(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240709BHJP
G16H 50/00 20180101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/26
G16H50/00
(21)【出願番号】P 2023078411
(22)【出願日】2023-05-11
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502265688
【氏名又は名称】株式会社JMDC
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】浜田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】原 一史
(72)【発明者】
【氏名】黄 寒氷
(72)【発明者】
【氏名】北野 道春
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124836(JP,A)
【文献】特開2020-035279(JP,A)
【文献】特開2008-310473(JP,A)
【文献】特開2018-180686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 50/00-50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップと、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて前記対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて生成された、検診の主催者及び前記対象者のみが知り得て、かつ、前記対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップと、
前記第2ステップで生成した前記メッセージを前記対象者に送信する第3ステップとを実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第3ステップにおいて、前記メッセージをショートメッセージサービス、マルチメディアメッセージングサービス及びリッチコミュニケーションサービスのうち少なくとも1つのサービスにより送信する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記情報は前記対象者が居住する市区町村よりも対象範囲が狭い領域に関する情報である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記情報は、前記対象者の前記住所情報または前記居所情報から都道府県名、市区町村名及び番地を除いた情報である、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記メッセージは、前記対象者が居住する都道府県または市区町村が主催する検診への受診を勧奨するものである、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記メッセージは、特定のサイトにアクセスするためのURLをさらに含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記URLは、前記対象者が居住する都道府県または市区町村が主催する検診を勧奨するアンケート画面へ誘導するものである、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
プロセッサを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップと、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて前記対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて生成された、検診の主催者及び前記対象者のみが知り得て、かつ、前記対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップと、
前記第2ステップで生成した前記メッセージを前記対象者に送信する第3ステップとを実行する、情報処理装置。
【請求項9】
プロセッサを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記プロセッサは、
検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップと、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて前記対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて生成された、検診の主催者及び前記対象者のみが知り得て、かつ、前記対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップと、
前記第2ステップで生成した前記メッセージを前記対象者に送信する第3ステップとを実行する、方法。
【請求項10】
検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する手段と、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて前記対象者に送信するメッセージを生成する手段であって、このメッセージには、
前記住所情報または前記居所情報に基づいて生成された、検診の主催者及び前記対象者のみが知り得て、かつ、前記対象者が特定できない情報が含まれる手段と、
前記メッセージを生成する手段が生成した前記メッセージを前記対象者に送信する手段とを具備する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地方自治体が、この地方自治体の住民に対して種々のお知らせを行う際、主に郵便物をこの住民に対して郵送することが多い。これは、地方自治体は、この地方自治体に居住する住民に関する情報を所有していること、また、郵便物の差出人が地方自治体であれば、受取人である住民は郵便物が当該地方自治体から差し出されたであろうことに一定の信頼を抱くことが期待されるからである。なお、以下の説明において、「地方自治体」とは、地方自治体が管理、管掌する各種組織を含む。
