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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】強化されたフィンガープリント測位
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240709BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240709BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
H04W64/00 110
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023536174
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2020136513
(87)【国際公開番号】W WO2022126373
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-08-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】レイ ニウ
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-081803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0364390(US,A1)
【文献】国際公開第2019/240160(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102333372(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107831468(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108680898(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106102161(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111866876(CN,A)
【文献】特開2015-046724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0007779(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111191688(CN,A)
【文献】特開2005-234214(JP,A)
【文献】特開2006-098425(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104981002(CN,A)
【文献】赤穂 昭太郎,EMアルゴリズム-クラスタリングへの適用と最近の発展- EM Algorithm-Application to Clustering and Recent Development-,日本ファジィ学会誌,日本,日本ファジィ学会,2000年10月15日,第12巻 、第5号,2~10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S1/00-1/68
G01S5/00-5/14
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
H04M1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1デバイスにおいて、履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得することであって、前記履歴測定値は第2デバイスに関連付けられ、前記履歴測定値が取得されたとき、前記第2デバイスは履歴領域の1つ内に存在する、取得することと、
測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、前記測位モデルの入力として前記履歴測定値を使用し、前記測位モデルの出力として前記履歴領域を使用することによって、前記測位モデルを訓練することであって、前記ガウス分布は、第3デバイスが前記履歴領域に配置される確率を示し、前記パラメータセットは、前記履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応ガウス分布の前記パラメータセットは、バイセクションクラスタリングに基づいて決定される、訓練することと、
を含む、測位モデルの確立方法。
【請求項2】
前記履歴測定値の1つは、前記第2デバイスに関連する基準信号受信電力または基準信号の到着時間のうちの少なくとも1つを含み、前記履歴領域の1つは、前記履歴領域のグランドトゥルースまたは領域インデックスのうちの少なくとも1つによって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測位モデルを訓練することは、
ネットワーク装置、および、それぞれの前記ネットワーク装置から基準信号を受信可能な履歴領域のうちの1つについて、前記履歴領域のガウス分布のパラメータセットを決定することを含み、
前記パラメータセットは、
前記ガウス分布に含まれるガウス成分の数と、
前記ガウス分布の重み、平均、および、分散と、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラメータセットを決定することは、
前記ネットワーク装置からのN個の履歴測定値を使用して、前記履歴領域の初期ガウス分布を生成することであって、前記初期ガウス分布は第1の数のガウス成分を含む、生成することと、
所定の条件が満たされるまで、
前記ガウス分布の最大加重分散を決定することであって、前記最大加重分散は前記ガウス分布のターゲットガウス成分に対応する、決定することと、
前記N個の履歴測定値に関して、前記ターゲットガウス成分のアクティブ係数を決定することと、
アクティブ係数をソートすることによって、前記N個の履歴測定値のサブセットを決定することであって、前記N個の履歴測定値の前記サブセットは、最高アクティブ係数を生成することと、
前記N個の履歴測定値の前記サブセットに対してバイセクションクラスタリングを実行することであって、前記第1の数の値を1増加させる、実行することと、
の動作を少なくとも1回実行することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記N個の履歴測定値の前記サブセットに対して前記バイセクションクラスタリングを実行することは、
前記N個の履歴測定値の前記サブセットおよび新たなガウス成分のそれぞれの元の重みに基づいて、2つの新たなガウス成分を生成することと、
前記N個の履歴測定値の前記サブセットに関して、前記新たなガウス成分のそれぞれのアクティブ係数を決定することと、
平均、分散、および、重みが収束するまで、それぞれのアクティブ係数および前記N個の履歴測定値の前記サブセットに基づいて、前記新たなガウス成分の平均、分散、および、重みを更新することと、
前記ターゲットガウス成分を、収束した前記平均、分散、および、重みで構成された前記2つの新たなガウス成分で置き換えることと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記ガウス分布の前記最大加重分散が閾値分散未満である一方、前記ガウス成分の数が成分数の閾値を超えることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記履歴測定値の少なくとも1つは、前記第2デバイス、または、前記第2デバイスと通信するネットワーク装置の少なくとも一方から取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1デバイスは位置管理装置を備え、前記第2デバイスは端末装置を備え、前記第3デバイスは更なる端末装置を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第4デバイスにおいて、第3デバイスに関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得することと、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の前記測位モデルにおいて、前記少なくとも1つの測定値を適用して、前記第3デバイスを測位するためのターゲット領域を取得することと、
を含む、測位方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの測定値は、前記第3デバイス、または前記第3デバイスと通信するネットワーク装置の少なくとも一方から取得される、請求項9に記載の測位方法。
【請求項11】
前記第3デバイスは端末装置を備え、前記第4デバイスは位置管理装置を備える、請求項9に記載の測位方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1デバイスに、
履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得することであって、履歴測定値は第2デバイスに関連付けられ、前記第2デバイスは、前記履歴測定値が取得されたときに前記履歴領域の1つ内に存在する、取得することと、
