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特許7518313検索支援システム、検索支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】検索支援システム、検索支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9032 20190101AFI20240709BHJP
【FI】
G06F16/9032
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024066481
(22)【出願日】2024-04-17
【審査請求日】2024-04-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】景山 泰考
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 侑杜
(72)【発明者】
【氏名】原田 要一
(72)【発明者】
【氏名】大方 知
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 慶人
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特許第7385077(JP,B1)
【文献】特開2003-030314(JP,A)
【文献】特開2014-119894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索支援システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、求人データベースに登録された少なくとも1つの求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付け、
取得ステップでは、前記候補求人に関する求人情報を前記求人データベースから取得し、
提示ステップでは、前記求人情報と参照情報とに基づき、前記候補求人による求人を行う組織に所属する人材又は前記組織外の求職者を含む検索対象者の中から、前記候補求人に適した候補者の検索を行うための推奨条件を提示し、ここで、前記参照情報は、前記求人情報と前記推奨条件との相関関係を含む、検索支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記候補求人に適した求職者の検索を行うための前記推奨条件を提示する、検索支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記求人情報は、求人票を少なくとも含む、検索支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記推奨条件は、推奨キーワードを含む、検索支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記求人情報と前記参照情報に含まれる集団抽出用情報とに基づいて、前記候補求人に推奨される検索対象者の集団を抽出し、さらに、前記集団と前記参照情報に含まれる条件抽出用情報とに基づいて、前記推奨条件を抽出し、
ここで、前記集団抽出用情報は、前記求人情報と前記集団に含まれる検索対象者との相関関係を含み、前記条件抽出用情報は、前記集団と前記推奨条件との相関関係を含む、検索支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検索支援システムにおいて、
前記集団抽出用情報は、前記求人情報を入力とし、前記集団を出力することが可能なように学習された集団抽出モデルであり、
前記提示ステップでは、前記求人情報を前記集団抽出モデルに入力し、前記集団抽出モデルに前記集団を出力させる、検索支援システム。
【請求項7】
請求項5に記載の検索支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記集団に含まれる検索対象者に関する第1検索対象者情報に含まれるキーワードと、前記集団外の検索対象者に関する第2検索対象者情報に含まれるキーワードとを比較して選定したキーワードを前記推奨条件として提示する、検索支援システム。
【請求項8】
請求項5に記載の検索支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記集団に含まれる検索対象者の分布に基づき、前記集団に含まれる検索対象者の属性を示すパラメータの範囲を前記推奨条件として提示する、検索支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記受付ステップでは、前記求人データベースに登録された複数の求人の中から前記候補求人を選択するための入力画面を表示させる、検索支援システム。
【請求項10】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記推奨条件は、職種又は業種の候補を含む第1条件と、少なくとも1つの検索キーワードを含む第2条件とを含み、
前記提示ステップでは、前記求人者による前記第1条件に含まれる候補の選択に基づいて、前記第2条件を再提示する、検索支援システム。
【請求項11】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
検索ステップでは、前記推奨条件に基づいて前記求人者が設定した検索条件によって候補者を検索するとともに、検索された少なくとも一人の候補者に前記候補求人を紐づける、検索支援システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検索支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
スカウト文書作成ステップでは、前記検索ステップでの検索結果に含まれる求職者のうち、前記求人者が選択した求職者に対し、前記候補求人の求人票が予め添付されたスカウト文書を作成する、検索支援システム。
【請求項13】
請求項11に記載の検索支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
リスト登録ステップでは、前記検索ステップでの検索結果に含まれる候補者のうち、前記求人者が選択した候補者を前記候補求人の候補者リストへ追加する、検索支援システム。
【請求項14】
検索支援方法であって、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の検索支援システムが実行する各ステップを備える、検索支援方法。
【請求項15】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の検索支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索支援システム、検索支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、求職者が登録した求職者情報に基づき、求人者が条件に合致する求職者を検索する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-269220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、求人者が要件を満たす求職者を見つけるまでに、検索条件を変えて検索を繰り返す場合があり、検索に要するコストが大きい。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、検索に要するコストを低減できる検索支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、求人データベースに登録された少なくとも1つの求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付ける。取得ステップでは、候補求人に関する求人情報を求人データベースから取得する。提示ステップでは、求人情報と参照情報とに基づき、候補求人による求人を行う組織に所属する人材又は組織外の求職者を含む検索対象者の中から、候補求人に適した候補者の検索を行うための推奨条件を提示する。参照情報は、求人情報と推奨条件との相関関係を含む。
【0007】
このような態様によれば、求人者が候補者を検索したい求人を選択することで、当該求人に適した求職者の検索条件が推奨条件として提示される。そのため、求人者による検索に要するコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】検索支援システム1を表す構成図である。
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】求人者端末20に表示される求職者検索画面SDの一例を示す図である。
図6】求人者端末20に表示される求人選択画面JDの一例を示す図である。
図7】候補求人が選択された状態の求職者検索画面SDの一例を示す図である。
図8】求人データベースに登録された求人票JPの一例を示す図である。
図9】レコードに含まれるインタラクションテーブルITの一例である。
図10】推奨集団に含まれる求職者の年収の分布の一例を示す図である。
図11】求人者端末20に表示される検索条件設定画面CDの一例を示す図である。
図12】推奨条件が検索条件として設定された状態の求職者検索画面SDの一例を示す図である。
図13】求人者端末20に表示される求職者検索結果画面RDの一例を示す図である。
図14】検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0012】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0015】
<検索支援システム1>
図1は、検索支援システム1を表す構成図である。検索支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて相互に通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0016】
