(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法及びゲーム端末
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5378 20140101AFI20240710BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240710BHJP
A63F 13/5258 20140101ALI20240710BHJP
A63F 13/5372 20140101ALI20240710BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20240710BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240710BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240710BHJP
【FI】
A63F13/5378
A63F13/55
A63F13/5258
A63F13/5372
A63F13/812 Z
G06T11/60 300
G06T19/00 300A
(21)【出願番号】P 2023045514
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2018227488の分割
【原出願日】2018-12-04
【審査請求日】2023-04-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年6月30日~平成30年7月1日にて、XFLAG PARK 2018にて、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。 平成30年10月18日 週刊ファミ通 2018年11月1日号にて、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。 平成30年8月4日~5日 U-FES.Music、U-FES.Girls、U-FES.Games、U-FES.Kidsにて、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。 平成30年9月14日 ウェブサイト(https://mobileball.jp/、https://www.youtube.com/channel/UC0IFrQ2k0LHflWA7LcR5r-w、https://youtu.be/A555pSNGRUM、https://prtimes.jp/、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000248.000016514.html)で、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。 平成30年9月13日 ウェブサイト(https://www.nintendo.co.jp/nintendo_direct/20180914/index.html、https://www.youtube.com/watch?v=LzMpyQGZYAs)で、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。 平成30年11月7日 ウェブサイト(https://www.youtube.com/watch?v=pDefqI0TKkU)で、仮想空間内でキャラクタが動き回るゲーム(モバイルボール)を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】竹田 広平
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064753(JP,A)
【文献】特開2009-160406(JP,A)
【文献】特開2005-046281(JP,A)
【文献】特開2018-110659(JP,A)
【文献】特許第6043448(JP,B1)
【文献】プロゲーマーが教えるエイム練習法!これで君もゴリラエイムだ![スプラトゥーン2] ,YouTube [online] [video],2018年03月11日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=olHzy8GlOwM>,[令和6年1月22日検索日]
【文献】「Camera Toggling | ROCKET LEAGUE TUTORIAL」,YouTube[online][video],2017年07月13日,<https://www.youtube.com/watch?v=RZbH-DCDP4g>,主に0:01-0:10参照、[2023年4月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
G06T 11/60
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを制御する制御部を備え、前記制御部は、
第1オブジェクトに対する操作に基づいて、仮想空間で前記第1オブジェクトを動作させ、
前記仮想空間の一部を表示するゲーム画面に前記第1オブジェクトと
、前記第1オブジェクトとの衝突によって移動
可能な第2オブジェクトとを表示すると共に、前記ゲーム画面
