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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】搬送車及び搬送車システム
(51)【国際特許分類】
   B62D 61/12 20060101AFI20240709BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B62D61/12
B61B13/00 K
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023514864
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2022104697
(87)【国際公開番号】W WO2023020157
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】202121940590.8
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523074641
【氏名又は名称】曠視格図(蘇州)智能装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUANGSHI GETU (SUZHOU) INTELLIGENCE EQUIPMENT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】關 利東
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112693382(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105966495(CN,A)
【文献】中国実用新案第212244831(CN,U)
【文献】実開昭52-157102(JP,U)
【文献】特開平06-171562(JP,A)
【文献】実開昭63-032958(JP,U)
【文献】中国実用新案第212447846(CN,U)
【文献】国際公開第02/046031(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/00
B62D 61/00-61/12
B65G 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
横方向走行輪と縦方向走行輪を含む走行手段と、
前記フレームに設けられる横方向伝動ユニット及び縦方向伝動ユニットを含み、前記横方向伝動ユニットが前記横方向走行輪に接続され、前記縦方向伝動ユニットが前記縦方向走行輪に接続され、前記横方向伝動ユニット及び前記縦方向伝動ユニットが前記フレームの外周側に設けられる走行伝動ユニットと、
走行伝動ユニットに接続され、前記走行伝動ユニットを駆動して前記横方向走行輪及び前記縦方向走行輪を回転させる走行駆動手段と、を含む搬送車であって、
前記横方向走行輪に接続され、前記横方向走行輪を昇降駆動して、前記横方向走行輪を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接させるジャッキング・方向変更手段をさらに含み、
前記横方向走行輪が走行面から離脱した状態では、前記搬送車は前記縦方向走行輪により縦方向に移動し、又は、
前記横方向走行輪が走行面に当接した状態では、前記搬送車は前記横方向走行輪により横方向に移動し、
前記ジャッキング・方向変更手段は、
前記横方向走行輪に接続される昇降ラックと、
前記昇降ラックに接続される少なくとも1つのクランク手段と、
前記クランク手段に接続され、前記クランク手段を揺動駆動して、前記昇降ラックで前記横方向走行輪を昇降させる方向変更駆動手段と、を含み、
前記搬送車は、搬送対象物品を直接又は間接的に載置するリフトプレートと、
前記リフトプレートに設けられ、前記昇降ラックにスライド可能に接続される第2案内手段と、をさらに含む搬送車。
【請求項2】
前記縦方向走行輪は前記フレームの側部に設けられ、
前記縦方向伝動ユニットは、
前記走行駆動手段に接続される縦方向駆動輪と、
前記縦方向走行輪に接続される縦方向従動輪と、
前記縦方向駆動輪と前記縦方向従動輪を接続する縦方向伝動部材と、を含む請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記縦方向走行輪は複数の第1縦方向走行輪と複数の第2縦方向走行輪を含み、前記第1縦方向走行輪及び前記第2縦方向走行輪はそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、
前記縦方向伝動ユニットは2組設けられ、それぞれ第1縦方向伝動ユニット及び第2縦方向伝動ユニットであり、複数の前記第1縦方向走行輪は前記第1縦方向伝動ユニットを介して接続され、複数の前記第2縦方向走行輪は前記第2縦方向伝動ユニットを介して接続され、
前記走行伝動ユニットは前記走行駆動手段に接続される縦方向接続軸を含み、前記縦方向接続軸は前記第1縦方向伝動ユニットと前記第2縦方向伝動ユニットを接続する請求項1又は2に記載の搬送車。
【請求項4】
前記横方向伝動ユニットは、
前記走行駆動手段に接続され、伝動部と、前記伝動部の両端にそれぞれ可動に設けられる揺動部と、を含み、前記揺動部が前記横方向走行輪に接続されるユニバーサル伝動軸を含み、
前記横方向走行輪が走行面から離脱した状態では、前記横方向走行輪及び前記揺動部は前記伝動部に対して揺動して浮き上がる請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送車。
【請求項5】
前記伝動部は、前記走行駆動手段に接続される横方向固定軸であり、
前記揺動部は、前記横方向固定軸の両端にそれぞれ設けられ、入力軸が前記横方向固定軸に接続され、出力軸が前記横方向走行輪に接続される伸縮自在継手である請求項4に記載の搬送車。
【請求項6】
前記走行伝動ユニットは、
前記走行駆動手段に接続される横方向駆動輪と、
前記ユニバーサル伝動軸に取り付けられ、前記横方向駆動輪に接続される横方向従動輪と、をさらに含む請求項4又は5に記載の搬送車。
【請求項7】
前記横方向駆動輪は横方向駆動スプロケットであり、前記横方向従動輪は横方向従動スプロケットであり、前記横方向駆動スプロケットと前記横方向従動スプロケットはチェーンを介して接続され、又は、
前記横方向駆動輪は横方向駆動プーリであり、前記横方向従動輪は横方向従動プーリであり、前記横方向駆動プーリと前記横方向従動プーリはベルトを介して接続され、又は、
前記横方向駆動輪は横方向駆動歯車であり、前記横方向従動輪は横方向従動歯車であり、前記横方向駆動歯車と前記横方向従動歯車は噛み合う請求項6に記載の搬送車。
【請求項8】
前記ユニバーサル伝動軸は2つ設けられ、それぞれ第1ユニバーサル伝動軸及び第2ユニバーサル伝動軸であり、前記第1ユニバーサル伝動軸及び前記第2ユニバーサル伝動軸はそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、
前記走行伝動ユニットは、
前記横方向駆動輪に接続される第1アダプタ輪と、
前記第1アダプタ輪に接続される第2アダプタ輪と、
前記第2ユニバーサル伝動軸に接続される第2横方向従動輪と、
前記第2アダプタ輪と前記第2横方向従動輪を接続する横方向接続部材と、をさらに含む請求項6又は7に記載の搬送車。
【請求項9】
前記走行駆動手段は、
走行モータと、
走行入力端、縦方向出力端及び横方向出力端を含み、前記走行入力端が前記走行モータの出力軸に接続され、前記縦方向出力端が前記縦方向接続軸に接続され、前記横方向出力端が前記横方向伝動ユニットに接続される走行減速機と、を含む請求項3に記載の搬送車。
【請求項10】
前記フレームの前記外周側の側板と前記横方向伝動ユニット及び前記縦方向伝動ユニットを収納するための収納スペースを構成するセパレータをさらに含む請求項1~9のいずれか1項に記載の搬送車。
【請求項11】
前記昇降ラックには貫通孔が設けられ、
前記クランク手段は、
駆動接続部が前記方向変更駆動手段に接続される第1クランクと、
