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特許7518299端末のデュアルSIMカード通信方法、デュアルSIMカード通信装置、端末及び可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】端末のデュアルSIMカード通信方法、デュアルSIMカード通信装置、端末及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20240709BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240709BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240709BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W88/06
H04W16/28 150
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023545369
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2022073787
(87)【国際公開番号】W WO2022161350
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】202110123420.9
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シャ
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-506039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0095157(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/022692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末のデュアルSIMカード通信方法であって、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、前記デュアルSIMカード通信方法は、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃っているか否かを決定することと、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することとを含み、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、
前記第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロットの後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む、端末のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項2】
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信する時、前記第一のSIMカードが同時に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御すること
又は、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第一のSIMカードが少なくとも前記上りリンクスロット内の前の一定時間内に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御すること、
をさらに含む、請求項1に記載のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項3】
前記デュアルSIMカード通信方法は、
前記端末の送信パワーと前記端末の受信パワーを取得することと、
前記送信パワーとアンテナ隔離度閾値との間の第一の差を計算することと、
前記第一の差と前記受信パワーの第二の差を計算することと、
前記第二の差に基づき、前記端末の通信状態を調整することとをさらに含む、請求項1に記載のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項4】
前記第二の差に基づき、前記端末の通信状態を調整することは、
前記第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも大きい場合に、前記端末がデュアルSIMカードデュアルスタンバイモードに入るように調整することと、
前記第二の差が前記予め設定される範囲内にある場合に、前記端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することと、前記端末における送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅を低く調整することとのうちの少なくとも一つを実行することとを含む、請求項に記載のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項5】
前記デュアルSIMカード通信方法は、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御することをさらに含み、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御することは、
送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む、請求項1に記載のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項6】
前記デュアルSIMカード通信方法は、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第三の方式に従って通信するように制御することをさらに含み、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第三の方式に従って通信を行うように制御することは、
送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む、請求項1に記載のデュアルSIMカード通信方法。
【請求項7】
端末のデュアルSIMカード通信装置であって、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、前記デュアルSIMカード通信装置は、
端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定するための決定モジュールと、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御するための第一の制御モジュールとを含み、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む、端末のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項8】
前記第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御することは、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信する時、前記第一のSIMカードが同時に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御すること
又は、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第一のSIMカードが少なくとも前記上りリンクスロット内の前の一定時間内に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御すること、
をさらに含む、請求項に記載のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項9】
