(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/474 20210101AFI20240709BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/477 20210101ALI20240709BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240709BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240709BHJP
【FI】
H01M50/474
H01M50/533
H01M50/477
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M50/15
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/103
(21)【出願番号】P 2023550672
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2021096943
(87)【国際公開番号】W WO2022246839
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】周 文林
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 于▲煉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 新祥
(72)【発明者】
【氏名】徐 良帆
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲海▼族
【審査官】梅野 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085215(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112771714(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10、50/40、50/50
H01M10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
主体とタブとを含む電極アセンブリと、
開口を有し、前記電極アセンブリを収容するためのケースと、
前記開口に被せるためのエンドキャップアセンブリと、
前記主体と前記エンドキャップアセンブリとの間に位置する支持部材と、
を含み、
前記タブは、前記支持部材を囲んで折り曲げられ、前記支持部材は、前記主体が前記エンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように構成さ
れ、
前記エンドキャップアセンブリには前記主体に面する第一の凹部が設けられ、前記第一の凹部は、前記支持部材の少なくとも一部を収容するように構成され、
前記第一の凹部は、前記タブの少なくとも一部を収容するように構成される、電池セル。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向に沿って前記主体に当接するための支持部と、
分離部であって、前記タブは、前記分離部を囲んで折り曲げられ、前記エンドキャップアセンブリの幅方向において、前記分離部は、前記支持部の一端に接続される分離部と、
を含む、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記支持部の投影面積は、前記分離部の投影面積よりも大きい、請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記支持部のサイズは、前記分離部のサイズよりも大きい、請求項2又は3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記支持部材のエンドキャップアセンブリに面する側は、補強部を有し、前記補強部は、前記支持部材の強度を補強するために用いら
れ、前記支持部材の前記エンドキャップアセンブリに面する側には凹溝が設けられ、前記凹溝は、前記支持部内へ凹み、前記補強部は、凹溝内に位置する、請求項2又は3に記載の電池セル。
【請求項6】
前記タブは、
前記分離部の前記主体に面する側に位置する第一の折り曲げ部と、
前記第一の折り曲げ部と繋がり、且つ前記第一の折り曲げ部に対して折り曲げられ、前記分離部の前記主体から離反する側に位置する第二の折り曲げ部と、
を含む、請求項2から
5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記エンドキャップアセンブリは、
前記開口に被せるためのエンドキャップと、
前記エンドキャップの前記主体に面する側に設置され、前記エンドキャップと前記電極アセンブリとを隔離するように構成される絶縁部材と、
を含み、
前記第一の凹部は、前記絶縁部材に設置され、前記支持部材は、前記絶縁部材と前記主体との間に位置し、前記支持部材は、前記絶縁部材と前記主体とに当接する、請求項
1に記載の電池セル。
【請求項8】
前記絶縁部材は、
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において対向して配置される第一の内面と第一の外面を有する第一の本体部と、
前記第一の外面から前記主体から離反する方向に沿って突出する第一の凸部であって、前記第一の本体部の前記第一の凸部に対応する位置には前記第一の内面から前記主体から離反する方向へ凹む前記第一の凹部が形成される第一の凸部と、
を含み、
前記エンドキャップには前記主体に面する第二の凹部が設けられ、前記第二の凹部は、前記第一の凸部の少なくとも一部を収容するために用いられる、請求項
7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記第一の凹部の底面は、前記第一の外面よりも前記主体から離れる、請求項
8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記エンドキャップは、
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、対向して配置される第二の内面と第二の外面を有する第二の本体部であって、前記第二の内面は、前記第一の外面に面する第二の本体部と、
前記第二の外面から前記主体から離反する方向に沿って突出する第二の凸部であって、前記第二の本体部の前記第二の凸部に対応する位置には前記第二の内面から前記主体から離反する方向へ凹む前記第二の凹部が形成される第二の凸部と、
を含む、請求項
8又は
9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記第二の凹部の底面は、前記第二の外面よりも前記主体から離れる、請求項
10に記載の電池セル。
【請求項12】
電池であって、
請求項1から
11のいずれか1項に記載の電池セルと、
前記電池セルを収容するための筐体と、
を含む、電池。
【請求項13】
電力消費機器であって、請求項
12に記載の電池を含む、電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、バッテリ車、電気自動車、電気飛行機、電気汽船、電動玩具自動車、電動玩具汽船、電動玩具飛行機と電動工具などに広く応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上以外、安全問題も、無視できない問題の一つである。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術における早急な解決が待たれる技術問題の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例は、電池の安全性を効果的に向上させることができる電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器を提供する。
【0005】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルを提供し、この電池セルは、主体とタブとを含む電極アセンブリと、開口を有し、前記電極アセンブリを収容するためのケースと、前記開口に被せるためのエンドキャップアセンブリと、前記主体と前記エンドキャップアセンブリとの間に位置する支持部材とを含み、前記タブは、前記支持部材を囲んで折り曲げられ、前記支持部材は、前記主体が前記エンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【0006】
上記技術案では、支持部材は、主体とエンドキャップアセンブリとの間に位置し、タブは、支持部材を囲んで折り曲げられ、主体がエンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように支持部材は、電極アセンブリの主体とタブに対して制限作用を果たすことで、主体がケース内で暴れることによってタブが主体内に挿入されて正負極短絡を引き起こすリスクを効果的に低減させ、電池セルの安全性を向上させる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記支持部材は、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向に沿って前記主体に当接するための支持部と、前記タブは、前記分離部を囲んで折り曲げられ、前記エンドキャップアセンブリの幅方向において、前記分離部は、前記支持部の一端に接続されるとを含む。