検索支援システム1は、例えば、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第2求職者U4)とが利用する求人・求職システムの一部を構成する。検索支援システム1は、求人者による求職者の検索、求人者から求職者へのスカウト文書の送信等を主に行う。一実施形態において、検索支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0017】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0018】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。
【0020】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0021】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0022】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。求人者端末20は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受ける組織に属するユーザである各求人者が、業務において使用する情報処理端末である。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。
【0023】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0024】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0025】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。求職者端末30は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受けるユーザである各求職者が使用する情報処理端末である。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(検索支援システム1が備える少なくとも1つのプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0028】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、受付部112と、取得部113と、提示部114と、検索部115と、スカウト文書作成部116と、リスト登録部117と、人工知能部120とを備える。図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作取得部212とを備える。図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作受付部312とを備える。
【0029】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求人者が作成した求人票及びスカウト文書、求職者が作成した登録情報等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0030】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0031】
<受付部112>
受付部112は、求人者端末20及び求職者端末30からの入力を受け付けるように構成される。具体的には、受付部112は、求人者端末20から、求人データベースに登録された少なくとも1つ(典型的には複数)の求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付ける。
【0032】
候補求人は、求人データベースに含まれる求人のうち、求人者が作成又は登録した求人の中から選択される。求人データベースは、例えば記憶部12に記憶されている。また、求人データベースは、検索支援システム1が構成する求人・求職サービスによって登録又は参照されるデータベースに限定されず、検索支援システム1の外部のサービス(例えば、採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)等の人事系システム・サービス)における、求人が登録されたデータベースであってもよい。つまり、後述される取得部113によって取得される求人情報(典型的には求人票)は、検索支援システム1の外部のサービスからインポートされた求人情報であってもよく、インターネット上で公開されている(つまりインターネットから取得可能な)求人情報であってもよい。
【0033】
受付部112は、求人者端末20からの求人票のデータのアップロードを受け付けてもよい。この場合、アップロードされた求人票が示す求人が候補求人とされる。すなわち、受付部112は、アップロードによって候補求人の選択を受け付けてもよい。また、受付部112は、求人情報のネットワーク上の場所を示すアクセス情報(例えば、採用サイト、採用管理システム等のURL、IPアドレス等)の入力を受け付けてもよい。この場合、受付部112は、ネットワークからダウンロードされた求人情報が示す求人が候補求人とされる。すなわち、受付部112は、アクセス情報の入力によって候補求人の選択を受け付けてもよい。
【0034】
受付部112は、求人データベースに登録された複数の求人の中から候補求人を選択するための入力画面を求人者端末20に表示させるとよい。これにより、求人者が候補求人の選択を容易に行うことができる。
【0035】
具体的には、受付部112は、求人の検索条件の入力を受け付ける画面を求人者端末20に表示させ、求人者から求人の検索条件の入力を受け付け、当該検索条件に基づく求人の検索を実行する。検索実行後、受付部112は、検索結果を含む入力画面を求人者端末20に表示させ、検索結果に含まれる求人の中から、候補求人の選択を受け付ける。
【0036】
図5は、求人者端末20に表示される求職者検索画面SDの一例を示す図である。求職者検索画面SDは、求人選択フィールドJFと、検索条件入力フィールドCFと、検索実行ボタンB13とを含む。求人選択フィールドJFには、求人選択ボタンB11と、検索条件反映ボタンB12とが配置される。
【0037】
求人選択ボタンB11は、候補求人が選択されていない状態で表示されるオブジェクトである。求人選択ボタンB11に対し操作入力が行なわれると、図6の求人選択画面JDが求人者端末20に表示される。検索条件反映ボタンB12は、選択された候補求人に基づく検索条件を作成及び反映するためのボタンである。検索条件反映ボタンB12に対し操作入力が行なわれると、後述される図11の検索条件設定画面CDが求人者端末20に表示される。検索条件設定画面CDは、ポップアップウィンドウ等の態様で、求職者検索画面SDに重なるような態様で表示されてもよい。なお、検索条件反映ボタンB12は、図5の例のように、候補求人が選択されていない場合では、無効状態(例えばグレー表示状態)となり、操作入力を受け付けない。
【0038】
検索条件入力フィールドCFには、職種選択フィールドIFと、業種選択フィールドOFと、キーワード入力フィールドKFと、在籍企業入力フィールドEFと、役職・部署入力フィールドPFと、年齢選択フィールドAFと、性別選択フィールドSFとが含まれる。検索実行ボタンB13に対し操作入力が行なわれると、検索条件入力フィールドCFに入力された検索条件を用いた、検索部115による求職者の検索が実行される。
【0039】
図6は、求人者端末20に表示される求人選択画面JDの一例を示す図である。求人選択画面JDは、検索条件入力フィールドIFと、求人検索ボタンB21と、検索結果表示フィールドRFとを含む。
【0040】
検索条件入力フィールドIFは、求人者端末20から、候補求人の検索条件の入力を受け付ける。候補求人の検索条件としては、例えば、求人名(ポジション名)、識別番号(管理ID)等が挙げられる。検索条件入力フィールドIFに検索条件が入力された状態で、求人検索ボタンB21に対し操作入力が行なわれると、受付部112は、求人者が求人データベースに登録している求人の中から、当該検索条件を満たす求人を検索する。受付部112による求人の検索結果(検索された求人)は、検索結果表示フィールドRFに例えばリスト形式で表示される。なお、検索結果に含まれる求人には、求人の詳細(求人票)を表示させるための詳細確認ボタンB22がそれぞれ付される。
【0041】
求人者は、検索結果表示フィールドRFに表示された求人の中から、推奨条件を提示させるための候補求人を選択する。例えば、求人者は、検索結果表示フィールドRF内において、候補求人とする求人の表示領域に対し選択入力を行う。
【0042】
図7は、候補求人が選択された状態の求職者検索画面SDの一例を示す図である。図7では、求人選択フィールドJFにおいて、求人選択ボタンB11の代わりに、求人者が選択した候補求人OJ(候補求人の求人名)が表示される。また、検索条件反映ボタンB12は、操作入力の受け付けが可能な有効状態となる。
【0043】
<取得部113>
取得部113は、受付部112が受け付けた候補求人に関する求人情報を求人データベースから取得するように構成される。求人情報には、候補求人の求人票のほか、候補求人に関する求人者又は求職者の行動に関する行動履歴等が含まれる。
【0044】
図8は、求人データベースに登録された求人票JPの一例を示す図である。求人票JPには、募集するポジション名、仕事内容・労働条件、応募資格、アピールポイント等の複数の項目が含まれる。なお、求人票JPには、これら以外の他の項目が含まれてもよい。
【0045】
候補求人の行動履歴は、候補求人に基づいて求職者に対して求人者が行った第1インタラクション、及び候補求人に対して求職者が行った第2インタラクションの少なくとも一方を含む。
【0046】
