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特許7518190半導体装置のエピタキシャル構造、製造方法及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】半導体装置のエピタキシャル構造、製造方法及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240709BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240709BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240709BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L21/265 601J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022560402
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2021142523
(87)【国際公開番号】W WO2022143778
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】202011593833.5
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515295706
【氏名又は名称】蘇州能訊高能半導体有限公司
【氏名又は名称原語表記】DYNAX SEMICONDUCTOR,INC.
【住所又は居所原語表記】No.18 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan City,Jiangsu Province 215300,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】銭 洪途
(72)【発明者】
【氏名】裴 軼
(72)【発明者】
【氏名】張 暉
【審査官】戸川 匠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0175539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0236122(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0069074(US,A1)
【文献】特開2017-183696(JP,A)
【文献】特表2019-528571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/265
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置のエピタキシャル構造であって、
基板と、
前記基板の一側に位置する半導体層と、を含み、
前記半導体層は、前記基板の一側に設置されるバッファ層を少なくとも含み、
前記バッファ層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画及び第2バッファ区画を含み、
前記第1バッファ区画の前記基板への鉛直投影は、前記ソースプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重なり合い、
前記第2バッファ区画の前記基板への鉛直投影は、ゲートプリセット領域及び前記ドレインプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重なり合い、
前記バッファ層内には、イオンが注入され、
前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度は、前記第1バッファ区画におけるイオン注入濃度以上であり、
前記ゲートプリセット領域は、前記ソースプリセット領域と前記ドレインプリセット領域との間に位置し、
前記半導体層は、前記バッファ層の前記基板から離れる一側に位置するバリア層をさらに含み、
前記バリア層は、前記バッファ層よりもバンドギャップが大きく、
前記バリア層は、前記ソースプリセット領域から前記ドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画及び第2バリア区画を含み、
前記第1バリア区画の前記基板への鉛直投影は、前記ソースプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重なり合い、
前記第2バリア区画の前記基板への鉛直投影は、ゲートプリセット領域及び前記ドレインプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重なり合い、
前記バリア層内には、前記イオンが注入され、
前記第2バリア区画におけるイオン注入濃度は、前記第1バリア区画におけるイオン注入濃度以上であり、
前記第2バリア区画におけるイオン注入濃度は、前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも低いことを特徴とするエピタキシャル構造。
【請求項2】
前記第2バッファ区画の比抵抗は、前記第1バッファ区画の比抵抗以上であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル構造。
【請求項3】
前記第1バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たし、
前記第1バッファ区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たし、
前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第2バッファ区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャル構造。
【請求項4】
前記第1バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第1バッファ区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たし、
前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第2バッファ区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャル構造。
【請求項5】
前記第2バリア区画の比抵抗は、前記第1バリア区画の比抵抗以上であることを特徴とする請求項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項6】
前記第1バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たし、
前記第1バリア区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たし、
前記第2バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たし、
前記第2バリア区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項7】
前記第1バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1016cm-3を満たし、
前記第1バリア区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たし、
前記第2バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たし、
