(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】電池パックを置くのに適した支持ベースプレート及び収納棚、並びに対応する電池パック
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20240710BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240710BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20240710BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J50/40
(21)【出願番号】P 2022163830
(22)【出願日】2022-10-12
【審査請求日】2022-10-12
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522119086
【氏名又は名称】邑達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾 裕達
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-010550(JP,A)
【文献】特表2012-518975(JP,A)
【文献】特開2015-136219(JP,A)
【文献】特開平10-304589(JP,A)
【文献】特開2015-130792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 - 50/90
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレート本体と、
前記ベースプレート本体のプレート表面に充電領域を形成するとともに、前記プレート表面の外へ磁気信号を送信するように、前記ベースプレート本体に設けられる送信コイルセットと、
前記ベースプレート本体に隣接して設けられる無線給電モジュールと、を備え、
前記無線給電モジュールは、
外部給電端から電源を導入するように構成される電源入力端と、
第1の出力電源信号を出力するように前記電源を調節するように構成される第1の制御ユニットと、
前記送信コイルセットに結合される第1の出力ポートであって、前記第1の出力電源信号が前記磁気信号を形成するように前記第1の出力ポートから前記送信コイルセットに出力される、前記第1の出力ポートと、
前記無線給電モジュールは、電池パックの自己放電速度に基づいて充電速度を調整することが、を含む、電池パックを置くのに適した支持ベースプレート。
【請求項2】
前記無線給電モジュールは、
前記第1の制御ユニットに結合され、少なくとも1つの情報を受信するように構成される第1の通信ユニットをさらに含む、請求項1に記載の支持ベースプレート。
【請求項3】
前記少なくとも1つの情報は、温度情報、電気量情報、識別情報又はそれらの組合せから選択される、請求項2に記載の支持ベースプレート。
【請求項4】
前記無線給電モジュールは、
前記第1の制御ユニットに結合されるインジケータであって、前記第1の制御ユニットは、受信した前記少なくとも1つの情報を処理した後、指示信号を前記インジケータに出力する、前記インジケータをさらに含む、請求項2に記載の支持ベースプレート。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の支持ベースプレートと、
複数の収納空間を形成するように前記支持ベースプレートが設けられたラック本体と、
を備える、電池パックを置くのに適した収納棚。
【請求項6】
電池と、無線充電モジュールと、を備える電池パックであって、
前記無線充電モジュールは、
磁気信号を受信するように構成される受信コイルセットと、
前記磁気信号を調節して処理するとともに、第2の出力電源信号に変換するように構成される第2の制御ユニットと、
前記電池と分離可能に結合され、前記電池の電気量を閾値以上に維持するように前記第2の出力電源信号を前記電池に出力する第2の出力ポートと、
前記第2の出力電源信号によって提供される電気量は、前記電池の自己放電の電気量にほぼ等しい、を含む、
電池パック。
【請求項7】
前記無線充電モジュールが設けられ、前記電池が配置されたハウジング
をさらに備える、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記無線充電モジュールは、
前記第2の制御ユニットに結合される第2の通信ユニットをさらに含み、
前記第2の制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからセンス信号を受信するとともに、少なくとも1つの情報に変換し、前記第2の通信ユニットは、前記少なくとも1つの情報を発信する、請求項6に記載の電池パック。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、温度センサ、電気量センサ、高周波信号センサ又はそれらの組合せから選択される、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池は、第1のバッテリーセル及び第2のバッテリーセルを有し、前記受信コイルセットは、前記第1のバッテリーセル及び前記第2のバッテリーセルのそれぞれに対応する第1の受信コイル及び第2の受信コイルを含む、請求項6に記載の電池パック。
【請求項11】
前記第1の受信コイル及び前記第2の受信コイルは、前記
磁気信号を受信した後、前記第1のバッテリーセル及び前記第2のバッテリーセルに対応する第1のバッテリーセル情報及び第2のバッテリーセル情報を外部へそれぞれ発信する、請求項