測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、前記測位モデルの入力として前記履歴測定値を使用し、前記測位モデルの出力として前記履歴領域を使用することによって、前記測位モデルを訓練することであって、前記ガウス分布は、第3デバイスが前記履歴領域に配置される確率を示し、前記パラメータセットは、前記履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応ガウス分布の前記パラメータセットは、バイセクションクラスタリングに基づいて決定される、訓練することと、
を実行させるように構成される、第1デバイス。
【請求項13】
前記履歴測定値の1つは、前記第2デバイスに関連する基準信号受信電力または基準信号の到着時間のうちの少なくとも1つを含み、前記履歴領域の1つは、グランドトゥルースまたは前記履歴領域の領域インデックスのうちの少なくとも1つによって示される、請求項12に記載の第1デバイス。
【請求項14】
前記第1デバイスは、
ネットワーク装置、および、それぞれの前記ネットワーク装置から基準信号を受信可能な履歴領域のうちの1つについて、前記履歴領域のガウス分布のパラメータセットを決定するようにして前記測位モデルを訓練させ、
前記パラメータセットは、
前記ガウス分布に含まれるガウス成分の数と、
前記ガウス分布の重み、平均、および、分散と、
を含む、請求項13に記載の第1デバイス。
【請求項15】
前記第1デバイスは、
前記ネットワーク装置からのN個の履歴測定値を使用することにより、前記履歴領域の初期ガウス分布を生成することであって、前記初期ガウス分布は、第1の数のガウス成分を含む、生成することと、
所定の条件が満たされるまで、
前記ガウス分布の最大加重分散を決定することであって、前記最大加重分散は前記ガウス分布のターゲットガウス成分に対応する、決定することと、
前記N個の履歴測定値に関して、前記ターゲットガウス成分のアクティブ係数を決定することと、
アクティブ係数をソートすることによって、前記N個の履歴測定値のサブセットを決定することであって、前記N個の履歴測定値の前記サブセットは最高アクティブ係数を生成する、決定することと、
前記N個の履歴測定値の前記サブセットに対して、バイセクションクラスタリングを実行し、前記第1の数の値を1増加させることと、
の動作を少なくとも1回実行することと、
によって、前記パラメータセットを決定させる、請求項14に記載の第1デバイス。
【請求項16】
前記第1デバイスは、前記N個の履歴測定値の前記サブセットに対して、
前記N個の履歴測定値の前記サブセット、および、前記新たなガウス成分のそれぞれの元の重みに基づいて、2つの新たなガウス成分を生成することと、
前記N個の履歴測定値の前記サブセットに関して、前記新たなガウス成分のそれぞれのアクティブ係数を決定することと、
平均、分散、および、重みが収束するまで、それぞれのアクティブ係数および前記N個の履歴測定値の前記サブセットに基づいて、前記新たなガウス成分の平均、分散、および、重みを更新することと、
前記ターゲットガウス成分を、収束した前記平均、分散、および、重みで構成された前記2つの新たなガウス成分で置き換えることと、
によって、前記バイセクションクラスタリングを実行するようにされる、請求項15に記載の第1デバイス。
【請求項17】
前記所定の条件は、前記ガウス分布の前記最大加重分散が閾値分散未満である一方、前記ガウス成分の前記数が成分数の閾値を超えることを含む、請求項15に記載の第1デバイス。
【請求項18】
前記履歴測定値の少なくとも1つは、前記第2デバイス、または、前記第2デバイスと通信するネットワーク装置のうちの少なくとも一方から取得される、請求項12に記載の第1デバイス。
【請求項19】
前記第1デバイスは位置管理装置を備え、前記第2デバイスは端末装置を備え、前記第3デバイスは更なる端末装置を備える、請求項12に記載の第1デバイス。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備え
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサにより、第4デバイスに、
第3デバイスに関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得することと、
前記少なくとも1つの測定値を請求項1乃至8のいずれか一項に記載の測位モデルに適用して、前記第3デバイスを測位するためのターゲット領域を取得することと、
を実行させるように構成される、第4デバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つの測定値は、前記第3デバイス、または、前記第3デバイスと通信するネットワーク装置のうちの少なくとも一方から取得される、請求項20に記載の第4デバイス。
【請求項22】
前記第3デバイスは端末装置を備え、前記第4デバイスは位置管理装置を備える、請求項20に記載の第4デバイス。
【請求項23】
履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得するための手段であって、履歴測定値は第2装置に関連付けられ、前記履歴測定値が取得されたとき、前記第2装置は前記履歴領域の1つ内に存在する、取得するための手段と、
測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、前記測位モデルの入力として前記履歴測定値を使用し、前記測位モデルの出力として前記履歴領域を使用することによって、前記測位モデルを訓練するための手段であって、前記ガウス分布は、第3装置が前記履歴領域に配置される確率を示し、前記パラメータセットは、前記履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応ガウス分布の前記パラメータセットは、バイセクションクラスタリングに基づいて決定される、訓練するための手段と、
を備える、第1装置。
【請求項24】
第3装置に関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得する手段と、
前記第3装置を測位するためのターゲット領域を取得するために、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の前記測位モデルにおいて前記少なくとも1つの測定値を適用する手段と、
を備える、第4装置。
【請求項25】
少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を装置に実行させるためのプログラム命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備える、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法を装置に実行させるためのプログラム命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備える、非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、電気通信の分野に関し、特に、フィンガープリント測位のための方法、デバイス、装置、およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
フィンガープリントに基づくアプローチは、無線ネットワークにおける屋内外の測位に広く使用されている。パターンマッチング(PTM)方式はフィンガープリントに基づくアプローチの典型的な例であり、訓練フェーズと測位フェーズの2つのフェーズを含む。訓練フェーズでは、PTMを使用するデバイスは、複数の基地局によって提供されるビンのグループから測定値を収集し、ビンの各々は、例えば、50m×50mの正方形である。測定値には、例えば、DLベースおよびULベースの到着時間差(TDOA)、DLベースの出発角度(AoD)、ULベースの到着角度(AoA)、マルチ往復時間(Multi-RTT)、および、UEに関連するグラウンドトゥルース(GT)が含まれる。PTMは、信号測定値を使用して単一のガウス分布を訓練する。その後、予測フェーズの間、UEからの測定値が入力されると、ガウス分布により、UEが各ビン内に位置するそれぞれの確率が提供される。最後に、デバイスは最も高い確率を与えるビンを選択し、その重心位置をUEの予測位置として出力することができる。
【0003】
実際の応用では、NLOS(None Light of Sight)マルチパス反射がToAおよびRSRP測定にバイアスを引き起こし、不正確な予測結果につながる。従って、高い測位精度を提供するために、強化されたフィンガープリント測位技術が求められている。
【発明の概要】
【0004】
概して、本開示の例示的な実施形態は、フィンガープリント測位のための方法、装置、機器、およびコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0005】