前記デュアルSIMカード通信装置は、
前記端末の送信パワーと前記端末の受信パワーを取得するための取得モジュールと、
前記送信パワーとアンテナ隔離度閾値との間の第一の差を計算し、及び、前記第一の差と前記受信パワーの第二の差を計算するための計算モジュールと、
前記第二の差に基づき、前記端末の通信状態を調整するための調整モジュールとをさらに含む、請求項8に記載のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項10】
前記調整モジュールは、第一の調整サブモジュール及び/又は、第二の調整サブモジュールを含み、
前記第一の調整サブモジュールは、前記第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも大きい場合に、前記端末がデュアルSIMカードデュアルスタンバイモードに入るように調整するために用いられ、
前記第二の調整サブモジュールは、前記第二の差が前記予め設定される範囲内にある場合に、前記端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することと、前記端末における送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅を低く調整することとのうちの少なくとも一つを実行するために用いられる、請求項に記載のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項11】
前記デュアルSIMカード通信装置は、第二の制御モジュールをさらに含み、
前記第二の制御モジュールは、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御するために用いられ、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御することは、
送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む、請求項に記載のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項12】
前記デュアルSIMカード通信装置は、第三の制御モジュールをさらに含み、
前記第三の制御モジュールは、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第三の方式に従って通信を行うように制御するために用いられ、
前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第三の方式に従って通信を行うように制御することは、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む、請求項に記載のデュアルSIMカード通信装置。
【請求項13】
デュアルSIMカードを含み、前記デュアルSIMカードはメインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の端末のデュアルSIMカード通信方法のステップを実現する、端末。
【請求項14】
プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の端末のデュアルSIMカード通信方法のステップを実現する、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術分野に属し、具体的には、端末のデュアルSIMカード通信方法、端末のデュアルSIMカード通信装置、電子機器及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デュアルSIMカード設計は、既に携帯電話の一般的な設定になっている。従来のデュアルSIMカード設計は、デュアルSIMカードデュアルスタンバイとデュアルSIMカードデュアルアクティブの二種類に分けられる。ここで、デュアルSIMカードデュアルアクティブとは、二枚の加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module、SIM)カードが同時に待機できるだけでなく、同時にサービス伝送を行うことができることを指す。例えば、ユーザは、デュアルSIMカードデュアルアクティブ機能によって、SIM1を介して電話をかけると同時に、SIM2を介してオンラインビデオを見ることができる。デュアルSIMカードデュアルアクティブを実現する場合、厳密な意味では、二セットのハードウェア無線周波数回路を必要とし、SIM1とSIM2は、異なるハードウェア無線周波数回路によって同時にページング及びサービス伝送を実現する。
【0003】
デュアルSIMカードデュアルアクティブのハードウェアアーキテクチャを簡略化するために、仮想デュアルSIMカードデュアルアクティブ技術を提案し、即ちSIM1とSIM2の一部のパスは、時分割方式で行われる。SIM1とSIM2がいずれも時分割複信(Time Division Duplexing、TDD)方式に従って通信することを例として、仮想デュアルSIMカードデュアルアクティブ技術に対応する通信プロセスは、図1に示すようである(図1における空白領域は、対応するアンテナが作動状態にあることを指し、網掛け部分は、対応するアンテナが非作動状態にあることを指し、グリッド領域は、対応するアンテナが占有されている状態にあることを指す)。しかしながら、図1から分かるように、SIM1とSIM2のいくつかのスロット周期内に、いずれも送信が完全に中断される状況が存在し、これは、通信品質を大幅に低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例の目的は、デュアルSIMカードにおける各SIMカードが偶数番目のスロット内に送信が中断されることにより、通信品質が低下するという問題を解決できる端末のデュアルSIMカード通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術問題を解決するために、本出願は以下のように実現される。
【0006】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、端末のデュアルSIMカード通信方法を提供し、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、前記方法は、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃っているか否かを決定することと、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することとを含み、
前記の、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、
前記第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロットの後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、
前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む。
【0007】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、端末のデュアルSIMカード通信装置を提供し、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、前記装置は、
端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定するための決定モジュールと、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御するための第一の制御モジュールとを含み、
前記の、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、前記第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、
前記第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む。
