104]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。
【0060】
[0105]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
[0106]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、いずれか他の治療用化合物と一緒に投与されない。一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、いずれか他の治療用化合物と同時にまたは連続的に投与されない。一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、単独で投与される。一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシン受容体II遮断剤(ARB)と投与されない。一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシン受容体II遮断剤(ARB)と同時にまたは連続的に投与されない。
【0061】
[0107]一部の実施形態において、方法は、患者に1種または複数の追加の治療用化合物を投与することをさらに含む。一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、抗高血圧薬、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞傷害性薬、利尿薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コレステロールまたはトリグリセリド低減剤、および免疫抑制薬の1種または複数から選択される。
【0062】
[0108]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤およびアンギオテンシン受容体II遮断剤(ARB)からなる群から選択される。一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、ラミプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ペリンドプリルアルギニン、カプトプリル、スピラプリル、キナプリル、エナラプリル、イミダプリル、ホシノプリル、ゾフェノプリル、ベナゼプリル、トランドラプリル、ベラパミル、ベナゼプリル、アムロジピン、トランドラプリル、P-003、シラザプリル、デラプリル、モエキシプリル、キナプリル、ホシノプリル、テモカプリル、ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、バルサルタン、アジルサルタン、テルミサルタン、フィマサルタン、EMA-401、アジルサルタンメドキソミルカリウム、スパルセンタン、カンデサルタンシレキセチル、オルメサルタンメドキソミル、TRV-027、ロサルタンカリウム、YH-22189、アジルサルタントリメチルエタノールアミン、アリサルタンイソプロキシル、およびエプロサルタンからなる群から選択される。一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、カンデサルタンである。一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、イルベサルタンである。
【0063】
[0109]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤と同時にまたは連続的に投与される。
[0110]一部の実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシン受容体II遮断剤(ARB)と同時にまたは連続的に投与される。
【0064】
[0111]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、エンドセリンET-Aアンタゴニスト、B-リンパ球抗原CD20阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体2阻害剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤;細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4刺激剤、38MAPキナーゼ阻害剤、N-アセチルマンノサミンキナーゼ刺激薬、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、インテグリンアルファ-V/ベータ-3アンタゴニスト;結合組織増殖因子リガンド阻害剤、およびTGFベータアンタゴニストからなる群から選択される。
【0065】
[0112]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、リツキシマブ、ダパグリフロジン、スパルセンタン、アバタセプト、DMX-200、プロパゲルマニウム、イルベサルタン、ロスマピモド、X-M74、Acthar Gel、VAR-200、シレンギチド、パムレブルマブ、DEX-M74、フレソリムマブ、およびSHP-627からなる群から選択される。
【0066】
[0113]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、ファルネソイドX受容体アゴニスト、Gタンパク質共役型胆汁酸受容体1アゴニスト、エンドセリンET-Aアンタゴニスト、エンドセリンET-1アンタゴニスト、エンドセリンET-2アンタゴニスト、エンドセリンET-3アンタゴニスト、エンドセリンET-B1アンタゴニスト、エンドセリンET-B2アンタゴニスト、エンドセリンET-Cアンタゴニスト、Bリンパ球刺激剤リガンド阻害剤、副甲状腺ホルモンリガンド阻害剤、DNAポリメラーゼ阻害剤、Bリンパ球抗原CD20阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4刺激剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤、MEKK-5タンパク質キナーゼ阻害剤、結合組織増殖因子リガンド阻害剤、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2阻害剤、Sykチロシンキナーゼ阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体2阻害剤、エリスロポエチン受容体アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;PurHプリン生合成タンパク質阻害剤、C5遺伝子阻害剤、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ4阻害剤;サイクリン依存性キナーゼ6阻害剤;網膜芽細胞腫関連タンパク質モジュレーター、インスリン感受性改善薬、カリクレイン1モジュレーター、カリウムチャネル阻害剤、Raf Bタンパク質キナーゼ阻害剤、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、補体C1sサブコンポーネント阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、Jak1チロシンキナーゼ阻害剤、Jakチロシンキナーゼ阻害剤、Jak2チロシンキナーゼ阻害剤、P2Y12プリン受容体アンタゴニスト、補体C5因子阻害剤、成長ホルモン受容体アンタゴニスト、アルドース還元酵素阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、トリプシン阻害剤、ソマトスタチン受容体アゴニスト、NADPH酸化酵素1阻害剤、NADPH酸化酵素4阻害剤、ANPアゴニスト、ナトリウム利尿ペプチド受容体Bアゴニスト、IカッパBキナーゼ阻害剤、NFE2L2遺伝子刺激剤、核内因子カッパB阻害剤、STAT3遺伝子阻害剤、バソプレシンV2アンタゴニスト、カルシニューリン阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、腫瘍壊死因子リガンド13阻害剤、トロンボキサンA2アンタゴニスト、上皮増殖因子アンタゴニスト、Erbb2チロシンキナーゼ受容体阻害剤、Erbb3チロシンキナーゼ受容体阻害剤、Erbb4チロシンキナーゼ受容体阻害剤、レニン阻害剤、ガレクチン3阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、FGF受容体アンタゴニスト、PDGF受容体アンタゴニスト、TGFベータアンタゴニスト、p38 MAPキナーゼ阻害剤、ミオシン刺激剤、ベータ2アドレナリン受容体アゴニスト、グルココルチコイドアゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、アミロイドタンパク質沈着阻害剤、アポリポタンパク質遺伝子刺激剤、ブロモドメイン含有タンパク質4阻害剤、肝細胞増殖因子アゴニスト、終末糖化産物受容体アンタゴニスト、GHR遺伝子阻害剤;IGF1遺伝子阻害剤、CACNA2D3カルシウムチャネルサブユニットモジュレーター、C型ナトリウム利尿ペプチドリガンド、マンバ属ナトリウム利尿タンパク質(dendroaspis natriuretic