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特許7518210検出パッセージ、パッセージアセンブリ及びCT検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】検出パッセージ、パッセージアセンブリ及びCT検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240709BHJP
   G01N 23/046 20180101ALI20240709BHJP
【FI】
A61B6/03 521Z
A61B6/03 523C
G01N23/046
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022573352
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2021094267
(87)【国際公開番号】W WO2021238716
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】202010472665.8
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
【住所又は居所原語表記】Tsinghua University,Haidian District,Beijing 100084,P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 明志
(72)【発明者】
【氏名】王 子楠
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108614303(CN,A)
【文献】特開2010-083080(JP,A)
【文献】特表2006-502386(JP,A)
【文献】特開2014-048255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CT検出装置用の検出パッセージであって、
測定対象物体が前記検出パッセージを通過することを許可するように配置される、両端が開放された基部を含み、
ただし、前記検出パッセージは全体として炭素繊維複合材料により一体的に製造され、
前記炭素繊維複合材料は、順次に積層して設けられた炭素繊維層、アラミドハニカム紙層及びアラミド層を含み、
前記基部のパッセージ底板を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さは、前記基部の他の部分を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さよりも大きい、
CT検出装置用の検出パッセージ。
【請求項2】
前記炭素繊維層の厚さは0.1~0.5mmであり、前記アラミドハニカム紙層の厚さは1~10mmであり、前記アラミド層の厚さは0.1~0.5mmである、
請求項に記載の検出パッセージ。
【請求項3】
前記炭素繊維層は、前記検出パッセージの内側に位置する、
請求項に記載の検出パッセージ。
【請求項4】
前記基部の両端のうちの少なくとも1つには、伝送パッセージに接続されるように配置された接続面が設けられていることで、貫通するパッセージアセンブリを形成する、
請求項1~のいずれか一項に記載の検出パッセージ。
【請求項5】
前記基部の外側には、鉛板を取り付けるための少なくとも1つの環状部材が嵌設されている、
請求項1~のいずれか一項に記載の検出パッセージ。
【請求項6】
前記基部の外側には、鉛板が取り付けられていない領域が含まれることで、検出放射が前記領域から入射することを許可する、
請求項に記載の検出パッセージ。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の検出パッセージと、
前記検出パッセージの基部の両端のうちの少なくとも1つに接続且つ連通された、少なくとも1つの伝送パッセージとを含む、
CT検出装置用のパッセージアセンブリ。
【請求項8】
前記検出パッセージ及び伝送パッセージの底部に位置しており、伝送ベルトを通過させるように配置された、伝送ベルトパッセージをさらに含む、
請求項に記載のパッセージアセンブリ。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の検出パッセージを含む、
CT検出装置。
【請求項10】
放射源及び検知器が回転枠の上に設けられている前記回転枠と、
スリップリング軸受と、
支持フレームとをさらに含み、
前記支持フレームは、
軸受取付孔を含み、前記スリップリング軸受が前記軸受取付孔内に配置され、前記回転枠が前記スリップリング軸受上に回転可能に設けられた、本体部と、
前記本体部の底部に位置し、前記本体部を支持するように配置された、ベースと、
横断面は上が狭く且つ下が広いものを成し、上部が前記本体部に接続され、下部がベースに接続された、接続部とを含み、
ただし、前記検出パッセージは前記回転枠の取付空間内に配置された、