前記第1クランクの揺動部に固定され、前記貫通孔を貫通して前記昇降ラックを支持する揺動軸と、を含む請求項1に記載の搬送車。
【請求項12】
前記クランク手段は、
一端部が前記揺動軸に固定され、他端部が前記フレームに回転可能に設けられる第2クランクをさらに含む請求項11に記載の搬送車。
【請求項13】
前記ジャッキング・方向変更手段は、
方向変更入力端、第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端を含み、前記方向変更入力端が前記方向変更駆動手段の出力軸に接続される第1同期歯車手段を含む方向変更伝動ユニットをさらに含み、
前記クランク手段は第1クランク手段と第2クランク手段を含み、前記第1クランク手段及び前記第2クランク手段はそれぞれ前記昇降ラックに接続され、それぞれ前記第1方向変更出力端及び前記第2方向変更出力端に接続される請求項12に記載の搬送車。
【請求項14】
前記昇降ラックは第1昇降ラックと第2昇降ラックを含み、前記第1昇降ラック及び前記第2昇降ラックはそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、
前記第1同期歯車手段は第3方向変更出力端を含み、
前記方向変更伝動ユニットは、
方向変更接続端、第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端を含む第2同期歯車手段と、
一端が前記第3方向変更出力端に接続され、他端が前記方向変更接続端に接続される方向変更接続軸と、をさらに含み、
前記クランク手段は第3クランク手段と第4クランク手段を含み、前記第3クランク手段及び第4クランク手段はそれぞれ前記第2昇降ラックに接続され、それぞれ前記第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端に接続され、前記第1クランク手段及び前記第2クランク手段はそれぞれ前記第1昇降ラックに接続され、それぞれ前記第1方向変更出力端及び前記第2方向変更出力端に接続される請求項13に記載の搬送車。
【請求項15】
前記ジャッキング・方向変更手段は、少なくとも1つの第1案内手段をさらに含み、
前記第1案内手段は、
前記フレームに垂直に設けられる第1案内軸と、
前記第1案内軸にスライド可能に設けられ、前記昇降ラックに固定接続されるスライドベースと、を含む請求項11~14のいずれか1項に記載の搬送車。
【請求項16】
前記昇降ラックはラック本体と前記ラック本体の両端に設けられる支持枠と、を含み、前記横方向走行輪は前記支持枠内に設けられ、前記支持枠に案内孔が設けられ、
前記第2案内手段は、一端が前記リフトプレートに接続され、他端が前記案内孔内に伸びる案内軸を含む請求項1に記載の搬送車。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の搬送車と、
横方向レール及び縦方向レールと、を含み、
前記搬送車の縦方向走行輪は前記縦方向レール上を走行し、前記搬送車の横方向走行輪は前記横方向レール上を走行する搬送車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は物流の技術分野に関し、特に搬送車及び搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、搬送車はすでに工場、EC倉庫保管、作業場での物品及び資材の搬送過程で大規模に普及・応用されている。資材の輸送、倉庫保管、配送、荷役などの段階はすべて搬送車を使わなければならない。
【0003】
搬送車はフレームに設けられた伝動機構により走行輪を走行駆動するが、関連技術では、フレームにおける搬送車の伝動機構の占有スペースが大きく、他の部品の積み重ねに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術に存在する課題を解決するために、本開示は搬送車及び搬送車システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第1態様によれば、搬送車を提供し、前記搬送車は、
フレームと、横方向走行輪と縦方向走行輪を含む走行手段と、前記フレームに設けられる横方向伝動ユニット及び縦方向伝動ユニットを含み、前記横方向伝動ユニットが前記横方向走行輪に接続され、前記縦方向伝動ユニットが前記縦方向走行輪に接続され、前記横方向伝動ユニット及び前記縦方向伝動ユニットが前記フレームの外周側に設けられる走行伝動ユニットと、走行伝動ユニットに接続され、前記走行伝動ユニットを駆動して前記横方向走行輪及び前記縦方向走行輪を回転させる走行駆動手段と、を含み、前記縦方向走行輪が走行面から離脱した状態では、前記搬送車は前記横方向走行輪により横方向に移動し、又は、前記横方向走行輪が走行面から離脱した状態では、前記搬送車は前記縦方向走行輪により縦方向に移動する。
【0006】
いくつかの実施例では、前記縦方向走行輪は前記フレームの側部に設けられ、前記縦方向伝動ユニットは、前記走行駆動手段に接続される縦方向駆動輪と、前記縦方向走行輪に接続される縦方向従動輪と、前記縦方向駆動輪と前記縦方向従動輪を接続する縦方向伝動部材と、を含む。
【0007】
いくつかの実施例では、前記縦方向駆動輪及び前記縦方向従動輪はいずれもスプロケットであり、前記縦方向伝動部材はチェーンであり、又は、前記縦方向駆動輪及び前記縦方向従動輪はいずれもプーリであり、前記縦方向伝動部材はベルトである。
【0008】
いくつかの実施例では、前記縦方向走行輪は複数の第1縦方向走行輪と複数の第2縦方向走行輪を含み、前記第1縦方向走行輪及び前記第2縦方向走行輪はそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、前記縦方向伝動ユニットは2組設けられ、それぞれ第1縦方向伝動ユニット及び第2縦方向伝動ユニットであり、複数の前記第1縦方向走行輪は前記第1縦方向伝動ユニットを介して接続され、複数の前記第2縦方向走行輪は前記第2縦方向伝動ユニットを介して接続され、前記走行伝動ユニットは前記走行駆動手段に接続される縦方向接続軸をさらに含み、前記縦方向接続軸は前記第1縦方向伝動ユニットと前記第2縦方向伝動ユニットを接続する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記横方向伝動ユニットは、前記駆動走行手段に接続され、伝動部と、前記伝動部の両端にそれぞれ可動に設けられる揺動部と、を含み、前記揺動部に前記横方向走行輪が設けられているユニバーサル伝動軸を含み、前記横方向走行輪が走行面から離脱した状態では、前記横方向走行輪及び前記揺動部は前記伝動部に対して揺動して浮き上がる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記伝動部は前記駆動走行手段に接続される横方向固定軸であり、前記揺動部は、前記横方向固定軸の両端にそれぞれ設けられ、入力軸が前記横方向固定軸に接続され、出力軸が前記横方向走行輪に接続される伸縮自在継手である。
【0011】
いくつかの実施例では、前記走行伝動ユニットは、前記走行駆動手段に接続される横方向駆動輪と、前記ユニバーサル伝動軸に取り付けられ、前記横方向駆動輪に接続される横方向従動輪と、をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記横方向駆動輪は横方向駆動スプロケットであり、前記横方向従動輪は横方向従動スプロケットであり、前記横方向駆動スプロケットと前記横方向従動スプロケットはチェーンを介して接続され、又は、前記横方向駆動輪は横方向駆動プーリであり、前記横方向従動輪は横方向従動プーリであり、前記横方向駆動プーリと前記横方向従動プーリはベルトを介して接続され、又は、前記横方向駆動輪は横方向駆動歯車であり、前記横方向従動輪は横方向従動歯車であり、前記横方向駆動歯車と前記横方向従動歯車は噛み合う。
【0013】
