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特許7518258決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0234 20230101AFI20240709BHJP
   G06Q 40/04 20120101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/0234
G06Q40/04
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023133607
(22)【出願日】2023-08-18
【審査請求日】2023-08-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大澤 和明
(72)【発明者】
【氏名】神田 良徳
(72)【発明者】
【氏名】継枝 研太
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-037080(JP,A)
【文献】特開2022-102936(JP,A)
【文献】特開2018-081519(JP,A)
【文献】特開2019-087001(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0050887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する取得部と、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行う処理部と、
前記商品の購入に対する報酬として、前記加盟店の株および電子マネーとして使用可能なポイントのうちのいずれかを設定する設定部と、
を備え、
前記処理部は、前記加盟店の株および前記ポイントのうち、前記設定部の設定内容に応じて決定される報酬を選択的に前記利用者に付与し、前記加盟店の株を前記利用者に付与する場合、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行う、
決済装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記商品の購入に対する報酬として前記加盟店の株が設定されている場合、前記決済金額に基づく報酬金額を算出し、前記報酬金額に応じた額の前記加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行う、
請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記商品の購入に対する報酬として前記ポイントが設定されている場合、前記決済金額に基づく報酬金額を算出し、前記報酬金額に応じた額の前記ポイントを前記利用者に付与するための処理を行う、
請求項1記載の決済装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記利用者に付与された前記株ごとの評価額の割合を示すグラフを生成し、前記グラフを前記利用者端末装置に送信して表示させる、
請求項1記載の決済装置。
【請求項5】
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する取得部と、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行う処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記加盟店の株を前記利用者に付与する際、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行う、
決済装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記利用者の電子マネーの残高に対する所定割合の金額、前記利用者の所有する電子マネーとして使用可能なポイントに対する所定割合の金額、前記決済金額に対する所定割合の金額、または予め設定された所定金額を、前記上乗せ金額として算出する、
請求項5記載の決済装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記利用者の電子マネーの残高が前記決済金額と前記上乗せ金額との合計額に満たない場合、予め設定された金額の電子マネーを自動でチャージするオートチャージを実行する、
請求項5記載の決済装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうちの何れか一項に記載の前記決済装置と、
前記利用者端末装置にインストールされ、前記決済情報を前記決済装置に送信するアプリケーションプログラムと、
を備える決済システム。
【請求項9】
決済装置が、
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得し、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行い、
前記商品の購入に対する報酬として、前記加盟店の株および電子マネーとして使用可能なポイントのうちのいずれかを設定し、
前記加盟店の株および前記ポイントのうち、設定内容に応じて決定される報酬を選択的に前記利用者に付与し、前記加盟店の株を前記利用者に付与する場合、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行う、
決済方法。
【請求項10】
決済装置が、
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得し、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行い、