10に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックを置くのに適した支持ベースプレート及び収納棚、並びに対応する電池パックに関し、特に、無線充電システムを有する支持ベースプレート及び収納棚、並びに対応する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩につれて、人々の機動性を有する電池(例えば、リチウム電池、アルミニウム鉄電池等)に対する需要もますます高まっていく。需要量の増加に伴い、サプライヤーにとって電池の倉庫管理コストも増加していく。
【0003】
例えば、電池は、その特性のため、その品質を維持できるように電気量を一定の比率以上に維持する必要がある。電池の電気量が低すぎると(例えば、電池の内部インピーダンスによる自己放電の場合)、電池の寿命の低減、蓄電量の低減、さらには電池の損害等の問題を引き起こす可能性がある。したがって、管理者やサプライヤーは、常に電池の状態/電気量の監視、及び充電といった動作を実行する必要がある。しかし、管理が必要な電池の数が増加すると、管理者やサプライヤーに必要な人件費及び時間が大幅に上昇する。
【0004】
これに鑑みて、電池の管理・保存効率を効率的に向上させる方法、並びに、比較的低コストで且つ安全な方法で電池の電気量を維持するかは、本分野の発展における大きな挑戦となる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、大量の電池を管理する効率及び安全性を向上させることを目的の1つとする。
【0006】
本発明は、ベースプレート本体と、送信コイルセットと、無線給電モジュールとを備える、電池パックを置くのに適した支持ベースプレートを提供する。送信コイルセットは、ベースプレート本体のプレート表面に充電領域を形成するとともに、プレート表面の外へ磁気信号を送信するように、ベースプレート本体に設けられる。無線給電モジュールは、ベースプレート本体に隣接して設けられる。無線給電モジュールは、外部給電端から電源を導入するように構成される電源入力端と、第1の出力電源信号を出力するように前記電源を調節するように構成される第1の制御ユニットと、送信コイルセットに結合される第1の出力ポートとを含む。第1の出力電源信号は、磁気信号を形成するように第1の出力ポートから送信コイルセットに出力される。
【0007】
本発明は、本発明の支持ベースプレート及びラック本体を備える、電池パックを置くのに適した収納棚を提供する。前記支持ベースプレートは、複数の収納空間を形成するようにラック本体に設けられる。
【0008】
本発明は、電池及び無線充電モジュールを備える、電池パックを提供する。前記無線充電モジュールは、磁気信号を受信するように構成される受信コイルセットと、前記磁気信号を調節して処理するとともに、第2の出力電源信号に変換するように構成される第2の制御ユニットと、電池と分離可能に結合される第2の出力ポートとを含む。第2の出力ポートは、電池の電気量を閾値以上に維持するように前記第2の出力電源信号を電池に出力する。
【0009】
以上のように、無線給電モジュール及び対応する無線充電モジュールにより、電池を非接触の方式で電池の電気量を維持することができる。これにより、人的資源の消費及び管理コストを低減させる目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例における電池パック及び支持ベースプレートの模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施例における無線給電モジュールの模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施例における電池パックの模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3実施例におけるハウジングを有する電池パックの模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の第4実施例における無線給電モジュールと無線充電モジュールとが通信する模式図である。
【
図6】
図6A~
図6Bは、本発明の第5実施例におけるコイルセットとバッテリーセルを組合せた模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の第6実施例におけるキャビネットの模式図である。
【0011】
図面は、本発明の各方面の説明に役立つように示されている。図面を簡略化し、図面で示す内容を強調するため、図面における従来の構造や素子は、簡単で模式的に描かれるか、または省略して示される場合がある。例えば、素子の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。これらの図面は、これらの方面を解釈するためにのみ提供されており、それらを制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における「第1の」、「第2の」等のような名称を使っている素子への如何なる言及も、通常、これらの素子の数や順を制限しない。逆に、これらの名称は、本明細書において2つ以上の素子又はその実例を区別しやすい方法として使われている。したがって、特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」等の名称は、必ずしも明細書の説明における同じ名称に対応しないことを理解されたい。また、第1の及び第2の素子への言及は、2つの素子のみを採用できること、または第1の素子が第2の素子に先行しなければならないことを意味しないことを理解されたい。本明細書において使われている「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」等については、いずれも…を含むがそれに限られないことを意味するオーピンな用語である。
