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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】タイミングアドバンスの調整
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240709BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20240709BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W16/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022561562
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2020084293
(87)【国際公開番号】W WO2021203432
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】タオ タオ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ルンティッラ
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/066606(WO,A2)
【文献】特開2017-192070(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0037354(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03355646(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える第1デバイスであって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1デバイスに、
前記第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するステップであって、該チャネル占有時間構造は、該無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、ステップと、
前記チャネル占有時間構造に基づいて第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを設定するステップと、 を実行させるように構成される、第1デバイスであり、
前記第1デバイスはさらに、
前記第2デバイスから、
前記送信の遅延のための補償期間と、前記第2デバイスが受信モードから送信モードに切り替えるためのスイッチング期間と、に関する前記タイミングアドバンスの第1基準値、
前記補償期間と、LBT手順のための感知期間とに関する前記タイミングアドバンスの第2基準値、および、
前記感知期間に関する前記タイミングアドバンスの第3基準値、のうちの少なくとも1つの標示を受信させる、第1デバイス。
【請求項2】
前記第1デバイスは、
前記送信のためのダウンリンク制御情報を前記第2デバイスから受信することと、
前記ダウンリンク制御情報に基づく前記チャネル占有時間構造を決定することと、
によって前記チャネル占有時間構造を決定する、
請求項1に記載の第1デバイス。
【請求項3】
前記第1デバイスは、
前記ダウンリンク制御情報から標示を取得するステップであって、該標示は、スロットフォーマットインジケータ、および、前記チャネル占有時間構造に関連する持続時間インジケータのうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記標示に基づいて、前記チャネル占有時間構造を決定するステップと
によって、前記ダウンリンク制御情報に基づいて、前記チャネル占有時間構造を決定する、
請求項2に記載の第1デバイス。
【請求項4】
前記第1デバイスは、
ブロードキャストシステム情報、
ダウンリンク制御情報、
無線リソース構成信号、
メディアアクセス制御、制御エレメント
のうちの少なくとも1つを介して前記標示を受信する、
請求項1に記載の第1デバイス。
【請求項5】
前記第1デバイスは、
前記チャネル占有時間構造に基づいて、さらなる送信が、時間領域リソースの前記セットにおける前記送信の後に前記第2デバイスによって開始されるべきかどうかを決定するステップと、
COTにおける前記送信の後にさらなる送信が開始されるべきであるという決定に従って、前記タイミングアドバンスを前記第2基準値に設定するステップと、
によって前記タイミングアドバンスを設定する、
請求項1に記載の第1デバイス。
【請求項6】
前記第1デバイスは、時間領域リソースの前記セットにおける前記送信の後に前記さらなる送信が開始されないという決定に従って、前記タイミングアドバンスを前記第1基準値に設定することをさらに実行する、請求項5に記載の第1デバイス。
【請求項7】
前記第1デバイスは、前記チャネル占有時間構造が不確定であるという決定に従って、前記タイミングアドバンスを前記第3基準値に設定することによって前記タイミングアドバンスを設定する、請求項2に記載の第1デバイス。
【請求項8】
前記第1デバイスは、さらに、
前記タイミングアドバンスおよび時間領域リソースの前記セットに基づいて、前記送信のための初期時点を決定することと、
最初の時点で送信を開始させることと
を実行する、
請求項1に記載の第1デバイス。
【請求項9】
前記第1デバイスが端末デバイスを備え、
前記第2デバイスがネットワークデバイスを備える、
請求項1に記載の第1デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサとコンピュータ命令を含む少なくとも1つのメモリとを備えた第1デバイスを実行させる方法であって、
第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するステップであって、該チャネル占有時間構造は、無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、ステップと、
前記チャネル占有時間構造に基づいて、前記第1デバイスから前記第2デバイスへの送信のタイミングアドバンスを設定するステップと、
前記第2デバイスから、
前記送信の遅延のための補償期間と、前記第2デバイスが受信モードから送信モードに切り替えるためのスイッチング期間と、に関する前記タイミングアドバンスの第1基準値、
前記補償期間と、LBT手順のための感知期間とに関する前記タイミングアドバンスの第2基準値、および、
前記感知期間に関する前記タイミングアドバンスの第3基準値、
