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特許7518211CT検出装置に用いられるロックユニット、および、CT検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】CT検出装置に用いられるロックユニット、および、CT検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240709BHJP
   A61B 6/58 20240101ALI20240709BHJP
   G01N 23/046 20180101ALI20240709BHJP
【FI】
A61B6/03 521D
A61B6/58 500B
G01N23/046
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022573617
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2021094357
(87)【国際公開番号】W WO2021238720
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】202010473343.5
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
【住所又は居所原語表記】Tsinghua University,Haidian District,Beijing 100084,P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 明志
(72)【発明者】
【氏名】王 子楠
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 立国
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0258428(US,A1)
【文献】中国実用新案第203576528(CN,U)
【文献】特開2000-116641(JP,A)
【文献】特開2013-167347(JP,A)
【文献】特開2016-075346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁に少なくとも1つの第一孔が設けられている回転フレームと、前記回転フレームに取り付けられた放射源と、前記回転フレームに取り付けられた検知器と、を含むCT結像システムと、
スリップリング軸受を介して前記回転フレームを固定し、周縁に少なくとも1つの前記第一孔と位置合わせる少なくとも1つの第二孔が設けられている支持枠と、
位置合わせされた前記第一孔及び第二孔に取り外し可能に接合され、前記スリップリング軸受を交換する時に前記回転フレームをロックするように、第一ロック部と連携する第一連携部を含む第一スリーブと、を含
前記第一スリーブは、前記第一孔に接合する第一筒形部分と、前記第二孔に接合する第二筒形部分と、を含み、
前記第一筒形部分の外面と前記第一孔の内面とには、ねじが設けられており、及び/又は
前記第二筒形部分の外面と前記第二孔の内面とには、ねじが設けられている、
CT検出装置。
【請求項2】
前記第一筒形部分の直径は、前記第二筒形部分の直径よりも小さく、前記第一筒形部分と第二筒形部分とは、段差部により接続されており、
前記第一孔の直径は、前記第二孔の直径よりも小さい、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項3】
前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、スクリューとして形成される、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第一孔は、前記回転フレームの周縁に均一に分布する複数の第一孔を含み、さらに、
前記少なくとも1つの第二孔は、前記支持枠の収容キャビティの周辺に均一に分布する複数の第二孔を含み、前記回転フレームは、前記収容キャビティ内に取り付けられる、
請求項1に記載のCT検出装置。
【請求項5】
前記第一スリーブの末端の端面は、位置決め面である、
請求項1に記載のCT検出装置。
【請求項6】
第二スリーブをさらに含み、
前記第二スリーブは、前記第一スリーブが前記第一孔及び第二孔から除去された場合に前記第二孔内に取り外し可能に接合され、且つ、第二連携部を含むように構成され、
前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記第二連携部と、前記第一孔と、第二ロック部とは、連携する、
請求項1~のいずれか一項に記載のCT検出装置。
【請求項7】
前記第二スリーブの外面と前記第二孔の内面とは、ねじを含む、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項8】