【0003】
しかしながら、郵便物に代えてショートメッセージサービス(以下、適宜SMSと称する)などにより住民に対してお知らせを行う場合、SMSは携帯電話の番号をキーにしてメッセージを送信することができるので、携帯電話番号を無作為に生成していわゆるスパムメールを送信することができる。
【0004】
警察や地方自治体は、このようなスパムメールを無視する、スパムメールに含まれるリンクをクリックしないように高齢者に指導をしていることがある。このため、地方公共団体が重要なお知らせを通知するために、住民に対してSMSを送信しても、住民は送信されたSMSが本当に地方公共団体から送信されてきたものであるかを直ちに判断することが難しい。よって、地方自治体がSMS経由でお知らせを行ったとしても、住民がこのメッセージの信頼性を疑って無反応のまま推移する可能性が高い。
【0005】
ここで、本人認証システムの利用者に対して居住地の近隣に対する警告表示のために地区名等をメッセージに入れる技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された技術は、利用者の自宅に配置されたページャー端末にプッシュ通知をするものであり、利用者が応答することを念頭に置いていない。従って、地方自治体が住民に対してメッセージを送信し、このメッセージに応答して住民が何かしらのアクションを行う用途への適用は困難である。
【0008】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、地方自治体から送信されたメッセージが地方自治体からの発信であることを、メッセージを受信したユーザが容易に知ることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップと、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップと、第2ステップで生成したメッセージを対象者に送信する第3ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、地方自治体から送信されたメッセージが地方自治体からの発信であることを、メッセージを受信したユーザが容易に知ることができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るシステムの全体の構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る検診勧奨対象データベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る検診勧奨実施データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るシステムにおける処理流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係るシステムにおける健康診断の受診勧奨手法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0013】
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0014】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0015】
また、以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
【0016】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0017】
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
【0018】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0019】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0020】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0021】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0022】
<0 システムの概要>
本開示に係るシステムは、例えば地方自治体が保険者となる国民健康保険制度である、いわゆる「市町村健保」の被保険者、被扶養者である健康診断の受診対象者、また、地方自治体や後期高齢者医療広域連合が保険者となる後期高齢者医療制度の被保険者である健康診査の受診対象者(以下、単に「対象者」と称することがある)に対して、健康診断の受診を勧奨する通知を地方自治体等(以下、「主催者」と称する)が行うにあたって、ショートメッセージサービス等により対象者に通知(以下、「メッセージ」とも言う)した際に、信頼性の高い(少なくとも対象者がその信頼性が高いと信じる)通知を行うシステムである。
【0023】
本開示に係るシステムを利用する、健康診断の受診勧奨を行う主体(以下、「健康保険団体」と称する)としては地方自治体が挙げられるが、本開示に係るシステムにおいて、主体をこれら地方自治体に限定する意図はない。また、健康診断の受診勧奨がされる対象者についても、主に地方自治体に住所または居所を有する住民が挙げられるが、本開示に係るシステムにおいて、対象者をこれら組合員等に限定する意図もない。また、対象とする健康保険には、いわゆる国民健康保険、後期高齢者医療制度が好適に挙げられるが等、本開示に係るシステムが対象とする国家において実施されている医療保険制度に含まれる健康保険が全て含まれうる。
【0024】
対象者が受診勧奨される健康診断は、地方自治体が実施(他団体に実施を委託する場合を含む)するものである。一般的に、このような健康診断は年度単位で繰り返し実施される。対象者は、該当年度内において健康診断の受診が勧奨される。対象者に対して受診勧奨がされる健康診断には、一般健診と呼ばれる健康診断、特定健診と呼ばれる健康診断、女性を対象とする婦人科関係の健康診断等が含まれる。これら健康診断の対象者にはその対象者の年齢に関する条件が付されることが多いが、本開示に係るシステムにおいて、対象者の年齢に関する条件は必須ではない。同様に、本開示に係るシステムにおいて、健康診断の種類を限定する意図はない。