のうちの少なくとも1つの標示を受信するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記チャネル占有時間構造を決定するステップは、前記送信のためのダウンリンク制御情報を前記第2デバイスから受信するステップと、
前記ダウンリンク制御情報に基づいて前記チャネル占有時間構造を決定するステップと、 を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ダウンリンク制御情報に基づいて前記チャネル占有時間構造を決定するステップは、
前記ダウンリンク制御情報から標示を取得するステップであって、該標示は、スロットフォーマットインジケータと、前記チャネル占有時間構造に関連する持続時間インジケータと、のうちの少なくとも1つのインジケータを含む、ステップと、
前記インジケータに基づいて前記チャネル占有時間構造を決定するステップと、
を含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に、電気通信の分野に関し、特に、タイミングアドバンス(TA)の調整の装置、方法、装置、およびコンピュータ可読記憶メディアに関する。
【背景技術】
【0002】
新無線 (NR:New Radio)では、アップリンクフレーム送信が参照セルからの対応するダウンリンクフレームの期間に検出された経路の受信の前の時間期間に行われることが定義されている。第1の送信を開始するためのユーザ機器(UE)におけるタイミング制御要件の基準点は、基準セルのダウンリンクタイミングから期間を引いたものである。
【0003】
また、チャネルアクティビティを感知するためのリッスン・ビフォア・トーク(LBT:Listen Before Talk)のための異なる方式も定義されている。チャネルがアイドルとして宣言されると、ノードは、最大チャネル占有時間(MCOT)として知られる最大時間の間、チャネルにアクセスすることができる。その間、開始ノードは、データ送受信のために応答ノードとそのCOTを共有することができる。
【0004】
gNBによって開始されるCOT共有およびUEによって開始されるCOT共有の両方が、NRにおいてサポートされる。COT共有条件では、gNB/UEがUEまたはgNBによって取得されたCOT内でタイプ2 LBTを実行することによって、チャネルにアクセスすることを許可される。
【発明の概要】
【0005】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、TAの調整の解決策を提供する。
【0006】
第1の態様では、第1デバイスが提供される。第1デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1デバイスに、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を少なくとも決定させ、ここで、チャネル占有時間構造は無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示し、チャネル占有時間構造に基づいて、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを設定するように構成される。
【0007】
第2の態様では、第2デバイスが提供される。第2デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第2デバイスに、少なくとも、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定させ、ここで、チャネル占有時間構造は無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示し、チャネル占有時間構造を第1デバイスに送信させ、第1デバイスに、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを決定させるように構成される。
【0008】
第3の態様では、次の方法が提供される。本方法は、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するステップであって、チャネル占有時間構造は無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、ステップと、チャネル占有時間構造に基づいて、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを設定するステップとを含む。
【0009】
第4の態様では、次の方法が提供される。本方法は、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するステップであって、チャネル占有時間構造は無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、ステップと、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを第1デバイスに決定させるために、チャネル占有時間構造を第1デバイスに送信するステップと、を含む。
【0010】
第5の態様では、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するための手段と、ここで、チャネル占有時間構造は、前記無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示すものであり、チャネル占有時間構造に基づいて、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを設定するための手段とを備える装置が提供される。
【0011】
第6の態様では、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するための手段と、ここで、チャネル占有時間構造は、前記無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示すものであり、第1デバイスに、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを決定させるために、第1デバイスにチャネル占有時間構造を送信する手段とを備える装置が提供される。
【0012】
第7の態様では、装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に第3の態様または第4の態様による方法を実行させるコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読メディアが提供される。
【0013】