【0008】
上記技術案では、支持部は、主体に当接し、主体がエンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように支持部は、主体に対して制限作用を果たす。分離部は、支持部の一端に接続されることで、タブを折り曲げて分離部に配置することを容易にすることができ、分離部は、タブに対して制限作用を果たし、タブが主体内に挿入されることを阻止する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記支持部の投影面積は、前記分離部の投影面積よりも大きい。
【0010】
上記技術案では、支持部のエンドキャップアセンブリの厚さ方向での投影面積は、分離部のエンドキャップアセンブリの厚さ方向での投影面積よりも大きいことで、支持部は、エンドキャップアセンブリと主体との間で大きい支持範囲を有し、支持部が主体とエンドキャップアセンブリとの間で良い支持能力を有することを確保し、それによって支持部が主体を傷つけることを防止する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記支持部のサイズは、前記分離部のサイズよりも大きい。
【0012】
上記技術案では、支持部のエンドキャップアセンブリの厚さ方向でのサイズは、分離部のエンドキャップアセンブリの厚さ方向でのサイズよりも大きく、つまり、支持部の厚さは、分離部の厚さより厚く、支持部が厚いことで支持部が変形しにくく、さらに支持部が主体とエンドキャップアセンブリとの間で良い支持能力を有することを確保することができ、分離部が薄いことでタブの迂回経路が短く、タブを折り曲げて分離部に配置することを容易にすることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記支持部材のエンドキャップアセンブリに面する側は、補強部を有し、前記補強部は、前記支持部材の強度を補強するために用いられる。
【0014】
上記技術案では、支持部材のエンドキャップアセンブリに面する側は、支持部材の強度を補強するための補強部を有することで、支持部は、主体に当接する時に変形しにくく、それによって支持部材の主体とエンドキャップアセンブリとの間での支持能力を向上させる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記支持部の投影面積は、前記支持部材の投影面積の1/3よりも大きい。
【0016】
上記技術案では、支持部のエンドキャップアセンブリの厚さ方向での投影面積は、支持部材のエンドキャップアセンブリの厚さ方向での投影面積の1/3よりも大きく、つまり、支持部材のうちの1/3の部分は、主体に対して支持作用を果たすことができ、支持部材と主体との密着面積は大きく、それによって主体のケース内での安定性を向上させる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記電極アセンブリは、極性が逆である二つのタブを含み、二つの前記タブは、前記エンドキャップアセンブリの長手方向に沿って並列して設置され、前記分離部は、前記エンドキャップアセンブリの長手方向に沿って並列して設置される第一の部分と第二の部分とを含み、前記二つのタブは、前記第一の部分と前記第二の部分をそれぞれ囲んで折り曲げられ、前記支持部材は、接続部をさらに含み、前記接続部は、前記第一の部分と前記第二の部分との間に位置し、前記接続部は、前記二つのタブを隔離するために用いられる。
【0018】
上記技術案では、第一の部分と第二の部分との間に位置する接続部は、電極アセンブリの極性が逆である二つのタブに対して隔離作用を果たし、二つのタブが接触して短絡を引き起こすリスクを低減させることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記接続部は、前記主体に当接するために用いられる。
【0020】
上記技術案では、接続部は、エンドキャップアセンブリの厚さ方向において主体に当接し、接続部は、電極アセンブリの二つのタブを隔離する作用を果たすだけでなく、主体を支持する作用を果たし、主体のケース内での安定性を向上させる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記電池セルは、前記エンドキャップアセンブリの幅方向に沿って積層して配置される複数の前記電極アセンブリを含み、前記エンドキャップアセンブリの幅方向において、前記支持部の両端にいずれも前記分離部が設けられ、複数の前記電極アセンブリのうちの一組の電極アセンブリのタブは、前記支持部の一端に位置する分離部を囲んで折り曲げられ、別の組の電極アセンブリのタブは、前記支持部の他端に位置する分離部を囲んで折り曲げられる。
【0022】
上記技術案では、複数の電極アセンブリのうちの一組の電極アセンブリのタブは、支持部の一端に位置する分離部を囲んで折り曲げられ、別の組の電極アセンブリのタブは、支持部の他端に位置する分離部を囲んで折り曲げられ、つまり、支持部材は、複数の電極アセンブリのタブに対して制限作用を果たすことができ、電池の安全性を向上させる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記タブは、前記分離部の前記主体に面する側に位置する第一の折り曲げ部と、前記第一の折り曲げ部と繋がり、且つ前記第一の折り曲げ部に対して折り曲げられ、前記分離部の前記主体から離反する側に位置する第二の折り曲げ部とを含む。
【0024】
上記技術案では、互いに接続された第一の折り曲げ部と第二の折り曲げ部は、分離部の主体に面する側と分離部の主体から離反する側にそれぞれ位置し、つまり、タブは、分離部を囲んで折り曲げられる時に分離部の一方側から分離部の他方側に折り曲げられ、分離部は、タブに対して良い制限作用を果たすことで、タブは、主体内に挿入されにくい。
【0025】
いくつかの実施例では、前記支持部は、前記主体に面する第一の表面を有し、前記第一の表面は、前記主体と当接するように構成され、前記分離部は、前記主体に面する第二の表面を有し、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記第二の表面は、前記第一の表面よりも前記主体から離れて、収容部を形成するように構成され、前記第一の折り曲げ部の少なくとも一部は、前記収容部内に収容される。
【0026】
上記技術案では、分離部の第二の表面は、支持部の第一の表面よりも主体から離れて、収容部を形成し、第一の折り曲げ部の少なくとも一部は、収容部内に収容されることによって、第一の表面は、主体と当接するとともに、第一の折り曲げ部により占められた空間を減少させることができ、それによって電池セルのエネルギー密度を向上させる。
【0027】
いくつかの実施例では、前記第二の表面は、前記第一の折り曲げ部と貼り合わせられる。
【0028】
上記技術案では、第二の表面は、第一の折り曲げ部と貼り合わせられることで、第一の折り曲げ部と第二の表面との隙間を除去し、タブと分離部との両方の構造をさらにコンパクトにする。
【0029】
いくつかの実施例では、前記収容部は、前記エンドキャップアセンブリの幅方向に沿って前記分離部のエッジに延びる。
【0030】
上記技術案では、収容部は、エンドキャップアセンブリの幅方向に沿って分離部のエッジに延びることによって、第一の折り曲げ部は、タブが分離部を囲んで折り曲げられる時に収容部内に収容される。
【0031】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリには前記主体に面する第一の凹部が設けられ、前記第一の凹部は、前記支持部材の少なくとも一部を収容するように構成される。
【0032】
上記技術案では、支持部材の少なくとも一部は、第一の凹部内に収容されることで、支持部材がケース内部に占める空間を減少させ、電極アセンブリの主体のためにより多くの空間をあけることができ、電池セルのエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0033】
いくつかの実施例では、前記第一の凹部は、前記タブの少なくとも一部を収容するように構成される。
【0034】
上記技術案では、タブの少なくとも一部は、第一の凹部内に収容されることで、タブがケース内部に占める空間を減少させることができ、電池セルのエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0035】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリは、前記開口に被せるためのエンドキャップと、前記エンドキャップの前記主体に面する側に設置され、前記エンドキャップと前記電極アセンブリとを隔離するように構成される絶縁部材とを含み、前記第一の凹部は、前記絶縁部材に設置され、前記支持部材は、前記絶縁部材と前記主体との間に位置し、前記支持部材は、前記絶縁部材と前記主体とに当接する。
【0036】