を左右に分割する中心線上に前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを表示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1オブジェクトを移動させる操作を受け付けた場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを前記線上に表示し続けた状態で、前記仮想空間内における前記第1オブジェクトの位置を移動させる、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記仮想空間内に固定される第3オブジェクトを配置し、
前記ゲームは、前記第1オブジェクトに対する操作に基づいて、前記第2オブジェクトを前記第3オブジェクトに入れるゲームである、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサが、第1オブジェクトに対する操作に基づいて、仮想空間で前記第1オブジェクトを動作させ、
プロセッサが、前記仮想空間の一部を表示するゲーム画面に前記第1オブジェクトと
、前記第1オブジェクトとの衝突によって移動
可能な第2オブジェクトとを表示すると共に、前記ゲーム画面
を左右に分割する中心線上に前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを表示する、
情報処理方法。
【請求項5】
プロセッサに、第1オブジェクトに対する操作に基づいて、仮想空間で前記第1オブジェクトを動作させ、
プロセッサに、前記仮想空間の一部を表示するゲーム画面に前記第1オブジェクトと
、前記第1オブジェクトとの衝突によって移動
可能な第2オブジェクトとを表示すると共に、前記ゲーム画面
を左右に分割する中心線上に前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを表示させる、
処理を実行させるプログラム。
【請求項6】
サーバと端末とを備え、
前記サーバは、
第1オブジェクトに対する操作に基づいて、仮想空間で前記第1オブジェクトを動作させ、
前記仮想空間の一部を表示するゲーム画面に前記第1オブジェクトと、前記第1オブジェクトとの衝突によって移動可能な第2オブジェクトとを前記端末に表示すると共に、前記ゲーム画面を左右に分割する中心線上に前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを前記端末に表示する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及びゲーム端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元仮想空間の内部をキャラクタが移動するゲームでは、プレイヤがキャラクタの位置を容易に認識できるようにするために、3次元仮想空間内におけるキャラクタの位置をゲーム画面上に表示することが行われている。例えば、特許文献1には、3次元仮想空間を移動するキャラクタを所定の視点から捉えたゲーム画像に、3次元仮想空間内でのキャラクタの位置を俯瞰して示すレーダ画像を重ねて表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、プレイヤが操作するキャラクタとレーダ画像とが離れて表示されることから、プレイヤは、キャラクタに視線を集中させているとレーダ画像の確認が疎かになってしまい、3次元仮想空間内におけるキャラクタの位置を見失ってしまう可能性がある。このような問題は、3次元仮想空間の内部をキャラクタが素早く移動し、ゲーム画面が目まぐるしく変化するようなゲームでは顕著に発生すると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、仮想空間内におけるキャラクタの位置を、より少ない視線移動で把握可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、プレイヤが仮想空間内のキャラクタを操作するゲームのプログラムであって、コンピュータを、キャラクタに対する操作を受け付ける入力手段と、入力手段が受け付けた操作に基づいて、仮想空間内でキャラクタを動作させる動作制御手段と、仮想空間の一部を表示するゲーム画面内にキャラクタを表示すると共に、仮想空間内におけるキャラクタの現在位置を示す地図を、キャラクタと重ねて表示する表示制御手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間内におけるキャラクタの位置を、より少ない視線移動で把握可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図3】キャラクタ及びオブジェクトの移動と共にゲーム画面の視点が移動する様子 を示す。
【
図4】ゲームサーバ及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】ゲームサーバの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【
図6】端末の機能ブロック構成の一例を示す図である。
【
図8】ゲーム画面にてマップが表示される位置を説明するための図である。
【
図10】オブジェクトの色を決定する例を説明する図である。
【
図11】各色のテクスチャ画像を含む画像データの例を示す図である。
【
図12】画像データからテクスチャ画像を抽出する方法を説明するための図である 。
【
図13】プレイヤが行う特定の操作の具体例を説明するための図である。
【
図14】キャラクタを特定の地点に素早く移動させる際の条件の具体例を説明する ための図である。
【
図15】最高速度時におけるキャラクタの移動方向を制御する方法を説明するため の図である。