【0008】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、端末を提供し、この端末は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、第一の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0009】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、可読記憶媒体を提供し、前記可読記憶媒体にはプログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、第一の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0010】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、チップを提供し、前記チップは、プロセッサと通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、第一の態様に記載の方法を実現するために用いられる。
【発明の効果】
【0011】
出願の実施例では、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定することと、デュアルSIMカードスロットが揃わない場合に、第一の方式に従って通信を行うことであって、ここで、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第二のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御することとによって、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードが、下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、第一のSIMカードが、下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、下りリンクスロット内の後の一定時間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、下りリンクスロット内の前の一定期間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、下りリンクスロット内の後の一定時間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの上りリンクスロットと第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードのいずれに対しても、各スロット周期内に、信号を送信することができる。これは、第一のSIMカード及び第二のSIMカードに送信中断が存在する状況の発生を回避し、それにより、通信品質を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来の仮想デュアルSIMカードデュアルアクティブ技術に対応する通信プロセス概略図である。
図2】従来の仮想デュアルSIMカードデュアルアクティブ技術に対応する無線周波数回路の構造概略図である。
図3】本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法のフローチャートである。
図4】本出願の実施例によるデュアルSIMカードデュアルアクティブ技術の通信プロセス概略図のその一である。
図5】本出願の実施例によるデュアルSIMカードデュアルアクティブ技術の通信プロセス概略図のその二である。
図6】本出願の実施例によるデュアルSIMカードデュアルアクティブ技術の通信プロセス概略図のその三である。
図7】本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信装置である。
図8】本出願の実施例による端末の構造概略図である。
図9】は本出願の実施例の端末を実現するハードウェア構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0014】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。理解すべきこととして、このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であり、それにより本出願の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能であり、且つ「第一」、「第二」などによって区別される対象は、一般的には同一種類であり、対象の個数を限定せず、例えば第一の対象は、一つであってもよく、複数であってもよい。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0015】
以下では、図面を結び付けながら、具体的な実施例及びその応用シナリオによって本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法、装置、機器及び記憶媒体を詳細に説明する。
【0016】
図2に示す仮想デュアルSIMカードデュアルアクティブ技術の無線周波数回路では、この回路は、電力増幅器(PowerAmplifier、PA)と、低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)と、無線周波数送受信機と、メインスイッチと、ダイバーシティスイッチと、フィルタと、メインアンテナと、ダイバーシティアンテナとを含む。第一のSIMカードと第二のSIMカードは、異なるTDD周波数バンドを介して通信し、且つ第一のSIMカードと第二のSIMカードに対応する周波数バンドは、一つのPAを共用し、第一のSIMカードの送信、第一のSIMカードのメイン受信及び第二のSIMカードの送信、第二のSIMカードのメイン受信は、単極のメインスイッチによって切り替えられ、第一のSIMカードのダイバーシティ受信及び第二のSIMカードのダイバーシティ受信は、単極のダイバーシティスイッチによって切り替えられる。これを基礎として分かるように、同一時刻に、第一のSIMカードの送信、第一のSIMカードのメイン受信及び第二のSIMカードの送信、第二のSIMカードのメイン受信のうちの一つのみ発生できる。及び、同一時刻に、第一のSIMカードのダイバーシティ受信及び第二のSIMカードのダイバーシティ受信のうちの一つのみ発生できる。
【0017】
本出願の実施例では、添付図面におけるSIM1は、第一のSIMカードを表し、SIM2は、第二のSIMカードを表し、Txは、送信を表し、Rxは、受信を表す。添付図面におけるSIM1 Txは、第一のSIMカードのメイン送信を指し、SIM2 Txは、第二のSIMカードのメイン送信を指し、SIM1 Rx1は、第一のSIMカードのメイン受信を指し、SIM2 Rx1は、第二のSIMカードのメイン受信を指し、SIM1 Rx2は、第一のSIMカードのダイバーシティ受信を指し、SIM2 Rx2は、第二のSIMカードのダイバーシティ受信を指す。
【0018】
図3に示すように、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法であり、この方法は、図2に示す回路に基づいて実施され、且つ以下のS3100-S3400を含み、
S3100では、デュアルSIMカードのスロットが揃っているか否かを決定する。
【0019】
本出願の実施例では、一つのスロット周期は、上りリンクスロット及び下りリンクスロットを含んでもよい。ここで、同一SIMカードの上りリンクスロット、下りリンクスロットは、互いに重ならない。SIMカードの上りリンクスロット又は、下りリンクスロットは、アイドル期間を含んでもよく、SIMカードは、そのアイドル期間内に、送信操作と受信操作を実行しない。
【0020】
本出願の実施例では、本実施例で言及されるデュアルSIMカードをそれぞれ第一のSIMカード及び第二のSIMカードと記載する。第一のSIMカードと第二のSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用する。