上記技術案では、絶縁部材は、エンドキャップの主体に面する側に設置され、絶縁部材は、エンドキャップと電極アセンブリとを分離する作用を果たすことで、エンドキャップが電極アセンブリと接触して電池セルの短絡を引き起こすリスクを低減させる。支持部材は、絶縁部材と主体との間に位置し、且つ絶縁部材と主体とに当接し、支持部材は、絶縁部材と主体との両方が互いに接近することを阻止することができ、それによって主体がケース内で暴れる状況が発生しにくい。
【0037】
いくつかの実施例では、前記絶縁部材は、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において対向して配置される第一の内面と第一の外面を有する第一の本体部と、前記第一の外面から前記主体から離反する方向に沿って突出する第一の凸部であって、前記第一の本体部の前記第一の凸部に対応する位置には前記第一の内面から前記主体から離反する方向へ凹む前記第一の凹部が形成される第一の凸部とを含み、前記エンドキャップには前記主体に面する第二の凹部が設けられ、前記第二の凹部は、前記第一の凸部の少なくとも一部を収容するために用いられる。
【0038】
上記技術案では、絶縁部材の第一の凸部の設置によって、一方では、第一の本体部上の第一の凹部の設置位置に対して補強作用を果たすことができ、他方では、第一の凹部ができるだけ主体から離反する方向へ凹むことを許可することができる。なお、第一の凸部の少なくとも一部がエンドキャップの第二の凹部内に収容されるため、このような構造は、絶縁部材とエンドキャップとの両方の構造をコンパクトにして、電極アセンブリの主体のためにより多くの空間をあけ、電池セルのエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0039】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記第一の凹部の底面は、前記第一の外面よりも前記主体から離れる。
【0040】
上記技術案では、第一の凹部の底面は、第一の外面よりも主体から離れることで、第一の凹部は、主体から離反する方向へ第一の凸部内に凹み、第一の凹部の凹み深さを増加させる。
【0041】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップは、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、対向して配置される第二の内面と第二の外面を有する第二の本体部であって、前記第二の内面は、前記第一の外面に面する第二の本体部と、前記第二の外面から前記主体から離反する方向に沿って突出する第二の凸部であって、前記第二の本体部の前記第二の凸部に対応する位置には前記第二の内面から前記主体から離反する方向へ凹む前記第二の凹部が形成される第二の凸部とを含む。
【0042】
上記技術案では、エンドキャップの第二の凸部の設置によって、一方では、第二の本体部上の第二の凹部の設置位置に対して補強作用を果たすことができ、他方では、第二の凹部ができるだけ主体から離反する方向へ凹むことを許可することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリの厚さ方向において、前記第二の凹部の底面は、前記第二の外面よりも前記主体から離れる。
【0044】
上記技術案では、第二の凹部の底面は、第二の外面よりも主体から離れることで、第二の凹部は、主体から離反する方向へ第二の凸部内に凹み、第二の凹部の凹み深さを増加させる。
【0045】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、この電池は、第一の態様のいずれか一つの実施例による電池セルと、前記電池セルを収容するための筐体とを含む。
【0046】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、電力消費機器を提供し、この電力消費機器は、第二の態様のいずれか一つの実施例による電池を含む。
【0047】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造方法を提供し、前記方法は、主体とタブとを含む電極アセンブリを提供することと、開口を有するケースを提供することと、エンドキャップアセンブリを提供することと、支持部材を提供することと、前記タブを前記支持部材を囲んで折り曲げることと、前記電極アセンブリを前記ケース内に収容することと、前記エンドキャップアセンブリを前記開口に被せることとを含み、ここで、前記支持部材は、前記エンドキャップアセンブリと前記主体との間に位置し、前記支持部材は、前記主体が前記エンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【0048】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造機器をさらに提供し、この製造機器は、主体とタブとを含む電極アセンブリを提供するための第一の提供装置と、開口を有するケースを提供するための第二の提供装置と、エンドキャップアセンブリを提供するための第三の提供装置と、支持部材を提供するための第四の提供装置と、前記タブを前記支持部材を囲んで折り曲げ、前記エンドキャップアセンブリを前記開口に被せるための組み立て装置とを含み、ここで、前記支持部材は、前記エンドキャップアセンブリと前記主体との間に位置し、前記支持部材は、前記主体が前記エンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例のみを示したため、範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできる。
【0050】
【
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】
図2に示す電池モジュールの構造概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例による電池セルの爆発図である。
【
図7】
図5に示す電池セルのA部局所拡大図である。
【
図9】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
【
図10】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造機器の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0052】
特に定義されない限り、本出願に使用されるすべての技術的と科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本出願では出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における用語である「第一」、「第二」などは、特定の順序又は主従関係を記述するためのものではなく、異なる対象を区別するためのものである。
【0053】
本出願に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0054】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0055】
本出願における用語である「及び/又は」は、ただ関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0056】
本出願の実施例では、同じ符号が同じ部材を表し、且つ簡潔のため、異なる実施例では、同じ部材に対する詳細な説明を省略する。理解すべきこととして、図面に示す本出願の実施例における様々な部材の厚さ、長さ、幅などのサイズ、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ、幅などのサイズは、例示的な説明であり、本出願に対するいかなる限定も構成すべきではない。
【0057】
本出願に出現された「複数の」は、二つ以上(二つを含む)を指す。
【0058】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよく、本出願の実施例は、これにも限定しない。電池セルは、一般的にはパッケージングの方式で筒型電池セル、四角形電池セルとパウチ電池セルという三つの種類に分けられ、本出願の実施例は、これにも限定しない。
【0059】
本出願の実施例に言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本出願に言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0060】
電池セルは、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、正極板と、負極板と、セパレータとにより構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することで作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されている。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗覆された負極集電体から突出する。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。なお、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例は、これに限らない。