前記第2バリア区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項8】
前記半導体層は、前記基板と前記バッファ層との間に位置する核生成層をさらに含み、
前記核生成層は、前記ソースプリセット領域から前記ドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画及び第2核生成区画を含み、
前記第1核生成区画は、前記第1バッファ区画と前記基板との間に位置し、
前記第2核生成区画は、前記第2バッファ区画と前記基板との間に位置し、
前記核生成層内には、前記イオンが注入され、
前記第2核生成区画におけるイオン注入濃度は、前記第1核生成区画におけるイオン注入濃度以上であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項9】
前記第2核生成区画の比抵抗は、前記第1核生成区画の比抵抗以上であることを特徴とする請求項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項10】
前記第1核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たし、
前記第1核生成区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たし、
前記第2核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第2核生成区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項またはに記載のエピタキシャル構造。
【請求項11】
前記第1核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第1核生成区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たし、
前記第2核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たし、
前記第2核生成区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たすことを特徴とする請求項またはに記載のエピタキシャル構造。
【請求項12】
前記イオンは、ホウ素イオン、ヒ素イオン、ヘリウムイオン、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルゴンイオン、アルミニウムイオン、リンイオン、窒素イオン、酸素イオン、炭素イオン及び鉄イオンのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造を製造するための半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法であって、
基板を提供するステップと、
ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画及び第2バッファ区画を含んで基板の一側に設置されるバッファ層を少なくとも含む半導体層を前記基板の一側に製造し、前記第1バッファ区画の前記基板への鉛直投影を前記ソースプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重ね合い、前記第2バッファ区画の前記基板への鉛直投影を前記ゲートプリセット領域及び前記ドレインプリセット領域の前記基板への鉛直投影と重ね合い、前記バッファ層内にイオンを注入し、前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度を前記第1バッファ区画におけるイオン注入濃度以上にし、前記ゲートプリセット領域を前記ソースプリセット領域と前記ドレインプリセット領域との間に位置させるステップと、を含み、
前記半導体層は、バリア層をさらに含み、
前記バリア層は、前記バッファ層よりもバンドギャップが大きく、
前記バリア層は、前記ソースプリセット領域から前記ドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画及び第2バリア区画を含み、
前記第1バリア区画は、前記第1バッファ区画の前記基板から離れる一側に位置し、
前記第2バリア区画は、前記第2バッファ区画の前記基板から離れる一側に位置し、
半導体層を前記基板の一側に製造するステップは、
前記基板の一側に、前記バッファ層及び前記バリア層を順次に製造するステップと、
前記バリア層の前記基板から離れる一側において、前記バリア層及び前記バッファ層内に前記イオンを注入し、第2バリア層におけるイオン注入濃度を第1バリア層におけるイオン注入濃度以上にし、前記第2バリア層におけるイオン注入濃度を前記第2バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも低くするステップと、を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項14】
前記半導体層は、核生成層をさらに含み、
前記核生成層は、前記ソースプリセット領域から前記ドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画及び第2核生成区画を含み、
前記第1核生成区画は、前記第1バッファ区画と前記基板との間に位置し、
前記第2核生成区画は、前記第2バッファ区画と前記基板との間に位置し、
半導体層を前記基板の一側に製造するステップは、
前記基板の一側に前記核生成層及び前記バッファ層を順次に製造するステップと、
前記バッファ層の前記基板から離れる一側において、前記バッファ層及び前記核生成層内に前記イオンを注入し、前記第2核生成区画におけるイオン注入濃度を前記第1核生成区画におけるイオン注入濃度以上にするステップと、を含むことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
半導体装置であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載のエピタキシャル構造を含み、
半導体層の前記基板から離れる一側に位置するゲート、ソース及びドレインをさらに含み、
前記ゲートは、前記ゲートプリセット領域に設置され、
前記ソースは、前記ソースプリセット領域に設置され、
前記ドレインは、前記ドレインプリセット領域に設置されることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、半導体技術領域に関し、特に、半導体装置のエピタキシャル構造、製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体材料としての窒化ガリウムは、バンドギャップが大きく、電子の飽和ドリフト速度が高く、絶縁破壊電界強度が高く、熱伝導性が優れる等の特徴を有するため、現在の研究のホットスポットになっており、例えば、窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(GaN HEMT)装置の製造に用いられる。
【0003】
リーク電流の低減と静電気(Electro-Static discharge:ESD)保護性能の向上は、GaN HEMT装置の最適化の重要な方向性である。従来技術では、通常、エピタキシャル成長中にバッファ層にドーピングまたはイオン注入を行ってバッファ層の比抵抗を高め、さらに、より高い破壊電圧とより低いリーク電流を実現する。しかしながら、静電気保護の向上の観点から、ゲート・ソース間のバッファ層の比抵抗を下げる必要がある。そのため、上記のリーク電流低減の技術案によれば、バッファ層全体は同一の高い比抵抗を有することになり、比抵抗及びESD保護を向上させるという目標に反する。
【0004】