【0021】
一例では、第一のSIMカードの上りリンクスロットの開始時間と第二のSIMカードの上りリンクスロットの開始時間が同じであり、第一のSIMカードの上りリンクスロットの終了時間と第二のSIMカードの上りリンクスロットの終了時間が同じであり、第一のSIMカードの下りリンクスロットの開始時間と第二のSIMカードの下りリンクスロットの開始時間が同じであり、第一のSIMカードの下りリンクスロットの終了時間と第二のSIMカードの下りリンクスロットの終了時間が同じである場合に、端末のデュアルSIMカードのスロットが揃っていると決定し、そうでない場合に端末のデュアルSIMカードのスロットが揃わないと決定する。
【0022】
本出願の実施例では、SIMカードの方式は、SIMカードの作動周波数バンドによって決定され、SIMカードの方式では、SIMカードの通信スロットが規定されている。これを基礎として、第一のSIMカードの作動周波数バンド及び第二のSIMカードの作動周波数バンドに基づき、デュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定することができる。
【0023】
デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御する。前記の、第一の方式に従って通信を行うことは、ステップS3200-3400を含む。
【0024】
S3200では、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第二のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御する。
【0025】
本実施例では、第二のSIMカードの上りリンクスロットでは、第二のSIMカードは、常にメインアンテナを介して信号を送信する。
【0026】
上記S3200に基づいて分かるように、第二のSIMカードの各スロット周期内にいずれも信号を送信することができ、送信中断の状況が存在しない。
【0027】
S3300では、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定期間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0028】
本実施例では、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードの前記奇数番目の下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信する。これを基礎として、第二のSIMカードの前記奇数番目の下りリンクスロットを二つの期間に分け、具体的に前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間及び前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定期間であり、第一のSIMカードが、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0029】
上記内容を踏まえて分かるように、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロット内に、第二のSIMカードは、信号を受信することができる。さらに、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットは、第一のSIMカードの偶数番目のスロット周期の一部に対応する。これを基礎として、上記S3300を結び付けて分かるように、第一のSIMカードは、第一のSIMカードの偶数番目のスロット周期内に信号を送信でき、送信中断の状況が存在しない。同時に、第一のSIMカードは、第一のSIMカードの偶数番目のスロット周期内に信号を受信することができる。
【0030】
S3400では、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0031】
本実施例では、第二のSIMカードの上りリンクスロットと第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われる。
【0032】
本実施例では、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットを二つの期間に区分し、それぞれ偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間及び偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間である。前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御する。このとき、メインアンテナは、占有されていない。これを基礎として、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御する。前記偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定期間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0033】
上記内容を踏まえて分かるように、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロット内に、第二のSIMカードは、信号を受信することができる。さらに、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットは、第一のSIMカードの奇数番目のスロット周期の一部に対応し、これを基礎として、上記S3400を結び付けて分かるように、第一のSIMカードは、第一のSIMカードの奇数番目のスロット周期内に信号を送信でき、送信中断の状況が存在しない。同時に、第一のSIMカードは、第一のSIMカードの奇数番目のスロット周期内に信号を受信することができる。
【0034】
つまり、第一のSIMカードは、その各スロット周期内にいずれも信号を送信及び受信することができる。第二のSIMカードは、その各スロット周期内にいずれも信号を送信及び受信することができる。
【0035】
出願の実施例では、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定することと、デュアルSIMカードスロットが揃わない場合に、第一の方式に従って通信を行うことであって、ここで、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第二のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御することとによって、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードが、下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、第一のSIMカードが、下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、下りリンクスロット内の後の一定時間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、下りリンクスロット内の前の一定期間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、下りリンクスロット内の後の一定時間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの上りリンクスロットと第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードのいずれに対しても、各スロット周期内に、信号を送信することができる。これは、第一のSIMカード及び第二のSIMカードに送信中断が存在する状況の発生を回避し、それにより、通信品質を大幅に向上させる。
【0036】
上記いずれか一つの実施例の基礎で、前記の、第一の方式に従って通信を行うことは、ステップS3500をさらに含んでもよい。
【0037】