いくつかの実施例では、前記ユニバーサル伝動軸は2つ設けられ、それぞれ第1ユニバーサル伝動軸及び第2ユニバーサル伝動軸であり、前記第1ユニバーサル伝動軸及び前記第2ユニバーサル伝動軸はそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、前記走行伝動ユニットは、前記横方向駆動輪に接続される第1アダプタ輪と、前記第1アダプタ輪に接続される第2アダプタ輪と、前記第2ユニバーサル伝動軸に接続される第2横方向従動輪と、前記第2アダプタ輪と前記第2横方向従動輪を接続する横方向接続部材と、をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記走行駆動手段は、走行モータと、走行入力端、縦方向出力端及び横方向出力端を含み、前記走行入力端が前記走行モータの出力軸に接続され、前記縦方向出力端が前記縦方向接続軸に接続され、前記横方向出力端が前記横方向伝動ユニットに接続される走行減速機と、を含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記搬送車は、前記フレームの前記外周側の側板と前記横方向伝動ユニット及び前記縦方向伝動ユニットを収納するための収納スペースを構成するセパレータをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記横方向走行輪に接続され、前記横方向走行輪を昇降駆動して、前記横方向走行輪を前記走行面から離脱させるか、又は前記走行面に当接させるジャッキング・方向変更手段をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記ジャッキング・方向変更手段は、前記横方向走行輪に接続される昇降ラックと、前記昇降ラックに接続される少なくとも1つのクランク手段と、前記クランク手段に接続され、前記クランク手段を揺動駆動して、前記昇降ラックで前記横方向走行輪を昇降させる方向変更駆動手段と、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記昇降ラックには貫通孔が設けられ、前記クランク手段は、駆動接続部が前記駆動手段に接続される第1クランクと、前記第1クランクの揺動部に固定され、前記貫通孔を貫通して前記昇降ラックを支持する揺動軸と、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、前記クランク手段は、一端部が前記揺動軸に固定され、他端部が前記フレームに回転可能に設けられる第2クランクをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記ジャッキング・方向変更手段は、方向変更入力端、第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端を含み、前記方向変更入力端が前記方向変更駆動手段の出力軸に接続される第1同期歯車手段を含む方向変更伝動ユニットをさらに含み、前記クランク手段は第1クランク手段と第2クランク手段を含み、前記第1クランク手段及び前記第2クランク手段はそれぞれ前記昇降ラックに接続され、それぞれ前記第1方向変更出力端及び前記第2方向変更出力端に接続される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記昇降ラックは第1昇降ラックと第2昇降ラックを含み、前記第1昇降ラック及び前記第2昇降ラックはそれぞれ前記フレームの横方向の両側に設けられ、前記第1同期歯車手段は第3方向変更出力端を含み、前記方向変更伝動ユニットは、方向変更接続端、第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端を含む第2同期歯車手段と、一端が前記第3方向変更出力端に接続され、他端が前記方向変更接続端に接続される方向変更接続軸と、をさらに含み、前記クランク手段は第3クランク手段と第4クランク手段を含み、前記第3クランク手段及び第4クランク手段はそれぞれ前記第2昇降ラックに接続され、それぞれ前記第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端に接続され、前記第1クランク手段及び前記第2クランク手段はそれぞれ前記第1昇降ラックに接続され、それぞれ前記第1方向変更出力端及び前記第2方向変更出力端に接続される。
【0022】
いくつかの実施例では、前記ジャッキング・方向変更手段は、少なくとも1つの第1案内手段をさらに含み、前記第1案内手段は、前記フレームに垂直に設けられる第1案内軸と、前記第1案内軸にスライド可能に設けられ、前記昇降ラックに固定接続されるスライドベースと、を含む。
【0023】
いくつかの実施例では、前記搬送車は、搬送対象物品を直接又は間接的に載置するリフトプレートと、前記リフトプレートに設けられ、前記昇降ラックにスライド可能に接続される第2案内手段と、をさらに含む。
【0024】
いくつかの実施例では、前記昇降ラックはラック本体と前記ラック本体の両端に設けられる支持枠と、を含み、前記横方向走行輪は前記支持枠内に設けられ、前記支持枠に案内孔が設けられ、前記第2案内手段は、一端が前記リフトプレートに接続され、他端が前記案内孔内に伸びる案内軸を含む。
【0025】
本開示の実施例はまた、上記のいずれかの実施例に記載の搬送車と、横方向レール及び縦方向レールと、を含み、前記縦方向走行輪は前記縦方向レール上を走行し、前記横方向走行輪は前記横方向レール上を走行する搬送車システムを提供する。
【発明の効果】
【0026】
本開示による搬送車は、横方向伝動ユニット及び縦方向伝動ユニットによってフレームの同一側に設けられ、フレームでの占有スペースを低減させ、他の部品を積み重ねるためのスペースをより多く提供することができる。
【0027】
なお、以上の一般的な説明及び後の詳細な説明は例示して解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
ここでの図面は明細書に組み込まれており、本明細書の一部を構成し、本開示に係る実施例を示しているが、明細書とともに本開示の原理を解釈する。
図1】1つの例示的な実施例に示される搬送車の内部構造の概略図である。
図2】1つの例示的な実施例に示される搬送車の内部の上面図である。
図3】1つの例示的な実施例に示される搬送車の部分構造概略図である。
図4】1つの例示的な実施例に示されるクランク手段の構造概略図である。
図5】1つの例示的な実施例に示される搬送車の部分構造の拡大概略図である。
図6】1つの例示的な実施例に示される搬送車の部分構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明において、図面が言及されている場合、別段の記載がない限り、異なる図面中の同じ数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例で説明される実施例は、本開示と一致するすべての実施形態を表すわけではない。
【0030】
モノのインターネット、人工知能、ビッグデータなどのスマート化技術の発展に伴い、これらのスマート化技術を利用して従来の物流業に対してモデルチェンジ及びアップグレードを行う需要がますます強くなり、インテリジェントロジスティクス(Intelligent Logistics System)は物流分野の研究の焦点となっている。インテリジェントロジスティクスは、人工知能、ビッグデータや様々な情報センサ、無線周波数識別技術、全地球測位システム(GPS)などのモノのインターネット装置と技術を利用しているものであり、資材の輸送、倉庫保管、配送、包装、荷役や情報サービスなどの基本的な活働環節に広く応用されており、資材管理プロセスの知能化分析決定、自動化操作や効率的な最適化管理を図る。モノのインターネット技術にはセンシング設備、RFID技術、レーザー赤外線スキャン、赤外線誘導識別などが含まれ、モノのインターネットは物流中の資材とネットワークを効果的に接続することができ、また資材をリアルタイムで監視できるほか、倉庫の湿度や温度などの環境データを感知し、資材の貯蔵環境を保障することができる。ビッグデータ技術により物流中のすべてのデータを感知して収集し、情報プラットフォームのデータ層にアップロードし、データのフィルタリング、マイニングや分析などの作業を行い、最終的に業務プロセス(例えば輸送、入庫、入れ出し、ピッキング、包装、仕分け、出庫、棚卸、配送などの工程)に対して正確なデータサポートを提供する。物流における人工知能の応用は大きく2つに分けることができる。1)AI技術を利用した無人滑走路、AGV、AMR、フォークリフト、シャトル車、スタッカークレーン、無人配送車、ドローン、サービスロボット、ロボットアーム、スマート端末などのスマートデバイスが一部の人手を代替する。2)コンピュータビジョン、機械学習、オペレーションズ最適化などの技術やアルゴリズムによって駆動される、輸送設備管理システム、倉庫保管管理、設備スケジューリングシステム、注文分配システムなどのソフトウェアシステムによって、人工的な効率が向上する。インテリジェントロジスティクスの研究と進歩に伴い、この技術は、例えば、小売及び電子商取引、電子製品、たばこ、医薬、工業製造、靴・衣料、紡績、食品など、多くの分野で応用されてきた。