本開示の実施形態の他の特徴および利点は、また、本開示の実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて読まれるとき、特定の実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の実施形態は例の意味で提示され、それらの利点は添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。
図1図1は、本開示の例示的な実施形態を実施することができる例示的な環境を示す。
図2図2は、gNBのクリアチャネル評価(CCA)処理のためのギャップの例を示す。
図3図3は、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるTAの調整の例示的な方法のフローチャートを示す。
図4図4は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、TAオンデマンドを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図5図5は、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるTAの調整の例示的な方法のフローチャートを示す。
図6図6は、本開示の例示的な実施形態を実装するのに適した装置の簡略化されたブロック図を示す。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なコンピュータ可読メディアのブロック図を示す。
【0015】
図面全体を通して、同一または類似の参照番号は、同一または類似のエレメントを表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は例示の目的でのみ説明され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関する制限を示唆するものではないことを理解されたい。なお、本発明は、以下に説明する以外の種々の態様で実施することが可能である。
【0017】
以下の説明および特許請求の範囲では、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は本開示が属する技術分野の通常の技能の1つによって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0018】
本開示における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が例示的な実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して、そのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であることである。
【0019】
本明細書では様々なエレメントを説明するために「第1の」および「第2の」などの用語が使用され得るが、これらのエレメントはこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、様々なエレメントの機能を区別するためにのみ使用される。本明細書で使用するとき、用語「及び/又は」は、列挙された用語のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0020】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。用語「含む(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、要素、および/または成分などの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、エレメント、構成エレメント、および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものでない。
【0021】
本出願で使用される場合、「回路」という用語は、以下のうちの1つ以上またはすべてを指し得る。
(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログおよび/またはデジタル回路のみの実装など)、および
(b)(該当する場合)などのハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ、
(i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、および
(ii)携帯電話やサーバーなどの装置に様々な機能を実行させるために協働する、ソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、およびメモリを備えたハードウェアプロセッサの一部)、
(c)動作のためにソフトウェア(例えばファームウェア)を必要とすマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部などの、ハードウェア回路、またはプロセッサ。
しかし、ソフトウェアは、動作に必要でないときは、存在しないことがあり得る。
【0022】
回路のこの定義は、任意の特許請求の範囲を含む、本出願におけるこの用語の全ての使用に適用される。さらなる例として、本出願で使用されるように、回路という用語は、単にハードウェア回路もしくはプロセッサ(または複数のプロセッサ)、またはハードウェア回路もしくはプロセッサの一部、およびそれ(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も包含する。回路という用語は、例えば、特定の請求項エレメントに適用可能な場合、サーバ、セルラーネットワークデバイス、または他のコンピューティングもしくはネットワークデバイスにおけるモバイルデバイスまたは同様の集積回路のためのベースバンド集積回路またはプロセッサ集積回路も包含する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「通信ネットワーク」という用語は、第5世代(5G)システム、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、高速パケットアクセス(HSPA)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)などの任意の適切な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワーク内の端末装置とネットワーク装置との通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来第5世代(5G)の新しい無線(NR)通信プロトコル、および/または将来に既知または今後開発予定の他のプロトコルを含むが、これらに限定されない任意の適当な第1世代通信プロトコルに従って実施することができる。