S3500では、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信する時、第一のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を同時に受信するように制御する。
【0038】
本実施例では、第一のSIMカードが同一期間内に、メインアンテナを介して信号を受信するだけでなく、ダイバーシティアンテナを介して信号を受信することを実現することができる。これを基礎として、高品質な受信信号を得ることができる。
【0039】
それに対応して、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定期間内に、第二のSIMカードは、アイドル期間にある。
【0040】
上記いずれか一つの実施例の基礎で、前記の、第一の方式に従って通信を行うことは、ステップS3600をさらに含んでもよい。
【0041】
S3600では、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第一のSIMカードが少なくとも上りリンクスロット内の前の一定期間内に、ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0042】
本実施例では、第二のSIMカードの上りリンクスロットでは、ダイバーシティアンテナは、占有されていない状態にあり、このとき、第一のSIMカードが少なくとも上りリンクスロット内の前の一定期間内に、ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することができる。このように、第一のSIMカードが信号を受信する時間長を延長することができる。
【0043】
上記S3600に示す実施例の基礎で、デュアルSIMカードの通信プロセスは、図4に示すようであってもよい。
【0044】
上記いずれか一つの実施例の基礎で、図4に示す通信プロセスを参照すると、端末では、第一のSIMカードと第二のSIMカードとのうちの一つのSIMカードが信号を受信する状態にあるが、第一のSIMカードと第二のSIMカードとのうちのもう一つのSIMカードが信号を送信する状態にある状況があり、これは、送受信干渉の問題を引き起こす可能性がある。特に第一のSIMカードと第二のSIMカードが同一周波数である場合、より深刻な送受信干渉が発生する可能性がある。送受信干渉が深刻な場合に、無線周波数回路におけるデバイスが破損するリスクがある。送受信干渉問題を解決するために、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法は、以下のS3710-S3740をさらに含み、
S3710では、端末の送信パワー及び端末の受信パワーを取得する。
【0045】
本出願の実施例では、端末の送信パワーは、端末における送信状態にあるSIMカードの送信パワーを指す。端末の受信パワーは、端末における受信状態にあるSIMカードの受信パワーを指す。
【0046】
説明すべきことは、上記S3710は、具体的に、同じ時刻の、端末の送信パワーと端末の受信パワーを取得する形で実現される。
【0047】
S3720では、送信パワーとアンテナ隔離度閾値との間の第一の差を計算する。
【0048】
本実施例では、アンテナ隔離度閾値は、メインアンテナが信号を送信するパワーが、ダイバーシティアンテナの信号受信に大幅に影響しない時のアンテナ隔離度の閾値を指す。このアンテナ隔離度の単位は、dBmである。
【0049】
S3730では、第一の差と受信パワーの第二の差を計算する。
【0050】
S3740では、第二の差に基づき、端末の通信状態を調整する。
【0051】
本出願の実施例では、デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、ステップS3710-S3740を実行してもよい。
【0052】
本出願の実施例では、上記S3740は、以下のS3741とS3742によって実現されてもよく、
S3741では、第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも大きい場合に、端末がデュアルSIMカードデュアルスタンバイモードに入るようにを調整する。
【0053】
本実施例では、第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも大きい場合に、端末の送信パワーが端末の受信パワーよりはるかに大きいことを示し、即ち端末が弱信号シナリオにあり、且つ送信状態にあるSIMカードが受信状態にあるSIMカードに対して強い干渉を引き起こす。このとき、端末がデュアルSIMカードデュアルスタンバイモードに切り替えるように調整する。このように、同一時刻に一方のSIMカードが受信状態にあり、他方のSIMカードが送信状態にある状況の発生を回避し、さらに送受信干渉を回避する。
【0054】
説明すべきことは、本実施例では、予め設定される範囲は、実験シミュレーション又は、エンジニアリングテスト結果に基づいて設定されてもよい。
【0055】
S3742では、第二の差が予め設定される範囲内にある場合に、端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することと、端末における送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅を低く調整することとのうちの少なくとも一つを実行する。
【0056】
本実施例では、第二の差が予め設定される範囲内にある場合に、端末の送信パワーと受信パワーがほぼ同じであることを示し、即ち端末が中程度の信号強度のシナリオにあり、且つ送信状態にあるSIMが、受信状態にあるSIMカードに干渉を引き起こす。このとき、端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することと、端末における送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅を低く調整することとのうちの少なくとも一つを実行する。
【0057】
本実施例では、同じ信号対雑音比(SIGNAL NOISE RATIO、SNR)の要求で、より低い作動帯域幅の総雑音がより低い場合、必要な有用な信号のパワーもより低い。そのため、送信状態にあるSIMカードが、受信状態にあるSIMカードに干渉を引き起こす時、送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅になるように低く調整することができ、送信パワーを低下させることにより、受信状態にあるSIMカードへの干渉を減少させる。
【0058】
本実施例では、高次変調方式は、復調要件を満たすためにより高いSNRを必要とし、そのため、送信状態にあるSIMカードが、受信状態にあるSIMカードに干渉を引き起こす時、端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することにより、その受信SNR要件を満たしてもよい。本出願の実施例では、受信状態にあるSIMカードの変調方式は、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation、QAM)であってもよく、それに対する調整ルールは、直交振幅変調の変調次数を1レベル低く調整することであってもよい。例えば、受信状態にあるSIMカードの現在の変調方式が256 QAMである場合、64 QAMに低く調整し、受信状態にあるSIMカードの現在の変調方式が64 QAMである場合、16 QAMに低く調整する。
【0059】
上記S3741とS3742に対応し、第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも小さい場合に、端末の送信パワーが端末の受信パワーより遥かに小さいことを示し、即ち端末が強信号シナリオにあり、且つ送信状態にあるSIMが、受信状態にあるSIMカードに干渉しを引き起こさない。このとき、上記S3710を繰り返して実行する。
【0060】
上記いずれか一つの実施例の基礎で、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法は、デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、第二の方式に従って通信を行うことをさらに含み、