第1の態様では、測位モデルを確立するための方法が提供される。この方法は、第1デバイスにおいて、履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得することであって、履歴測定値が第2デバイスに関連付けられ、履歴測定値が取得されたとき、第2デバイスが履歴領域の1つ内に存在する、取得することと、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデルの入力として履歴測定値を使用し、測位モデルの出力として履歴領域を使用することによって、測位モデルを訓練することであって、ガウス分布は、第3デバイスが履歴領域に配置される確率を示し、パラメータセットは、履歴領域のそれぞれの見通し外環境(NLOS(non-light of sight levels))に対応する、訓練することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、測位方法が提供される。この方法は、第4デバイスにおいて、第3デバイスに関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得することと、第1の態様による測位モデルにおいて少なくとも1つの測定値を適用して、第3デバイスを測位するためのターゲット領域を取得することと、を含む。
【0007】
第3の態様では、第1デバイスが提供される。第1デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1デバイスに、履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得させ、履歴測定値は第2デバイスに関連付けられ、履歴測定値が取得されたとき、第2デバイスは履歴領域の1つ内に存在し、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデルの入力として履歴測定値を使用し、測位モデルの出力として履歴領域を使用することによって、測位モデルを訓練させ、ガウス分布は、第3デバイスが履歴領域に配置される確率を示し、パラメータセットは、履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応するように構成される。
【0008】
第4の態様では、第4デバイスが提供される。第4デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサにより、第4デバイスに、第3デバイスに関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得するステップと、第1の態様による測位モデルにおいて少なくとも1つの測定値を適用して、第3デバイスを測位するためのターゲット領域を取得するステップと、を実行させるように構成される。
【0009】
第5の態様では、第1装置が提供される。第1装置は、履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得する手段であって、履歴測定値は第2装置に関連付けられ、履歴測定値が取得されたとき、第2装置は履歴領域の1つ内に存在する、取得する手段と、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデルの入力として履歴測定値を使用し、測位モデルの出力として履歴領域を使用することによって、測位モデルを訓練する手段であって、ガウス分布は、第3装置が履歴領域に配置される確率を示し、パラメータセットは、履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応する、訓練する手段と、を備える。
【0010】
第6の態様では、第4装置が提供される。第4装置は、第3装置に関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得するための手段と、第3装置を配置するためのターゲット領域を取得するために、第1の態様による測位モデルにおいて少なくとも1つの測定値を適用するための手段と、を備える。
【0011】
第7の態様では、上記第1の態様による方法を装置に実行させるためのプログラム命令を含む非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
【0012】
第8の態様では、上記第2の態様による方法を装置に実行させるためのプログラム命令を含む非一過性のコンピュータ可読媒体が提供される。
【0013】
本概要は、本開示の実施形態の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定するために使用することを意図していないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通じて容易に理解できるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
次に、いくつかの例示的な実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1図1は、本開示の実施形態が実装され得る例示的な通信環境を示す図である。
図2図2は、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるフィンガープリント測位のための例示的な測位モデルの概略図を示す。
図3図3は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による測位モデルを確立する方法のフローチャートを示す。
図4図4は、本開示のいくつかの例示的な実施形態に従って、候補領域とネットワーク装置のペアのガウス分布を決定するための方法のフローチャートを示す。
図5図5は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による測位方法のフローチャートを示す。
図6図6は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置の簡略化されたブロック図を示す。
図7図7は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による例示的なコンピュータ可読媒体のブロック図を示す。 図面全体を通して、同一または類似の参照数字は、同一または類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示を目的として記載されており、当業者が本開示を理解し実施するのに役立つものであって、本開示の範囲に関する限定を示唆するものではないことを理解されたい。本明細書に記載される開示は、以下に記載されるもの以外の様々な態様で実施され得る。
【0016】
以下の説明および特許請求の範囲において、別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野における通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0017】
本開示における「一実施形態」、「いくつかの例示的な実施形態」、「例示的な実施形態」等への言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。さらに、いくつかの例示的な実施形態に関連して、特定の特徴、構造、または特性が記載されている場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、他の実施形態に関連して、そのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内であることを付言する。
【0018】
本明細書において、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語を用いて様々な要素を説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用されているに過ぎない。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1要素を第2要素と称することができ、同様に、第2要素を第1要素と称することができる。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、列挙された用語の1つまたは複数の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0019】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、用語「comprises」、「comprising」、「has」、「having」、「includes」、および/または、「including」は、記載された特徴、要素、および/または構成要素等の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/または、それらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0020】
本願で使用される場合、「回路」という用語は、以下のうちの1つまたは複数または全てを指す場合がある。
(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログ回路および/またはデジタル回路のみの実装など)、および、
(b)(該当する場合)ハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせ、例えば、
(i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、および、
(ii)ソフトウェア(デジタルシグナルプロセッサを含む)、ソフトウェア、およびメモリ(単数または複数)を有するハードウェアプロセッサ(単数または複数)と協働して、携帯電話やサーバなどの装置に様々な機能を実行させる部分、および、
(c)マイクロプロセッサ(複数可)またはマイクロプロセッサ(複数可)の一部などのハードウェア回路(複数可)およびプロセッサ(複数可)であって、動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするが、動作に必要でないときにはソフトウェアが存在しない場合があるもの。