【0025】
健康診断を実施する(所管する)地方自治体において、対象者が健康診断を受診して自身の健康状態を適切に把握し、好ましくは適切な医療処置を受けることは、対象者が適切な医療費を支払う(結果的に地方自治体が支出する費用の適正化につながる)という観点からも重要である。かかる観点から、地方自治体は対象者に対して健康診断の受診勧奨を行っている。従って、健康診断の受診率向上を図るインセンティブが地方自治体にある。少なくとも、地方自治体にとって、自身が行った健康診断の受診勧奨に対して対象者が反応を行った率(これには、対象者が受診勧奨通知を読んだこと、受診勧奨通知に基づいて健康診断の実施機関を探したこと、さらには、当該機関に対して健康診断の受診を予約したことについての割合を含む)を適切に把握し、率向上を図る施策を採りたいインセンティブがある。
【0026】
そこで、本開示に係るシステムでは、率向上の前提として、主催者が送信するメッセージが信頼性の高いものであると対象者が考え、メッセージを開封するといった積極的な行動を取る(反対に、消極的な行動はメッセージを無視する、メッセージを廃棄するなどである)ことを主催者が期待していることを考慮している。そして、本開示に係るシステムでは、メッセージの信頼性を担保するために、メッセージに特定の情報を含ませている。
【0027】
特定の情報は、上述したように、主催者から送信されるメッセージの信頼性を高める(少なくとも一定の信頼性があることを担保できる)ものであることが好ましい。かかる観点から、本開示に係るシステムでは、特定の情報として、主催者及び個々の対象者のみが知り得て、かつ、個々の対象者が特定できない情報を用いている。
【0028】
このような特定の情報の具体的な態様に特段の限定はないが、一例として、対象者が居住する市区町村よりも対象範囲が狭い領域に関する情報が挙げられる。さらに詳細には、対象者の住所または居所から都道府県、市区町村及び番地を除いた情報が挙げられる。例えば、対象者の住所が「東京都世田谷区喜多見○丁目×番△号」であったとすると、この住所における都道府県は「東京都」であり、市区町村は「世田谷区」であり、番地は「○丁目×番△号」であるので、特定の情報は「喜多見」となる。当然、上記した例以外の特定の情報であっても、本開示に係るシステムへの適用が可能である。一例として、上述した例であれば、「世田谷区」「喜多見○丁目」などであれば、主催者及び個々の対象者のみが知り得て、かつ、個々の対象者が特定できない情報に該当する。
【0029】
また、本開示に係るシステムによって主催者が対象者に送信するメッセージの送信手段についても特段の限定はない。このような送信手段として広く知られているものはSMS(ショートメッセージサービス)であるが、SMS以外にも、MMS(マルチメディアメッセージングサービス)、RCS(リッチコミュニケーションサービス)など、既知のメッセージサービスが好適に適用可能である。例示した送信手段は、対象者が特段登録作業を行わない状態でも、主催者が対象者の携帯端末の電話番号に関する情報を取得できれば、個々の対象者を特定してメッセージを送信できる手段である。
【0030】
当然、これ以外の送信手段、一例として、Facebook Messenger、LINEに代表されるインスタントメッセンジャー、slackに代表されるチャットアプリ、その他、Twitter等のSNSであっても、対象者が主催者に対してアカウント情報を開示しているならば、メッセージの送信手段として好適に適用可能である。
【0031】
なお、本開示に係るシステムは、健康診断に対する受診勧奨のみならず、例えばがん検診のような特定の疾病の有無を診断するものについても当然に適用可能である。本明細書では、健康診断と検診とを含む概念として「検診」という用語を使用する。但し、健康診断とがん検診等の検診とで特段の処理を区別する必要がある時以外は、理解の容易のために「健康診断」「健診」という用語を使用することがある。この場合であっても、本開示に係るシステムが「健康診断」「健診」にのみ適用されると解釈すべきでない。
【0032】
<一実施形態>
<1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態のメッセージ生成システム1(以下、単にシステム1と称する)の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10a及び端末装置10bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、外部データサーバ30とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)としての機能を有するサーバであり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0033】
端末装置10aのハードウェア構成と端末装置10bのハードウェア構成とは共通するので、端末装置10aのハードウェア構成について説明することで、端末装置10のハードウェア構成の説明を省略する。
【0034】
端末装置10は、健康診断の受診勧奨に関する主催者からのメッセージを受信するユーザが操作する装置である。端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末により実現される。この他、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等であるとしてもよい。なお、本明細書において、「ユーザ」と「対象者」とは同義であるとして、特段の区別をせずに使用する。
【0035】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11x等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0036】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0037】
サーバ20は、本実施形態のシステム1の管理者により管理され、端末装置10のユーザにより適宜格納内容が修正/追加/削除がされる。
