(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20240709BHJP
H02K 5/20 20060101ALI20240709BHJP
H02K 3/24 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K5/20
H02K3/24 C
(21)【出願番号】P 2022109415
(22)【出願日】2022-07-07
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10 2021 118 752.4
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100202647
【氏名又は名称】寺町 健司
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ランゲ
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-162765(JP,U)
【文献】特開2014-033584(JP,A)
【文献】特開2004-229390(JP,A)
【文献】特開平03-027749(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102019117893(DE,A1)
【文献】特開2012-090411(JP,A)
【文献】特開2003-047200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
H02K 5/20
H02K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電気駆動自動車の駆動機械の形態での電気機械(1)であって、回転子(2)及び固定子(3)を備え、前記固定子(3)が、略中空円筒形の空間領域(5)を占め、固定子巻線(8)を備えた固定子コア(7)を有し、前記固定子(3)が、前記固定子(3)内で第1の軸方向側(10)から反対側の第2の軸方向側(11)へ軸方向に延びる流体ダクト(9)を有し、冷却剤流入部(13)を備える流体分配チャンバ(12)が前記第1の軸方向側(10)に提供され、前記冷却剤流入部(13)が前記流体分配チャンバ(12)と連通し、前記流体分配チャンバ(12)が、流入する冷却剤を前記流体ダクト(9)に分配する目的で前記流体ダクト(9)と連通し、冷却剤流出部(15)を備える流体収集チャンバ(14)が第2の軸方向側(11)に提供され、前記流体収集チャンバ(14)が冷却剤流出部(15)と連通し、前記流体収集チャンバ(14)が、前記流体ダクト(9)から到達する前記冷却剤を収集し、前記冷却剤を前記冷却剤流出部(15)に導き、前記冷却剤流入部(13)が前記第1の軸方向側(10)で第1の周方向側(16)に配置され、前記冷却剤流出部(15)が前記第2の軸方向側(11)で第2の周方向側(17)に配置される、電気機械(1)において、バイパスダクト(18)が設けられ、前記バイパスダクト(18)が、前記冷却剤流入部(13)から流体入口(19)に向かって前記流体収集チャンバ(14)に通じ、前記流体入口(19)が前記第2の軸方向側(11)で前記第1の周方向側(16)に配置され、前記第2の周方向側(17)が、前記第1の周方向側(16)と実質的に反対側であり、すなわち前記固定子(3)の対称軸又は前記回転子(2)の回転軸に関して実質的に180°の角度で配置され、
前記冷却剤流入部(13)から前記流体分配チャンバ(12)に流入する前記冷却剤は、前記流体ダクト(9)のみを経て前記流体収集チャンバ(14)に導かれることを特徴とする、電気機械(1)。
【請求項2】
前記固定子(3)が、外側で前記固定子(3)の境界を画す固定子ハウジング(4)を有し、前記バイパスダクト(18)が、前記固定子ハウジング(4)に沿って前記第1の軸方向側(10)から前記第2の軸方向側(11)へ軸方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の電気機械(1)。
【請求項3】
前記バイパスダクト(18)が、前記固定子ハウジング(4)に統合される、又は前記固定子ハウジング(4)に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電気機械(1)。
【請求項4】
前記バイパスダクト(18)が、前記固定子ハウジング(4)の外側を延びるパイプラインの形態であることを特徴とする請求項3に記載の電気機械(1)。
【請求項5】
前記パイプラインが、前記固定子ハウジング(4)に接続され、特に、はんだ付け、溶接、又は接着結合されることを特徴とする請求項4に記載の電気機械(1)。
【請求項6】
流体ダクトとしての前記バイパスダクト(18)が、特に鋳造、射出成形、又は例えば穴開けなどの機械加工によって、前記固定子ハウジング(4)の壁(20)と一部片に統合されることを特徴とする請求項3に記載の電気機械(1)。
【請求項7】
