(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】協働ロボットアーム及びその関節モジュール
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B25J17/00 E
(21)【出願番号】P 2023048651
(22)【出願日】2023-03-24
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】202211230239.9
(32)【優先日】2022-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320007686
【氏名又は名称】深▲せん▼市越疆科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN YUEJIANG TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 重彬
(72)【発明者】
【氏名】姜 宇
(72)【発明者】
【氏名】雷 応波
(72)【発明者】
【氏名】叶 偉智
(72)【発明者】
【氏名】王 倫
(72)【発明者】
【氏名】張 明
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112454419(CN,A)
【文献】特開2020-192661(JP,A)
【文献】特開2018-54489(JP,A)
【文献】国際公開第2021/104948(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
協働ロボットアームに用いられる関節モジュールであって、
前記関節モジュールは、関節ハウジングと、駆動アセンブリと、マルチコイルアブソリュートエンコーダとを備え、
前記駆動アセンブリは、出力軸と、前記関節ハウジング内に嵌設されたステータと、前記出力軸の外周を包むように設けられ且つ前記ステータの内側に位置するロータとを含み、
前記関節モジュールは、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダのみにより前記出力軸の角位置を検出し、且つ前記出力軸の回転数を記録し、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、軸受孔が形成され且つ前記関節ハウジングと取り外し可能に連接されるベースと、前記ベースの軸受孔内に嵌設される軸受と、回転軸と、エンコードディスクと、回路基板とを含み、
前記回転軸は、前記軸受の内輪に嵌設される接続部と、前記接続部の一端に接続され且つ前記軸受の一方側から延出する挿脱部と、前記接続部の他端に接続され且つ前記軸受の他方側から延出する外延部とを含み、
前記回転軸は、前記挿脱部を介して前記駆動アセンブリの出力軸と着脱可能に接続され、
前記エンコードディスクは、前記外延部と連接され、
前記回路基板は、前記ベースと連接され、且つ読取ヘッドが設けられており、
前記読取ヘッドは、前記エンコードディスクと協力して前記出力軸の角位置を検出することを特徴とする協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項2】
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、磁気電気式に設置され、前記エンコードディスクは、磁気グリッドディスクに設置され、前記回路基板は、前記ベースの前記エンコードディスクに向かう側に固定され、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、光電式に設置され、前記エンコードディスクは、ラスタディスクに設置され、
前記ベースは、外段差部と、前記外段差部に連接される内段差部とを含み、
前記内段差部は、前記回転軸の径方向において前記外段差部よりも前記回転軸に近く、前記内段差部の前記回転軸の軸方向における厚さは、前記外段差部の前記回転軸の軸方向における厚さよりも大きく、
前記軸受孔は、前記内段差部に設けられ、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、前記ベースに接続された上部カバーを含み、
前記上部カバーは、外筒状側壁と、前記外筒状側壁の一端に接続されるトップカバーとを含み、前記外筒状側壁は、前記外段差部で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項3】
前記ベースは、前記内段差部と前記外段差部とを連結する中間段差部を含み、
前記中間段差部は、前記回転軸の径方向において前記内段差部と前記外段差部との間に位置し、
前記中間段差部の前記回転軸の軸方向における厚さは、前記内段差部の前記回転軸の軸方向における厚さと前記外段差部の前記回転軸の軸方向における厚さとの間に位置し、
前記エンコードディスクは、前記回転軸の軸方向に沿って前記ベースに正投影される時に前記中間段差部と部分的に重なり、
前記エンコードディスクと前記中間段差部との前記回転軸の軸方向における間隔は、前記エンコードディスクと前記内段差部との前記回転軸の軸方向における間隔よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項4】
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、前記中間段差部に設けられる光源を含み、
前記回路基板は、前記回転軸の軸方向において前記エンコードディスクと前記トップカバーとの間に位置し、
前記光源は、前記エンコードディスクに検出信号を送信するために用いられ、
前記読取ヘッドは、前記エンコードディスクを通過する検出信号を受信するために用いられることを特徴とする請求項3に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項5】
前記回転軸の径方向における前記回路基板の外径は、前記回転軸の径方向における前記エンコードディスクの外径よりも大きく、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、前記回転軸の周りで間隔をあけて設けられる複数の支持柱を含み、前記支持柱は、前記中間段差部と前記回路基板との間に支持され、且つ前記エンコードディスクの周辺に位置することを特徴とする請求項4に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項6】
前記外延部は、前記軸受孔を完全に覆うように、前記回転軸の軸方向に沿って前記ベースに正投影された時に前記内段差部と部分的に重なることを特徴とする請求項2に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項7】
前記外延部は、前記接続部に接続され且つ前記接続部を取り囲む第1の外延セグメントと、前記第1の外延セグメントと連接され且つ前記第1の外延セグメントを取り囲む第2の外延セグメントとを含み、
前記第1の外延セグメントは、前記回転軸の軸方向に沿って前記軸受の内輪を圧持し、且つ前記回転軸の軸方向に沿って前記ベースに正投影される時に前記軸受孔内に落下し、
前記第2の外延セグメント、前記軸受の外輪及び前記ベースは、前記回転軸の軸方向において間隔を置いて設けられ、
前記第2の外延セグメントは、前記回転軸の軸方向に沿って前記ベースに正投影される時に前記内段差部と部分的にオーバラップし、
前記第2の外延セグメントの前記回転軸の軸方向における厚さは、前記第1の外延セグメントの前記回転軸の軸方向における厚さよりも小さく、前記エンコードディスクは、前記第2の外延セグメントの前記軸受から離反する側に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項8】
前記回転軸は、中空構造に成形され、前記上部カバーは、前記トップカバーに接続される内筒状側壁を含み、前記内筒状側壁は、前記外筒状側壁と前記トップカバーの同側に向かって同方向に延び、前記内筒状側壁は、前記回転軸の軸方向に沿って前記回転軸の内部に部分的に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項9】
前記内筒状側壁と前記回転軸は、前記回転軸の径方向における隙間が0.1mm~1mmであることを特徴とする請求項8に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項10】
前記内筒状側壁は、前記回転軸の軸方向において前記回転軸を挿入する深さが1mm~3mmであることを特徴とする請求項8に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項11】
前記挿脱部の外径は、前記挿脱部が前記出力軸内に挿入され、さらに一対の接触面を形成するように、前記回転軸の軸方向で且つ前記外延部から離れる方向に沿って徐々に小さくなり、
前記ベースが固定された後、前記回転軸の軸方向に沿って前記一対の接触面に圧縮力を与え、前記回転軸が前記一対の接触面の間での摩擦力によって前記出力軸に追従して回動するようにすることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項12】
前記挿脱部の外輪郭面と前記回転軸の軸方向との間の角度は、2°~33°であることを特徴とする請求項11に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項13】
前記挿脱部の最小外径と最大外径の差の絶対値と前記挿脱部の最大外径との比は、0.05~0.2であることを特徴とする請求項12に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項14】
前記挿脱部は、前記回転軸の軸方向において前記出力軸を挿入する深さが6mm~10mmであることを特徴とする請求項12に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項15】
前記回転軸の軸方向に沿って見ると、前記ベースのエッジ領域には、前記回転軸の周りに間隔を置いて設けられた複数の取付孔が設けられ、前記ベースは、前記取付孔において締結具によって固定され、前記取付孔の中心と前記軸受孔の中心との間には第1の距離を有し、前記第1の距離は、26mm~40mmであり、
前記取付孔は、前記ベースが固定される前後で前記回転軸の軸方向に沿って第2の距離を移動し、前記第2の距離は、0.1~1mmであることを特徴とする請求項11に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項16】
協働ロボットアームに用いられる関節モジュールであって、
前記関節モジュールは、関節ハウジングと、駆動アセンブリと、減速アセンブリと、マルチコイルアブソリュートエンコーダとを備え、
前記駆動アセンブリは、出力軸と、前記関節ハウジング内に嵌設されたステータと、前記出力軸の外周を包むように設けられ且つ前記ステータの内側に位置するロータとを含み、
前記減速アセンブリは、前記出力軸に連接され、前記減速アセンブリの出力端子には、エンコーダが設けられていなく、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、
前記出力軸の角位置を検出し、且つ前記出力軸の回転数を記録
し、
前記関節ハウジングと取り外し可能に連接されるベースと、
回転軸と、
ラスタディスクと、
前記出力軸の角位置を検出するために前記ラスタディスクと協働する読取ヘッドが設けられた回路基板と、
を備えて一体構造を構成し、且つ全体として前記出力軸に取り付けられるかまたは全体として前記出力軸から取り外されることを特徴とする協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項17】
前記ベースに軸受孔が形成され、
前記ラスタディスクは外延部に接続され
、
前記回路基板は前記ベースに接続され
、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、光電式に設置され、
前記ベースの軸受孔内に嵌設された軸受と、
前記ラスタディスクをカバーするように前記ベースに接続される上部カバーと、
前記回転軸の回りに間隔を空けて設けられた複数の支持柱と、
前記ベースに固定された光源と、を
さらに備え、
前記回転軸は、前記軸受の内輪に嵌設される接続部と、前記接続部の一端に接続され且つ前記軸受の一方側から延出する挿脱部と、前記接続部の他端に接続され且つ前記軸受の他方側から延出する外延部とを含み、
前記回転軸は、前記挿脱部を介して前記出力軸に着脱可能に接続し、
前記支持柱は、前記ベースと前記回路基板との間に支持され、且つ前記ラスタディスクの外周に位置し、
前記光源は、前記ラスタディスクに検出信号を送信するために用いられ、
前記読取ヘッドは、前記ラスタディスクを通過する検出信号を受信するために用いられることを特徴とする請求項16に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項18】
前記挿脱部の外径は、前記挿脱部が前記出力軸に挿入されるように、前記回転軸の軸方向に沿って前記外延部から離れる方向に徐々に小さくなり、さらに一対の接触面が形成され、
前記ベースは固定された後、前記回転軸の軸方向に沿って前記一対の接触面に圧縮力を与え、前記回転軸が前記一対の接触面の間の摩擦力によって前記出力軸に追従して回動するようにすることを特徴とする請求項17に記載の協働ロボットアームに用いられる関節モジュール。
【請求項19】
協働ロボットアームであって、
前記協働ロボットアームは、関節モジュールを備え、
前記関節モジュールは、関節ハウジングと、駆動アセンブリと、マルチコイルアブソリュートエンコーダと、エンコードディスクと、回路基板とを含み、
前記駆動アセンブリは、出力軸と、前記関節ハウジング内に嵌設されたステータと、前記出力軸の外周を包むように設けられ、且つ前記ステータの内側に位置するロータとを含み、
前記関節モジュールは、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダのみにより前記出力軸の角位置を検出し、且つ前記出力軸の回転数を記録し、
前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、軸受孔が形成され且つ前記関節ハウジングと取り外し可能に連接されるベースと、前記ベースの軸受孔内に嵌設される軸受と、回転軸とを含み、
前記回転軸は、前記軸受の内輪に嵌設される接続部と、前記接続部の一端に接続され且つ前記軸受の一方側から延出する挿脱部と、前記接続部の他端に接続され且つ前記軸受の他方側から延出する外延部とを含み、
前記回転軸は、前記挿脱部を介して前記駆動アセンブリの出力軸と着脱可能に接続され、
前記エンコードディスクは、前記外延部と連接され、
前記回路基板は、前記ベースと連接され、且つ読取ヘッドが設けられており、前記読取ヘッドは、前記エンコードディスクと協力して前記出力軸の角位置を検出することを特徴とする協働ロボットアーム。
【請求項20】