【
図16】キャラクタに装備したアイテムの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態では、仮想的な3次元空間の中でキャラクタがボールをゴールに入れるゲームを例に説明するが、本実施形態がこれに限定されるものではない。本実施形態は、様々な球技に関するゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム等にも適用することが可能である。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すゲームシステム1は、ゲームサーバ10(ゲーム装置)と、複数の端末20とを備える。ゲームサーバ10及び端末20は、インターネットやイントラネット、無線LAN、移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
ゲームサーバ10は、例えば、プレイヤに関する各種情報を管理したり、ゲームの一部の処理を実行したりする等、端末20がゲームを提供する上でその一部の機能を担う装置である。ゲームサーバ10は、1又は複数の情報処理装置から構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0012】
端末20は、ゲームをプレイヤに提供する端末であり、プレイヤは、端末20を操作することで本実施形態に係るゲームを実行することができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置等のコンピュータである。
【0013】
<ゲーム概要>
続いて、本実施形態に係るゲームシステム1が提供するゲームの概要を説明する。ゲームシステム1が提供するゲーム(以下、「本ゲーム」と言う。)では、プレイヤは、仮想的な3次元空間(以下、「仮想空間」と言う。)の中で、透明な球に入ったキャラクタを操作し、仮想空間内に1つ現れるボール(移動するオブジェクト)を、仮想空間内に固定的に設置されたゴール(固定されたオブジェクト)に入れることで勝敗を競う。仮想空間には地面(平面)が設けられており、キャラクタは、当該地面の上を転がったりジャンプしたりしながら自由自在に移動する。
【0014】
各プレイヤは、キャラクタをボールに衝突させることでボールを移動させ、最終的に、ボールを敵のゴールに入れたプレイヤが勝利する。本ゲームには、様々なプレイモードが設けられている。例えば、コンピュータと対戦するモード、2人のプレイヤで対戦するモード、4人のプレイヤが2組に分かれて対戦するモード、4人のプレイヤがそれぞれ対戦するモード等が設けられている。
【0015】
図2に、本ゲームのゲーム画面例を示す。ゲーム画面には、仮想空間の全てが表示されるのではなく、所定の視点から仮想空間を見た場合における所定範囲の仮想空間が描画される。また、ゲーム画面には、プレイヤ自身が操作するキャラクタCA(以下、「自キャラクタCA」と言う。)と、ゴールGと、ボールBと、マップM(地図)が表示される。また、
図2には表示されていないが、他のプレイヤが操作するキャラクタCAが所定範囲に入った場合には、当該他のプレイヤが操作するキャラクタCAもゲーム画面に表示される。自キャラクタCAとボールBは、ゲームをプレイしている間は基本的に、画面を左右に分割する中心線Lの上に表示され続ける。ただし、特殊攻撃が発動する場合やゴールが決まった(又は決められた)場合など特定の条件下では、中心線Lの上以外の場所に描画されることやゲーム画面から消えることもあり得る。
【0016】
ここで、所定の視点は、任意の視点ではなく予め定められた視点である。具体的には、自キャラクタCAを斜め上から見下ろす視点であり、かつ、自キャラクタCA及びボールBが、中心線Lの上に常に重なって見える視点である。つまり、自キャラクタCA及びボールBが仮想空間内を移動すると、自キャラクタCA又はボールBが中心線Lからずれることがないように視点も移動していくことになる。
【0017】
図3に、自キャラクタCA及びボールBの移動と共にゲーム画面の視点が移動する様子を示す。
図3は、仮想空間を真上から見た状態を示している。まず、
図3左の状態では、ゲーム画面の視点は、右上から左下に向かうL2方向になる。ここで、線分L2を中心とした角度αの範囲は、ゲーム画面に描画される仮想空間の左右方向の範囲を示す。なお、角度αの大きさは固定であってもよいし、ゲーム進行に応じて動的に変化するようにしてもよい。この状態から、ボールBが右下に移動し、
図3右の状態に遷移すると、ゲーム画面の視点は、左上から右下に向かうL3方向に移動する。本ゲームでは、自キャラクタCA及びボールBは仮想空間内を高速で移動することから、ゲーム画面に描画される仮想空間は、自キャラクタCA及びボールBの移動に伴って目まぐるしく変化することになる。
【0018】
<ハードウェア構成>
図4は、ゲームサーバ10及び端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0019】
<機能ブロック構成>
図5は、ゲームサーバ10の機能ブロック構成の一例を示す図である。ゲームサーバ10は、通信部101と、ゲーム制御部102と、記憶部103とを含む。通信部101と、ゲーム制御部102とは、ゲームサーバ10のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCDROM等の記憶媒体であってもよい。また、記憶部103は、ゲームサーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。
【0020】