【0021】
回路のこの定義は、あらゆる特許請求の範囲を含む、本願におけるこの用語の全ての使用に適用される。さらなる例として、本願で使用される場合、回路という用語は、単なるハードウェア回路もしくはプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはハードウェア回路もしくはプロセッサの一部と、それ(または、それら)に付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も対象とする。また、回路という用語は、例えば、特定の請求項の要素に適用可能であれば、携帯機器用のベースバンド集積回路もしくはプロセッサ集積回路、または、サーバ、セルラーネットワーク装置、もしくは他のコンピューティングもしくはネットワーク装置における同様の集積回路も対象とする。
【0022】
本明細書で使用される場合、「通信ネットワーク」という用語は、新無線(NR)、ロングタームエヴォリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標))、高速パケットアクセス(HSPA)、非地上系ネットワーク(NTN)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)などの任意の適切な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワークにおける端末装置とネットワーク装置との間の通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)通信プロトコル、および/または、現在知られている、もしくは、将来開発される他のプロトコルを含むがこれらに限定されない、任意の適切な世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。本開示の実施形態は、地上通信システム、非地上通信システム、または、それらの組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な通信システムに適用することができる。通信の急速な発展を考慮すれば、もちろん、本開示が具体化され得る将来の通信技術およびシステムも存在するであろう。本開示の範囲を前述のシステムのみに限定するものと見做すべきではない。
【0023】
本明細書で使用する場合、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置がネットワークにアクセスし、そこからサービスを受信する通信ネットワーク内のノードを指す。ネットワーク装置は、基地局(BS)またはアクセスポイント(AP)、例えば、ノードB(NodeB、または、NB)、進化型NodeB(eNodeB、または、eNB)、NR NB(gNBとも呼ばれる)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、リレー、フェムト、ピコなどの低電力ノード、適用される用語や技術に応じて、非地上ネットワーク(NTN)、または、衛星ネットワーク装置、低軌道(LEO)衛星や静止軌道(GEO)衛星などの非地上ネットワーク装置、航空機ネットワーク装置等、と称される。
【0024】
「端末装置」という用語は、無線通信が可能な任意の端末装置を指す。限定ではなく一例として、端末装置は、通信装置、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、携帯加入者局、移動局(MS)、または、アクセス端末(AT)とも呼ばれる場合がある。端末装置には、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、ウェアラブル端末装置、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末装置、ゲーム端末装置、音楽保存および再生機器が含まれるが、これらに限定されない、車載無線端末装置、無線エンドポイント、モバイルステーション、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、スマートデバイス、無線宅内機器(CPE)、モノのインターネット(loT)デバイス、時計などのウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療機器およびアプリケーション(例えば、遠隔手術)、産業用機器およびアプリケーション(例えば、産業用および/または自動処理チェーンのコンテキストで動作するロボットおよび/または他の無線機器)、家庭用電化製品、商業用および/または産業用無線ネットワークで動作するデバイスなど、が含まれる。以下の説明では、「端末装置」、「通信装置」、「端末」、「ユーザ機器」および「UE」という用語は、互換的に使用される場合がある。
【0025】
従来のGMMアプローチは、各ビンの確率を単一のガウス分布でモデル化する。フィールドデータの観察により、本発明者は、小さなサイズのビンの場合、ビンに対応する訓練されたガウス分布の分散が大きく、「太い」分布を与えることがあるが、理想的には、測定のための正確な確率を提供するために、「細い」ガウス分布が期待されることに気づいた。上述したように、これはNLOSシナリオのRSRPとToAの測定値がLOSシナリオのそれとはかなり異なるためである。各ビンのNLOSレベルを考慮しなければ、GMMベースの測位スキームは制限された測位精度が提供される。
【0026】
上記および他の潜在的な問題を解決するために、本開示の実施形態は、適応可能なクラスタ数を用いてGMMを訓練するための解決策を提供する。適応可能なクラスタ数は、各ビンのNLOSレベルに基づいて決定される。訓練されたGMMによって、フィンガープリント測位技術の測位精度を向上させることができる。
【0027】
以下、本発明の原理および実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照すると、図1は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な通信環境100を示す。
【0028】
図1に示すように、通信環境100は、通信ネットワークの一部であってもよく、位置管理(LM)装置110、第2デバイス120、第3デバイス130、およびネットワーク装置140-1および140-2を含み、これらはネットワーク装置140と総称され得る。第2デバイス120および第3デバイスはそれぞれUEとして示され、ネットワーク装置140-1および140-2は基地局として示されているが、本開示の実施形態は、他の任意の好適な実施形態にも適用可能であることを理解されたい。
【0029】
LM装置110は、例えば、位置サーバ、または、位置管理機能を実装する他のデバイスであってもよい。本開示の文脈では、LM装置110は、測位モデルを確立するための第1デバイス、または、訓練された測位モデルで構成された第4デバイスを指す場合もある。LM装置110は、第2デバイス120、第3デバイス130、およびネットワーク装置140から測定値を収集してもよい。第2デバイス120、第3デバイス130および/またはネットワーク装置140から受信した測定値に基づいて、LM装置110は、ビンのグループとも呼ばれ得る候補領域11~48のグループ内の第2デバイス120および第3デバイス130の位置を決定してもよい。各候補領域について、第2デバイス120および第3デバイス130の可能な位置とみなすことができる基準位置、例えば、候補領域の重心位置がある。
【0030】
第2デバイス120および第3デバイス130は、DLチャネルおよびULチャネルを介してネットワーク装置140-1および140-2と通信してもよい。例えば、第2デバイス120は、ネットワーク装置140-1および140-2からそれぞれの基準信号を受信し、測定することができる。次に、第2デバイス120は、測位のために、測定値をLM装置110に送信してもよい。本開示の文脈において、第2デバイス120は、測位モデルを訓練するための訓練データを提供する端末装置として機能し、第3デバイス130は、訓練された測位モデルを使用して測位される端末装置として機能する。
【0031】
端末装置に関連付けられた履歴測定値は、LM装置110に実装された測位モデルの訓練に使用することができるが、これについては以下で詳細に説明する。測定値には、TOA、AoD、AoA、マルチRTT、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、信号対雑音比(SNR)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
ネットワーク装置140-1はセル102を提供し、ネットワーク装置140-2はセル104を提供する。図示されるように、セル102のカバー範囲は候補領域11~44に対応し、セル104のカバー範囲は候補領域15~48に対応する。ネットワーク装置140は、第2デバイス120および第3デバイス130から送信される信号を測定してもよい。加えて、または、代替的に、ネットワーク装置140は、第2デバイス120および第3デバイス130からの信号の測定値を収集してもよい。
【0033】
通信ネットワーク100は、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、任意の適切な数のネットワーク装置および/または端末装置、ならびに本開示の実施に適合する図示しない追加要素を含み得ることを理解されたい。