【0061】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えばエネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0062】
発明者は、一般的な電池セルに対して、短絡のリスクが存在し、電池セルの安全性に影響を与えることを発見した。発明者は、さらなる研究によって、電池セルにおいて、タブの折り曲げ組み立てを実現するために、エンドキャップアセンブリと電極アセンブリの主体との間に一定の空間を残す必要があり、すると、電極アセンブリの主体が暴れる状況が発生しやすいことで、タブが主体内に挿入されやすく、正負極短絡を引き起こし、さらに電池セルの安全性に影響を与えることを発見した。
【0063】
これに鑑み、本出願の実施例は、技術案を提供し、電極アセンブリの主体とエンドキャップアセンブリとの間に支持部材が設置され、タブは、支持部材を囲んで折り曲げられ、支持部材は、主体がエンドキャップアセンブリに面する方向に沿って移動することを阻止する作用を果たすことで、主体がケース内で暴れることによってタブが主体に挿入されて正負極短絡を引き起こすリスクを効果的に低減させ、電池セルの安全性を向上させる。
【0064】
本出願の実施例に記述された技術案は、電池セル、電池及び電池を使用する電力消費機器に適用できる。
【0065】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具と電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機と電気カンナなどを含む。本出願の実施例は、上記電力消費機器を特に制限しない。
【0066】
以下の実施例では、説明を容易にするために、電力消費機器が車両であることを例にして説明する。
【0067】
図1を参照すると、
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図であり、車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は、車両1000の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池100は、車両1000の給電に用いられてもよく、例えば電池100は、車両1000の操作電源としてもよい。
【0068】
車両1000は、コントローラ200とモータ300とをさらに含んでもよく、コントローラ200は、電池100がモータ300に給電するように制御するために用いられ、例えば車両1000の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0069】
いくつかの実施例では、電池100は、車両1000の操作電源としてもよいだけでなく、さらに車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供してもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、
図2を参照すると、
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の構造概略図であり、電池100は、筐体10と電池セル20(
図2に示されない)とを含み、電池セル20は、筐体10内に収容される。
【0071】
筐体10は、電池セル20を収容するために用いられる。筐体10は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、筐体10は、下部筐体11と上部筐体12とを含んでもよく、電池セル20を収容するための収容空間13を画定するように下部筐体11と上部筐体12は、互いに被せられる。無論、下部筐体11と上部筐体12との接続部は、シール部材によってシールを実現することができ、シール部材は、シールリング、シーラントなどであってもよい。
【0073】
下部筐体11と上部筐体12は、様々な形状、例えば、直方体、円筒体などであってもよい。下部筐体11は、一方側が開口された中空構造であってもよく、上部筐体12は、一方側が開口された中空構造であってもよく、上部筐体12の開口側は、下部筐体11の開口側に被せられ、収容空間13を有する筐体10を形成する。
【0074】
電池100において、電池セル20は、一つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数である場合、複数の電池セル20の間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、複数の電池セル20に直列接続も並列接続もあることを指す。
【0075】
いくつかの実施例では、
図3を参照すると、
図3は、
図2に示す電池モジュール30の構造概略図であり、まず複数の電池セル20を直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール30を構成し、続いて複数の電池モジュール30をさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続して一つの全体を形成し、且つ筐体10内に収容してもよい。別のいくつかの実施例では、まず複数の電池セル20を直接直列接続又は並列接続又は直並列接続し、続いて複数の電池セル20により構成された全体を筐体10内に収容してもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、電池100は、バスバー部材40をさらに含んでもよく、複数の電池セル20の間の電気的な接続は、バスバー部材40によって実現されてもよく、それによって複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は直並列接続が実現される。
【0077】
バスバー部材40は、金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金などであってもよい。
【0078】
本出願の実施例では、
図4を参照すると、
図4は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の爆発図であり、電池セル20は、電極アセンブリ21と、ケース22と、エンドキャップアセンブリ23と、支持部材24とを含む。電極アセンブリ21は、主体211とタブ212とを含む。ケース22は、開口を有し、ケース22は、電極アセンブリ21を収容するために用いられる。エンドキャップアセンブリ23は、開口に被せるために用いられる。支持部材24は、主体211とエンドキャップアセンブリ23との間に位置し、タブ212は、支持部材24を囲んで折り曲げられ、支持部材24は、主体211がエンドキャップアセンブリ23に面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【0079】
上記構造の電池セル20において、支持部材24は、主体211とエンドキャップアセンブリ23との間に位置し、タブ212は、支持部材24を囲んで折り曲げられ、主体211がエンドキャップアセンブリ23に面する方向に沿って移動することを阻止するように支持部材24は、電極アセンブリ21の主体211とタブ212に対して制限作用を果たすことで、主体211がケース22内で暴れることによってタブ212が主体211内に挿入されて正負極短絡を引き起こすリスクを効果的に低減させ、電池セル20の安全性を向上させる。
【0080】
また、支持部材24は、主体211とエンドキャップアセンブリ23との間に位置し、支持部材24は、エンドキャップアセンブリ23と主体211との間の空間を占めてもよく、電池セル20が倒置する(電池セル20のエンドキャップアセンブリ23が下へ向かい、エンドキャップアセンブリ23がケース22の底部に位置する)時に電解液が支持部材24とエンドキャップアセンブリ23との間の空間に大量入ることで、主体211の内部電解液が足りなくなって電池セル20の耐用年数を短縮させるリスクを低減させる。
【0081】
ここで、支持部材24は、主体211とエンドキャップアセンブリ23との間で支持し、支持部材24は、主体211と当接するだけでなく、支持部材24は、さらにエンドキャップアセンブリ23と当接する。無論、支持部材24と主体211は、直接当接してもよく、間接的に当接してもよく、支持部材24とエンドキャップアセンブリ23は、直接当接してもよく、間接的に当接してもよい。
【0082】
電極アセンブリ21の数は、一つ又は複数である。
【0083】
いくつかの実施例では、電極アセンブリ21は、少なくとも一つの電池コアを含んでもよく、つまり、電極アセンブリ21において、電池コアは、一つであってもよく、複数であってもよい。電極アセンブリ21における電池コアが複数である場合に、複数の電池コアは、積層して配置されてもよい。
【0084】