前記の、第二の方式に従って通信を行うことは、以下のS3810及びS3820をさらに含んでもよく、
S3810では、送信スロット内に、第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が時分割方式でメインアンテナを介して信号を送信するように制御する。
【0061】
S3820では、受信スロット内に、第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が時分割方式でメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が時分割方式でダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0062】
本出願の実施例では、上記S3200に対応し、第一のSIMカードと第二のSIMカードのスロットが揃っている場合に、スロット内全体を受信スロットと送信スロットの二つの部分に区分し、且つ送信スロットが前にあり、受信スロットが後にある。
【0063】
説明すべきことは、本実施例では、送信スロットと受信スロットに対応する時間の長さは、実際の需要に応じて設定してもよい。
【0064】
本実施例では、上記S3810とS3820に基づき、端末のデュアルSIMカード通信プロセスは、図5に示すようであってもよい。
【0065】
上記内容を踏まえて分かるように、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法では、スロットが揃う場合に、上記S3810とS3820によって、第一のSIMカードと第二のSIMカードが各スロットでは、いずれも送信と受信を実現できる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードがあるスロットに、送信が完全に中断されるという状況の発生を解決する。同時に、同一時刻に、端末が一つのSIMカードを介して信号を送信するだけでなく、一つのSIMカードを介して信号を受信する時に引き起こされる送受信干渉を回避する。
【0066】
また、本実施例では、第一のSIMカード及び第二のSIMカードが同一通信バンド内にある場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードの送信経路は、同一フィルタを共用することができ、即ち第一のSIMカードと第二のSIMカードの送信経路は、同一経路である。これを基礎として、メインスイッチを切り替える必要がない。したがって、本実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法はさらに、メインスイッチの切り替えを減少させることができ、これは、無線周波数回路のオーバーヘッドを大幅に低減させる。
【0067】
上記いずれか一つの実施例の基礎で、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法は、デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、第三の方式に従って通信を行うことをさらに含み、
前記の、第三の方式に従って通信を行うことは、以下のS3910及びS3920をさらに含んでもよく、
S3910では、送信スロット内に、第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が周波数分割方式でメインアンテナを介して信号を送信するように制御する。
【0068】
S3920では、受信スロット内に、第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が周波数分割方式でメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び第一のSIMカードと第二のSIMカードとの間が周波数分割方式でダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御する。
【0069】
本出願の実施例では、上記S3200に対応し、第一のSIMカードと第二のSIMカードのスロットが揃っている場合に、スロット内全体を受信スロットと送信スロットの二つの部分に区分し、且つ送信スロットが前にあり、受信スロットが後にある。
【0070】
説明すべきことは、本実施例では、送信スロットと受信スロットに対応する時間の長さは、実際の需要に応じて設定してもよい。
【0071】
本実施例では、上記S3910とS3920に基づき、端末のデュアルSIMカード通信プロセスは、図6に示すようであってもよい。
【0072】
上記内容を踏まえて分かるように、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法では、スロットが揃う場合に、上記S3910とS3920によって、第一のSIMカードと第二のSIMカードが各スロットでは、いずれも送信と受信を実現できる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードがあるスロットに、送信が完全に中断されるという状況の発生を解決する。
【0073】
また、本実施例では、第一のSIMカードと第二のSIMカードが同一通信バンド内の異なるサブバンド内にある場合に、例えば、第一のSIMカードがロングタームエボリューション型(Long Term Evolution、LTE) B41の2560-2580MHzにあり、第二のSIMカードがLTE B41の2600-2620MHzにある場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードの送信経路は、同一フィルタを共用することができ、即ち第一のSIMカードと第二のSIMカードの送信経路は、同一経路である。これを基礎として、メインスイッチを切り替える必要がない。したがって、本実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法はさらに、メインスイッチの切り替えを減少させることができ、これは、無線周波数回路のオーバーヘッドを大幅に低減させる。
【0074】
本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法では、実行主体が端末のデュアルSIMカード通信装置であってもよく、又は、この端末のデュアルSIMカード通信装置における前記デュアルSIMカード通信方法のローディングを実行するための制御モジュールであってもよい。本出願の実施例では、端末のデュアルSIMカード通信装置が端末のデュアルSIMカード通信方法のローディングを実行することを例として、本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信方法を説明する。
【0075】
図7を参照すると、本出願の実施例は、端末のデュアルSIMカード通信装置700を提供し、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含み、この装置700は、決定モジュール701及び第一の制御モジュール702を含む。ここで、
決定モジュール701は、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定するために用いられる。
【0076】
第一の制御モジュール702は、前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御するために用いられ、
前記の、第一の制御モジュール702が、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御することは、
第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、
第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む。
【0077】