【0034】
通信ネットワーク100における通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)および第5世代(5G)等のセルラー通信プロトコル、電気電子学会(IEEE)802.11等の無線ローカルネットワーク通信プロトコル、および/または、現在知られている、または、将来開発される他のプロトコルを含むがこれらに限定されない、任意の適切な通信プロトコル(複数可)に従って実施することができる。さらに、通信は、適切な無線通信技術を利用することができ、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、多入力多出力(MIMO)、直交周波数分割多元接続(OFDM)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)、および/または、現在知られている、または、将来開発される任意の他の技術を含むが、これらには限定されない。
【0035】
次に、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるフィンガープリント測位のための例示的な測位モデル201の概略図を示す図2を参照する。測位モデル201は、第4デバイス(図示せず)上で訓練されたGMMであってもよい。例示的な実施形態において、第4デバイスは、LM装置110またはLM装置110とは別のデバイスであってもよい。訓練された測位モデル201は、コアネットワークまたは無線アクセスネットワーク(RAN)のネットワーク装置、例えば、図1に示されるようなLM装置110に配備されてもよい。議論の目的のために、測位モデル201は、図1を参照して説明される。
【0036】
GMMは測位モデルの例示として与えられており、実施形態の実装は、これに限定されないことを理解されたい。他の確率モデルも、実施形態の実装に適している。
【0037】
訓練段階において、LM装置110は、一組の訓練データを用いて測位モデル201を訓練する。訓練データは、履歴測定値および履歴領域を含む、端末装置およびネットワーク装置140-1および140-2から取得された実際の履歴データであってよい。例えば、履歴測定値は第2デバイス120に関連付けられてもよく、履歴測定値が取得されたとき、第2デバイス120は履歴領域のうちの1つ内に存在する。実施形態において、領域11~48は、訓練段階では履歴領域と呼ばれ、測位段階では候補領域と呼ばれる場合がある。履歴測定値は、領域11~48の各々から収集されたToAおよびRSRPの測定値を含んでもよく、履歴領域は、履歴領域のグランドトゥルースおよび/または領域インデックスによって示されてもよい。
【0038】
いくつかの例示的な実施形態において、測位モデル201は、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデル201の入力として履歴測定値を使用し、測位モデル201の出力として履歴領域を使用することによって、訓練される。ガウス分布は、第3デバイス130が履歴領域に配置される確率を示すことができ、パラメータセットは、履歴領域のそれぞれのNLOSレベルに対応する。訓練された測位モデル201は、候補領域11~48のグループ内の候補領域とネットワーク装置140とのペアにそれぞれ対応する複数のガウス分布を含む。
【0039】
bで示される候補領域mとネットワーク装置140のペアに対して、対応するガウス分布p(θ)は、重みwk,b、平均μk,b、分散σk,b を有するk個のガウス成分を含む。ガウス成分の数k、重みwk,b、平均μk,b、および、分散σk,b は、以下で詳細に説明するバイセクションクラスタリングアルゴリズムに基づいて決定することができる。
【0040】
測位フェーズの間、第2デバイス120に関連する測定値の入力により、LM装置110は、測位モデル201を用いて、第2デバイス120が候補領域11~48の各々に設置される確率を生成することができる。次いで、LM装置110は、最も高い確率を有する候補領域をターゲット領域であると決定し、基準位置を第2デバイス120の予測位置として出力してもよい。
【0041】
DMMの訓練段階と測位段階は、異なるデバイスで実施されてもよいことを理解されたい。換言すれば、DMMの訓練は、LM装置110以外のデバイスで実施されてもよい。本開示の範囲は、この態様において限定されない。
【0042】
本開示の原理および実施形態について、図3図5を参照して以下に詳細に説明する。図3は、本開示のいくつかの例示的な実施形態に従って測位モデルを確立する方法300のフローチャートを示す。方法300は、図1に示すようなLM装置110またはDMM、例えば測位モデル201を訓練するのに適した任意の他のデバイスにおいて実施することができる。議論のために、方法300を図1および図2に関連して説明する。
【0043】
310において、LM装置110は、訓練データセットを取得する。訓練データセットは、履歴測定値および履歴領域を含む。履歴測定値は第2デバイス120に関連付けられる。第2デバイス120は、履歴測定値が取得されたとき、履歴領域11~48のうちの1つ内に存在する。複数のネットワーク装置、例えば、ネットワーク装置140-1および140-2からのN個の履歴測定値。訓練データセットは、ネットワーク装置140および/またはネットワーク装置140と通信する端末装置によって収集された実際の履歴測定値であってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、訓練データは、RSRPと、ネットワーク装置140-1および140-2からの少なくとも1つの信号のToAのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0044】
320において、LM装置110は、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデル201の入力として履歴測定値を使用し、測位モデル201の出力として履歴領域を使用することによって、測位モデル201を訓練する。ガウス分布は、第3デバイス130が履歴領域に配置される確率を示す。パラメータセットは、履歴領域のそれぞれのNLOSレベルに対応する。
【0045】
いくつかの例示的な実施形態において、LM装置110は、訓練データおよび履歴領域のNLOSレベルに基づいて、履歴領域のグループ11~48のそれぞれの1つのガウス分布を決定することができる。履歴領域11~48のグループは、ネットワーク装置140によってサービスされる。いくつかの例示的な実施形態において、ガウス分布は、第2デバイス120がそれぞれの履歴領域に設置される確率を示す。
【0046】
320において、それぞれの履歴領域のガウス分布を決定するために、履歴領域11~48のグループの履歴領域とネットワーク装置140との各ペアについて、LM装置110は、k個のガウス成分を含むそれぞれのガウス分布を決定してもよい。履歴領域のガウス分布のパラメータセットは、ガウス分布に含まれるガウス成分の数、ならびに、ガウス分布の重み、平均、および、分散を含んでもよい。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態では、セット内のガウス成分の数k、ならびに、それぞれのガウス分布の重み、平均、および、分散は、バイセクションクラスタリングアルゴリズム、例えば、EMバイセクションクラスタリングアルゴリズムに基づいて決定されてもよい。EMバイセクションクラスタリングアルゴリズムは、クラスタリングアルゴリズムの例示として与えられており、実施形態の実装はこれに限定されないことを理解されたい。他の任意のクラスタリングアプローチも、実施形態の実装に適しており、例えば、K-meansアルゴリズムが挙げられる。
【0048】
図4は、本開示のいくつかの例示的な実施形態に従って、履歴領域mとネットワーク装置bのペアのガウス分布p(θ)を決定するための方法400のフローチャートを示す。方法400は、方法300のステップ320の様々な実装の一つであることを理解されたい。
【0049】
複数のネットワーク装置140がB個のネットワーク装置を含むとすると、履歴領域11~48のグループの履歴領域mについて、第3デバイス130が履歴領域mに配置される全体の確率p(θ)は、以下のように決定することができる。
【数1】
ここで、θは、B個のネットワーク装置からの少なくとも1つの測定値を表し、θ=[θ,…θ]であり、θは、B個のネットワーク装置のうちのネットワーク装置bからの測定値を表し、p(θ)は、履歴領域mとネットワーク装置bのペアのガウス分布を表す。
【0050】
履歴領域mとネットワーク装置bのペアについて、それぞれのガウス分布p(θ)は、以下のように決定され得る。
【数2】
ここで、Kb,mはガウス分布p(θ)のガウス成分の数を表し、k=1,…,Kb,mであり、wk,b,m、μk,b,m、および、σk,b,m は、それぞれガウス成分kの重み、平均、分散を表す。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態では、数Kb,m、wk,b,m、μk,b,m、および、σk,b,m 、は、所定の条件が満たされるまで、期待値最大化(EM)バイセクションクラスタリングアルゴリズムを少なくとも1回実行することによって決定される。数Kb,mは、ガウス分布p(θ)に関連するクラスタの数を示す。例示的な実施形態によれば、数Kb,mは、履歴領域mとネットワーク装置bのペアが受けたNLOSマルチパス反射に適応して決定される。