電池コアは、電池コア本体2110とサブタブを含んでもよく、電極アセンブリ21における電池コアが一つである場合、電池コア本体2110は、即ち、電極アセンブリ21の主体211であり、サブタブは、即ち、電極アセンブリ21のタブ212であり、電極アセンブリ21における電池コアが複数である場合、複数の電池コアの電池コア本体2110は、電極アセンブリ21の主体211をともに形成し、複数の電池コアのサブタブは、電極アセンブリ21のタブ212をともに形成する。電池コアのサブタブは、正サブタブと負サブタブに分けられ、電極アセンブリ21のタブ212は、正極タブ212aと負極タブ212bに分けられ、電極アセンブリ21における電池コアが一つである場合、電池コアの正サブタブは、即ち、電極アセンブリ21の正極タブ212aであり、電池コアの負サブタブは、即ち、電極アセンブリ21の負極タブ212bであり、電極アセンブリ21における電池コアが複数である場合、複数の電池コアの正サブタブは、電極アセンブリ21の正極タブ212aをともに形成し、複数の電池コアの負サブタブは、電極アセンブリ21の負極タブ212bをともに形成する。例示的には、
図4において、ケース22の内部に二つの電極アセンブリ21があり、各電極アセンブリ21は、二つの電池コアを含み、二つの電池コアの電池コア本体2110は、電極アセンブリ21の主体211をともに形成し、二つの電池コアの正サブタブは、電極アセンブリ21の正極タブ212aをともに形成し、二つの電池コアの負サブタブは、電極アセンブリ21の負極タブ212bをともに形成する。
【0085】
電池コアは、正極極板と、負極極板と、セパレータとを含んでもよい。電池コアは、正極極板、セパレータと負極極板を捲回することによって形成された捲回型構造であってもよく、電池コアは、正極極板、セパレータと負極極板を積層して配置することによって形成された積層型構造であってもよい。
【0086】
正極極板は、正極集電体と正極集電体の対向する両側に塗覆された正極活物質層とを含んでもよい。負極極板は、負極集電体と負極集電体の対向する両側に塗覆された負極活物質層とを含んでもよい。電池コアの電池コア本体2110は、正極極板と負極極板の活物質層が塗覆された領域に対応する部分であってもよく、電池コアの正サブタブは、正極極板上の正極活物質層が塗覆されていない部分であってもよく、電池コアの負サブタブは、負極極板上の負極活物質層が塗覆されていない部分であってもよい。
【0087】
電極アセンブリ21において、正極タブ212aと負極タブ212bは、主体211の同一側に位置してもよく、主体211の対向する両側にそれぞれ位置してもよい。
図4において、例示的には、正極タブ212aと負極タブ212bは、主体211の同一側に位置する。
【0088】
説明すべきこととして、本出願の実施例では、タブ212が支持部材24を囲んで折り曲げられることは、正極タブ212aが支持部材24を囲んで折り曲げられることであってもよく、負極タブ212bが支持部材24を囲んで折り曲げられることであってもよく、正極タブ212aと負極タブ212bの両方が支持部材24を囲んで折り曲げられることであってもよい。
【0089】
説明すべきこととして、タブ212は、支持部材24を囲んで折り曲げられるが、タブ212は、支持部材24の端部に接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0090】
本出願の実施例では、ケース22は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。ケース22の形状は、電極アセンブリ21の具体的な形状に基づいて決定されてもよい。例えば、電極アセンブリ21が円筒体構造である場合、ケース22は、円筒体構造を選択してもよく、電極アセンブリ21が直方体構造である場合、ケース22は、直方体構造を選択してもよい。例示的には、
図4において、ケース22は、一端に開口が形成された直方体中空構造である。
【0091】
ケース22の材質は、様々であってもよく、例えば、プラスチック、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金などであり、本出願の実施例では、これを特に限定しない。
【0092】
ケース22内の電極アセンブリ21は、一つ又は複数であってもよい。ケース22内の電極アセンブリ21が複数である場合に、複数の電池セル20は、ケース22内に積層して配置されてもよい。
図4に示すように、ケース22内の電極アセンブリ21が二つであることを例にし、二つの電極アセンブリ21の主体211は、ケース22内に積層して配置される。
【0093】
いくつかの実施例では、続いて
図4を参照すると、エンドキャップアセンブリ23は、エンドキャップ231を含み、電極アセンブリ21と電解液を収容するための密閉空間を形成するようにエンドキャップ231は、ケース22の開口に被せるために用いられる。
【0094】
エンドキャップアセンブリ23は電極端子232をさらに含んでもよい。電極端子232は、エンドキャップ231上に取り付けられ、電極端子232は、タブ212に電気的に接続するために用いられる。
【0095】
エンドキャップアセンブリ23における電極端子232は、一つ又は複数であってもよい。例えば、電池セル20において、エンドキャップアセンブリ23は、二つであり、このような場合に、エンドキャップアセンブリ23における電極端子232は、一つであってもよく、ここで、一つのエンドキャップアセンブリ23における電極端子232は、正極電極端子232aであり、別のエンドキャップアセンブリ23における電極端子232は、負極電極端子232bである。また、例えば、
図4に示すように、電池セル20において、エンドキャップアセンブリ23は、一つであり、このような場合に、エンドキャップアセンブリ23における電極端子232は、複数であってもよく、エンドキャップアセンブリ23には二つの電極端子232が含まれることを例にし、二つの電極端子232は、それぞれ正極電極端子232aと負極電極端子232bであってもよく、正極電極端子232aは、正極タブ212aに電気的に接続するために用いられ、負極電極端子232bは、負極タブ212bに電気的に接続するために用いられ、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xにおいて、正極電極端子232aと負極電極端子232bは、エンドキャップ231に間隔的に分布してもよい。
【0096】
説明すべきこととして、エンドキャップアセンブリ23の電極端子232と電極アセンブリ21のタブ212との電気的な接続は、様々な方式によって実現されてもよい。例えば、タブ212は、電極端子232に直接接続されることによって、電極端子232とタブ212との電気的な接続が実現され、また、例えば、タブ212と電極端子232は、ミドルウェアによって間接的に接続されることによって、電極端子232とタブ212との電気的な接続が実現される。
【0097】
いくつかの実施例では、続いて
図4を参照すると、電極端子232とタブ212は、集電部品233によって間接的に接続されてもよく、それによって電極端子232とタブ212との電気的な接続が実現される。
【0098】
エンドキャップアセンブリ23が二つの電極端子232を含むことを例にし、二つの電極端子232は、それぞれ正極電極端子232aと負極電極端子232bであり、正極電極端子232aと正極タブ212aは、一つの集電部品233によって電気的に接続されてもよく、負極電極端子232bと電極アセンブリ21の負極タブ212bは、別の集電部品233によって電気的に接続されてもよい。
【0099】
集電部品233は、金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金などであってもよい。電極端子232とタブ212は、いずれも様々な方式によって集電部品233に一体に接続されてもよく、例えば、電極端子232とタブ212は、いずれも集電部品233に溶接される。
【0100】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23は、放圧機構234をさらに含んでもよく、放圧機構234は、エンドキャップ231に取り付けられ、放圧機構234は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に電池セル20の内部の圧力を放出するために用いられる。
【0101】
放圧機構234は、例えば防爆弁、防爆シート、空気弁又は放圧弁などの部材であってもよい。
【0102】
エンドキャップアセンブリ23が二つの電極端子232を含む場合に、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xにおいて、放圧機構234は、正極電極端子232aと負極電極端子232bとの間に配置されてもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、
図5を参照すると、
図5は、
図4に示す電池セル20の局所断面図であり、エンドキャップアセンブリ23には主体211に面する第一の凹部2351が設けられ、第一の凹部2351は、支持部材24の少なくとも一部を収容するように構成される。このような構造は、支持部材24がケース22内部に占める空間を減少させ、電極アセンブリ21の主体211のためにより多くの空間をあけることができ、電池セル20のエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0104】
第一の凹部2351は、支持部材24の少なくとも一部を収容するように構成され、理解できるように、支持部材24は、一部又は全部が第一の凹部2351に収容されてもよい。例示的には、