本開示の実施形態は、様々な通信システムに適用され得る。通信における急速な発展を考慮すると、当然ながら、本開示を実施することができる将来のタイプの通信技術およびシステムも存在する。本開示の技術的範囲を上述のシステムのみに限定するものと見なされるべきではない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ネットワークデバイス」という用語は端末デバイスがネットワークにアクセスし、そこからサービスを受信する、通信ネットワーク内のノードを指す。ネットワークデバイスは、適用される用語および技術に応じて、基地局(BS)またはアクセスポイント(AP)、たとえば、ノードB(ノードBまたはNB)、発展型ノードB(eノードBまたはeNB)、NR次世代ノードB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、中継器、フェムト、ピコなどの低電力ノードなどを指し得る。
RAN分割アーキテクチャは、複数のgNB-DU(分散ユニット、ホスティングRLC、MAC、およびPHY)を制御するgNB-CU(中央ユニット、ホスティングRRC、SDAP、およびPDCP)を備える。中継ノードは、IABノードのDU部分に対応することができる。
【0025】
「端末デバイス」という用語は、ワイヤレス通信が可能であり得る任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく例として、端末デバイスは、通信装置、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、ポータブル加入者局、モバイル局(MS)、またはアクセス端末(AT)とも呼ばれ得る。端末装置は、携帯電話、携帯電話、スマートフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)電話、ワイヤレスローカルループ電話、タブレット、ウェアラブル端末装置、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末装置、ゲーム端末装置、音楽記憶および再生機器、ビヒクルワイヤレス端末装置、ワイヤレスエンドポイント、モバイルステーション、ラップトップ組込型機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、スマート装置、ワイヤレスカスタマープレミス機器(CPE)、モノのインターネット(IoT)装置、時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療装置およびアプリケーション(たとえば、遠隔手術)、産業装置およびアプリケーション(たとえば、産業および/または自動処理チェーン文脈で動作するロボットおよび/または他のワイヤレス装置)、消費者を含み得る電子装置、商用および/または工業用無線ネットワーク上で動作する装置などを含むことができる。しかし、限定するものではない。端末デバイスはまた、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノード(別名、リレーノード)のモバイル終端(MT)部分に対応し得る。以下の説明では「端末デバイス」、「通信デバイス」、「端末」、「ユーザ機器」、および「UE」という用語は互換的に使用され得る。
【0026】
本明細書で説明する機能は各種例示的実施形態では固定および/またはワイヤレスネットワークノードにおいて実行され得るが、他の例示的実施形態では機能がユーザ機器装置(携帯電話またはタブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータまたはデスクトップコンピュータまたはモバイルIoTデバイスまたは固定IoTデバイスなど)において実装され得る。このユーザ機器装置は、例えば、必要に応じて、固定および/またはワイヤレスネットワークノードに関連して説明されるような対応する能力を備えることができる。ユーザ機器装置はユーザ機器、および/またはその中にインストールされたときにユーザ機器を制御するように構成された、チップセットまたはプロセッサなどの制御デバイスであり得る。そのような機能の例はブートストラッピングサーバ機能および/またはホーム加入者サーバを含み、ブートストラッピングサーバ機能および/またはホーム加入者サーバはユーザ機器装置に、これらの機能/ノードの観点からユーザ機器装置に実行させるように構成されたソフトウェアを提供することによって、ユーザ機器装置において実装され得る。
【0027】
図1は、本開示の実施形態が実装され得る例示的な通信ネットワーク100を示す。図1に示されるように、通信ネットワーク100は、端末装置110(以下、第1の装置110またはUE110とも呼ばれる)と、ネットワーク装置120(以下、第2デバイス120またはgNB120とも呼ばれる)とを備える。端末デバイス110は、ネットワークデバイス120と通信することができる。図1に示すネットワーク装置および端末装置の数は、いかなる制限も示唆することなく、例示の目的で与えられることを理解されたい。
通信ネットワーク100は、任意の適切な数のネットワーク装置および端末装置を含むことができる。
【0028】
通信技術に応じて、ネットワーク100は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元アドレス(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一キャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、または任意の他のネットワークであり得る。ネットワーク100において論じられる通信は、新無線アクセス(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEエボリューション、LTEアドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、cdma2000、およびモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))などを含むが、それらに限定されない、任意の適切な標準に準拠し得る。さらに、通信は、現在知られているか、または将来開発されるべき任意の世代の通信プロトコルに従って実行され得る。通信プロトコルの例としては、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルなどがあるが、これらに限定されない。本明細書で説明する技法は、上述のワイヤレスネットワークおよび無線技術、ならびに他のワイヤレスネットワークおよび無線技術のために使用され得る。明確にするために、本技術の特定の局面はLTEについて以下で説明され、LTE用語は以下の説明の多くで使用される。