【0052】
例えば、ペアが、NLOSマルチパス反射の影響を大きく受ける場合、即ち、このペアのNLOSレベルが高い場合、測定値は、より広範囲に分散される可能性があるため、正確な測定確率を提供するために、クラスタ数kは、より大きくなる可能性がある。一方、クラスタkの数が大きすぎると、オーバーフィッティングの問題が生じる可能性がある。なぜなら、複雑なモデルは、訓練データからのノイズを多く含み、一般化することが難しいためである。さらに、複雑なモデルは、訓練や測位の段階で、より多くのリソースが必要になる可能性がある。測位精度とモデルの複雑さのトレードオフを達成するために、クラスタ数kの上限を導入する。これについては以下で説明する。
【0053】
図4に示すように、410において、LM装置110は、ネットワーク装置bからのN個の履歴測定値を使用して、履歴領域mに対する初期ガウス分布を生成することができる。初期ガウス分布は、第1の数のガウス成分を含むことができ、例えば、K=1である。いくつかの例示的な実施形態において、LM装置110は、ネットワーク装置bからのN個の履歴測定値を含む訓練データセットを用いて、ガウス分布p(θ)を生成することができ、ここで、θ=[θ,θ…θ]、Kb,m=1である。
【0054】
415において、LM装置110は、所定の条件が満たされるか否かを判定することができる。いくつかの例示的な実施形態において、所定の条件は、ガウス分布p(θ)の最大加重分散が分散閾値THVAR未満である一方、Kが成分閾値THを超えること、例えば、max{wσ ,wσ ,…,wσ }<THvarかつK>THを含み得る。
【0055】
所定の条件が満たされない場合、420において、LM装置110は、例えば、ガウス分布p(θ)の最大加重分散wσ を決定してもよく、例えば、wσ =max{wσ ,wσ ,…,wσ }であり、ここで、wσ は、ガウス分布p(θ)のガウス成分qに対応する。ガウス成分qは、測位モデルの予測精度に影響を与える可能性があるため、さらなるクラスタリング分析を実行する必要があるターゲットガウス成分として決定される。
【0056】
430において、LM装置110は、N個の履歴測定値に関するガウス成分qのアクティブ係数αを以下のように決定することができる。
【数3】
ここで、n∈[1,2,…,N]である。
【0057】
440において、LM装置110は、最も高いαq,nを与えるN個の履歴測定値のサブセットθ´=[θ´,θ´,…θN´´]を決定してよく、ここで、N´は、N個の履歴測定値のサブセットにおける測定値θ’の数を表す。例えば、LM装置110は、それぞれのアクティブ係数αを[αq,1,αq,2…αq,N]のように並べ替えて、最も高いアクティブ係数αq,nを与えるN´個の測定値θ´=[θ´,θ´,…θN´´]を選択することができる。
【0058】
LM装置110は、測定値θ’に対してバイセクションクラスタリングを実行してよく、これにより、Kは1増加する。議論の目的で、例示的なEMバイセクションクラスタリングアルゴリズムが以下に与えられる。示されるように、EMバイセクションクラスタリングアルゴリズムに変形および修正を加えることができることを理解されたい。さらに、または代替的に、EMバイセクションクラスタリングアルゴリズムとは異なる他のクラスタリングアルゴリズムも、本開示の実施形態を実行するために可能である。本開示の範囲は、この態様に限定されない。
【0059】
450において、ガウス分布p(θ)に関して、LM装置110は、N個の履歴測定値のサブセット、即ち、測定値θ’および新たなガウス成分のそれぞれの元の重み(original weight)に基づいて、2つの新たなガウス成分g(θ´|μ´,σ´)およびg(θ´|μ´,σ´)を生成することができ、ここで、w´,μ´,σ´, w´,μ´,σ´は、2つの新たなガウス成分g(θ´|μ´,σ´)およびg(θ´|μ´,σ´)のそれぞれの重み、平均、および、分散をそれぞれ表す。
【0060】
460において、新たなガウス成分g(θ´|μ´,σ´)およびg(θ´|μ´,σ´)のそれぞれに関して、LM装置110は、N個の履歴測定値のサブセット、即ち、測定値θ’に関して、それぞれのアクティブ係数α1,n´およびα2,n´を以下のように決定することができる。
【数4】
ここで、k=1,2である。
【0061】
次に、470において、LM装置110は、それぞれのアクティブ係数およびN個の履歴測定値のサブセットに基づいて、w´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´を更新することができる。例えば、以下のように決定され得る。
【数5】
【数6】
【数7】
ここで、k=1,2である。
【0062】
475において、LM装置110は、w´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´が収束するまで、反復的に、w´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´を更新してもよい。次に、480において、LM装置110は、ガウス成分qを、収束した
【数8】
で構成されたg(θ´|μ´,σ´)およびg(θ´|μ´,σ´)と置き換えてもよい。
【0063】
LM装置110は、方法400を対話的に実行することができ、それにより、490で示すように、測位モデルの測位精度に影響を与える可能性のある分散を、所定の条件が満たされるまで徐々に減少させることができる。この場合、適応的なクラスタリング数Kb,m、ならびに、wk,b,m、μk,b,m、および、σk,b,m 、が決定され、ガウス分布p(θ)の訓練が完了する。このようにして、ガウス分布p(θ)は、履歴領域mとネットワーク装置bとの間のNLOS特性を考慮して訓練される。
【0064】
いくつかの例示的な実施形態では、測位モデル201の訓練は、履歴領域11~48とネットワーク装置140-1および140-2との間で独立して実行され得る。換言すれば、履歴領域とネットワーク装置の各ペアの訓練は並行して進行することができる。
【0065】
本開示の例示的な実施形態によれば、履歴領域とネットワーク装置の各ペアが、どの程度、NLOSマルチパス反射を受けるかに応じて、適応的な数のクラスタで測位モデルを訓練することができる。バイセクションアプローチは、古典的な決定木のノード成長プロセスに類似しているため、エントロピーの代わりに、分散乗算重みがコスト指標として使用されるため、クラスタの数、即ち、ガウス成分の数は、決定木に関するプルーニングアイデアを使用することによって制御され得る。
【0066】
図5は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による測位方法500のフローチャートを示す。方法500は、図1に示されるようなLM装置110、または適応的なクラスタ数で訓練された測位モデル、例えば、測位モデル201を備えるように構成された任意の他のデバイスにおいて実施され得る。議論のために、方法500を図1および図2に関連して説明する。
【0067】
図5に示すように、LM装置110は、第3デバイス130に関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得する(510)。いくつかの例示的な実施形態において、例えば、通信ネットワーク100がLTE測位プロトコル(LPP)に基づく場合、510において、LM装置110は、第3デバイス130から直接測定値を取得してもよい。他のいくつかの例示的な実施形態において、例えば、通信ネットワーク100がLTE測位プロトコルA(LPPA)に基づいている場合、510において、LM装置110は、第3デバイス130から測定値を収集するネットワーク装置140-1および140-2から、第3デバイス130に関連する測定値を取得してもよい。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態では、第3デバイス130に関連する測定は、DLおよび/またはULにおける基準信号の測定、例えば、基準信号のTDOA、AoD、AoA、マルチRTTなどを含み得る。第3デバイス130は、基準信号の送信機または受信機のいずれかとして機能することができる。
【0069】
520において、LM装置110は、第3デバイス130を測位するためのターゲット領域を取得するために、図3に示す方法300を用いて訓練された測位モデル201の少なくとも1つの測定値を適用する。
【0070】
候補領域11~48のグループのそれぞれについて、LM装置110は、少なくとも1つの測定値および測位モデル201に基づいて、第3デバイス130がそれぞれの候補領域に設置される確率を決定する。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態では、測位モデル201は、履歴領域11~48に関連するNLOSマルチパス反射を考慮して訓練される。訓練された測位モデル201は、履歴領域11~48のそれぞれの1つにそれぞれ対応する一連のガウス分布を含む。いくつかの例示的な実施形態では、ガウス分布の各々は、対応する履歴領域のNLOSレベルに基づいて決定される。
【0072】
上述のように、一群の履歴領域11~48は、複数のネットワーク装置、即ち、ネットワーク装置140-1および140-2によってサービスを受ける。候補領域とネットワーク装置の各ペアについて、それぞれのガウス分布はk個のガウス成分によって表され得る。数kは、ガウス分布のクラスタの数を示す。例示的な実施形態では、数kと、それぞれのガウス分布の重み、平均、および、分散は、期待値最大化バイセクションクラスタリングに基づいて決定されてもよい。