請求項に記載のCT検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射検出の分野に関し、具体的に、検出パッセージ、該検出パッセージを含むパッセージアセンブリ、及び該検出パッセージを含むCT検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、CT検出装置が動作する時に、測定対象物体が検出装置の一端から検出装置に入り、検出装置の他端から検出装置から離れる。該検出過程において、測定対象物体が移動する空間は、CT検出装置のパッセージである。パッセージの強度、剛度、耐摩耗性、組立難しさなどは、CT検出装置にとって極めて重要である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施例は、より大きい強度、剛度及び耐摩耗性をより少ない重量で実現しており、組立及びメンテナンスに有利となる、改良された検出パッセージ、該検出パッセージを含むパッセージアセンブリ、及び該検出パッセージを含むCT検出装置を提供している。
【0004】
本開示の1つの局面によれば、CT検出装置用の検出パッセージであって、測定対象物体が前記検出パッセージを通過することを許可するように配置される、両端が開放された基部を含み、ただし、前記検出パッセージは全体として炭素繊維複合材料により一体的に製造される、CT検出装置用の検出パッセージを提供している。
【0005】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記炭素繊維複合材料は、順次に積層して設けられた炭素繊維層、アラミドハニカム紙層及びアラミド層を含む。
【0006】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記炭素繊維層の厚さは0.1~0.5mmであり、前記アラミドハニカム紙層の厚さは1~10mmであり、前記アラミド層の厚さは0.1~0.5mmである。
【0007】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記炭素繊維層は、前記検出パッセージの内側に位置する。
【0008】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記基部の両端のうちの少なくとも1つには、伝送パッセージに接続されるように配置された接続面が設けられていることで、貫通するパッセージアセンブリを形成する。
【0009】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記基部の外側には、鉛板を取り付けるための少なくとも1つの環状部材が嵌設されている。
【0010】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記基部の外側には、鉛板が取り付けられていない領域が含まれることで、検出放射が前記領域から入射することを許可する。
【0011】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記基部のパッセージ底板を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さは、前記基部の他の部分を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さよりも大きい。
【0012】
本開示の別の局面によれば、前述の実施形態のいずれかに記載の検出パッセージと、前記検出パッセージの基部の両端のうちの少なくとも1つに接続且つ連通された、少なくとも1つの伝送パッセージとを含む、CT検出装置用のパッセージアセンブリを提供している。
【0013】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記パッセージアセンブリは、前記検出パッセージ及び伝送パッセージの底部に位置しており、伝送ベルトを通過させるように配置された、伝送ベルトパッセージをさらに含む。
【0014】
本開示の別の局面によれば、前述の実施例のいずれかに記載の検出パッセージを含む、CT検出装置を提供している。
【0015】
本開示の一つの例示的な実施例によれば、前記CT検出装置は、放射源及び検知器が回転枠上に設けられている前記回転枠と、スリップリング軸受と、支持フレームとをさらに含み、前記支持フレームは、軸受取付孔を含み、前記スリップリング軸受が前記軸受取付孔内に配置され、前記回転枠が前記スリップリング軸受上に回転可能に設けられた、本体部と、前記本体部の底部に位置し、前記本体部を支持するように配置された、ベースと、横断面は上が狭く且つ下が広いものを成し、上部が前記本体部に接続され、下部がベースに接続された、接続部とを含み、ただし、前記検出パッセージは前記回転枠の取付空間内に配置された。
【0016】
以下において、添付図面を参照して本開示を説明することにより、本開示の他の目的及び利点が明らかになり、本開示の全面的な理解を助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示の実施例によるCT検出装置の斜視図を示している。
図2図2は、図1に示すCT検出装置の側面図を示している。
図3図3は、図1に示すCT検出装置の正面図を示している。
