(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】半導体テスト装置及び半導体テスト方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20240710BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240710BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240710BHJP
G06F 11/22 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
G01R31/28 V
H01L27/04 T
H01L27/04 E
G06F11/22 610
(21)【出願番号】P 2022132771
(22)【出願日】2022-08-23
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】八重沢 勝美
(72)【発明者】
【氏名】奥村 優也
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-009800(JP,A)
【文献】特開2005-268583(JP,A)
【文献】特開平02-038979(JP,A)
【文献】特開2009-092529(JP,A)
【文献】特開2001-308277(JP,A)
【文献】国際公開第1998/055926(WO,A1)
【文献】米国特許第07383478(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/28-31/3193、
G06F 11/22-11/277、
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置に対するシリアル信号入力によるテストに用いる第1の電極パッドを含む複数の電極パッドと、
前記複数の電極パッド間を縦続接続する信号ラインと、
前記信号ラインにそれぞれ設けられた
複数の開閉スイッチと、
前記複数の電極パッドのそれぞれに接続される
複数の入力ライン及び
複数の出力ラインと、
前記入力ラインに設けられた
複数の入力ゲート及び前記出力ラインに設けられた
複数の出力ゲートと、
前記複数の電極パッドと前記半導体装置の半導体本体部の間に設けられ、前記入力ゲートから到来する信号を保持する
複数の入力データレジスタと、前記出力ゲートへ出力する信号を保持する
複数の出力データレジスタと、を備えたポート回路と、
前記開閉スイッチの開閉制御と、前記入力ゲートの開閉制御と、前記出力ゲートの開閉制御とを行うと共に、前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて、前記ポート回路との間で行う信号の送受結果検出を行って
前記入力ラインと
前記出力ラインにおける不具合の有無を検出するテストメイン回路と、
を具備することを特徴とする半導体テスト装置。
【請求項2】
前記テストメイン回路は、
前記送受結果検出において、前記第1の電極パッドから入力され 前記ポート回路へ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体テスト装置。
【請求項3】
前記テストメイン回路は、
前記送受結果検出において、前記第1の電極パッドから入力され 前記ポート回路の
前記入力データレジスタへ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路の
前記出力データレジスタから前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体テスト装置。
【請求項4】
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項5】
前記入力ゲートはオアゲートにより構成され、
前記出力ゲートは3ステートバッファにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項6】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に
前記第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に
前記第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に
前記第3の開閉スイッチを設け、
前記テストメイン回路は、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを全て閉成し、前記第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第4の電極パッドと前記ポート回路間の
前記入力ライン及び
前記出力ラインに設けられた
前記入力ゲート及び
前記出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項7】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に
前記第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に
前記第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に
前記第3の開閉スイッチを設け、
前記テストメイン回路は、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチとを閉成し、前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第3の電極パッドと前記ポート回路間の
前記入力ライン及び
前記出力ラインに設けられた
前記入力ゲート及び
前記出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項8】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に
前記第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に
前記第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に
前記第3の開閉スイッチを設け、
前記テストメイン回路は、