【0029】
新無線(NR:New Radio)では、アップリンクフレーム送信が参照セルからの対応するダウンリンクフレームの期間に検出された経路の受信の前の時間期間に行われることが定義されている。時間期間は、(NTA+NTAoffset)×Tとして表現することができ、NTAは、伝搬遅延を補償するための時間期間と呼ばれることがあり、NTAoffsetは、時分割複信(TDD)システムにおいて、受信(Rx)から送信(Tx)への無線周波数の切り替え(アップリンク(UL)からダウンリンク(DL)への切り替え)を行うgNBに対して十分なギャップを提供するために使用することができる。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の場合、NTAは、0として定義される。送信を開始するためのユーザ機器(UE)におけるタイミング制御要件の基準点は、基準セルのダウンリンクタイミングから、(NTA+NTAoffset)×Tを差し引いたものとする。ダウンリンクタイミングは、対応するダウンリンクフレームの最初に検出された経路が参照セルから受信された時間として定義される。
【0030】
他のチャネルの(NTA+NTAoffset)×Tについては、UEの送信タイミングと、最後のタイミングアドバンスが適用された直後のダウンリンクタイミングとの差である。他のチャネルのNTAについては、次のタイミングアドバンスが受信されるまで変更されない。NTAoffsetの値は、アップリンク送信が行われるセルのデュプレックスモードと、周波数範囲(FR)とに依存する。NTAoffsetは、以下の表で定義することができる。
【表1】
【0031】
FR1TDD帯域、すなわち、25600および39936TcのNTAoffsetは、それぞれ約13および20マイクロ秒に対応する。
【0032】
それはまた、タイプ1およびタイプ2のような、チャネルアクティビティを感知するためのリッスン・ビフォア・トーク(LBT)のための異なるスキームも定義されている。それはまた、タイプ1およびタイプ2のような、チャネルアクティビティを感知するためのリッスン・ビフォア・トーク(LBT)のための異なるスキームも定義されている。カテゴリ4LBT(Cat.4 LBTaとしても知られるタイプ1LBTは、少なくともN個のクリア・チャネル・アセスメント(CCA)間隔(Nは一様分布から得られる乱数である)のためのチャネルアクティビティの連続センシングとして定義される。チャネルがアイドルとして宣言されると、ノードは、最大チャネル占有時間(MCOT)として知られる最大時間の間、チャネルにアクセスすることができる。その間、開始ノードは、データ送受信のために応答ノードとそのCOTを共有することができる。
【0033】
gNBによって開始されたCOT共有とUEによって開始されたCOT共有の両方は、s新無線アンライセンス(NR-U:New Radio Unlicensed)においてサポートされる。COT共有条件では、gNB/UEがUEまたはgNBによって取得されたCOT内でタイプ2のLBTをそれぞれ実行することによって、チャネルにアクセスすることが許可される。さらに、gNBが取得したCOT内では、gNBがDLバーストにおける休止の後、またはCat.2 LBTを使用するULバーストの後にもチャネルに再アクセスすることができる。
【0034】
カテゴリ2 LBT(Cat.2 LBT)は、特定の制限された時間隔に対して実行されるCCAチェックとして定義される。3GPP(登録商標)においてサポートされるLBTのタイプの概要は、以下のように表すことができる。
【表2】
【0035】
上述したように、UL送信タイミングの高度化には、NTAとNTAoffsetという2つの要因がある。認可帯域における動作とは異なり、gNBは送信方向がULからDLに切り替わるとき、NR-UにおけるRFスイッチングだけでなくLBT動作も必要とする。
現在の3GPP(登録商標)仕様におけるTA定義によれば、gNBが予想されるDL送信の前にCCAを実行するのに十分なギャップがないことがある。
【0036】
図2は、gNBのCCA処理のギャップの一例を示す。UEは3つのスロットを有するULバーストを開始するために、タイプ1チャネルアクセスを実行する。gNBは、UEによって取得されたCOTを楽しむことによって、最後のスロットにおいて送信することを目指す。図2に示すように、COT構造210はUL送信のセット211~213と、DL送信214とを示し、DL214送信は、UL送信のセット211213に続く。
【0037】
UL送信213の場合、図2は、送信のためのUEタイミング230と、UEからデータを受信するためのgNBタイミング220とを示す。UEタイミングでは、トランスポートブロック231~233が送信される。これらの送信されたトランスポートブロック231~233は、受信シンボル221~223によって示されるgNBによって受信される。図2から、図2にTとして示すことができる、送信されたトランスポートブロックと受信記号221~223との間に隙間があることが分かる。gNBタイミング220によれば、最後に受信された記号223と、gNBによって開始された送信の始まりとの間にずれがあることが分かり、これは、図2においてTAoffsetとして表され得る。オフセットは、所与の周波数帯域がLTEと共存すると見なされるかどうかに応じて、
【数1】
と等しくなり得る。NR-Uで定義されたチャネルアクセス機構によれば、gNBは、DLバーストの前にタイプ2チャネルアクセスを実行することができる。しかしながら、そのようなオフセットは、タイプ2無線チャネルにアクセスするのに十分ではなく、タイプ2Bチャネルアクセスにも完全に一致しない。その手段は少なくともタイプ2が無線チャンネルに送信するために、予想されるスロットまたは記号境界で開始することができない。送信を開始する際のさらなる遅延は、gNBのスケジューリング動作を複雑にし、
また、他のデバイス(たとえば、NR-U、LTE LAAまたはWi-Fi(登録商標))が、それら自身の送信のためにその間にチャネルを捕捉する可能性をより高くする。
【0038】
十分なギャップを生成するために、より大きなTAをUEに割り当てることが検討されている。しかしながら、gNBによって開始されるCOTでは、より大きいNTAoffsetは、DLからULまでの間のガード期間を増加することができる。たとえば、30kHzおよび60kHzのSCSの場合、1つの記号ガード期間が、電流TAおよびUEのRx-Txスイッチング時間をカバーするのに十分であり得る。より大きいTAでは2記号ガード期間が必要とされ得、これはネットワーク全体の効率を低下させる。さらに、場合によっては(たとえば、低トラフィック負荷状況では)、DL送信は、UL送信に直接従わないことになる。このような場合、増加NTAoffsetは、いかなる利益ももたらすことができない。