図4図4は、図1に示すCT検出装置の下面図を示している。
図5図5は、本開示の実施例による支持フレームの斜視図を示している。
図6図6は、図5に示す支持フレームの正面図を示している。
図7図7は、図5に示す支持フレームの下面図を示している。
図8図8は、本開示の第1の実施例による支持フレームが図6における方向AAに沿って切り出された横断図を示している。
図9図9は、本開示の第2の実施例による支持フレームが図6における方向AAに沿って切り出された横断図を示している。
図10図10は、本開示の第3の実施例による支持フレームが図6における方向AAに沿って切り出された横断図を示している。
図11図11は、本開示の実施例による検出パッセージの斜視図を示している。
図12図12は、図11に示す検出パッセージの正面図を示している。
図13図13は、図11に示す検出パッセージの上面図を示している。
図14図14は、図11に示す検出パッセージの側面図を示している。
図15図15は、図11に示す検出パッセージを形成する材料の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例により、添付図面を結合して、本開示の技術案についてさらに具体的に説明する。明細書において、同一又は類似的な符号は、同一又は類似的な部品を示す。以下に添付図面を参照して本開示の実施形態を説明することは、本開示の全体的な発明構想を説明することを目的としており、本開示の制限であるとして理解すべきではない。
【0019】
なお、以下の詳細な説明では、説明の便宜上、本開示の実施例の全面的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかし、明らかに、1つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合には実施されてもよい。他の場合には、図面を簡略化するために、公知の構造および装置が図示された方法で具現化される。
【0020】
パッセージは、いくつかのセグメントでスティッチングされてなるものであってもよい。例えば、パッセージの大部はステンレス鋼板又は炭素鋼鋼板で加工されてなるものであって、中間に放射が通過する必要がある領域は炭素繊維又は他の放射に削減作用を有しない材料で製造する必要がある。このようなパッセージの組成の技術案は、鋼板パッセージ+炭素繊維パッセージ+鋼板パッセージである。パッセージ横断面の形状は一般的に閉じた矩形又は閉じた台形であるが、パッセージの炭素繊維部分は一般的に2つのL形の炭素繊維板でスティッチングされてなる。
【0021】
検出装置の取り付け及びメンテナンススペースの制限により、常にパッセージの内部にパッセージの各セグメントの接続作業を行う必要があり、これは人工操作に不便である。そして、パッセージは複数の短いセグメントで接続されると、パッセージ全体の剛性が不十分であることになるため、パッセージ下方の複数の位置に支持構造を増加させる必要がある。これは検出装置の複雑性を増加させ、それにより取り付け及びメンテナンス期間により多くの時間及びコストがかかる必要がある。
【0022】
上記の局面のうちの少なくとも1つの局面に対して、本開示の実施例は改良された技術案を提供している。以下、添付図面を用いて本開示の実施例をより詳細に説明する。
【0023】
図1図4に示すように、本開示の実施例はCT検出装置100を提供しており、支持フレーム10、スリップリング軸受20、回転枠30及び検出パッセージ50を含む。回転枠30はその上に放射源及び検知器が設けられており、スリップリング軸受20上に回転可能に設けられている。
【0024】
図5図10に示すように、支持フレーム10は、3つの部材を含んでおり、具体的に、本体部11、ベース13及び接続部14を含む。本体部11は軸受取付孔12を含んでおり、スリップリング軸受20が軸受取付孔12内に配置されている。ベース13は本体部11の底部に位置し、本体部11を支持するように配置された。図8の紙面に平行な方向に沿って切り出された接続部14の横断面は、上が狭く且つ下が広いものを成し、接続部14の上部が本体部11に接続され、接続部14の下部がベース13に接続された。このような配置で、本開示の実施例の支持材は、十分な剛度及び強度をより低い重量で実現することができ、さらに回転枠の振動を減少させている。
【0025】
図1図2に示すように、検出パッセージ50が回転枠30の取付空間内に配置されており、測定対象物体が検出パッセージ50内で検出放射により照射され、検知器によって戻された放射信号を受信することで、検出過程が完了する。図11図15に示すように、検出パッセージ50は両端が開放された基部51を含んでおり、該基部51は測定対象物体が検出パッセージ50を通過することを許可するように配置された。実施例において、検出パッセージ50は全体として炭素繊維複合材料で一体的に製造される。複数のセグメントのスティッチング過程を解消しているため、これはパッセージの取り付け過程を簡単化するのに役立つ。
【0026】
このように、検出パッセージに障害が発生した場合に、これは新しい検出パッセージを直接的に交換することを許可することで、メンテナンスのコスト及び時間が削減されている。