第1インタラクションとしては、求人者による求職者へのスカウト文書の送信、求人者による求職者情報(求職者の登録情報)への候補求人に関連するフラグの付与(お気に入り登録、ブックマーク登録、ターゲットリスト登録等)、求人に対する審査(書類審査、面接審査等)の通過、求人の成約等が挙げられる。ここで、求職者情報には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報が含まれる。なお、「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、求職者情報には、求職者が希望する業種及び職種が含まれてもよい。
【0047】
第2インタラクションとしては、求職者による、求人者から受信したスカウト文書への返信、求職者による求人情報(求人票等)の閲覧、求職者による求人へのフラグの付与(お気に入り登録、ブックマーク登録、ターゲットリスト登録等)、求人への応募等が挙げられる。
【0048】
取得部113が取得する求人情報は、候補求人の求人票を少なくとも含むとよい。これにより、提示部114によって提示される推奨条件の質を高められる。また、取得部113は、候補求人の求人票と、候補求人の行動履歴との双方を求人情報として取得してもよい。
【0049】
<提示部114>
提示部114は、取得部113が取得した求人情報と参照情報とに基づき、候補求人による求人を行う組織外の求職者を含む検索対象者の中から、候補求人に適した候補者の検索を行うための推奨条件を提示するように構成される。
【0050】
検索対象者となる求職者は、例えば記憶部12に記憶された求職者データベースに登録情報が登録されている。推奨条件は、求職者データベースに登録されている求職者の中から、候補求人に適した求職者(候補者となる求職者)を検索するための検索条件である。
【0051】
参照情報は、求人情報と推奨条件との相関関係を含む情報であり、例えば記憶部12に記憶される。参照情報は、例えば、求人情報を入力として、推奨条件を出力可能なように構築された推定器である。参照情報は、例えば、求人情報から抽出される特徴量(ベクトルデータ)と、推奨条件との相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等を含んでもよい。参照情報に含まれる相関関係は、例えば、求人情報と、当該求人情報に紐づけられた検索結果とを記録したデータ(検索ログ)を統計学的に解析することで構築することができる。なお、ベクトルデータは、テキストデータを、形態素解析等による自然言語処理、カテゴリ変数のエンコーディング等の既知の手法によって定量化したベクトル値である。
【0052】
推奨条件は、求職者の検索に用いられる検索条件として設定可能な種々の条件を含む。推奨条件には、例えば、求職者情報に含まれるキーワードに基づいて求職者を検索するための推奨キーワード(推奨クエリ)、求職者の属性に基づいて求職者を検索するための推奨属性等が含まれる。求職者の属性には、例えば、現在又は過去の職種、現在又は過去の業種、現在又は過去の所属組織、保有スキル、保有資格、年収、年齢等が含まれる。
【0053】
推奨条件は、推奨キーワードを含むとよい。すなわち、提示部114は、推奨キーワードを含む推奨条件を提示するとよい。これにより、求人者に候補求人の特徴を言語化したキーワードを提示できるため、求人者自身による検索キーワードの設定が行いやすくなる。
【0054】
参照情報は、求人情報(求人票及び/又は行動履歴)を入力とし、推奨条件を出力することが可能なように学習された、人工知能部120の推奨条件出力モデルであってもよい。この場合、提示部114は、求人情報を推奨条件出力モデルに入力し、推奨条件出力モデルに推奨条件を出力させる。
【0055】
推奨条件出力モデルは、学習用の求人情報と、当該求人情報に紐づけられた推奨条件との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。教師データに用いられる推奨条件は、検索ログに記録されている、実際に使用された検索条件であってもよい。また、検索ログに記録されている検索条件のうち、スカウト文書の送信、スカウト文書への返信、求人者による求職者へのフラグの付与、求職者による求人へのフラグの付与、閲覧、応募、審査(書類審査又は面接審査)の通過、求人成約等の行動が発生した(行動に繋がった)求職者がヒットした検索条件のみを教師データとして用いてもよい。推奨条件出力モデルにおいて、学習によって算出、チューニング等されたパラメータが、参照情報の相関関係を構成する。
【0056】
また、推奨条件出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、提示部114は、求人情報を入力とし、推奨条件を出力する指示を含むプロンプトを推奨条件出力モデルに入力し、推奨条件を推奨条件出力モデルに出力させる。提示部114は、求人情報から推奨条件を作成する指示を推奨条件出力モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを推奨条件出力モデルへ入力してもよい。また、提示部114は、推奨条件の作成・出力指示と求人情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人情報のサンプルと、それに対応する1以上の推奨条件のサンプルとを挿入したプロンプトを推奨条件出力モデルに入力してもよい。推奨条件出力モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、求人情報から推奨条件を作成する。
【0057】
提示部114は、取得部113が取得した求人情報と参照情報に含まれる集団抽出用情報とに基づいて、求職者データベースから候補求人に推奨される求職者(検索対象者)の集団(推奨集団)を抽出し、さらに、推奨集団と参照情報に含まれる条件抽出用情報とに基づいて、推奨条件を抽出するとよい。これにより、実際の求職者の情報に基づいて推奨条件が抽出されるため、提示される推奨条件の質を高められる。
【0058】
<推奨集団の抽出>
集団抽出用情報は、求人情報と推奨集団に含まれる求職者(検索対象者)との第1相関関係を含む情報であり、例えば記憶部12に記憶される。集団抽出用情報は、例えば、求人情報を入力として、推奨集団を出力可能なように構築された推定器である。
【0059】
例えば、提示部114は、まず、求人情報の求人票(つまり候補求人の求人票)に含まれる項目から、当該求人票の属性を判定し、候補求人の求人票と近い属性(同一又は類似の属性)の類似求人が過去に関わった第1インストラクション又は第2インタラクションを、レコードから抽出する。当該レコードは、求人データベースに含まれる多数の求人の行動履歴の集合データであり、例えば、集団抽出用情報の一部として記憶部12に記憶されている。
【0060】
次に、提示部114は、抽出された第1インストラクション又は第2インタラクションに関連している求職者を推奨求職者として抽出する。抽出された複数の推奨求職者からなる集団が、候補求人に推奨される推奨集団とされる。
【0061】
求人票の属性には、例えば、募集職種、募集業種、募集組織、募集部署、募集役職、必要スキル、必要資格、想定年収、募集年齢等が含まれる。属性の近さ(類似の範囲)は、集団抽出用情報において、属性を示すキーワードごとに定義されてもよいし、2つの属性を表すキーワードの特徴量の差(ベクトルの距離)の閾値として定義されてもよい。例えば、募集職種について、互いに類似する職種がテーブル等の形で定義されてもよいし、2つの職種が互いに類似すると判断される特徴量の差の閾値(例えば、コサイン類似度の下限値)が定義されてもよい。
【0062】
求人票同士の属性の近さは、類似判定モデルを用いて判定されてもよい。類似判定モデルは、2つの求人票の類似度を算出することが可能なように学習された学習モデルである。また、提示部114は、候補求人の求人票に含まれるデータをベクトル化したベクトルデータと、その他の求人の求人票に含まれるデータをそれぞれベクトル化したベクトルデータとの距離を測定し、当該距離の近い求人を類似求人として抽出してもよい。
【0063】
「第1インタラクションに関連している求職者」は、例えば、スカウト文書が送信された求職者、求人者によって求職者情報に対してフラグの付与等の操作が行われた求職者、求人に対する審査を通過した求職者、求人が成約した求職者等である。「第2インタラクションに関連している求職者」は、例えば、スカウト文書へ返信した求職者、求人票に対し、閲覧、フラグの付与、応募等の操作を行った求職者等である。
【0064】
レコードには、複数の求人者が行った第1インタラクション及び複数の求職者が行った第2インタラクションの履歴から算出される、求人票の属性ごとの個々の求職者に対するインタラクション率が含まれる。インタラクション率は、当該求職者に対しアクション(例えばスカウト文書の送信)を行った場合に、当該求職者からリアクション(例えばスカウト文書への返信)が行われる可能性を示す。つまり、提示部114は、求職者を検索したい候補求人に対して、候補求人と類似する類似求人がどのような求職者との間でインタラクションが発生したか示すデータ(レコード)に基づき、インタラクションが発生する可能性が高い求職者を抽出する。例えば、インタラクションを「スカウト文書の送信」とすると、提示部114は、過去にスカウト文書を送信した求人と、その求人がどの求職者にスカウト文書を送信したかとのデータの組み合わせに基づき、求職者を検索したい候補求人に対して、スカウト文書の送信が発生する可能性が高い求職者を抽出する。
【0065】
図9は、レコードに含まれるインタラクションテーブルITの一例である。図9AのインタラクションテーブルITには、求職者C1~C4と、求人票J1~J5との組み合わせにおけるインタラクション履歴に基づく集計値が含まれる。表中の数値は、例えば、発生したインタラクションによるポイント(後述)の合計値である。例えば、表中の「0」は、インタラクションが発生していないことを示し、「1」は、インタラクション(例えばスカウト文書への返信)が発生したことを示す。
【0066】
レコードのインタラクションテーブルITに含まれる数値は、第1インタラクションのみに関する数値であってもよいし、第2インタラクションのみに関する数値であってもよい。例えば、インタラクションテーブルITに含まれる数値は、求人者が求職者にスカウトを送信したか否かを1か0で示したものであってもよく、求職者が求人者からのスカウトに返信したか否かを1か0で示したものであってもよい。