一つの実施例では、前記の、第一の制御モジュール702が、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御することは、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信する時、第一のSIMカードが同時に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することをさらに含む。
【0078】
一つの実施例では、前記の、第一の制御モジュール702が、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御することは、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第一のSIMカードが少なくとも上りリンクスロット内の前の一定時間内に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することをさらに含む。
【0079】
一つの実施例では、前記装置700は、取得モジュールと、計算モジュールと、調整モジュールとをさらに含む。ここで、
取得モジュールは、前記端末の送信パワーと前記端末の受信パワーを取得するために用いられる。
【0080】
計算モジュールは、前記送信パワーとアンテナ隔離度閾値との間の第一の差を計算することと、及び、前記第一の差と前記受信パワーの第二の差を計算することに用いられる。
【0081】
調整モジュールは、前記第二の差に基づき、前記端末の通信状態を調整するために用いられる。
【0082】
一つの実施例では、前記調整モジュールは、第一の調整サブモジュール及び/又は第二の調整サブモジュールを含む。
【0083】
前記第一の調整サブモジュールは、前記第二の差が予め設定される範囲の上限値よりも大きい場合に、前記端末がデュアルSIMカードデュアルスタンバイモードに入るように調整するために用いられる。
【0084】
前記第二の調整サブモジュールは、前記第二の差が前記予め設定される範囲内にある場合に、前記端末における受信状態にあるSIMカードの変調次数を低く調整することと、前記端末における送信状態にあるSIMカードの作動帯域幅を低く調整することとのうちの少なくとも一つを実行するために用いられる。
【0085】
一つの実施例では、前記装置700は、第二の制御モジュールをさらに含む。
【0086】
前記第二の制御モジュールは、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御するために用いられ、
前記の、第二の制御モジュールが、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第二の方式に従って通信するように制御することは、
送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が時分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む。
【0087】
一つの実施例では、前記装置700は、第三の制御モジュールをさらに含み、ここで、
前記第三の制御モジュールは、前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第三の方式に従って通信を行うように制御するために用いられ、
前記の、第三の制御モジュールが、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第三の方式に従って通信するように制御することは、
前記デュアルSIMカードのスロットが揃っている場合に、送信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、及び、
受信スロット内に、前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御し、及び前記第一のSIMカードと前記第二のSIMカードとの間が周波数分割方式で前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御することとを含む。
【0088】
本出願の実施例における端末のデュアルSIMカード通信装置は、装置であってもよく、端末における部材、集積回路、又はチップであってもよい。この装置は、移動電子機器であってもよく、非移動電子機器であってもよい。例示的に、移動電子機器は、携帯電話、タブレットパソコン、超携帯型パーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ネットブック又はパーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)などであってもよく、非移動電子機器は、サーバなどであってもよく、本出願の実施例に具体的に限定されない。
【0089】
本出願の実施例における端末のデュアルSIMカード通信装置は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)(Android(登録商標))オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0090】
本出願の実施例による端末のデュアルSIMカード通信装置は、図3の方法の実施例における端末のデュアルSIMカード通信装置が実現する各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0091】
出願の実施例では、決定モジュールが、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定するために用いられることと、第一の制御モジュールが、デュアルSIMカードスロットが揃わない場合に、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第二のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御するために用いられることとによって、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードが、下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、第一のSIMカードが、下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、下りリンクスロット内の後の一定時間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、下りリンクスロット内の前の一定期間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、下りリンクスロット内の後の一定時間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの上りリンクスロットと第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードのいずれに対しても、各スロット周期内に、信号を送信することができる。これは、第一のSIMカード及び第二のSIMカードに送信中断が存在する状況の発生を回避し、それにより、通信品質を大幅に向上させる。
【0092】
選択的に、本出願の実施例はさらに、端末800を提供し、図8に示すように、端末800は、デュアルSIMカードを含み、前記デュアルSIMカードは、メインアンテナとダイバーシティアンテナを共用し、前記デュアルSIMカードは、第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含む。端末800は、プロセッサ810と、メモリ809と、メモリ809に記憶されており、且つ前記プロセッサ810上で運行できるプログラム又は命令とを含み、このプログラム又は命令がプロセッサ810により実行される時、上記の端末のデュアルSIMカード通信方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0093】
本出願の実施例における電子機器は、移動電子機器と非移動電子機器であってもよい。
【0094】
図9は、本出願の実施例の端末を実現するハードウェア構造概略図である。
【0095】