通信部101は、本ゲームを実行するために必要な情報を端末20との間で送受信する機能を有する。本ゲームを実行するために必要な情報とは、例えば、各プレイヤが操作する各キャラクタCAの現在位置やボールBの現在位置を示す情報などである。
【0021】
ゲーム制御部102は、本ゲームを実行するために必要な各種の機能のうちゲームサーバ10側で行う機能を提供する。例えば、ゲーム制御部102は、同一の仮想空間内における各プレイヤの位置情報やボールBの位置を各端末20に送信する機能、各プレイヤが所持するキャラクタの属性データ等を管理する機能、各プレイヤがゲーム内で行った各種の設定等を管理する機能、及び、端末20が保持するゲームデータのバックアップを行う機能等を提供する。
【0022】
記憶部103は、プレイヤ管理DBを記憶する。プレイヤ管理DBは、各プレイヤに関する各種データを管理する。具体的には、ログイン情報、ゲーム画面に表示されるプレイヤの名称、所有するキャラクタCAに関する情報、所有するアイテムに関する情報などがプレイヤごとに格納される。
【0023】
図6は、端末20の機能ブロック構成の一例を示す図である。端末20は、入力部201と、動作制御部202と、表示制御部203と、通信部204と、記憶部205とを含む。入力部201と、動作制御部202と、表示制御部203と、通信部204とは、端末20のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。記憶部205は、端末20が備える記憶装置12を用いて実現することができる。当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。また、当該プログラムは、ネットワークを通じて外部のサーバからダウンロードされて端末20にインストールされるプログラムであってもよい。
【0024】
入力部201は、プレイヤから各種の入力を受け付ける機能を有する。また、入力部201は、プレイヤからキャラクタ操作に関する各種の入力を受け付けて動作制御部202に通知する機能を有する。入力部201は、プレイヤが端末20の画面(タッチパネル)上で行った操作(タッチ操作、フリック操作、スワイプ操作等)を検出することで自キャラクタCAに対する操作を受け付けるようにしてもよいし、プレイヤがゲームコントローラのボタンを押下したことを検出することで自キャラクタCAに対する操作を受け付けるようにしてもよい。
【0025】
動作制御部202は、入力部201がプレイヤから受け付けた操作に基づいて、仮想空間内における自キャラクタCAの動作(移動方向や移動速度等)を制御する機能を有する。具体的には、動作制御部202は、端末20の画面上にてプレイヤが行った操作の方向
(例えばフリック操作の方向)に自キャラクタCAを移動させるように制御する。また、当該操作の速度が速いほど自キャラクタCAが移動する速度も速くなるように、自キャラクタCAの動作を制御する。また、動作制御部202は、仮想空間内におけるボールBの動作(移動速度、移動方向、移動軌跡等)も制御する。
【0026】
なお、動作制御部202は、常に、端末20の画面上にてプレイヤが行った操作の方向に自キャラクタCAを移動させるのではなく、所定の条件を満たす場合は、自キャラクタCAが特定の動作をするように制御してもよい。例えば、動作制御部202は、自キャラクタCAが仮想空間内の所定のエリアに位置し、かつ、プレイヤがゲーム画面で特定の操作(例えば下方向にフリック操作する等)を行う場合、自キャラクタCAを特定の地点(例えばゴール地点等)に移動させる操作が行われたものとみなして、自キャラクタCAを当該地点に移動させるようにしてもよい。
【0027】
また、動作制御部202は、自キャラクタCAが所定の方向(第1方向)に一定速度で移動している場合、自キャラクタCAは、少なくともプレイヤが何らかの操作(例えば画面に触れる等)を行うまでの間、自キャラクタCAを当該所定の方向(第1方向)に一定速度で移動させ続けるようにしてもよい。
【0028】
表示制御部203は、仮想空間の少なくとも一部を表示するゲーム画面をディスプレイに表示する機能を有する。また、表示制御部203は、ゲーム画面内に自キャラクタCAを表示すると共に、仮想空間内における自キャラクタCAの現在位置を示すマップMを、自キャラクタCAと重ねて表示する機能を有する。また、表示制御部203はボールBをゲーム画面に表示すると共に、ボールBの動作量に応じてボールBの表面にマッピングするテクスチャ画像を切り替える機能を有する。
【0029】
通信部204は、本ゲームを実行するために必要な情報をサーバ10との間で送受信する機能を有する。本ゲームを実行するために必要な情報とは、例えば、各プレイヤが操作するキャラクタCAの現在位置やボールの現在位置を示す情報などである。
【0030】
記憶部205は、各機能部(入力部201、動作制御部202、表示制御部203及び通信部204)が本ゲームを実行するために必要なゲームデータを記憶する。ゲームデータには、キャラクタCAの画像データ、ボールBの画像データ、ゲームシナリオ等が格納される。
【0031】
<処理手順>
続いて、ゲームシステム1が行う具体的な処理手順を説明する。
【0032】
(マップ表示)
本ゲームでは、各キャラクタCA及びボールBは仮想空間内を高速で移動し、これに伴い、ゲーム画面に描画される仮想空間の範囲も、自キャラクタCA及びボールBの移動に伴って目まぐるしく変化する。また、敵プレイヤより早くボールBを敵のゴールGに入れるために、プレイヤは、自キャラクタCAの位置のみならず、敵キャラクタの位置、味方キャラクタの位置、ボールBの位置及びゴールGの位置を常に把握しておく必要がある。