前記加盟店の株を前記利用者に付与する際、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行う、
決済方法。
【請求項11】
コンピュータに、
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得させ、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行わせるとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行わせ、
前記商品の購入に対する報酬として、前記加盟店の株および電子マネーとして使用可能なポイントのうちのいずれかを設定させ、
前記加盟店の株および前記ポイントのうち、設定内容に応じて決定される報酬を選択的に前記利用者に付与させ、前記加盟店の株を前記利用者に付与する場合、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行わせる、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得させ、
前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行わせるとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行わせ、
前記加盟店の株を前記利用者に付与する際、所定の上乗せ金額分の前記加盟店の株を更に購入して前記利用者に付与するための処理を行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商取引において利用者がお金を支払った際に生じるお釣りを資金運用に充てることを支援する資金運用支援システムが提案されている(特許文献1)。この資金運用支援システムは、一定期間が経過するごとに、その期間に発生したお釣りを資金運用に充てることについての承諾をユーザに要求するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-97856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の資金運用支援システムでは、利用者が利用した加盟店の株に自動的に投資することができないため、利用者にとって投資する株の選択肢が乏しい場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者が利用した加盟店の株に自動的に投資することができ、投資する株の選択肢の幅を広げることができる決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する取得部と、前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行う処理部と、を備える決済装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利用者が利用した加盟店の株に自動的に投資することができ、投資する株の選択肢の幅を広げることができる決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】投資会社サーバ200の構成図である。
図8】投資情報272の内容の一例を示す図である。
図9】株情報274の内容の一例を示す図である。
図10】クレジットカード会社サーバ300の構成図である。
図11】カード情報372の内容の一例を示す図である。
図12】決済アプリ20の報酬設定画面IM1の一例を示す図である。
図13】決済アプリ20の上乗せ金額設定画面IM2の一例を示す図である。
図14】決済処理の流れを示すシーケンス図である。
図15】決済アプリ20の決済完了画面IM3の一例を示す図である。
図16】決済アプリ20の保有資産確認画面IM4の一例を示す図である。
図17】決済サーバ100によって行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「決済サーバ」、「投資会社サーバ」、および「クレジットカード会社サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済装置は、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称し、決済装置を決済サーバと称する。また、決済アプリと決済サーバとを合わせたものを決済システムと称する場合がある。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、投資会社サーバ200、およびクレジットカード会社サーバ300のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
投資会社サーバ200は、投資会社によって運用され、利用者に投資サービスを提供するための装置である。投資会社サーバ200によって提供される投資サービスは、例えば、株式、投資信託、ETF(Exchange Traded Fund)、REIT(Real Estate Investment Trust)、国債、金・プラチナ、および外国為替等を取引するためのサービスであってよい。
【0016】
決済サーバ100は、利用者の電子マネーの残高が不足している場合、予め設定された連携先と連携して電子マネーを自動でチャージするオートチャージを実行する。連携先は、クレジットカード会社や銀行等であってよい。なお、以下の説明では、一例として、決済サーバ100はクレジットカード会社と連携してオートチャージを行うこととする。
【0017】