より高い破壊電圧とより低いリーク電流を実現しながら、半導体装置の静電気保護性能を向上させることが課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、半導体装置のエピタキシャル構造及びその製造方法、半導体装置を提供し、このエピタキシャル構造を適用する半導体装置は、高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本発明の実施例は、半導体装置のエピタキシャル構造を提供し、基板と、基板の一側に位置する半導体層と、を含む。半導体層は、基板の一側に設置されるバッファ層を少なくとも含む。バッファ層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画及び第2バッファ区画を含む。第1バッファ区画の基板への鉛直投影は、ソースプリセット領域の基板への鉛直投影と重なり合う。第2バッファ区画の基板への鉛直投影は、ゲートプリセット領域及びドレインプリセット領域の基板への鉛直投影と重なり合う。バッファ層内には、イオンが注入される。第2バッファ区画におけるイオン注入濃度は、第1バッファ区画におけるイオン注入濃度以上である。ゲートプリセット領域は、ソースプリセット領域とドレインプリセット領域との間に位置する。
【0007】
好ましくは、第2バッファ区画の比抵抗は、第1バッファ区画の比抵抗以上である。
【0008】
好ましくは、第1バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1バッファ区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2バッファ区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0009】
好ましくは、第1バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たす。第1バッファ区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。第2バッファ区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2バッファ区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0010】
好ましくは、半導体層は、バッファ層の基板から離れる一側に位置するバリア層をさらに含む。バリア層は、バッファ層よりもバンドギャップが大きい。バリア層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画及び第2バリア区画を含む。第1バリア区画の基板への鉛直投影は、ソースプリセット領域の基板への鉛直投影と重なり合う。第2バリア区画の基板への鉛直投影は、ゲートプリセット領域及びドレインプリセット領域の基板への鉛直投影と重なり合う。バリア層内には、イオンが注入される。第2バリア区画におけるイオン注入濃度は、第1バリア区画におけるイオン注入濃度以上である。
【0011】
好ましくは、第2バリア区画におけるイオン注入濃度は、第2バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも低い。
【0012】
好ましくは、第2バリア区画の比抵抗は、第1バリア区画の比抵抗以上である。
【0013】
好ましくは、第1バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1バリア区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たす。第2バリア区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0014】
好ましくは、第1バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1016cm-3を満たす。第1バリア区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。第2バリア区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たす。第2バリア区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0015】
好ましくは、半導体層は、基板とバッファ層との間に位置する核生成層をさらに含む。核生成層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画及び第2核生成区画を含む。第1核生成区画は、第1バッファ区画と基板との間に位置する。第2核生成区画は、第2バッファ区画と基板との間に位置する。核生成層内には、イオンが注入される。第2核生成区画におけるイオン注入濃度は、第1核生成区画におけるイオン注入濃度以上である。
【0016】
好ましくは、第2核生成区画の比抵抗は、第1核生成区画の比抵抗以上である。
【0017】
好ましくは、第1核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1核生成区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2核生成区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0018】
好ましくは、第1核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たす。第1核生成区画の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。第2核生成区画におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2核生成区画の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0019】
好ましくは、イオンは、ホウ素イオン、ヒ素イオン、ヘリウムイオン、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルゴンイオン、アルミニウムイオン、リンイオン、窒素イオン、酸素イオン、炭素イオン及び鉄イオンのうちの少なくとも1種を含む。
【0020】
第2態様では、本発明の実施例は、上記の態様に係るエピタキシャル構造を製造するための半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法をさらに提供する。この製造方法は、基板を提供するステップと、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画及び第2バッファ区画を含んで基板の一側に設置されるバッファ層を少なくとも含む半導体層を基板の一側に製造し、第1バッファ区画の基板への鉛直投影をソースプリセット領域の基板への鉛直投影と重ね合い、第2バッファ区画の基板への鉛直投影をゲートプリセット領域及びドレインプリセット領域の基板への鉛直投影と重ね合い、バッファ層内にイオンを注入し、第2バッファ区画におけるイオン注入濃度を第1バッファ区画におけるイオン注入濃度以上にし、ゲートプリセット領域をソースプリセット領域とドレインプリセット領域との間に位置させるステップと、を含む。
【0021】
好ましくは、半導体層は、バリア層をさらに含む。バリア層は、バッファ層よりもバンドギャップが大きい。バリア層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画及び第2バリア区画を含む。第1バリア区画は、第1バッファ区画の基板から離れる一側に位置する。第2バリア区画は、第2バッファ区画の基板から離れる一側に位置する。半導体層を基板の一側に製造するステップは、基板の一側には、バッファ層及びバリア層を順次に製造するステップと、バリア層の基板から離れる一側において、バリア層及びバッファ層内にイオンを注入し、第2バリア層におけるイオン注入濃度を第1バリア層におけるイオン注入濃度以上にし、第2バリア層におけるイオン注入濃度を第2バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも低くするステップと、を含む。