【0073】
複数のネットワーク装置がB個のネットワーク装置を備えるとすると、図1に示す例では、ネットワーク装置はネットワーク装置140-1および140-2であり、したがって、B=2である。いくつかの例示的な実施形態において、履歴領域11~48のグループのうちの履歴領域mについて、確率は、上記式(1)に基づいて決定されてもよい。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態において、履歴領域mとネットワーク装置bのペアについて、このペアのガウス分布p(θ)は、上式(2)に基づいて決定されてもよく、wk,b,m、μk,b,m、および、σk,b,m は、それぞれガウス成分kの重み、平均、および、分散を表す。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態において、ガウス成分kの、Kb,m、wk,b,m、μk,b,m、および、σk,b,m は、所定の条件が満たされるまで、以下の演算を少なくとも1回実行することによって決定されてもよい。LM装置110は、ネットワーク装置bからのN個の履歴測定値を含む訓練データセットを用いて、p(θ)を生成してよく、ここで、θ=[θ,θ…θ]、Kb,m=1である。LM装置110は、p(θ)の最大加重分散wσ を決定してよく、ここで、wσ は、ガウス分布p(θ)のガウス成分qに対応する。上述したように、ガウス成分qは、測位モデルの予測精度に影響を与える可能性があるため、さらなるクラスタリング分析を実行する必要があるターゲットガウス成分として決定される。
【0076】
LM装置110は、上式(3)に基づいて、N個の履歴測定値のそれぞれに関するガウス成分qのそれぞれのアクティブ係数αを決定することができる。LM装置110は、N個の履歴測定値から、最も高いαq,nを与える測定値θ’のサブセットを決定してもよく、即ち、θ´=[θ´,θ´,…θN´´]であり、ここで、N´は、測定値θ’のサブセットにおける測定値の数を表す。
【0077】
LM装置110は、測定値θ’のサブセットに対してバイセクションクラスタリングを実行し、Kを1増加させることができる。いくつかの例示的な実施形態では、測定値θ’のサブセットに対してバイセクションクラスタリングを実行するために、LM装置110は、測定値θ’のサブセットに基づいて、2つの新たなガウス成分g(θ´|μ´,σ´)、および、g(θ´|μ´,σ´)を生成することができ、ここで、w´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´は、2つの新たなガウス成分g(θ´|μ´,σ´)、および、g(θ´|μ´,σ´)の重み、平均、分散をそれぞれ表す。
【0078】
次に、LM装置110は、上記式(4)に基づいて、測定値θ’のサブセットの各々について、それぞれのアクティブ係数α1,n´およびα2,n´を決定してもよい。LM装置110は、上記式(5)~(7)に基づいて、w´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´が収束するまで、パラメータw´,μ´,σ´,w´,μ´,σ´を更新してもよい。この場合、LM装置110は、ガウス成分qを、収束した
【数9】
で構成された、g(θ´|μ´,σ´)、および、g(θ´|μ´,σ´)と置き換えてもよい。
【0079】
所定の条件が満たされる場合、ガウス分布p(θ)の訓練を完了することができる。いくつかの例示的な実施形態では、所定の条件は、ガウス分布p(θ)の最大加重分散が分散閾値THVARを下回る一方で、Kが成分閾値THを超えること、例えば、max{wσ ,wσ ,…,wσ }<THvar、かつ、K>THである。
【0080】
LM装置110は、候補領域11~48のグループの中から、最も確率の高いターゲット領域を決定する。一例として、LM装置110は、候補領域11~48のグループの中で最も高い確率を有する候補領域23を決定してもよく、したがって、候補領域23がターゲット領域であると決定される。この場合、LM装置110は、第3デバイス130をターゲット領域23内に配置してもよい。
【0081】
LM装置110は、ターゲット領域の基準位置を第3デバイス130の位置に決定する。例えば、ターゲット領域の重心位置が基準位置として選択されてもよい。あるいは、ターゲット領域内の他の基準位置も基準位置として選択されてもよい。本開示の範囲は、この態様に限定されない。
【0082】
本願の例示的な実施形態で提供されるフィンガープリント測位のソリューションにより、コアネットワークまたはRANの位置管理装置は、GMMベースのバイセクションクラスタリングアプローチに基づいて端末装置の位置を決定することができる。従来のフィンガープリント測位技術と比較すると、本明細書で提案するソリューションは、各ビンと基地局との間のNLOS特性を考慮し、各ビン内のそれぞれのNLOSレベルに基づいて測位モデルを訓練する。したがって、提案された測位ソリューションのコストおよび複雑さは許容範囲内でありながら、フィンガープリント測位技術の測位精度を大幅に向上させることができる。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態では、方法300を実行可能な第1装置は、方法300のそれぞれのステップを実行するための手段を含んでいてもよい。本手段は、任意の適切な形態で実装されてよい。例えば、本手段は、回路またはソフトウェアモジュールに実装されてもよい。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態において、第1装置は、履歴測定値および履歴領域を含む訓練データセットを取得する手段であって、履歴測定値は第2装置に関連付けられ、履歴測定値が取得されたとき、第2装置は履歴領域の1つ内に存在する、取得する手段と、測位モデルのガウス分布のパラメータセットを取得するために、測位モデルの入力として履歴測定値を使用し、測位モデルの出力として履歴領域を使用することによって、測位モデルを訓練する手段であって、ガウス分布は、第3装置が履歴領域に配置される確率を示し、パラメータセットは、履歴領域のそれぞれの見通し外環境に対応する、訓練する手段と、を備える。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態において、履歴測定値の1つは、基準信号受信電力または第2装置に関連する基準信号の到着時間の少なくとも1つを含み、履歴領域の1つは、グランドトゥルースまたは履歴領域の領域インデックスの少なくとも1つによって示される。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態において、測位モデルを訓練するための手段は、ネットワーク装置のうちの1つと、それぞれのネットワーク装置から基準信号を受信可能な履歴領域と、履歴領域のガウス分布のパラメータセットを決定するための手段であって、パラメータセットは、ガウス分布に含まれるガウス成分の数と、ガウス分布の重み、平均、および、分散とを含む、手段と、を備える。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態において、パラメータセットを決定するための手段は、ネットワーク装置からのN個の履歴測定値を使用することによって、履歴領域の初期ガウス分布を生成するための手段であって、初期ガウス分布は、第1の数のガウス成分を含む、手段と、所定の条件が満たされるまで、少なくとも1回、ガウス分布の最大加重分散を決定し、最大加重分散はガウス分布のターゲットガウス成分に対応し、N個の履歴測定値に関してターゲットガウス成分のアクティブ係数を決定し、アクティブ係数をソートすることによってN個の履歴測定値のサブセットを決定し、N個の履歴測定値のサブセットは最高アクティブ係数を生成し、N個の履歴測定値のサブセットに対してバイセクションクラスタリングを実行し、第1の数の値を1増加させる、動作を実行するための手段と、を備える。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態において、N個の履歴測定値のサブセットに対してバイセクションクラスタリングを実行するための手段は、N個の履歴測定値のサブセットおよび新たなガウス成分のそれぞれの元の重みに基づいて、2つの新たなガウス成分を生成する手段と、N個の履歴測定値のサブセットに関して、新たなガウス成分のそれぞれのアクティブ係数を決定する手段と、平均値、分散、および、重みが収束するまで、それぞれのアクティブ係数およびN個の履歴測定値のサブセットに基づいて、新たなガウス成分の平均、分散、および、重みを更新する手段と、収束した平均、分散、および、重みで構成された2つの新たなガウス成分でターゲットガウス成分を置き換える手段と、を備える。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態では、所定の条件は、ガウス分布の最大加重分散が閾値分散未満である一方、ガウス成分の数が成分数の閾値を超えることを含む。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、履歴測定値の少なくとも1つは、第2装置または第2装置と通信するネットワーク装置のうちの少なくとも一方から取得される。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態では、第1装置は位置管理装置を備え、第2装置は端末装置を備え、第3装置はさらなる端末装置を備える。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態では、方法500を実行可能な第4装置は、方法500のそれぞれのステップを実行するための手段を備えてよい。手段は、任意の適切な形態で実装されてよい。例えば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールに実装されてもよい。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態において、第4装置は、第3装置に関連する信号の少なくとも1つの測定値を取得する手段と、方法300に従って、少なくとも1つの測定値を測位モデルに適用して、第3装置を測位するためのターゲット領域を取得する手段と、を備える。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくとも1つの測定値は、第3装置、または、第3装置と通信するネットワーク装置のうちの少なくとも一方から取得される。