前記第二連携部は、前記第二スリーブの内部のピンホールとして形成され、前記第二ロック部は、ピンとして形成され、前記ピンは、前記第一孔と前記第二スリーブの内部のピンホールとに挿入される、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項9】
前記ピンホールと前記第一孔との内直径は、前記ピンの外直径にほぼ等しい、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項10】
前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、ピンとして形成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記ピンは、前記第一孔と前記第一連携部とに挿入される、
請求項に記載のCT検出装置。
【請求項11】
スリップリング軸受を介して固定された支持枠とCT結像システムの回転フレームとを含むCT検出装置に用いられるロックユニットであって、
前記回転フレームに設けられている少なくとも1つの第一孔と、
前記支持枠に設けられ、少なくとも1つの前記第一孔と位置合わせ得るように構成される少なくとも1つの第二孔と、
位置合わせされた前記第一孔と第二孔との内に取り外し可能に接合され、第一連携部を含む第一スリーブと、
前記スリップリング軸受を交換する時に前記回転フレームをロックするように、前記第一連携部と連携する第一ロック部と、を含
前記第一スリーブは、前記第一孔に接合する第一筒形部分と、前記第二孔に接合する第二筒形部分と、をさらに含み、
前記第一筒形部分の外面と前記第一孔の内面とには、ねじが設けられており、及び/又は
前記第二筒形部分の外面と前記第二孔の内面とには、ねじが設けられている、
ロックユニット。
【請求項12】
前記第一筒形部分の直径は、前記第二筒形部分の直径よりも小さく、前記第一筒形部分と第二筒形部分とは、段差部により接続されており、
前記第一孔の直径は、前記第二孔の直径よりも小さい、
請求項11に記載のロックユニット。
【請求項13】
前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、スクリューとして形成され、前記第一スリーブの末端の端面は、位置決め面である、
請求項11に記載のロックユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第一孔は、前記回転フレームの周縁に均一に分布する複数の第一孔を含み、さらに、
前記少なくとも1つの第二孔は、前記支持枠の収容キャビティの周辺に均一に分布する複数の第二孔を含み、前記回転フレームは、前記収容キャビティ内に取り付けられる、
請求項11に記載のロックユニット。
【請求項15】
第二スリーブをさらに含み、
前記第二スリーブは、前記第一スリーブが前記第一孔及び第二孔から除去された場合に前記第二孔内に取り外し可能に接合され、且つ、第二連携部を含むように構成され、
前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記第二連携部と、前記第一孔と、第二ロック部とは、連携する、
請求項1114のいずれか一項に記載のロックユニット。
【請求項16】
前記第二スリーブの外面と前記第二孔の内面とは、ねじを含む、
請求項15に記載のロックユニット。
【請求項17】
前記第二連携部は、前記第二スリーブの内部のピンホールとして形成され、前記第二ロック部は、ピンとして形成され、前記ピンは、前記第一孔と前記第二スリーブの内部のピンホールとに挿入され、前記ピンホールと前記第一孔との内直径は、前記ピンの外直径にほぼ等しい、
請求項15に記載のロックユニット。
【請求項18】
前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、ピンとして形成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記ピンは、前記第一孔と前記第一連携部とに挿入される、
請求項11に記載のロックユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出技術分野に関し、具体的にCT検出装置に用いられるロックユニット、および、CT検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCT検出装置において、放射源及び検知器は回転フレームに取り付けられ、該回転フレームはスリップリング軸受を介して支持枠に取り付けられ、かつその中心軸線周りに回転することができ、それにより断層撮影を実現する。前記回転フレームとそれに取り付けられた部品とを総称してCT結像システムと呼ぶ。
【0003】