protein)リガンド、耐熱性エンテロトキシン受容体アゴニスト、ナトリウム利尿ペプチド受容体Aアゴニスト、ナトリウム利尿ペプチド受容体Bアゴニスト、ナトリウム利尿ペプチド受容体Cアゴニスト、骨形成タンパク質7リガンドモジュレーター、シクロオキシゲナーゼ1阻害剤、バソプレシンV1アゴニスト、N-アセチルマンノサミンキナーゼ刺激剤、アンギオテンシン変換酵素2刺激剤、PPARガンマアゴニスト、プロスタノイド受容体アンタゴニスト、トロンボキサンA2アンタゴニスト、タンパク質チロシンホスファターゼベータ阻害剤、Tekチロシンキナーゼ受容体刺激剤、骨形成タンパク質7リガンド、カスパーゼ阻害剤、プロスタサイクリンアゴニスト、アルドース還元酵素阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ2阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ7阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ9阻害剤、MCL1遺伝子阻害剤、スクレロスチン阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、免疫グロブリンガンマFc受容体IIBアンタゴニスト、プロスタサイクリンアゴニスト、p38 MAPキナーゼ阻害剤、ヘモグロビンモジュレーター、アルカリホスファターゼ刺激剤、NFE2L2遺伝子モジュレーター、NFKB遺伝子モジュレーター、Rho関連タンパク質キナーゼ阻害剤、CX3CR1ケモカインアンタゴニスト、PDGF受容体ベータモジュレーター、ヘパリンアゴニスト、エラスターゼ刺激剤、成長ホルモンリガンド;成長ホルモン受容体アゴニスト、キサンチン酸化酵素阻害剤、細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター;プロテオグリカンモジュレーター、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、単球走化性タンパク質1リガンド阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、肝細胞増殖因子アゴニスト、アルブミンアゴニスト、膜における銅アミンオキシダーゼの阻害剤(membrane copper amine oxidase inhibitor)、インテグリンアルファ-V/ベータ-3アンタゴニスト、ソマトスタチン受容体アゴニスト、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、溶質キャリアファミリー12A1阻害剤、肝細胞増殖因子リガンドモジュレーター、インターフェロンガンマ受容体アンタゴニスト、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激剤、腎尿素輸送体モジュレーター、第Xa因子アンタゴニスト、低分子量ヘパリン、ドーパミンD1受容体アゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)と中性エンドペプチダーゼ(EP)の二重阻害剤、チアジド様利尿薬、カリウム保持性利尿薬、炭酸脱水酵素阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アルドステロン合成酵素阻害剤;レニン阻害剤;カルシウムチャネル遮断剤、カリウムチャネル活性化薬、ベータアドレナリン遮断薬、アルファアドレナリン遮断薬、ニトラート、一酸化窒素供与性化合物、脂質低下剤、コレステロール吸収阻害剤、ナイアシン受容体アゴニスト、ナイアシン受容体部分アゴニスト、代謝調節剤(metabolic altering agent)、アルファグルコシダーゼ阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤、麦角アルカロイド、およびホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤からなる群から選択される。
【0067】
[0114]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、エンドセリンET-Aアンタゴニスト、エンドセリンET-1アンタゴニスト、エンドセリンET-2アンタゴニスト、エンドセリンET-3アンタゴニスト、エンドセリンET-B1アンタゴニスト、エンドセリンET-B2アンタゴニスト、エンドセリンET-Cアンタゴニスト、Bリンパ球刺激剤リガンド阻害剤、Bリンパ球抗原CD20阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4刺激剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤、MEKK-5タ
ンパク質キナーゼ阻害剤、結合組織増殖因子リガンド阻害剤、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2阻害剤、Sykチロシンキナーゼ阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体2阻害剤、エリスロポエチン受容体アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;C5遺伝子阻害剤、インスリン感受性改善薬、カリウムチャネル阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、Jak1チロシンキナーゼ阻害剤、Jakチロシンキナーゼ阻害剤、Jak2チロシンキナーゼ阻害剤、P2Y12プリン受容体アンタゴニスト、補体C5因子阻害剤、カルシニューリン阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、FGF受容体アンタゴニスト、PDGF受容体アンタゴニスト、TGFベータアンタゴニスト、p38 MAPキナーゼ阻害剤、ミオシン刺激剤、ベータ2アドレナリン受容体アゴニスト、グルココルチコイドアゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、アポリポタンパク質遺伝子刺激剤、シクロオキシゲナーゼ1阻害剤、バソプレシンV1アゴニスト、アンギオテンシン変換酵素2刺激剤、PPARガンマアゴニスト、プロスタノイド受容体アンタゴニスト、CX3CR1ケモカインアンタゴニスト、PDGF受容体ベータモジュレーター、ヘパリンアゴニスト、細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)と中性エンドペプチダーゼ(EP)の二重阻害剤、およびジペプチジルペプチダーゼ阻害剤からなる群から選択される。
【0068】
[0115]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、INT-767、ベリムマブ、シナカルセト、リツキシマブ、ロサルタン、アバタセプト、カンデサルタン、セロンセルチブ、ミオイノシトール六リン酸、PBI-4050、OMS-721、フォスタマチニブ、イルベサルタン、カナグリフロジン、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ、ミコフェノール酸モフェチル、ALN-CC5、オビヌツズマブ、レナメジン、パルボシクリブ、ボセンタン、DM-199、ブデソニド、アミファンプリジン、アミファンプリジンリン酸塩、ダブラフェニブ、ダパグリフロジン、ダパグリフロジンプロパンジオール、コルチコトロピン、TNT-009、デフィブロチド、フィネレノン、バリシチニブ、チカグレロル、アンブリセンタン、エクリズマブ、ペグビソマント、エパルレスタット、カモスタットメシル酸塩、オクトレオチド、オクトレオチド酢酸塩、GKT-831、ウラリチド、バルドキソロン、バルドキソロンメチル、トルバプタン、オルメサルタンメドキソミル、タクロリムス、MT-3995、イルベサルタン+プロパゲルマニウム、アタシセプト、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム、アファチニブ、アトラセンタン、TAK-272、AST-120、フィマサルタン、GR-MD-02、CS-3150、ピルフェニドン、オメカムティブメカビル、オメカムチブ、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、アパベタロン、スパルセンタン、ChronSeal、アゼリラゴン、パムレブルマブ、アテシドルセン、ガバペンチンエナカルビル、ガバペンチン、イミダプリル、センデリチド、BMP-7、GLY-230、組換えエリスロポエチン刺激タンパク質、2MD、テルリプレシン、ピリドキサミン二塩酸塩、ピリドキサミン、DEX-M74、GSK-2586881、SER-150-DN、クラゾセンタン、ブリシビモド、AKB-9778、エプトテルミンアルファ、ベナゼプリル、エムリカサン、エポプロステノール、DW-1029M、ベンダザックリシン、セリシクリブ、BPS-804、アバコパン、ALLO-ASC-DFU、SM-101、プロザリズマブ、ベラプロストナトリウム、ベラプロスト、ロスマピモド、PEG-bHb-CO、組換えヒトアルカリホスファターゼ、CXA-10、SAR-407899、BI-655088、BOT-191、スロデキシド、ボナパニターゼ、ソマトロピン、トピロキソスタット、SB-030、SHP-627、KBP-5074、EA-230、エマプチカプペゴル(emapticap pegol)、フェニル酪酸ナトリウム、BB-3、Hemalb、チリラザド、ASP-8232、VPI-2690B、オクトレオチド酢酸塩、EPO-018B、トラセミド、レイン、PHN-033、エプロサルタン、KP-100IT、NCTX、ERC-124、サプロプテリン、パルナパ
リンナトリウム、パルナパリン、フェノルドパム、およびビタミンDからなる群から選択される。
【0069】
[0116]一部の実施形態において、患者は、体外血液浄化、同種移植、および/または幹細胞治療も施される。