【0067】
図9AのインタラクションテーブルITの例では、求人票J1に対しては、求職者C1、C3、C4からのインタラクション(例えばスカウト文書への返信)が行われており、今後のインタラクションが期待できる一方、求職者C2からのインタラクションは行われておらず、今後のインタラクションが期待できない。
【0068】
提示部114は、インタラクションテーブルITと、候補求人の求人票の属性とに基づき、インタラクションが起こり得る求職者(例えば、スカウト文書を送られそうな求職者)を特定する。具体的には、まず、提示部114は、候補求人の求人票の属性とレコードに含まれる求人票の属性との類似度を算出する。詳細には、提示部114は、求人票の属性をベクトル化し、ベクトルに対するコサイン類似度等を用いて、候補求人の求人票とレコードに含まれる複数の求人票との類似度をそれぞれ算出する。
【0069】
類似度の算出後、提示部114は、レコードに含まれる複数の求人票に対応するインタラクションに基づく数値(インタラクション集計値)に、候補求人の求人票との類似度によってそれぞれ重み付けを行う。提示部114は、重み付けされたインタラクション集計値の合計(インタラクション期待値)が大きい求職者を、候補求人の求人票との間でインタラクションが起こり得る求職者として特定する。提示部114は、例えば、インタラクション期待値が高い上位100人を推奨集団として抽出する。なお、推奨集団に含まれる求職者の数は、特に限定されない。
【0070】
図9Aの例において、新たな求人票J6の候補者の検索を行う場合、提示部114は、求人票の照合によって、レコードに記録されている求人票J1~J5に対し、新たな求人票J6との類似度を算出する。例えば、求人票J1~J5それぞれの求人票J6との類似度が、図9Bに示されるとおり、それぞれ0.5、0.3、0.5、0.8、0.2であった場合、求職者C1~C4のインタラクション期待値は、図9Cに示されるように、それぞれ1.2、1.6、1.0、2.3となる。そのため、求人票J6においては、求職者C1~C4の中では、求職者C4が最もインタラクションが起こり得る求職者である。
【0071】
提示部114は、複数の候補求人の求人票の情報を用いて、推奨集団を抽出してもよい。この場合、提示部114は、複数の候補求人の求人票のそれぞれのベクトルを合成したベクトルを、求人票の属性のベクトルとしてもよい。
【0072】
提示部114は、第1インタラクション及び第2インタラクションの種類に応じて設定されたポイントに基づき、推奨集団を抽出してもよい。これにより、求人者側及び求職者側双方のインタラクションに重み付けができるため、推奨に適した求職者を抽出しやすくなる。
【0073】
例えば、提示部114は、スカウト文書が送信された求職者に3点、スカウト文書へ返信した求職者に5点、求人情報を閲覧した求職者に1点のポイントを付し、求職者に付されたポイントの合計が一定値以上、又はポイントの合計による順位が一定以上の求職者を推奨集団として抽出する。つまり、提示部114は、スカウト文書への返信、スカウト文書の送信、及び情報の閲覧の順に、ポイントを高くする。
【0074】
集団抽出用情報は、候補求人の求人情報を入力とし、推奨集団を出力することが可能なように学習された、人工知能部120の集団抽出モデルであってもよい。この場合、提示部114は、候補求人の求人情報を集団抽出モデルに入力し、集団抽出モデルに推奨集団を出力させる。これにより、多数の求人票における推奨集団の抽出事例に基づいた、推奨条件の提示が可能となる。
【0075】
集団抽出モデルは、学習用の求人情報と、当該求人情報に紐づけられた求職者との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。「求人情報に紐づけられた求職者」は、例えば、求人情報が示す求人に基づいてスカウト文書が送信された求職者、求人者によって求職者情報に対して求人情報が示す求人に関するフラグの付与等の操作が行われた求職者、求人情報が示す求人に対する審査を通過した求職者、求人情報が示す求人が成約した求職者、求人情報が示す求人に基づいたスカウト文書へ返信した求職者、求人情報が示す求人に対し、閲覧、フラグの付与、応募等の操作を行った求職者等である。集団抽出モデルにおいて、学習によって算出、チューニング等されたパラメータが、集団抽出用情報の第1相関関係を構成する。集団抽出モデルは、候補求人との間にインタラクションが発生する可能性が高い求職者(例えば、スカウト文書を送信する可能性が高い求職者等)を抽出することができる。
【0076】
特に、集団抽出モデルは、候補求人の求人票を入力とし、レコードを参照して推奨集団を出力することが可能なように学習されるとよい。この場合、提示部114は、求人票を集団抽出モデルに入力し、集団抽出モデルに推奨集団を出力させる。これにより、過去の第1インストラクション又は第2インタラクションの集計を利用して推奨集団を適切に抽出することができる。
【0077】
また、集団抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、提示部114は、求人情報を入力とし、レコードを参照して推奨集団を出力する指示を含むプロンプトを集団抽出モデルに入力し、推奨集団を集団抽出モデルに出力させる。提示部114は、求人情報から推奨集団を作成する指示を集団抽出モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを集団抽出モデルへ入力してもよい。また、提示部114は、推奨集団の抽出・出力指示と求人情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人情報のサンプルと、それに対応する1以上の推奨集団のサンプルとを挿入したプロンプトを集団抽出モデルに入力してもよい。集団抽出モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、求人情報から推奨集団を作成する。
【0078】
<推奨集団からの推奨条件の抽出>
推奨集団からの推奨条件の抽出に用いられる条件抽出用情報は、推奨集団と推奨条件との第2相関関係を含む情報であり、例えば記憶部12に記憶される。条件抽出用情報は、例えば、推奨集団に含まれる求職者情報を入力として、推奨条件を出力可能なように構築された推定器である。
【0079】
提示部114は、条件抽出用情報を参照して、推奨集団に含まれる求職者(検索対象者)に関する第1検索対象者情報に含まれるキーワードと、推奨集団外の求職者(検索対象者)に関する第2検索対象者情報に含まれるキーワードとを比較して選定したキーワードを推奨条件として提示するとよい。これにより、推奨集団に含まれる求職者が検索結果に含まれやすく、かつ、推奨集団に属しない求職者が検索結果に含まれにくくなる検索条件を提示できる。
【0080】
ここで、「推奨集団外の求職者」とは、例えば、ユーザである求人者による検索対象となる全ての求職者のうち、推奨集団に含まれる求職者以外の、残りの全ての求職者である。また、「推奨集団外の求職者」は、推奨集団に含まれない求職者のうち、推奨集団に含まれる求職者と同一又は類似の職種又は業種の経験を有する求職者であってもよい。
【0081】
推奨条件として提示する推奨キーワードの具体的な選定手順は例えば以下のとおりである。まず、提示部114は、自然言語処理により、推奨集団に含まれる求職者情報に含まれる第1キーワードを抽出する。同様に、提示部114は、自然言語処理により、推奨集団に属しない求職者情報に含まれる第2キーワードを抽出する。次に、提示部114は、抽出された第1キーワードのうち、第2キーワードとして抽出されていないキーワードを、推奨キーワードとして抽出し、提示する。
【0082】
提示部114は、上記の比較によって選定したキーワードに対し、推奨集団に含まれる求職者の求職者情報における使用頻度に応じてスコアを付すとともに、スコアが高いキーワードを推奨キーワードとして優先的に提示してもよい。これにより、推奨集団に含まれる求職者の検索精度を高めることができる。具体的には、提示部114は、スコアが一定以上のキーワード、又はスコアを高い順に並べた場合の順位が一定以上のキーワードを推奨キーワードとして提示する。また、提示部114は、選定した全てのキーワードをスコアが高い順に提示してもよい。推奨キーワードとして提示するためのスコアの閾値又は順位は、条件抽出用情報において定義される。さらに、提示部114は、提示対象となった複数の推奨キーワードをスコアの高い順で求人者に提示してもよい。
【0083】
提示部114は、選定したキーワードに対し、推奨集団に含まれる求職者の登録情報における使用頻度が高いほどスコアを高くするとよい。これにより、推奨集団に含まれる求職者と、これらの求職者に近い属性を有する求職者とが検索されやすくなる。
【0084】
さらに、提示部114は、選定したキーワードに対し、推奨集団外の求職者の登録情報に含まれる使用頻度が低いほどスコアを高くするとよい。これにより、推奨集団に属さない求職者が検索されにくくなる。なお、提示部114は、推奨キーワードの選定において、必ずしも推奨集団外の求職者の登録情報を参照しなくてもよい。提示部114は、例えば、推奨集団に含まれる求職者の求職者情報(レジュメ等)を自然言語解析等することで推奨キーワードを抽出し、抽出した推奨キーワードを求職者情報における登場頻度等に基づいてスコアリングし、スコアが高い順に推奨キーワードを求人者端末20に提示してもよい。
【0085】
また、提示部114は、推奨集団に含まれる求職者(検索対象者)の分布に基づき、推奨集団に含まれる求職者(検索対象者)の属性を示すパラメータの範囲を推奨条件として提示するとよい。これにより、推奨集団に含まれる求職者の分布から、特定の範囲に属する求職者の人数が多いボリュームゾーンを指定する条件を、推奨条件として提示することが可能となる。パラメータ範囲を設定するための求職者の人数の閾値(つまり、推奨条件として設定するパラメータ範囲に関する閾値)は、条件抽出用情報において定義される。
【0086】