【0022】
好ましくは、半導体層は、核生成層をさらに含む。核生成層は、ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画及び第2核生成区画を含む。第1核生成区画は、第1バッファ区画と基板との間に位置する。第2核生成区画は、第2バッファ区画と基板との間に位置する。半導体層を基板の一側に製造するステップは、基板の一側に核生成層及びバッファ層を順次に製造するステップと、バッファ層の基板から離れる一側において、バッファ層及び核生成層内にイオンを注入し、第2核生成区画におけるイオン注入濃度を第1核生成区画におけるイオン注入濃度よりも高くするステップと、を含む。
【0023】
第3態様では、本発明の実施例は、半導体装置をさらに含み、第1態様に係るエピタキシャル構造を含む。半導体装置は、半導体層の基板から離れる一側に位置するゲート、ソース及びドレインをさらに含む。 ゲートは、ゲートプリセット領域に設置される。ソースは、ソースプリセット領域に設置される。ドレインは、ドレインプリセット領域に設置される。
【0024】
本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造では、バッファ層の領域によってイオン注入濃度が異なり、ゲートプリセット領域とドレインプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第2バッファ区画)のイオン注入濃度が比較的高いため、第2バッファ区画の比抵抗を高めることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の破壊電圧を増大させて半導体装置のリーク電流を低減させることができる。また、ゲートプリセット領域とソースプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第1バッファ区画)のイオン濃度が比較的低い(ゼロであってもよい)ため、第1バッファ区画に低い比抵抗を持たせることがでる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の静電気保護性能を向上させることができ、このエピタキシャル構造を適用した半導体装置に高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えさせる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。
図2】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。
図3】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。
図4】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。
図5】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。
図6】本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係る半導体装置の構成を示す図である。
図11】本発明の実施例に係る他の半導体装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面と実施例を参照しながら本発明を詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明に対する限定ではないことを理解されたい。また、説明の便宜上、図面においては、本発明に関連する一部のみを示しており、全ての構造を示すものではない。
【0027】
図1は、本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。図1を参照し、本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造10は、基板1と、基板1の一側に位置する半導体層2と、を含む。半導体層2は、基板1の一側に設置されるバッファ層22を少なくとも含む。バッファ層22は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画221及び第2バッファ区画222を含み、第1バッファ区画221の基板1への鉛直投影は、ソースプリセット領域3の基板1への鉛直投影と重なり合い、第2バッファ区画222の基板1への鉛直投影は、ゲートプリセット領域4及びドレインプリセット領域5の基板1への鉛直投影と重なり合う。バッファ層22内には、イオンが注入され、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度は、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度よりも高い。ゲートプリセット領域4は、ソースプリセット領域3とドレインプリセット領域5との間に位置する。
【0028】
本発明の実施例に係るエピタキシャル構造10は、半導体装置の製造に用いられ、具体的に、このエピタキシャル構造10上に二次成長によりヘテロ接合構造が形成されるとともに、ヘテロ接合構造の基板から離れる一側にゲート、ソース及びドレインが形成されて半導体装置の製造を完成させることが可能である。なお、ソースは、上記ソースプリセット領域3に設置され、ゲートは、上記ゲートプリセット領域4に設置され、ドレインは、上記ドレインプリセット領域5に設置される。
【0029】
半導体装置においては、ゲートとドレインとの間は最高電圧を受ける必要がある。そのため、ゲートからドレイン側までの半導体層に高比抵抗領域が形成される必要があるが、ゲートとソースとの間の半導体層に低比抵抗を維持してより優れた静電気保護性能を得る必要がある。したがって、半導体装置に高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えさせるために、本発明の実施例に係るエピタキシャル構造では、バッファ層22の領域を分割してイオンを注入することで、領域の異なるバッファ層22に異なる比抵抗を与え、さらに、このエピタキシャル構造を適用する半導体装置に高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えさせる。
【0030】
具体的には、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度が第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度よりも高いため、第2バッファ区画222の比抵抗は、第1バッファ区画221の比抵抗よりも大きい。第1バッファ区画221は、ゲートプリセット領域4とソースプリセット領域3との間の領域に対応することで、高度な静電気保護性能によるゲートプリセット領域4とソースプリセット領域3との間の低比抵抗への要求を満たすことができる。第2バッファ区画222は、ゲートプリセット領域4とドレインプリセット領域5との間の領域に対応することで、高破壊電圧及び低リーク電流による高比抵抗への要求を満たすことができる。
【0031】
例示的には、第1バッファ区画221と第2バッファ区画222との境界線は、ゲートプリセット領域4からソースプリセット領域3に向けて所定距離離れた箇所に位置してもよく、例示的には、この境界線とゲートプリセット領域4との距離は、0~100nmであってもよい。
【0032】
なお、半導体装置の静電気保護性能に影響を及ぼさなければ、第1バッファ区画221内には、低濃度のイオンが注入されてもよいし、イオンが注入されなくてもよい。