回転フレームは、スリップリング軸受を介して支持枠に固定され、マルチモータにより回転を駆動する。CT検出装置が作動する時、CT結像システムの回転運動を利用して結像を実現する。CT結像システムは、構成が複雑であり、体積が大きく、質量も大きいので、重心と回転中心とは重ならない。したがって、検出装置のメンテナンス時に、CT結像システムは、任意の角度の位置に停止することができず、検出装置のメンテナンスを容易にするために、補助ロック装置を追加してCT結像システムをロックする必要がある。また、スリップリング軸受を交換する時に、メンテナンス作業量を簡略化するために、新しいスリップリング軸受を交換して支持枠に取り付けた後にCT結像システムを早急に回復することができるように、スリップリング軸受とCT結像システムとを分離した後、CT結像システムを元の位置に保持する必要があるので、CT結像システムのロック手段を設ける必要がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本開示において、CT検出装置をメンテナンスする時に、CT結像システムは任意の角度の位置に停止することが望ましい。また、スリップリング軸受を交換する時に、メンテナンス作業を簡略化するように、古いスリップリング軸受を取り外した後にCT結像システムを元の位置に保持することが望ましい。
【0005】
したがって、本開示は、上記問題のうち少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0006】
本開示の一局面は、周縁に少なくとも1つの第一孔が設けられている回転フレームと、前記回転フレームに取り付けられた放射源と、前記回転フレームに取り付けられた検知器と、を含むCT結像システムと、スリップリング軸受を介して前記回転フレームを固定し、周縁に少なくとも1つの前記第一孔と位置合わせる少なくとも1つの第二孔が設けられている支持枠と、位置合わせされた前記第一孔と第二孔との内に取り外し可能に接合され、前記スリップリング軸受を交換する時に前記回転フレームをロックするように、第一ロック部と連携する第一連携部を含む第一スリーブと、を含む、CT検出装置を提供する。
【0007】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一スリーブは、前記第一孔に接合する第一筒形部分と、前記第二孔に接合する第二筒形部分と、を含み、前記第一筒形部分の外面と前記第一孔の内面とには、ねじが設けられており、及び/又は前記第二筒形部分の外面と前記第二孔の内面とには、ねじが設けられている。
【0008】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一筒形部分の直径は、前記第二筒形部分の直径よりも小さく、前記第一筒形部分と第二筒形部分とは、段差部により接続されており、前記第一孔の直径は、前記第二孔の直径よりも小さい。
【0009】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、スクリューとして形成される。
【0010】
本開示の例示的な実施例によれば、前記少なくとも1つの第一孔は、前記回転フレームの周縁に均一に分布する複数の第一孔を含み、さらに、前記少なくとも1つの第二孔は、前記支持枠の収容キャビティの周辺に均一に分布する複数の第二孔を含み、前記回転フレームは、前記収容キャビティ内に取り付けられる。
【0011】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一スリーブの末端の端面は、位置決め面である。
【0012】
本開示の例示的な実施例によれば、前記CT検出装置は第二スリーブをさらに含み、前記第二スリーブは、前記第一スリーブが前記第一孔及び第二孔から除去された場合に前記第二孔内に取り外し可能に接合され、且つ、第二連携部を含むように構成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記第二連携部と、前記第一孔と、第二ロック部とは、連携する。
【0013】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第二スリーブの外面と前記第二孔の内面とは、ねじを含む。
【0014】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第二連携部は、前記第二スリーブの内部のピンホールとして形成され、前記第二ロック部は、ピンとして形成され、前記ピンは、前記第一孔と前記第二スリーブの内部のピンホールとに挿入される。
【0015】
本開示の例示的な実施例によれば、前記ピンホールと前記第一孔との内直径は、前記ピンの外直径にほぼ等しい。
【0016】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、ピンとして形成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記ピンは、前記第一孔と前記第一連携部とに挿入される。
【0017】