図5において、支持部材24の一部は、第一の凹部2351内に収容される。
【0105】
いくつかの実施例では、第一の凹部2351は、タブ212の少なくとも一部を収容するように構成される。理解できるように、タブ212は、一部又は全部が第一の凹部2351に収容されてもよい。このような構造は、タブ212がケース22内部に占める空間を減少させることができ、電池セル20のエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0106】
支持部材24の少なくとも一部とタブ212の少なくとも一部がいずれも第一の凹部2351内に収容されるため、支持部材24とタブ212は、第一の凹部2351内の一部の空間を占めてもよく、電池セル20が倒置する時に第一の凹部2351内に入った電解液の量を減少させ、主体211の内部電解液が足りなくなって電池セル20の耐用年数を短縮させるリスクを低減させる。
【0107】
例示的には、
図5において、タブ212の一部は、第一の凹部2351内に収容される。
【0108】
いくつかの実施例では、主体211は、第一の端面2111を有し、主体211の第一の端面2111は、第一の凹部2351の底面に面し、支持部材24は、主体211の第一の端面2111と第一の凹部2351の底面に当接するように構成される。ここで言及された当接することは、直接当接することであってもよく、間接的に当接することであってもよい。
図5において、支持部材24が第一の端面2111と第一の凹部2351の底面に直接当接する状況を例示的に示す。
【0109】
説明を容易にするために、第一の凹部2351の底面を第一の底面2351aに定義する。例示的には、第一の端面2111とエンドキャップアセンブリ23との間に距離が存在し、支持部材24全体は、第一の凹部2351の第一の底面2351aと第一の端面2111により形成された隙間内に位置する。
【0110】
ここで、第一の端面2111は、主体211のエンドキャップアセンブリ23に接近する一つの端面であり、タブ212は、第一の端面2111に接続される。主体211の第一の端面2111に対向する他端は、ケース22の底壁と当接するために用いられる。
【0111】
いくつかの実施例では、電極端子232とタブ212が集電部品233によって接続されることによって、電極端子232とタブ212との電気的な接続が実現される場合に、集電部品233の少なくとも一部は、第一の凹部2351内に収容されてもよく、それによって集電部品233がケース22内部に占める空間を減少させ、主体211のためにより多くの空間をあけ、電池セル20のエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0112】
集電部品233の少なくとも一部が第一の凹部2351内に収容されることは、集電部品233の一部が第一の凹部2351内に収容されることであってもよく、集電部品233の全部が第一の凹部2351内に収容されることであってもよい。
【0113】
いくつかの実施例では、第一の凹部2351は、エンドキャップ231に設置されてもよく、支持部材24は、エンドキャップ231と電極アセンブリ21の主体211に直接当接してもよく、このような場合に、エンドキャップ231は、絶縁材質を採用してもよい。無論、エンドキャップアセンブリ23の第一の凹部2351は、エンドキャップアセンブリ23における他の部材に設置されてもよい。
【0114】
いくつかの実施例では、続いて
図5を参照すると、エンドキャップアセンブリ23は、絶縁部材235をさらに含んでもよく、絶縁部材235は、エンドキャップ231の主体211に面する側に設置され、絶縁部材235は、エンドキャップ231と電極アセンブリ21とを分離するように構成され、第一の凹部2351は、絶縁部材235に設置され、支持部材24は、絶縁部材235と主体211との間に位置し、支持部材24は、絶縁部材235と主体211とに当接することによって、絶縁部材235と主体211との両方が互いに接近することを阻止する。
【0115】
絶縁部材235は、エンドキャップ231と電極アセンブリ21とを分離する作用を果たし、エンドキャップ231が電極アセンブリ21と接触して電池セル20の短絡を引き起こすリスクを低減させる。
【0116】
本実施例では、絶縁部材235は、絶縁材質であり、絶縁部材235は、ゴム、プラスチックなどの材質であってもよい。エンドキャップ231は、金属材質、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金などであってもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、絶縁部材235は、第一の本体部2352と第一の凸部2353とを含んでもよい。第一の本体部2352は、その厚さ方向Zにおいて対向して配置される第一の内面2352aと第一の外面2352bを有する。第一の凸部2353は、第一の外面2352bから主体211から離反する方向に沿って突出し、第一の本体部2352の第一の凸部2353に対応する位置には第一の内面2352aから主体211から離反する方向へ凹む第一の凹部2351が形成される。エンドキャップ231上には主体211に面する第二の凹部2311が設けられ、第二の凹部2311は、第一の凸部2353の少なくとも一部を収容するために用いられる。
【0118】
絶縁部材235の第一の凸部2353の設置によって、一方では、第一の本体部2352上の第一の凹部2351の設置位置に対して補強作用を果たすことができ、他方では、第一の凹部2351ができるだけ主体211から離反する方向へ凹むことを許可することができる。なお、第一の凸部2353の少なくとも一部がエンドキャップ231の第二の凹部2311内に収容されるため、このような構造は、絶縁部材235とエンドキャップ231との両方の構造をコンパクトにして、電極アセンブリ21の主体211のためにより多くの空間をあけ、電池セル20のエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0119】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、第一の凹部2351の第一の底面2351aは、第一の外面2352bよりも主体211から離れてもよい。このような構造は、第一の凹部2351が主体211から離反する方向へ第一の凸部2353内に凹むようにさせ、第一の凹部2351の凹み深さを増加させる。
【0120】
他の実施例では、第一の凹部2351の第一の底面2351aは、第一の外面2352bと同一平面であってもよく、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、第一の凹部2351の第一の底面2351aは、第一の外面2352bより主体211にさらに接近してもよい。
【0121】
いくつかの実施例では、続いて
図5を参照すると、エンドキャップ231は、第二の本体部2312と第二の凸部2313とを含んでもよい。第二の本体部2312は、厚さ方向Zにおいて対向して配置される第二の内面2312aと第二の外面2312bを有し、第二の内面2312aは、第一の外面2352bに面する。第二の凸部2313は、第二の外面2312bから主体211から離反する方向に沿って突出し、第二の本体部2312の第二の凸部2313に対応する位置には第二の内面2312aから主体211から離反する方向へ凹む第二の凹部2311が形成される。
【0122】
エンドキャップ231の第二の凸部2313の設置によって、一方では、第二の本体部2312上の第二の凹部2311の設置位置に対して補強作用を果たすことができ、他方では、第二の凹部2311ができるだけ主体211から離反する方向へ凹むことを許可することができる。
【0123】
第二の内面2312aが第一の外面2352bに面することは、第二の内面2312aと第一の外面2352bとの間に距離が存在することであってもよく、第二の内面2312aが第一の外面2352bに当接することであってもよい。第二の内面2312aと第一の外面2352bとの間に距離が存在する場合、第一の凸部2353の一部は、第二の凹部2311内に収容され、第二の内面2312aが第一の外面2352bと当接する場合、第一の凸部の全部は、第二の凹部2311内に収容される。
【0124】
本実施例では、電極端子232は、第二の本体部2312に取り付けられてもよく、第二の凸部2313に取り付けられてもよい。
図5において、例示的には、電極端子232は、第二の凸部2313に取り付けられることによって、電極端子232は、バスバー部材40に接続(例えば、溶接)される。
【0125】
説明を容易にするために、第二の凹部2311の底面を第二の底面2311aに定義する。いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、第二の凹部2311の第二の底面2311aは、第二の外面2312bよりも主体211から離れる。このような構造は、第二の凹部2311が主体211から離反する方向へ第二の凸部2313内に凹むようにさせ、第二の凹部2311の凹み深さを増加させる。
【0126】