「求職者の属性を示すパラメータ」としては、例えば、年収等が挙げられる。図10は、推奨集団に含まれる求職者の年収の分布の一例を示す図である。求職者の年収は、求職者情報(履歴書又は職務経歴書)に記載された求職者の現在の年収から抽出される。図10Aの分布例DTでは、提示部114は、年収が600万から1200万円の範囲が、該当する求職者の人数が多いボリュームゾーン(求職者の属性を示すパラメータ)と判定し、この範囲を推奨条件として提示する。なお、ボリュームゾーンを判定する閾値として、求職者の人数や、求職者の人数の全体に対する割合の数値等が予め設定されてもよい。提示部114は、この閾値に基づき、ボリュームゾーンを判定し、判定されたボリュームゾーンを推奨条件として提示してもよい。
【0087】
また、求職者の分布は、2以上の項目を軸として用いたものであってもよい。例えば、図10Bに示されるように、提示部114は、推奨集団に含まれる求職者の年収と職種との分布を示すヒートマップHMを用いて、推奨条件として設定される年収の範囲に対し、この範囲に含まれる求職者の人数が多い職種を推奨条件として提示してもよい。図10BのヒートマップHMは、求職者情報に含まれる年収の情報と、職種の種類の情報とを軸とし、推奨集団に含まれる求職者の分布を示している。例えば、提示部114は、検索条件として「600~1200万円」という年収の範囲と、この年収の範囲で求職者が多い「職種A」、「職種C」及び「職種D」とを検索条件として提示する。また、提示部114は、職種に変えて、年収と業種との分布に基づいて、年収の範囲と業種とを推奨条件として提示してもよい。さらに、年収、職種及び業種以外の求職者情報に含まれる項目についての求職者の分布に基づき、推奨条件が提示されてもよい。このように、求職者の分布として用いられる項目は、数値で表される項目には限られない。
【0088】
条件抽出用情報は、推奨集団を入力とし、推奨条件を出力することが可能なように学習された、人工知能部120の条件抽出モデルであってもよい。この場合、提示部114は、推奨集団に含まれる求職者情報を条件抽出モデルに入力し、条件抽出モデルに推奨条件を出力させる。これにより、推奨集団からの推奨条件の抽出事例に基づいた、推奨条件の提示が可能となる。
【0089】
条件抽出モデルは、学習用の推奨集団と、当該推奨集団に紐づけられた推奨条件との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。条件抽出モデルにおいて、学習によって算出、チューニング等されたパラメータが、条件抽出用情報の第2相関関係を構成する。
【0090】
また、条件抽出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、提示部114は、推奨集団に含まれる複数の求職者情報を入力とし、推奨条件を出力する指示を含むプロンプトを条件抽出モデルに入力し、推奨条件を条件抽出モデルに出力させる。提示部114は、推奨集団から推奨条件を作成する指示を条件抽出モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを条件抽出モデルへ入力してもよい。また、提示部114は、推奨条件の抽出・出力指示と推奨集団とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の推奨集団のサンプルと、それに対応する1以上の推奨条件のサンプルとを挿入したプロンプトを条件抽出モデルに入力してもよい。条件抽出モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、推奨集団から推奨条件を作成する。
【0091】
なお、提示部114は、推奨集団に含まれる求職者の統計的データを、個人が特定されない形で求人者端末20に表示させてもよい。統計的データとしては、例えば、年収(平均、最高、又は最低)、出身業界ごと又は企業ごとの人数等が挙げられる。
【0092】
提示部114は、作成した検索条件をユーザである求人者に提示する前に、当該推奨条件を用いて求職者を検索した検索結果を用いて、当該推奨条件を修正し、修正した推奨条件を求人者に提示してもよい。これにより、推奨集団に含まれる求職者の検索精度が高められるため、求人者が検索に要するコスト低減が促進される。
【0093】
具体的には、提示部114は、推奨集団に基づいて作成した推奨条件に含まれる推奨キーワード、パラメータ範囲等を用いて、検索部115に検索を実行させる。提示部114は、検索部115が得た検索結果における、推奨集団に含まれる求職者の割合等に応じて、推奨条件に含まれる推奨キーワード及びパラメータ範囲に対する、変更、追加又は削除を実行する。
【0094】
より詳細には、提示部114は、検索結果に含まれる求職者のうち、推奨集団に含まれる求職者の数に基づいて、推奨条件を修正し、修正した推奨条件を求人者に提示するとよい。これにより、推奨集団に含まれる推奨求職者が一定数以上検出されることが確保された推奨条件を提示することができる。例えば、提示部114は、検索結果に予め定めた閾値以上の推奨求職者が含まれる(又は、全ての推奨求職者の数に対する、検索結果に含まれる推奨求職者の割合が閾値以上となる)ようになるまで、検索結果の修正と、検索の実行とを繰り返す。また、提示部114は、検索結果の表示順における上位の一定の範囲に含まれる推奨求職者の数に基づいて、推奨条件の修正の要否を判断してもよい。推奨条件の修正の完了後、提示部114は、修正した推奨条件を求人者端末20に提示する。
【0095】
推奨条件の修正フローでは、提示部114は、推奨求職者の求職者情報(履歴書及び職務経歴書)を参照して、推奨条件を修正する。例えば、提示部114は、求職者情報における使用頻度に応じたスコアに基づく推奨キーワードの選定において、採用する推奨キーワードのスコアの基準(閾値)を修正する(低くする)といった調整を行う。
【0096】
提示部114は、推奨条件と当該推奨条件における求職者の検索結果とを人工知能部120の条件修正モデルに入力し、条件修正モデルに修正された推奨条件を出力させてもよい。条件修正モデルは、推奨条件とその検索結果とを入力とし、修正された推奨条件を出力することが可能なように学習された学習モデルであり、学習用の推奨条件及び検索結果と、当該推奨条件及び当該検索結果に紐づけられた修正後の推奨条件との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。
【0097】
また、条件修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、提示部114は、推奨条件及びその検索結果を入力とし、修正された推奨条件を出力する(推奨条件を再出力する)指示を含むプロンプトを条件修正モデルに入力し、推奨条件を条件修正モデルに出力させる。提示部114は、推奨条件及び検索結果から修正された推奨条件を作成する指示を条件修正モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを条件修正モデルへ入力してもよい。また、提示部114は、推奨条件の修正・出力指示と推奨条件及び検索結果とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の推奨条件及び検索結果のサンプルと、それに対応する1以上の修正後の推奨条件のサンプルとを挿入したプロンプトを条件修正モデルに入力してもよい。条件修正モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、推奨条件及び検索結果から修正された推奨条件を作成する。
【0098】
提示部114は、職種又は業種の候補を含む第1条件と、少なくとも1つの検索キーワードを含む第2条件とを含む推奨条件を提示するとよい。さらに、提示部114は、ユーザである求人者による第1条件に含まれる候補の選択に基づいて、第2条件を再提示するとよい。これにより、ユーザである求人による職種又は業種の選択に基づいて、検索キーワードを再提示できる。その結果、求人に適した求職者を検索可能な推奨条件の提示精度が高められる。
【0099】
提示部114は、例えば、求人情報の入力に対し推奨条件を出力する推奨条件出力モデルに、第1条件と第2条件とを出力させてもよいし、条件抽出用情報(条件抽出モデルを含む)を用いて、上述の手順で第1条件と第2条件とを推奨集団から抽出してもよい。
【0100】
提示部114は、例えば、再提示用情報を参照して、第1条件に含まれる候補の中から選択された、少なくとも1つの職種又は業種に対応する推奨キーワードを設定し、当該推奨キーワードを第2条件として求人者端末20に再提示する。「職種又は業種に対応する推奨キーワード」は、例えば、再提示用情報に含まれるテーブルにおいて職種又は業種ごとに関連付けられたキーワードであってもよいし、職種又は業種を表すキーワードの特徴量(例えばベクトルデータ)と近い特徴量を有する(例えば、コサイン類似度が再提示用情報に含まれる閾値以上)のキーワードであってもよい。
【0101】
再提示用情報は、職種又は業種を入力とし、推奨キーワード(第2条件)を出力することが可能なように学習された、人工知能部120の再提示モデルであってもよい。この場合、提示部114は、求人者が選択した職種又は業種を再提示モデルに入力し、再提示モデルに再提示用の推奨キーワードを出力させる。
【0102】
再提示モデルは、学習用の職種又は業種と、当該職種又は当該業種に紐づけられた推奨キーワードとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。また、再提示モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、提示部114は、職種又は業種を入力とし、推奨キーワードを出力する指示を含むプロンプトを再提示モデルに入力し、推奨キーワードを再提示モデルに出力させる。提示部114は、職種又は業種から推奨キーワードを作成する指示を再提示モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを再提示モデルへ入力してもよい。また、提示部114は、推奨キーワードの作成・出力指示と職種又は業種とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の職種又は業種のサンプルと、それに対応する1以上の推奨キーワードのサンプルとを挿入したプロンプトを再提示モデルに入力してもよい。再提示モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、職種又は業種から推奨キーワードを作成する。