前記流体ダクト(9)及び前記バイパスダクト(18)は、前記バイパスダクト(18)を通る冷却剤体積流量が、前記固定子(3)に供給される冷却剤体積流量の最大1/3に対応し、前記流体ダクト(9)を通る冷却剤体積流量が、前記固定子(3)に供給される前記冷却剤体積流量の少なくとも2/3に対応するように寸法設定されることを特徴とする
請求項3に記載の電気機械(1)。
【請求項8】
前記固定子(3)が、前記第1の軸方向側(10)及び/又は前記第2の軸方向側(11)に前記固定子巻線(8)の端部巻線(21)を有することを特徴とする請求項1に記載の電気機械(1)。
【請求項9】
前記固定子巻線(8)の端部巻線(21)が前記流体分配チャンバ(12)内に配置される、若しくは前記流体分配チャンバ(12)に流体接続された空間内に配置される、及び/又は前記固定子巻線(8)の端部巻線(21)が、前記流体収集チャンバ(14)内に配置される、若しくは前記流体収集チャンバ(14)に流体接続された空間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電気機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電気駆動可能な自動車用の駆動機械の形態での電気機械に関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動可能な自動車は、先行技術で知られている。そのような自動車は、自動車を走行するために使用される電気機械を備える。これらの電気機械は典型的には回転子及び固定子を備え、回転子及び固定子は、電気機械の導体(そこを通って電流が流れる)を流れる電流により、並びに渦電流損失及び他の損失により、電気機械の動作中に熱負荷を受け、したがって電気機械の冷却が必要である。
【0003】
電気機械の固定子を冷却するための様々な固定子冷却法が先行技術で知られている。これについては、特許文献1及び特許文献2を参照されたい。
【0004】
特許文献1には、固定子の端部巻線にそれぞれ互いに独立して冷却流体が供給され、冷却目的で冷却剤を固定子の両方の端部巻線に供給できるようにするために冷却剤流入部及び冷却流体流出部が固定子の両方の軸方向端部領域に提供される、電気機械が開示されている。
【0005】
特許文献2には、一方の軸方向端部にある冷却剤流入部を通して固定子に冷却剤が供給され、冷却剤は、固定子を冷却する目的で、上記固定子を通って軸方向に、周方向全体に分配されて流れ、冷却剤は、他方の軸方向端部にある冷却剤流出部を通って再び出て、冷却剤流出部は、冷却剤流入部に対して反対の周方向側に配置されている、電気機械が開示されている。
【0006】
冷却剤による固定子冷却機能を備えたこの種の電気機械は、冷却剤が固定子を通って第1の軸方向側から反対側の第2の軸方向側へ軸方向に流れるが、その際、冷却剤が流入する第1の軸方向側での第1の周方向側から、上記冷却剤が流出する第2の軸方向側での反対側の第2の周方向側に流れるという欠点を有する。これにより、第2の軸方向側において第1の周方向側の領域にある端部巻線の領域では冷却剤が小さい流量でしか流れず、これは、この局所領域での冷却に悪影響を及ぼし、そこでの固定子の温度が他の箇所での固定子の温度よりも高くなり、したがってより急速に固定子の最大許容温度に達する、さらには最大許容温度を超えることがあり、これにより、制限プロセスを開始する必要があるので電気機械の出力が低下する可能性があり、又はこの領域で過度の高温が長く続きすぎる場合には固定子が損壊を受ける可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102016101705号明細書
【文献】独国特許出願公開第102019117893号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、電気機械の性能、特に電気機械の連続出力が増加され、且つ過度に高い局所温度による損壊を回避することができるように、改良された冷却機能を備える電気機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴によって実現される。
【0010】
本発明の一例示的実施形態は、特に電気駆動自動車の駆動機械の形態での電気機械であって、回転子及び固定子を備え、固定子が、略中空円筒形の空間領域を占め、固定子巻線を備えた固定子コアを有し、固定子が、固定子内で第1の軸方向側から反対側の第2の軸方向側へ軸方向に延びる流体ダクトを有し、冷却剤流入部を備える流体分配チャンバが第1の軸方向側に提供され、冷却剤流入部が流体分配チャンバと連通し、流体分配チャンバが、流入する冷却剤を流体ダクトに分配する目的で流体ダクトと連通し、冷却剤流出部を備える流体収集チャンバが第2の軸方向側に提供され、流体収集チャンバが冷却剤流出部と連通し、流体収集チャンバが、流体ダクトから到達する冷却剤を収集し、冷却剤を冷却剤流出部に導き、冷却剤流入部が第1の軸方向側で第1の周方向側に配置され、冷却剤流出部が第2の軸方向側で第2の周方向側に配置され、バイパスダクトが設けられ、バイパスダクトが、冷却剤流入部から流体入口に向かって流体収集チャンバに通じ、流体入口が第2の軸方向側で第1の周方向側に配置される、電気機械に関する。その結果、主冷却剤の流れの流通形状により冷却が妨げられる固定子の領域に、バイパスダクトを通してさらに冷却剤が送られ、したがってこの領域でも適切な改良された冷却が確立される。