クレジットカード会社サーバ300は、クレジットカード会社によって運用され、クレジットカード決済を管理するための装置である。例えば、電子決済に使用される電子マネーのチャージ残高が少なくなると、決済サーバ100とクレジットカード会社サーバ300とが連携して電子マネーのオートチャージを行う。オートチャージの詳細については後述する。
【0018】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0019】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0020】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコード(登録商標)やバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0021】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0022】
[決済サーバ]
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、設定部150と、取得部160と、記憶部170とを備える。決済コンテンツ提供部120、決済処理部130、情報管理部140、設定部150、および取得部160は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0023】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0024】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0025】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0026】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0027】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、ポイント、報酬の種類、および上乗せ金額の算出方法などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0028】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0029】
ポイントは、電子マネーとして使用可能な値であり、例えば1ポイント=1円の価値を持つものであってよい。報酬の種類は、商品の購入に伴って利用者に付与される報酬(リワード)の種類を示す情報である。報酬の種類としては、株またはポイントが設定される。上乗せ金額の算出方法は、利用者に株を付与する際に株の購入に上乗せされる金額の算出方法を示す情報である。これらの情報の詳細については後述する。
【0030】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0031】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0032】
設定部150は、商品の購入に対する報酬として、株およびポイントのうちのいずれかを設定する。設定部150による設定処理の詳細については後述する。取得部160は、利用者が店舗で商品を購入する際に、第1店舗端末装置50または利用者端末装置10から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する。
【0033】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0034】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0035】
[投資会社サーバ]
図7は、投資会社サーバ200の構成図である。投資会社サーバ200は、例えば、通信部210と、投資処理部220と、記憶部270とを備える。投資処理部220は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0036】
通信部210は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部210は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0037】
記憶部270は、HDDやフラッシュメモリ、RAMなどである。記憶部270は、投資会社サーバ200がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部270には、投資情報272および株情報274などの情報が格納される。
【0038】
図8は、投資情報272の内容の一例を示す図である。投資情報272は、利用者の投資に関する情報であり、例えば、アカウントID、利用者名、および保有資産などの情報が対応付けられたものである。アカウントIDは、利用者のアカウントを識別するための情報であり、利用者情報172におけるアカウントIDと同じ情報であってもよい。利用者名は、利用者の氏名を示す情報である。保有資産は、株ごとの利用者の保有資産に関する情報である。
【0039】
図9は、株情報274の内容の一例を示す図である。株情報274は、加盟店の株に関する情報であり、例えば、加盟店ID、加盟店名、および銘柄コードなどの情報が対応付けられたものである。加盟店IDは、加盟店を識別するための情報であり、加盟店/店舗情報176における加盟店IDと同じ情報であってもよい。加盟店名は、加盟店(ブランド)の名称を示す情報である。銘柄コードは、株式市場に上場している加盟店の株式銘柄に対して割り当てられているコード情報である。
【0040】