【0039】
さらに、メディアアクセス制御エレメント(MAC CE)を介してTAを調整することが検討されている。しかしながら、そのような遅い方法は、NR-Uにおける急速に変更するCOT構造に迅速に反応することができない。
【0040】
したがって、本開示による実施形態は、無認可スペクトルにおけるCOT共有効率を増加させるための新たなTA調整機構を提案する。この解決策では、UEがCOT構造を決定することができる。COT構造に基づいて、TAは、オンデマンドで調整され得る。
【0041】
以下、図3を参照して、本発明の原理及び実施を詳細に説明する。図3は、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるTAの調整の例示的な方法300のフローチャートを示す。方法300は図1に示されるように、端末デバイス110において実装され得る。説明のために、方法300は、図1を参照して説明される。
【0042】
TAを調整するために、端末デバイス110はまず、たとえば、DCIなどの制御情報に基づいて、COT構造が決定されることが可能であるかどうかを決定しようと試みることができる。図3に示すように、310において、端末装置110は、端末装置110とネットワーク装置120との間の無線チャネルにアクセスするためのCOT構造を決定する。チャネル占有時間構造は、チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示し得る。時間領域リソースの設定は、COTを指し得る。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態では、COT構造がCOT中で発生した少なくとも1つの送信のための時間領域リソースの複数のサブセットを示し得る。COTは、UL送信のために端末デバイス110によって、またはDL送信のためにネットワークデバイス120によって開始され得る。
【0044】
端末デバイス110は、ネットワークデバイス120からDCIを受信することができる。COT構造は、ダウンリンク制御情報(DCI)中で示され得る。たとえば、端末デバイス110はDCIから、スロットフォーマットインジケータと、COT構造に関連付けられた持続時間インジケータとのうちの少なくとも1つを取得し得る。インジケータのうちの少なくとも1つに基づいて、COT構造が決定され得る。
【0045】
いくつかの例示的な実施形態では、UL送信が初期アクセス手順において発生したとき、または無線リソース構成アイドル(RRC_idle)モードにおいて発生したとき、端末装置110が端末装置110がDCIからそのような標示を取得できないため、UL送信に関連するCOT構造が存在するかどうかを決定できないこともあり得る。
【0046】
320において、端末デバイス110は、COT構造に基づいて、UL送信のためのタイミングアドバンスを設定する。
【0047】
図4は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、TAオンデマンドを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。図4を参照して、TAを決定するためのプロセスは、以下のようにさらに説明される。
【0048】
410において、端末装置110がCOT構造が存在し、UL送信がCOTにおいて実行されるべきであると決定した場合、420において、端末装置110は、UL送信の後にDL送信が開始されるべきかどうかを決定することができる。
【0049】
いくつかの例示的実施形態では、COTがネットワークデバイス120によって開始され得る。この場合、COTにおけるUL送信の前にDL送信が行われる。端末デバイス110は、UL送信に続いて別のDL送信があるかどうかを判断することができる。
【0050】
いくつかの例示的な実施形態では、COTがUL送信のために端末装置110によって開始される場合、端末装置110はDL送信がUL送信の後に開始されるべきかどうかを決定することができる。
【0051】
端末装置110がオプションとして、UL送信の後にDL送信が開始されるべきであると決定する場合、
430において、端末装置110は、この場合のTAのための第2基準値があるかどうかを決定し得る。第2基準値は、例えば、補償期間NTA、および、LBTプロシージャのタイプとして、例えば、25[μs]または16[μs]の感知期間に関連してもよい。例えば、TAは、NTA×T+25[μs]として、または、NTA×T+16[μs]として設定されてもよい。
【0052】
端末装置110がTAのための第2基準値があると決定した場合、440において、端末装置110は、TAを第2基準値に設定し得る。
【0053】
端末装置110がTAのための第2基準値を取得できないと決定する場合、460において、端末装置110は、TAを第1基準値に設定し得る。
【0054】
たとえば、第1基準値は、補償期間NTAおよびスイッチング期間NTAoffsetに関連し得る。上述のように、NTAは、端末装置110からネットワーク装置120への伝搬遅延を補償するための時間期間と呼ばれることがあり、NTAoffsetは、ネットワーク装置120がRxモードからTxモードに切り替えるための十分な隙間を提供するために使用され得る。
【0055】
この場合、第1基準値は、(NTA+NTAoffset)×Tに等しくあり得、これは、MAC CEなどの高い層信号から取得されたデフォルト設定TA値と見なされ得る。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態では、端末装置110がUL送信の後にDL送信が開始されるべきでないと決定した場合、端末装置110は460において、TAを第1基準値にも設定し得る。
【0057】
UL送信後にDL送信を開始しない場合、端末装置110がUL送信のためにCOTを開始すると、COT構造は、UL送信のみを参照することができる。COTがDL送信のためにネットワークデバイス120によって開始される場合、UL送信は、DL送信の後に生じ得る。
【0058】
410において、端末装置110がCOT構造が存在すると決定できない場合、端末装置110は、450において、TAを第3基準値に設定し得る。第3基準値は、ネットワークデバイスによって事前定義され得る、LBT期間の間の感知時間期間に関係し得る。この場合、検知時間は、16[μs]または25[μs]に設定することができる。