前記協働ロボットアームは、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダに記録された前記出力軸の回転数を記憶するのを容易にするために、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダに電力を供給するための電池を含むことを特徴とする請求項19に協働ロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ロボットアームの技術分野に関し、具体的には、協働ロボットアーム及びその関節モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
科学技術の絶えなる発展に伴い、自動化の程度を高め人的コストを削減するために、生産製造にはロボットアームで単調で反復性が高く危険性が高い作業を取って代わる必要があるだけでなく、より難度が高くより複雑でより精度の高い特殊な任務を共同で達成するために、ロボットアームとオペレータによるマンマシン連携を必要とする。そのため、伝統的な産業用アームは、安全性がより良く人間と機械の協力性がより良い協働ロボットアームへと次第に進化してきた。次に、協働ロボットアームの発展について詳細に説明する。
【0003】
協働ロボットアームはデンマークのユニバーサルロボット(Universal Robots)会社が2005年に提案したもので、同社の協働ロボットアームはモータの出力軸と減速機の出力軸にいずれもエンコーダを設けており、即ちデュアルエンコーダスキームを採用し、デュアルエンコーダスキームはいずれかのエンコーダの読み取り不正確又は故障を検証することができる。デュアルエンコーダスキームに基づいて、協働ロボットアームの複数の安全機能を定義するためにも使用することができ、例えば、特許番号(CN106061688B、JP2010228028A、GB11291.1-2011、US20120286629A1、CN100380259C、US10399232B2)のうちの少なくとも1つに開示されている関節の位置を規定する安全機能、関節の速度を規定する安全機能などが挙げられる。簡単に言えば、協働ロボットアームは、デュアルエンコーダスキームにより衝突検出やエンコーダの故障検出などを含む安全機能を実現することができる。ここで、エンコーダ故障とは、主に以下の幾つかの方面に由来する。1)昔のエンコーダは信頼性が高くなく、エンコーダ自身が故障し易い。2)ロボットアームのサーボ駆動システムには、エンコーダの故障を調節する時に、通常閉ループのPIDフィードバックが用いられる。これは、ロボットアームの運転異常を招き易く、ひいては衝突事故が発生する。産業用アームには、産業用アームと従業員とを分離するために、物理的な安全フェンスが設置されているので、衝突事故は設備と材料の損傷を招くだけである。しかし、協働ロボットアームには、従業員と協働ロボットアームとのマンマシン連携を容易にするために、物理的な安全フェンスが設置されていないため、衝突事故は設備と材料の損傷を招くだけでなく、人身安全事故の発生を招く。従って、協働ロボットアームは、エンコーダ故障の発生を受け入れることができない。これまで、業界内の協働ロボットアームには、安全機能を確保するために、いずれもユニバーサルロボット会社のデュアルエンコーダスキームが採用されている。
【0004】
さらに、従来のマルチコイルアブソリュートエンコーダは、体積が大きく、精度が低く、コストが高く、マルチコイルアブソリュートエンコーダに記録された回転数を保存するために追加のバッテリを設置する必要があるため、初期にモータの出力軸にマルチコイルアブソリュートエンコーダを設置するスキームは、通常、体積、価格に敏感でない産業用アームに使用されていた。マルチコイルアブソリュートエンコーダのスキームに比べて、ロボットアームの電極の出力軸と減速機の出力軸にそれぞれシングルコイルアブソリュートエンコーダを設置する方式(即ち、デュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダ方式)は、体積や構造設定がより自由で、技術難度がより低いなどの特徴を備えているため、コストがより低く、且つさらに多くの安全機能を実現することができるため、協働ロボットアームに通常デュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダの方式が採用されている。
【0005】
しかし、近年、国内メーカーは協働ロボットアームに対する海外メーカーの技術独占を打破しつつあり、性能がほぼ同じである場合、設備の販売価格及び生産コストは設備の販売全体を決める重要な要素であるため、協働ロボットアームの生産コストを下げることは協働ロボットアームの市場競争力を高めるための重要な指標となっている。
【0006】
エンコーダの技術発展に伴い、マルチコイルアブソリュートエンコーダの体積、生産コスト、信頼性及び精度は共に大幅に向上した。このうち、シングルコイルアブソリュートエンコーダとマルチコイルアブソリュートエンコーダの購入コストは、通常それぞれ120人民元と150人民元であり、同等の場合、マルチコイルアブソリュートエンコーダスキームのコストはデュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダスキームのコストに比べて、90人民元を低減でき、幅落ちが37.5%であり、これは極めて顕著である。さらに、デュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダの方式に比べて、マルチコイルアブソリュートエンコーダの方式は体積及び精度の面で劣ってない。
【0007】
さらに、国内メーカーは通常国産のモータ、減速機及び電磁制動を採用していること、及び国産のチップを制御ボードICと給電回路ICとして採用していることから、協働ロボットアームの関節モジュールの故障率が高いことを招く。さらに、エンコーダは、出荷前にキャリブレーションを行い、その検出精度を確保する必要がある。このキャリブレーションは、専用設備と専門技術者を必要とする。これに基づき、関節モジュールが一旦故障し且つ修理を行う場合、故障がエンコーダにないが、修理に先ずエンコーダを取り外す必要がある場合、エンコーダを改めてインストールした後に再度キャリブレーションする必要がある。この再キャリブレーションは、工場に返さなければ完成できない。それは、ユーザーが専用設備と専門のエンジニアを持っていないからである。これにより、協働ロボットアームの修理には、メーカーとユーザーにとってのコストがいずれも高い。その中で、メーカーのコストは、専門のエンジニアと専用設備を手配して、ユーザーのエンコーダの再較正を支援し、メーカーが予定していた生産計画に影響を与えることに由来する。ユーザーのコストは、故障した機器を往復して郵送することやメーカーがエンコーダを再較正したことによる生産延期に起因し、ユーザーが予定していた生産計画に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、協働ロボットアームの市場競争力を高めるためには、エンコーダのコストを削減し、エンコーダの生産実装及び故障修理時のキャリブレーションの難しさを低減させることは既に早急に解決すべき技術問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の実施形態による協働ロボットアームに用いられる関節モジュールは、関節ハウジングと、駆動アセンブリと、マルチコイルアブソリュートエンコーダを備え、前記駆動アセンブリは、出力軸と、前記出力軸を包むように設けられるロータと、前記関節ハウジング内に嵌設されるステータとを含み、前記ロータは、前記ステータの内側に位置し、前記関節モジュールは、マルチコイルアブソリュートエンコーダのみにより前記出力軸の角位置を検出し、且つ前記出力軸の回転数を記録し、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、ベース、軸受、回転軸、エンコードディスク及び回路基板を含み、前記軸受は、前記ベースの軸受孔内に嵌設され、前記回転軸は、接続部、挿脱部及び外延部を含み、前記挿脱部は、前記接続部の一端に接続され、前記外延部は、前記接続部の他端に接続され、前記接続部は、前記軸受の内輪に嵌設され、前記挿脱部は、前記軸受の一方側から延出し、前記外延部は、前記軸受の他方側から延出し、前記エンコードディスクは、前記外延部に接続され、前記回路基板は、前記ベースに接続され且つ読取ヘッドが設けられており、前記読取ヘッドは、前記エンコードディスクと協力して前記出力軸の角位置を検出し、ここで、前記ベースは、前記関節ハウジングと取り外し可能に連接され、前記回転軸は、前記挿脱部を介して前記出力軸と取り外し可能に連接されている。
【0010】
また、本願の実施形態による協働ロボットアームに用いられる関節モジュールは、関節ハウジングと、駆動アセンブリと、減速アセンブリと、マルチコイルアブソリュートエンコーダとを備え、前記駆動アセンブリは、出力軸と、前記関節ハウジング内に嵌設されたステータと、前記出力軸の外周を包むように設けられ且つ前記ステータの内側に位置するロータとを含み、前記減速アセンブリは、前記出力軸に連接され、前記減速アセンブリの出力端子には、エンコーダが設けられていなく、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、一体型に設置され、且つ前記出力軸と着脱可能に接続されて、前記出力軸の角位置を検出し、且つ前記出力軸の回転数を記録する。
【0011】
さらに、本願の実施形態は、上記の実施形態で説明した関節モジュールを備える協働ロボットアームをさらに提供する。
【発明の効果】
【0012】
本願が提供する協働ロボットアームにおいて、関節モジュールはマルチコイルアブソリュートエンコーダのみによって駆動アセンブリの出力軸の角位置を検出し、且つ出力軸の回転数を記録する。従来技術において2つのシングルコイルアブソリュートエンコーダによってモータの出力軸と減速器の出力軸とそれぞれ接続して出力軸の角位置を検出することに比べて、協働ロボットアームのコストを低減し、ひいては市場競争力を増加させることに有利である。さらに、前記マルチコイルアブソリュートエンコーダは、ベース、軸受、回転軸、エンコードディスク及び回路基板を含み、エンコードディスクは回転軸及び軸受を介してベースと回動可能に連接され、回路基板はベースと固定接続され、回路基板における読取ヘッドはエンコードディスクとキャリブレーションを行われた後に互いに協力して対応する検出を行う。これにより、本願に記載のマルチコイルアブソリュートエンコーダは一体構造を構成する。つまり、一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダは、全体として取り外されるかまたは取り付けられる。ここで、ベースと回転軸は、それぞれ関節ハウジングと出力軸とに取り外し可能に連接されている。これに基づいて、従来技術におけるエンコーダのエンコードディスクと読取ヘッドはそれぞれ対応する構造と取り付けられてからキャリブレーションを行うのに比べて、本願が提供する協働ロボットアームは一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダを採用することは次の両方の利点がある。第一に、協働ロボットアームの生産組立過程において、一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダは関節モジュールに組み立てられる前に単独でキャリブレーションを完了しており、キャリブレーションの難易度はより低く、より効率的である。第二に、関節モジュールが故障して修理を行う過程で、故障がエンコーダにある場合、修理員は直接に新しい一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダを交換すればよく、専門のエンジニアが専門の設備を使って修理現場でキャリブレーションを行う必要はなく、工場に戻ってキャリブレーションする必要もない。また、故障がエンコーダにないが修理にはまずエンコーダを取り外す必要がある場合、一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダは、エンコーダディスクと読取ヘッドの間の精度が破壊されないように、全体として取り外されたり取り付けられたりすることができ、エンコーダが再インストールされた後に再度にキャリブレーションを行う必要はなく、工場に戻る必要もない。明らかに、どの状況にかかわらず、メーカーとユーザーの生産コストを下げ、市場競争力を高めることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願の実施形態における技術的態様をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本願の幾つかの実施形態にすぎず、当業者にとって、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0014】
【
図1】本願に提供されるロボットアームの一実施例の構成図である。
【
図2】本願に提供される関節モジュールの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図3】本願に提供される駆動アセンブリ及び関節ハウジングの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図4】本願に提供される下軸受ホルダの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図5】本願に提供される上軸受ホルダの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図6】本願に提供される減速アセンブリの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図7】本願に提供される制動アセンブリの一実施例の分解構造の概略図である。
【
図8】本願に提供される制動アセンブリ及びエンコードアセンブリの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図9】本願に提供される摩擦シートの一実施例の平面構造の概略図である。
【
図10】本願に提供されるアダプタの一実施例の平面構造の概略図である。
【
図11】本願に提供されるアダプタの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図12】本願に提供されるブラケットの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図13】本願に提供される関節モジュールの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図14】本願に提供されるエンコードアセンブリの一実施例の分解構造の概略図である。
【
図15】
図15の(a)及び(b)は、本願に提供される回転軸と出力軸との接続に関する様々な実施例の構成図である。
【
図16】本願で提供されるエンコードアセンブリの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図17】本願に提供されるアダプタの一実施例の断面構造の概略図である。
【
図18】本願に提供されるエンコードアセンブリの一実施例の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施形態に係る発明を、本願の実施形態における図面と共に明示的に完全に記載し、当然のことながら、記載された実施形態は全ての実施形態のものではなく、本願の一部の実施形態である。