【0038】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0039】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0040】
外部データサーバ30は、検診(含む健康診断)の受診勧奨に関するメッセージを受信する対象者を含む、主催者が管掌する対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を少なくとも含む検診勧奨対象者データが格納されたサーバである。このようなサーバとして、地方自治体が有する、いわゆるレセプトに関するデータが格納されたサーバが考えられる。
図1では外部データサーバ30を単体として図示していたが、外部データサーバ30は複数のサーバにより構成されてもよい。また、外部データサーバ30は、本実施形態に係るシステム1に対してレセプトに関するデータの全てを提供する必要はなく、これらデータの中から、本実施形態に係るシステム1からの要請に基づいて、必要範囲のデータを提供し、あるいは、必要範囲のデータのみを格納したサーバを用意してこのサーバへのアクセスを本実施形態に係るシステム1に許可してもよい。
【0041】
<1.1 端末装置10の機能的な構成>
図2は、
図1に示す端末装置10の機能的な構成の例を表すブロック図である。
図2に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。
図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0042】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0043】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、または情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、キーボード、マウス、リーダー等により実現されてもよい。端末装置10が携帯端末等である場合には、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0044】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0045】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0046】
記憶部180は、例えば、メモリ15、および記憶部16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。
【0047】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるアプリケーションプログラム181を読み込み、アプリケーションプログラム181に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、記憶部180に格納されたアプリケーションプログラム181に従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、提示制御部194としての機能を発揮する。
【0048】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、または情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、キーボード、マウス等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
【0049】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部191は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
【0050】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された業務内容をサーバ20へ送信する。また、送受信部192は、ユーザに関する情報を、サーバ20から受信する。
【0051】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、アプリケーションプログラム181に従って演算を行い、演算結果をメモリ15等に出力する処理を行う。
【0052】
提示制御部194は、サーバ20から提供された情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部194は、サーバ20から送信される情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部194は、サーバ20から送信される情報をスピーカー172から出力させる。
【0053】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0054】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0055】
記憶部202は、例えば、検診勧奨対象者DB(DataBase)2022と、検診勧奨実施DB2023等とを有する。
【0056】
検診勧奨対象者DB2022は、外部データサーバ30から取得した対象者の個人情報が格納されたデータベースである。個人情報には、既に説明したように、検診(含む健康診断)の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を少なくとも含むが、これ以外のデータを含んでいてもよい。例えば、外部データサーバ30がレセプトに関するデータを格納したサーバを含む場合、レセプトデータを構成するデータが検診勧奨対象者DB2022に格納されていてもよい。検診勧奨対象者DB2022に格納される対象者の個人情報は、後述する個人情報取得モジュール2033により格納され、適宜追記、削除、更新される。詳細は後述する。
【0057】