本開示の他の局面は、スリップリング軸受を介して固定された支持枠とCT結像システムの回転フレームとを含むCT検出装置に用いられるロックユニットであって、前記回転フレームに設けられている少なくとも1つの第一孔と、前記支持枠に設けられ、少なくとも1つの前記第一孔と位置合わせ得るように構成される少なくとも1つの第二孔と、位置合わせされた前記第一孔と第二孔との内に取り外し可能に接合され、第一連携部を含む第一スリーブと、前記スリップリング軸受を交換する時に前記回転フレームをロックするように、前記第一連携部と連携する第一ロック部と、を含む、ロックユニットを提供する。
【0018】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一スリーブは、前記第一孔に接合する第一筒形部分と、前記第二孔に接合する第二筒形部分と、をさらに含み、前記第一筒形部分の外面と前記第一孔の内面とには、ねじが設けられており、及び/又は前記第二筒形部分の外面と前記第二孔の内面とには、ねじが設けられている。
【0019】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一筒形部分の直径は、前記第二筒形部分の直径よりも小さく、前記第一筒形部分と第二筒形部分とは、段差部により接続されており、前記第一孔の直径は、前記第二孔の直径よりも小さい。
【0020】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、スクリューとして形成され、前記第一スリーブの末端の端面は、位置決め面である。
【0021】
本開示の例示的な実施例によれば、前記少なくとも1つの第一孔は、前記回転フレームの周縁に均一に分布する複数の第一孔を含み、さらに、前記少なくとも1つの第二孔は、前記支持枠の収容キャビティの周辺に均一に分布する複数の第二孔を含み、前記回転フレームは、前記収容キャビティ内に取り付けられる。
【0022】
本開示の例示的な実施例によれば、前記ロックユニットは、第二スリーブをさらに含み、前記第二スリーブは、前記第一スリーブが前記第一孔及び第二孔から除去された場合に前記第二孔内に取り外し可能に接合され、且つ、第二連携部を含むように構成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記第二連携部と、前記第一孔と、第二ロック部とは、連携する。
【0023】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第二スリーブの外面と前記第二孔の内面とは、ねじを含む。
【0024】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第二連携部は、前記第二スリーブの内部のピンホールとして形成され、前記第二ロック部は、ピンとして形成され、前記ピンは、前記第一孔と前記第二スリーブの内部のピンホールとに挿入され、前記ピンホールと前記第一孔との内直径は、前記ピンの外直径にほぼ等しい。
【0025】
本開示の例示的な実施例によれば、前記第一連携部は、前記第一筒形部分の内面におけるねじ、または、前記第一筒形部分と第二筒形部分との内面におけるねじとして形成され、前記第一ロック部は、ピンとして形成され、前記CT検出装置をメンテナンスする時に前記回転フレームをロックするように、前記ピンは、前記第一孔と前記第一連携部とに挿入される。
【0026】
以下に図面を参照して本開示に対して行われた説明により、本開示の他の目的及び利点は明らかであり、かつ本開示を全面的に理解することに助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本開示の実施例に係るCT検出装置を示す。
図2図2は、本開示の実施例に係る回転フレームを示す。
図3図3は、本開示の実施例に係る支持枠を示す。
図4図4は、本開示の実施例に係る第一スリーブを示す。
図5図5は、本開示の実施例に係る第二スリーブを示す。
図6図6は、本開示の実施例に係る、メンテナンス状態にあるCT検出装置の一部の断面図を示す。
図7図7は、本開示の実施例に係る、スリップリング軸受を交換する状態にあるCT検出装置の一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、実施例により、かつ図面を参照しながら、本開示の技術案をさらに具体的に説明する。明細書において、同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品を示す。以下に図面を参照して本開示の実施形態に対する説明は、本開示の全体的な発明思想を説明することを目的とし、本開示に対する制限であると理解すべきではない。
【0029】
また、以下の詳細な説明において、説明を容易にするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解を提供する。しかしながら、1つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得ると言うまでもない。他の場合、公知の構成及び装置は、図面を簡略化するように図示にて表す。
【0030】