【0033】
そこで、本ゲームでは、端末20の表示制御部203は、ゲーム画面において、仮想空間内における各キャラクタの位置、ボールBの位置及びゴールGの位置を表示するマップを、プレイヤが操作するキャラクタCAに重ねて表示する。これにより、プレイヤは、自キャラクタCAに視線を集中させながら、他のキャラクタの位置、ボールBの位置及びゴールGの位置を素早く把握することが可能になる。
【0034】
図7は、マップMの具体例を示す図である。マップMには、自キャラクタCAの現在位置を示す自キャラクタアイコンCAI1、味方プレイヤが操作するキャラクタCAの現在位置を示す味方キャラクタアイコンCAI2、敵プレイヤが操作するキャラクタCAの現在位置を示す敵キャラクタアイコンCAI3及び敵キャラクタアイコンCAI4が表示される。また、マップMには、ボールBの現在位置を示すボールアイコンBI、敵のゴールGの位置(プレイヤ自身及び味方のプレイヤがターゲットとする第2オブジェクト)を示すゴールアイコンGI1及び味方のゴールG(敵のプレイヤがターゲットとする第1オブジェクト)の位置を示すゴールアイコンGI2が表示される。
【0035】
また、敵キャラクタCAの位置を容易に識別可能にするため、敵キャラクタアイコンCAI3及び敵キャラクタアイコンCAI4は、自キャラクタアイコンCAI1及び味方キャラクタアイコンCAI2とは異なる形状のアイコンで表示されるようにしてもよい。また、自キャラクタアイコンCAI1及び味方キャラクタアイコンCAI2は矢印の形状をしており、矢印の方向が、自キャラクタCA及び味方キャラクタが向いている方向を示すようにしてもよい。若しくは、自キャラクタアイコンCAI1のみが矢印の形状をしており、味方キャラクタアイコンCAI2は、敵キャラクタアイコンCAI3及び敵キャラクタアイコンCAI4と同様、単に位置のみを表す形状であってもよい。また、自キャラクタCAの位置を容易に認識可能にするため、自キャラクタアイコンCAI1は、他のキャラクタアイコンよりも大きな形状で表示されるようにしてもよい。
【0036】
図8は、ゲーム画面にてマップMが表示される位置を説明するための図である。ゲーム画面に表示されるマップMは、仮想空間に設けられた地面(平面)に張り付いた状態で表示される。表示制御部203は、ゲーム画面において、自キャラクタCAの位置から地面に向かって垂直方向に移動した地点である地面上の地点PCAと、マップMにおいてキャラクタアイコンCAI1を表示する地点とが一致するようにマップMの表示位置を制御する。
【0037】
例えば、
図8のAに示すゲーム画面A10では、自キャラクタCAから地面に向かって垂直方向に向かう線分L10が地面と交わる地点PCAと、自キャラクタアイコンCAI1とが一致するようにマップMが表示されている。この状態で、自キャラクタCAが仮想空間を敵のゴールG1方向に移動したとする。自キャラクタCAが移動した後の状態を
図8のBに示す。
図8のBに示すゲーム画面A11でも、自キャラクタCAから地面に向かって垂直方向に向かう線分L10が地面と交わる地点PCAと、自キャラクタアイコンCAI1とが一致するようにマップMが表示されている。つまり、
図8のAに示すゲーム画面A10と、
図8のBに示すゲーム画面A11とでは、自キャラクタCAの表示位置は変化していないが、マップMの表示位置は右方向に移動している。
【0038】
次に、表示制御部203は、ゲーム画面にて、自キャラクタCAを起点として敵のゴールG1が存在する方向L12(第1方向)と、マップMにおいて自キャラクタアイコンCA1の現在位置から敵のゴール位置を示すゴールアイコンGI1とを結ぶ方向L11とが同一の方向になるように、マップMを回転表示させる。
【0039】
例えば、ボールBが敵のゴールG近くに移動したことで、ゲーム画面が、敵のゴールGが写っていない状態(
図8のB)から敵のゴールGが写っている状態(
図8のC)に遷移したと仮定する。この場合、
図8のCに示すゲーム画面A12のように、マップMは、ゲーム画面A12にて敵のゴールGが存在する方向L12と、マップMにおいてキャラクタアイコンCA1の現在位置から敵のゴール位置を示すゴールアイコンGI1とを結ぶ方向L11が同一方向になるようにマップMが回転する。
【0040】
(ボールBのブラー効果、ボールBのカラー切り替え)
本ゲームでは、ボールBを描画する際にオブジェクトの動きの大きさを表現する処理を施すことで、ゲーム画面をよりリアルに表現する。オブジェクトの動きの大きさを表現する処理はどのような処理であってもよいが、例えば、ブラー処理が挙げられる。以下の説明では、便宜上、オブジェクトの動きの大きさを表現する処理はブラー処理であるとして説明する。
【0041】
記憶部205に格納されているゲームデータには、ブラー効果の異なる複数のテクスチャ画像を含むテクスチャ画像のセットが、ボールBの動作量の範囲を示す閾値と対応づけられて格納されている。テクスチャ画像のセットに含まれる各テクスチャ画像は、ボールの動作量が大きくなるほどブラー効果が大きくなるように加工された画像である。表示制御部203は、ボールBの動作量と当該閾値とを比較し、ボールBの動作量に応じたテクスチャ画像をポリゴンで表現されたボールBの表面にマッピングすることで、ブラー効果を表現する。本実施形態では、ボールの動作量はボールの移動速度を意図しているが、これに限定されない。例えば、ボールの動作量は、ボールの回転速度であってもよい。
【0042】
図9は、テクスチャ画像のセットの一例を示す図である。
図9のAは、ブラー処理がなされていないテクスチャ画像(第1テクスチャ画像)の例を示し、