【0016】
本技術分野の一般の技術者は、以上の実施形態が本願を限定するものではなく、本願を説明するためにのみ使用されることを認識すべきである。本願の実質的な精神の範囲内であれば、以上の実施例に対する適切な変更又は改善が何れも本願の保護範囲内に属されるべきである。
【0017】
以下、添付図面及び実施例を参照しながら、本願についてさらに詳細に説明する。特に、以下の実施形態は本願を説明するためにのみ用いられるが、本願の範囲を限定するものではない。同様に、以下の実施形態は、すべての実施形態ではなく、本願の一部の実施形態に過ぎない。当業者が創造的な労働を行わずに取得した他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0018】
本明細書で言及される「実施形態」は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本明細書の少なくとも1つの実施形態に含まれることができることを意味する。当業者は、本願に記載された実施例が他の実施例と組み合わせてもよいことを理解できる。
【0019】
図1に示すように、ロボットアーム10は、関節モジュール11、接続アーム12及びベース13を含む。関節モジュール11と接続アーム12は、それぞれ複数があり、ロボットアーム10のベース13を遠ざかる末端が三次元空間において異なる自由度と位置を有し、さらに様々な応用シーンの操作ニーズを満たすように、特定の排列方式に従ってベース13と直接又は間接的に接続される。なお、ロボットアーム10は、産業用アームであってもよいし、協働ロボットアームであってもよい。教育型デスクトップアームなどの他のメカニズムアームに比べて、産業用アームの先端に把持された物体はより重く、負荷が大きいため、関節モジュール11などの構造を合理的に設計する必要がある。一方では、協働ロボットアームはヒューマンインタラクションに対する要求がさらに高く、それに伴って、信頼性と安全性に対する要求が高まっており、関節モジュール11などの構造に対しても合理的に設計する必要がある。
【0020】
例示的には、
図2に示すように、関節モジュール11は、関節ハウジング111、駆動アセンブリ112、減速アセンブリ113、制動アセンブリ114、及びエンコードアセンブリ115を含む。このうち、関節ハウジング111は、駆動アセンブリ112のハウジングを兼ねることができる。即ち、駆動アセンブリ112の関連構造は、すべて関節ハウジング111に直接取り付けられてもよい。減速アセンブリ113、制動アセンブリ114及びエンコードアセンブリ115などの構造は、関節モジュール11が構造的に一体化される「所謂一体化関節モジュール」のように、特定の組み立て順序で関節ハウジング111に直接又は間接的に取り付けられてもよい。このようにすると、関節モジュール11の構造を簡略化し、さらに関節モジュール11のコストを低減するのに有利である。勿論、一体化の要求が高くない他の実施形態では、駆動アセンブリ112は関節ハウジング111から独立したハウジングを有してもよい。即ち、駆動アセンブリ112は関節ハウジング111から離脱した後も単独で使用することができる。
【0021】
さらに、駆動アセンブリ112は主にそれに接続された関節モジュール11又は接続アーム12を駆動して回動させるために用いられる。減速アセンブリ113は、主に関節モジュール11、接続アーム12などの構造間で異なる回転数整合と伝達トルクを実現するために用いられる。制動アセンブリ114は、主に駆動アセンブリ112の回転状態と制動状態との間での切り替えを実現するために用いられる。エンコードアセンブリ115は、主に駆動アセンブリ112及び減速アセンブリ113のうちの少なくとも一方の回転数及び角度位置などの回転状態を検出するために用いられる。ここで、減速アセンブリ113と制動アセンブリ114は、駆動アセンブリ112の反対側に配置することができる。エンコードアセンブリ115は、制動アセンブリ114における駆動アセンブリ112から離れる側に配置されることができる。
【0022】
例示的には、
図2及び
図3に示すように、関節ハウジング111は、第1のハウジング1111と、第1のハウジング1111に接続された第2のハウジング1112とを含む。この両者は、一定の容積を有するキャビティ構造を形成することができる。ここで、第1のハウジング1111の内側には、第1のハウジング1111の局所的な構造強度を高めるために、第1のハウジング1111の他の領域に対してより厚い肉厚を有する環状支持台1113が設けられていてもよい。第1のハウジング1111の外側には、関節モジュール11又は接続アーム12と接続するための取付位置が設けられていてもよい。取付位置が所在する領域は、第1のハウジング1111の局所的な構造強度を高めるために、第1のハウジング1111の他の領域に対して同様により厚い肉厚を有している。これに基づき、第1のハウジング1111は、第2のハウジング1112に比べて、材質や構造設計にかかわらず、共により高い構造強度を有することができる。このように、関節ハウジング111内の異なるハウジングは、実際の使用ニーズに応じて差別化設計されており、関節モジュール11のコスト削減に有利である。さらに、第2のハウジング1112は、関節モジュール11の内部構造を保護するために、エンコードアセンブリ115の外面に被覆することができる。
【0023】
例示的には、
図3に示すように、駆動アセンブリ112は、出力軸1121と、出力軸1121に接続されたロータ1122と、環状支持台1113内に嵌設されたステータ1123と、出力軸1121の軸方向にそれぞれ環状支持台1113の相反する両側に接続された下軸受ホルダ1124、上軸受ホルダ1125と、下軸受ホルダ1124内に嵌設された下軸受1126と、上軸受ホルダ1125内に嵌設された上軸受1127と、ロータ1122と、ロータ1122の外側に位置するステータ1123と、を含む。ここで、下軸受1126の内輪と外輪は、出力軸1121と下軸受ホルダ1124にそれぞれ接続される。上軸受1127の内輪と外輪は、出力軸1121と上軸受ホルダ1125にそれぞれ接続され、即ち、下軸受1126と上軸受1127は出力軸1121にさらに嵌着され、且つ出力軸1121の軸方向にロータ1122の両側にそれぞれ位置している。さらに、ロータ1122は磁石を含んでもよく、ステータ1123はコイルを含んでもよい。これにより、カーボンブラシなどの構造体を省くことができ、駆動アセンブリ112の引き廻しを簡略化し、駆動アセンブリ112のコストを削減することができる。ここで、駆動アセンブリ112の回転数及びその動力出力の需要を満たすために、磁石の数は複数であってもよく、コイルの数も複数ターンであってもよい。それに応じて、減速アセンブリ113と制動アセンブリ114は、それぞれ出力軸1121の両端に接続されてもよく、エンコードアセンブリ115は、出力軸1121の制動アセンブリ114に近い一端に接続されてもよい。
【0024】
なお、本願の実施形態におけるすべての指向性表示(上、下、左、右、前、後……など)は、ある特定の姿勢(
図2に示す通り)における各部品間の相対的な位置関係、運動状況などを説明するためにのみ使用され、当該特定の姿勢が変化すると、その方向性指示もそれに応じて変化する。例えば、
図3に示す「下軸受ホルダ」、「上軸受ホルダ」、「下軸受」及び「上軸受」などの部品は、
図2における関節モジュールが90°回転した後に、「前軸受ホルダ」、「後軸受ホルダ」、「前軸受」及び「後軸受」などに対応してもよく、「左軸受ホルダ」、「右軸受ホルダ」、「左軸受」及び「右軸受」などに対応してもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、下軸受ホルダ1124及び上軸受ホルダ1125のうちの一方と第1のハウジング1111とは一体構造体であってもよく、他方は単独の構造体であってもよく、両者は接着、係合、溶接、ねじ接続などの組立方式のうちの1つ又はそれらの組み合わせによって連結されてもよい。これにより、駆動アセンブリ112の組立効率を向上させることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、関節ハウジング111に対して、下軸受ホルダ1124及び上軸受ホルダ1125は、単独の構造体であってもよく、両者が接着、係合、溶接、ねじ接続などの組み立て方法のうちの1つ又はそれらの組み合わせによって、それぞれ環状支持台1113に接続されてもよい。同様に、第1のハウジング1111、下軸受ホルダ1124及び上軸受ホルダ1125は、関節モジュール11のコスト削減に有利なように、材質、構造設計及びその成形プロセスにおいて差異化設計を行うことができる。
【0027】
一例として、
図3に示すように、下軸受ホルダ1124は単独の構造体であってもよく、下軸受ホルダ1124はそれによって締結具1161によって関節ハウジング111に固定されてもよい。具体的には、締結具1161は、下軸受ホルダ1124を貫通して環状支持台1113に接続されて、下軸受ホルダ1124を環状支持台1113に圧持する。同様に、上軸受ホルダ1125も単独の構造体であってもよく、そのため、上軸受ホルダ1125も他の締結具によって関節ハウジング111に固定されてもよい。ここで、下軸受ホルダ1124と上軸受ホルダ1125は、出力軸1121の径方向において、それぞれ第1のハウジング1111の異なる位置で径方向に沿って制限されることができる。
【0028】
さらに、出力軸1121は、その軸方向に沿って、下固定セグメント11211、上固定セグメント11212、及び下固定セグメント11211と上固定セグメント11212との間に位置する中間固定セグメント11213に分割されることができる。中間固定セグメント11213の外径は、下固定セグメント11211の外径及び上固定セグメント11212の外径よりも大きく、これにより、出力軸1121は、中間固定セグメント11213と下固定セグメント11211との間に外階段面11214を形成すると共に、中間固定セグメント11213と上固定セグメント11212との間に外階段面11215を形成する。ここで、ロータ1122は中間固定セグメント11213に固定されてもよく、下軸受1126と上軸受1127はそれぞれ下固定セグメント11211と上固定セグメント11212に嵌着されてもよく、下軸受1126の内輪は外階段面11214により支持されてもよく、上軸受1127の内輪は外階段面11215により支持されてもよい。さらに、駆動アセンブリ112は、下固定セグメント11211に接続された下係止リング11281を含む。例えば、下係止リング11281は、下固定セグメント11211のリミット溝に係合されて、中間固定セグメント11213と共同で下軸受1126の内輪を挟持することができる。同様に、駆動アセンブリ112は、上固定セグメント11212に接続された上スナップリングを含んでもよい。上スナップリングは、中間固定セグメント11213と共同で上軸受1127の内輪を挟持することができる。
【0029】
さらに、出力軸1121は、関節モジュール11の引き廻し構造を容易にするために、中空構造とすることができる。ここで、下固定セグメント11211の内径は、下固定セグメント11211の端部が減速アセンブリ113の入力軸を組み立てるのに十分な肉厚を有するように、中間固定セグメント11213の内径より小さくてもよい。
【0030】
一例として、
図3及び
図4を併せて参照すると、下軸受ホルダ1124は、下筒状部11241と、下筒状部11241の一端と湾曲するように接続された下固定部11242とを含む。下固定部11242は、下筒状部11241の外側へ延伸し、且つ関節ハウジング111と接続している。下筒状部11241は、下軸受1126の外周を取り囲むように下軸受126に嵌着される。具体的には、締結具1161は、下固定部11242を貫通し且つ環状支持台1113に接続されて、下軸受ホルダ1124を環状支持台1113に圧持する。下筒状部11241は、下軸受1126の外輪に接続されている。ここで、締結具1161の環状支持台1113に挿入されていない一端は、下軸受ホルダ1124から突出しなくてもよく、即ち、締結具1161の減速アセンブリ113に向かう側は、下軸受ホルダ1124に沈むか又は下軸受ホルダ1124の端面と面一である。これにより、減速アセンブリ113の後続組立が容易になり、関節モジュール11の構造的なコンパクト性を増やすこともできる。
【0031】
さらに、下軸受ホルダ1124は、下筒状部11241の他端に湾曲するように接続された下フランジ部11243を含んでもよい。下フランジ部11243と下固定部11242とは、互いに逆方向に延びている。下軸受1126の外輪は、下フランジ部11243に支持されてもよい。これに基づき、駆動アセンブリ112は、下固定部11242に接続される下圧リング11282を含んでもよい。下圧リング11282は、下フランジ部11243と共同で下軸受1126の外輪を挟持することができる。ここで、下圧リング11282は、ロータ1122などの構造体との干渉や衝突を回避するために、下固定部11242から突出しなくてもよい。
【0032】
幾つかの実施形態では、例えば、
図13に示すように、外段差面11214と下フランジ部11243は、出力軸1121の軸方向に下軸受1126の同じ側、例えば、下軸受1126の上軸受1127に向かう側に位置する。それ相応に、出力軸1121の軸方向において、下係止リング11281と下圧リング11282は、下軸受1126の同じ側、例えば、下軸受1126の下軸受1127から離れる側に位置してもよい。このとき、下軸受1126は、下固定部11242が減速アセンブリ113に向かう側(即ち、下固定部11242が制動アセンブリ114から離れる側)に少なくとも部分的に位置していてもよい。例えば、下軸受1126は、出力軸1121の径方向に沿って関節ハウジング111の内側に正投影されている時に環状支持台1113と部分的に重なる。ここで、ロータ1122又はステータ1123は、出力軸1121の径方向において下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の相関構造と一定の安全距離を残すことができる。下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の相関構造は、出力軸1121の軸方向に沿ってロータ1122とステータ1123との間の隙間に入り込み、相関構造物の構造上の干渉や衝突を回避することができる。これに基づき、下軸受ホルダ1124が位置する側に減速アセンブリ113を組み付けると、下軸受1126は減速アセンブリ113の外に位置してもよい。このように、減速アセンブリ113内に入り込む組立ニーズを考慮する必要はなく、減速アセンブリ113の選択をより柔軟にすることができる。さらに、駆動アセンブリ112の組立過程において、先ず組立方向に沿って出力軸1121の下固定セグメント11211に下軸受1126を嵌合し、次に、下固定セグメント11211の位置規制用凹溝に下係止リング11281を係着して、下係止リング11281と中間固定セグメント11213とが共同で下軸受1126の内輪を挟持するようにしてもよい。そして、前記組立方向の反対方向に沿って、下軸受ホルダ1124を下軸受1126に嵌着するか、または前記組立方向に沿って下軸受1126及び出力軸1121を下軸受ホルダ1124の下筒状部11241内に一体として嵌設し、さらに下圧リング11282を下軸受ホルダ1124の下固定部11242に固定し、下圧リング11282が下軸受ホルダ1124の下フランジ部11243と共に下軸受1126の外輪を挟持するようにする。明らかに、下軸受ホルダ1124と下軸受1126とをどのように組み立てるにしても、下軸受1126はずっと下係止リング11281に圧持され、これにより、下係止リング11281は、組み立て中に大きな圧力を受けることになり、ある程度で構造が失効するリスクがある。