【0103】
図11は、求人者端末20に表示される検索条件設定画面CDの一例を示す図である。検索条件設定画面CDは、職種選択領域OAと、業種選択領域IAと、キーワード入力領域KAと、解除ボタンB31と、決定ボタンB32とを含む。
【0104】
職種選択領域OAには、提示部114によって作成された推奨条件に含まれる、職種の候補(第1条件の一部)が表示される。ユーザである求人者は、個々の候補に付されたチェックボックスに対する操作入力を行う(チェックボックスにチェックを入れる)ことで、検索条件(職種の絞り込み条件)として用いる候補を選択することができる。また、求人者は、職種選択領域OAのタイトル(「おすすめ職種」)に付されたチェックボックスにチェックを入れることとで、提示された全ての職種の候補を選択することができる。なお、全ての職種を選択しない(職種による絞り込みを行なわない)ことも可能である。
【0105】
業種選択領域IAには、提示部114によって作成された推奨条件に含まれる、業種の候補(第1条件の一部)が表示される。職種選択領域OAと同様に、求人者は、個々の候補に付されたチェックボックスにチェックを入れることで、検索条件(業種の絞り込み条件)として用いる候補を選択することができる。また、求人者は、業種選択領域IAのタイトル(「おすすめ業種」)に付されたチェックボックスにチェックを入れることとで、提示された全ての業種の候補を選択することができる。なお、全ての業種を選択しない(業種による絞り込みを行なわない)ことも可能である。
【0106】
キーワード入力領域KAには、提示部114によって作成された推奨条件に含まれる、推奨キーワード(第2条件)が表示される。推奨キーワードは、AND条件枠AC又はOR条件枠OCのいずれかに初期状態(検索条件設定画面CDが表示された直後の状態)で配置される。図11の例では、OR条件枠OCに推奨キーワードが初期配置されているが、AND条件枠ACに推奨キーワードが初期配置されてもよい。また、AND条件枠AC及びOR条件枠OCのそれぞれに、推奨キーワードが初期配置されてもよい。さらに、AND条件枠ACに初期配置される推奨キーワードと、OR条件枠OCに初期配置される推奨キーワードとは異なっていてもよい。つまり、提示部114は、AND条件で組み合わせられる推奨キーワード群と、OR条件で組み合わせられる推奨キーワード群とをそれぞれ提示してもよい。
【0107】
求人者は、キーワード入力領域KAのタイトル(「おすすめキーワード」)に付されたチェックボックスにチェックを入れることで、推奨キーワードを検索条件の候補として設定(有効化)する。初期状態では、タイトルに付されたチェックボックスはチェックされており、推奨キーワードが有効化されている。
【0108】
提示部114は、AND条件枠AC及びOR条件枠OCに対する入力(求人者端末20の入力部24による推奨キーワードの編集、追加、又は削除)を受け付けてもよい。また、提示部114は、ドラッグ操作等によって、AND条件枠ACからOR条件枠OCへの推奨キーワードの移動、又はOR条件枠OCからAND条件枠ACへの推奨キーワードの移動を受け付けてもよい。
【0109】
職種選択領域OA又は業種選択領域IAにおいて、職種又は業種が選択されると、提示部114は、選択された職種又は業種に対応する推奨キーワード(第2条件)をキーワード入力領域KAに再提示する。すなわち、提示部114は、職種又は業種の選択に応じて、キーワード入力領域KAを更新し、推奨キーワードを置き換える。再提示される推奨キーワードは、AND条件枠ACに表示されてもよいし、OR条件枠OCに表示されてもよい。
【0110】
解除ボタンB31に対し操作入力が行なわれると、職種、業種、及び推奨キーワードの全てのチェックボックスのチェック(検索条件としての候補設定)が解除される。決定ボタンB32に対し操作入力が行なわれると、チェックボックスがチェックされた(検索条件として候補設定された)推奨条件が、求職者検索画面SDの検索条件入力フィールドCFに反映される。
【0111】
図12は、推奨条件が検索条件として設定された状態の求職者検索画面SDの一例を示す図である。図12の求職者検索画面SDは、図7の求職者検索画面SDの検索条件入力フィールドCFに、検索条件設定画面CDで設定された検索条件(職種、業種、及び検索キーワード)が入力されたものであり、例えば、図11の求職者検索画面SDの決定ボタンB32への操作入力を受けて、求人者端末20に表示される。なお、職種及び業種の条件については、個々に、経験年数設定オブジェクトYEと、削除ボタンDBが付される。経験年数設定オブジェクトYEは、例えば、求人者がプルダウンリストから、個々の職種又は業種の検索条件とする経験年数を選択するためのオブジェクトである。経験年数設定オブジェクトYEにより、設定した職種や業種ごとに、経験年数を個別に指定することができるため、柔軟な検索条件の設定が可能となる。削除ボタンDBは、職種又は業種を検索条件から削除するためのオブジェクトである。
【0112】
検索を実行する検索部115は、推奨条件が挿入された求職者検索画面SDにおいて、ユーザである求人者から検索条件の編集を受け付ける。そのため、求人者は、求職者検索画面SDに挿入された(つまり提示部114によって提示された)検索条件をそのまま使用して検索を実行してもよいし、当該検索条件を編集してから検索を実行してもよい。
【0113】
<検索部115>
検索部115は、求人者が入力した検索条件に基づいて、求職者データベースに対する求職者検索を実行するように構成される。具体的には、検索部115は、推奨条件に基づいて求人者が設定した検索条件によって候補者(本実施形態では求職者)を検索するとともに、検索された少なくとも一人の候補者に候補求人を紐づける。これにより、検索結果で得られた候補者(求職者)に対する求人者のアクション等を、求人者が選択した候補求人の求人情報に紐づけて管理又は実行することができる。具体的には、求人者が選択した候補求人の求人票と、提示された推奨条件と、検索に使用された検索条件と、ヒットした求職者のリストとが紐づけて記憶される。
【0114】
検索部115による検索結果は、求人者が選択した候補求人の情報と紐づけられて少なくとも一時的に記憶部12等に記憶される。検索結果から実行されるアクション(登録情報の閲覧、スカウト文書の作成、候補者リストへの追加等)では、当該検索結果に紐づけられた候補求人の情報が適宜参照される。
【0115】
図13は、求人者端末20に表示される求職者検索結果画面RDの一例を示す図である。求職者検索結果画面RDには、アクション入力領域AAと、求職者情報表示領域JAとが含まれる。
【0116】
アクション入力領域AAは、検索結果に含まれる複数の求職者に対するアクションを一括で受け付けるための領域である。アクション入力領域AAには、求職者選択オブジェクトSOと、スカウト送信ボタンB41と、ターゲットリスト追加ボタンB42と、情報出力ボタンB43とが配置される。求職者選択オブジェクトSOは、検索結果に含まれる全求職者(図13の例では100人の求職者)を、アクションの対象者として一括選択する操作入力を受け付ける。一括選択が行われると、求職者選択オブジェクトSOに付されたチェックボックスがチェックされる。また、求職者情報表示領域JAにおいて、一括選択の対象となった求職者のチェックボックスもチェックされる。
【0117】
スカウト送信ボタンB41は、選択された求職者(アクション対象の求職者)に対し、スカウト文書を一括作成するためのボタンである。スカウト送信ボタンB41に対し操作入力が行なわれると、スカウト文書作成部116によるスカウト文書の作成が実行される。
【0118】
ターゲットリスト追加ボタンB42は、選択された求職者(アクション対象の求職者)を、ターゲットリストへ一括登録するためのボタンである。ターゲットリスト追加ボタンB42に対し操作入力が行なわれると、リスト登録部117による求職者の候補者リストへの追加が実行される。
【0119】
情報出力ボタンB43は、選択された求職者(アクション対象の求職者)の情報を別画面、又はデータ(例えばPDFデータ)として一括出力するためのボタンである。情報出力ボタンB43に対し操作入力が行なわれると、選択された求職者の情報が求人者端末20等に出力される。
【0120】
<スカウト文書作成部116>
スカウト文書作成部116は、求人者が選択した求職者に対するスカウト文書を作成及び送信するように構成される。スカウト文書は、検索支援システム1に登録された、求人の候補者となる求職者に送信される。
【0121】
具体的には、スカウト文書作成部116は、検索部115による検索結果に含まれる求職者のうち、求人者が選択した求職者に対し、候補求人の求人票が予め添付されたスカウト文書を作成する。これにより、求人者がスカウト文書に求人票を添付する(添付する求人票を選択する)手間を省くことができる。そのため、求職者の検索前に候補求人を選択することで、求職者の検索からスカウト文書の送信までを求人者が効率的に実行することができる。
【0122】
スカウト文書作成部116は、検索部115が記憶した紐づけ情報(求人者が選択した候補求人の求人票、提示された推奨条件、検索に使用された検索条件、及びヒットした求職者のリスト)に、さらにスカウト文書の送信対象として選択された求職者を紐づけて記憶する。スカウト文書作成部116は、選択された求職者に対するスカウト文書作成の指示を受ける(例えば、求人者によってスカウト送信ボタンB41に対し操作入力が実行される)と、当該求職者に紐づいて記憶されている求人票を取得し、作成されるスカウト文書に予め添付する。
【0123】
スカウト文書作成部116は、求人者端末20から文字等の入力を受け付けることでスカウト文書を作成してもよいし、候補求人の求人票を人工知能部120のスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルにスカウト文書を出力させてもよい。スカウト文書作成部116は、職種ごとや業種ごとに、スカウト文面のテンプレート又はスカウト文書作成モデルを用意してもよい。