[0117]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、同時にまたは連続的に投与される。
【0070】
[0118]一部の実施形態において、1種または複数の追加の治療用化合物は、式Iまたは(Ia)の化合物、化合物1、化合物2もしくは化合物3と一緒に単一の医薬組成物として、または個別の医薬組成物として投与される。
CCR2活性を調節する化合物
[0119]本開示は、CCR2活性を調節する化合物を提供する。ケモカイン受容体は、ケモカインなどの細胞外リガンドと相互作用する膜内在性タンパク質であり、リガンドに対する細胞応答、例えば、走化性、細胞内カルシウムイオン濃度の増加などを媒介する。したがって、ケモカイン受容体機能の調節、例えば、ケモカイン受容体リガンド相互作用の干渉は、ケモカイン受容体媒介応答を調節し、ケモカイン受容体媒介状態または疾患を治療または予防する。ケモカイン受容体機能の調節には、機能の誘導と阻害の両方が含まれる。達成される調節の種類は、化合物の特性、すなわち、アンタゴニスト、または完全、部分的、もしくは逆アゴニストに応じて決まる。
【0071】
[0120]いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、本明細書において提供される化合物は、ケモカイン受容体と1つまたは複数の対応するリガンドとの間の相互作用に干渉すると考えられる。特に、本化合物は、CCR2と、MCP-1などのCCR2リガンドとの間の相互作用に干渉すると考えられる。本開示において考慮される化合物には、本明細書において提供されている例示的な化合物およびそれらの塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
[0121]本開示の化合物は、具体的にはケモカイン受容体機能をモジュレートするまたは阻害することによって、不適切なT細胞輸送に干渉すると考えられる。本開示によって考慮されるFSGSを治療するのに有用である化合物には、以下に限定されないが、本明細書に記載されている例示的な化合物およびそれらの薬学的に許容される塩、ならびにUS8,519,135、US2006/0173019、US2014/0031348、US7,622,583、US7,884,110およびUS8,093,247(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物が含まれる。
【0073】
[0122]一部の実施形態において、本開示の化合物は、CCR2の選択的阻害剤である。組成物
[0123]本開示は、それを必要とする患者において、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を治療するための式I、式(Ia)の化合物、化合物1、化合物2または化合物3を含む薬学的に許容される組成物の投与を企図する。薬学的に許容される組成物は、1種または複数の追加の治療用化合物を含んでもよい。1種または複数の追加の治療用化合物は、FSGSまたは腎疾患を治療する際に有効性を有する化合物から選択され得る。
【0074】
[0124]薬学的に許容される組成物は、ヒトおよび他の動物に経口的、直腸内、非経口的、大槽内、腟内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤、または点滴による)、口腔または鼻噴霧剤として頬側などに投与され得る。
【0075】
[0125]経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルション剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれるが、これらに限定
されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば水または他の溶媒などの当該技術において一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにこれらの混合物を含有することができる。不活性希釈剤の他に、経口組成物には、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味料、香味料、および芳香剤などの補助剤も含まれ得る。
【0076】
[0126]注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用する公知の技能に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、また、例えば1,3-ブタンジオール中の液剤など、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用液剤、懸濁剤、またはエマルジョンであってもよい。許容されるビヒクルおよび溶媒のうちで用いることができるものは、水、リンゲル液、U.S.P.、および塩化ナトリウム等張液である。加えて、滅菌の不揮発性油が溶媒または懸濁化媒体として慣用的に用いられる。このために、合成モノ-またはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を注射用生成物に組み込むことができる。注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターでの濾過によって、あるいは使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
【0077】
[0127]本開示の化合物の効果を持続させるため、皮下または筋肉内注射による化合物の吸収を遅くすることが、多くの場合に望ましい。このことは、水溶性が不十分な結晶質または非晶質材料の液体懸濁剤の使用によって達成され得る。本化合物の吸収速度は、溶解速度によって決まり、次に結晶のサイズおよび結晶形態によって左右され得る。あるいは、非経口投与された化合物形態の遅延吸収は、化合物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーで化合物のマイクロエンカプセル(microencapsule)マトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する化合物の割合、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポー注射用製剤は、化合物を、身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルションに閉じ込めることによっても調製される。
【0078】
[0128]直腸内または膣内投与用の組成物は、好ましくは坐剤であり、これは本開示の化合物を、周囲温度で固体であるが、体温で液体となり、その結果、直腸内または膣腔内で融解して活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製され得る。
【0079】
[0129]経口投与用の固形剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。そのような固形剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体、ならびに/あるいは(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、(f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、およびこれらの混合物の少なくとも1つと混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は緩衝剤を含むこともできる。
【0080】
[0130]類似した種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような、そうした賦形剤を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセルに充填剤として用いることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび医薬製剤技術において周知の他のコーティングなどのコーティング、ならびにシェルを用いて調製され得る。これらは、任意選択で乳白剤を含有してもよく、活性成分(単数または複数種類)のみを、または、腸管のある特定の部分に優先的に、任意選択で遅延的様式に放出する組成物でもあり得る。使用することができる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。類似した種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールなどの賦形剤を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセルに充填剤として用いることもできる。
【0081】
[0131]本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ナノテクノロジーを使用して製剤化され得る。ナノ粒子は、表面対質量比が他の粒子のものより大きいこと、量子的性質、ならびに他の化合物を吸着および搬送する能力などのそれらの独自の特徴に基づいて、医療目的において魅力的である。ナノ粒子は、0.1μmまたは100nmを下回る寸法を有してもよい。あるいは医薬組成物は、十分な量の薬物を粒子上に負荷するために、必要であれば比較的大きな(サイズが>100nmの)ナノ粒子を含んでもよい。加えて、薬物送達のために、加工粒子を担体として使用できるだけでなく、薬物それ自体をナノスケールで製剤化し、それ自体を担体として機能させることもできる。加工ナノ粒子の組成物は、様々であり得る。原材料は、リン脂質、脂質、乳酸、デキストラン、キトサンなどの生体由来のもの、または様々なポリマー、炭素、ケイ素、および金属などのより化学的な特徴を有するものであり得る。とりわけポリマー由来の加工ナノ粒子の分野では、化学組成物にとって非常に広範囲の可能性がある。例えば、Martinsら、Nanoparticle Drug Delivery Systems:Recent Patents and Applications in Nanomedicine、Recent Patents on Nanomedicine、2013、3(2)、1~14ページを参照すること。