【0033】
幾つかの実施形態では、
図2及び
図3に示すように、出力軸1121の軸方向において、外段差面11214と下フランジ部11243は下軸受1126の両側に位置することができる。それ相応に、下係止リング11281と下圧リング11282は、出力軸1121の軸方向において下軸受1126の両側に位置することができる。このとき、下軸受1126は、少なくとも下固定部11242の上軸受ホルダ1125から離反する側に部分的に位置する。即ち、下軸受1126の少なくとも一部は駆動アセンブリ112の外に位置していてもよい。言い換えれば、出力軸1121の径方向に沿ったステータ1123と下軸受1126の正投影は重複しなくてもよく、即ち、ステータ1123と下軸受1126は出力軸1121の軸方向において間隔をあけて配置される。これに基づき、下軸受ホルダ1124が位置する側に減速アセンブリ113を組み付ける場合、下軸受1126は少なくとも部分的に減速アセンブリ113内に位置することができる。このように、下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の関連構造とロータ1122又はステータ1123との構造上の干渉又は衝突を心配する必要はなく、駆動アセンブリ112が出力軸1121の軸方向及び径方向においてよりコンパクトになり、さらに駆動アセンブリ112がより大きなサイズのロータ1122又はステータ1123を設計することができる。さらに、駆動アセンブリ112の組立中に、出力軸1121の下固定セグメント11211に下軸受1126を組立方向に嵌合し、次に下固定セグメント11211のストッパ溝に下係止リング11281を係合して、下係止リング11281と中間固定セグメント11213とが共同で下軸受1126の内輪を挟持するようにしてもよい。次に、前記組立方向に沿って下軸受ホルダ1124を下軸受1126に嵌着するかまたは前記組立方向の反対方向に沿って下軸受ホルダ1124の下筒状部11241内に下軸受1126及び出力軸1121を一体として嵌設し、さらに、下圧リング11282を下軸受ホルダ1124の下フランジ部11243と共に下軸受1126の外輪を挟持するように、下圧リング11282を下軸受ホルダ1124の下固定部11242に固定する。明らかに、下軸受ホルダ1124と下軸受1126とをどのように組み立てるにしても、下軸受1126は下係止リング11281に圧持されるのではなく、いずれも下固定セグメント11211に圧持される。これにより、下係止リング11281は、組み立て中に圧力を受ける必要がなく、下係止リング11281の信頼性を保証するのに有利である。
【0034】
一例として、
図3及び
図5を併せて参照すると、上軸受ホルダ1125は、上筒状部11251と、上筒状部11251の一端と湾曲するように接続された上固定部11252とを含み、上固定部11252は、上筒状部11251の外側に延びて関節ハウジング111に接続され、上筒状部11251は上軸受1127に嵌着されている。具体的には、一締結具は、上固定部11252を通過して環状支持台1113に接続されて、上軸受ホルダ1125を環状支持台1113に圧持する。上筒状部11251は、上軸受1127の外輪に接続されている。ここで、上軸受1127は、後続で制動アセンブリ114などの構成要素の組み立てを容易にするために、駆動アセンブリ112内に少なくとも部分的に配置することができる。さらに、出力軸1121の径方向に沿った上軸受1127とステータ1123の正投影は、部分的に重なることができる。例えば、上軸受1127と上軸受ホルダ1125の関連構造は、出力軸1121の軸方向に沿って出力軸1121とステータ1123との間の隙間に入り込むなどである。これにより、関連構造体の構造上の干渉や衝突を回避することができるだけではなく、関節モジュール11の構造上のコンパクト性を高めるにも有利である。
【0035】
さらに、上軸受ホルダ1125は、上固定部11252に接続される上環状ストッパ11253を含んでもよい。上環状ストッパ11253は、出力軸1121の径方向に制動アセンブリ114などの構造体をストッパすることができる。これに基づき、例示的な説明は後述する。
【0036】
上記の関連説明に基づいて、
図2~
図6に示すように、関節ハウジング111は駆動アセンブリ112のハウジングを兼ねることができ、駆動アセンブリ112内の各部品が関節ハウジング111と組み立てられた後に関連する性能試験を行うことができる。ここで、締結具1161は、下軸受ホルダ1124を関節ハウジング111に固定することができる。上軸受ホルダ1125は、同様に別の締結具によって関節ハウジング111に固定することができる。これに基づいて、締結具1162は、減速アセンブリ113を関節ハウジング111に固定し、且つ下軸受ホルダ1124を通過することができる。締結具1163は、減速アセンブリ113の入力軸1131を出力軸1121に固定することができる。言い換えれば、駆動アセンブリ112は締結具1161を介して関節ハウジング111に着脱可能に接続することができ、減速アセンブリ113は締結具1162及び締結具1163を介してそれぞれ関節ハウジング111及び駆動アセンブリ112に着脱可能に接続することができる。これにより、関節モジュール11内の各構造体をモジュール化することができる。関連技術では、駆動アセンブリ112の出力軸と減速アセンブリ113の入力軸は一体式構造体であり、例えば、駆動アセンブリ112のロータ1122は減速アセンブリ113の入力軸に固定されている。即ち、駆動アセンブリ112は、独立した出力軸を持っていないため、駆動アセンブリ112が関連する性能試験を行いにくい。関連技術と異なる点は、本願では、駆動アセンブリ112の出力軸1121と減速アセンブリ113の入力軸1131は、単独の構造体であってもよく、両者が締結具1163を介して取り外し可能に接続されている。これにより、駆動アセンブリ112と減速アセンブリ113が組み立てる前にそれぞれ関連する性能試験を行うことができるだけでなく、後期のメンテナンスにも有利であると共に、減速アセンブリ113の振動と騒音を低減するのにも有利である。
【0037】
一例として、締結具1161は、下固定部11242を通過して環状支持台1113に接続されて、下軸受ホルダ1124を環状支持台1113に圧持する。締結具1162は、減速アセンブリ113と下固定部11242を順次に通過して環状支持台1113に接続されて、減速アセンブリ113と下軸受ホルダ1124を環状支持台1113に圧持する。即ち、減速アセンブリ113と下軸受ホルダ1124は、締結具1162によって環状支持台1113に共に固定される。さらに、入力軸1131は、関節モジュール11の引き廻し構造を容易にするために中空構造とすることができる。しかも、入力軸1131の内側に環状支持台11311が設けられている。ここで、出力軸1121は入力軸1131に挿入され、且つ出力軸1121の端面は環状支持台11311に当接する。締結具1163は、出力軸1121の軸方向に沿って環状支持台11311と出力軸1121とを接続し、即ち、締結具1163は入力軸1131を下固定セグメント11211の端部に固定する。このように、入力軸1131を介して出力軸1121を径方向に制限することができるだけでなく、入力軸1131と出力軸1121との同軸度を増加させることにも有利である。
【0038】
さらに、出力軸1121は、下軸受ホルダ1124を突き出すことができる。下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の関連構造の少なくとも一部が減速アセンブリ113内に位置するように、出力軸1121の軸方向における入力軸1131と出力軸1121との間の取り付け面が減速アセンブリ113内に位置することができる。
【0039】
一例として、
図2及び
図6に示すように、減速アセンブリ113は、入力軸1131に接続された波発生器1132、波発生器1132に嵌着されたフレキシブルホイール1133、及びフレキシブルホイール1133に嵌着された剛性ホイール1134を含む。ここで、剛性ホイール1134は、減速アセンブリ113が対応する駆動比を達成するのを容易にするために、フレキシブルホイール1133と部分的に噛合している。さらに、減速アセンブリ113は、フランジ1135を含んでいる。フランジ1135は、他の関節モジュール11又は接続アーム12に接続するために、減速アセンブリ113の出力端子として機能する。
【0040】
幾つかの実施形態では、フレキシブルホイール1133は、筒状構造体として配置することができる。これに基づき、フレキシブルホイール1133の側壁は剛性ホイール1134と部分的に噛み合い、フレキシブルホイール1133の底壁はフランジ1135に接続される。それに応じて、剛性ホイール1134は、締結具1162によって環状支持台1113に固定されてもよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、フレキシブルホイール1133は、中空の帽子型構造体として設けられてもよい。これに基づき、減速アセンブリ113は、外軸受1136を含んでもよい。フレキシブルホイール1133は、筒状係合部11331と、筒状係合部11331の一端に湾曲するように接続された環状折り返し部11332とを含む。環状折り返し部11332は、筒状係合部11331の外側に延びている。ここで、筒状噛合部11331は剛性ホイール1134と部分的に噛合する。環状折り返し部11332は外軸受1136の外輪に接続され、剛性ホイール1134は外軸受1136の内輪に接続されている。さらに、締結具1162は外軸受1136の内輪及び外輪の一方を環状支持台1113に固定し、フランジ1135は外軸受1136の内輪及び外輪の中の他方に接続される。
【0042】
上述の関連記述に基づいて、
図2、
図3及び
図6に示すように、下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の関連構造は、出力軸1121の径方向においてフレキシブルホイール1133が剛性ホイール1134から離れる内側に位置するなど、少なくとも部分的に減速アセンブリ113内に位置することができ、その結果、下軸受1126は減速アセンブリ113の内部空間をある程度占領することになる。これに基づき、下軸受1126及び下軸受ホルダ1124の関連構造がフレキシブルホイール1133又は入力軸1131と構造上の干渉又は衝突を回避するために、当業者は容易に思いつく技術案は、出力軸1121の径方向におけるフレキシブルホイール1133と入力軸1131との隙間を増大させ、さらに十分な安全距離をリザーブすることである。これと違うのは、本願では、
図4に示すように、出力軸1121の径方向における下筒状部11241の厚さは、出力軸1121の軸方向における下フランジ部11243の厚さ及び出力軸1121の軸方向における下固定部11242の厚さよりもそれぞれ小さい。即ち、下筒状部11241を薄める処理を施すことで、前述の干渉や衝突を回避できるだけでなく、減速アセンブリ113の径方向寸法を両立することができる。ここで、下筒状部11241と下固定部11242との下軸受1126の一方側から離反するコーナーは、大きな応力集中を回避し、さらに下軸受ホルダ1124の構造強度及び信頼性を高めるために丸く設置されることができる。
【0043】
さらに、
図6に示すように、減速アセンブリ113は、中空軸1137及び内軸受1138を含む。中空軸1137の一端は、フランジ1135に接続されている。内軸受1138の内輪及び外輪は、それぞれ中空軸1137と、入力軸1131とに連接されている。ここで、
図2に示すように、中空軸1137は、エンコードアセンブリ115内に挿入されるまで、順次に入力軸1131、出力軸1121及び制動アセンブリ114を通過する。このように、関節モジュール11の引き廻し構造を設けるのが容易であると共に、引き廻し構造の摩耗を低減するのに有利である。そのほか、エンコードアセンブリ115で減速アセンブリ113の出力端子(例えば、フランジ1135)の回転数及び/又は角位置を検出するのにも便利である。
【0044】
一例として、
図2及び
図6に示すように、締結具1162は、外軸受1136の外輪を環状支持台1113に固定し、フランジ1135は、剛性ホイール1134を介して外軸受1136の内輪に連接されている。ここで、締結具1164は、減速アセンブリ113が関連する性能試験を行うことができるように、外軸受1136の外輪に環状折り返し部11332を固定することができる。これに応じて、締結具1162は、減速アセンブリ113と下軸受ホルダ1124とを環状支持台1113に圧持するように、外軸受1136の外輪、環状折り返し部11332及び下軸受ホルダ1124を順次に通過し、且つ環状支持台1113に接続される。さらに、
図4に示すように、下軸受ホルダ1124(具体的には、その下固定部11242)には、逃げ穴11244が設けられており、締結具1164の環状折り返し部11332から突出する部分が逃げ穴11244内に位置し、関節モジュール11の構造的なコンパクト性を高めることができる。好ましくは、逃げ穴11244は、締結具1164が逃げ穴11244を介して環状支持台1113に接触することを許容するために、下固定部11242を出力軸1121の軸方向に貫通することができ、これにより、減速アセンブリ113の放熱を促進し、ひいては減速アセンブリ113の信頼性を高めることができる。
【0045】
さらに、
図2、
図3及び
図6に示すように、締結具1164と締結具1161との組立方向は逆方向であり、締結具1162と締結具1161との組立方向は同方向であり、駆動アセンブリ112と減速アセンブリ113の各部品と関節ハウジング111とが一定の順序で組み立てられることを可能にする。
【0046】
さらに、締結具1161、締結具1162、及び締結具1164は、それぞれ出力軸1121の周りに間隔を置いて複数設けられてもよく、出力軸1121の周りに隣接して設けられた2つの締結具1164の間では、締結具1162の数は締結具1161の数よりも大きくてもよい。このように、締結具1161は、環状支持台1113に下軸受ホルダ1124を固定することができる。締結具1161の数は、駆動アセンブリ112が単独で性能試験を行うことを満たすことができればよい。締結具1164は環状折り返し部11332を外軸受1136の外輪に固定することができ、その数は同様に減速アセンブリ113が単独で性能試験を行うことを満たすことができればよい。最終的には、比較的に多数の締結具1162によって減速アセンブリ113及び下軸受ホルダ1124を環状支持台1113に共に強固に固定することにより、構造を最大限に簡略化し、且つ構造の信頼性を両立させる。
【0047】
一例として、締結具1161の数は4つであってもよく、締結具1162の数は12つであってもよく、締結具1164の数は4つであってもよい。ここで、締結具1161、締結具1162、及び締結具1164は、構造的に下軸受ホルダ1124と直接的又は間接的に関連しているため、下固定部11242上の対応する貫通孔の数によって特徴づけることができる。これに基づいて、