【0027】
実施例において、検出パッセージ50の横断面は、概して矩形、台形、方形などであってもよい。具体的な形状は必要に応じて設置することができる。
【0028】
図15に示すように、前記炭素繊維複合材料は、順次に積層して設けられた炭素繊維層50A、アラミドハニカム紙層50B及びアラミド層50Cを含む。前記炭素繊維複合材料は良好な耐摩耗性及び剛性を有し、重量が軽いという利点がある。実施例において、炭素繊維層50Aの厚さは0.1~0.5mmであり、好ましくは0.2~0.4mmである。実施例において、アラミドハニカム紙層50Bの厚さは1~10mmであり、好ましくは3~8mmであり、より好ましくは5mmである。アラミド層50Cの厚さは0.1~0.5mmであり、好ましくは0.2~0.4mmである。実施例において、前記炭素繊維層50Aは検出パッセージの内側に位置する。検出パッセージの内側が測定対象物体に接触すると、炭素繊維層50Aは所望の耐摩耗性を提供することで、測定対象物体の通過を容易にする。
【0029】
実施例において、前記基部51のパッセージ底板を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さは、前記基部51の他の部分を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さよりも大きい。実施例において、パッセージ底板を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さは、基部の他の部分を形成する炭素繊維複合材料のうちのアラミドハニカム紙層の厚さよりも1~10mm大きくしてもよく、好ましくは3~8mm大きく、より好ましくは5mm大きい。測定対象物体が前記検出パッセージを通過する場合、検出パッセージの基部51の底板は測定対象物体の重量により湾曲することない。
【0030】
図11に示すように、基部51の両端のうちの少なくとも1つには、伝送パッセージ60に接続されるように配置された接続面52が設けられていることで、貫通するパッセージアセンブリ70を形成する。実施例において、接続面52上に接続孔(例えば、ネジ孔)が含まれることで、接続材(例えば、ネジ)によって伝送パッセージ60を検出パッセージ50上に固定する。
【0031】
図11及び図13に示すように、基部51の外側には、鉛板を取り付けるための少なくとも1つの環状部材53が嵌設されている。図示の実施例において、検出パッセージ50は2つの円環部材を含む。基部51の外側には鉛板が取り付けられることで、放射が該領域から入射することを回避することができる。実施例において、基部51の外側には、鉛板が取り付けられていない領域が含まれることで、検出放射が前記領域から入射することを許可する。図示の実施例において、前記の鉛板が取り付けられていない領域は、2つの円環部材の間に位置する。当業者は、必要に応じて鉛板が取り付けられていない領域の位置を調整することができると理解すべきである。
【0032】
図1図2に示すように、CT検出装置100はパッセージアセンブリ70をさらに含んでおり、測定対象物体がパッセージアセンブリを通過することで検出過程が完了する。図1図2に示すように、パッセージアセンブリ70は検出パッセージ50及び少なくとも1つの伝送パッセージ60を含む。少なくとも1つの伝送パッセージ60は検出パッセージ50の基部51の両端のうちの少なくとも1つに接続且つ連通されることで、測定対象物体が伝送パッセージから検出パッセージへ伝送するか、検出パッセージから伝送パッセージへ伝送することを許可する。図示の実施例において、パッセージアセンブリ70は2つの伝送パッセージ60を含む。
【0033】
図12に示すように、パッセージアセンブリ70は検出パッセージ50及び伝送パッセージ60の底部に位置する伝送ベルトパッセージ72をさらに含んでいる。伝送ベルトパッセージ72は伝送ベルトを通過させるように配置されることで、測定対象物体が検出パッセージ及び伝送パッセージを通過することを許可する。
【0034】
図8に示す第1の実施例において、接続部14の横断面がヘリンボーンに形成されることで、十分な強度及び剛度を提供しながら支持フレームの重量を軽減している。重量の軽減に伴って支持フレームの移動性を向上させ、これも支持フレームの取り付け及び調節過程を容易にする。
【0035】
図9に示す第2の実施例において、接続部14の横断面が逆T形に形成されている。
【0036】
図10に示す第3の実施例において、接続部14の横断面が逆向きの樹枝状に形成されている。本開示の接続部は示される横断面の形状に限定されるものではなく、必要に応じて他の横断面の形状を設置することができる。
【0037】
図5に示すように、支持フレーム10は第1の支持板15をさらに含む。第1の支持板15は本体部11の周辺に配置されており、本体部11の軸方向に沿って外向きに延びている。実施例において、第1の支持板15は軸受取付孔12の上方に設けられており、半円形に形成してもよい。もちろん、第1の支持板15が半円形を成すことが図5に示されているが、当業者は必要に応じてそれを任意の他の適切な形状、例えば楕円形などに設計することができる。