前記第1の開閉スイッチを閉成し、前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを開放して、前記
第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第2の電極パッドと前記ポート回路間の
前記入力ライン及び
前記出力ラインに設けられた
前記入力ゲート及び
前記出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項9】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に
前記第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に
前記第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に
前記第3の開閉スイッチを設け、
前記テストメイン回路は、
前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチの全てを開放して、前記
第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第1の電極パッドと前記ポート回路間の
前記入力ライン及び
前記出力ラインに設けられた
前記入力ゲート及び
前記出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体テスト装置。
【請求項10】
半導体装置に対するシリアル信号入力によるテストに用いる第1の電極パッドを含む複数の電極パッドと、
前記複数の電極パッド間を縦続接続する信号ラインと、
前記信号ラインにそれぞれ設けられた
複数の開閉スイッチと、
前記複数の電極パッドのそれぞれに接続される
複数の入力ライン及び
複数の出力ラインと、
前記入力ラインに設けられた
複数の入力ゲート及び前記出力ラインに設けられた
複数の出力ゲートと、
前記複数の電極パッドと前記半導体装置の半導体本体部の間に設けられ、前記入力ゲートから到来する信号を保持する
複数の入力データレジスタと、前記出力ゲートへ出力する信号を保持する
複数の出力データレジスタと、を備えたポート回路と、
前記開閉スイッチの開閉制御と、前記入力ゲートの開閉制御と、前記出力ゲートの開閉制御とを行うと共に、前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて、前記ポート回路との間で行う信号の送受結果検出を行って
前記入力ラインと
前記出力ラインにおける不具合の有無を検出するテストメイン回路と、
を具備し、
前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチが設けられ、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチが設けられ、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチが設けられた、半導体テスト装置における半導体テスト方法において、
前記テストメイン回路によって、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを全て閉成し、
前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて信号を入出力し、
前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする半導体テスト方法。
【請求項11】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記テストメイン回路によって、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチとを閉成し、
前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンを
立てて信号を入出力し、
前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする請求項10に記載の半導体テスト方法。
【請求項12】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記テストメイン回路によって、
前記第1の開閉スイッチを閉成し、前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを開放して、
前記第1の電極パッドにプローブピンを
立てて信号を入出力し、
前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする請求項10に記載の半導体テスト方法。
【請求項13】
前記開閉スイッチは、第1の開閉スイッチ、第2の開閉スイッチ、第3の開閉スイッチであり、
前記テストメイン回路によって、
前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチの全てを開放して、
前記第1の電極パッドにプローブピンを
立てて信号を入出力し、
前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき
前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき
前記出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする請求項10に記載の半導体テスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体テスト装置及び半導体テスト方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の出荷テストではコスト削減のために、シリアル入出力を用いたテスト方式が多く採用されている。しかし、シリアル入出力を用い、テストのために使用する電極パッドを削減すると、使用していない電極パッド周りの回路は検証されない状態となってしまう。そのため、上記シリアル入出力を用いたテストとは別に、全電極パッドにプローブピンを立ててテストを実行するテストボード及び対応テスターでの評価が必要となり、効率化、コスト削減の妨げとなっている。
【0003】