図9のBは、ブラー処理がなされたテクスチャ画像(第2テクスチャ画像)の例を示している。
図9のAに示すテクスチャ画像には、ボールBの表面模様がくっきりと描かれており、
図9のBに示すテクスチャ画像には、ボールBの表面模様がぼやけた状態で描かれている。
【0043】
図9に示すテクスチャ画像のセットを用いる場合、表示制御部203は、ボールBの動作量が所定の動作量未満である場合にはブラー処理がなされていないテクスチャ画像をボールBにマッピングし、ボールBの動作量が所定の動作量以上である場合にはブラー処理がなされたテクスチャ画像をボールBにマッピングする。
【0044】
なお、
図9の例ではあくまで一例でありこれに限定されない。例えば、ボールBが静止している場合に用いるテクスチャ画像(くっきりとした画像)と、ボールBが中程度の速度で動いている場合に用いるテクスチャ画像(少しぼやけた画像)と、ボールBが最高速度で動いている場合に用いるテクスチャ画像(ぼやけた画像)とを含むテクスチャ画像のセットを用意するようにしてもよい。
【0045】
ここで、本実施形態では、色の異なるテクスチャ画像のセットを複数用意しておき、表示制御部203は、ゲーム進行に応じたテクスチャ画像のセットを選択することで、ブラー効果に加えて、ボールBの色をゲーム進行に応じて変化させるようにしてもよい。
【0046】
例えば、表示制御部203は、ボールBの動作を最後に変化させたキャラクタ(自キャラクタCA、味方キャラクタ、敵キャラクタを含む全てのキャラクタ)の属性に対応づけられる色のテクスチャ画像を、ボールBにマッピングするようにしてもよい。ここで、ボールBの動作を変化させるとは、キャラクタがボールBに衝突することでボールBの移動速度又は移動方向を変化させることと、キャラクタが動かした何らかのオブジェクトをボールBに衝突させることでボールBの移動速度又は移動方向を変化させることとの両方を含む。従って、ボールBの動作を最後に変化させたキャラクタとは、ボールBに最後に衝突したものがキャラクタである場合は当該キャラクタであり、ボールBに最後に衝突したものが何らかのオブジェクトである場合は当該オブジェクトを最後に動かしたキャラクタを意味する。キャラクタの属性とは、例えば、キャラクタ毎に付与されたイメージカラーであってもよいし、キャラクタが属するチームのチームカラーであってもよい。
【0047】
図10は、ボールBの色を決定する例を説明する図である。例えば、自キャラクタCAが属するチームのチームカラーは赤であり、敵キャラクタが属するチームのチームカラーは青であると仮定する。もし、自キャラクタCAが直接ボールBに触れた場合、表示制御部203は、自キャラクタCAのチームカラーである赤色のテクスチャ画像のセットを選択し、当該セットの中からボールBの動作量に応じたテクスチャ画像を抽出してボールBにマッピングする。また、ボールBに弾丸Wが触れた場合で、弾丸Wを最後に移動させたキャラクタが敵キャラクタであった場合(例えば、弾丸Wに触ったキャラクタ又は弾丸Wを発射したキャラクタが敵キャラクタだった場合)、表示制御部203は、敵キャラクタのチームカラーである青色のテクスチャ画像のセットを選択し、当該セットの中からボールBの動作量に応じたテクスチャ画像を抽出してボールBにマッピングする。
【0048】
ここで、テクスチャ画像のセットに含まれる各テクスチャ画像は1つの画像データに含まれており、表示制御部203は、ボールBの動作量に応じたテクスチャ画像を当該画像データから抽出してボールBにマッピングするようにしてもよい。
【0049】
例えば
図11に示すように、黒色のテクスチャ画像のセットである画像データ、赤色のテクスチャ画像のセットである画像データ、青色のテクスチャ画像のセットである画像データ、紫色のテクスチャ画像のセットである画像データ、黄色のテクスチャ画像のセットである画像データ、緑色のテクスチャ画像のセットである画像データが図示されている。
図11の左側は、表示制御部203が現在ボールBにマッピングしているテクスチャ画像を含む画像データ(
図11の例では黒色)を示し、
図11の右側は、表示制御部203がボールBの色を変更する際に利用する画像データ(
図11の例では黒色以外)の候補を示している。また、各色の画像データのうち左側のテクスチャ画像はブラー効果が掛かっていないテクスチャ画像であり、右側のテクスチャ画像はブラー効果が掛かってるテクスチャ画像である。
【0050】
図12は、1枚の画像データからテクスチャ画像を抽出する方法を説明するための図である。
図12のAに示す領域R1は、画像データからブラー効果が掛かっていないテクスチャ画像を抽出する際に用いられる、UV座標で表現される領域を示している。つまり、表示制御部203は、ブラー効果が掛かっていないテクスチャ画像をボールBにマッピングする際、
図12のAに示す領域のテクスチャを抽出して、ポリゴンで表現されたボールBにマッピングする。同様に、
図12のBに示す領域R2は、画像データからブラー効果が掛かっているテクスチャ画像を抽出する際に用いられる、UV座標で表現される領域を示している。つまり、表示制御部203は、ブラー効果が掛かっているテクスチャ画像をボールBにマッピングする際、
図12のBに示す領域のテクスチャを抽出して、ポリゴンで表現されたボールBにマッピングする。
【0051】
(キャラクタ移動操作)
本ゲームでは、プレイヤがゲーム画面に触れたまま接触点を所定の方向に指を移動させる動作(いわゆるフリック操作及びスワイプ操作を含むが、以下の説明では便宜上、「フリック操作」と言う。)を行った場合、当該プレイヤが操作する自キャラクタCAは、プレイヤが画面上で指を動かした方向に移動する。しかしながら、ゲーム状況によっては、自キャラクタCAを、プレイヤが操作した方向ではなく、特定の地点に向けて素早く移動させるのが望ましい場合が想定される。