【0031】
図1図2に示すように、本開示は、フレーム10と、走行手段20と、走行伝動ユニット30と、走行駆動手段40と、を含む搬送車100を提供する。
【0032】
フレーム10は搬送車100の車体として、各部材を支持するものである。フレーム10は全体として矩形をしてもよく、シャシー11と、シャシー11の外周側に周設され、上へ延在している側板12と、上部カバーと、を含み、シャシー11、側板12及び上部カバーは共同で各部品を収容するための収容スペースを構成する。側板12には、データ線が通す充電口、センサをフレーム10の外部に露出させるセンサ口、表示灯をフレーム10の外部に露出させる表示灯口などが開けられてもよい。
【0033】
走行手段20は搬送車100を駆動して所定の経路に走行させるものである。本開示の実施例の搬送車100は、横方向(図におけるx方向)及び縦方向(図におけるy方向)に沿って前後に走行可能な4方向走行搬送車であってもよく、このように、搬送車100の走行の柔軟性が向上し、複雑な作業環境に適用することができる。
【0034】
なお、搬送車100の走行方向を区別しやすくするために、本開示の実施例に記載の横方向(図におけるx方向)、縦方向(図におけるy方向)は搬送車100の走行方向であり、場合によっては、これらは交換してもよい。
【0035】
走行手段20は横方向走行輪21と縦方向走行輪22を含む。横方向走行輪21は搬送車100を駆動して走行面上をx方向に沿って前後に移動させ得る。縦方向走行輪22は搬送車100を駆動して走行面上をy方向に沿って前後に移動させ得る。走行面は平坦な地面であってもよく、レール面であってもよい。走行面がレール面である場合、縦方向走行輪22は第1レール面(例えば主車道)に沿って走行してもよく、第1レール面はy方向(縦方向)に延在してもよく、横方向走行輪21は第2レール面(例えば副車道)に沿って走行してもよく、第2レール面はx方向(横方向)に延在している。言い換えれば、本開示の実施例の搬送車100は有軌道搬送車であってもよいし、無軌道搬送車であってもよい。
【0036】
縦方向走行輪22が走行面から離脱した状態では、横方向走行輪21は走行面上にあり、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って走行面上を移動する。横方向走行輪21が走行面から離脱した状態では、縦方向走行輪22は走行面上にあり、搬送車100は縦方向走行輪22により縦方向に沿って走行面上を移動する。
【0037】
搬送車100が方向を変更して走行する必要がある場合、例えば、搬送車100が横方向走行から縦方向走行に切り替わる必要がある場合、横方向走行輪21を走行面から離脱させ、縦方向走行輪22を走行面上に位置させることによって、搬送車100は縦方向走行輪22により縦方向に沿って走行することができる。搬送車100が縦方向走行から横方向走行の方向に切り替わる必要がある場合、縦方向走行輪22を走行面から離脱させ、横方向走行輪21を走行面上に位置させることによって、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って走行することができる。
【0038】
走行伝動ユニット30はフレーム10に設けられる横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32を含む。横方向伝動ユニット31は横方向走行輪21に接続され、横方向走行輪21を回転駆動する。縦方向伝動ユニット32は縦方向走行輪22に接続され、縦方向走行輪22を回転駆動する。ここで、横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はフレーム10の外周側に隣接して位置する。
【0039】
図1に示すように、フレーム10のシャシー11にセパレータ13が設けられてもよく、セパレータ13はy方向に向かって延在しており、側板12に近く、セパレータ13と側板12は横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32を収納するための収納スペースを構成する。
【0040】
横方向伝動ユニット31はy方向に沿って配置されてもよく、その両端にはそれぞれ横方向走行輪21が接続されている。縦方向伝動ユニット32もy方向に沿って配置され、その側方に縦方向走行輪22が接続されている。
【0041】
図1に示すように、セパレータ13は2つ設けられてもよく、2つセパレータ13は対向設置され、それぞれフレーム10の外周側の対向する両側板とともに第1収納スペース及び第2収納スペースを形成する。横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はそれぞれ2組設けられてもよく、2組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はそれぞれフレーム10の対向側に設けられる。1組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はフレーム10の一方の側の第1収納スペース内に位置し、すなわち、1組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はフレーム10の同一側に位置し、残りの1組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はフレーム10の他方の側の第2収納スペース内に位置し、すなわち、残りの1組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32はフレーム10の他方の側に位置する。よって、このような構成によれば、フレーム10での占有スペースを低減させ、他の部品により多くのスペースを提供することができる。走行伝動ユニット30は走行駆動手段40に接続され、走行駆動手段40は横方向走行輪21及び縦方向走行輪22を回転させるように走行伝動ユニット30を駆動する。走行駆動手段40はフレーム10の1組の横方向伝動ユニット31及び縦方向伝動ユニット32に近い位置に設けられてもよい。本開示の実施例の搬送車100では、横方向走行輪21に接続される横方向伝動ユニット31及び縦方向走行輪22に接続される縦方向伝動ユニット32がフレーム10の外周側に隣接して設けられることによって、フレーム10の中央部の占有を低減させ、他の部品により多くのスペースを提供することができる。フレーム10における部品に必要なスペースが同じである場合、フレーム10全体のサイズを小さくすることができ、搬送車100のさらなる小型化が図られ、このように、空間が限られた倉庫保管環境では、搬送車100の通過効率を向上させることができ、また、立体倉庫の単位体積あたりの貯蔵スペースを増加させることもできる。
【0042】
いくつかの実施例では、縦方向走行輪22はフレーム10に設けられ、例えば、縦方向走行輪22はフレーム10の側板12に回転可能に設けられ、フレーム10を縦方向に沿って移動させる。
【0043】
図1に示すように、上記した縦方向伝動ユニット32は縦方向駆動輪321、縦方向従動輪322及び縦方向伝動部材323を含んでもよい。
【0044】