特許文献1には、ウエハ上に形成される複数のパッドに共通して接続される複数のテスト用パッド共通化回路を設け、その回路に対しテスト用選択信号を用いて駆動することにより、必要時にのみ1つの端子を2つ以上に割り付けることができる半導体装置が開示されている。具体的には、半導体チップの入力部あるいは出力部に、ANDゲート2、4とインバータ3とおよびORゲート5とで構成した複数のテスト用パッド共通化回路1A、1Bを設けるものである。そして、動作テスト時には、この共通化回路1A、1Bに対しテスト用選択信号Sを用いて駆動することにより、複数のパッドX1~X4の一部を共用化する一方、通常の使用時にはこれら複数のパッドX1~X4を互いに独立化させ、内部端子Y1~Y4に直結する。
【0004】
上記のように構成しているので、内部回路等の電気的動作テストに使用するパッドの数を減少させることができ、測定時に使用するプローブカードの針の数を削減し小型化を実現するとともに、針の配置密度を緩和できるので、プローブカードを安価に製造できるという効果があるとしている。
【0005】
特許文献2には、多ピン・狭ピッチの端子を複数個毎に短絡する短絡配線と、短絡配線毎に1個のテストパッドを、フィルム上のカットラインの外側に配置する。半導体チップには、外部で短絡される複数の端子毎に、全ての端子が1個ずつ、その端子のみが内部回路と接続され、且つ、他の端子が内部回路から遮断されるように制御可能なスイッチを設けた半導体装置が開示されている。この半導体装置では、同じ短絡配線によって短絡される複数の端子について1端子毎に内部回路に接続して、対応する短絡配線とテストパッドを介して電気的特性を測定することにより、その半導体チップのテストを実施する。短絡配線とテストパッドは、前記テストの後に、カットラインの位置で切り離すように構成されている。
【0006】
上記特許文献2の半導体装置によれば、COF実装された半導体チップにおいて、多ピン・狭ピッチの端子の端子数よりも少ないテストパッドをフィルム上に配置して、効率良く当該半導体チップのテストを実施することができるという効果を得ることができるものである。
【0007】
また、特許文献3には、内蔵テスト回路と、外部との通信を可能にするアンテナおよび無線通信回路と、IDコードおよび被テスト対象回路のテスト結果を記録するメモリと、並びに外部から入力される搬送波を使用して電力を発生する発電回路とを備え、外部からの無線信号により電力を発生し、外部から送られてきたIDコードと自己のIDコードを照合して自己に対するコマンドを受信し、および被テスト対象回路のテスト結果を外部へ送信する構成を有する半導体集積回路装置が開示されている。
【0008】
特許文献3の装置では、ウエハテストをパスした半導体チップだけをパッケージに実装し、基本的に内蔵テスト回路では実施できないテストを、テスト装置を用いて実施することが示されている。DCテストでは、ウエハテストで未検出のパッドのオープンまたはショート不良を、パッケージピンのオープン不良またはショート不良と合わせて検出し、更に、ACテストではパッドとテスト対象回路間のタイミング不良を検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平9-92787号公報
【文献】特開2015-172530号公報
【文献】特開2005-30877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1に記載のものは、プローブピンを立てない電極パッドの周りの回路は検証されないために、効率化、コスト削減を図ることができないという問題は依然として存在している。また、特許文献2に記載のものは、1つのテストパッドから複数の配線が端子に接続されているものの、各端子からの内部回路への入力経路や内部回路から各端子への出力経路に関する状態のテストを1つのテストパッドから行うというものではなく、ウエハテストのときに立てるプローブピン数を少なくできるというものではない。
【0011】
更に、特許文献3に記載のものは、ウエハテストの段階では無線通信を用いたテストを行っており、ウエハテストのときに立てるプローブピン数に関する問題には対応するものではない。
【0012】
本発明は上記のような従来の半導体テストに関する問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、プローブピンを立てない電極パッドの周りの回路についても検証が可能であり、ウエハテストのときに立てるプローブピン数を少なくできる半導体テスト装置及び半導体テスト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置は、半導体装置に対するシリアル信号入力によるテストに用いる第1の電極パッドを含む複数の電極パッドと、前記複数の電極パッド間を縦続接続する信号ラインと、前記信号ラインにそれぞれ設けられた複数の開閉スイッチと、前記複数の電極パッドのそれぞれに接続される複数の入力ライン及び複数の出力ラインと、前記入力ラインに設けられた複数の入力ゲート及び前記出力ラインに設けられた複数の出力ゲートと、前記複数の電極パッドと前記半導体装置の半導体本体部の間に設けられ、前記入力ゲートから到来する信号を保持する複数の入力データレジスタと、前記出力ゲートへ出力する信号を保持する複数の出力データレジスタと、を備えたポート回路と、
前記開閉スイッチの開閉制御と、前記入力ゲートの開閉制御と、前記出力ゲートの開閉制御とを行うと共に、前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて、前記ポート回路との間で行う信号の送受結果検出を行って前記入力ラインと前記出力ラインにおける不具合の有無を検出するテストメイン回路と、を具備することを特徴とする。
本発明において、入力ラインにおける不具合の有無の検出には、入力ラインに存在している(接続されている)入力ゲートの不具合の有無の検出を含むものであり、出力ラインにおける不具合の有無の検出には、出力ラインに存在している(接続されている)出力ゲートの不具合の有無の検出を含むものである。