【0033】
さらに、なお、図1及び後続の図面の同一膜層には、充填された部分がイオン注入を示し、充填されない部分がイオン未注入を示す。
【0034】
好ましくは、基板1の材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムインジウムガリウム、インジウムリン、ガリウム砒素、炭化珪素、ダイヤモンド、サファイア、ゲルマニウム及びシリコンのうちの1種または複数種の組み合わせであってもよいし、III族窒化物を成長させることが可能な他の材料であってもよい。
【0035】
本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造では、バッファ層の領域によってイオン注入濃度が異なり、ゲートプリセット領域とドレインプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第2バッファ区画)のイオン注入濃度が比較的高いため、第2バッファ区画の比抵抗を高めることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の破壊電圧を増大させて半導体装置のリーク電流を低減させることができる。また、ゲートプリセット領域とソースプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第1バッファ区画)のイオン濃度が比較的低い(ゼロであってもよい)ため、第1バッファ区画に低い比抵抗を持たせることがでる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の静電気保護性能を向上させることができ、半導体装置に高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えさせる。
【0036】
上記の実施例を基に、以下、エピタキシャル構造の構成をさらに詳細に説明する。
【0037】
好ましくは、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1バッファ区画221の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2バッファ区画222の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0038】
本実施例では、第1バッファ区画221にイオンが注入されないため、第1バッファ区画221に低比抵抗をそのまま持たせて静電気保護性能をより向上させ、第2バッファ区画222にイオンが注入されるため、高比抵抗を有し、半導体装置の高破壊電圧及び低リーク電流を実現する。
【0039】
好ましくは、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度Cは、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度C以下である。具体的には、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たす。第1バッファ区画221の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2バッファ区画222の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0040】
本実施例では、第1バッファ区画221及び第2バッファ区画222には、いずれもイオンが注入され、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度Cが第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度C以下であることで、第1バッファ区画221の比抵抗を第2バッファ区画222の比抵抗以下にすることができ、半導体装置の高破壊電圧及び低リーク電流を実現する。
【0041】
図2は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。図2を参照し、半導体装置のエピタキシャル構造10は、基板1と、基板1の一側に位置する半導体層2と、を含む。半導体層2は、基板1の一側に積層して設置されるバッファ層22及びバリア層23を少なくとも含む。バリア層23は、バッファ層22よりもバンドギャップが大きく、少なくとも、バッファ層22及びバリア層23には、イオンが注入され、バリア層23におけるイオン注入濃度は、バッファ層22におけるイオン注入濃度よりも低い。
【0042】
本実施例では、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度は、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度と同じである。
【0043】
好ましくは、第1バッファ区画221の比抵抗ρ及び第2バッファ区画222の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ=ρ≦1010Ω・cmを満たす。第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度C及び第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C=C≦5×1018cm-3を満たす。
【0044】
より好ましくは、バリア層23の材料は、AlGa(1-x)Nを含む。なお、0.8≦x≦1。第1バリア区画231におけるイオン注入濃度C及び第2バリア区画232におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C=C≦5×1016cm-3を満たす。第1バリア区画231の比抵抗ρ及び第2バリア区画232の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ=ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0045】
本実施例では、バリア層23におけるAl成分をバッファ層22におけるAl成分よりも高くして、バリア層23のバンドギャップをバッファ層22のバンドギャップよりも大きくすることで、上記より低い濃度のイオンをバッファ層22に注入するだけで、上記の十分高い比抵抗を得ることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置のリーク電流を低減させながら、電子移動度を保証することができる。
【0046】
図3は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。図3を参照し、好ましくは、半導体層2は、バッファ層22の基板1から離れる一側に位置するバリア層23をさらに含む。バリア層23は、バッファ層22よりもバンドギャップが大きい。バリア層23は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画231及び第2バリア区画232を含む。第1バリア区画231は、第1バッファ区画221の基板1から離れる一側に位置し、第2バリア区画232は、第2バッファ区画222の基板1から離れる一側に位置する。バリア層23内には、イオンが注入される。第2バリア区画232におけるイオン注入濃度は、第1バリア区画231におけるイオン注入濃度よりも高く、かつ、第2バリア区画232におけるイオン注入濃度は、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度よりも低い。
【0047】
図3に示すように、本実施例では、同様に、バリア層23の領域を分割してイオンを注入することで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、高破壊電圧及び低リーク電流を実現しながら、半導体装置の静電気保護性能を向上させることができる。具体的な理由については、上記の通りであるため、ここで説明を省略する。また、本実施例では、バリア層23の設置により、2次元電子ガスの移動度をさらに保証することができる。