図4に示すように、下固定部11242には、締結具1164に対応する逃げ穴11244の他に、締結具1161に対応する沈み穴11245と、締結具1162に対応する貫通穴11246とがそれぞれ設けられていてもよい。明らかに、逃げ穴11244、沈み穴11245及び通し穴11246の数は、それぞれ4つ、4つ及び12つである。注意すべきことは、下軸受ホルダ1124が位置する側に減速アセンブリ113を組み立てる必要があるため、締結具1161が減速アセンブリ113に向かう側は下軸受ホルダ1124に沈むか、又は下軸受ホルダ1124の端面と面一である。明らかに、沈み穴11245は、締結具1161をよりよく収容することができる。さらに、出力軸1121の軸方向に見て、締結具1161から下軸受ホルダ1124の中心までの距離は、締結具1162から下軸受ホルダ1124の中心までの距離より小さくてもよく、即ち、締結具1161は、締結具1162よりも出力軸1121の径方向に出力軸1121に近い。言い換えれば、出力軸1121の径方向において、沈み穴11245は貫通孔11246よりも下軸受1126の中心に近く、下固定部11242の縁からさらに離れている。これにより、沈み穴11245が位置する領域における下固定部11242の構造強度を確保し、さらに、駆動アセンブリ112の構造上の信頼性を高めるのに有利である。
【0048】
なお、駆動アセンブリ112及び/又は減速アセンブリ113が個別に性能試験を行う必要がないような他の実施形態では、締結具1161及び締結具1164を省くことができ、即ち、締結具1162のみによって駆動アセンブリ112及び減速アセンブリ113内の各部品と関節ハウジング111との組立てを実現することができる。
【0049】
図3に示すように、出力軸1121の両端はそれぞれ下軸受1126と上軸受1127を介して関節ハウジング111に接続され、駆動アセンブリ112の出力をより安定させる。従って、下軸受1126と上軸受1127は、組み立て後に一定の隙間を確保する必要がある。しかし、前記隙間が小さすぎると、出力軸1121の回転が困難になり易い。逆に、前記隙間が大きすぎると、出力軸1121の回転が不安定になり易い(例えば、「ブローバイ」)。このため、関節モジュール11は、第1の弾性部材117を含む。第1の弾性部材117は、上軸受1127の外輪を圧持して、下軸受1126と上軸受1127の隙間を合理的な範囲内に制御するのに有利である。ここで、第1の弾性部材117は波形ばねであってもよい。これに基づき、第1の弾性部材117を圧持するために、当業者は容易に思いつく技術案は、上軸受ホルダ1125に接続される追加の上圧リングを介して第1の弾性部材117を圧持することである。これとは異なり、本願では、
図2及び
図3を合わせて、制動アセンブリ114を上軸受ホルダ1125に固定し、且つ第1の弾性部材117を上軸受1127の外輪に同時に圧持することができる。即ち、制動アセンブリ114を上圧リングの代わりにすることができ、これにより、下軸受1126と上軸受1127の隙間を合理的な範囲内に制御することができるだけでなく、上圧リングを省くことができ、関節モジュール11を構造的によりコンパクトにすることができ、関節モジュール11のコストを削減できる。
【0050】
例示的には、
図7に示すように、制動アセンブリ114は、上軸受ホルダ1125に接続された取付ベース1141と、取付ベース1141内に配置された第2の弾性部材1142、励磁コイル1143と、出力軸1121の軸方向に沿って順次に積層配置されたアーマチュアディスク1144、摩擦シート1145、カバープレート1146と、を含む。即ち、アーマチュアディスク1144とカバープレート1146は、出力軸1121の軸方向において摩擦シート1145の両側にそれぞれ位置している。ここで、摩擦シート1145は出力軸1121に追従して回動するように出力軸1121に接続される。カバープレート1146は、相対的に静止した状態を維持するために取付ベース1141に接続される。さらに、アーマチュアディスク1144と摩擦シート1145は、それぞれ単独の構造体であってもよく、即ち、両者が相対運動を起こすことができる。アーマチュアディスク1144と摩擦シート1145は、接着、係合、ねじ接続などの組立方式のうちの1つ又はそれらの組み合わせによって互いに接続されていてもよく、即ち、両者は相対的に静止したままであってもよい。
【0051】
図8に示すように、制動アセンブリ114の動作原理は、次の通りである。励磁コイル1143の電源が切れた時に、アーマチュアディスク1144は、出力軸1121が回転状態から制動状態に切り替わるように、第2の弾性部材1142の弾性力によって出力軸1121の軸方向に摩擦シート1145を押してカバープレート1146に接触し、即ち、出力軸1121の回動を停止するようにする。励磁コイル1143が通電すると、励磁コイル1143が発生した磁界がアーマチュアディスク1144に作用し、摩擦シート1145とカバープレート1146とを分離し、出力軸1121の制動状態を解除し、即ち、出力軸1121が引き続き回動する。このように、関連技術において出力軸1121をピン止めして制動することに比べて、本願における制動アセンブリ114は摩擦抵抗力によって出力軸1121を制動し、空行程がなく、応答が速く、異音がないなどの利点がある。ここで、励磁コイル1143の電源が遮断された後、第2の弾性部材1142に蓄えられた弾性ポテンシャルは、アーマチュアディスク1144と摩擦シート1145とを押し進むだけではなく、アーマチュアディスク1144と摩擦シート1145との間、及び摩擦シート1145とカバープレート1146との間に一定の正の圧力を持たせ、さらに出力軸1121の制動状態を維持するために予め設定された大きさの摩擦抵抗力を提供することができる。さらに、励磁コイル1143が通電した後、励磁コイル1143によって発生した磁界は、摩擦シート1145とカバープレート1146との間の正圧を少なくとも解放するために、アーマチュアディスク1144をカバープレート1146から遠ざけるように引き付けることができる。
【0052】
なお、制動アセンブリ114が組み立てられた後(例えば、取付ベース1141が上固定部11252に固定される)、制動アセンブリ114は取付ベース1141を介して第1の弾性部材117を圧持する。これに応じて、第2の弾性部材1142は、取付ベース1141の第1の弾性部材117から離反する側に設けられる。取付ベース1141は、上環状ストッパ11253の内側に径方向に規制されている。さらに、取付ベース1141の材質は、励磁コイル1143によって生成される磁界を調整して、より凝集させるために、例えばアーマチュアディスク1144と同様の軟磁性材料であってもよい。
【0053】
制動アセンブリ114は、取付ベース1141とカバープレート1146との間に支持されるガイドポスト1147を含んでもよい。アーマチュアディスク1144は、制動アセンブリ114の係止を回避するために、ガイドポスト1147によりガイドされてカバープレート1146に接近又は遠ざかることができる。ここで、ガイドポスト1147の数は複数であってもよく、複数のガイドポスト1147は出力軸1121の周りに間隔を置いて配置されてもよい。例えば、3つのガイドポスト1147は、出力軸1121の周りに均等に間隔を置いて配置されてもよい。
【0054】
さらに、取付ベース1141は、底壁11411と、底壁11411に連接される内側壁11412、外側壁11413とを含む。内側壁11412は、出力軸1121の外周に位置する。外側壁11413は、内側壁11412の外周に位置し、且つ内側壁11412と同方向に延びる。これに応じて、ガイドポスト1147は、外側壁11413とカバープレート1146との間に支持されてもよい。これに基づき、アーマチュアディスク1144は、励磁コイル1143による磁界によってカバープレート1146から遠ざかる際に、内側壁11412と外側壁11413の少なくとも一方によって止められて、アーマチュアディスク1144の動きを制限する。
【0055】
幾つかの実施形態では、第2の弾性部材1142は外側壁11413のブラインドホール内に配置することができ、励磁コイル1143は内側壁11412と外側壁11413との間に配置されることができ、例えば、励磁コイル1143は内側壁11412の周りに配置されることができる。ここで、第2の弾性部材1142の数は複数であってもよく、複数の第2の弾性部材1142は出力軸1121の周りに間隔を置いて配置されてもよく、例えば、4つの第2の弾性部材1142は出力軸1121の周りに均等に間隔を置いて配置されてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、第2の弾性部材1142と励磁コイル1143とを内側壁11412と外側壁11413との間に配置することができる。例えば、第2の弾性部材1142と励磁コイル1143の数はそれぞれ複数であり、複数の第2の弾性部材1142と複数の励磁コイル1143はそれぞれ出力軸1121の周りに間隔を置いて配置されている。
【0057】
図8に示すように、駆動アセンブリ112は出力軸1121に接続されたアダプタ1129を含んでもよく、摩擦シート1145はアダプタ1129に装着されてもよい。ここで、
図9及び
図10に示すように、出力軸1121の軸方向に沿って見ると、アダプタ1129の外輪郭と摩擦シート1145の内輪郭とは整合した非円形を呈して、摩擦シート1145がアダプタ1129に追従して回転することを許容すると共に、摩擦シート1145が出力軸1121の軸方向にアダプタ1129に対して移動することを可能にする。例えば、摩擦シート1145の内輪郭は出力軸1121の軸方向に沿って見ると第1の正方形を呈し、且つ第1の正方形の4つの角はすべて丸みを呈して設定されている。一方、アダプタ1129の外輪郭は、出力軸1121の軸方向に沿って見ると第2の正方形を呈し、且つ第2の正方形の4つの角はいずれも面取りされている。このようにして、アダプタ1129の隅を摩擦シート1145の隅から効果的に回避し、摩擦シート1145がアダプタ1129に沿って移動する際にスティックすることを回避し、さらに制動アセンブリ114の信頼性を高める。これと同時に、制動アセンブリ114の応答が速くなるように、摩擦シート1145の面積をできるだけ大きくすることもできる。
【0058】
具体的には、出力軸1121が制動状態から回転状態に切り替わった後、摩擦シート1145はアダプタ129に追従して回転し、それから出力軸1121に追従して回転し、制動アセンブリ114が出力軸1121の回動に不要な抵抗を与えないようにする。一方、出力軸1121が回動状態から制動状態に切り替わる過程で、摩擦シート1145は、カバープレート1146に接触するために第2の弾性部材1142及びアーマチュアディスク1144の推進の下で出力軸1121の軸方向に沿ってアダプタ1129に対して移動し、次いで摩擦抵抗力によって出力軸1121を制動する。言い換えれば、アダプタ1129は出力軸1121に対して自由度がなく、摩擦シート1145はアダプタ1129に対して出力軸1121の軸方向に沿った自由度を有する。このように、アダプタ1129と出力軸1121が一体構造体であるのに比べて、アダプタ1129と出力軸1121とを単独で加工してから組み立てることは、出力軸1121の構造を簡略化することに有利であり、出力軸1121の加工難度を低減することができるだけでなく、アダプタ1129と出力軸1121が材料選択において差別化設計を行うことにも便利であり、関節モジュール11のコストを両立させることができる。
【0059】
さらに、
図8に示すように、エンコードアセンブリ115は、駆動アセンブリ112の回動状態を検出するために使用されてもよく、具体的には、出力軸1121の回転数及び角位置のうちの少なくとも1つを検出するために使用されてもよい。ここで、エンコードアセンブリ115は、エンコードディスク1151A及び読取ヘッド1152Aを含む。読取ヘッド1152Aは、エンコードディスク1151Aと協働して、出力軸1121の回転数及び/又は角位置を検出する。これに基づいて、エンコードアセンブリ115は、磁気電気式エンコーダとして設置される。エンコードディスク1151A、それに応じて磁気グリッドディスクとして設置される。エンコードアセンブリ115は、光電式エンコーダに設置されてもよく、エンコードディスク1151Aはそれに応じてラスタディスクに設置される。ここで、磁気電気式エンコーダであれ、光電式エンコーダであれ、実際のニーズに応じてさらに増分型または絶対値型に設置されてもよい。ここで、アブソリュートエンコーダは、シングルコイルアブソリュートエンコーダとマルチコイルアブソリュートエンコーダとにさらに設置することができ、関連原理とその具体的な構造は当業者によく知られており、ここでは詳しく説明しない。なお、磁気電気式エンコーダに比べて、光電式エンコーダは外部環境に対する要求がより厳しく、例えば、光電式エンコーダはより高い防塵需要を持っており、後述で例示的な説明を行う。
【0060】
幾つかの実施形態では、エンコードディスク1151Aとアダプタ1129は、出力軸1121に追従して回動するように、出力軸1121にそれぞれ個別に接続することができる。これにより、エンコードアセンブリ115に対する制動アセンブリ114の干渉を低減するのに有利である。例示的には、エンコードディスク1151Aとアダプタ1129は、それぞれのアダプタを介して出力軸1121に接続されてもよい。即ち、アダプタの数は、2つである。
【0061】
幾つかの実施形態では、エンコードディスク1151Aはアダプタ1129に接続され、それによってアダプタ1129を介して出力軸1121に接続される。即ち、エンコードディスク1151Aと摩擦シート1145は、いずれもアダプタ1129を介して出力軸1121に接続されて、アダプタ1129を「1ピース2用」にすることができ、これによって関節モジュール11の構造を簡略化することができる。これに基づいて、
図8に示すように、駆動アセンブリ112と関節ハウジング111とを組み立てた後、まず制動アセンブリ114と駆動アセンブリ112とを組み立て、次にエンコードディスク1151Aとアダプタ1129を全体として制動アセンブリ114と組み立て、その後、ブラケット118、読取ヘッド1152A及びその回路基板などの他の構造を全体として関節ハウジング111又は上軸受ホルダ1125と組み立てることができる。このように、エンコードディスク1151Aとアダプタ1129がそれぞれのアダプタを介して出力軸1121に接続されているのに対し、エンコードディスク1151Aと摩擦シート1145がいずれもアダプタ1129を介して出力軸1121に接続される実施形態では、アダプタ1129を1回だけ着脱する必要があり、生産効率の向上に有利である。
【0062】
例示的には、
図11に示すように、アダプタ1129は、筒状本体11291と、筒状本体11291に接続された内フランジ部11292、外フランジ部11293とを含む。外フランジ部11293と内フランジ部11292は、逆方向に延在している。ここで、
図10に示すように、筒状本体11291の外輪郭は出力軸1121の軸方向に沿って非円形を呈し、例えば、4つの角はいずれも面取りされた正方形である。摩擦シート1145は、筒状本体11291に嵌着されて、アダプタ1129に追従して回動したり、出力軸1121の軸方向に沿ってアダプタ1129に対して移動したりする。エンコードディスク1151Aは、外フランジ部11293に接続されて、アダプタ1129に追従して回動する。好ましくは、アダプタ1129は、外フランジ部11293に接続された環状フランジ11294を含む。エンコードディスク1151Aが外フランジ部11293に接続される時に、環状フランジ11294にさらに嵌合して、エンコードディスク1151Aを環状フランジ11294を介して径方向に位置決めする。さらに、