【0014】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記テストメイン回路は、送受結果検出において、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0015】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記テストメイン回路は、送受結果検出において、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路の該当入力データレジスタへ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路の該当出力レジスタから前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0016】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、入力ゲートはオアゲートにより構成され、出力ゲートは3ステートバッファにより構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチを設け、前記テストメイン回路は、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを全て閉成し、前記第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第4の電極パッドと前記ポート回路間の入力ライン及び出力ラインに設けられた入力ゲート及び出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0019】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチを設け、前記テストメイン回路は、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチとを閉成し、前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第3の電極パッドと前記ポート回路間の入力ライン及び出力ラインに設けられた入力ゲート及び出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0020】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチを設け、前記テストメイン回路は、第1の開閉スイッチを閉成し、前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第2の電極パッドと前記ポート回路間の入力ライン及び出力ラインに設けられた入力ゲート及び出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0021】
本発明の実施形態に係る半導体テスト装置では、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチを設け、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチを設け、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチを設け、前記テストメイン回路は、第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチの全てを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンに立てられたプローブピンから信号を入出力し、前記第1の電極パッドと前記ポート回路間の入力ライン及び出力ラインに設けられた入力ゲート及び出力ゲートの出力に基づき当該入力ラインと当該出力ラインにおける不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0022】
本発明の実施形態に係る半導体テスト方法は、半導体装置に対するシリアル信号入力によるテストに用いる第1の電極パッドを含む複数の電極パッドと、前記複数の電極パッド間を縦続接続する信号ラインと、前記信号ラインにそれぞれ設けられた複数の開閉スイッチと、前記複数の電極パッドのそれぞれに接続される複数の入力ライン及び複数の出力ラインと、前記入力ラインに設けられた複数の入力ゲート及び前記出力ラインに設けられた複数の出力ゲートと、前記複数の電極パッドと前記半導体装置の半導体本体部の間に設けられ、前記入力ゲートから到来する信号を保持する複数の入力データレジスタと、前記出力ゲートへ出力する信号を保持する複数の出力データレジスタと、を備えたポート回路と、前記開閉スイッチの開閉制御と、前記入力ゲートの開閉制御と、前記出力ゲートの開閉制御とを行うと共に、前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて、前記ポート回路との間で行う信号の送受結果検出を行って前記入力ラインと前記出力ラインにおける不具合の有無を検出するテストメイン回路と、を具備し、前記電極パッドは、前記第1の電極パッド以外に、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドが設けられており、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド間に第1の開閉スイッチが設けられ、前記第2の電極パッドと前記第3の電極パッド間に第2の開閉スイッチが設けられ、前記第3の電極パッドと前記第4の電極パッド間に第3の開閉スイッチが設けられた、半導体テスト装置における半導体テスト方法において、前記テストメイン回路によって、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを全て閉成し、前記第1の電極パッドにプローブピンを立てて信号を入出力し、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき前記入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき前記出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0023】
本発明の実施形態に係る半導体テスト方法では、前記テストメイン回路によって、前記第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチとを閉成し、前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンを立ててして信号を入出力し、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態に係る半導体テスト方法では、前記テストメイン回路によって、第1の開閉スイッチを閉成し、前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンを立ててして信号を入出力し、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【0025】