本開示の1つの実施例において、CT検出装置をメンテナンスする場合、支持枠の両側にそれぞれ1つの円柱ピンホールが設置され、回転フレームの円周にいくつかの円柱ピンホールが設置され、CT結像システムが適切な位置に回転した場合、1つの円柱ピンを用いて同時に回転フレームと支持フレーム上の円柱ピンホールとを貫通し、円柱ピンを利用して回転フレームを所望の位置に固定する。スリップリング軸受を交換する時、支持枠に2つの固定ブロックを取り付け、かつ固定ブロックの他端を回転フレームに固定する。
【0031】
上記実施形態のロック手段は、CT検出装置のメンテナンス及びスリップリング軸受の交換時に必要なロックを実現することができるが、上記技術案には、部品の加工作業量が大きく、占用する空間が大きく、コストが高いというデメリットがある。固定ブロックは、ランダムな付属品とし、使用回数が少ないが、長期保存する必要があり、体積が大きいので、保存する時に占用する空間が大きい。
【0032】
上記デメリットのうちの少なくとも1つについて、本開示の他の実施例は、改善された技術案を提供する。以下に、図面を参照するとともに本開示をより詳細に説明する。
【0033】
図1~4に示すように、本開示の実施例は、CT結像システム110と、支持枠120と、第一スリーブ130と、を含むCT検出装置100を提供する。CT結像システム110は、放射源と、検知器と、回転フレーム111と、を含み、前記放射源及び検知器は、回転フレーム111に取り付けられる。回転フレーム111の周縁には、少なくとも1つの第一孔112が設けられている。回転フレーム111は、スリップリング軸受を介して支持枠120に固定されている。支持枠120の周縁には、少なくとも1つの第一孔112に位置合わせる少なくとも1つの第二孔122が設けられている。少なくとも1つの第一孔112が少なくとも1つの第二孔122に位置合わせされた場合、第一スリーブ130は、取り外し可能に位置合わせされた第一孔112と第二孔122との内に接合される。図4及び図7に示すように、第一スリーブ130は、第一連携部133を含み、第一連携部133は、前記スリップリング軸受を交換する時に回転フレーム111をロックするように、第一ロック部150と連携する。このように、前記実施例は、少ない部品数及び構造を利用してスリップリング軸受を交換する時に回転フレームに対するロックを実現し、これによりメンテナンスの作業を簡略化する。
【0034】
実施例において、放射源は、例えば、X線、ガンマ(γ)線、中性子線のうちの一種又は複数種の、物体を検出するための放射線を提供する。前記放射源は、例えば加速器、同位体源、または、X線機などであってもよい。実施例では、検知器は、放射源から発せられた放射線を検出可能に構成されている。
【0035】
図2に示すように、回転フレーム111は、複数の第一孔112を含み、複数の第一孔112は、回転フレーム111の周縁に均一に分布する。図3に示すように、支持枠120は、収容キャビティ121を含み、回転フレーム111は、収容キャビティ121に取り付けられる。支持枠120は、複数の第二孔122を含み、複数の第二孔122は、収容キャビティ121の周辺に均一に分布する。図2及び図3に示す例は模式的なものであり、当業者は必要に応じて第一孔と第二孔との数及び位置を調整することができる。
【0036】
図4に示すように、第一スリーブ130は、第一筒形部分131と、第二筒形部分132と、を含む。第一筒形部分131は、第一孔112に接合され、第二筒形部分132は、第二孔122に接合される。実施例において、第二筒形部分132の外面には、雄ねじが設けられており、第二孔122の内面には、雌ねじが設けられており、それにより、第二筒形部分132と第二孔122とは、螺合されている。実施例において、第一筒形部分131の外面には、雄ねじが設けられており、第一孔112の内面には、雌ねじが設けられており、それにより、第一筒形部分131と第一孔112とは、螺合されている。当業者は、必要に応じて2つの筒形部分のうちの1つ又は2つに雄ねじを設けて対応する孔内の雌ねじに合わせることができる。
【0037】
図4に示すように、第一筒形部分131の直径は、第二筒形部分132の直径よりも小さい。実施例において、第一スリーブ130は、第一スリーブ部分131と第二スリーブ部分132とを接続する段差部134をさらに含む。
【0038】
実施例において、第一筒形部分131の内面には、ねじが設けられて、第一連携部133が形成され、第一連携部133は、第一ロック部150(例えば、スクリュー)と連携して回転フレームのロックを実現する。このようにして、新たなスリップリング軸受を取り付けた後にCT結像システムを改めて位置決めすることを回避することができ、それにより事後操作を容易にする。さらに、本開示の技術案は、構造が簡単で体積が小さい第一ロック部(例えば、スクリュー)を使用し、固定ブロックと比べて、部品加工の作業量及びロック部品が占有する部品空間を減少させ、回転フレームのサイズを減少させることを可能にする。当業者であれば理解できるように、第一筒形部分131と第二筒形部分132の内面にはいずれもねじが設けられてもよく、それに応じて、第一ロック部150は、第一筒形部分と第二筒形部分との両者の内面におけるねじと同時に連携してロックを実現する。当業者は、必要に応じて具体的な設定方式を選択することができる。