[クレジットカード会社サーバ]
図10は、クレジットカード会社サーバ300の構成図である。クレジットカード会社サーバ300は、例えば、通信部310と、カード処理部320と、記憶部370とを備える。カード処理部320は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0041】
通信部310は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部310は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0042】
記憶部370は、HDDやフラッシュメモリ、RAMなどである。記憶部370は、クレジットカード会社サーバ300がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部370には、カード情報372などの情報が格納される。
【0043】
図11は、カード情報372の内容の一例を示す図である。カード情報372は、クレジットカードに関する情報であり、例えば、カード番号、利用者名、有効期限、セキュリティコード、および利用履歴などの情報が対応付けられたものである。カード番号は、クレジットカード番号を示す情報である。利用者名は、クレジットカードの所有者の氏名を示す情報である。有効期限は、クレジットカードの有効期限を示す情報である。セキュリティコードは、不正利用を防ぐためにクレジットカードの裏面に記載された番号を示す情報である。利用履歴は、クレジットカードの利用履歴に関する情報であり、例えば、利用日時、決済金額、および利用した店舗等の情報を含む。
【0044】
[報酬設定]
図12は、決済アプリ20の報酬設定画面IM1の一例を示す図である。本実施形態は、利用者が電子決済で商品を購入する際、商品購入に対する報酬(リワード)を利用者に付与するというものである。利用者に付与される報酬は、株またはポイントである。
【0045】
図12に示されるように、決済アプリ20の報酬設定画面IM1には、複数のボタンB11~B14が含まれる。ボタンB11は、報酬として株を選択するためのボタンである。ボタンB12は、報酬としてポイントを選択するためのボタンである。ボタンB13は、株またはポイントの選択を確定するためのボタンである。ボタンB14は、株またはポイントの選択をキャンセルするためのボタンである。
【0046】
利用者は、ボタンB11またはボタンB12を選択することで、報酬の種類を選択することができる。利用者端末装置10は、決済アプリ20の報酬設定画面IM1で設定された報酬の種類に関する情報を、利用者のアカウントIDとともに決済サーバ100に送信する。決済サーバ100の通信部110は、利用者端末装置10から送信された報酬の種類に関する情報および利用者のアカウントIDを受信する。決済サーバ100の設定部150は、通信部110によって受信されたこれらの情報に基づき、利用者情報172における報酬の種類を更新する。
【0047】
このように、設定部150は、商品の購入に対する報酬として、加盟店の株および電子マネーとして使用可能なポイントのうちのいずれかを設定する。また、決済処理部130は、商品の購入に対する報酬として加盟店の株が設定されている場合、決済金額に基づく報酬金額を算出し、報酬金額に応じた額の加盟店の株を利用者に付与するための処理を行う。報酬金額に応じた額の加盟店の株を利用者に付与するための処理の詳細は後述する。一方、決済処理部130は、商品の購入に対する報酬としてポイントが設定されている場合、決済金額に基づく報酬金額を算出し、報酬金額に応じた額のポイントを利用者に付与するための処理を行う。例えば、決済処理部130は、報酬金額に応じた額のポイントを、利用者情報172におけるポイントに加算する。これによって、加盟店の株または電子マネーとして使用可能なポイントを、商品の購入に対する報酬として利用者に付与することができる。
【0048】
図13は、決済アプリ20の上乗せ金額設定画面IM2の一例を示す図である。図13に示されるように、決済アプリ20の上乗せ金額設定画面IM2には、複数のボタンB21~B27が含まれる。ボタンB21は、上乗せ金額を設定しないことを選択するためのボタンである。ボタンB22は、利用者の電子マネーの残高に対する所定割合の金額を上乗せ金額として設定するためのボタンである。ここで、「利用者の電子マネーの残高に対する所定割合」は、入力領域AR22に入力された数値に基づいて設定される。ボタンB23は、利用者の所有するポイントに対する所定割合の金額を上乗せ金額として設定するためのボタンである。ここで、「利用者の所有するポイントに対する所定割合」は、入力領域AR23に入力された数値に基づいて設定される。ボタンB24は、決済金額に対する所定割合の金額を上乗せ金額として設定するためのボタンである。ここで、「決済金額に対する所定割合」は、入力領域AR24に入力された数値に基づいて設定される。ボタンB25は、予め設定された所定金額を上乗せ金額として設定するためのボタンである。ここで、「予め設定された所定金額」は、入力領域AR25に入力された数値に基づいて設定される。ボタンB26は、上乗せ金額の設定内容を確定するためのボタンである。ボタンB27は、上乗せ金額の設定内容をキャンセルするためのボタンである。
【0049】
利用者は、複数のボタンB21~B25のうちの何れか一つを選択し、複数の入力領域AR22~AR25のうちの何れか一つに数値を入力することで、上乗せ金額の算出方法を設定することができる。利用者端末装置10は、決済アプリ20の上乗せ金額設定画面IM2で設定された上乗せ金額の算出方法に関する情報を、利用者のアカウントIDとともに決済サーバ100に送信する。決済サーバ100の通信部110は、利用者端末装置10から送信された上乗せ金額の算出方法に関する情報および利用者のアカウントIDを受信する。決済サーバ100の設定部150は、通信部110によって受信されたこれらの情報に基づき、利用者情報172における上乗せ金額の算出方法を更新する。