ここで、縦方向駆動輪321は走行駆動手段40に接続される。縦方向従動輪322は縦方向走行輪22に接続され、縦方向伝動部材323は縦方向駆動輪321と縦方向従動輪322を接続する。縦方向駆動輪321、縦方向従動輪322及び縦方向伝動部材323はいずれもフレーム10のセパレータ13と側板12により構成された収納スペース内にあり、これによって、油汚の流出や異物の侵入を回避する。縦方向駆動輪321及び縦方向従動輪322はy方向の同一直線上にあってもよい。走行駆動手段40は縦方向駆動輪321を回転駆動し、縦方向駆動輪321は縦方向伝動部材323によって縦方向従動輪322を回転させ、これによって、縦方向走行輪22を回転させる。
【0045】
縦方向走行輪22は複数設けられてもよく、複数の縦方向走行輪22は複数組、例えば2組設けられてもよく、1組ごとに2つ縦方向走行輪22を含み、2組の縦方向走行輪22はy方向に沿ってフレーム10の側板12の外側に間隔を空けて設けられ、縦方向走行輪22のそれぞれには、側板12の内側に位置する縦方向従動輪322が取り付けられ、複数の縦方向従動輪322は縦方向伝動部材323を介して接続されるとともに、縦方向伝動部材323は縦方向駆動輪321に接続される。走行駆動手段40は縦方向駆動輪321を回転駆動し、縦方向伝動部材323を介して複数の縦方向従動輪322を回転させ、これによって、複数の縦方向走行輪22を回転させる。
【0046】
一例では、縦方向駆動輪321及び縦方向従動輪322はいずれもスプロケットであり、すなわち、駆動スプロケット、従動スプロケット、縦方向伝動部材323はチェーンであり、チェーンはそれぞれ駆動スプロケット及び従動スプロケットに掛設されてもよい。すなわち、複数の縦方向走行輪はチェーンを介して伝動可能に接続される。フレーム10の側板12には、1つ又は複数のテンションローラユニットが設けられてもよく、これによって、スプロケットをテンションし、伝動の安定性を確保し、復路の隙間を減少させる。
【0047】
別の例では、縦方向駆動輪321及び縦方向従動輪322はいずれもプーリであり、縦方向伝動部材323はベルトである。すなわち、複数の縦方向走行輪22はベルトを介して伝動可能に接続される。
【0048】
図2に示すように、縦方向走行輪22は複数の第1縦方向走行輪22aと複数の第2縦方向走行輪22bを含み、第1縦方向走行輪22a及び第2縦方向走行輪22bはそれぞれフレーム10の横方向の両側に設けられる。縦方向伝動ユニット32は2組設けられ、それぞれ第1縦方向伝動ユニット32a及び第2縦方向伝動ユニット32bであり、ここでは、複数の第1縦方向走行輪22aは第1縦方向伝動ユニット32aを介して接続され、複数の第2縦方向走行輪22bは第2縦方向伝動ユニット32bを介して接続される。走行伝動ユニット30は走行駆動手段40に接続される縦方向接続軸35をさらに含み、縦方向接続軸35は第1縦方向伝動ユニット32aと第2縦方向伝動ユニット32bを接続する。
【0049】
走行駆動手段40は縦方向接続軸35を回転駆動することで、第1縦方向伝動ユニット32a及び第2縦方向伝動ユニット32bを駆動して複数の第1縦方向走行輪22a及び複数の第2縦方向走行輪22bを回転させる。搬送車100の複数の縦方向走行輪22はいずれも駆動輪であり、これによって、走行動力を向上させ、輸送性能を向上させることができる。
【0050】
例示的には、第1縦方向走行輪22aは4つ設けられていてもよく、2つずつが1組であり、各組はフレーム10の左側(x負方向側)の外周側板12aに設けられ、フレーム10のy方向に間隔を空けて設けられる。第2縦方向走行輪22bは4つ設けられていてもよく、2つずつが1組であり、各組はフレーム10の右側(x正方向側)の側板12bに設けられ、フレーム10のy方向に間隔を空けて設けられる。第1縦方向走行輪22aごとに縦方向従動輪322が取り付けられ、複数の縦方向従動輪322と縦方向駆動輪321は同一水平線上にあって、縦方向伝動部材323を介して接続されてもよい。第1縦方向伝動ユニット32aの縦方向駆動輪と第2縦方向伝動ユニット32bの縦方向駆動輪は接続軸35を介して接続される。
【0051】
いくつかの実施例では、上記の横方向伝動ユニット31はユニバーサル伝動軸を含む。ユニバーサル伝動軸は走行駆動手段40に接続され、ユニバーサル伝動軸の両端にはそれぞれ横方向走行輪21が設けられている。ユニバーサル伝動軸はフレーム10のy方向に沿って配置される。例えば、ユニバーサル伝動軸は伸縮可能な自在継手である。
【0052】
ユニバーサル伝動軸は、伝動部と、伝動部の両端にそれぞれ可動に設けられる揺動部と、を含み、揺動部には横方向走行輪21が取り付けられている。横方向走行輪21が走行面から離脱した状態では、横方向走行輪21及び揺動部はユニバーサル伝動軸の伝動部に対して揺動し、角変位を発生させて浮き上がり、縦方向走行輪22が走行面から離脱した状態では、横方向走行輪21は走行面に戻る。
【0053】
搬送車100が方向を変更して走行する必要がある場合、例えば、搬送車100が横方向走行から縦方向走行に切り替わる必要がある場合、横方向走行輪21は揺動部に追従してユニバーサル伝動軸の伝動部に対して上方に揺動し、角変位を発生させて浮き上がり、走行面から離脱し、ユニバーサル伝動軸の伝動部は旋回運動しか行わず、横方向走行輪21に追従して上方に移動せず、縦方向走行輪22は走行面上にあり、このように、搬送車100は縦方向走行輪22により縦方向に沿って走行する。
【0054】
搬送車100が縦方向走行の方向から横方向走行の方向に切り替わる必要がある場合、揺動部は伝動部に対して降下し、横方向走行輪21は走行面に戻って接触し、ユニバーサル伝動軸の伝動部は横方向走行輪21に追従して降下せず、縦方向走行輪22は走行面から離脱し、このように、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って走行する。
【0055】
つまり、在横方向走行輪21の昇降においては、ユニバーサル伝動軸の伝動部は横方向走行輪21及び縦方向走行輪22に追従して昇降しない。
【0056】
本開示の実施例の搬送車100では、方向を変更する場合、ユニバーサル伝動軸の両端にある揺動部が伝動部に対して揺動して傾斜するのに必要な高さ方向のスペースは小さい。したがって、搬送車100の更なる薄型化が図られ、搬送車100の立体倉庫保管の場合の通過性を向上させることができ、また、棚の間隔を小さくして、倉庫のスペース利用率を高めるのにも有利である。
【0057】
ユニバーサル伝動軸は横方向固定軸311と、1対の伸縮自在継手312と、を含んでもよい。横方向固定軸311は上記の伝動部として旋回運動を行い、伸縮自在継手312にトルクを伝達する。1対の伸縮自在継手312は上記の揺動部として、横方向固定軸311に追従して回転しながら、横方向固定軸311に対して上下に揺動することができる。具体的には、1対の伸縮自在継手312の入力軸はそれぞれ固定軸311のy方向の両端に接続され、1対の伸縮自在継手312の出力軸はそれぞれ横方向走行輪21に接続される。
【0058】
走行駆動手段40は横方向固定軸311を回転駆動し、両端にある伸縮自在継手312を回転させることで、横方向走行輪21を回転させる。搬送車100が方向を変更する場合、例えば搬送車100が横方向走行の方向から縦方向走行の方向に切り替わる必要がある場合、横方向走行輪21を走行面から離脱させてもよく、このような場合、横方向固定軸311はフレーム10に対して高さ方向において変位しておらず、伸縮自在継手312は伸長して横方向固定軸311に対して揺動し、角変位を発生させて浮き上がり、縦方向走行輪22は走行面上にあり、このように、搬送車100は縦方向走行輪22により縦方向に沿って走行する。搬送車100が縦方向走行の方向から横方向走行の方向に切り替わる必要がある場合、縦方向走行輪22を走行面から離脱させ、横方向走行輪21が伸縮自在継手312に追従して引き込まれ、横方向固定軸311に対して揺動して走行面に戻り、このように、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って走行する。
【0059】
本開示の実施例の搬送車100では、伸縮自在継手312が設けられることによって、方向変更においては、横方向走行輪21が昇降するときに、横方向固定軸と干渉せず、これにより、ユニバーサル伝動軸の変形が回避され、使用性能が確保される。
【0060】