検診勧奨実施DB2023は、本実施形態に係るシステム1が検診勧奨を行った対象者についての検診勧奨の実施履歴が格納されたデータベースである。検診勧奨実施DB2023に格納されている検診勧奨の実施履歴の詳細については特段の限定はなく、少なくともどの対象者に対してメッセージをいつ送信したかという情報が格納されていればよい。それ以外の実施履歴としては、メッセージ送信に限らず(例えば葉書で)対象者に行った検診勧奨の実施の詳細、どのような手段で検診勧奨を行ったかについての情報などが含まれうる。検診勧奨実施DB2023に格納される対象者についての検診勧奨の実施履歴は、後述する検診勧奨実施モジュール2034により格納され、適宜追記、削除、更新される。詳細は後述する。
【0058】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるアプリケーションプログラム2021を読み込み、アプリケーションプログラム2021に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、アプリケーションプログラム2021に従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、個人情報取得モジュール2033及び検診勧奨実施モジュール2034として示す機能を発揮する。
【0059】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0060】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0061】
個人情報取得モジュール2033は、例えば外部データサーバ30から対象者の個人情報を取得する。対象者の個人情報には、対象者の住所情報または居所情報が少なくとも含まれる。個人情報取得モジュール2033は、外部データサーバ30に格納されている全てのデータを取得する必要はなく、検診勧奨を行うべき候補となる対象者の個人情報のみを取得してもよいし、外部データサーバ30に格納されているデータを取得した後、このデータに基づいて(例えば生年月日、過去の検診履歴などを参照して)検診勧奨を行うべき候補となる対象者の個人情報を抽出してもよい。なお、外部データサーバ30に格納されているデータには個人情報(例えば氏名、住所)に該当するデータも含まれうるので、個人情報取得モジュール2033は、こういった個人情報については一部を識別情報に置き換えて検診勧奨対象者DB2022に格納してもよい。一方で、氏名や住所の一部については、主催者名義で本開示に係るシステム1が送信するメッセージに含めることでその信頼性を高めることができると考えられるので、個人情報の全てを識別情報に置き換えることは好ましくない。
【0062】
外部データサーバ30に格納されているデータは適宜更新されることが考えられるので、個人情報取得モジュール2033は、定期的に外部データサーバ30にアクセスし、対象者の個人情報を取得することが好ましい。個人情報取得モジュール2033は、取得した対象者の個人情報を検診勧奨対象者DB2022に格納し、また、検診勧奨対象者DB2022の記録内容を適宜追記、削除、更新する。
【0063】
検診勧奨実施モジュール2034は、個人情報取得モジュール2033が取得した対象者の個人情報に基づいて、対象者に対して検診(含む健康診断)の受診勧奨を行う。
【0064】
検診勧奨実施モジュール2034が行う健康診断の受診勧奨の一例について、
図7を参照して説明する。
【0065】
検診勧奨実施モジュール2034は、検診勧奨対象者DB2022に含まれる対象者の個人情報を参照し、必要に応じて対象者の詳細な個人情報を外部データサーバ30から取得し、対象者の住所に葉書1101を送付するか、あるいは、対象者の携帯端末に対してSMS(ショートメッセージ)1102を送信する。
【0066】
葉書1101には、対象者を識別可能な識別情報(ID)を含む、本実施形態に係るシステム1へアクセスするためのリンク情報が記載された2次元バーコード1103が表示されている。また、対象者の葉書に対する信頼度を上げる方策として、葉書の目立つ箇所(図示例では上部)に、葉書を受け取った対象者が容易に視認可能な態様で(図示例では比較的大きい字で、かつ太字で)、差出人である検診主催者の名称1104、一例として地方自治体の名前(×××市)が表示されている。
【0067】
SMS1102には、同様に、対象者を識別可能な識別情報(ID)を含む、本実施形態に係るシステム1へアクセスするためのリンク情報1105が含まれている。また、SMS1102には、対象者のSMS1102に対する信頼度を上げる方策として、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、この対象者が特定できない情報、つまり特定の情報1106が含まれている。図示例では、特定の情報1106として、対象者の市区町村名(×××市)に、対象者の住所または居所のうち都道府県名、市区町村名及び番地を除いた情報(○○町)を加えた情報を用いている。
【0068】
検診勧奨実施モジュール2034は、検診勧奨対象者DB2022から対象者の個人情報を検索し、この個人情報から特定の情報を抽出する。検診勧奨実施モジュール2034による特定の情報の抽出方法に特段の限定はない。次いで、検診勧奨実施モジュール2034は、抽出した特定の情報を用いてSMS1102を生成し、生成したSMS1102を、送信制御モジュール2032とともに、対象者の個人情報に含まれる携帯端末の電話番号宛に送信する。
【0069】
葉書1101を受け取った、あるいはSMS1102を受診した対象者は、2次元バーコード1103を用いてアクセスするか、あるいは、リンク情報1105に基づいてアクセスするかの手法を用いて、本実施形態に係るシステム1にアクセスする。アクセスを受けた検診勧奨実施モジュール2034は、アンケートページに遷移するための画面1107を、対象者が所持する携帯端末等に表示させる。
【0070】
次いで、対象者は、画面1107の下部に表示されているボタン1108をタッチ等することで操作入力を行う。ボタン1108に対する操作入力を受けて、検診勧奨実施モジュール2034は、図略の健康診断の受診意向を尋ねるページを携帯端末等に表示させる。さらに、対象者の操作入力に応じて、受診意向ありとの操作入力があった場合は、地方自治体等の検診予約サイト1109にリダイレクトさせ、受診意向なしとの操作入力があった場合は、その理由を回答させるアンケート画面1110を対象者の携帯端末等に表示させ、アンケート入力を求める。