【0124】
スカウト文書作成モデルは、求人票を入力とし、スカウト文書を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、スカウト文書作成モデルは、学習用の求人票と、当該求人票に対応するスカウト文書のデータとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。
【0125】
また、スカウト文書作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、求人票を入力とし、スカウト文書を出力する指示を含むプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書をスカウト文書作成モデルに出力させる。スカウト文書作成部116は、求人票からスカウト文書を作成する指示をスカウト文書作成モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトをスカウト文書作成モデルへ入力してもよい。また、スカウト文書作成部116は、スカウト文書の作成・出力指示と求人票とに加え、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のスカウト文書のサンプルとを挿入したプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力してもよい。スカウト文書作成モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、求人票からスカウト文書を作成する。スカウト文書作成部116は、大規模言語モデルであるスカウト文書作成モデルに、スカウト文書の送信先の求職者の情報をさらに入力し、スカウト文書作成モデルに求職者の情報に沿ったスカウト文書を作成させてもよい。
【0126】
スカウト文書作成部116は、求人者等が手動で作成したスカウト文書や既存のスカウト文書に候補求人の求人票を添付してもよいし、上述したスカウト文書作成モデルが出力した(つまり自動生成された)スカウト文書に候補求人の求人票を添付してもよい。求人者等が手動で作成したスカウト文書に候補求人の求人票を添付する場合、スカウト文書作成部116は、求人者端末20の入力部24によって求人者等が文章を入力することで作成されたスカウト文書を取得し、取得したスカウト文書に、取得部113が取得した求人票を添付する。また、既存のスカウト文書に求人票を添付する場合、スカウト文書作成部116は、求人者端末20からのファイルのアップロード等の手段により既存のスカウト文書を取得し、取得した既存のスカウト文書に、取得部113が取得した求人票を添付する。
【0127】
また、スカウト文書作成モデルは、候補求人の求人票が添付されたスカウト文書を出力することが可能なように学習された学習モデルであってもよい。つまり、スカウト文書作成部116は、求人票をスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルに求人票が添付されたスカウト文書を出力させてもよい。あるいは、スカウト文書作成部116は、既存のスカウト文書と求人票とをスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルに、求人票が添付されたスカウト文書を出力させてもよい。
【0128】
<リスト登録部117>
リスト登録部117は、求人者が選択した求職者を、求人ごとの候補者リストへ追加するように構成される。具体的には、リスト登録部117は、検索部115による検索結果に含まれる候補者(本実施形態では求職者)のうち、求人者が選択した候補者を候補求人の候補者リストへ追加する。これにより、求人者が求職者候補者リストに登録する際に、対象の求人(候補者リスト)を選択する手間を省くことができる。そのため、求職者の検索前に候補求人を選択することで、求職者の検索から候補者リストへの追加までを求人者が効率的に実行することができる。
【0129】
候補者リストに含まれる求職者は、求人者が候補ラベル(ブックマーク)の付与対象として選択する(つまり、候補ラベルを付与するように指示した)求職者である。候補ラベルが付与された求職者は、求人ごとに用意される候補者リストに登録される。候補者リストは、例えば、お気に入りリスト、ブックマークリスト、ターゲットリスト等と呼称される。登録求人者は、候補者リストを参照することで、候補ラベルが付与された求職者(候補者)の中から、登録情報の閲覧、スカウト文書の作成及び送信等の行動を取るための求職者を選択することができる。
【0130】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0131】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等の学習モデルを備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0132】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0133】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0134】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。LLMは、テキストデータ等で構成される大規模なデータ(例えば、(i)インターネット上にあるWebコンテンツ、又は、(ii)所定のデータベースに蓄積されたデータ)を事前に大量に学習した学習モデルであり、タスクを与えることで様々な言語処理タスクを実行することができるものであり、与えられたプロンプトにしたがって、文章のパターンや文脈の把握、質問への応答、文章の生成等の幅広い自然言語処理タスクを行うことができる。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0135】
人工知能部120に含まれる学習モデル(集団抽出モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、転移学習又はファインチューニングとして追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな求職者の登録情報、求人票の登録等が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される情報の精度が向上する。
【0136】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、元となる学習モデルを用いた知識蒸留(Knowledge Distillation)により得られた学習モデル(蒸留モデル)であってもよい。知識蒸留では、大規模言語モデルなどの、学習済みモデルを教師モデルとし、教師モデルの出力(Sоft Target)に対する生徒モデル(蒸留モデル)の出力の損失(Sоft Target Loss)が小さくなるように、生徒モデルのパラメータを調整することで、生徒モデルの学習が行われ、その生徒モデルが蒸留モデルとなる。また、教師データ(学習モデルの入力データと出力データとの組合わせ)の正解ラベル(Hard Target)に対する生徒モデルの出力の損失(Hard Target Loss)が小さくなるように生徒モデルの学習が行われてもよい。蒸留モデルは、元となる学習モデル(教師モデル)に比べて、当該学習モデルと近い性能をもちつつ、パラメータ数が小さく、処理負荷が小さくなる。そのため、蒸留モデルを用いることで、検索支援システム1のコストを低減できる。
【0137】
例えば、集団抽出モデル等は、大規模言語モデルにおける入力データと出力データとの組み合わせを教師データとして学習された蒸留モデルであってもよい。また、検索支援システム1の導入時には集団抽出モデル等として大規模言語モデルを使用し、当該大規模言語モデルによる教師データが蓄積された時点で、当該教師データによる知識蒸留によって得られた蒸留モデルを集団抽出モデル等として使用してもよい。
【0138】
<表示部>
求人者端末20の表示部211及び求職者端末30の表示部311は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0139】
<操作取得部>
求人者端末20の操作取得部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。求職者端末30の操作受付部312は、求職者端末30を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0140】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0141】
この情報処理は、受付ステップと、取得ステップと、提示ステップと、検索ステップとを備える。受付ステップでは、求人データベースに登録された複数の求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付ける。取得ステップでは、候補求人に関する求人情報を求人データベースから取得する。提示ステップでは、求人情報と参照情報とに基づき、候補求人に適した求職者の検索を行うための推奨条件を提示する。検索ステップでは、推奨条件に基づいて求人者が設定した検索条件によって求職者を検索するとともに、検索された少なくとも一人の求職者に候補求人を紐づける。
【0142】
図14は、検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0143】
求職者の検索処理は、ユーザである求人者による候補求人の選択から開始される。求人者は、求人者端末20において、求人データベースに登録された求人の中から、候補求人を選択する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20から候補求人の選択を受け付け、候補求人に関する求人情報を求人データベースから取得する(アクティビティA102)。