【0082】
[0132]本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、上記に示された1つまたは複数の賦形剤によりマイクロカプセル化形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤技術において周知の他のコーティングなどのコーティング、ならびにシェルを用いて調製され得る。そのような固形剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混和され得る。そのような剤形は、慣行的に、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤成形滑沢剤、ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微晶質セルロースなどの他の錠剤成形助剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は緩衝剤を含むこともできる。これらは、任意選択で乳白剤を含有してもよく、活性成分(単数または複数種類)のみを、または、腸管のある特定の部分に優先的に、任意選択で遅延的様式に放出する組成物でもあり得る。使用することができる包埋組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0083】
[0133]本開示の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリ
ーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、噴霧剤、吸入剤、またはパッチ剤が含まれる。活性構成成分は、薬学的に許容される担体、および必要に応じて任意の必要とされる防腐剤または緩衝剤と滅菌条件下で混合される。眼科製剤、点耳薬、および点眼薬も、本開示の範囲内であると考慮される。加えて、本開示は、経皮パッチ剤の使用を考慮しており、これは、化合物の制御送達を身体にもたらす追加的な利点を有する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分散することによって調製される。吸収増強剤を使用して、皮膚にわたって化合物の流動を増加させることもできる。速度は、速度制御膜を提供することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することによって、制御され得る。
【0084】
[0134]本開示の化合物および組成物は、経口的、非経口的(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射または注入、皮下注射、または植込み)、吸入、経鼻、腟内、直腸、舌下、もしくは局所投与経路により投与されることができ、単独で、またはそれぞれの投与経路に適した従来の非毒性で薬学的に許容される担体、補助剤、およびビヒクルを含有する適切な投与単位製剤において、一緒に製剤化され得る。本開示は、本開示の化合物および組成物のデポー製剤としての投与も企図する。
【0085】
[0135]式(I)、式(Ia)の化合物、化合物1、2、もしくは3またはそれらの薬学的に許容される塩の適切な投与量レベルは、一般に、1日当たり約0.001~100mg/患者体重1kgであり、単回または多回投与で投与することができる。好ましくは、投与量レベルは、1日当たり約0.01~約25mg/kgであり、より好ましくは1日当たり約0.05~約10mg/kgである。適当な投与量レベルは、1日当たり約0.01~25mg/kg、1日当たり約0.05~10mg/kg、または1日当たり約0.1~5mg/kgであり得る。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.005~0.05、0.05~0.5、0.5~5.0、または5.0~50mg/kgであり得る。経口投与では、組成物は、好ましくは1.0~1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され、特に治療対象の患者に対して対症的な投与量調整を行うために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、80.0、90.0、100.0、110.0、120.0、130.0、140.0、150.0、160.0、170.0、180.0、190.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形で提供される。経口投与では、一部の実施形態において、組成物は、150mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。経口投与では、一部の実施形態において、組成物は、10mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。経口投与では、一部の実施形態において、組成物は、5mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。化合物は、1日1~4回、好ましくは1日1回または2回のレジメンで投与され得る。
【0086】
[0136]しかし、いずれか特定の患者の具体的な用量レベルおよび投与頻度(frequency of dosage)は変更されることがあり、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、遺伝的特徴、全身的健康状態、性別、食事、投与様式および時期、排出速度、薬物組合せ、特定の状態の重症度、および治療中の宿主を含む、様々な因子に依存することが理解される。
【0087】
[0137]本開示の化合物および組成物は、関連した有用性を有する他の化合物および組成物と組み合わされて、FSGSを予防および治療することができる。併用療法で使用するのに適切な作用剤の選択は、当業者によって行われ得る。治療剤の組合せは、相乗的に作用して、様々な障害を治療または予防し得る。この手法を使用して、低投与量の各作用剤を用いて治療有効性を達成することができ、したがって有害副作用の可能性を低減することができる。
【0088】
[0138]本開示の化合物の別の活性成分に対する重量比は変更されることがあり、各成分の有効用量に依存する。一般に、有効用量の各成分が使用され得る。したがって、例えば、本開示の化合物が第2の治療用化合物と組み合わされるとき、第2の治療用化合物に対する本開示の化合物の重量比は、一般に約1000:1~約1:1000、好ましくは約200:1~約1:200の範囲である。
【0089】
[0139]さらに別の態様において、本開示は、FSGSのような状態または疾患を有する対象に治療有効量の本開示のいずれかの化合物を投与することによって、FSGSを治療または予防する方法を提供する。本方法で使用するための化合物には、式(I)、式(Ia)による化合物、化合物1、2もしくは3またはそれらの薬学的に許容される塩、実施形態として記載されているもの、本明細書の具体的な構造を備えるもの、ならびにUS8,519,135、US2006/0173019、US2014/0031348、US7,622,583、US7,884,110およびUS8,093,247(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物が含まれる。化合物は、治療を必要とする対象を治療するのに有用であり得る。「対象」は、本明細書では、哺乳動物などの動物を含むように定義され、哺乳動物には、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、対象はヒトである。
【0090】
[0140]本明細書において使用されるとき、語句「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の治療提供者によって探求されつつある、細胞、組織、系、またはヒトなどの動物の生物学的または医学的応答を誘発する対象化合物の量を意味する。
【0091】
[0141]一実施形態において、本開示は、FSGSを治療または予防する方法であって、対象に有効量の本開示の化合物または組成物を投与することを含み、投与することは、経口、非経口、直腸、経皮、舌下、経鼻または局所である方法を提供する。
CCR2モジュレーター
[0142]以下の例は、本開示を例示するものであって、限定するものではない。
【0092】
[0143]本特許で開示されたある特定の分子は、異なる鏡像異性体およびジアステレオマーの形態で存在することができ、これらの化合物のそのような変異体は全て、本開示の範囲内である。
【0093】
[0144]観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または本医薬用担体が存在しているか、否か、ならびに用いられる製剤の種類および投与様式に従って、また応じて変わることがあり、結果におけるそのような予想される変動または差異は、本開示の実施において考慮される。