【0052】
そこで、動作制御部202は、プレイヤが操作する自キャラクタCAが仮想空間内の所定のエリアに位置した状態で、プレイヤが特定の操作を行った場合、特定の地点に自キャラクタCAを移動させる操作が行われたものとみなして、自キャラクタCAを当該地点に移動させる。特定の地点は、味方のゴールやプレイヤ自身のゴールのように固定的な地点であってもよいし、ボールが存在する位置、敵キャラクタが存在する位置、味方キャラクタが存在する位置のように移動する地点であってもよい。
【0053】
図13は、プレイヤが行う特定の操作の具体例を説明するための図である。例えば、プレイヤがゲーム画面の地点Tをタッチし、そのままF1方向にフリック操作を行ったとする。この場合、動作制御部202は、自キャラクタCAをF1方向に移動させる。一方、プレイヤがゲーム画面の地点Tをタッチし、そのままF2方向にフリック操作を行ったとする。F2方向が、地面上を地点Tから真下に向かった方向L20を中心とした所定の角度(角度α)内である場合、動作制御部202は、自キャラクタCAをF2方向ではなく、指定された地点に移動させる。
【0054】
なお、
図13に示す特定の操作はあくまで一例であり、
図13の例に限定されない、例えば、特定の操作とは、プレイヤが略上方向にフリック操作を行うことであってもよいし、略右方向にフリック操作を行うことであってもよいし、略左方向にフリック操作を行うことであってもよい。或いは、プレイヤがゲーム画面を所定回数タップ操作することであってもよい。
【0055】
若しくは、特定の操作は、特定方向へのフリック操作(
図13で説明したように所定の角度内へのフリック操作)が所定時間内に所定回数連続して行われることであってもよい。この場合、特定方向へのフリック操作が1回しか行われなかった場合は、自キャラクタCAは当該特定方向に移動し、特定方向へのフリック操作が所定時間内に所定回数連続して行われた場合は、自キャラクタCAは特定の地点に向かって移動することとしてもよい。
【0056】
また、特定方向は複数定められており、該特定方向ごとに前記キャラクタを移動させる特定の地点が定められていることとしてもよい。例えば、右方向へのフリック操作が行われた場合(又は右方向へのフリック操作が所定時間内に所定回数連続して行われた場合)はボールに向かって移動し、下方向へのフリック操作が行われた場合(又は下方向へのフリック操作が所定時間内に所定回数連続して行われた場合)はプレイヤ自身のゴールに向かって移動することとしてもよい。どの方向にフリック操作を行った場合に自キャラクタCAがどの地点に向かって移動するのかについては、プレイヤごとにカスタマイズ可能であってもよい。
【0057】
図14は、キャラクタを特定の地点に移動させる際の条件の具体例を説明するための図である。
図14は、仮想空間を上から見下ろした様子を示している。また、
図14に示す仮想空間のうち点線より左側は敵プレイヤの陣地(第2陣地)であり、点線より右側は味方プレイヤの陣地(1対1で対戦している場合にはプレイヤ自身の陣地を意味し、以下の説明でも同様)(第1陣地)であると仮定する。また、プレイヤ自身が操作するキャラクタを自キャラクタCA1とし、自キャラクタCA1の味方であるキャラクタを味方キャラクタCA2とする。キャラクタCA3及びキャラクタCA4は敵のキャラクタであるとする。また、ゴールG1は敵のゴール(プレイヤ及び/又は味方のプレイヤがターゲットとする第2オブジェクト)であり、ゴールG2は味方のゴール(敵のプレイヤがターゲットとする第1オブジェクト)であるとする。また、特定の地点は、ゴールG2であるとする。ゴールG1は敵プレイヤの陣地に配置され、ゴールG2は味方プレイヤの陣地に配置される。
【0058】
例えば、動作制御部202は、
図14のAに示すように、自キャラクタCA1が敵プレイヤの陣地にいる場合で、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。これにより、例えば、自キャラクタCAが敵プレイヤの陣地にいる場合であっても、自身のゴールG2に向かって自キャラクタCAを素早く移動させることが可能になる。
【0059】
また、他の例として、動作制御部202は、
図14のAに示すように、自キャラクタCA1が敵プレイヤの陣地にいる場合で、ボールBがゴールG2から所定の距離(d1)以内に位置しており、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。これにより、例えば戦況がかなり悪化した状態である場合にのみ、自キャラクタCAを素早く移動させることができ、プレイヤの誤操作を抑制することが可能にある。
【0060】
また、動作制御部202は、
図14のBに示すように、自キャラクタCA1が敵プレイヤの陣地に位置し、敵キャラクタ全員(キャラクタCA3及びキャラクタCA4)とボールBとが味方プレイヤの陣地に位置している場合であって、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合に、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。
【0061】
また、動作制御部202は、
図14のCに示すように、自キャラクタCA1が味方プレイヤの陣地に位置し、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合に、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。