【0144】
求人情報の取得後、サーバ装置10は、求人情報と参照情報とに基づき、推奨条件を作成する(アクティビティA103)。続いて、サーバ装置10は、推奨条件を求人者端末20に出力する(アクティビティA104)。これにより、推奨条件が求人者端末20に表示(提示)される(アクティビティA105)。
【0145】
求人者は、提示された推奨条件を求人者端末20において適宜編集し、検索条件を設定する(アクティビティA106)。検索条件の設定後、求人者は、求人者端末20において検索の実行指示を入力する(アクティビティA107)。サーバ装置10は、検索の実行指示を受けて、設定された検索条件にて求職者の検索を実行する(アクティビティA108)。続いて、サーバ装置10は、検索結果を求人者端末20に出力する(アクティビティA109)。これにより、求職者の検索結果が求人者端末20に表示される(アクティビティA110)。
【0146】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、求人者が候補者を検索したい求人を選択することで、当該求人に適した求職者の検索条件が推奨条件として提示される。そのため、求人者による検索に要するコストが低減される。
【0147】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0148】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、例えば、人工知能のサービスサーバによって提供され、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、人工知能のサービスを実行する要求を受け付け、処理結果として指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。人工知能のサービスサーバは、学習モデルとして言語モデルを用いてサービスを提供するサーバであってもよいし、言語モデルを用いて言語処理タスクを実行するサーバであってもよい。人工知能のサービスサーバは、LLMによって構築されてもよい。人工知能のサービスサーバは、テキスト、画像、音声等によるプロンプトの入力を受け付け、当該プロンプトに対する回答を生成して応答する。
【0149】
制御部11は、候補求人による求人を行う組織に所属する人材を検索対象者としてもよい。つまり、提示部114は、候補求人に適した組織内人材の検索を行うための推奨条件を提示してもよい。検索対象者となる組織内人材は、例えば記憶部12に記憶された人材データベースに人材情報が登録されている。また、検索部115は、求人者が入力した検索条件に基づいて、人材データベースに対する組織内人材検索を実行し、組織内人材の検索結果を求人者端末20に表示させてもよい。このように、検索対象者及び候補者を組織内人材とする場合は、上記実施形態における「求職者」を適宜「組織内人材」に置き換えることで、各部の処理が実現される。
【0150】
制御部11は、検索部115において、必ずしも検索された候補者(つまり検索結果)に候補求人を紐づけなくてもよい。
【0151】
本実施形態の態様は、検索支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。求職支援方法は、検索支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、検索支援システム1の各ステップを実行させる。
【0152】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0153】
(1)検索支援システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、受付ステップでは、求人データベースに登録された少なくとも1つの求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付け、取得ステップでは、前記候補求人に関する求人情報を前記求人データベースから取得し、提示ステップでは、前記求人情報と参照情報とに基づき、前記候補求人による求人を行う組織に所属する人材又は前記組織外の求職者を含む検索対象者の中から、前記候補求人に適した候補者の検索を行うための推奨条件を提示し、ここで、前記参照情報は、前記求人情報と前記推奨条件との相関関係を含む、検索支援システム。
【0154】
(2)上記(1)に記載の検索支援システムにおいて、前記提示ステップでは、前記候補求人に適した求職者の検索を行うための前記推奨条件を提示する、検索支援システム。
【0155】
(3)上記(1)又は(2)に記載の検索支援システムにおいて、前記求人情報は、求人票を少なくとも含む、検索支援システム。
【0156】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記推奨条件は、推奨キーワードを含む、検索支援システム。
【0157】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記提示ステップでは、前記求人情報と前記参照情報に含まれる集団抽出用情報とに基づいて、前記候補求人に推奨される検索対象者の集団を抽出し、さらに、前記集団と前記参照情報に含まれる条件抽出用情報とに基づいて、前記推奨条件を抽出し、ここで、前記集団抽出用情報は、前記求人情報と前記集団に含まれる検索対象者との相関関係を含み、前記条件抽出用情報は、前記集団と前記推奨条件との相関関係を含む、検索支援システム。
【0158】
(6)上記(5)に記載の検索支援システムにおいて、前記集団抽出用情報は、前記求人情報を入力とし、前記集団を出力することが可能なように学習された集団抽出モデルであり、前記提示ステップでは、前記求人情報を前記集団抽出モデルに入力し、前記集団抽出モデルに前記集団を出力させる、検索支援システム。
【0159】
(7)上記(5)又は(6)に記載の検索支援システムにおいて、前記提示ステップでは、前記集団に含まれる検索対象者に関する第1検索対象者情報に含まれるキーワードと、前記集団外の検索対象者に関する第2検索対象者情報に含まれるキーワードとを比較して選定したキーワードを前記推奨条件として提示する、検索支援システム。
【0160】
(8)上記(5)又は(6)に記載の検索支援システムにおいて、前記提示ステップでは、前記集団に含まれる検索対象者の分布に基づき、前記集団に含まれる検索対象者の属性を示すパラメータの範囲を前記推奨条件として提示する、検索支援システム。
【0161】
(9)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記受付ステップでは、前記求人データベースに登録された複数の求人の中から前記候補求人を選択するための入力画面を表示させる、検索支援システム。
【0162】
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記推奨条件は、職種又は業種の候補を含む第1条件と、少なくとも1つの検索キーワードを含む第2条件とを含み、前記提示ステップでは、前記求人者による前記第1条件に含まれる候補の選択に基づいて、前記第2条件を再提示する、検索支援システム。
【0163】
(11)上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、検索ステップでは、前記推奨条件に基づいて前記求人者が設定した検索条件によって候補者を検索するとともに、検索された少なくとも一人の候補者に前記候補求人を紐づける、検索支援システム。
【0164】
(12)上記(11)に記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、スカウト文書作成ステップでは、前記検索ステップでの検索結果に含まれる求職者のうち、前記求人者が選択した求職者に対し、前記候補求人の求人票が予め添付されたスカウト文書を作成する、検索支援システム。
【0165】
(13)上記(11)又は(12)に記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、リスト登録ステップでは、前記検索ステップでの検索結果に含まれる候補者のうち、前記求人者が選択した候補者を前記候補求人の候補者リストへ追加する、検索支援システム。
【0166】
(14)検索支援方法であって、上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の検索支援システムが実行する各ステップを備える、検索支援方法。
【0167】
(15)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の検索支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0168】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0169】
1 :検索支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :受付部
113 :取得部
114 :提示部
115 :検索部
116 :スカウト文書作成部
117 :リスト登録部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作取得部
311 :表示部
312 :操作受付部
【要約】
【課題】検索に要するコストを低減できる検索支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、求人データベースに登録された少なくとも1つの求人の中から、求人者による候補求人の選択を受け付ける。取得ステップでは、候補求人に関する求人情報を求人データベースから取得する。提示ステップでは、求人情報と参照情報とに基づき、候補求人による求人を行う組織に所属する人材又は組織外の求職者を含む検索対象者の中から、候補求人に適した候補者の検索を行うための推奨条件を提示する。参照情報は、求人情報と推奨条件との相関関係を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14