【0048】
具体的には、半導体装置におけるヘテロ接合構造は、通常、チャンネル層及び障壁層を含み、障壁層は、チャンネル層のエピタキシャル構造から離れる一側に位置し、チャンネル層の障壁層に近接する一側には、2次元電子ガス2DEGが形成され、チャンネル層により、2次元電子ガス2DEGの移動のためのチャンネルが与えられる。通常、チャンネル層には、リーク電流も存在する。チャンネル層内にイオンが注入されることができないので、チャンネル層のリーク電流を低減させるために、通常、チャンネル層の厚さを薄くする必要がある。図1に示すエピタキシャル構造を用いて半導体装置を製造する場合、チャンネル層の厚さを薄くすると、バッファ層22を2次元電子ガスに近づけ、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度が比較的高いため、高濃度のイオンは、2次元電子ガスにおける電子移動度を低くし、半導体装置の性能に影響を及ぼす。
【0049】
このような問題を回避するために、本実施例は、他のエピタキシャル構造を提供し、バッファ層22にバリア層23を増設することで、バリア層23によって障壁層とバッファ層とを隔離させる。また、バリア層23のバンドキャップがより大きいため、バッファ層22に比べて、イオンを注入する場合、バリア層23(第2バリア区画232)に対して比較的低い濃度(イオン量)のイオンを注入するだけで、十分に高い比抵抗を得ることができ、上記の有益な効果を実現しながら、2次元電子ガスにおける電子移動度の低下を回避することができる。
【0050】
また、バッファ層22内に注入されたイオンは、通常、遊離状態にあるため、バリア層23の設置によって2次元電子ガスとバッファ層22とを隔離させることで、その後にエピタキシャル構造10にヘテロ接合構造を成長させる場合、バッファ層22におけるイオンのチャンネル層への進入をさらに防止することができる。
【0051】
さらに、本実施例では、第2バリア区画232におけるイオン注入濃度は、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度に比べて低いため、2次元電子ガスの移動度への影響が小さい。そのため、本発明の実施例に係るエピタキシャル構造を用いて半導体装置を製造する場合は、チャンネル層の厚さをさらに薄くし、チャンネル層のリーク電流を低減させる。
【0052】
より好ましくは、バッファ層22の材料は、AlGa(1-x)NまたはInGa(1-x)Nを含む。なお、0x≦0.5。バリア層23の材料は、AlGa(1-x)Nを含む。なお、0.8≦x≦1。xの値によって、バッファ層22は、GaNまたはAlGaNまたはInGaNであってもよい。通常、バッファ層22は、比抵抗が小さいため、比較的高いイオン注入濃度でその比抵抗を高める必要がある。
【0053】
より好ましくは、第1バリア区画231におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1バリア区画231の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2バリア区画232におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たす。第2バリア区画232の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0054】
より好ましくは、第1バリア区画231におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1016cm-3を満たす。第1バリア区画231の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0055】
第2バリア区画232におけるイオン注入濃度Cは、1×1015cm-3≦C≦5×1016cm-3を満たす。第2バリア区画232の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0056】
本実施例では、バリア層23におけるAl成分をバッファ層22におけるAl成分よりも高くして、バリア層23のバンドギャップをバッファ層22のバンドギャップよりも大きくすることで、上記より低い濃度のイオンをバッファ層22に注入するだけで、上記の十分高い比抵抗を得ることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合は、電子移動度を保証することができる。
【0057】
また、本実施例では、第1バリア区画231にイオンが注入されないか、または第1バリア区画231のイオン注入濃度を第2バリア区画232のイオン注入濃度よりも低くすることで、第1バリア区画231に低比抵抗をそのまま持たせることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の静電気保護性能をより向上させることができる。第2バリア区画232にイオンが注入されることで高比抵抗を得ることになる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置は高破壊電圧及び低リーク電流を得ることができる。
【0058】
図4は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。図4を参照し、好ましくは、半導体層2は、基板1とバッファ層22との間に位置する核生成層21をさらに含む。核生成層21は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画211及び第2核生成区画212を含む。第1核生成区画211は、第1バッファ区画221と基板1との間に位置し、第2核生成区画212は、第2バッファ区画222と基板1との間に位置する。核生成層21内には、イオンが注入され、第2核生成区画212におけるイオン注入濃度は、第1核生成区画211におけるイオン注入濃度よりも高い。
【0059】
核生成層21の設置により、基板1及びバッファ層22の結晶格子を一致させることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、エピタキシャル構造の上方のヘテロ接合構造の結晶品質や表面形状、電気性質等のパラメータを最適化することができる。なお、通常、核生成層21のリーク電流が低いため、核生成層21にイオンが注入されてもよいし、イオンが注入されなくてもよいが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0060】
本実施例では、核生成層21の領域を分割してインクを注入することで、核生成層21のリーク電流をさらに低減させることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置は高破壊電圧を得ながら、半導体装置の静電気保護性能を向上させることもできる。具体的な理由については、上記の通りであるため、ここで説明を省略する。
【0061】
より好ましくは、核生成層21の材料は、AlGa(1-x)Nを含む。なお、0.5≦x≦1。第1核生成区画211におけるイオン注入濃度Cは、C=0を満たす。第1核生成区画211の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦100Ω・cmを満たす。第2核生成区画212におけるイオン注入濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2核生成区画212の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0062】