【0013】
「結合」という術語は、本明細書において2つの構造の間の直接又は間接的な電気的結合を指すためのものである。例えば、間接的な電気的結合の例において、とある構造は、抵抗器、コンデンサやインダクタ等の受動素子を介して別の構造に結合可能である。
【0014】
本発明において、「例示的」、「例えば」という用語は、「例示、実例や説明として使われている」ことを表すためのものである。本明細書において「例示的」、「例えば」として説明される任意の実現や方面は、必ずしも本発明の他の方面よりも好ましい又は有利であると解釈されるわけではない。本明細書において規定値又は特性について使われる「約」、「ほぼ」のような術語は、規定値又は特性の一定の数値(例えば、10%)以内を表す旨である。
【0015】
本明細書において使われているように、「電池パック」及び/又は「電池」という術語は、再充電可能で、繰り返して使用可能な蓄電素子を指す。例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池又はリチウム鉄電池である。しかし、化学エネルギー電池に限定されず、繰り返して使用可能な如何なる蓄電素子も本明細書における「電池」の範疇に適用できる。そして、本明細書における「電池パック」及び/又は「電池」は、複数のバッテリーセルを直列及び/又は並列に接続することにより総電圧(例えば、2V、6V、12V、48V、480Vまたは1000V以下)又は総電気量(例えば、1000mAh~1000Ahまたはそれ以上)の増加を達成することができる。また、「電池パック」及び/又は「電池」を有する製品(例えば、UPS無停電電源装置、携帯機器、医療機器等)を指してもよい。
【0016】
本発明の第1の実施例では、
図1~2を参照し、
図1は、本発明の電池パック及び支持ベースプレートを説明するものである。本発明は、ベースプレート本体110と、送信コイルセット120と、無線給電モジュール130とを備える、電池パック200を置くのに適した支持ベースプレート100を提供する。送信コイルセット120は、ベースプレート本体110のプレート表面1101上に充電領域CAを形成するとともに、プレート表面1101の外へ磁気信号MSを発信するように、ベースプレート本体110に設けられる。無線給電モジュール130は、ベースプレート本体110に隣接して設けられる。
【0017】
具体的には、ベースプレート本体110は、例えば、プラスチック板、木製板又は他の適切な材料で作製された板材であってよい。送信コイルセット120は、ベースプレート本体110中に又はベースプレート本体110のプレート表面1101上に取り外し可能又は取り外し不能に設けられてよい。例えば、送信コイルセット120は、ベースプレート本体110のプレート表面1101上に貼り付けたり、置いたりするように分離可能に設けられてよい。プレート表面1101に置きスロット(
図1に示されていない)を形成することにより、又はコイルを設けるための他の従来の方法により、送信コイルセット120をベースプレート本体110に設けてもよい。なお、
図1において、送信コイルセット120は、プレート表面1101上に設けられているように示されているが、当業者は、使用した送信コイルセットの構造及びパワーに応じて送信コイルセット120を適切な位置(例えば、プレート表面1101の他方の面1102、又はベースプレート本体110の内部)に設けることができる。送信コイルセット120がベースプレート本体110に設けられた後に形成された充電領域CAは、無線充電に適した領域、即ち、磁気信号MSがカバーできる有効領域の範囲として例示的に定義される。
図1には、充電領域CAが2つしか示されていないが、当業者は、例えば、コイルの数、形状、範囲を調整することにより充電領域CAの大きさ、形状や数を調整可能であることを理解されたい。本発明は、
図1に示す実施例に限られるべきではない。
【0018】
ベースプレート本体110の大きさは、例えば、ヨーロッパパレット協会によって規定されたいくつかのパレット規格を参照して決めることができる。例えば、ベースプレート本体110のプレート表面1101の面積は、80×120cm2、120×100cm2、100×120cm2、又は800×600cm2等であってよいが、上記は、例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。当業者は、実際の状況(例えば、要求される載置量、倉庫収納面積等)に応じてベースプレート本体110の大きさを調整することができる。
【0019】
図2を参照し、無線給電モジュール130は、外部給電端PIから電源E1を導入するように構成される電源入力端1301と、第1の出力電源信号ES1を出力するように当該電源を調節するように構成される第1の制御ユニット1302と、送信コイルセット120に結合される第1の出力ポート1303とを含む。第1の出力電源信号ES1は、磁気信号MSを形成するように第1の出力ポート1303から送信コイルセット120に出力される。
【0020】