図8に示すように、出力軸1121が筒状本体11291に挿入され、且つ出力軸1121の端面が内フランジ部11292に当接し、例えば、アダプタ1129が出力軸1121に追従して回動するように、締結具1165を介して内フランジ部11292を上固定セグメント11212の端部に固定する。ここで、出力軸1121が筒状本体11291に挿入されることにより、筒状本体11291を介して出力軸1121を径方向に制限できるだけでなく、アダプタ1129と出力軸1121との間の同軸度を増加させることにも有利である。
【0063】
本願における締結具1161、1162、1163、1164、1165などはそれぞれボルトであってもよく、具体的なニーズに応じて六角頭の、丸頭の、角形頭の、沈み頭のなどを選択することができる。
【0064】
さらに、
図8に示すように、エンコードアセンブリ115は、減速アセンブリ113の回動状態、具体的にはフランジ1135の回転数及び角位置のうちの少なくとも1つを検出するために使用する。ここで、エンコードアセンブリ115は、中空軸1137に接続されたエンコードディスク1151Bと、エンコードディスク1151Bと協働する読取ヘッド1152Bとを含む。読取ヘッド1152Bは、エンコードディスク1151Bが中空軸1137に追従して回動する間にフランジ1135の回転数及び/又は角位置を検出する。同様に、エンコードディスク1151Bは、磁気グリッドディスク又はラスタディスクとして設置されてもよい。
【0065】
一例として、
図5及び
図8に示すように、関節モジュール11は関節ハウジング111に接続されたブラケット118を含む。ブラケット118は、エンコードアセンブリ115の設置を容易にし、関節モジュール11の構造を簡略化するために、制動アセンブリ114の外側、即ち制動アセンブリ114の周辺にカバーすることができる。言い換えれば、ブラケット118と制動アセンブリ114は、上固定部11252の同じ側に支持されている。ここで、読取ヘッド1152A及びその回路基板はブラケット118に接続することができる。読取ヘッド1152B及びその回路基板もブラケット118に接続することもできる。このようにして、出力軸1121の軸方向における読取ヘッド1152Aとエンコードディスク1151Aとのピッチ、及び出力軸1121の軸方向における読取ヘッド1152Bとエンコードディスク1151Bとのピッチを調整することができ、さらにエンコードアセンブリ115の信頼性を高めることができる。勿論、読取ヘッド1152Aと読取ヘッド1152Bは同じ回路基板上に設けられてもよく、エンコードディスク1151A、回路基板及びエンコードディスク1151Bは出力軸1121の軸方向に順次間隔を置いて設けられており、エンコードアセンブリ115の構造を簡略化するのに有利である。
【0066】
さらに、出力軸1121の径方向において、制動アセンブリ114は上環状ストッパ11253の内側に径方向に規制され、ブラケット118は上環状ストッパ11253の外側に径方向に規制され、これにより、制動アセンブリ114とブラケット118の組立精度の向上だけでなく、関節モジュール11の構造の簡略化にも有利である。ここで、出力軸1121の軸方向において、上固定部11252の制動アセンブリ114を支持するための内支持面は、上固定部11252のブラケット118を支持するための外支持面よりも前記上軸受に近く、これにより、関節モジュール11の構造的なコンパクト性を高めるのに有利である。
【0067】
一例として、
図12に示すように、ブラケット118は、筒体1181と、筒体1181の両端にそれぞれ湾曲するように接続された外底壁1182、内頂壁1183とを含む。外底壁1182と内頂壁1183は、逆方向に延びていてもよい。ここで、筒体1181は制動アセンブリ114の外周に位置し、外底壁1182は上固定部11252に接続され、上環状ストッパ11253の外側に径方向に規制されている。読取ヘッド1152A、読取ヘッド1152B及びそれぞれの回路基板は、それぞれ内頂壁1183に接続されている。勿論、ブラケット118は、エンコードアセンブリ115がブラケット118に組み込むことができれば、内頂壁1183を含まなくてもよい。さらに、外底壁1182と筒体1181のコーナーの内側には、上環状ストッパ11253を逃げるための逃げ溝1184、即ち、ブラケット118と上軸受ホルダ1125との組立て後の上環状ストッパ11253が逃げ溝1184内に位置し、これにより、関節モジュール11の構造上のコンパクト性、特に出力軸1121の径方向での向上に有利である。
【0068】
なお、
図2及び
図8に示すような実施形態では、区別を容易にするために、駆動アセンブリ112の回動状態を検出するためのエンコードアセンブリを第1のエンコードアセンブリと定義することができ、減速アセンブリ113の回動状態を検出するためのエンコードアセンブリを第2のエンコードアセンブリと定義することができる。ここで、第1のエンコードアセンブリは、エンコードディスク1151Aと読取ヘッド1152Aとを含むことができる。第2のエンコードアセンブリは、エンコードディスク1151Bと読取ヘッド1152Bとを含むことができる。
【0069】
これに基づき、第2のエンコードアセンブリが検出する減速アセンブリ113の出力端の回転数や角位置などの情報を、減速アセンブリ113の伝動比により対応する駆動アセンブリ112の出力軸1121の回転数や角位置などの情報に換算することができ、さらに、第1のエンコードアセンブリが検出した駆動アセンブリ112の出力軸1121の回転数や角位置などの情報と相互に照合してエンコードアセンブリ115の信頼性を高めたり、相互に協力してエンコードアセンブリ115の検出精度を高めたりすることができる。関連原理は当業者にとって周知であり、ここではこれ以上説明しない。ここで、第1のエンコードアセンブリ及び第2のエンコードアセンブリがそれぞれ減速アセンブリ113の出力端及び駆動アセンブリ112の出力軸1121の角位置を検出するような実施形態では、第1のエンコードアセンブリ及び第2のエンコードアセンブリは、シングルコイルアブソリュートエンコーダ、即ち、背景技術で説明されているデュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダのスキームを選択することができる。
【0070】
上述の関連説明に基づいて、
図8に示すように、駆動アセンブリ112の出力端(例えば、出力軸1121)と減速アセンブリ113の出力端(例えば、フランジ1135とそれに接続される中空軸1137)には、それぞれ第1のエンコードアセンブリ(エンコードディスク1151Aと読取ヘッド1152Aを含む)及び第2のエンコードアセンブリ(エンコードディスク1151Bと読取ヘッド1152Bを含む)、即ち、デュアルエンコードスキームを採用し、より具体的には、デュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダのスキームである。このように設定すると、デュアルエンコーダスキームはエンコードアセンブリ115の検出精度をさらに全体的に向上させ、さらにロボットアーム10とその関節モジュール11の信頼性を向上させることができるが、ロボットアーム10とその関節モジュール11の生産コストもある程度で増加し、これはロボットアームの市場競争力、特に協働ロボットアームという細分品類の向上には明らかに不利である。これに対して、本願の発明者は、長期にわたる研究開発の過程で、デュアルエンコーダスキームは、協働ロボットアームの複数の安全機能を定義する技術的偏見を形成していることを発見した。しかし、ユニバーサルロボット(Universal Robots)会社が2005年に協働ロボットアームを提案してから17年間、エンコーダの技術は大幅に進歩し、その故障率を極めて低くしたため、いずれかのエンコーダの読み間違いや故障を検証するためにデュアルエンコーダ方式を採用する必要はないが、当業者はそれを意識していない、即ち、当業者は、協働ロボットアームがデュアルエンコーダスキームを採用しなければならないという技術的偏見を持っている。これに基づいて、本願の発明者は、長期にわたる研究開発の過程で、協働ロボットアームにとって、希冀会社がデュアルエンコーダスキームによって実現された安全機能は、殆んどデュアルエンコーダスキームに依存しないで同様に近似的な技術効果を実現または達成することができ、もう一部は技術の進歩に伴って実現する必要がなくなっていることをさらに発見した。例えば、ユニバーサルロボット(Universal Robots)会社が2005年に協働ロボットアームを提案した後、協働ロボットアームの衝突検出という安全機能は主に接触式と定義されている。例えば、特許番号(CN106061688b)に開示されている技術方案、即ち、衝突検出は協働ロボットアームがユーザーなどの外物と接触する時に行われ、この衝突検出は衝突検出の初心に反し、自然に欠陥が存在する。出願人は、このために、特許番号(CN112513558a)に開示されている技術案など、協働ロボットアームの衝突検出を非接触式として再定義する。この技術方案はデュアルエンコーダ方案に依存しないだけでなく、ユーザーが協働ロボットアームとマンマシンインタラクションを行う際の安全性をさらに高めることができる。要するに、本願発明者は、長期にわたる関連技術の開発を通じて、協働ロボットアームによるデュアルエンコーダスキームの使用の必要性はもはや存在せず、デュアルエンコーダスキームの採用はかえってコスト上昇、取付け/メンテナンス困難などの技術的問題をもたらすことを認識した。背景技術に関連記述がある。従って、ロボットアーム及びそのエンコーダ技術の継続的な発展に伴い、ロボットアーム10(特に協働ロボットアーム)における関節モジュール11の出力軸1121のみにデュアル・シングルコイルアブソリュートエンコーダの代わりにマルチコイルアブソリュートエンコーダを設置することが可能となり、同様にロボットアーム10の信頼性ニーズを満たすことができる。これに基づいて、
図13に示すように、本願に提供される関節モジュール11は、協働ロボットアームに使用されてもよい。関節モジュール11は、
図8に記載されたデュアルエンコーダ方式に代えて、ロボットアーム10及びその関節モジュール11の信頼性を満たす場合に対応する生産コストを低減するために、マルチコイルアブソリュートエンコーダのみで駆動アセンブリ112の出力軸1121の角位置を検出し、且つ出力軸1121の回転数を記録し、即ち、マルチコイルアブソリュートエンコーダ方式それだけではなく、本願の発明者は長期的な研究開発過程において、既存のエンコーダスキームには生産取付及び故障修理時のキャリブレーション難度が高い技術問題が存在することを発見し、詳細は背景技術の関連記載を参照されたい。このため、本願では、関節モジュール11は、マルチコイルアブソリュートエンコーダのみで駆動アセンブリ112の出力軸1121の角位置を検出し且つ出力軸1121の回転数を記録する(即ち、減速アセンブリ113の出力端にはエンコーダが設定されていない)上で、さらにマルチコイルアブソリュートエンコーダを一体型に設置し、且つ駆動アセンブリ112の出力軸1121及びその他の関連構造と着脱可能に接続することで、次の2つの利点がある。1つ目は、協働ロボットアームの生産組立過程において、一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダは関節モジュール11に組み立てる前に単独でキャリブレーションを完了し、キャリブレーションの難易度がより低く、効率がより高い。2つ目は、関節モジュール11が故障して修理を行う過程で、故障がエンコーダにある場合、修理員は直接新しい一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダを交換すればよく、専門のエンジニアが専門の設備を使って修理現場でキャリブレーションを行う必要はなく、工場に戻ってキャリブレーションする必要もなく、故障がエンコーダにないが修理には先ずエンコーダを取り外す必要があれば、エンコーダディスクと読取ヘッドとの間の精度が破壊されないように、一体型のマルチコイルアブソリュートエンコーダは全体として取り外したり取り付けたりすることができ、これにより、エンコーダが再インストールされた後に再度キャリブレーションを行う必要はなく、工場に戻る必要もない。明らかに、どのような状況にかかわらず、メーカーとユーザーの生産コストを下げ、市場競争力を高めることに有利である。
【0071】
一例として、
図14及び
図16に示すように、エンコードアセンブリ115(以下、他の特別な説明を省略する場合、すべてマルチコイルアブソリュートエンコーダを指す)は、ベース1153、回転軸1154、エンコードディスク1151A及び読取ヘッド1152Bを含み、回転軸1154はベース1153に回動可能に支持され、出力軸1121などの検出対象軸に接続され、エンコードディスク1151Aは回転軸1154に接続され、読取ヘッド1152B(及びその回路基板)は、エンコードアセンブリ115がモジュール化された構造ユニットとして機能するようにベース1153と相対的に固定されている。このように、エンコードアセンブリ115を組立てて使用する前に、エンコードディスク1151Aと読取ヘッド1152Aとの間の軸方向間隔を調整して決定することができ、それによってエンコードアセンブリ115の検出精度を高め、及びエンコードアセンブリ115を取り外して再インストールした後も再デバッグする必要はない。ここで、ベース1153は出力軸1121と相対的に静止しているように設定され、回転軸1154は出力軸1121と同期して回転するように設定され、エンコードアセンブリ115が出力軸1121の回転数及び/又は角位置を検出するのを容易にする。これに基づいて、ベース1153は関節ハウジング111と取り外し可能に連接され、具体的にはブラケット118と取り外し可能に連接される。回転軸1154は、エンコードアセンブリ115の着脱を容易にするために、出力軸1121に着脱可能に接続されていてもよい。
【0072】
なお、本願に提供される関節モジュール11は、協働ロボットアームに用いられてもよい。前記協働ロボットアームは、マルチコイルアブソリュートエンコーダによって記録された出力軸1121の回転数を格納するために、マルチコイルアブソリュートエンコーダに電力を供給するための電池を含んでもよい。関連技術原理は、当業者によく知られており、ここでは説明しない。
【0073】
さらに、
図13に示すように、関節モジュール11の引き廻し構造を容易にするために、回転軸1154は中空構造に設置され、中空軸1137は、入力軸1131と出力軸1121を順次に通過した後に回転軸1154内に部分的に挿入することができる。
【0074】
一例として、
図15に示すように、回転軸1154と出力軸1121のうちの一方が他方に部分的に挿入され、一対の接触面が形成されている。ここで、回転軸1154の一部が出力軸1121に挿入される場合、例えば
図15の(a)において、一対の接触面とは、互いに接触する回転軸1154の外輪郭面と出力軸1121の内輪郭面を意味する。逆に、出力軸1121が回転軸1154内に部分的に挿入されると、