【0059】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス110がTAの第1、第2、および第3基準値のうちの少なくとも1つの標示をネットワークデバイス120から受信することができる。いくつかの例示的な実施形態では、インジケーションがブロードキャストシステム情報、DCI、RRCシグナリング、またはMAC CEのうちの少なくとも1つを介して取得され得る。いくつかの例示的な実施形態ではTAの第1基準値、第2基準値、および第3基準値は事前定義され得る。
【0060】
このようにして、TAの動的調整がUEにおいて許可され、これは、異なる送信シナリオにおけるチャネル占有のギャップの所望の持続時間を保証する。
【0061】
図5は、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるTAの調整の例示的な方法500のフローチャートを示す。方法300は図1に示されるように、ネットワークデバイス120において実装され得る。説明のために、方法500は、図1を参照して説明される。
【0062】
510において、ネットワークデバイスは、端末デバイスとネットワークデバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのCOT構造を決定する。COTは、無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示し得る。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、ネットワークデバイスがDCIを介してCOT構造を送信し得る。いくつかの例示的な実施形態では、COT構造がDCIのインジケーションにおいて示され、インジケーションはCOTに関連するスロットフォーマットインジケータおよび持続時間インジケータのうちの少なくとも1つを備える。
【0064】
いくつかの例示的な実施形態では、ネットワークデバイスが、送信の遅延のための補償期間に関連する時間アドバンスの第1基準値と、ネットワードデバイスが受信モードから送信モードに切り替えるためのスイッチング期間と、補償期間に関連する時間アドバンスの第2基準値と、LBTプロシージャのためのセンシング期間と、センシング期間に関連する時間アドバンスの第3基準値とのうちの少なくとも1つを送信することができる。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態では、ネットワークデバイスがブロードキャストシステム情報、DCI、RRCシグナリング、またはMAC CEのうちの少なくとも1つを介して標示を送信し得る。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態では、方法300および400(たとえば、端末装置110において実装される)を実行することが可能な装置は、方法300および400のそれぞれのステップを実行するための手段を備え得る。本手段は、任意の好適な形態で実施することができる。例えば、本手段は、回路又はソフトウェアモジュールで実施されてもよい。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態では、本願装置は、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するための手段であって、前記チャネル占有時間構造は、前記無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、手段と、チャネル占有時間構造に基づいて、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを設定するための手段とを備える。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態では、(たとえば、ネットワークデバイス120において実装される)方法500を実行することが可能な装置は、方法500のそれぞれのステップを実行するための手段を備え得る。本手段は、任意の好適な形態で実施することができる。例えば、本手段は、回路又はソフトウェアモジュールで実施されてもよい。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態では、装置が、第1デバイスと第2デバイスとの間の無線チャネルにアクセスするためのチャネル占有時間構造を決定するための手段であって、該チャネル占有時間構造は、前記無線チャネルにアクセスするための時間領域リソースのセットを示す、手段と、第1デバイスから第2デバイスへの送信のためのタイミングアドバンスを決定させるために、前記第1デバイスに前記チャネル占有時間構造を送信する手段と、を備える。
【0070】
図6は、本開示の実施形態を実装するのに適した装置600の簡略化されたブロック図である。デバイス600は通信装置、例えば、図1に示されるような端末デバイス110またはネットワークデバイス120を実装するために提供され得る。図示のように、装置600は、1つ以上のプロセッサ610と、プロセッサ610に結合された1つ以上のメモリ640と、プロセッサ610に結合された1つ以上の送信機および/または受信機(TX/RX)640とを含む。
【0071】
TX/RX640は、双方向通信用である。TX/RX640は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有する。通信インターフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表し得る。
【0072】
プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、
非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。装置600は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有することができる。
【0073】
メモリ620は、1つ以上の不揮発性メモリ及び1つ以上の揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリの例としては、ROM(Read Only memory)624、EPROM(electrically programmable read only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD(compact disc)、DVD(digital video disk)、およびその他の磁気記憶装置および/または光学記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)622、および電力期間中に最後に続かない他の揮発性メモリが挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