具体的には、無線給電モジュール130は、印刷回路基板(PCB)に必要な、又は使用できる様々な素子(例えば、能動素子、受動素子)を設けることにより実現することができる。外部給電端PIは、例えば、交流電源(例えば、商用電源、無停電電源装置(UPS))又は直流電源(例えば、モバイル電源)からの電流を受信し、整流又は電圧調整した後に電源E1を形成することができる。第1の制御ユニット1302は、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は任意の商用チップであってよい。第1の制御ユニット1302は、現行のワイヤレス充電規格(例えば、Qi又はその他)に従って電源E1をスイッチの切り替え、電圧の昇降、又は直流/交流の変換等により調節することで、第1の出力電源信号ES1を出力することができる。送信コイルセット120は、電磁変換により第1の出力電源信号ES1の少なくとも一部を磁気信号MSに変換する。
【0021】
本発明の第2の実施例では、
図3を参照し、
図3は、電池210と、無線充電モジュール220とを備える電池パック200を説明するものである。前記無線充電モジュール220は、磁気信号MSを受信するように構成される受信コイルセット2201と、磁気信号MSを調節して処理するとともに、第2の出力電源信号ES2に変換するように構成される第2の制御ユニット2202と、電池210と分離可能に結合される第2の出力ポート2203とを含む。第2の出力ポート2203は、電池の電気量を閾値以上に維持するように前記第2の出力電源信号ES2を電池210に出力する。
【0022】
具体的には、電池パック200における電池210は、任意の種類のバッテリーセル(例えば、保護回路を有する、又はカバーでパッケージ化されたバッテリーセル、或いはパッケージ化されていないバッテリーセル)であってよい。例えば、電池210が保管段階にあるとき、電池210は、第2の出力ポート2203に結合されて第2の出力電源信号ES2を受信することにより、電気量を閾値以上に維持し、及び/又は電池210の状態を監視する。電池210が保管段階から外れる際に(例えば、出荷又は販売直前)、後続のサプライヤーによる処置のために電池210と第2の出力ポート2203との結合が切断される。
【0023】
無線充電モジュール220は、印刷回路基板(PCB)に必要な、又は選択的に使用できる様々な素子(例えば、能動素子、受動素子)を設けることにより実現することができる。受信コイルセット2201は、磁気信号MSを受信した後、磁気信号MSを電気信号に復帰させ、電気信号は、第2の制御ユニット2202に提供されることにより、第2の制御ユニット2202の動作電力になり、及び/又は任意のワイヤレス充電規格(例えば、Qi)に従って第2の出力電源信号ES2に変換される。第2の制御ユニット2202は、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は任意の商用チップであってよい。
【0024】
電池パック200は、第1の実施例に記載されるような支持ベースプレート100に置かれる場合、良好なエネルギー伝達効率を達成するように、充電領域CAに置かれ、好ましくは送信コイルセット120と受信コイルセット2201とが対向するように設けられる。給電を行う時、無線給電モジュール130は、少なくとも2つの給電モードに従って給電を行うことができる。例えば、無線給電モジュール130は、低いパワーで磁気信号MSを継続的に提供することにより、電池パック200における電池210を電力損失が生じないように(充電速度は、電池210の自己放電速度に等しい)、又はゆっくり(充電速度は、電池210の自己放電速度よりもやや速い)とチャージすることができる。このモードにおいて、無線給電モジュール130は、各種の電池210に対応する自己放電速度に応じて充電速度をプリセットし、或いは電池210の充電放電状態/速度を監視することにより充電速度を機動的に調整することができる。例えば、電池210を出荷せずに収納のみが必要となる状況において、これにより、例えば、低エネルギー消費で電池210の電気量/品質を維持する効果が達成されるが、この効果に限られない。別の例示的な給電モードにおいて、無線給電モジュール130は、電池210の現在の電気量が低すぎるかどうかを検知し、仕事率の高い充電速度で電池210の電気量がプリセットされた閾値に比較的素早く到達できるようにする。前記プリセットされた閾値は、例えば、電池の規格に応じて適切な電圧/電気量の範囲を設定し、或いは、クライアント/サプライヤーの商品供給条件の需要に応じて調整することができる。
【0025】
本発明の第3実施例では、
図4を参照し、電池パック200は、ハウジング240をさらに含んでよく、無線充電モジュール220はハウジング240上に設けられ、電池210はハウジング240内に配置される。具体的には、電池210は、収納時に、ハウジング240の収容空間に保管することができ、リード線等により無線充電モジュール220の第2の出力ポート2203に接続されることで充電及び/又は監視を行う。一方、収納状態から外れる際(例えば、販売又は使用時)には、電池210は、ハウジング240の収容空間から取り出され、第2の出力ポート2203からデカップリングされることができる。無線充電モジュール220の受信コイルセット2201は、ハウジング240が支持ベースプレート100に置かれた時に支持ベースプレート100に対向する面に設けられることが好ましい。ハウジングの材料は、例えば、プラスチック、紙、木質、金属等のものである。図示されるハウジング240は、簡単に説明する為のものに過ぎず、任意の変更(例えば、形状、大きさや受信コイルセット2201の配置位置の調整)はすべて本発明の範疇に属すべきであることを理解されたい。
【0026】
本発明の第4実施例では、