いくつかの実施例では、走行伝動ユニット30は横方向駆動輪331と、横方向従動輪332と、をさらに含む。横方向駆動輪331は走行駆動手段40に接続され、横方向従動輪332はユニバーサル伝動軸に取り付けられ、横方向駆動輪331に接続される。
【0061】
走行駆動手段40は前記横方向駆動輪331を回転駆動し、横方向従動輪332を回転させることで、ユニバーサル伝動軸を回転させる。
【0062】
一例では、横方向駆動輪331は横方向駆動スプロケットであり、横方向従動輪332は横方向従動スプロケットであり、横方向駆動スプロケットと横方向従動スプロケットはチェーンを介して接続される。すなわち、横方向駆動輪331と横方向従動輪332はチェーンを介して伝動可能に接続される。
【0063】
別の例では、横方向駆動輪331は横方向駆動プーリであり、横方向従動輪332は横方向従動プーリであり、横方向駆動プーリと第1横方向従動プーリはベルトを介して接続される。
【0064】
更なる例では、横方向駆動輪331は横方向駆動歯車であり、横方向従動輪332は横方向従動歯車であり、横方向駆動歯車と横方向従動歯車は噛み合う。ユニバーサル伝動軸は歯車伝動方式で回転し、チェーンによる伝動方式と比べて、伝動精度が高く、伝動騒音が小さい。
【0065】
一実施例では、ユニバーサル伝動軸は2つ設けられ、それぞれ第1ユニバーサル伝動軸及び第2ユニバーサル伝動軸であり、第1ユニバーサル伝動軸311及び第2ユニバーサル伝動軸311はそれぞれフレーム10の横方向の両側に設けられる。走行伝動ユニット30は第1アダプタ輪341、第2アダプタ輪342、第2横方向従動輪344及び横方向接続部材343をさらに含む。第1アダプタ輪341は横方向駆動輪331に接続され、第2アダプタ輪342は第1アダプタ輪341に接続され、第2横方向従動輪344は第2ユニバーサル伝動軸に接続され、横方向接続部材343は第2アダプタ輪342と第2横方向従動輪344を接続する。
【0066】
走行駆動手段40は横方向駆動輪331を回転駆動し、第1横方向従動輪332及び第1アダプタ輪341を回転させ、第1横方向従動輪332は第1ユニバーサル伝動軸及びそれに接続される横方向走行輪を回転させ、また、第2アダプタ輪342は第1アダプタ輪341に追従して回転し、第2アダプタ輪342は横方向接続部材343によって第2ユニバーサル伝動軸の第2横方向従動輪を回転させることで、第2ユニバーサル伝動軸及びそれにおける横方向走行輪を回転させる。
【0067】
一例では、横方向駆動輪331、第1横方向従動輪332、第1アダプタ輪341は歯車であってもよく、第2アダプタ輪342及び第2横方向従動輪344はスプロケットであってもよく、横方向接続部材343はチェーンであってもよい。第1ユニバーサル軸と第2ユニバーサル軸は歯車ユニットとチェーンを組み合わせることによって回転し、複数の横方向走行輪21はいずれも駆動力を有し、これによって、搬送車100の搬送性能が向上する。
【0068】
いくつかの実施例では、走行駆動手段40は走行モータ41と走行減速機42を含んでもよく、走行減速機42は走行入力端、縦方向走行出力端及び横方向走行出力端を含み、ここでは、走行入力端は走行モータの出力軸に接続され、縦方向走行出力端は縦方向伝動ユニット32に接続され、横方向走行出力端は横方向伝動ユニット31に接続される。具体的には、縦方向走行出力端は上記の縦方向接続軸35に接続され、縦方向接続軸35は縦方向走行出力端を貫通しており、横方向走行出力端は横方向駆動輪331に接続される。走行モータ41は回転して走行減速機42の縦方向走行出力端を駆動して、縦方向接続軸35を回転させることで、フレーム10の両側にある縦方向走行輪22を回転させ、また、横方向走行出力端によって横方向駆動輪331を回転させることで、ユニバーサル軸及び横方向走行輪21を回転させる。
【0069】
いくつかの実施例では、図1~3に示すように、搬送車100は、横方向走行輪21に接続されて、横方向走行輪21を昇降駆動し、横方向走行輪21を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接させるジャッキング・方向変更手段をさらに含む。
【0070】
ジャッキング・方向変更手段は昇降ラック51と、少なくとも1つのクランク手段52と、方向変更駆動モータ54と、をさらに含む。さらに、ジャッキング・方向変更手段は方向変更伝動ユニットをさらに含んでもよい。
【0071】
昇降ラック51はフレーム10に設けられ、フレーム10に対して上下に昇降可能であり、横方向(図におけるx方向)又は縦方向(図におけるy方向)においてフレーム10と干渉し、相対変位を発生させることがない。昇降ラック51は横方向走行輪21に接続される。少なくとも1つのクランク手段52は昇降ラック51に接続される。方向変更駆動手段はクランク手段52に接続され、駆動クランク手段52は揺動して、昇降ラック51で横方向走行輪21を昇降させる。
【0072】
方向変更駆動手段は、フレーム10に固定され、例えばシャシー11に固定された方向変更駆動モータ54を含む。クランク手段52は昇降ラック51に接続される。方向変更伝動ユニットは方向変更駆動モータ54の出力軸及びクランク手段52に接続され、ここで、方向変更駆動モータ54はクランク手段52を揺動駆動し、昇降ラック51を昇降させることで、横方向走行輪21を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接させる。
【0073】
方向変更駆動モータ54は、回転して方向変更伝動ユニットを介してクランク手段52を駆動して最低位置から最高位置まで揺動させ、昇降ラック51を上昇させ、横方向走行輪21は昇降ラック51に追従して上昇し、横方向走行輪21は揺動軸に追従してユニバーサル伝動軸の固定軸に対して上方へ角変位を発生させて浮き上がり、走行面から離脱し、搬送車100は縦方向走行輪22によって縦方向に沿って移動する。方向変更駆動モータ54は、回転して方向変更伝動ユニットを介してクランク手段52を駆動して最高位置から最低位置まで揺動させ、昇降ラック51を降下させ、横方向走行輪21は昇降ラック51に追従して降下し、走行面に戻って当接し、フレーム10をジャッキアップし、縦方向走行輪22は走行面から離脱し、このとき、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って移動する。それと同時に、昇降ラック51は搬送対象物品を直接又は間接的に載置することができ、クランク手段52が最低位置から最高位置に揺動する過程では、物品がリフトされるとともに、搬送車100の方向変更操作が行われる。
【0074】
そのほか、方向変更駆動モータ54が回転して方向変更伝動ユニットを介してクランク手段52を駆動して最高位置と最低位置との間の中間位置に移動させると、横方向走行輪21は走行面に接触しなくてもよく、この場合、縦方向走行輪22は走行面に接触し、搬送車100は縦方向走行輪22によって支持される。クランク手段52は、最高位置と中間位置との間で揺動する過程では、昇降ラック51を昇降させ、このように、方向を変更することなく、搬送対象物品をリフトする操作が実現され、搬送車100の柔軟性を向上させることができ、様々な作業状況に対応することができる。
【0075】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、昇降ラック51には貫通孔が設けられる。クランク手段52は第1クランク5211と、揺動軸5221と、を含む。第1クランク5211は駆動接続部5211-1及び揺動部5211-2を含み、駆動接続部5211-1は方向変更駆動モータ54に接続されて動力を伝達するものであり、揺動部5211-2は揺動軸5221を固定することで、動力を揺動軸5221に伝達して揺動軸5221を揺動させるものである。具体的には、第1クランク5211の一端部は方向変更伝動ユニットを介して方向変更駆動モータ54の出力軸に伝動可能に接続される。揺動軸5221は第1クランク5211の他端部に固定され、揺動軸5221は貫通孔を貫通して昇降ラック51を支持する。
【0076】