【0071】
この後、検診勧奨実施モジュール2034は、対象者に対する一連の検診勧奨実施履歴を検診勧奨実施DB2023に格納する。
【0072】
<2 データ構造>
図4~
図5は、サーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図4~
図5は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0073】
図4~
図5に示すデータベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0074】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。サーバ20の制御部203は、各種プログラムに従ってプロセッサ29に、記憶部202に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0075】
図4は、検診勧奨対象者DB2022のデータ構造を示す図である。
図4に示すように、検診勧奨対象者DB2022のレコードの各々は、例えば、項目「対象者ID」と、項目「保険団体ID」と、項目「住所」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「検診勧奨種類」とを含む。検診勧奨対象者DB2022の各項目は、個人情報取得モジュール2033が外部データサーバ30から対象者の個人情報を取得した際に、この個人情報取得モジュール2033により入力される。検診勧奨対象者DB2022が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0076】
項目「対象者ID」は、本実施形態に係るシステム1(特にサーバ20)による健康診断の受診対象の対象である健診対象者を特定するためのIDである。項目「保険団体ID」は、本実施形態に係るシステム1を利用する主体である、健康診断の運営主体たる健康保険団体(保険団体)を特定するためのIDである。項目「住所」は、項目「対象者ID」により特定される対象者の住所または居所に関する情報である。項目「住所」は項目「都道府県名」、項目「市区町村名」及び項目「区画以下」に細分化されている。項目「都道府県名」は対象者の住所または居所に関する情報のうち、都道府県名を示す情報である。項目「市区町村名」は対象者の住所または居所に関する情報のうち、市区町村名を示す情報である。項目「区画以下」は対象者の住所または居所に関する情報のうち、都道府県名及び市区町村名を除いた情報である。項目「年齢」は、対象者IDにより特定される対象者の年齢を示す情報である。項目「性別」は、対象者IDにより特定される対象者の性別を示す情報である。項目「健診勧奨種類」は、対象者IDにより特定される対象者に対して受診勧奨すべき健康診断の種類を示す情報である。
【0077】
図5は、検診勧奨実施DB2023のデータ構造を示す図である。
図5に示すように、検診勧奨実施DB2023のレコードの各々は、例えば、項目「対象者ID」と、項目「健診勧奨メッセージID」と、項目「アプローチ手段」と、項目「アプローチ日時」と、項目「報奨」と、項目「健診勧奨入力」と、項目「健診受診の有無」とを含む。検診勧奨実施DB2023の各項目は、検診勧奨実施モジュール2034が対象者に対して検診勧奨を実施する際、及び実施後に、この検診勧奨実施モジュール2034により入力される。検診勧奨実施DB2023が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0078】
項目「対象者ID」は、本実施形態に係るシステム1による健康診断の受診対象の対象である健診対象者を特定するためのIDである。項目「検診勧奨メッセージID」は、対象者IDにより特定される対象者に対して受診勧奨した際に、この受診勧奨に含まれていたメッセージを特定するためのIDである。項目「アプローチ手段」は、対象者IDにより特定される対象者に対して受診勧奨した際の受診勧奨手段を示す情報である。項目「検診勧奨入力」は、対象者IDにより特定される対象者が、
図7に示すアンケートページに遷移するための画面1107においてボタン1108をタッチする等することで操作入力を行った否かに関する情報である。項目「健診受診の有無」は、対象者IDにより特定される対象者に対して受診勧奨した結果、対象者が健康診断を受診したか否かを示す情報である。
【0079】
<3 動作例>
以下、サーバ20の動作の一例について説明する。
【0080】
図6は、サーバ20のメイン動作の一例を表すフローチャートである。
【0081】
ステップS600において、制御部203は、外部データサーバ30から対象者の個人情報を取得する。具体的には、例えば、制御部203は、受信制御モジュール2031及び個人情報取得モジュール2033により、外部データサーバ30から、本実施形態に係るシステム1の動作に必要となる対象者の個人情報を取得する。
【0082】
次いで、ステップS601において、制御部203は、ステップS600で取得した個人情報に係る対象者の中から、検診勧奨の対象者を選定する。具体的には、例えば、制御部203は、検診勧奨実施モジュール2034により、ステップS600で取得した個人情報に係る対象者の中から、検診勧奨の対象者を選定する。検診勧奨実施モジュール2034は、選定された対象者を、検診勧奨実施DB2023に格納する。
【0083】
ステップS602において、制御部203は、ステップS601において選定した対象者に向けたSMSを生成する。具体的には、例えば、制御部203は、検診勧奨実施モジュール2034により、ステップS601において選定した対象者に向けたSMSを生成する。この際、検診勧奨実施モジュール2034は、選定した対象者の個人情報に基づいて、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、この対象者が特定できない情報を生成し、この特定の情報をSMSに含める。
【0084】
ステップS603において、制御部203は、ステップS602で生成したメッセージを、ステップS601で選定した対象者に送信する。具体的には、例えば、制御部203は、ステップS602で生成したメッセージを、ステップS601で選定した対象者に送信する。
【0085】