【0094】
[0145]本開示の具体的な実施形態が本明細書に例示および詳述されているが、本開示はそれらに限定されない。上記の詳細な説明は、本開示の例示として記載されており、本開示のいずれかの限定を構成するものと解釈されるべきではない。変更は当業者に自明であり、本開示の精神から逸脱しない変更は全て、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
追加の組合せ
[0146]本開示の化合物は、単独で、あるいはFSGSを治療するための1種または複数の他の薬物と共に供給され得る。
【0095】
[0147]本開示の化合物または組成物と組み合わせて、別々にまたは同じ医薬組成物として投与され得る治療剤の例には、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、
CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR11、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、CX3CR1、ChemR23、C5aR、C5a、およびC5、またはこれらのいずれかの組合せのモジュレーターが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、モジュレーターはアンタゴニストである。
【0096】
[0148]本開示の化合物または組成物と組み合わせて、別々にまたは同じ医薬組成物として投与され得る治療剤の例には、CCX354、CCX9588、CCX140、CCX872、CCX598、CCX6239、CCX9664、CCX2553、CCX2991、CCX282、CCX025、CCX507、CCX430、CCX765、CCX224、CCX662、CCX650、CCX832、CCX168、およびCCX168-M1、またはこれらのいずれかの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
[0149]本開示の化合物または組成物と組み合わせて、別々にまたは同じ医薬組成物として投与され得る他の治療剤の例には、治療用抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療用タンパク質(DART(登録商標)、Duobody(登録商標)、Bite(登録商標)、XmAb(登録商標)、TandAb(登録商標)、Fab誘導体など)、抗体薬物コンジュゲート(ADC)、ウイルス、腫瘍溶解性ウイルス、(CRISPR Cas9を含む)CRISPRなどの遺伝子改変剤(gene modifier)またはエディター、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたは合成ヌクレアーゼ(TALEN)、CAR(キメラ抗原受容体)T細胞免疫療法剤、サイトカイン、ワクチンおよびワクチンアジュバントが含まれるが、これらに限定されない。
キットおよびパッケージ
[0150]用語「キット」および「医薬キット」は、1つまたは複数の適当な容器に、1種または複数の医薬組成物およびそれらの使用説明書を含む市販のキットまたはパッケージを指す。一実施形態において、式(I)もしくは(Ia)の化合物、または化合物1、2もしくは3、あるいはそれらの薬学的に許容される塩、およびその投与説明書を含むキットが提供される。一実施形態において、式(I)もしくは(Ia)の化合物、または化合物1、2もしくは3、あるいはそれらの薬学的に許容される塩を、1種または複数(例えば、1、2、3種、1または2種、または1~3種)の追加の治療剤と組み合わせて、それらの投与説明書と含むキットが提供される。
【0098】
[0151]一実施形態において、本開示の化合物は、単一のパッケージングに包装された投与単位に製剤化される。単一のパッケージングには、瓶、小児用安全瓶、アンプル、およびチューブが包含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、本開示の化合物および任意選択で追加の治療剤は、投与単位に製剤化され、単回投与単位ごとに、単一のパッケージングに個別包装される。そのような個別包装単位は、液体形態、固体形態、粉末形態、顆粒形態、発泡散剤または錠剤、硬または軟カプセル剤、エマルジョン剤、懸濁剤、シロップ剤、坐剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、液剤、頬側貼付剤(buccal patch)、薄膜、口腔ゲル剤、チュアブル錠剤、チューインガム剤を含むがこれらに限定されないいずれかの形の医薬組成物、および使い捨て注射器を含むことができる。そのような個別包装された単位は、紙、ボール紙、板紙、金属箔およびプラスチック箔の1つまたは複数で作製されたパッケージ、例えばブリスター包装に組み合わされ得る。1つまたは複数の投与単位は、1日1回または数回投与され得る。1つまたは複数の投与単位は、1日3回投与され得る。1つまたは複数の投与単位は、1日2回投与され得る。1つまたは複数の投与単位は、1日目に投与され得、1つまたは複数の投与単位は、翌日以降(the following days)に投与され得る。
他の疾患
[0152]単独でまたは組み合わせて使用される、式(I)、(Ia)の化合物、化合物1、化合物2もしくは化合物3、またはそれらの薬学的に許容される塩および/もしくはプロドラッグ、あるいはそれらの組成物は、他の疾患を治療するのに有用であり得る。これらの疾患には、慢性腎疾患、糖尿病性腎症、末期腎疾患、糸球体疾患、グッドパスチャー症候群、糸球体腎炎、糸球体硬化症、IgA腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、ウェゲナー肉芽腫症、血管炎、Anca血管炎、腎不全、腎線維症、バーター病、腎石灰沈着症、水腎症、膿腎症、肝腎症候群、溶血性尿毒症症候群、腎炎、尿崩症、腎性尿崩症、腎不全、神経原性尿崩症、ウルフラム症候群、ネフローゼ症候群、微小変化型疾患、腎周囲炎、デント病、ギテルマン症候群、腎硬化症、腎尿細管疾患(Renal tubule disease)、肝腎症候群、高窒素血症、尿毒症、アルポート症候群、糸球体腎炎、ループス腎炎、腎盂炎、腎盂腎炎、腎盂膀胱炎、糸球体傷害、多発性嚢胞腎、後天性多発性嚢胞腎、常染色体性優性多発性嚢胞腎、常染色体性劣性多発性嚢胞腎、アブデルハルデン・カウフマン・リグナック症候群(腎性シスチン症)、腹部コンパートメント症候群、アセトアミノフェン起因性腎毒性(acetaminophen-induced Nephrotoxicity)、急性腎不全、急性腎傷害、急性大葉性腎炎(acute Lobar Nephronia)、急性リン酸腎症、急性尿細管壊死、アデニンホスホリボシル転移酵素欠損症、アデノウイルス腎炎、アルポート症候群、アミロイドーシス、血管筋脂肪腫、鎮痛薬腎症、抗リン脂質抗体症候群、抗TNF-α療法関連糸球体腎炎、APOL1変異、見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群、アリストロキア酸腎症、漢方薬腎症、バルカン風土性腎症、ビート尿、β-サラセミア腎疾患、胆汁円柱腎症、自然腎におけるBKポリオーマウイルス腎症、膀胱括約筋協調不全、膀胱タンポナーデ、越境者腎症(border-Crossers’ Nephropathy)、バーボンウイルスおよび急性腎傷害、急性腎機能障害、バイエッタ、C1q腎症、カンナビノイド悪阻急性腎不全(cannabinoid Hyperemesis Acute Renal Failure)、心腎症候群、カルフィルゾミブ起因性腎傷害(carfilzomib-Indiced Renal Injury)、CFHR5腎症、糸球体症を伴うシャルコー・マリー・トゥース病、コレステロール塞栓症(cholesterol Emboli)、チャーグ・ストラウス症候群、乳び尿、コリスチン腎毒性、膠原線維糸球体症、虚脱性糸球体症、CMVに関連する虚脱性糸球体症、先天性ネフローゼ症候群、腎錐体症候群(マインツァー・サルディノ症候群またはサルディノ・マインツァー病)、造影剤腎症、硫酸銅中毒(copper Sulpfate Intoxication)、腎皮質壊死、クリゾチニブ関連急性腎傷害、クリオグロブリン血症(cryoglobuinemia)、結晶グロブリン起因性腎症(crystalglobulin-Induced Nephropathy)、嚢胞性腎疾患、後天性シスチン尿症、デンスデポジット病、透析不均衡症候群、糖尿病性腎疾患、びまん性メサンギウム硬化症、重複尿管、EAST症候群、エルトハイム・チェスター病、ファブリー病、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症、ファンコニー症候群、フレイザー症候群、フィブロネクチン糸球体症、細線維性糸球体腎炎およびイムノタクトイド糸球体症、フレーリー症候群、巣状硬化症、巣状糸球体硬化症、ギャロウェイ・モワト症候群、腎関与を伴う巨細胞性(側頭)動脈炎、糸球体尿細管逆流症、糖尿症、ハンタウイルス感染ポドサイト障害(hantavirus Infection Podocytopathy)、熱ストレス腎症、血尿、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、血球貪食症候群、出血性膀胱炎、流行性腎症(nephropathis Epidemica)、ヘモジデリン尿症、ヘモジデリン沈着症、糸球体症、肝性糸球体症(hepathic