第1クランク5211の一端部は方向変更伝動ユニットの出力端に固定され、方向変更駆動モータ54は、回転して方向変更伝動ユニットを介して第1クランク5211をその回転中心周りに回転させる。揺動軸5221は第1クランク5211の他端部に固定され、第1クランク5211の回転中心からずれており、第1クランク5211に垂直な方向に向かって延在している。揺動軸5221は貫通孔を貫通し、昇降ラック51は揺動軸5221に当接する。方向変更駆動モータ54は回転して第1クランク5211を回転させ、揺動軸5221は第1クランク5211の回転中心を円心として揺動し、揺動過程では、揺動軸5221は最高位置、最低位置及び中間位置を有する。揺動軸5221が最低位置から最高位置に揺動したときに、昇降ラック51及び横方向走行輪21は揺動軸5221に追従して上昇し、横方向走行輪21を走行面から離脱させ、搬送車100は縦方向走行輪22により横方向に沿って移動する。揺動軸5221が最高位置から最低位置に揺動したときに、昇降ラック51は揺動軸5221とともに降下し、横方向走行輪21を走行面に当接させ、フレーム10をジャッキアップし、縦方向走行輪22を走行面から離脱させ、搬送車100は横方向走行輪21により横方向に沿って移動する。
【0077】
第1クランク5211及び揺動軸5221の揺動によって昇降ラック51が昇降駆動されて、物品のリフトや搬送車100の方向変更が実現され、第1クランク5211及び揺動軸5221の構造がコンパクトであり、占有スペースが小さいので、搬送車100の各部材のレイアウトに有利である。
【0078】
いくつかの実施例では、揺動軸5221には軸受け5231が設けられており、軸受け5231は昇降ラック51に接触する。軸受け5231は揺動軸5221に固定して套設され、昇降ラック51の貫通孔内に位置し、昇降ラック51に当接する。第1クランク5211が揺動軸5221を駆動して揺動させる過程では、軸受け5231と昇降ラック51の貫通孔は転がり摩擦が発生し、揺動軸5221が昇降ラック51と直接に滑り摩擦する場合よりも、摩擦力を小さくし、過度の摩擦による損壊のリスクを低減させ、伝動の信頼性を向上させることができる。
【0079】
いくつかの実施例では、クランク手段52は第2クランク5241をさらに含む。第2クランク5241の一端部は揺動軸5221に固定され、他端部はフレーム10に回転可能に固定される。第2クランク5241の構造は第1クランク5211の構造と同じであってもよく、揺動軸5221の一端は第1クランク5211に固定され、他端は第2クランク5241に固定される。第2クランク5241の揺動軸5221から離れた端部においては、第2クランク5241に垂直な方向に接続軸が延在しており、例えば、例えばクランク接続軸5251が延在しており、クランク接続軸5251はクランク軸受けを介してフレーム10に回転可能に設けられてもよい。
【0080】
第2クランク5241はフレーム10に回転可能に設けられ、揺動軸5221の揺動中、第1クランク5211及び第2クランク5241は揺動軸5221の両端を安定的に支持し、これによって、揺動軸5221の揺動中の振動の発生を効果的に回避し、昇降ラック51の昇降をより安定化させることができる。
【0081】
いくつかの実施例では、昇降ラック51の貫通孔は昇降ラック51の縦方向(y方向)に沿って延在して滑走路状となってもよく、昇降ラック51の縦方向は昇降ラック51の延在方向でもある。揺動軸5221の揺動中、滑走路状の貫通孔は揺動軸5221に対して縦方向における逃しスペースを提供することができ、滑走路のU字形の構造は揺動軸5221の外形に合わせ、これによって、揺動軸5221と昇降ラック51との縦方向における干渉を低減させ、昇降ラック51の揺動幅を低減させ、物品をリフトするときの安定性を高めることができる。
【0082】
いくつかの実施例では、方向変更伝動ユニットは、方向変更入力端、第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端を含み、方向変更入力端が方向変更駆動モータ54の出力軸に接続され、方向変更駆動モータ54が回転して第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端を同期して回転させる第1同期歯車手段55を含む。
【0083】
上記のクランク手段52は第1クランク手段と第2クランク手段を含み、第1クランク手段及び第2クランク手段はそれぞれ昇降ラック51に接続され、それぞれ第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端に接続される。昇降ラック51には、縦方向に間隔を空けて設けられる2つの貫通孔が設けられる。第1クランク手段のクランク及び第2クランク手段のクランクはそれぞれ第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端に接続され、第1クランク手段の揺動軸及び第2クランク手段の揺動軸はそれぞれ昇降ラック51の2つの貫通孔に挿通されて、共同で昇降ラック51を支持する。
【0084】
方向変更駆動モータ54は回転して第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端を同期して回転させることで、2つのクランク手段52を駆動して昇降ラック51を同期して昇降させ、これによって、方向変更及びリフトが実現され、方向変更の信頼性がより高くなり、リフトがより安定している。さらに、1つの方向変更駆動モータ54が第1同期歯車手段と協働することで、クランク手段52は昇降ラック51を同期して昇降駆動し、占有スペースを減少し、制御しやすくし、コストを削減させることができる。
【0085】
いくつかの実施例では、昇降ラック51は2つ設けられてもよく、それぞれ第1昇降ラック及び第2昇降ラックである。ここでは、第1昇降ラック及び第2昇降ラックはそれぞれフレーム10の横方向の両側に設けられる。上記の第1同期歯車手段55は第3方向変更出力端をさらに含み、方向変更駆動モータ54は回転して第1方向変更出力端、第2方向変更出力端及び第3方向変更出力端を同期して回転駆動する。
【0086】
方向変更伝動ユニットは第2同期歯車手段57と方向変更接続軸56をさらに含む。第2同期歯車手段57は第2昇降ラックに隣接してもよく、第1同期歯車手段55は第1昇降ラックに隣接してもよい。第2同期歯車手段57は方向変更接続端、第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端を含んでもよい。方向変更接続軸56の一端は第3方向変更出力端に接続され、他端は第1アダプタ輪341及び第2アダプタ輪342(図6を参照)を貫通しており、方向変更接続端に接続される。第1アダプタ輪341と第2アダプタ輪342は中空軸を介して接続され、方向変更接続軸56は第1アダプタ輪341、第2アダプタ輪342及び中空軸との間に逃し隙間を有し、これによって、これらの互いの干渉を回避する。方向変更駆動モータ54は回転して第1方向変更出力端、第2方向変更出力端及び第3方向変更出力端を同期して回転させ、第3方向変更出力端は回転して方向変更接続軸56を回転させることで、第2同期歯車手段57の第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端を同期して回転させる。
【0087】
クランク手段52は第3クランク手段と第4クランク手段をさらに含み、第3クランク手段及び第4クランク手段はそれぞれ第2昇降ラックに接続され、それぞれ第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端に接続され、第1クランク手段及び第2クランク手段はそれぞれ第1昇降ラックに接続され、それぞれ第1方向変更出力端及び第2方向変更出力端に接続される。
【0088】
方向変更駆動モータ54は回転して第1方向変更出力端、第2方向変更出力端及び第3方向変更出力端を同期して回転させ、第3方向変更出力端は回転して方向変更接続軸56を同期して回転させることで、第2同期歯車手段57の第4方向変更出力端及び第5方向変更出力端を同期して回転させ、さらに第1クランク手段、第2クランク手段、第3クランク手段及び第4クランク手段も同期して揺動させ、これにより、第1昇降ラックと第2昇降ラックを同期して昇降させる。1つの方向変更駆動モータ54が2つの昇降ラックを同期して昇降駆動することによって、スペースを節約し、制御しやすくし、リフトを安定化させることができる。