この端末800は、無線周波数ユニット801、ネットワークモジュール802、オーディオ出力ユニット803、入力ユニット804、センサ805、表示ユニット806、ユーザ入力ユニット807、インターフェースユニット808、メモリ809、及びプロセッサ810などの部材を含むが、それらに限らない。
【0096】
当業者であれば理解できるように、端末800は、各部材に給電する電源(例えば、電池)をさらに含んでもよく、電源は、電源管理システムによってプロセッサ810にロジック的に接続されてもよく、それにより電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。図9に示す端末構造は、端末に対する限定を構成せず、端末は、図示された部材の数よりも多く又は少ない部材、又はいくつかの部材の組み合わせ、又は異なる部材の配置を含んでもよく、ここでこれ以上説明しない。
【0097】
プロセッサ810は、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定することと、前記デュアルSIMカードのスロットが揃わない場合に、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信するように制御することに用いられ、前記の、第一のSIMカードと第二のSIMカードが第一の方式に従って通信を行うように制御することは、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、前記第二のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御することと、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、前記第二のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内全体に前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、前記第一のSIMカードが、前記奇数番目の下りリンクスロット内の前の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を送信し、前記奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、及び、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、前記偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、前記第二のSIMカードが前記ダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、前記偶数番目の下りリンクスロットの後の一定時間内に、前記第一のSIMカードが前記メインアンテナを介して信号を受信するように制御することと、前記第二のSIMカードの上りリンクスロットと前記第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われることとを含む。
【0098】
出願の実施例では、プロセッサは、端末の現在のデュアルSIMカードスロットが揃っているか否かを決定することと、デュアルSIMカードスロットが揃わない場合に、第二のSIMカードの上りリンクスロット内に、第二のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御することとによって、第二のSIMカードの奇数番目の下りリンクスロットに対して、第二のSIMカードが、奇数番目の下りリンクスロット内全体にダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し、第一のSIMカードが、下りリンクスロット内の前の一定時間内にメインアンテナを介して信号を送信し、奇数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内にメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの偶数番目の下りリンクスロットに対して、偶数番目の下りリンクスロット内の前の一定期間内に、第二のSIMカードがダイバーシティアンテナを介して信号を受信するように制御し且つ第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を送信するように制御し、及び、偶数番目の下りリンクスロット内の後の一定時間内に、第一のSIMカードがメインアンテナを介して信号を受信するように制御し、第二のSIMカードの上りリンクスロットと第二のSIMカードの下りリンクスロットは、交互に行われる。このように、第一のSIMカード及び第二のSIMカードのいずれに対しても、各スロット周期内に、信号を送信することができる。これは、第一のSIMカード及び第二のSIMカードに送信中断が存在する状況の発生を回避し、それにより、通信品質を大幅に向上させる。
【0099】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供し、前記可読記憶媒体には、プログラム又は命令が記憶されており、このプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記端末のデュアルSIMカード通信方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0100】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の電子機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどを含む。
【0101】
本出願の実施例は、チップをさらに提供し、前記チップは、プロセッサと通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、上記端末のデュアルSIMカード通信方法の実施例の各プロセスを実現するために用いられ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0102】
理解すべきこととして、本出願の実施例に言及されたチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップなどと呼ばれてもよい。
【0103】
説明すべきこととして、本明細書では、用語である「含む」、「包含」又はその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。なお、指摘すべきこととして、本出願の実施の形態における方法と装置の範囲は、図示又は討論された順序で機能を実行することに限らず、関わる機能に基づいて基本的に同時である方式又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば記述されたものとは異なる手順で記述された方法を実行することができるとともに、様々なステップを追加、省略又は組み合わせることができる。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0104】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されることができる。無論、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者は、より好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0105】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0106】
〔関連出願の相互参照〕
本発明は、2021年01月28日に中国特許局で提出され、出願番号が202110123420.9であり、「端末のデュアルSIMカード通信方法、装置、機器及び記憶媒体」と称される中国特許出願の優先権を主張しており、この出願のすべての内容は、援用により本発明に取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9