他の実施例では、第二の凹部2311の第二の底面2311aは、第二の外面2312bと同一平面であってもよく、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、第二の凹部2311の第二の底面2311aは、第二の外面2312bより主体211にさらに接近してもよい。
【0127】
いくつかの実施例では、続いて
図5を参照すると、支持部材24は、支持部241と分離部242とを含んでもよく、支持部241は、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて主体211に当接するために用いられる。分離部242は、支持部241のエンドキャップアセンブリ23の幅方向Yでの一端に接続され、タブ212は、分離部242を囲んで折り曲げられる。
【0128】
支持部241は、主体211に当接し、主体211がエンドキャップアセンブリ23に面する方向に沿って移動することを阻止するように支持部241は、主体211に対して制限作用を果たす。分離部242は、支持部241の一端に接続されることで、タブ212を折り曲げて分離部242に配置することを容易にすることができ、分離部242は、タブ212に対して制限作用を果たし、タブ212が主体211内に挿入されることを阻止する。
【0129】
支持部材24は、絶縁材質、例えば、ゴム、プラスチックなどを採用してもよい。
【0130】
例示的には、支持部241の一部は、第一の凹部2351内に収容され、分離部242の全部は、第一の凹部2351内に収容される。
【0131】
支持部241が主体211に当接することは、支持部241が主体211に直接当接することであってもよく、支持部241が主体211に間接的に当接することであってもよい。いくつかの実施例では、
図5に示すように、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、支持部241の一端は、主体211の第一の端面2111に直接当接し、支持部241の他端は、第一の凹部2351の第一の底面2351aに直接当接する。別のいくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、支持部241の一端は、主体211の第一の端面2111に直接当接してもよく、支持部241の他端は、第一の凹部2351の第一の底面2351aに当接せず、支持部241の他端と第一の凹部2351の第一の底面2351aとの間に距離が存在してもよく、このような場合に、分離部242は、第一の凹部2351の第一の底面2351aに当接してもよく、例えば、分離部242は、タブ212と集電部品233によって第一の凹部2351の第一の底面2351aに当接し、それによって主体211がエンドキャップアセンブリ23に接近する方向へ移動することを阻止する。
【0132】
分離部242の数を限定せず、一つであってもよく、複数であってもよく、これは、主に電極アセンブリの数により決められる。
【0133】
いくつかの実施例では、タブ212は、第一の折り曲げ部2121と第二の折り曲げ部2122とを含み、第一の折り曲げ部2121は、分離部242の主体211に面する側に位置し、第二の折り曲げ部2122は、第一の折り曲げ部2121と繋がり、第二の折り曲げ部2122は、第一の折り曲げ部2121に対して折り曲げられ、第二の折り曲げ部2122は、分離部242の主体211から離反する側に位置する。
【0134】
互いに接続された第一の折り曲げ部2121と第二の折り曲げ部2122は、分離部242の主体211に面する側と分離部242の主体211から離反する側にそれぞれ位置し、つまり、タブ212は、分離部242を囲んで折り曲げられる時に分離部242の一方側から分離部242の他方側に折り曲げられ、分離部242は、タブ212に対して良い制限作用を果たし、タブ212の迂回経路を延ばすことで、タブ212は、主体211内に挿入されにくい。
【0135】
第二の折り曲げ部2122は、電極端子232に電気的に接続するために用いられる。タブ212が集電部品233によって電極端子232に電気的に接続されることを例にし、第二の折り曲げ部2122は、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて集電部品233と積層して配置され且つ一体に溶接されてもよい。
【0136】
タブ212の少なくとも一部が第一の凹部2351に収容される場合に、第二の折り曲げ部2122の少なくとも一部は、第一の凹部2351内に位置し、第一の折り曲げ部2121は、第一の凹部2351外に位置してもよく、第二の折り曲げ部2122全体は、第一の凹部2351内に位置し、且つ第一の折り曲げ部2121の少なくとも一部は、第一の凹部2351内に位置してもよい。例示的には、
図5において、第二の折り曲げ部2122全体は、第一の凹部2351内に位置し、第一の折り曲げ部2121の一部は、第一の凹部2351内に位置する。
【0137】
いくつかの実施例では、
図6を参照すると、
図6は、
図5に示す支持部材24の正面斜視図であり、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、支持部241の投影面積は、分離部242の投影面積よりも大きい。それで、支持部241は、エンドキャップアセンブリ23と主体211との間で大きい支持範囲を有し、支持部241が主体211とエンドキャップアセンブリ23との間で良い支持能力を有することを確保し、それによって支持部241が主体211を傷つけることを防止する。
【0138】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、支持部241の投影面積は、支持部材24の投影面積の1/3よりも大きい。つまり、支持部材24のうちの1/3の部分は、主体211に対して支持作用を果たすことができ、支持部材24と主体211との密着面積は大きく、それによって主体211のケース22内での安定性を向上させる。
【0139】
いくつかの実施例では、電極アセンブリ21(
図4を参照する)が極性が逆である二つのタブ212(
図4を参照する)を含む場合に、即ち電極アセンブリ21は、正極タブ212aと負極タブ212bとを含み、二つのタブ212は、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xに沿って並列して設置されてもよい。分離部242は、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xに沿って並列して設置される第一の部分2421と第二の部分2422とを含み、二つのタブ212は、第一の部分2421と第二の部分2422をそれぞれ囲んで折り曲げられる。支持部材24は、接続部243をさらに含んでもよく、接続部243は、第一の部分2421と第二の部分2422との間に位置し、接続部243は、二つのタブ212を隔離するために用いられる。接続部243は、電極アセンブリ21の極性が逆である二つのタブ212に対して隔離作用を果たすことができ、二つのタブ212が接触して短絡を引き起こすリスクを低減させる。
【0140】
接続部243は、第一の部分2421、第二の部分2422と支持部241に接続される。接続部243、分離部242と支持部241の三者は、一体成形構造を採用してもよい。
【0141】
例示的には、接続部243と支持部241は、いずれも直線細長形状の構造であり、接続部243は、エンドキャップアセンブリ23の幅方向Yに沿って延び、分離部242は、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xに沿って延びる。
【0142】
選択的に、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、接続部243は、主体211に当接するために用いられる。接続部243は、電極アセンブリ21の二つのタブ212を隔離する作用を果たすだけでなく、主体211を支持する作用を果たし、主体211のケース22内での安定性を向上させる。
【0143】
いくつかの実施例では、電池セル20は、エンドキャップアセンブリ23の幅方向Yに沿って積層して配置される複数の電極アセンブリ21を含む。エンドキャップアセンブリ23の幅方向Yにおいて、支持部241の両端にはいずれも分離部242が設けられ、複数の電極アセンブリ21のうちの一組の電極アセンブリ21のタブ212は、支持部241の一端に位置する分離部242を囲んで折り曲げられ、別の組の電極アセンブリ21のタブ212は、支持部241の他端に位置する分離部242を囲んで折り曲げられる。つまり、支持部材24は、複数の電極アセンブリ21のタブ212に対して制限作用を果たすことができ、電池100の安全性を向上させる。
【0144】
一組の電極アセンブリ21は、一つの電極アセンブリ21であってもよく、複数の電極アセンブリ21であってもよい。
【0145】
エンドキャップアセンブリ23が二つの電極アセンブリ21を含むことを例にし、一つの電極アセンブリ21の正極タブ212aは、支持部241の一端に位置する第一の部分2421を囲んで折り曲げられ、この電極アセンブリ21の負極タブ212bは、支持部241の一端に位置する第二の部分2422を囲んで折り曲げられ、別の電極アセンブリ21の正極タブ212aは、支持部241の他端に位置する第一の部分2421を囲んで折り曲げられ、別の電極アセンブリ21の負極タブ212bは、支持部241の他端に位置する第二の部分2422を囲んで折り曲げられる。