本発明の実施形態に係る半導体テスト方法では、前記テストメイン回路によって、第1の開閉スイッチと前記第2の開閉スイッチと前記第3の開閉スイッチの全てを開放して、前記第1の電極パッドにプローブピンを立ててして信号を入出力し、前記第1の電極パッドから入力され前記ポート回路へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、前記ポート回路から前記第1の電極パッドに到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明実施形態に係る半導体テスト装置の構成図。
【
図2】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置のテストメイン回路400からテスト制御回路500へ送信する4ビットのアドレスと、それぞれのモードで設定内容をテスト制御回路500へ送信する4ビットのデータを示す図。
【
図3】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置のテストメイン回路400からテスト制御回路500へ送信する2ビットのデータを示す図。
【
図4】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置の第1の電極パッド10に立てられたプローブピンからデータ入力を行って入力ラインにおける不具合の有無を検出する動作を示すタイミングチャート。
【
図5】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置において、第4の電極パッド13の周りの回路に不具合がある場合の例を示す構成図であり、ORゲート53を通過する信号が“1”に固定してしまう不具合が生じている場合を示す構成図。
【
図6】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置のP3出力データレジスタにデータ“1”を設定して、これを第1の電極パッド10にのみプローブピンを立て検出することにより電極パッド13の周りの回路に不具合があることを検出する例を示すタイミングチャート。
【
図7】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置において、PORT0~PORT3のいずれについても、その出力経路の不具合を検出する場合に、ポート回路200から3ステートバッファ60~63の内の所要の3ステートバッファをオンとするための制御信号“1”を出力すべきラインOE0~OE3の信号値と、アナログスイッチ31~33のいずれへ信号“1”を出力すべきかを示すラインASW01~ASW23の信号値とを示す図。
【
図8】本発明の実施形態に係る半導体テスト装置において、PORT3からの出力経路の不具合がある場合の構成図であり、3ステートバッファ63が故障して信号出力ができない場合を説明する構成図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下添付図面を参照して本発明に係る半導体テスト装置の実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1に本発明実施形態に係る半導体テスト装置の構成図を示す。この実施形態に係る半導体テスト装置は、テスト対象に係る1チップの半導体装置100内と、半導体装置100外に構成を備える。
【0028】
半導体装置100には、1つのチップ内の半導体装置100に対するシリアル信号入力によるテストに用いる第1の電極パッド10が備えられている。シリアル信号入力によるテストは、ポート回路200を介して接続される半導体本体部300に対して行われ、半導体本体部300には、シリアル信号入力によるテストの対象回路等が含まれる。半導体装置100には、第1の電極パッド10の他に、テスト時ではない通常の動作時に信号が入出力される電極パッド11~13が備えられている。ここでは、4個の電極パッド10~13の例を示すが、この数に限定されるものではない。
【0029】
上記電極パッド10~13間には、これらを縦続接続する信号ライン21~23が設けられている。信号ライン21~23のそれぞれには、開閉スイッチであるアナログスイッチ31~33が設けられている。上記のように、複数の電極パッド10~13と上記半導体装置100の半導体本体部300の間には、ポート回路200が設けられている。
【0030】
上記複数の電極パッド10~13と上記ポート回路間200は、それぞれ入力ラインI40~I43及び出力ラインO40~O43とにより接続されている。上記ポート回路間200には、それぞれ入力ラインI40~I43から到来する信号を保持するP0入力データレジスタ~P3入力データレジスタと、それぞれ出力ラインO40~O43へ出力するP0出力データレジスタ~P3出力データレジスタが設けられている。電極パッド10~13と入力ラインI40~I43との間には、入力ゲートであるORゲート50~53が設けられ、電極パッド10~13と出力ラインO40~O43との間には、出力ゲートである3ステートバッファ60~63が設けられている。
【0031】
半導体装置100外には、テストメイン回路400が設けられている。テストメイン回路400は、上記開閉スイッチであるアナログスイッチ31~33の開閉制御と、上記入力ゲートであるORゲート50~53の開閉制御と、上記出力ゲートである3ステートバッファ60~63の開閉制御とを行うと共に、上記第1の電極パッド10にプローブピンを立てて、上記ポート回路200との間で行う信号の送受結果検出を行って該当入力ラインI40~I43と該当出力ラインO40~O43における不具合の有無を検出するものである。
【0032】
上記テストメイン回路400は、送受結果検出において、上記第1の電極パッド10から入力され上記ポート回路200へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、上記ポート回路200から上記第1の電極10に到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出するものである。
【0033】