【0095】
いくつかの例示的な実施形態では、第3装置は端末装置を備え、第4装置は位置管理装置を備える。
【0096】
図6は、本開示の実施形態を実施するのに好適なデバイス600の簡略化されたブロック図である。デバイス600は、図1に示すように、通信装置、例えば、LM装置110、第2デバイス120、ネットワーク装置140などを実装するために提供され得る。図示されるように、デバイス600は、1つまたは複数のプロセッサ610と、プロセッサ610に結合された1つまたは複数のメモリ620と、プロセッサ610に結合された1つまたは複数の通信モジュール640と、を含む。
【0097】
通信モジュール640は双方向通信用である。通信モジュール640は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有する。通信インターフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを意味することができる。
【0098】
プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでよい。デバイス800は、メインプロセッサを同期させるクロックに合わせてスレーブされる特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有していてもよい。
【0099】
メモリ820は、1つまたは複数の不揮発性メモリおよび1つまたは複数の揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリの例としては、読出し専用メモリ(ROM)624、電気的にプログラム可能な読出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、および、他の磁気記憶装置および/または光学記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)622や、パワーダウン期間中に持続しない他の揮発性メモリが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
コンピュータプログラム630は、関連するプロセッサ610によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。プログラム630は、ROM620に格納されてもよい。プロセッサ610は、プログラム630をRAM620にロードすることによって、任意の適切な動作および処理を実行してもよい。
【0101】
本開示の実施形態は、図3図5を参照して説明したように、デバイス600が本開示の任意のプロセスを実行するように、プログラム630によって実施されてもよい。本開示の実施形態は、また、ハードウェアによって、または、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実施されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、プログラム630は、デバイス600に含まれ得る(メモリ620内など)コンピュータ可読媒体、または、デバイス600によってアクセス可能な他の記憶装置に有形的に含まれ得る。デバイス600は、プログラム630をコンピュータ可読媒体からRAM622にロードして実行してもよい。コンピュータ可読媒体は、ROM、EPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD、DVDなどの任意のタイプの有形不揮発性記憶装置を含むことができる。図7は、CDまたはDVDの形態のコンピュータ可読媒体700の例を示す。このコンピュータ可読媒体には、プログラム630が格納されている。
【0103】
一般に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは特殊用途回路、ソフトウェア、ロジック、または、それらの任意の組み合わせで実施され得る。いくつかの態様はハードウェアに実装されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または、他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアに実装されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、または、他の何らかの図形的表現を用いて図示および説明されているが、本明細書で説明されるブロック、装置、システム、技術、または、方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラ、または、他のコンピューティングデバイス、または、それらの何らかの組み合わせで実装され得ることを理解されたい。
【0104】
本開示はまた、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図3および図5を参照して上述したような方法300または500を実行するために、ターゲットリアルプロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行される、プログラムモジュールに含まれるようなコンピュータ実行可能命令を含む。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または、特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じてプログラムモジュール間で組み合わせたり、分割したりすることができる。プログラムモジュールの機械実行可能命令は、ローカルまたは分散装置内で実行されてもよい。分散装置では、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートの記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【0105】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で指定された機能/動作が実施されるようになる。プログラムコードは、完全にマシン上で実行してもよいし、部分的にマシン上で実行してもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、部分的にマシン上で実行し、部分的にリモートマシン上で実行してもよいし、完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行してもよい。
【0106】
本開示の文脈において、コンピュータプログラムコードまたは関連データは、デバイス、装置、またはプロセッサが上述のような様々なプロセスおよび動作を実行することを可能にするために、任意の適切なキャリアによって搬送され得る。キャリアの例には、信号、コンピュータ可読媒体などが含まれる。
【0107】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体であってもよいし、コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または、半導体のシステム、装置、または、デバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM、または、フラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、または、前述の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
【0108】
さらに、動作は特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作を、示された特定の順序で、または、順次実行すること、あるいは、図示された全ての動作を実行することを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況においては、マルチタスクおよび並列処理が有利である場合がある。同様に、いくつかの具体的な実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴もまた、複数の実施形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施され得る。
【0109】
本開示は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7