図5を参照し、無線給電モジュール130と無線充電モジュール220とは通信することにより情報の交換を達成することができる。具体的には、無線給電モジュール130は、第1の制御ユニット1302に結合される第1の通信ユニット1304をさらに含んでよく、無線充電モジュール220は、第2の制御ユニット2202に結合される第2の通信ユニット2204をさらに含んでよい。第1の通信ユニット1304は、第2の通信ユニット2204により送信される情報IFを受信することができ、及び/又は、第2の通信ユニット2204は、第1の通信ユニット1304により送信される情報IFを受信することができる。第1の通信ユニット1304と第2の通信ユニット2204とは、例えば、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスネットワーク、赤外線、無線周波数信号等の無線通信技術により通信することができる。第1の通信ユニット1304及び/又は第2の通信ユニット2204が送信/受信する情報IFは、例えば、電池210又は電池パック200の収納環境の温度情報、電池210の電気量情報、電池210の識別情報(ID)、出荷年及び/又はシリアル番号、電池210内の各バッテリーセル(バッテリーセルを直列に接続することで電池210を形成する場合に適用する)の電圧及び/又は電流等の電池に関する情報であってよい。第1の制御ユニット1302及び/又は第2の制御ユニット2202は、受信された情報IFにより、調節・制御を行うか、又は指示信号ISを第1の制御ユニット1302に結合される任意のインジケータ(発音素子(例えば、ブザー)、発光素子(例えば、発光ダイオード)、又は表示スクリーン等)に送信することができる。例えば、電池210又は収納環境の現在の温度により充電し続けるかどうかを決定し、或いは、第1の制御ユニット1302及び/又は第2の制御ユニット2202に結合される任意のインジケータにより警報を発することで危険の発生を回避することができる。或いは、電池210の電気量情報により異なる充電モードを選択し、及び/又は任意のインジケータに提供して現在の電気量を示す(例えば、発音、ランプ信号、又はディスプレイにより示す)。識別情報は、例えば、電池210のロット番号、型番、種類や所有者により与えられる任意の番号であってよい。
【0027】
無線給電モジュール130及び/又は無線充電モジュール220は、第1の通信ユニット1304又は第2の通信ユニット2204が情報IFを提供する方式、例えば、少なくとも1つのセンサを支持ベースプレート100、電池パック200及び/又は収納環境に設ける方式を採用することができる。例えば、接触又は非接触で電池210又は収納環境の現在の温度を計測するための温度センサ(例えば、サーミスタ、熱電対、赤外線検知器等)が設けられてもよい。或いは、電気量センサ(第2の出力ポート2203と電池210の正極、負極との接触により計測することができる)が設けられてもよく、電気量センサは、回路として無線充電モジュール220に組み込まれるか、又は独立した素子として設けられてよい。無線周波数識別(RFID)信号を受信するための無線周波数信号センサが設けられてもよい。設けられる(各)センサは、第1の通信ユニット1304及び/又は第2の通信ユニット2204により無線伝送で計測信号を第1の通信ユニット1304又は第2の制御ユニット2202に提供する、或いは第1の通信ユニット1304又は第2の制御ユニット2202に(例えば、任意のピン又は入力ポートを介して)直接結合されることができる。なお、第2の通信ユニット2204は、第2の通信ユニット2204が電池210内の電気量を自発的に消費することを回避するように、無線充電モジュール220が受信したエネルギーにより給電することができる。このように、電池210内の電気量の損失が発生することなく、例えば、電池210の状態を監視する効果を達成することができるが、この効果に限られない。
【0028】
この実施例では、第1の通信ユニット1304及び/又は第2の通信ユニット2204は、携帯機器40(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型パソコン及び/又は類似する機器)とブルートゥース(登録商標)やワイヤレスネットワーク等の伝送技術により通信することもできる。これにより、情報IFを携帯機器端に出力することができる。携帯機器端には、情報IFを表示又は監視するためのアプリケーションプログラム及び/又はユーザインターフェースが設けられてもよい。
【0029】
本発明の第5実施例では、
図6Aを参照し、本発明の電池210は、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102を含んでよく、そして、無線充電モジュール220の受信コイルセット2201は、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102のそれぞれに対応する第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520を含んでよい。第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520のそれぞれは、支持ベースプレート100の送信コイルセット120と信号伝達及び/又はエネルギー伝達を行うことができる。例えば、第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520は、例えば、周波数偏移変調(Frequency Shift Keying,FSK)、振幅偏移変調(Amplitude Shift Keying,ASK)及び/又は類似する通信方式により無線充電モジュール220の送信/受信モジュールTX/RXを介して、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102の情報(例えば、電気量、電圧や、温度等)を支持ベースプレート100の送信コイルセット120が受信できるように送信することができる。