【0146】
いくつかの実施例では、
図6と
図7を参照すると、
図7は、
図5に示す電池セル20のA部局所拡大図であり、支持部241は、主体211に面する第一の表面2411を有し、第一の表面2411は、主体211と当接するように構成される。分離部242は、主体211に面する第二の表面2423を有し、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、第二の表面2423は、第一の表面2411よりも主体211から離れて、収容部244を形成するように構成され、第一の折り曲げ部2121の少なくとも一部は、収容部244内に収容されることによって、第一の表面2411は、主体211と当接するとともに、第一の折り曲げ部2121により占められた空間を減少させることができ、それによって電池セルのエネルギー密度を向上させる。
【0147】
例示的には、支持部材24上の、第一の部分2421と第二の部分2422に対応する位置にはいずれも収容部244が形成されてもよく、第一の部分2421に対応する収容部244は、第一の部分2421、支持部241と接続部243によりともに囲んで形成されてもよく、第二の部分2422に対応する収容部244は、第二の部分2422、支持部241と接続部243によりともに囲んで形成された収容溝であってもよい。
【0148】
選択的に、収容部244は、エンドキャップアセンブリ23の幅方向Yに沿って分離部242のエッジに延びることによって、第一の折り曲げ部2121は、タブ212が分離部242を囲んで折り曲げられる時に収容部244内に収容される。
【0149】
選択的に、第二の表面2423は、第一の折り曲げ部2121と貼り合わせられることで、第一の折り曲げ部2121と第二の表面2423との隙間を除去し、タブ212と分離部242との両方の構造をさらにコンパクトにする。
【0150】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zにおいて、支持部241のサイズは、分離部242のサイズよりも大きい。つまり、支持部241の厚さは、分離部242の厚さより厚く、支持部241が厚いことで支持部241が変形しにくく、さらに支持部241が主体211とエンドキャップアセンブリ23との間で良い支持能力を有することを確保することができ、分離部242が薄いことでタブ212の迂回経路が短く、タブ212を折り曲げて分離部242に配置することを容易にすることができる。
【0151】
いくつかの実施例では、
図8を参照すると、
図8は、
図5に示す支持部材24の反面斜視図であり、支持部材24のエンドキャップアセンブリ23(
図5に示す)に面する側は、支持部材24の強度を補強するための補強部245を有することで、支持部241は、主体211に当接する時に変形しにくく、それによって支持部材24の主体211とエンドキャップアセンブリ23との間での支持能力を向上させる。
【0152】
例示的には、支持部材24のエンドキャップアセンブリ23に面する側には凹溝が設けられ、凹溝は、支持部241内へ凹み、支持部241に対して補強作用を果たすように補強部245は、凹溝内に位置する。補強部245は、複数の板状部材によって縦横に交錯して形成されてもよい。
【0153】
いくつかの実施例では、支持部材24上には支持部材24を貫通する複数のスルーホール246が設けられ、スルーホール246は、ケース22内の電解液が主体211の内部へ流れるために用いられ、つまり、ケース22内の電解液は、スルーホール246によって主体211の内部に入ることができ、ケース22内の電解液が主体211の内部に入ることに有利である。なお、支持部材24上には貫通する複数のスルーホール246が設けられ、支持部材24の一部の材料を除去することに相当し、支持部材24の重さを低減させることに有利である。
【0154】
例示的には、スルーホール246は、支持部材24の厚さ方向Zに沿って支持部材24を貫通する。支持部材24の厚さ方向Zは、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zと一致する。
【0155】
説明すべきこととして、本出願の実施例では、エンドキャップアセンブリ23の厚さ方向Zは、即ち、エンドキャップ231の厚さ方向Zであり、エンドキャップアセンブリ23の長手方向Xは、即ち、エンドキャップ231の長手方向Xであり、エンドキャップアセンブリ23の幅方向Yは、即ち、エンドキャップ231の幅方向Yである。
【0156】
本出願の実施例は、電池セル20の製造方法をさらに提供し、
図9を参照すると、
図9は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造方法のフローチャートであり、この方法は、
S100:主体211とタブ212とを含む電極アセンブリ21を提供することと、
S200:開口を有するケース22を提供することと、
S300:エンドキャップアセンブリ23を提供することと、
S400:支持部材24を提供することと、
S500:タブ212を支持部材24を囲んで折り曲げることと、
S600:電極アセンブリ21をケース22内に収容することと、
S700:エンドキャップアセンブリ23をケース22の開口に被せることとを含み、
ここで、支持部材24は、エンドキャップアセンブリ23と主体211との間に位置し、支持部材24は、主体211がエンドキャップアセンブリ23に面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【0157】
上記方法では、ステップS100、S200、S300とS400の前後順序を限定せず、例えば、まずステップS400を実行し、次にステップS300を実行し、その後ステップS200を実行し、最後にステップS100を実行してもよい。
【0158】
説明すべきこととして、上記実施例による電池セル20の製造方法によって製造された電池セル20の関連構造は、前記各実施例による電池セル20を参照すればよい。
【0159】
なお、本出願の実施例は、電池セル20の製造機器2000をさらに提供し、
図10を参照すると、
図10は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造機器2000の概略ブロック図であり、製造機器2000は、第一の提供装置1100と、第二の提供装置1200と、第三の提供装置1300と、第四の提供装置1400と、組み立て装置1500とを含む。
【0160】
第一の提供装置1100は、主体211とタブ212とを含む電極アセンブリ21を提供するために用いられる。第二の提供装置1200は、開口を有するケース22を提供するために用いられる。第三の提供装置1300は、エンドキャップアセンブリ23を提供するために用いられる。第四の提供装置1400は、支持部材24を提供するために用いられる。組み立て装置1500は、タブ212を支持部材24を囲んで折り曲げるために用いられ、且つエンドキャップアセンブリ23を開口に被せるために用いられる。
【0161】
ここで、支持部材24は、エンドキャップアセンブリ23と主体211との間に位置し、支持部材24は、主体211がエンドキャップアセンブリ23に面する方向に沿って移動することを阻止するように構成される。
【0162】
説明すべきこととして、上記実施例による電池セル20の製造機器2000によって製造された電池セル20の関連構造は、前記各実施例による電池セル20を参照すればよい。
【0163】
説明すべきこととして、衝突しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられる可能である。
【0164】
以上の実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、様々な変更と変化が可能である。本出願の精神と原則の範囲内で行われた任意の修正、同等の置き換え、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0165】
10 筐体
11 下部筐体
12 上部筐体
13 収容空間
20 電池セル
21 電極アセンブリ
22 ケース
23 エンドキャップアセンブリ
24 支持部材
30 電池モジュール
40 バスバー部材
100 電池
200 コントローラ
211 主体
212 タブ
212a 正極タブ
212b 負極タブ
231 エンドキャップ
232 電極端子
232a 正極電極端子
232b 負極電極端子
233 集電部品
234 放圧機構
235 絶縁部材
241 支持部
242 分離部
243 接続部
244 収容部
245 補強部
246 スルーホール
300 モータ
1000 車両
1100 第一の提供装置
1200 第二の提供装置
1300 第三の提供装置
1400 第四の提供装置
1500 装置
2000 製造機器
2110 電池コア本体
2111 第一の端面
2121 曲げ部
2122 曲げ部
2311 第二の凹部
2311a 第二の底面
2312 第二の本体部
2312a 第二の内面
2312b 第二の外面
2313 第二の凸部
2351 第一の凹部
2351a 第一の底面
2352 第一の本体部
2352a 第一の内面
2352b 第一の外面
2353 第一の凸部
2411 第一の表面
2421 第一の部分
2422 第二の部分
2423 第二の表面