より好ましくは、第1核生成区画211におけるイオン注入濃度Cは、0<C≦5×1018cm-3を満たす。第1核生成区画211の比抵抗ρは、0.1Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。第2核生成区画212におけるイオン濃度Cは、1×1017cm-3≦C≦5×1018cm-3を満たす。第2核生成区画212の比抵抗ρは、10Ω・cm≦ρ≦1010Ω・cmを満たす。
【0063】
本実施例では、第1核生成区画211にイオンが注入されないか、または第1核生成区画211のイオン注入濃度を第2核生成区画212のイオン注入濃度よりも低くすることで、第1核生成区画211に低比抵抗をそのまま持たせ、静電気保護性能をより向上させることができる。第2核生成区画212にイオンが注入されることで高比抵抗率を得て、半導体装置の高破壊電圧及び低リーク電流を実現する。
【0064】
上記をまとめると、上記の実施例により、エピタキシャル構造を詳細に説明した。これに対して、以下の通りの説明が必要である。
1.他の実施例では、半導体層は、核生成層、バッファ層及びバリア層を同時に含み、核生成層、バッファ層及びバリア層(及び基板)の領域を分割してイオンを注入してもよいが、本発明の実施例はこれに限定されない。
2.上記実施例では、半導体層における2層以上の膜層の領域を分割してイオンを注入する場合、各膜層の境界線が同じであることを例示することで、イオン注入プロセスをより簡単かつ効率的である。また、例示的には、図5は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の構成を示す図である。図5では、半導体層は、基板の一側に積層して設置される核形成層、バッファ層及びバリア層を含むことを例示する。図5を参照し、好ましくは、エピタキシャル構造のうちの、基板側から最も離れる半導体層、例えば、図3または図5のバリア層及び図4のバッファ層は、濃度の異なるイオン注入領域の境界線がゲートプリセット領域4により近接することを満たせれば、第1核生成区画211と第2核生成区画212との境界線、第1バッファ区画221と第2バッファ区画222との境界線、及び第1バリア区画231と第2バリア区画232との境界線は一致しなくてもよい。好ましくは、イオンは、ホウ素イオン、ヒ素イオン、ヘリウムイオン、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルゴンイオン、アルミニウムイオン、リンイオン、窒素イオン、酸素イオン、炭素イオン、及び鉄イオンのうちの少なくとも一種を含む。
【0065】
バッファ層22(とバリア層23、核形成層21及び基板1)に上記の例の少なくとも一種を注入することで、対応する膜層の比抵抗を向上させて半導体装置のリーク電流を低減させることができる。
【0066】
より好ましくは、バリア層23,バッファ層22及び核形成層21に注入されるイオンの種類は同じである。このような設置によれば、製造の難易度を下げて生産効率を向上させることができる。
【0067】
同一の発明構想により、本発明の実施例は、上記のいずれかの実施例に係るエピタキシャル構造を製造するための半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法をさらに提供する。図6は、本発明の実施例に係る半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。図6を参照し、この製造方法は、以下の通りのステップを含む。
S101:基板を提供する。
S102:ソースプリセット領域からドレインプリセット領域への方向に沿って、互いに連結される第1バッファ区画及び第2バッファ区画を含んで基板の一側に設置されるバッファ層を少なくとも含む半導体層を基板の一側に製造し、第1バッファ区画の基板への鉛直投影をソースプリセット領域の基板への鉛直投影と重ね合い、第2バッファ区画の基板への鉛直投影をゲートプリセット領域及びドレインプリセット領域の基板への鉛直投影と重ね合い、バッファ層内にイオンを注入し、第2バッファ区画におけるイオン注入濃度を第1バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも高くし、ゲートプリセット領域をソースプリセット領域とドレインプリセット領域との間に位置させる。
【0068】
本発明の実施例に係る製造方法では、バッファ層の領域を分割してイオンを注入して、ゲートプリセット領域とドレインプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第2バッファ区画)に高濃度のイオンを注入することで、第2バッファ区画の比抵抗を高めることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の破壊電圧を増大させて半導体層装置のリーク電流を低減させることができる。また、ゲートプリセット領域とソースプリセット領域との間のバッファ層(すなわち、第1バッファ区画)に低濃度のイオンを注入するか、またはイオンを注入しないことで、第1バッファ区画に比較的低い比抵抗を持たせることができる。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置の静電気保護性能を向上させ、このエピタキシャル構造を適用した半導体装置に、高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えさせる。
【0069】
上記を基にして、以下、エピタキシャル構造の具体的な構造に合わせてエピタキシャル構造の製造方法をより詳細に説明する。エピタキシャル構造における各膜層の材料やイオン注入濃度などのパラメータについては、上記の内容を参照するので、ここで詳細な説明を省略する。
【0070】
図3に示す構造では、半導体層2は、バッファ層22よりもバンドギャップが大きいバリア層23をさらに含む。バリア層23は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画231及び第2バリア区画232を含む。第1バリア区画231は、第1バッファ区画221の基板1から離れる一側に位置し、第2バリア区画232は、第2バッファ区画222の基板1から離れる一側に位置する。この場合、図7に示す製造方法によりこのエピタキシャル構造を製造してもよい。
【0071】
図7は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。図7を参照し、この製造方法は、以下の通りのステップを含む。
S201:基板を提供する。
S202:基板の一側には、バッファ層及びバリア層を順次に製造する。
S203:バリア層の基板から離れる一側において、バリア層及びバッファ層内にイオンを注入し、第2バリア層におけるイオン注入濃度を第1バリア層におけるイオン注入濃度よりも高くし、第2バッファ区画におけるイオン注入濃度を第1バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも高くし、第2バリア層におけるイオン注入濃度を第2バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも低くする。
【0072】
なお、本実施例では、同一プロセスにおいてバリア層及びバッファ層へのイオン注入を行うことを例示した。他の実施例では、まず、バッファ層を製造してバッファ層にイオンを注入し、次に、バリア層を製造してバリア層にイオンを注入してもよく、当業者は自分で設定することが可能である。
【0073】
本実施例に係る製造方法では、バッファ層の基板から離れる一側にバリア層を製造するとともに、バリア層の領域を分割してイオンを注入する。こうすることで、このエピタキシャル構造を半導体装置に適用する場合、半導体装置は、高破壊電圧、低リーク電流及び高度な静電気保護性能を兼ね備えながら、2次元電子ガスにおける電子移動度への影響を回避することができる。