【0011】
また、一例示的実施形態では、固定子が、外側で固定子の境界を画す固定子ハウジングを有し、バイパスダクトが、固定子ハウジングに沿って第1の軸方向側から第2の軸方向側へ軸方向に延びていると有利である。その結果、バイパスダクトを安定して恒久的に確実に配置することができ、したがって自動車での過酷な条件下でも長期にわたって高い動作信頼性で諸要件を満たす。
【0012】
また、さらなる例示的実施形態では、バイパスダクトが固定子ハウジングに統合される、又は固定子ハウジングに接続されると有利である。バイパスダクトは、このようにして恒久的に確実に配置される。さらに、統合構成により、簡略化された費用対効果の高い製造が実現されるという利点を得ることができる。
【0013】
また、バイパスダクトが、固定子ハウジングの外側に延びるパイプラインの形態をしていると有利である。出力要件が常に非常に高いというわけではないスロットル電気機械もあるので、このようにすると、固定子ハウジングの一部でのみバイパスダクトが必要とされるときに解決策を見つけることができ、したがって、より少数の電気機械に関して、高い費用対効果で好適に製造することができる解決策を見つけることができる。
【0014】
ここで、パイプラインが固定子ハウジングに接続される、特に、はんだ付け、溶接、又は接着結合されると特に有利である。このようにすると、非常に簡単に、確実で恒久的な接続を実現することができる。
【0015】
また、さらなる例示的実施形態では、流体ダクトとしてのバイパスダクトが、特に鋳造、射出成形、又は穴開けなどの機械加工によって、固定子ハウジングの壁と一部片に統合されると好適である。したがって、固定子ハウジングの製造中にバイパスダクトを直接一体に統合することができ、製造がより容易になる。
【0016】
一例示的実施形態では、流体ダクト及びバイパスダクトは、バイパスダクトを通る冷却剤体積流量が、固定子に供給される冷却剤体積流量の最大1/3に対応し、流体ダクトを通る冷却剤体積流量が、固定子に供給される冷却剤体積流量の少なくとも2/3に対応するように寸法設定されると特に有利である。これは、主体積流量が固定子ハウジング全体を通って流れ、実質的に上記固定子ハウジング全体を冷却し、さらに、冷却剤の全体積流量の一部のみが脆弱領域に使用されて、上記領域に冷却剤をさらに供給し、そこでの確実な冷却を実現するという効果を有する。
【0017】
また、さらなる例示的実施形態では、第2の周方向側が、第1の周方向側と実質的に反対側である、すなわち固定子の対称軸又は回転子の回転軸に関して実質的に180°の角度で配置されると好適である。これは、新鮮で冷たい冷却剤が基本的に第2の軸方向側全体を通ってさらに流れるという効果を有する。
【0018】
さらなる例示的実施形態では、バイパスダクトを通して輸送される冷却剤の体積流量は、第2の軸方向側の円周全体に分配されるように複数の点で供給され、高温の局所領域、いわゆるホットスポットの生成を的確に防ぐことができる。それに対応して、バイパスダクトは円周全体に分配された出口を有し、バイパスダクトを使用して流体を円周全体に分配できるようにする。
【0019】
また、固定子が、第1の軸方向側及び/又は第2の軸方向側に固定子巻線の端部巻線を有すると有利である。これは、固定子を効果的に製造することができるという効果を有する。
【0020】
また、固定子巻線の端部巻線が流体分配チャンバ内に配置される、若しくは流体分配チャンバに流体接続された空間内に配置される、及び/又は固定子巻線の端部巻線が、流体収集チャンバ内に配置される、若しくは流体収集チャンバに流体接続された空間に配置されると好適である。このようにすると、端部巻線を効果的に冷却することができる。
【0021】
以下、図面を参照しながら例示的実施形態を用いて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】回転子軸に沿った断面での、電気機械の本発明による例示的実施形態の概略断面図である。
【
図2】回転子軸に垂直な断面での、
図1による本発明による例示的実施形態の電気機械の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び2は、本発明による電気機械1の例示的実施形態の異なる概略断面図を示す。電気機械1は、特に、電気駆動自動車の駆動機械として使用される電気機械1である。したがって、この種の電気機械1は、自動車において、例えば自動車の1つの車軸の車輪又は自動車の全ての車輪を駆動するためのただ1つの電気機械1として使用することができる。電気機械1は、例えばさらなる電気機械1と共に使用することもでき、例えば、それぞれの電気機械1が、自動車の関連する車軸の駆動輪のために提供される。
【0024】