図15の(b)に示すように、一対の接触面とは、互いに接触する出力軸1121の外輪郭面と回転軸1154の内輪郭面を意味する。さらに、出力軸1121に垂直な軸方向における一対の接触面の断面積は、出力軸1121の軸方向に沿って徐々に大きく又は小さくなる。ベース1153は、固定された後に出力軸1121の軸方向に沿って一対の接触面に圧縮力を与え、回転軸1154が一対の接触面の間の摩擦力によって出力軸1121に追従して回動するようにする。具体的には、圧縮力Fは、一対の接触面に垂直な第1の分力F1と一対の接触面に平行な第2の分力F2とに分解することができる。そして、一対の接触面における回転軸1154と出力軸1121の静摩擦係数をμであるとすると、一対の接触面における回転軸1154と出力軸1121の摩擦力の大きさFは、第1の分力F1と静摩擦係数μとの積である。ここで、
図16に示すように、本願は、エンコードアセンブリ115の径方向寸法を縮小するのに有利なように、回転軸1154が出力軸1121内に部分的に挿入されることを例として説明する。
【0075】
このようにして、回転軸1154と出力軸1121とがボルトなどの締結具によって直接接続されているのに比べて、本実施形態では回転軸1154又は出力軸1121の最小肉厚と締結具が占有する空間を考慮する必要がなく、回転軸1154と出力軸1121の設計をより柔軟にし、エンコードアセンブリ115と駆動アセンブリ112の全体構造もよりコンパクトにすることができる。回転軸1154と出力軸1121が接着剤で直接接続されるのに比べて、本実施例は接着剤の劣化の問題がなく、全体の構造がより信頼性が高い。回転軸1154と出力軸1121とが直接に挿着するように整合する非円形穴に設置されることに比べて、本実施例では挿着の嵌合隙間が存在せず、回転軸1154が出力軸1121に追従して回動する同期性がより高くなり、エンコードアセンブリ115の着脱もより便利になる。
【0076】
勿論、前述の技術的問題は他の技術的解決策によって解決することができ、又は前述の技術的問題が許容できるという前提の下で、回転軸1154と出力軸1121は、ボルトの締結具、接着剤の直接接続、整合した非円形穴を用いて直接挿入するなどの方法を採用してもよい。
【0077】
なお、エンコードアセンブリ115による出力軸1121の回転状態検出の信頼性を高めるために、回転軸1154と出力軸1121との間の同軸度が高くなり、回転軸1154の軸線と出力軸1121の軸線とが簡単に重なり合うと見なすことができる。従って、出力軸1121の軸方向は単純に回転軸1154の軸方向と見なすことができ、出力軸1121の径方向も単純に回転軸1154の径方向と見なすことができる。
【0078】
さらに、
図16に示すように、アダプタ1129が出力軸1121の径方向に回転軸1154を制限することができるように、回転軸1154のエンコードディスク1151Aから離れた他端部はアダプタ1129のガイド下でアダプタ1129を貫通して出力軸1121に部分的に挿入される。これにより、回転軸1154と出力軸1121との間の同軸度を高めることができ、特に回転軸1154の端部がグラデーション構造に設定される場合に有利である。上記の関連説明と合わせて、摩擦シート1145は、アダプタ1129に装着されてもよく、さらに出力軸1121に接続されて、アダプタ1129を「1ピース2用」にし、これにより、関節モジュール11の構造を簡略化することができる。
【0079】
一例として、
図17に示すように、アダプタ1129は、環状構造とすることができる。回転軸1154は、アダプタ1129の内周面に沿って出力軸1121に挿入することができる。前記内周面の半径は、出力軸1121の軸方向に一定のままである。これに応じて、回転軸1154とアダプタ1129とが嵌合する部分の外径は、出力軸1121の軸方向において一定のままである。これにより、この柱状等の径構造は、グラデーション構造に比べて、回転軸1154と出力軸1121との間の同軸度を増加させるのに有利である。
【0080】
同様に、アダプタ1129は、筒状本体11291と、筒状本体11291に接続された内フランジ部11292とを含む。ここで、筒状本体11291の内周面の半径は、アダプタ1129が回転軸1154を案内するのを容易にするために、出力軸1121の軸方向において変化しない。筒状本体11291の外輪郭は、摩擦シート1145がアダプタ1129に嵌合されるのを容易にするために、出力軸1121の軸方向に沿って非円形に見える。
【0081】
さらに、内フランジ部11292には、回転軸1154の周りに間隔を置いて設けられた複数の沈み穴11295が設けられ、例えば、沈み穴11295の数が6つであり、締結具1165が沈み穴11295を介して出力軸1121に内フランジ部11292を固定することができる。言い換えれば、締結具1165は出力軸1121の軸方向においてアダプタ1129から突出しないので、関節モジュール11の構造的なコンパクト性を高めるのに有利である。
【0082】
一例として、
図14及び
図16に示すように、ベース1153には軸受孔11531が設けられる。エンコードアセンブリ115は、回転軸1154がベース1153に回動可能に支持されるのを容易にするために、軸受孔11531内に嵌設された軸受11551を含むことができる。勿論、出力軸1121の回転数が高くないと、エンコードアセンブリ115は軸受11551を含まなくてもよく、即ち、回転軸1154は軸受孔11531と軸孔で直接に嵌合し、例えば両者が隙間により嵌合し、この場合、回転軸1154は同様にベース1153に回動可能に支持されることができる。
【0083】
さらに、回転軸1154は、接続部11541と、挿脱部11542と、外延部11543とを含む。挿脱部11542と外延部11543は、それぞれ接続部11541の両端に連接される。ここで、接続部11541は、軸受11551の内輪に嵌設可能であり、挿脱部11542と外延部11543は、軸受11551の両側からそれぞれ突出可能である。外延部11543は、軸受11551の内輪を出力軸1121の軸方向に沿って圧持することができる。エンコードディスク1151Aは、外延部11543に接続することができる。回転軸1154は、挿脱部11542を介して出力軸1121と着脱可能に接続される。さらに、挿脱部11542の外径は、出力軸1121の軸方向に且つ外延部11543から遠ざかる方向に徐々に小さくなり、挿脱部11542が出力軸1121に挿入され、さらに一対の接触面を形成することを許容する。上記の関連説明に基づいて、挿脱部11542の外径は、出力軸1121の軸方向に且つ外延部11543から離れる方向に、まずそのままにしてから徐々に小さくなり、挿脱部11542がアダプタ1129のガイドの下でアダプタ1129を通って出力軸1121に部分的に挿入できるようにする。
【0084】
一例として、
図15に示すように、挿脱部11542の外輪郭面と出力軸1121の軸方向との間の角度θは、2°~33°の範囲であってもよい。ただし、押圧力Fの大きさ等のパラメータが一定である場合には、角度θの大きさは第1の分力F1の大きさを決める。即ち、F1=F×Sinθ。注意すべきところは、角度θが大きいほど、より大きな第1の分力F1を得るのに有利となり、十分な摩擦力を提供するのに有利となるが、挿脱部11542の外輪郭面及び出力軸1121の内輪郭面もそれに伴って鋭くなる。これにより、挿脱部11542と出力軸1121の端部の構造強度が悪化する。逆に、角度θが小さいほど、挿脱部11542と出力軸1121の端部の構造強度を確保する上で有利になるが、回転軸1154が出力軸1121に追従して回動する同期性が悪くなるおそれもある。
【0085】
幾つかの実施形態では、挿脱部11542の最小外径と最大外径との差の絶対値と挿脱部11542の最大外径との比は、0.05~0.2であってもよく、これにより、角度θを適切な範囲に収まる。それ以外に、特定の角度θにとって、挿脱部11542と出力軸1121の端部の構造強度を確保するのにも有利である。
【0086】
幾つかの実施形態では、挿脱部11542が出力軸1121の軸方向に出力軸1121を挿入する深さは、角度θが適切な範囲内にあるように、6mm~10mmの間であってもよい。
【0087】
図14及び
図16に示すように、出力軸1121の軸方向に見て、ベース1153のエッジ領域には、回転軸1154の周りに間隔を置いて設けられた複数の取付孔11532がある。ベース1153は、取付孔11532においてボルトなどの締結具によって関節ハウジング111またはブラケット118に固定されている。ここで、取付孔11532の中心と軸受孔11531の中心との間は、出力軸1121の径方向に第1の距離を有する。取付孔11532は、ベース1153が固定される前後に出力軸1121の軸方向に第2の距離を移動する。第1の距離は、26mm~40mmの間であってもよい。第2の距離は、0.1mm~1mmの間であってもよい。なお、ベース1153がブラケット118に固定される実施形態では、ベース1153が固定される前に、取付孔11532とブラケット118は出力軸1121の軸方向に隙間を有し、この隙間は、第2の距離であってもよい。
図16に示すように、角度θ及びベース1153の剛性等のパラメータが一定である場合、第2の距離と第1の距離及びその間の比は、圧縮力Fの大きさを決定する。注意すべきところは、第2の距離と第1の距離との比が大きいほど、より大きな圧縮力Fを得るのに有利であり、それによって十分な摩擦力を提供するのに有利であるが、出力軸1121がその軸方向に沿って「突き止められる」リスクも存在し易い。逆に、第2の距離と第1の距離との比が小さいほど、出力軸1121がその軸方向に沿って「突き止められる」ことを回避するのに有利であるが、圧縮力Fが不足するリスクも存在し易い。
【0088】
さらに、
図14に示すように、外延部11543は、接続部11541に接続された第1の外延セグメント11544と、第1の外延セグメント11544に接続された第2の外延セグメント11545を含む。第1の外延セグメント11544は、接続部11541を取り囲んでいる。第2の外延セグメント11545は、第1の外延セグメント11544を取り囲んでいる。ここで、第2の外延セグメント11545の出力軸1121の軸方向での厚さは、第1の外延セグメント11544の出力軸1121の軸方向での厚さよりも小さい。これにより、第1の外延セグメント11544は、出力軸1121の軸方向に沿って軸受11551の内輪を圧持し、第2の外延セグメント11545は、軸受11551の外輪とベース1153とそれぞれ出力軸1121の軸方向において離間して配置される。このようにすると、回転軸1154と軸受11551またはベース1153との不必要な衝突を回避するのに有利である。同様に、エンコードアセンブリ115は、接続部11541に嵌着された係止リングを含んでもよく、この係止リングは第1の外延セグメント11544と共に軸受11551の内輪を挟持する。さらに、エンコードディスク1151Aは、第2の外延セグメント11545の軸受11551から離れる側に接続することができる。エンコードディスク1151Aの第2の外延セグメント11545から離れる側は、出力軸1121の軸方向において第1の外延セグメント11544から突出しない。これにより、特にエンコードディスク1151Aがラスタディスクとして設定される場合には、エンコードディスク1151Aと他の構成要素との構造上の干渉や衝突を回避することが容易になる。言い換えれば、エンコードディスク1151Aは環状構造に設けられ、且つ回転軸1154に嵌着されてもよい。
【0089】
さらに、軸受11551は、軸受孔11531に対する回転軸1154の同軸度を高めるために、出力軸1121の軸方向に少なくとも2つ積層配置することができる。これにより、回転軸1154のベース1153に対する回動もより安定している。ここで、隣接する2つの軸受11551の外輪又は内輪の間にガスケット11552を挟持することができる。ガスケット11552は、隣接する2つの軸受11551の外輪の間の隙間と内輪の間の隙間が異なるようにする。即ち、軸受11551の外輪と内輪が出力軸1121の軸方向に距離をずらし、これにより、軸受11551の隙間を合理的な範囲内に制御し、回転軸1154が回動する際の安定性を高めることができる。
【0090】
上述の関連記述に基づいて、
図13に示すような実施形態では、エンコードアセンブリ115は、磁気電気式エンコーダまたは光電式エンコーダであってもよい。エンコードディスク1151Aは、それに応じて、磁気グリッドディスクまたはラスタディスクとして設定される。ここで、エンコードディスク1151Aが磁気グリッドディスクとして設けられる実施形態では、回路基板1157及びその上の読取ヘッド1152Aは、ベース1153のエンコードディスク1151Aに向かう側に固定されてもよい。さらに、光電式エンコーダは、磁気電気式エンコーダに比べて外界環境に対する要求がより厳しく、例えば、光電式エンコーダはより高い防塵需要を有する。次に、エンコードディスク1151Aをラスタディスクとして設定した例について説明する。
【0091】
図14及び
図16に示すように、外延部11543は、出力軸1121の軸方向に沿ってベース1153に正投影された時に軸受孔11531を完全に覆い、外部不純物(例えば、摩擦シート1145が動作中に発生する研削粉塵)が軸受孔11531を介してエンコードアセンブリ115内に進入してエンコードディスク1151Aを汚染するのをある程度阻害するように設けられている。これにより、エンコードアセンブリ115の防塵性能を向上させることができる。具体的には、第1の外延セグメント11544は、出力軸1121の軸方向に沿ってベース1153に正投影される時に軸受孔11531内に落下し、第2の外延セグメント11545は、出力軸1121の軸方向に沿ってベース1153に正投影される時にベース1153と部分的に重なり、外延部11543が軸受孔11531を完全に覆うようにする。
【0092】
一例として、
図14に示すように、ベース1153は、中間段差部11533と、中間段差部11533に接続される内段差部11534とを含む。内段差部11534は、出力軸1121の径方向において中間段差部11533よりも回転軸1154に近い。出力軸1121の軸方向における内段差部11534の厚さは、出力軸1121の軸方向における中間段差部11533の厚さよりも大きい。ここで、軸受孔11531は、少なくとも2つの軸受11551が出力軸1121の軸方向に沿って軸受孔11531内に積層して嵌設されるように、内段差部11534に設けられる。これにより、軸受孔11531に対する回転軸1154の同軸度が増加され、回転軸1154のベース1153に対する回動もより安定している。さらに、
図16に示すように、エンコードディスク1151Aは、出力軸1121の軸方向に沿ってベース1153に正投影される時に中間段差部11533と部分的に重なり、エンコードディスク1151Aと中間段差部11533の出力軸1121の軸方向におけるピッチは、エンコードディスク1151Aと内段差部11534の出力軸1121の軸方向におけるピッチよりも大きい。言い換えれば、エンコードディスク1151Aの回転軸1154から離れるエッジ領域とベース1153とは、出力軸1121の軸方向においてより大きな安全ギャップを有する。これにより、エンコードディスク1151Aとベース1153との不必要な衝突を回避するのに有利である。特に、エンコードディスク1151Aがラスタディスクとして設定される場合。このように、ベース1153の少なくとも一部を階段構造にすることにより、回転軸1154が回動する際の安定性とエンコードディスク1151Aの衝突防止とを両立することができる。勿論、エンコードアセンブリ115の重量をある程度軽減することもできる。