glomerulopathy)、肝静脈閉塞性疾患、類洞閉塞症候群、C型肝炎関連腎疾患、肝腎症候群、HIV関連腎症(HIVAN)、HNF1B関連常染色体性優性尿細管間質性腎疾患、馬蹄腎(腎融合)、ハナー潰瘍、高アルドステロン症、高カルシウム血症、高カリウム血症、高マグネシウム血症、高ナトリウム血症、高シュウ酸尿症、高リン血症、低カルシウム血症、低補体血症性蕁麻疹様血管炎症候群、低カリウム血症、低カリウム血症起因性腎機能障害、低カリウム血性周期性四肢麻痺、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン血症、IgA腎症、IgG4腎症、免疫チェックポイント療法関連間質性腎炎、間質性膀胱炎、有痛性膀胱症候群、間質性腎炎、アイブマーク症候群、ケタミン関連膀胱機能不全、腎結石、腎石症、コンブチャ茶毒性、鉛腎症および鉛関連腎毒性、レプトスピラ症腎疾患、軽鎖沈着疾患、単クローン性免疫グロブリン沈着疾患、リドル症候群、ライトウッド・アルブライト症候群、リポタンパク質糸球体症、リチウム腎毒性、LMX1B変異により発症する遺伝性FSGS(LMX1B Mutations Cause Hereditary FSGS)、腰腹痛血尿、ループス、全身性エリテマトーデス、ループス腎疾患、ループス腎炎、抗好中球細胞質抗体血清陽性を示すループス腎炎、ループスポドサイト障害、ライム病関連糸球体腎炎、リゾチーム腎症、マラリア腎症、悪性腫瘍関連腎疾患、悪性高血圧症、マラコプラキア、外尿道口狭窄、髄質性嚢胞腎疾患、ウロモジュリン関連腎症、若年性高尿酸血症性腎症1型、海綿腎、巨大尿管、メラミン毒性および腎臓、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、マスクされたIgGκ沈着物を伴う膜様性糸球体症(Membranous-like Glomerulopathy with Masked igG kappa Deposits)、中央アメリカ腎症、代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシス、メトトレキサート関連腎不全、顕微鏡的多発性血管炎、ミルク・アルカリ症候群(Milk-alkalai syndrome)、微小変化型疾患、MDMA(Molly;Ecstacy;3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)および腎不全、MUC1腎症、多嚢胞性異形成腎、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍および糸球体症、爪膝蓋骨症候群、腎石灰沈着症、腎性全身性線維症、腎下垂症(遊走腎、腎下垂)、ネフローゼ症候群、過敏膀胱、結節性糸球体硬化症、非淋菌性尿道炎、ナットクラッカー症候群、寡巨大糸球体症、口顔面指症候群、オロト酸尿症、起立性低血圧、起立性タンパク尿、浸透圧利尿、浸透圧ネフローゼ、卵巣過剰刺激症候群、シュウ酸腎症、ページ腎、乳頭壊死、乳頭腎症候群(腎コロボーマ症候群、孤立性腎低形成)、腹膜腎症候群(peritoneal-Renal Syndrome)、後部尿道弁、感染後糸球体腎炎、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、結節性多発動脈炎、多発性嚢胞腎、後部尿道弁、子癇前症、プロポフォール注入症候群、単クローン性IgG沈着物を伴う増殖性糸球体腎炎(Nasr病)、プロポリス関連腎不全、タンパク尿、偽性高アルドステロン症、偽性低重炭酸血症(pseudohypobicarbonatemia)、偽性副甲状腺機能低下症、肺腎症候群、腎盂腎炎、膿腎症、放射線性腎症、リフィーディング症候群、逆流性腎症、急速進行性糸球体腎炎、腎膿瘍、腎周囲膿瘍(Peripnephric Abscess)、腎無発生、腎弓状静脈微小血栓関連急性腎傷害、腎動脈瘤、腎動脈狭窄、腎細胞がん、腎嚢胞、運動誘発性急性腎不全を伴う腎性低尿酸血症、腎梗塞、腎性骨異栄養症、腎尿細管性アシドーシス、レニン変異および常染色体性優性尿細管間質性腎疾患、レニン分泌腫瘍(傍糸球体細胞腫)、リセットオスモスタット、大静脈後尿管、後腹膜線維症、横紋筋融解症、肥満外科手術(Bariatric Sugery)に関連した横紋筋融解症、関節リウマチ関連腎疾患、サルコイドーシス腎疾患、塩喪失、住血吸虫症および糸球体疾患、シムケ型免疫不全性骨異形成症、強皮症腎クリーゼ、蛇紋石腓骨多発性嚢胞腎症候群、エクスナー症候群、鎌状赤血球腎症、シェーグレン症候群、合成カンナビノイド使用および急性腎傷害、造血細胞移植後の腎疾患、幹細胞移植に関連した腎疾患、菲薄基底膜病、良性家族性血尿、膀胱三角部炎、結核、結節性硬化症、尿細管形成不全、近位尿細管刷子縁に対する自己抗体に帰因する免疫複合体性尿細管間質性腎炎、腫瘍崩壊症候群、尿毒症、尿毒症性視神経症、嚢胞性尿管炎、尿管瘤、尿道カルンクル、尿道狭窄、尿失禁、尿路感染症、尿路閉塞、ウロモジュリン関連腎疾患、血管運動性腎症、膀胱腸瘻、膀胱尿管逆流、フォンヒッペル・リンダウ病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症糸球体腎炎、ワルファリン関連腎症、ヴェーゲナー肉芽腫症、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、ウエストナイルウイルス、ヴンダーリッヒ症候群、ツェルウェガー症候群、脳肝腎症候群、黒色腫、膠芽腫、食道腫瘍、上咽頭癌、ブドウ膜黒色腫、リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、原発性CNSリンパ腫、T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫、前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、慢性骨髄球性白血病、カポジ肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、滑膜腫、髄膜腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、軟部組織の肉腫、肉腫、敗血症、胆管腫瘍、基底細胞癌、胸腺新生物、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、子宮がん、副腎のがん、肝臓感染症、メルケル細胞癌、神経腫瘍、濾胞中心リンパ腫、結腸がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病を含む、慢性または急性白血病、多発性骨髄腫、卵巣腫瘍、骨髄異形成症候群、皮膚または眼内悪性黒色腫、腎細胞癌、小細胞肺がん、肺がん、中皮腫、乳がん、扁平上皮非小細胞肺がん(SCLC)、非扁平上皮NSCLC、結腸直腸がん、卵巣がん、胃がん、肝細胞癌、膵癌、膵がん、膵管腺癌、頭頸部の扁平上皮癌、頭部または頚部のがん、消化管のがん、胃がん、骨がん、皮膚がん、直腸がん、肛門部のがん、精巣がん、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜の癌腫、頸部の癌腫、腟の癌腫、外陰部の癌腫、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、尿道のがん、陰茎のがん、膀胱のがん、腎臓のがん、尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、類表皮がん、石綿肺(abestosis)、癌腫、腺癌、乳頭癌、嚢胞腺癌、気管支癌、腎細胞癌、移行上皮癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、多形性腺腫、肝細胞乳頭腫、腎管状腺腫、嚢腺腫、乳頭腫、腺腫、平滑筋腫、横紋筋腫、血管腫、リンパ管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫および線維腫が含まれるが、これらに限定されない。これらの疾患のいずれに対しても、本開示の化合物は、本開示で開示された治療剤を含む、他の治療剤と組み合わされ得る。
【実施例
【0099】
[0153]残存腎およびアドリアマイシン(adryamicin)薬物誘発性モデルは、FSGSのためによく使用されるげっ歯類モデルである(de Mik SM.ら Pathophysiology and treatment of focal segmental glomerulosclerosis: the role of animal models. BMC Nephrol. 2013年4月、1;14:74ページ)。5/6残存腎モデルは、二次性FSGSを代表し、アドリアマイシン腎症モデルは、一次性FSGSを代表する。
【0100】
実施例1
5/6残存腎モデル
[0154]5/6残存腎129X1/SvJマウスは、Jackson Laboratoriesから得た。マウスには、標準固形飼料を常用させ、自由に水を摂取させた。2段階で、マウス手術を行った。イソフルラン麻酔下、左腎塊の2/3を解剖した。7~10日後、右片側腎摘出を行った。5/6腎摘出6週間後に、マウスを研究のためにランダム化した。化合物3およびそのビヒクルを1%HPMCで製剤化して、100mg/kgで1日1回皮下投与した。各群について6匹の動物を使用した。
【0101】
[0155]1および2週目に、マウスを代謝ケージに個別に18時間収容することによって尿試料を回収した。尿中アルブミンをELISA(Bethyl Labs、Montgomery、TX)により測定し、尿中アルブミン排出速度(UAER)を24時間当たりのマイクログラム数として算出した。尿中クレアチニンを質量分析により測定した。クレアチニンに対するアルブミンの比(ACR)を、クレアチニン1ミリグラム当たりのアルブミンのマイクログラム数として算出した。実験の終わり(治療2週間後)に、腎臓を回収し、ホルマリンに固定し、パラフィンに包埋し、厚さ3μmの切片に切断した。切片について、ウィルムス腫瘍タンパク質1抗体(Abcam、Cambridge、MA)を用いて、免疫組織化学によりタコ足細胞を染色した。糸球体横断面積およびタコ足細胞数を、マウス1匹当たり20~30本の糸球体で決定した。バイベル法を用いて免疫組織化学データから、糸球体容積およびタコ足細胞密度を算出した。メサンギウム拡大を、従来法により厚さ2μmのパラフィン切片を銀メテナミン染色することによって測定した。