上記テストメイン回路400は、より具体的には、送受結果検出において、上記第1の電極パッド10から入力され上記ポート回路200の該当入力データレジスタ(P0入力データレジスタ~P3入力データレジスタ)へ到来する信号に基づき該当入力ラインの不具合の有無を検出し、上記ポート回路200の該当出力レジスタ(P0出力データレジスタ~P3出力データレジスタ)から上記第1の電極パッド10に到来する信号に基づき該当出力ラインの不具合の有無を検出するものである。
【0034】
上記のテストメイン回路400は、ウェハ段階における半導体装置のテストを行うプローブカードやテストボード等に備えさせることができる。
【0035】
半導体装置100内には、テストメイン回路400に対応して制御指示を受けてアナログスイッチ31~33、ORゲート50~53、3ステートバッファ60~63の制御を行うテスト制御回路500が設けられている。テスト制御回路500には、パッド15とパッド16が接続されており、パッド15を介してクロックCLK INがテストメイン回路400から供給され、パッド16を介してテストメイン回路400によってデータDATA I/Oの入出力が行われる。
【0036】
本実施形態ではテストメイン回路400は、どのポートの信号を入出力させるかが設定する<PORTI/O設定モード>と、ポート回路200の入力レジスタ(P0入力データレジスタ~P3入力データレジスタ)または出力レジスタ(P0出力データレジスタ~P3出力データレジスタ)のいずれの信号を検出するのかを設定する<PORTデータ設定モード>と、第1の電極パッド10~第4の電極パッド13間のいずれを接続するか設定する<PAD間ASWモード>とを有している。
【0037】
図2には、上記<PORTI/O設定モード>、<PORTデータ設定モード>、<PAD間ASWモード>を指定するために、テストメイン回路400からテスト制御回路500へ送信する4ビットのアドレスと、それぞれのモードで設定内容をテスト制御回路500へ送信する4ビットのデータ(PORT0~PORT3)が示されている。また、上記4ビットのアドレスまたはデータの入力の前に2ビットのモード設定データのデータをテスト制御回路500へ送信する。この2ビットのデータが
図3に示されている。
【0038】
次に、第1の電極パッド10に立てられたプローブピンからデータ入力を行って入力ラインにおける不具合の有無を検出する動作を、
図4に示すタイミングチャートを用いて説明する。ここでは、ポート回路200の4つの入力レジスタ(P0入力データレジスタ~P3入力データレジスタ)に信号が到来するか否かを検出して不具合の有無を判定する。
【0039】
まず、<PORTI/O設定モード>を実行する。パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0001”を入力し、PORTI/O設定モードが設定される。次に、どのポートの信号を入出力させるかを指示するために、まず“00”を入力し、データWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0000”を入力し、全ポートを入力モードに設定する。これにより、ポート回路200からはORゲート50~53の一方の入力端子に接続されているラインIE0~IE3へ信号“0”が出力される。この結果、ORゲート50~53の他方の入力端子に到来する信号はそのまま通過する状態となる。
【0040】
次に、<PAD間ASWモード>を実行する。パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0010”を入力し、PAD間ASWモードを設定する。次に、どのポートの信号を入出力させるかを指示するために、まず“00”を入力し、データWRモードを設定する。次に、第1の電極パッド10~第4の電極パッド13間の全てを接続する指示を行うために、パッド16から、データDATA I/Oとして“0111”を入力する。これにより、ポート回路200からはラインASW01~ASW23からアナログスイッチ31~33の全てへ信号“1”が出力される。この結果、アナログスイッチ31~33の全てがオンとなり、第1の電極パッド10~第4の電極パッド13間の全てが接続される。この状態で、第1の電極パッド10に立てられたプローブピンからデータ(データ“1”)入力を行うと、データ“1”は、第1の電極パッド10及びアナログスイッチ31~33を介して、ORゲート50~53からP0入力データレジスタ~P3入力データレジスタへ到り、ここでデータ“1”がセットされる。
【0041】
最後に、<PORTデータ設定モード>が実行される。この<PORTデータ設定モード>によってポート回路200のP0入力データレジスタ~P3入力データレジスタにデータ“1”がセットされていることの確認をとる。そのため、パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0000”を入力し、PORTデータ設定モードを設定する。次に、P0入力データレジスタ~P3入力データレジスタからデータを読み出すために、まず“01”を入力し、データRDモードを設定する。次に、パッド16から、テスト制御回路500を介してポート回路200内のP0入力データレジスタ~P3入力データレジスタデータの内容をパッド16からDATA I/Oとして読み出す。このとき、
図4のMP1に示すように、DATA I/Oには“HHHH”(“1111”)が現れている。
【0042】
斯くして、第1の電極パッド10にのみプローブピンを立て、プローブピンからデータ(データ“1”)入力を行うだけで、プローブピンを立てない電極パッド(第2の電極パッド11~第4の電極パッド13)の周りの回路についても検証が可能であり、ウエハテストのときに立てるプローブピン数を少なくできることが判る。
【0043】
上記に対し、第4の電極パッド13の周りの回路に不具合がある場合として、ORゲート53を通過する信号が“1”に固定してしまう不具合が生じている
図5の場合を説明する。この場合には、上述の例と同じように、<PORTI/O設定モード>、<PAD間ASWモード>と実行し、<PAD間ASWモード>においてプローブピンからデータ(データ“0”)入力を行うにも拘わらず、ポート回路200のP0入力データレジスタ~P2入力データレジスタは、“000”となるが、P3入力データレジスタには“1”がセットされる。そして、<PORTデータ設定モード>を実行するにも拘わらず、DATA I/Oには“LLLH”(“0001”)が現れる。このように、第1の電極パッド10にのみプローブピンを立て、プローブピンからデータ(データ“0”)入力を行うことで、本来は同じ“0”が4つ並んだデータの読出しが期待できるところ、不具合の経路が異なるデータとなる。このようにして電極パッド13の周りの回路に不具合がある電極パッドの周りの回路を容易に見つけ出すことができる。