【0093】
さらに、第2の外延セグメント11545は、回転軸1154と軸受11551又はベース1153との不必要な衝突を回避するために、軸受11551の外輪と内段差部11534とそれぞれ出力軸1121の軸方向に間隔を置いて配置される。ここで、第2の外延セグメント11545は、出力軸1121の軸方向に沿ってベース1153に正投影される際に、内段差部11534と部分的に重なることができ、即ち、外延部11543は軸受孔11531を完全に覆う。これにより、エンコードアセンブリ115の防塵性能を高めるのに有利である。
【0094】
図18に示すように、外延部11543は、第2の外延セグメント11545と湾曲するように接続される第3の外延セグメント11546を含んでもよい。第3の外延セグメント11546は、エンコードアセンブリ115内への外部不純物の経路をさらに延長し、エンコードアセンブリ115の防塵性能を高めるために、内段差部11534を取り囲んでいる。このうち、中間段差部11533には、内段差部11534を囲む沈み溝11535が設けられている。第3の外延セグメント11546は、沈み溝11535内に部分的に挿入されていてもよい。これにより、エンコードアセンブリ115内への外部不純物の進入経路を延長するだけでなく、軸受11551を通過した外部不純物を沈み溝11535内に集めることができ、それによって外部不純物がエンコードアセンブリ115内にさらに進入する難度を高めることができる。注意すべきところは、中間段差部11533に沈み溝11535が設けられているかどうかにかかわらず、第3の外延セグメント11546と中間段差部11533とは、回転軸1154とベース1153との不必要な衝突を回避するために、出力軸1121の軸方向に間隔を置いて設けられる。
【0095】
図14及び
図16に示すように、エンコードアセンブリ115は、上部カバー1156、回路基板1157及び光源1158を含む。上部カバー1156は、ベース1153に接続されて、エンコードディスク1151A、回路基板1157などの構成要素を収容するキャビティを形成する。ここで、光源1158は、検出信号をエンコードディスク1151Aに送信するために使用され、読取ヘッド1152Aは、回路基板1157に配置されて、前記検出信号を受信するために使用される。さらに、光源1158と読取ヘッド1152A(及びそれに接続された回路基板1157)は、光源1158によって送信され且つエンコードディスク1151Aを通過する検出信号を読取ヘッド1152Aが受信するように、エンコードディスク1151Aの反対側にそれぞれ設けられ、対射型光電エンコーダを構成することができる。光源1158と読取ヘッド1152A(及びそれに接続された回路基板1157)は、光源1158によって送信され且つエンコードディスク1151Aによって反射された検出信号を読取ヘッド1152Aが受信するように、エンコードディスク1151Aの同じ側に設けられて、反射型光電エンコーダを構成することもできる。
【0096】
一例として、上部カバー1156は、中間段差部11533を取り囲んでいる外筒状側壁11561と、外筒状側壁11561の一端に接続されたトップカバー11562とを含む。この場合、出力軸1121の軸方向における中間段差部11533の厚さは、一般的に、出力軸1121の径方向における外筒状側壁11561の厚さよりも大きいので、外筒状側壁11561が中間段差部11533に支持されるのに比べて、外筒状側壁11561が中間段差部11533を取り囲むことは、両者の配合面積を大きくするのにさらに有利であり、エンコードアセンブリ115の防塵性能を改善するのにさらに有利である。勿論、外筒状側壁11561と中間段差部11533との配合面積を大きくすることは、上部カバー1156とベース1153との接続の信頼性を高めることにも有利である。
【0097】
さらに、ベース1153は、中間段差部11533に連接される外段差部11536を含んでもよい。中間段差部11533は、出力軸1121の径方向において外段差部11536よりも回転軸1154に近い。中間段差部11533の出力軸1121の軸方向における厚さは、外段差部11536の出力軸1121の軸方向における厚さよりも大きい。言い換えれば、ベース1153が外段差部11536、中間段差部11533及び内段差部11534を含む場合、外段差部11536、中間段差部11533及び内段差部11534は、出力軸1121の径方向において回転軸1154に徐々に近づき、且つ出力軸1121の軸方向における厚さが徐々に増加する。ここで、外段差部11536は、ボルトなどの締結具によってブラケット118又は関節ハウジング111に固定されてもよく、即ち、取付孔11532は外段差部11536に設けられてもよい。外筒状側壁11561は、外段差部11536に支持されてもよい。これに応じて、エンコードディスク1151A及び回路基板1157は、外筒状側壁11561の内側に配置されてもよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、光源1158は、中間段差部11533に設けられてもよい。なお、中間段差部11533のエンコードディスク1151Aから離れる側には取付溝が設けられ、光源1158は取付溝内に設けられる。言い換えれば、光源1158はエンコードアセンブリ115の外に配置され、これにより光源1158の引き廻しを簡略化するのに有利である。勿論、光源1158の組み立てもより便利になる。このとき、対射型光電エンコーダにとって、回路基板1157は、エンコードディスク1151Aのベース1153から離れる側に設置されてもよい。即ち、回路基板1157は、出力軸1121の軸方向においてエンコードディスク1151Aとトップカバー11562との間に位置している。ここで、出力軸1121の径方向における回路基板1157の外径は、出力軸1121の径方向におけるエンコードディスク1151Aの外径よりも大きくてもよい。さらに、エンコードアセンブリ115は、回転軸1154周りに間隔を置いて配置された複数の支持柱1159を含んでもよい。例えば、支持柱1159の数は、3つである。支持柱1159は、中間段差部11533と回路基板1157との間に支持され、且つエンコードディスク1151Aの周辺に位置する。勿論、回路基板1157は、トップカバー11562に固定されていてもよい。
【0099】
幾つかの実施形態では、光源1158は回路基板1157に設けられてもよく、即ち、光源1158及び読取ヘッド1152Aは、反射型光電エンコーダを構成するように、いずれも回路基板1157に設けられている。この場合、回路基板1157は、エンコードディスク1151Aのベース1153から離反する側(例えば、共に支持柱1159によって中間段差部11533に支持され、更に例えばトップカバー11562に固定される)に設けられてもよく、エンコードディスク1151Aのベース1153に近い側(例えば、中間段差部11533に固定される)に設けられていてもよい。
【0100】
上記の関連記述に基づいて、関節モジュール11の引き廻し構造を容易にするために、回転軸1154は、順次にエンコードディスク1151A、回路基板1157、及びトップカバー11562における逃げ穴を介してエンコードアセンブリ115の外部と連通する必要がある。この場合、外部不純物(例えば、作業中に摩擦シート1145によって発生した研削粉塵)がトップカバー11562における逃げ穴を介してエンコードアセンブリ115内に入り込み、エンコードディスク1151Aを汚染するリスクがあるので、エンコードアセンブリ115の防塵性能を改善するために、関連構造を改良する必要がある。
【0101】
図16に示すように、上部カバー1156は、トップカバー11562に連接される内筒状側壁11563を含んでもよい。内筒状側壁11563と外筒状側壁11561はトップカバー11562の同側に向かって同方向に延びる。ここで、内筒状側壁11563は、出力軸1121の軸方向に沿って回転軸1154内に部分的に挿入されて、外部不純物がエンコードアセンブリ115内に進入する経路を延長して、エンコードアセンブリ115の防塵性能を高めることができる。それ相応に、回路基板1157は環状構造に設けられ、且つ内筒状側壁11563に嵌着されることができる。ただし、回路基板1157と上部カバー1156は相対的に静止したままでよいので、回路基板1157の内周面と内筒状側壁11563の外周面が出力軸1121の径方向での隙間をできるだけ小さくすることができ、回路基板1157と上部カバー1156との組立隙間の需要を満たすことができればよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、内筒状側壁11563が出力軸1121の軸方向に回転軸1154を挿入する深さは、1 mm~3 mmであってもよい。ここで、前記深さが大きいほど、即ち、内筒状側壁11563が出力軸1121の軸方向に沿って回転軸1154に挿入されるのが深いほど、エンコードアセンブリ115内への外部不純物の進入経路を延長するのに有利であるが、回転軸1154の回転数が出力軸1121と一致してもよく、回転軸1154と内筒状側壁11563との不必要な衝突のリスクも保存し易い。逆に、前記深さが小さいほど、即ち、内筒状側壁11563が出力軸1121の軸方向に沿って回転軸1154に挿入されるのが浅いほど、回転軸1154と内筒状側壁11563との衝突を回避するのに有利であるが、これによりエンコードアセンブリ115の防塵性能を改善する効果も弱まり易い。
【0103】
幾つかの実施形態では、出力軸1121の径方向における内筒状側壁11563と回転軸1154との間隙は、0.1 mm~1 mmであってもよい。ここで、前記隙間が小さいほど、エンコードアセンブリ115内への外部不純物の進入を阻害するのに有利であるが、回転軸1154の回転数が出力軸1121と一致してもよいので、回転軸1154と内筒状側壁11563との不必要な衝突のリスクも存在し易い。逆に、前記隙間が大きいほど、回転軸1154と内筒状側壁11563との衝突を回避するのに有利であるが、これによりエンコードアセンブリ115の防塵性能を改善する効果も弱まり易い。
【0104】
幾つかの実施形態では、回転軸1154の端部がグラデーション構造に設けられることに類似して、内筒状側壁11563の回転軸1154に挿入された部分の外径は、出力軸1121の軸方向に且つトップカバー11562から離れる方向に徐々に小さくなり、グラデーション構造を形成する。それ相応に、回転軸1154の内筒状側壁11563を受け入れる部分の内径は、出力軸1121の軸方向に且つトップカバー11562から遠ざかる方向に徐々に小さくなり、内筒状側壁11563にマッチングするグラデーション構造を形成する。このように、柱状等の径構造に比べて、このようなグラデーション構造は同様に外部不純物がエンコードアセンブリ115内に進入する経路を延長し、エンコードアセンブリ115の防塵性能を高めることに有利である。
【0105】
さらに、回路基板1157はエンコードディスク1151Aのベース1153から離れる側に位置するので、出力軸1121の軸方向に沿った回路基板1157の正投影はエンコードディスク1151Aを完全に覆い、外部不純物がエンコードアセンブリ115に入る時に先ず回路基板1157に落下し、それによって外部不純物がエンコードディスク1151A上に落下する経路を延長することができ、同様にエンコードアセンブリ115の防塵性能を改善するのに有利であり、特に、上部カバー1156に引き廻しのための逃げ穴が設けられ且つ内筒状側壁11563を含まない場合。
【0106】
一例として、出力軸1121の径方向における回路基板1157の外径と、出力軸1121の径方向におけるエンコードディスク1151Aの外径との比は、1~1.8であってもよい。ここで、前記比が大きいほど、エンコードディスク1151A上に外部不純物が落下する経路を延長するのに有利であるが、エンコードアセンブリ115の径方向寸法が大きすぎることを招き易く、エンコードアセンブリ115の小型化に不利である。逆に、前記比が小さいほどエンコードアセンブリ115の小型化に有利であるが、これによりエンコードアセンブリ115の防塵性能を改善する効果も弱まり易く、支持柱1159の設置にも不便である。さらに、回路基板1157の外周面とエンコードディスク1151Aの外周面との出力軸1121の径方向での間隔が3 mmよく大きくであるかまたは3mmに等しく、エンコードアセンブリ115の防塵性能を改善した上で、支持柱1159の設置とエンコードディスク1151Aの衝突防止を両立することができる。
【0107】
上記は本願の一部の実施例にすぎず、本願の保護範囲を制限するものではなく、本願明細書及び図面の内容を用いて行われた等価な装置又は等価なフロー変換、又は直接又は間接的に他の関連技術分野に用いられるものは、いずれも本願の特許保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
10 ロボットアーム
11 関節モジュール
12 接続アーム
13 ベース
111 関節ハウジング
112 駆動アセンブリ
113 減速アセンブリ
114 制動アセンブリ
115 エンコードアセンブリ
117 第1の弾性部材
118 ブラケット
1111 第1のハウジング
1112 第2のハウジング
1113 環状支持台
1121 出力軸
1122 ロータ
1123 ステータ
1124 下軸受ホルダ
1125 上軸受ホルダ
1126 下軸受
1127 上軸受
1129 アダプタ
11211 下固定セグメント
11212 上固定セグメント
11213 中間固定セグメント
11214 外階段面
11215 外階段面
11241 下筒状部
11242 下固定部
11243 下フランジ部
11563 内筒状側壁
11411 底壁
11412 内側壁
11413 外側壁
1141 取付ベース
1142 第2の弾性部材
1143 励磁コイル
1144 アーマチュアディスク
1145 摩擦シート
1146 カバープレート
1147 ガイドポスト
1134 剛性ホイール
1135 フランジ
1136 外軸受
1137 中空軸
1153 ベース
1154 回転軸
1156 上部カバー
1157 回路基板
1158 光源
1159 支持柱
1161 締結具
1162 締結具
1163 締結具
1164 締結具
1165 締結具
1181 筒体
1182 外底壁
1183 内頂壁
1184 逃げ溝
1151A エンコードディスク
1151B エンコードディスク
1152A 読取ヘッド
1152B 読取ヘッド
11211 下固定セグメント
11212 上固定セグメント
11242 下固定部
11252 上固定部
11253 上環状ストッパ
11281 下係止リング
11282 下圧リング
11291 筒状本体
11292 内フランジ部
11293 外フランジ部
11294 環状フランジ
11295 沈み穴
11331 筒状係合部
11332 環状折り返し部
11531 軸受孔
11532 取付孔
11533 中間段差部
11534 内段差部
11535 沈み溝
11536 外段差部
11541 接続部
11542 挿脱部
11543 外延部
11544 第1の外延セグメント
11545 第2の外延セグメント
11546 第3の外延セグメント
11551 軸受
11552 ガスケット
11561 外筒状側壁
11562 トップカバー