コンピュータプログラム630は、関連するプロセッサ610によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。プログラム630は、ROM620に記憶されていてもよい。プロセッサ610は、プログラム630をRAM620にロードすることによって、任意の適切な動作および処理を実行することができる。
【0075】
本開示の実施形態は、装置600が、図3-5に関連して説明した本開示の任意の処理を実行することができるように、プログラム630の手段によって実施することができる。本開示の実施形態はまた、ハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実装され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、プログラム630が、デバイス600(メモリ620など)またはデバイス600によってアクセス可能な他の記憶デバイスに含まれ得るコンピュータ可読メディアに有形に含まれ得る。装置600は実行のために、プログラム630をコンピュータ可読メディアからRAM622にロードし得る。コンピュータ可読メディアは、ROM、EPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD、DVDなどの任意のタイプの有形の不揮発性メモリを含み得る。図7は、CDまたはDVDの形態のコンピュータ可読メディア700の一例を示す。コンピュータ可読メディアは、その上に記憶されたプログラム630を有する。
【0077】
概して、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装され得るが、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の計算装置によって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装され得る。本開示の実施形態の様々な態様がブロック図、フローチャートとして、またはいくつかの他の絵表示を使用して図示および説明されるが、本明細書で説明されるブロック、デバイス、システム、技術、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理、汎用ハードウェアもしくはコントローラ、または他の計算装置、あるいはそれらの何らかの組合せで実装され得ることを理解されたい。
【0078】
本開示はまた、非一時的コンピュータ可読記憶メディア上に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図3-5を参照して上述した方法300を実行するために、対象実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行される、プログラムモジュールに含まれるものなどのコンピュータ実行可能命令を含む。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、ライブラリ、物、クラス、成分、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能性は様々な態様において所望されるように、プログラムモジュール間で組み合わされ、または分割され得る。プログラムモジュールのための機械実行可能命令は、ローカル装置または分散装置内で実行され得る。分散型デバイスでは、プログラムモジュールがローカル記憶メディアとリモート記憶メディアの両方に配置することができる。
【0079】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得る。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサまたはコントローラに提供され得、その結果、プログラムコードはプロセッサまたはコントローラによって実行されたとき、フローチャートおよび/またはブロック図に指定された機能/動作を実装させる。プログラム・コードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にマシン上で、部分的にリモート・マシン上で、または完全にリモート・マシンもしくはサーバ上で実行することができる。
【0080】
本開示の文脈では、コンピュータプログラムコードまたは関連データが、装置、装置またはプロセッサが、上記で説明した様々なプロセスおよび動作を実行することを可能にするために、任意の適切なキャリアによって搬送され得る。キャリアの例は、信号、コンピュータ可読メディアなどを含む。
【0081】
コンピュータ可読メディアは、コンピュータ可読信号メディアまたはコンピュータ可読記憶メディアであり得る。コンピュータ可読メディアは、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくは装置、または前述のもの任意の適切な組合せを含み得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶メディアのより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せを含む。
【0082】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、またはすべての示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の説明に含まれるが、これらは本開示の範囲に対する制限としてではなく、むしろ特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で説明される特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態において別々に、または任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。
【0083】
本開示は構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語で説明されてきたが、
添付の特許請求の範囲で定義される本開示は必ずしも上述の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形成として開示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7