なお、第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520のそれぞれに結合された送信/受信モジュールTX/RXは、単一の制御ユニットに属する2つのポートであってよく、或いは、第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520のそれぞれに対応する制御ユニットであってよい。このように、支持ベースプレート100は、例えば、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102の現在の電圧又は状態に対して、個別に充電又は管理(例えば、電圧バランスを達成することで単一のバッテリーセルの過充電又は過放電を回避する)を行うことができる。
【0030】
なお、この時、実施例では、支持ベースプレート100の送信コイルセット120のみを用いて説明したが、
図6Bに示すように、支持ベースプレート100の送信コイルセット120には、第1の受信コイル510及び第2の受信コイル520のそれぞれに対応する第1の送信コイル530及び第2の送信コイル540が設けられてもよい。このように、第1の受信コイル510と第1の送信コイル530との対応付け、及び第2の受信コイル520と第2の送信コイル540との対応付けにより、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102をそれぞれ管理する。具体的には、第1の受信コイル510と第1の送信コイル530との対応付け、及び、第2の受信コイル520と第2の送信コイル540との対応付けは、異なる周波数変調、時間差又は空間位置合わせ差で区分することができ、これにより、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102の管理における干渉が回避される。また、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102には、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102の充電/放電時の電圧/電気量のバランスを向上させるために充放電平衡回路が設けられてもよい。
【0031】
なお、説明を簡略化/明確にするために、
図6A~Bの実施例では、第1のバッテリーセル2101及び第2のバッテリーセル2102を用いて説明したが、電池210内には、並列又は直列に接続されるように構成される複数のバッテリーセルまたは複数のバッテリーセルグループ(2つ以上のバッテリーセルが直列/並列に接続されるように構成されるもの)が具備されてもよい。当業者は、本発明に基づいて、バッテリーセル又はバッテリーセルグループに、対応する受信コイル及び/又は送信コイルを適用することができ、これらは、すべて本発明の範疇に属すべきである。
【0032】
本発明の第6実施例では、
図7を参照し、本発明は、本発明の支持ベースプレート100及びラック本体71を備える、電池パック200を置くのに適した収納棚70を提供する。前記支持ベースプレート100は、複数の収納空間を形成するように、ラック本体71に設けられる。複数の電池パック200のそれぞれは、複数の収納空間(支持ベースプレート100)に収納されることができる。一つの好ましい実施例において、支持ベースプレート100と支持ベースプレート100との間には、各々の無線充電による影響を回避するためにシールド(例えば、接地される金属層)が設けられてもよい。なお、収納棚70は、電池を配置する必要がある製品(例えば、UPS無停電電源装置としての電池キャビネット)に組み込まれてもよい。
図7に示す収納棚70は、簡単な説明に過ぎず、任意の変更(例えば、形状、大きさ又は層の数の調整)は全て本発明の範疇に属すべきであることを理解されたい。
【0033】
本発明の上記の説明は、当業者が本発明を作成又は実施できるように提供されたものである。当業者にとって、本発明に対する各種の修正が可能であることは明らかであり、そして、本明細書において定義された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱しない前提の下、他の変形に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書において説明した例に限定されることを意図するものではなく、本明細書における発明の原理及び新規な特徴に一致する最も広い範囲に該当するものとする。
【符号の説明】
【0034】
100 : 支持ベースプレート
110: ベースプレート本体
1101、1102: プレート表面
120:送信コイルセット
130 : 無線給電モジュール
1301 : 電源入力端
1302 : 第1の制御ユニット
1303 : 第1の出力ポート
1304 : 第1の通信ユニット
200 : 電池パック
210 : 電池
2101 : 第1のバッテリーセル
2102 : 第2のバッテリーセル
220 : 無線充電モジュール
2201 : 受信コイルセット
2202 : 第2の制御ユニット
2203 : 第2の出力ポート
2204 : 第2の通信ユニット
240 : ハウジング
40 : 携帯機器
510 : 第1の受信コイル
520 : 第2の受信コイル
530 : 第1の送信コイル
540 : 第2の送信コイル
70 : 収納棚
71 : ラック本体
CA : 充電領域
MS : 磁気信号
PI : 外部給電端
E1 : 電源
ES1 : 電源信号
ES2 : 第2の出力電源信号