【0050】
決済サーバ100の決済処理部130は、加盟店の株を利用者に付与する際、所定の上乗せ金額分の加盟店の株を更に購入して利用者に付与するための処理を行う。具体的に、決済処理部130は、利用者情報172における上乗せ金額の算出方法に基づき、利用者の電子マネーの残高に対する所定割合の金額、利用者の所有するポイントに対する所定割合の金額、決済金額に対する所定割合の金額、または予め設定された所定金額を、上乗せ金額として算出する。また、決済処理部130は、算出した上乗せ金額分の加盟店の株を追加で購入し、利用者に付与する。これによって、商品を購入した店舗が所属する加盟店の株を容易に追加で購入することができる。
【0051】
[シーケンス図]
図14は、決済処理の流れを示すシーケンス図である。まず、決済サーバ100の取得部160は、第1店舗端末装置50または利用者端末装置10から、決済金額を含む決済情報を取得する(S20)。前述したように、取得部160は、ユーザスキャンの場合には利用者端末装置10から決済情報を取得し、ストアスキャンの場合には第1店舗端末装置50から決済情報を取得することとなる。
【0052】
次に、決済サーバ100の決済処理部130は、商品購入についての電子決済を行う(S21)。具体的に、決済処理部130は、決済金額を利用者情報172におけるチャージ残高から減算する。また、決済処理部130は、商品購入が行われた店舗の所属する加盟店の売り上げに決済金額を加算する。
【0053】
次に、決済サーバ100の決済処理部130は、報酬金額を算出する(S22)。例えば、決済処理部130は、決済金額に対する所定割合(例えば2%)の金額を、報酬金額として算出してよい。ここで、所定割合の値は任意に設定されてよく、店舗ごとに変更してもよいし、購入する商品の種類によって変更してもよい。
【0054】
次に、決済サーバ100の決済処理部130は、利用者のアカウントID、商品を購入した店舗の所属する加盟店の加盟店ID、およびS22で算出した報酬金額を投資会社サーバ200に通知する(S23)。具体的に、決済処理部130は、通信部110を制御して、これらの情報をネットワークNW経由で投資会社サーバ200に通知する。
【0055】
投資会社サーバ200の投資処理部220は、決済サーバ100から受信した情報に基づき、購入すべき株の銘柄を特定する(S24)。具体的に、投資処理部220は、決済サーバ100から受信した加盟店IDに対応する加盟店名および銘柄コードを、株情報274から取得する。投資処理部220は、取得した銘柄コードに対応する株を、購入すべき株であると判断する。
【0056】
次に、投資処理部220は、決済サーバ100から受信した報酬金額を決済金額とし、通信部210を制御して、株の購入についての決済情報を決済サーバ100に送信する(S25)。具体的に、投資処理部220は、利用者のアカウントID、株の銘柄、および決済金額を含む決済情報を決済サーバ100に送信する。
【0057】
決済サーバ100の決済処理部130は、株の購入についての電子決済を行う(S26)。具体的に、決済処理部130は、投資会社サーバ200から受信した決済情報に含まれる決済金額を、利用者情報172におけるチャージ残高から減算する。また、決済処理部130は、投資会社サーバ200を運用する投資会社の口座に、決済金額を入金する。
【0058】
次に、決済サーバ100の決済処理部130は、決済完了通知を投資会社サーバ200に送信する(S27)。具体的に、決済処理部130は、通信部110を制御してネットワークNW経由で投資会社サーバ200に決済完了通知を送信する。
【0059】
投資会社サーバ200の投資処理部220は、決済サーバ100からの決済完了通知に応じて、加盟店の株を購入する(S28)。具体的に、投資処理部220は、S24で特定した銘柄の株を、決済金額の分だけ購入する。株の購入が完了すると、投資処理部220は、投資情報272における保有資産の情報を更新する。具体的に、投資処理部220は、投資情報272における保有資産に今回購入した株の情報を追加する。これによって、商品の購入に対する報酬として、商品を購入した店舗の所属する加盟店の株を利用者に付与することができる。
【0060】
次に、投資会社サーバ200の投資処理部220は、購入完了通知を決済サーバ100に送信する(S29)。具体的に、投資処理部220は、通信部210を制御してネットワークNW経由で決済サーバ100に購入完了通知を送信する。
【0061】
決済サーバ100の決済処理部130は、投資会社サーバ200からの購入完了通知に応じて、決済完了通知を決済アプリ20に送信する(S30)。具体的に、決済処理部130は、通信部110を制御して、ネットワークNW経由で決済アプリ20がインストールされた利用者端末装置10に決済完了通知を送信する。
【0062】
利用者端末装置10にインストールされた決済アプリ20は、決済サーバ100からの決済完了通知に応じて、決済完了画面を利用者端末装置10の表示部に表示する(S31)。
【0063】
図15は、決済アプリ20の決済完了画面IM3の一例を示す図である。図15に示されるように、決済アプリ20の決済完了画面IM3には、決済が行われた加盟店名、店舗名、決済金額、投資金額、および投資先についての情報等が含まれる。図15に示される例では、決済が行われた加盟店名が「△△寿司」であり、店舗名が「□□店」であり、決済金額が5000円であり、投資金額が100円であり、投資先が「△△寿司」の株であることが示されている。
【0064】