【0074】
図2に示す構造では、半導体層2は、バッファ層22よりもバンドギャップが大きいバリア層23をさらに含む。バリア層23は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1バリア区画231及び第2バリア区画232を含む。第1バリア区画231は、第1バッファ区画221の基板1から離れる一側に位置し、第2バリア区画232は、第2バッファ区画222の基板1から離れる一側に位置する。第2バリア区画におけるイオン注入濃度は、第1バリア区画231におけるイオン注入濃度と同じである。第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度は、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度と同じであり、かつ、第2バリア区画232におけるイオン注入濃度は、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度よりも低い。この場合は、第2バリア区画232におけるイオン注入濃度を、第1バリア区画231におけるイオン注入濃度と同じまたはほぼ同じにし、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度を、第1バッファ区画221におけるイオン注入濃度と同じまたはほぼ同じにし、かつ、第2バリア区画232におけるイオン注入濃度を、第2バッファ区画222におけるイオン注入濃度よりも低くすることで、前の実施例の製造方法と異なる。
【0075】
図4に示す構造では、半導体層2は、核生成層21をさらに含む。核生成層21は、ソースプリセット領域3からドレインプリセット領域5への方向に沿って、互いに連結される第1核生成区画211及び第2核生成区画212を含む。第1核生成区画211は、第1バッファ区画221と基板1との間に位置する。第2核生成区画212は、第2バッファ区画222と基板1との間に位置する。この場合、図8に示す製造方法によりこのエピタキシャル構造を製造してもよい。
【0076】
図8は、本発明の実施例に係る他の半導体装置のエピタキシャル構造の製造方法を示すフローチャートである。図8を参照し、この製造方法は、以下の通りのステップを含む。
S301:基板を提供する。
S302:基板の一側には、核生成層及びバッファ層を順次に製造する。
S303:バッファ層の基板から離れる一側において、バッファ層及び核生成層内にイオンを注入し、第2バッファ区画におけるイオン注入濃度を第1バッファ区画におけるイオン注入濃度よりも高くし、第2核生成区画におけるイオン注入濃度を第1核生成区画におけるイオン注入濃度よりも高くする。
【0077】
なお、本実施例では、同一プロセスにおいてバッファ層及び核生成層へのイオン注入を行うことを例示した。他の実施例では、バッファ層と核生成層へのイオン注入をそれぞれ行ってもよいが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0078】
図5に示す構造では、半導体層は、核生成層21をさらに含む。核生成層21には、イオンが注入される。この場合、図9に示す製造方法によりこのエピタキシャル構造を製造してもよい。図9を参照し、この製造方法は、以下の通りのステップを含む。
S401:基板を提供する。
S402:基板の一側には、核生成層、バッファ層及びバリア層を順次に製造する。
S403:バリア層の基板から離れる一側において、バリア層、バッファ層及び核生成層にイオンを注入する。
【0079】
本実施例では、同一プロセスにおいてバリア層、バッファ層及び核生成層へのイオン注入を行うことを例示した。他の実施例では、図9に示す製造方法を参照して核生成層、バッファ層及びバリア層へのイオン注入を順次に行ってもよいが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0080】
同一の発明構想により、本発明の実施例は、半導体装置をさらに提供する。図10は、本発明の実施例に係る半導体装置の構成を示す図である。図11は、本発明の実施例に係る他の半導体装置の構成を示す図である。図10または図11を参照し、半導体装置100は、上記の実施例に係るエピタキシャル構造10を含み、エピタキシャル構造10の基板1から離れる一側に位置するヘテロ接合構造24、ヘテロ接合構造24の基板1から離れる一側に位置するゲート41,ソース31及びドレイン51をさらに含む。ゲート41は、ゲートプリセット領域に設置され、ソース31は、ソースプリセット領域に設置され、ドレイン51は、ドレインプリセット領域に設置される。
【0081】
なお、図10を参照し、ヘテロ接合構造24は、チャンネル層241及び障壁層242を含む。障壁層242は、チャンネル層241のエピタキシャル構造10から離れる一側に位置する。チャンネル層241の障壁層242に近接する一側には、2次元電子ガス2DEGが形成される。
【0082】
好ましくは、ソース31,ドレイン51は、ヘテロ接合構造24とオーミック接触し、ゲート41は、ヘテロ接合構造24とショットキー接触する。好ましくは、ソース31及びドレイン51の材質は、Ni、Ti、Al、Au等の金属のうちの1種または複数種の組み合わせであってもよく、ゲート41の材質は、Ni、Pt、Pb、Au等の金属のうちの1種または複数種の組み合わせであってもよい。
【0083】
なお、本発明の実施例は、半導体装置のエピタキシャル構造の設計の角度により、半導体装置の信頼性を改善する。前記半導体装置は、高圧大電流環境下でのハイパワーの窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)、絶縁基板上のシリコン(Silicon-On-Insulator:SOI)構造のトランジスタ、ガリウムヒ素 (GaAs) ベースのトランジスタと金属酸化層半導体電界効果トランジスタ (Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)、金属絶縁層半導体電界効果トランジスタ (Metal-Semiconductor Field-Effect Transistor:MISFET)、ダブルヘテロ接合電界効果トランジスタ (Double Heterojunction Field-Effect Transistor:DHFET)、接合型電界効果トランジスタ (Junction Field-Effect Transistor:JFET)、金属半導体電界効果トランジスタ(Metal-Semiconductor Field-Effect Transistor:MESFET)、金属絶縁層半導体ヘテロ接合電界効果トランジスタ (Metal-Semiconductor Heterojunction Field-Effect Transistor:MISHFET)、または他の電界効果トランジスタを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0084】
なお、上述したのは本発明の好ましい実施例及び運用される技術原理に過ぎず。当業者であれば理解されるように、本発明はここで述べた特定する実施例に限定されるものではなく、当業者であれば本発明の保護範囲から逸脱することなく、様々な明らかな変化、再調整及び代替を行うことができる。したがって、上記実施例によって本発明をより詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の構想から逸脱することなく、さらに多くの他の等価実施例を含むことができ、本発明の保護範囲は添付する特許請求の範囲によって決定される。
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図9
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図11