<4 一実施形態の効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るシステム1によれば、地方自治体から送信されたメッセージが地方自治体からの発信であることを、メッセージを受信したユーザが容易に知ることができる。結果として、本実施形態に係るシステム1によれば、地方自治体から送信したメッセージの信頼度を上げることができる。
【0086】
<5 付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0087】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0088】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0089】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0090】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0091】
(付記1)
プロセッサ(29)を備えるコンピュータ(20)を動作させるためのプログラム(2021)であって、プログラム(2021)は、プロセッサ(29)に、検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップ(S600)と、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップ(S602)と、第2ステップ(S602)で生成したメッセージを対象者に送信する第3ステップ(S603)とを実行させる、プログラム(2021)。
(付記2)
第3ステップ(S603)において、メッセージをショートメッセージサービス、マルチメディアメッセージングサービス及びリッチコミュニケーションサービスのうち少なくとも1つのサービスにより送信する、付記1に記載のプログラム(2021)。
(付記3)
情報は対象者が居住する市区町村よりも対象範囲が狭い領域に関する情報である、付記1または2に記載のプログラム(2021)。
(付記4)
情報は、対象者の住所情報または居所情報から都道府県名、市区町村名及び番地を除いた情報である、付記3に記載のプログラム(2021)。
(付記5)
メッセージは、対象者が居住する都道府県または市区町村が主催する検診への受診を勧奨するものである、付記1~4のいずれかに記載のプログラム(2021)。
(付記6)
メッセージは、特定のサイトにアクセスするためのURLをさらに含む、付記1~5のいずれかに記載のプログラム(2021)。
(付記7)
URLは、対象者が居住する都道府県または市区町村が主催する検診を勧奨するアンケート画面へ誘導するものである、付記6に記載のプログラム(2021)。
(付記8)
プロセッサ(29)を備えた情報処理装置(20)であって、プロセッサ(29)は、検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップ(S600)と、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップ(S602)と、第2ステップ(S602)で生成したメッセージを対象者に送信する第3ステップ(S603)とを実行する、情報処理装置(20)。
(付記9)
プロセッサ(29)を備えたコンピュータ(20)により実行される方法であって、プロセッサ(29)は、検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する第1ステップ(S600)と、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成するステップであって、このメッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる第2ステップ(S602)と、第2ステップ(S602)で生成したメッセージを対象者に送信する第3ステップ(S603)とを実行する、方法。
(付記10)
検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得する手段(2033)と、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成する手段であって、このメッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる手段(2034)と、メッセージを生成する手段(2034)が生成したメッセージを対象者に送信する手段(2032)とを具備する、システム(1)。
【符号の説明】
【0092】
1…メッセージ生成システム 10…端末装置 20…サーバ 25…メモリ 26…ストレージ 29…プロセッサ 30…外部データサーバ 202…記憶部 203…制御部 1102…SMS 1105…リンク情報 1106…情報 1107…画面 1108…ボタン 1109…検診予約サイト 1110…アンケート画面 2021…アプリケーションプログラム 2022…検診勧奨対象者DB 2023…検診勧奨実施DB 2031…受信制御モジュール 2032…送信制御モジュール 2033…個人情報取得モジュール 2034…検診勧奨実施モジュール
【要約】 (修正有)
【課題】地方自治体から送信されたメッセージが地方自治体からの発信であることを、メッセージを受信したユーザが容易に知ることができるプログラム、情報処理装置、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】メッセージ生成システムにおいて、制御部を備えるサーバを動作させるためのプログラムは、制御部に、検診の受診を勧奨される対象者の住所情報または居所情報を含む個人情報を取得するステップS600と、取得した個人情報に係る対象者の中から、検診勧奨の対象者を選定するステップS601と、住所情報または居所情報に基づいて対象者に送信するメッセージを生成するステップS602と、を実行させる。メッセージには、検診の主催者及び対象者のみが知り得て、かつ、対象者が特定できない情報が含まれる。プログラムはまた、対象者に送信するメッセージを生成するステップで生成したメッセージを対象者に送信するステップS603を実行させる。
【選択図】
図6