電気機械1は、回転子2及び固定子3を有する。ここで、回転子2は、軸x-xを中心に回転可能に配置され、センサ3は、モータハウジングに対して固定して配置される。
【0025】
ここで、固定子3は、例えば固定子ハウジング4としての外壁を備えて略中空円筒形に形成され、略円筒形の空間領域5を取り囲み、空間領域5内に回転子2が回転可能に配置される。固定子3は、略中空円筒形であるか、又は略中空円筒形の空間領域5を占める。
【0026】
回転子2は、軸x-xを中心に回転可能に取り付けられて配置された回転子シャフト6を有する。
【0027】
固定子3は、固定子巻線8を備える固定子コア7を有する。
【0028】
固定子は、固定子3内で第1の軸方向側10から反対側の第2の軸方向側11まで軸方向に延びる流体ダクト9を有する。
【0029】
第1の軸方向側10には、冷却剤流入部13を備えた流体分配チャンバ12が設けられており、冷却剤流入部13は流体分配チャンバ12と連通し、流体分配チャンバ12は、冷却剤流入部13から流入する冷却剤を流体ダクト9に分配する目的で流体ダクト9と連通している。
【0030】
第2の軸方向側11には、冷却剤流出部15を備えた流体収集チャンバ14が設けられている。流体収集チャンバ14は冷却剤流出部15と連通し、流体収集チャンバ14は、流体ダクト9から流れてくる冷却剤を収集し、冷却剤を冷却剤流出部15に導く。
【0031】
流体ダクト9は固定子3内で実質的に軸方向に延び、多数の流体ダクト9が固定子3の周囲に分配されて配置されている。ここで、各流体ダクト9は流体分配チャンバ12に接続され、流体分配チャンバ12は、冷却剤流入部13から流入する冷却剤を流体ダクト9に分配するために、第1の軸方向側10で実質的に径方向及び周方向に広がりを有する。ここで、各流体ダクト9は流体収集チャンバ14に接続され、流体収集チャンバ14は、流体ダクト9から流れてくる冷却剤を収集するために及びその冷却剤を冷却剤流出部15に導くために、第2の軸方向側11で実質的に径方向及び周方向に広がりを有する。
【0032】
冷却剤流入部13は、第1の軸方向側10で第1の周方向側16に配置され、冷却剤流出部15は、第2の軸方向側11で第2の周方向側17に配置される。これにより、流体ダクト9、流体分配チャンバ12、及び流体収集チャンバ14を通る流れに不均一性が生じる。
【0033】
したがって、本発明は、冷却剤流入部13から流体入口19に向かって流体収集チャンバ14に通じるバイパスダクト18を提供し、流体入口19は、第2の軸方向側11で第1の周方向側16に配置される。
【0034】
固定子3は、外側で固定子3の境界を画す固定子ハウジング4を有する。バイパスダクト18は、例えば固定子ハウジング4に沿って第1の軸方向側10から第2の軸方向側11へ軸方向に延びる。
【0035】
ここで、バイパスダクト18は、固定子ハウジング4に統合することができる、又は固定子ハウジング4に接続することができる。
【0036】
したがって、バイパスダクト18は、例えば固定子ハウジング4の外側に延びるパイプラインの形態でよい。
【0037】
ここで、このパイプラインは、例えば固定子ハウジング4に接続することができ、特に、はんだ付け、溶接、又は接着結合することができる。
【0038】
代替形態として、流体ダクトとしてのバイパスダクト18は、特に鋳造、射出成形、又は穴開けなどの機械加工によって、固定子ハウジング4の壁20と一部片に統合することもできる。
【0039】
固定子3の所望の冷却を実現するために、流体ダクト9及びバイパスダクト18は、バイパスダクト18を通る冷却剤体積流量が、固定子3に供給される冷却剤体積流量の最大で1/3に対応し、流体ダクト9を通る冷却剤体積流量が、固定子3に供給される冷却剤体積流量の少なくとも2/3に対応するように寸法設定されると好適である。
【0040】
図2から、第2の周方向側17は、第1の周方向側16と実質的に反対側である、すなわち固定子3の対称軸x-x又は回転子の回転軸x-xに対して実質的に180°の角度で配置されることが明らかである。
【0041】
さらなる着想によれば、固定子3は、第1の軸方向側10及び/又は第2の軸方向側11に固定子巻線の端部巻線21を有する。この場合、固定子巻線の端部巻線21は、流体分配チャンバ12内に配置することができ、若しくは流体分配チャンバ12に流体接続された空間内に配置することができ、及び/又は固定子巻線の端部巻線21は、流体収集チャンバ14内に配置することができ、若しくは流体収集チャンバ14に流体接続された空間内に配置することができる。その結果、それぞれの端部巻線21の特に良好な冷却が実現される。
【符号の説明】
【0042】
1 電気機械
2 回転子
3 固定子
4 固定子ハウジング
5 空間領域
6 回転子シャフト
7 固定子コア
8 固定子巻線
9 流体ダクト
10 第1の軸方向側
11 第2の軸方向側
12 流体分配チャンバ
13 冷却剤流入部
14 流体収集チャンバ
15 冷却剤流出部
16 第1の周方向側
17 第2の周方向側
18 バイパスダクト
19 流体入口
20 壁
21 端部巻線