【0102】
[0156]図1は、化合物3が、5/6残存腎モデルにおいて1および2週目に重度のタンパク尿を低減することを示す。
[0157]図2は、化合物3が、5/6残存腎モデルにおいて腎間質マクロファージの数を低減することを示す。
【0103】
[0158]図3は、化合物3治療を受けたまた受けていない5/6残存腎モデルにおける腎間質マクロファージの一部の代表的画像を示す。
[0159]図4は、化合物3が、5/6残存腎モデルにおいてタコ足細胞数を増加させたことを示す。
【0104】
[0160]図5は、化合物3治療を受けたまた受けていない5/6残存腎モデルにおけるタコ足細胞の代表的画像を示す。
[0161]図6は、化合物3が、5/6残存腎モデルにおいてメサンギウム融解を有する糸球体の百分率に有用性のある効果を与えることを示す。
【0105】
[0162]図7は、メサンギウム融解を有する糸球体の代表的画像を示す。
実施例2
アドリアマイシン腎症モデル
[0163]実験を雌Balb/cマウス(Jackson Laboratories)において行った。マウスには、標準固形飼料を常用させ、自由に水を摂取させた。7.5mg/kgのアドリアマイシン(Selleck Chemicals)または生理食塩水(対照)を、0日目に、イソフルラン麻酔をかけた動物に尾静脈注射した。化合物1およびそのビヒクル(1%HPMC)を1%HPMCで製剤化して、90mg/kgで1日1回皮下投与した。カンデサルタンおよびそのビヒクル(HO)を1日1回経口投与した。各群について12匹の動物を使用した。
【0106】
[0164]1および2週目に、マウスを代謝ケージに個別に18時間収容することによって尿試料を回収した。尿中アルブミンをELISA(Bethyl Labs、Montgomery、TX)により測定し、尿中アルブミン排出速度(UAER)を24時間当たりのマイクログラム数として算出した。尿中クレアチニンを質量分析により測定した。クレアチニンに対するアルブミンの比(ACR)を、クレアチニン1ミリグラム当たりのアルブミンのマイクログラム数として算出した。
【0107】
[0165]図8は、化合物1が単剤としておよびカンデサルタン(CST)と組み合わされて、UACRレベルの低減を引き起こすことを示す。
[0166]図9は、化合物1がカンデサルタン(CST)と組み合わされて、UAERレベルの低減を引き起こすことを示す。
【0108】
実施例3
組合せ治療を用いた5/6残存腎モデル
[0167]5/6残存腎129X1/SvJマウスは、Jackson Laboratoriesから得た。マウスには、標準固形飼料を常用させ、自由に水を摂取させた。マウス手術を2段階で行った。イソフルラン麻酔をかけて、左腎塊の2/3を解剖した。7~10日後、右片側腎摘出を行った。5/6腎摘出3~6週間後に、マウスを研究のためにランダム化した(1群当たりn=12匹)。化合物3およびそのビヒクルを1%HPMCで製剤化して、100mg/kgで1日1回皮下投与した。カンデサルタン(AK Scientific)およびそのビヒクル(HO)を、5mg/kgで1日1回経口投与した。1群当たり2匹の動物を1、2、および3週目に安楽死させて、組織学的検査およびIHCを行った。
【0109】
[0168]1、2および3週目に、マウスを代謝ケージに個別に18時間収容することによって尿試料を回収した。尿中アルブミンをELISA(Bethyl Labs、Montgomery、TX)により測定し、尿中アルブミン排出速度(UAER)を24時間当たりのマイクログラム数として算出した。尿中クレアチニンを質量分析により測定した。クレアチニンに対するアルブミンの比(ACR)を、クレアチニン1ミリグラム当たりのアルブミンのマイクログラム数として算出した。
【0110】
[0169]図10は、5/6残存腎モデルにおいて化合物3を単独で用いた治療、カンデサルタンを単独で用いた治療、ならびに化合物3とカンデサルタンの組合せを用いた治療で、1、2および3週目にUAER値の低減を示す。
【0111】
[0170]図11は、5/6残存腎モデルにおいて化合物3を単独で用いた治療、カンデサルタンを単独で用いた治療、ならびに化合物3とカンデサルタンの組合せを用いた治療で、1および2週目にUACR値の低減を示す。
【0112】
[0171]化合物1は、下記:
【0113】
【化9】
【0114】
である。
[0172]化合物2は、下記:
【0115】
【化10】
【0116】
である。
[0173]化合物3は、下記:
【0117】
【化11】
【0118】
である。
[0174]観察された特異的な薬理学的反応は、選択された特定の活性化合物、または医薬担体が存在するか、否か、ならびに用いられる製剤の種類および投与様式に従って、また応じて変わることがあり、結果におけるそのような予測される変動または差異は、本開示の実施において考慮される。
【0119】
以下の態様も本発明に含まれる。
態様1
それを必要とする患者において巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を治療する方法で
あって、患者に有効量の式I:
【化12】
(式中、
は、ハロゲンまたはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、または-CNであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
は、水素、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、
各Rは、独立して、C1~6アルキル、-OH、または-NHであり、
nは、0、1、2、または3であり、
、A、およびAの各々は、-CH-または-N-であり、ここで、A、A、またはAの少なくとも1つは-N-である)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
態様2
が、ハロゲンまたはメチルであり、
が、ハロゲンまたはC1~3ハロアルキルであり、
が、ハロゲンまたはC1~3アルキルであり、
が、水素であり、
nが、0であり、
が、-CH-であり、
が、-N-である、
態様1に記載の方法。
態様3
化合物が、下記:
【化13】
またはその薬学的に許容される塩である、態様1または2に記載の方法。
態様4
化合物が、下記:
【化14】
またはその薬学的に許容される塩である、態様1または2に記載の方法。
態様5
化合物が、下記:
【化15】
またはその薬学的に許容される塩である、態様1または2に記載の方法。
態様6
FSGSを治療する方法が、FSGSの症状または合併症を予防する、低減するまたはなくすことを含む、態様1から5のいずれか一項に記載の方法。
態様7
FSGSを治療する方法が、患者において末期腎疾患の発症を予防する、なくすまたは遅延させることを含む、態様1から6のいずれか一項に記載の方法。
態様8
FSGSが、一次性FSGSである、態様1から7のいずれか一項に記載の方法。
態様9
FSGSが、二次性FSGSである、態様1から7のいずれか一項に記載の方法。
態様10
二次性FSGSが、感染もしくはウイルス、疾患、毒素もしくは薬物への曝露、またはネフロン喪失、および過剰濾過に関連している、態様9に記載の方法。
態様11
FSGSが、HIV、鎌状赤血球症、ループス、アナボリックステロイド、ヘロインもしくはパミドロネートへの曝露、慢性腎盂腎炎および逆流、病的肥満、または糖尿病に関連している、態様10に記載の方法。
態様12
タンパク尿を減少させること、タンパク尿の増加を遅らせること、UACRを低減すること、尿中アルブミンクレアチニン比(UACR)の増加を遅らせること、UAERを減少させること、UAERの増加を遅らせること、アルブミン尿を低減すること、アルブミン尿の増加を遅らせること、糸球体タコ足細胞密度を増加させること、糸球体基底膜(GBM)肥厚を予防するまたは遅らせること、糸球体面積を減少させること、腎間質マクロファージの数を低減すること、腎組織の線維化を減少させるまたは遅らせること、腎臓における炎症を止めるまたは減少させること、マクロファージにより誘発される腎臓損傷を止めるまたは減少させること、推定糸球体濾過量(eGFR)を増加させるまたは正常化
すること、eGFRの低下を弱めること、糸球体硬化を低減すること、糸球体細胞外マトリックスの拡大を止めるまたは減少させること、ヒアリン塊の沈着を止めるまたは減少させること、糸球体上皮過形成病変(EPHL)を止めるまたは低減すること、およびリンパ球浸潤を止めるまたは減少させることのうちの1つまたは複数を含む、態様1から11のいずれか一項に記載の方法。
態様13
化合物またはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、態様1から12のいずれか一項に記載の方法。
態様14
化合物またはその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、態様1から13のいずれか一項に記載の方法。
態様15
化合物またはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、態様1から14のいずれか一項に記載の方法。
態様16
患者に1種または複数の追加の治療用化合物を投与することをさらに含む、態様1から15のいずれか一項に記載の方法。
態様17