【0044】
次に、P3出力データレジスタにデータ“1”を設定して、これを第1の電極パッド10にのみプローブピンを立て検出することにより電極パッド13の周りの回路に不具合があることを検出する例を
図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0045】
まず、<PORT3出力設定モード>が実行される。パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0001”を入力し、PORTI/O設定モードが設定される。次に、どのポートの信号を入出力させるかを指示するために、まず“00”を入力し、データWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“1000”を入力し、PORT3のみを出力モードに設定する。これにより、ポート回路200からは3ステートバッファ60~63の内の3ステートバッファ63のみの制御入力端子に接続されているラインOE3のみへ信号“1”が出力される。この結果、3ステートバッファ63のみが入力端子に到来する信号をそのまま通過させる状態となる。
【0046】
次に、<PORT3データ設定モード>が実行される。パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0000”を入力し、PORTデータ設定モードが設定される。次に、レジスタへのデータ書き込みのために、まず“00”を入力し、データWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“1000”を入力し、P3出力データレジスタへのデータ書き込みへ進む。これにより、ポート回路200からはP3出力データレジスタのみへ信号“1”が設定される。即ち、出力すべき信号がP3出力データレジスタに整った状態となる。
【0047】
最後に、<PAD間ASWモード>を実行する。パッド16から、データDATA I/Oとして“10”を入力し、アドレスWRモードを設定する。次にパッド16から、データDATA I/Oとして“0010”を入力し、PAD間ASWモードを設定する。次に、どのポートの信号を入出力させるかを指示するために、まず“00”を入力し、データWRモードを設定する。次に、第1の電極パッド10~第4の電極パッド13間の全てを接続する指示を行うために、パッド16から、データDATA I/Oとして“0111”を入力する。これにより、ポート回路200からはラインASW01~ASW23からアナログスイッチ31~33の全てへ信号“1”が出力される。この結果、アナログスイッチ31~33の全てがオンとなり、第1の電極パッド10~第4の電極パッド13間の全てが接続される。この状態で、P3出力データレジスタに設定されているデータ“1”は、3ステートバッファ63、第4の電極パッド13~第2の電極パッド11とアナログスイッチ31~33を介して、第1の電極パッド10へ到り、第1の電極パッド10に立てられたプローブピンからデータ取り込みを行うことができる。ポート回路200の各ポートから対応の電極パッドの周りの回路の不具合を容易に見つけ出すことができる。
【0048】
本実施形態では、P3出力データレジスタに対応するPORT3からの出力経路の不具合を検出する場合を示したが、PORT0~PORT3のいずれについても、その出力経路の不具合を検出することが可能である。各PORT0~PORT3に対応する不具合検出の場合に、ポート回路200から3ステートバッファ60~63の内の所要の3ステートバッファをオンとするための制御信号“1”を出力すべきラインOE0~OE3の信号値と、アナログスイッチ31~33のいずれへ信号“1”を出力すべきかを示すラインASW01~ASW23の信号値とが、
図7に示されている。
【0049】
図7からは、例えば、PORT1からの出力経路の不具合を検出する場合には、ポート回路200から、ラインOE0~OE3の信号値が“0100”として出力され、ラインASW01~ASW23の信号値が“100”として出力される。
【0050】
図6に示したように不具合がないことが検出される場合に対し、PORT3からの出力経路の不具合がある場合として、3ステートバッファ63が故障して信号出力ができない
図8の場合を説明する。この場合には、上述の例と同じように、最初に<PORT3出力設定モード>を行う。このとき、ポート回路200からは3ステートバッファ60~63の内の3ステートバッファ63のみの制御入力端子に接続されているラインOE3のみへ信号“1”が出力されるものの、3ステートバッファ63がオンとならない不具合が生じたものとする。若しくは、ポート回路200からは3ステートバッファ60~63の内の3ステートバッファ63のみの制御入力端子に接続されているラインOE3のみへ信号“1”が出力されず、3ステートバッファ63がオンとならない不具合が生じたものとする。
【0051】
この<PORT3出力設定モード>に次いで<PORT3データ設定モード>と<PAD間ASWモード>が実行される。これによって、P3出力データレジスタ→3ステートバッファ63→第4の電極パッド13→アナログスイッチ33→第3の電極パッド12→アナログスイッチ32→第2の電極パッド11→アナログスイッチ31→第1の電極パッド10の経路が一見して生じている。しかしながら、
図8に示すように3ステートバッファ63がオンとならない不具合が生じているため、第1の電極パッド10に立てられたプローブピンからデータ取り込みを行っても、本来取り込みされるべき期待値データ“1”が得られない。これにより、不具合検出できるものである。
【0052】
以上の本実施形態の構成採用することで、従来のテストに加えてPAD周辺回路の測定が可能となる。そのため、針立て本数が少数に抑えられ、1回の測定数を多くできるためテストコストが削減できる効果がある。
【符号の説明】
【0053】
10 第1の電極パッド
11 第2の電極パッド
12 第3の電極パッド
13 第4の電極パッド
ASW01~ASW23 ライン
I40~I43 入力ライン
IE0~IE3 ライン
O40~O43 出力ライン
OE0~OE3 ライン
50-53 ORゲート
60-63 3ステートバッファ
21-23 信号ライン
31-33 アナログスイッチ
100 半導体装置
200 ポート回路
300 半導体本体部
400 テストメイン回路
500 テスト制御回路