【0089】
いくつかの実施例では、上記の第1同期歯車手段55は第1歯車ボックスと、第1歯車ボックス内に設けられる第1歯車群と、を含む。第2同期歯車手段57は第2歯車ボックスと、第2歯車ボックス内に設けられる第2歯車群と、を含む。方向変更伝動ユニットは、同期歯車手段を用いて、同期歯車を歯車ボックスに密閉させ、これによって、油の漏れを効果的に回避し、安全性を確保することができる。同期歯車手段はモジュール化して一体になるので、組み立てやメンテナンスが容易になる。
【0090】
方向変更駆動手段による昇降ラック51の昇降駆動方式は上記のクランク手段に限定されず、いくつかの実施例では、方向変更駆動手段はボールねじナット(未図示)と方向変更駆動モータを含んでもよく、ボールねじはフレーム10に垂直に設けられ、ナットはボールねじに螺合され、昇降ラック51はナットに固定され、方向変更駆動モータはフレームに設けられ、ボールねじに伝動可能に接続され、ボールねじを回転駆動し、ナット及び昇降ラック51を昇降させ、これによって、横方向走行輪21は走行面から離脱するか、又は走行面に当接する。ボールねじナットの連携により昇降ラック51の昇降が実現され、受力がより均一になり、昇降がより安定している。
【0091】
別のいくつかの実施例では、方向変更駆動手段はカム(未図示)と方向変更駆動モータを含む。カムは昇降ラック51の底部に当接し、昇降ラック51を支持するものである。カムは曲線輪廓を有し、曲線輪廓の異なる点での高さは異なる。方向変更駆動手段がカムを回転駆動するときに、昇降ラック51のカム輪廓に当接する接触点の位置は変わり、昇降ラック51は昇降する。カムの回転によって昇降ラック51を昇降させて、横方向走行輪21を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接させることにより、昇降ラック51の負荷能力を高めることができる。
【0092】
更なる実施例では、方向変更駆動手段は、歯車と、ラックと、方向変更駆動モータ(未図示)と、を含む。方向変更駆動モータはフレーム10において歯車に伝動可能に接続されてもよく、方向変更駆動モータの出力軸には歯車が取り付けられてもよい。ラックはフレーム10に垂直に設けられ、昇降ラック51に接続され、歯車はラックと噛み合う。方向変更駆動モータは回転して歯車を回転させ、ラックを昇降させ、ラックは昇降ラック51を昇降させ、横方向走行輪21を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接させる。
【0093】
更なる実施例では、方向変更駆動手段はフレームに設けられるエアシリンダ又は油圧シリンダを含んでもよく、エアシリンダ又は油圧シリンダの伸縮端は昇降ラック51に接続され、昇降ラック51を昇降駆動し、横方向走行輪21を走行面から離脱させるか、又は走行面に当接される。エアシリンダ又は油圧シリンダによって昇降ラック51を昇降駆動することにより、物品をより正確にリフトすることができる。
【0094】
いくつかの実施例では、図1及び図3に示すように、搬送車100は、少なくとも1つの第1案内手段60を含み、第1案内手段60は、昇降ラック51の昇降を案内する役割を果たしており、昇降ラック51が揺動して振動を発生させ、損壊してしまうことを回避する。第1案内手段60は案内軸と、スライドベースと、を含んでもよい。案内軸はフレーム10に垂直に設けられる。スライドベースは案内軸にスライド可能に設けられ、昇降ラック51に固定して接続される。昇降ラック51はボルトを介してスライドベースに固定して接続され、昇降ラック51の昇降においては、スライドベースは垂直方向案内軸に沿って昇降し、昇降ラック51の揺動を抑えて、昇降ラック51を垂直に昇降させる。第1案内手段60によって昇降ラック51の昇降をより安定化させることもできる。
【0095】
一実施例では、昇降ラック51の端部には支持枠53が設けられ、横方向走行輪21は支持枠53内に位置する。
【0096】
上記のリフトプレート80と昇降ラック51との間には、リフトプレート80の昇降を案内する役割を果たす第2案内手段70がさらに設けられる。図5に示すように、支持枠53には案内孔531が設けられてもよく、第2案内手段70は、一端がリフトプレート80に接続され、他端が案内孔531内に伸びる案内軸であってもよい。
【0097】
リフトプレート80は縦方向に沿って延在しており、その両端がそれぞれ縦方向のジャッキング・方向変更手段に設けられる。具体的には、リフトプレート80の両端はそれぞれ案内軸を介して支持枠53に接続される。支持枠53は昇降ラック51とともに昇降し、昇降過程では、支持枠53はリフトプレート80の底部に当接し、リフトプレート80を昇降させ、案内軸は案内孔531内を上下にスライドし、案内軸と案内孔531とが嵌合することにより、リフトプレート80に対して案内作用が果たされる。
【0098】
本開示の実施例は、搬送車100と横方向レールと縦方向レールとを含む搬送車システムを更に提供する。搬送車100は上記のいずれかの実施例に記載の搬送車である。搬送車100の横方向走行輪21は縦方向レール上を走行し、搬送車100の縦方向走行輪22は横方向レール上を走行する。ここでは、横方向走行輪21が走行面から離脱した状態では、搬送車100は縦方向走行輪22により横方向に沿って移動する。縦方向走行輪22が走行面から離脱した状態では、搬送車100は横方向走行輪21により縦方向に沿って移動する。縦方向走行輪22と横方向走行輪21との交互によって搬送車100を異なる方向に沿って移動させることにより、方向変更操作が実現され、輸送の柔軟性を大幅に向上させることができる。
【0099】
さらに、本開示では、「複数」は2つ以上を意味し、他の助数詞はこれに類似していることが理解される。「及び/又は」は、関連する対象の関連関係を説明するものであり、3つの関係が存在することを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することを表す。符号「/」は、一般に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。単数形の「1つ」、「前記」及び「該」は、コンテキストが他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。
【0100】
さらに、用語「第1」、「第2」などは、様々な情報を説明するために使用されるが、これらの情報は、これらの用語に限定されるべきではないことが理解される。これらの用語は、同じタイプの情報を区別するためにのみ使用され、特定の順序や重要度を示すものではない。実際には、「第1」「第2」などの表現は完全に交換して使用されてもよい。例えば、本開示の範囲を逸脱しない限り、第1情報を第2情報と称することもでき、同様に、第2情報を第1情報と称することもできる。
【0101】
さらに、本開示の実施例における動作は、図面において特定の順序で説明されているが、これらの動作が示された特定の順序又は連続的な順序で実行されることを要求するもの、又は所望の結果を得るために示された全ての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の環境では、マルチタスク及び並列処理が有利になる場合がある。
【0102】
本明細書を検討し、本明細書に開示された発明を実施した後、当業者は本開示の他の実施形態を容易に想到し得る。本願は、本開示の一般的な原理に従った本開示の任意の変形、用途、又は適応的変化をカバーすることを意図しており、本開示で開示されていない技術分野における公知の常識又は慣用技術的手段を含む。
【0103】
なお、本開示は、上述した図面に示された特定の構造に限定されるものではなく、その範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能である。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲のみによって定められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6