また、決済アプリ20の決済完了画面IM3は、保有資産を確認するためのボタンB31を更に含む。利用者がボタンB31を選択すると、後述する保有資産確認画面IM4が表示される。
【0065】
図16は、決済アプリ20の保有資産確認画面IM4の一例を示す図である。図16に示されるように、決済アプリ20の保有資産確認画面IM4には、保有資産の評価額と、株ごとの評価額の割合を示すグラフと、利用者が保有する株の銘柄の一覧が含まれる。図16の例では円グラフを表示することとしたが、棒グラフ等の他の形式のグラフを表示してもよい。このように、決済処理部130は、利用者に付与された株ごとの評価額の割合を示すグラフを生成し、生成したグラフを利用者端末装置10に送信して表示させる。これによって、利用者は、自己が所有する株に関する情報を容易に確認することができる。
【0066】
[フローチャート]
図17は、決済サーバ100によって行われる処理の一例を示すフローチャートである。まず、決済サーバ100の取得部160は、利用者が店舗で商品を購入する際に、第1店舗端末装置50または利用者端末装置10から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する(S102)。取得部160は、ユーザスキャンの場合には利用者端末装置10から決済情報を取得し、ストアスキャンの場合には第1店舗端末装置50から決済情報を取得することとなる。
【0067】
次に、決済サーバ100の決済処理部130は、決済情報に応じて決済金額に基づく決済処理を行い(S102)、報酬金額を算出し(S103)、商品を購入した店舗の所属する加盟店の株を利用者に付与するための処理を行う(S104)。ここで、決済処理部130は、株の購入についての電子決済を行い、投資会社サーバによって株の購入処理が行われる。なお、上乗せ金額が設定されている場合には、上乗せ金額分の株が追加で購入される。以上で、本フローチャートによる処理を終了する。
【0068】
[オートチャージ]
図13の上乗せ金額設定画面IM2で上乗せ金額が設定されたものの、利用者の電子マネーの残高が決済金額と上乗せ金額との合計額に満たない場合、決済処理部130は株を購入するための決済処理を行うことができない。このため、決済処理部130は、利用者の電子マネーの残高が決済金額と上乗せ金額との合計額に満たない場合、予め設定された金額の電子マネーを自動でチャージするオートチャージを実行する。
【0069】
決済処理部130は、予め設定された連携先と連携してオートチャージを実行する。例えば、連携先はクレジットカード会社や銀行等であるが、以下の説明では、決済処理部130がクレジットカード会社と連携してオートチャージを行う例について説明する。決済処理部130は、オートチャージを実行する際、通信部110を制御して、利用者のカード番号および予め設定された金額(オートチャージ金額)をクレジットカード会社サーバ300に送信する。クレジットカード会社サーバ300の通信部310は、決済サーバ100から利用者のカード番号およびオートチャージ金額を受信する。クレジットカード会社サーバ300のカード処理部320は、記憶部370に記憶されたカード情報372における利用履歴に、オートチャージを利用した履歴を追加し、決済サーバ100の運営会社の口座にオートチャージ金額を入金する。その後、決済サーバ100の決済処理部130は、オートチャージ金額を利用者情報172におけるチャージ残高に加算する。これによって、利用者の電子マネーの残高が決済金額と上乗せ金額との合計額に満たない場合であっても、加盟店の株を購入することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の決済サーバ100は、取得部160と、決済処理部130とを備える。取得部160は、利用者が店舗で商品を購入する際に、店舗に設置された第1店舗端末装置50または利用者の所有する利用者端末装置10から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する。決済処理部130は、決済情報に応じて決済金額に基づく決済処理を行うとともに、商品の購入に対する報酬として、商品を購入した店舗の所属する加盟店の株を利用者に付与するための処理を行う。これによって、利用者が利用した加盟店の株に自動的に投資することができ、投資する株の選択肢の幅を広げることができる。
【0071】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
60 店舗コード画像
70 第2店舗端末装置
100 決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 設定部
160 取得部
170 記憶部
172 利用者情報
174 決済コンテンツ情報
176 店舗情報
200 投資会社サーバ
210 通信部
220 投資処理部
270 記憶部
272 投資情報
300 クレジットカード会社サーバ
310 通信部
320 カード処理部
370 記憶部
【要約】
【課題】利用者が利用した加盟店の株に自動的に投資することができ、投資する株の選択肢の幅を広げることができる決済装置、決済システム、決済方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】利用者が店舗で商品を購入する際に、前記店舗に設置された店舗端末装置または前記利用者の所有する利用者端末装置から、電子決済の決済金額を含む決済情報を取得する取得部と、前記決済情報に応じて前記決済金額に基づく決済処理を行うとともに、前記商品の購入に対する報酬として、前記店舗の所属する加盟店の株を前記利用者に付与するための処理を行う処理部と、を備える決済装置。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17