1種または複数の追加の治療用化合物が、抗高血圧薬、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞傷害性薬、利尿薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コレステロールまたはトリグリセリド低減剤、および免疫抑制薬の1種または複数から選択される、態様16に記載の方法。
態様18
1種または複数の追加の治療用化合物が、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤およびアンギオテンシン受容体II遮断剤(ARB)からなる群から選択される、態様16に記載の方法。
態様19
1種または複数の追加の治療用化合物が、ラミプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ペリンドプリルアルギニン、カプトプリル、スピラプリル、キナプリル、エナラプリル、イミダプリル、ホシノプリル、ゾフェノプリル、ベナゼプリル、トランドラプリル、ベラパミル、ベナゼプリル、アムロジピン、トランドラプリル、P-003、シラザプリル、デラプリル、モエキシプリル、キナプリル、ホシノプリル、テモカプリル、ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、バルサルタン、アジルサルタン、テルミサルタン、フィマサルタン、EMA-401、アジルサルタンメドキソミルカリウム、スパルセンタン、カンデサルタンシレキセチル、オルメサルタンメドキソミル、TRV-027、ロサルタンカリウム、YH-22189、アジルサルタントリメチルエタノールアミン、アリサルタンイソプロキシル、およびエプロサルタンからなる群から選択される、態様18に記載の方法。
態様20
1種または複数の追加の治療用化合物が、Bリンパ球抗原CD20阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体2阻害剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤;細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4刺激剤、38 MAPキナーゼ阻害剤、N-アセチルマンノサミンキナーゼ刺激剤、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、インテグリンアルファ-V/ベータ-3アンタゴニスト;結合組織増殖因子リガンド阻害剤、およびTGFベータアンタゴニストからなる群から選択される、態様16に記載の方法。
態様21
1種または複数の追加の治療用化合物が、リツキシマブ、ダパグリフロジン、スパルセンタン、アバタセプト、DMX-200、プロパゲルマニウム、イルベサルタン、ロスマピモド、X-M74、Acthar Gel、VAR-200、シレンギチド、パムレブルマブ、DEX-M74、フレソリムマブ、およびSHP-627からなる群から選択さ
れる、態様16に記載の方法。
態様22
1種または複数の追加の治療用化合物が、エンドセリンET-Aアンタゴニスト、エンドセリンET-1アンタゴニスト、エンドセリンET-2アンタゴニスト、エンドセリンET-3アンタゴニスト、エンドセリンET-B1アンタゴニスト、エンドセリンET-B2アンタゴニスト、エンドセリンET-Cアンタゴニスト、Bリンパ球刺激剤リガンド阻害剤、Bリンパ球抗原CD20阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4刺激剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤、MEKK-5タンパク質キナーゼ阻害剤、結合組織増殖因子リガンド阻害剤、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2阻害剤、Sykチロシンキナーゼ阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体2阻害剤、エリスロポエチン受容体アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;C5遺伝子阻害剤、インスリン感受性改善薬、カリウムチャネル阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、Jak1チロシンキナーゼ阻害剤、Jakチロシンキナーゼ阻害剤、Jak2チロシンキナーゼ阻害剤、P2Y12プリン受容体アンタゴニスト、補体C5因子阻害剤、カルシニューリン阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、FGF受容体アンタゴニスト、PDGF受容体アンタゴニスト、TGFベータアンタゴニスト、p38 MAPキナーゼ阻害剤、ミオシン刺激剤、ベータ2アドレナリン受容体アゴニスト、グルココルチコイドアゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、アポリポタンパク質遺伝子刺激剤、シクロオキシゲナーゼ1阻害剤、バソプレシンV1アゴニスト、アンギオテンシン変換酵素2刺激剤、PPARガンマアゴニスト、プロスタノイド受容体アンタゴニスト、CX3CR1ケモカインアンタゴニスト、PDGF受容体ベータモジュレーター、ヘパリンアゴニスト、細胞外マトリックスタンパク質モジュレーター、ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)と中性エンドペプチダーゼ(EP)の二重阻害剤、およびジペプチジルペプチダーゼ阻害剤からなる群から選択される、態様16に記載の方法。
態様23
1種または複数の追加の治療用化合物が、INT-767、ベリムマブ、シナカルセト、リツキシマブ、ロサルタン、アバタセプト、カンデサルタン、セロンセルチブ、ミオイノシトール六リン酸、PBI-4050、OMS-721、フォスタマチニブ、イルベサルタン、カナグリフロジン、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ、ミコフェノール酸モフェチル、ALN-CC5、オビヌツズマブ、レナメジン、パルボシクリブ、ボセンタン、DM-199、ブデソニド、アミファンプリジン、アミファンプリジンリン酸塩、ダブラフェニブ、ダパグリフロジン、ダパグリフロジンプロパンジオール、コルチコトロピン、TNT-009、デフィブロチド、フィネレノン、バリシチニブ、チカグレロル、アンブリセンタン、エクリズマブ、ペグビソマント、エパルレスタット、カモスタットメシル酸塩、オクトレオチド、オクトレオチド酢酸塩、GKT-831、ウラリチド、バルドキソロン、バルドキソロンメチル、トルバプタン、オルメサルタンメドキソミル、タクロリムス、MT-3995、イルベサルタン+プロパゲルマニウム、アタシセプト、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム、アファチニブ、アトラセンタン、TAK-272、AST-120、フィマサルタン、GR-MD-02、CS-3150、ピルフェニドン、オメカムティブメカビル、オメカムチブ、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、アパベタロン、スパルセンタン、ChronSeal、アゼリラゴン、パムレブルマブ、アテシドルセン、ガバペンチンエナカルビル、ガバペンチン、イミダプリル、センデリチド、BMP-7、GLY-230、組換えエリスロポエチン刺激タンパク質、2MD、テルリプレシン、ピリドキサミン二塩酸塩、ピリドキサミン、DEX-M74、GSK-2586881、SER-150-DN、クラゾセンタン、ブリシビモド、AKB-9778、エプトテルミンアルファ、ベナゼプリル、エムリカサン、エポプロステノール、DW-1029M、ベンダザックリシン、セリシクリブ、BPS-804、アバコパン、ALLO-ASC-DFU、SM-101、プロザリズマブ、ベラプロ
ストナトリウム、ベラプロスト、ロスマピモド、PEG-bHb-CO、組換えヒトアルカリホスファターゼ、CXA-10、SAR-407899、BI-655088、BOT-191、スロデキシド、ボナパニターゼ、ソマトロピン、トピロキソスタット、SB-030、SHP-627、KBP-5074、EA-230、エマプチカプペゴル、フェニル酪酸ナトリウム、BB-3、Hemalb、チリラザド、ASP-8232、VPI-2690B、オクトレオチド酢酸塩、EPO-018B、トラセミド、レイン、PHN-033、エプロサルタン、KP-100IT、NCTX、ERC-124、サプロプテリン、パルナパリンナトリウム、パルナパリン、フェノルドパム、およびビタミンDからなる群から選択される、態様16に記載の方法。
態様24
患者が、体外血液浄化、同種移植、および/または幹細胞治療も施される、態様1から23のいずれか一項に記載の方法。
態様25
1種または複数の追加の治療用化合物が、同時にまたは連続的に投与される、態様16から23のいずれか一項に記載の方法。
態様26
1種または複数の追加の治療用化合物が、式Iの化合物と一緒に単一の医薬組成物として、または個別の医薬組成物として投与される、態様16から23のいずれか一項に記載の方法。
[0175]本開示の特定の実施態様が本明細書において説明され、詳細に記載されているが、本開示はそれらに限定されない。上記の詳細な記載は、本開示を例示するために提供されており、本開示のあらゆる限定を構成すると考慮されるべきではない。変更が当業者には明らかであり、本開示の精神を逸脱しない全ての変更が、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。
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