【0039】
実施例において、スリップリング軸受を交換する必要がある場合、第一スリーブ130を第一孔112及び第二孔122内に取り付け、回転フレーム111を適切な位置に回転させ、この時に第一スリーブ130の端部と正常な操作位置の回転フレーム111の面とは貼り合わせ状態にあり、次に第一ロック部150は、第一連携部133と連携してロックを実現する。このような状況で、回転フレームの位置が正常に動作する時の位置と同じであることを確保するように、第一スリーブの端部は、位置決め面として形成される。
【0040】
実施例において、CT検出装置をメンテナンスする必要がある場合、第一ロック部を第一連携部と連携して、回転フレームを固定し、回転フレームを任意の角度の位置に固定することを可能にする。このように、本開示の実施形態は、スリップリング軸受の交換とCT検出装置のメンテナンスとの2つの場合に使用される2セットのロックユニットを1セットのロックユニットに統合することにより、少ない部品数及び構造で異なる応用シーンでのCT結像システムに対するロック要求を実現する。さらに、本開示の実施例は、ロック機能を便利で迅速に実現することができ、部品の体積が小さくて収納しやすい。当業者であれば理解できるように、CT検出装置をメンテナンスする必要がある場合、第一ロック部と異なる他のロック部、例えばピンを使用してもよい。
【0041】
実施例において、CT検出装置100は、第二スリーブ140をさらに含み、第二スリーブ140は、第二孔122と連携して使用するように構成される。実施例において、第二スリーブ140の外面には、雄ねじが設けられており、第二孔122の内面には、雌ねじが設けられており、それにより第二スリーブ140は、第二孔122の内に螺合される。
【0042】
図5に示すように、第二スリーブ140は、第二連携部141を含み、第二連携部141は、CT検出装置100をメンテナンスする時に回転フレーム111をロックするように、第二ロック部160と連携する。実施例において、第二スリーブ140の内部には、ピンホールが形成され、前記ピンホールは、第二ロック部160(例えば、ピン)と連携するように第二連携部141として形成される。図6に示すように、ピンは、第一孔112と第二スリーブ140の内部のピンホールとに挿入され、それにより回転フレーム111を所望の位置に停止する。実施例において、前記ピンホール及び第一孔112の内直径は、前記ピンの外直径にほぼ等しい。当業者であれば理解できるように、第二スリーブ140の内部には、ねじ穴が形成され、前記ねじ穴は、第二ロック部(例えば、スクリュー)と連携するように第二連携部として形成されてもよい。
【0043】
実施例において、第二スリーブ140は、CT検出装置100が正常に動作する時に、第二孔122内に位置することができる。CT検出装置100をメンテナンスする必要がある場合、回転フレーム111の固定を実現するように、第二ロック部を第二嵌合部に挿入する。スリップリング軸受を交換する必要がある場合、図7に示すように、第二スリーブ140を第二孔122から除去し、第一スリーブ130を第二孔122及び第一孔112内に取り付け、次に第一ロック部を取り付けて回転フレーム111をロックする。このように、本開示の実施例は、少ない部品数及び構造で異なる応用シーンでのCT結像システムに対するロック要求を実現し、且つロック機能を便利かつ迅速に実現することができる。
【0044】
実施例において、第一スリーブと第二スリーブとは、いずれもスクリューから変更してなることができ、例えば、完成品であるヘキサゴンラウンドヘッドスクリュー(hexagon round head screw)から変更してなることにより、コストを低減し、部品加工の作業量を低減する。
【0045】
当業者であれば理解されるように、上記記載の実施例は、いずれも例示的であり、かつ当業者は、それを改善することができ、それぞれの実施例に記載の構造は、構造又は原理上の衝突が発生さずに自由に組み合わせることができる。
【0046】
図面を参照しながら本開示を説明したが、図面に開示された実施例は、本開示の好ましい実施形態を例示的に説明することを目的とし、本開示に対する制限として理解することができない。
【0047】
本発明の趣旨のいくつかの実施例は既に表示されて説明されたが、当業者であれば理解されるように、本発明の趣旨および精神から逸脱することなく、これらの実施例を変更することができ、本開示の範囲は特許請求の範囲及びそれらの等価物によって限定される。
【0048】
なお、「含む」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、「1」又は「1つ」という用語は、複数を排除するものではない。また、特許請求の範囲におけるいずれの部品の符号は、本開示の範囲を限定するものと理解すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7