【0038】
図5に示すように、支持フレーム10は複数の第1の補強リブ16をさらに含む。第1の補強リブ16は支持フレーム10の強度及び剛度を補強することができる。実施例において、各々の第1の補強リブ16の一方の側は第1の支持板15の側面に接続されており、この側に繋がれた第2の側は本体部11に接続されている。
【0039】
図示の実施例において、複数の第1の補強リブ16は、第1の支持板15の周方向に沿って均一に配置されている。当業者であれば理解できるように、複数の第1の補強リブは、必ずしも第1の支持板15の周方向に沿って均一に配置されている必要はなく、他の規則で配置されてもよく、例えば予め設定された間隔で配置されてもよい。なお、複数の第1の補強リブは、十字形格子リブに形成されてもよい。
【0040】
図5に示すように、支持フレーム10は複数の第2の補強リブ17をさらに含む。第2の補強リブ17は、支持材10の強度及び剛度を向上させることができる。各々の第2の補強リブ17は軸受取付孔12の外縁から下方へ本体部11の底部及び接続部14を介してベース13までに延びている。図示の実施例において、複数の第2の補強リブ17は偏平な形状を成し、互いに均一に離隔している。複数の第2の補強リブは、十字形格子リブに形成されてもよい。しかし、本開示の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は必要に応じて適宜調整することができる。
【0041】
図8図10に示すように、ベース13の内部には、複数の第3の補強リブ18が設けられている。第3の補強リブ18は、支持フレームの強度及び剛度を補強することができる。図示の実施例において、第3の補強リブ18が十字形に形成されている。
【0042】
実施例において、支持フレーム10は、本体部とベースとが一体的に形成されるように、全体鋳造成形の方式を採用して製造することができる。このような方式は、伝統の支持フレームとベースとの間の接続過程を減少していることで、加工作業量を削減している。このような過程は鋳アルミニウム材料を採用することができ、これにより支持フレームの重量をさらに軽減している。他の実施例において、このような過程は鋳鉄材料又は他の鋳造合金材料を採用することができる。
【0043】
代替的には、支持フレームの本体部及びベースは、それぞれ2つの別個の部品に作成されてから、2つの部品を1つの部品に接続してもよい。代替的に、本開示の実施例における支持フレームは、溶接によって製造してもよい。
【0044】
図1図2に示すように、CT検出装置100はベース13と一緒に組み立てられた少なくとも1つのベース延在部40をさらに含む。ベース延在部40が支持フレーム10のベース13と協働することで、ともにCT検出装置100を支持する。
【0045】
図1図4に示すように、本開示の実施例における支持フレーム10及び検出パッセージ50は協働して使用することができ、これによりCT検出装置の柔軟性を向上させている。小型物体を検出する必要がある場合、実施例における支持フレームの両端のうちの少なくとも一方端がベース延在部に接続され、それに応じて検出パッセージの両端のうちの少なくとも一方端に伝送パッセージが接続されるだけである。そして、メンテナンスを必要とする場合、ベース延在部及び伝送パッセージをそれぞれ支持フレーム及び検出パッセージとの接続を切断することができ、それによってそれぞれメンテナンスを行うことができ、ユーザーの使用に便利である。
【0046】
当業者であれば理解できるように、以上に記述された実施例はいずれも例示的であり、かつ当業者はそれを改善することができ、様々な実施例に記述された構造は構造又は原理上の衝突が発生しない状況で自由に組み合わせることができる。
【0047】
図面を参照しながら本開示を説明したが、図面に開示された実施例は本開示の好ましい実施形態を例示的に説明することを目的とし、本開示の制限であるとして理解すべきではない。
【0048】
本開示の全体的な発明構想を示すいくつかの実施例は既に表示され説明されるが、当業者であれば理解されるように、本開示の全体的な発明構想の原則及び精神から逸脱することなく、これらの実施例を変更することができ、本開示の範囲は特許請求の範囲及びそれらの均等物によって限定される。
【0049】
注意すべきこととしては、「含む」という用語は他の素子又はステップを排除するものではなく、「一」又は「一つ」という用語は複数を排除するものではない。また、請求項に記載の任意の素子の符号は本開示の範囲を限定するものと理解すべきではない。
【符号の説明】
【0050】
10 支持フレーム
11 本体部
12 軸受取付孔
13 ベース
14 接続部
15 第1の支持板
16 第1の補強リブ
17 第2の補強リブ
18 第3の補強リブ
20 スリップリング軸受
30 回転枠
40 ベース延在部
50 検出パッセージ
50A 炭素繊維層
50B アラミドハニカム紙層
50C アラミド層
51 基部
52 接続面
53 環状部材
60 伝送パッセージ
70 パッセージアセンブリ
72 伝送ベルトパッセージ
100 CT検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15