【0062】
また、動作制御部202は、
図14のCに示すように、自キャラクタCA1が味方プレイヤの陣地に位置し、敵キャラクタ全員が、自キャラクタCA1よりもゴールG2の近くに位置している場合であって、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合に、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。
【0063】
また、他の例として、動作制御部202は、自キャラクタCA1が敵プレイヤ(又は味方プレイヤ)の陣地に位置し、かつ、ボールBに最後に触れたキャラクタが敵キャラクタであり、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合に、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させるようにしてもよい。
【0064】
また、他の例として、動作制御部202は、自キャラクタCA1が敵プレイヤ(又は味方プレイヤ)の陣地に位置し、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合には、自キャラクタCA1をゴールG2に向かって移動させ、自キャラクタCA1が味方プレイヤの陣地に位置し、かつ、プレイヤが特定の操作をした場合には、自キャラクタCA1をゴールG1
(又は敵のペナルティエリア)に向かって移動させることとしてもよい。
【0065】
(最高速度時におけるキャラクタ移動制御)
本ゲームでは、プレイヤは、仮想空間内で自身の自キャラクタCAを操作し、敵キャラクタが味方のゴールGにボールBを入れるよりも早く、ボールBを敵のゴールGに決める必要がある。そのためには、プレイヤは、自キャラクタCAを最高速度で移動させ続けることが多いと考えられる。
【0066】
そこで、動作制御部202は、プレイヤが操作する自キャラクタCAが第1方向に最高速度で移動している場合、プレイヤがゲーム画面に触れるまでの間(つまり、プレイヤが何の操作も行わない間)、自キャラクタCAが当該第1方向に最高速度で移動し続けるようにする。
【0067】
また、動作制御部202は、自キャラクタCAが第1方向に向かって最高速度で移動している状態で、プレイヤがゲーム画面で第2方向にフリック操作を行った場合、フリック操作の内容又はゲーム状況に応じて、自キャラクタCAが移動速度を最高速度に保ったまま移動方向を第2方向に変更するのか、又は、自キャラクタCAが移動方向を第2方向に変更して移動速度を減速させるのかを切り替える。
【0068】
より詳細には、動作制御部202は、自キャラクタCAが第1方向に最高速度で移動している場合で、プレイヤが第2方向にフリック操作を行う場合、第1方向と第2方向との角度差、フリック操作の強さ、及び、第2方向に向かって所定の範囲におけるキャラクタが触れることが可能な特定のオブジェクト(ボールB、仮想空間内に設置されたフェンス、壁面、アイテム等を意図)の存在のうち少なくともいずれか1つに基づいて、自キャラクタCAの移動速度を最高速度に保ったまま移動方向を第2方向に変更させるか、又は、自キャラクタCAの移動方向を第2方向に変更させて移動速度を減速させるかを切り替える。
【0069】
(具体例1)
例えば、動作制御部202は、第1方向と第2方向との角度差が所定の角度以内である場合、自キャラクタCAを、最高速度を保ったまま移動方向を第2方向に変更するように動作させるようにしてもよい。また、第1方向と第2方向との角度差が所定の角度を超える場合、自キャラクタCAを、移動方向を第2方向に変更してから移動速度を減速するように動作させるようにしてもよい。
【0070】
図15は、最高速度時におけるキャラクタの移動方向を制御する方法を説明するための図である。
図15において、自キャラクタCAはL30方向に最高速度で移動しているものとする。また、ユーザは、地点Tを起点としてF5方向又はF6方向にフリック操作を行ったものとする。また、地点Tを起点としたL31方向は、L30と同一方向であるものとする。また、方向F5は、方向L31を中心とした所定の角度(角度α)以内に含まれているものとし、方向F6は、方向L31を中心とした所定の角度(角度α)以内に含まれていないものとする。
【0071】
例えば、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF5方向にフリック操作を行った場合、自キャラクタCAは、最高速度を維持しながら移動方向をF5方向に変更する。また、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF6方向にフリック操作を行った場合、自キャラクタCAは、移動方向をF5方向に変更し、移動速度を最高速度から徐々に減速する。
【0072】
これにより、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させているが若干方向がずれているといったような場合、プレイヤは、自キャラクタCAを移動させたい方向に1回フリック操作を行うだけで、自キャラクタCAの移動方向を微調整することが可能になる。
【0073】
また、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させていたが、急に敵のゴールとは異なる方向に向かわないといけない事態が生じたような場合、プレイヤは、自キャラクタCAを移動させたい方向に向かって1回フリック操作を行うだけで、自キャラクタCAの移動方向を変更した上で、最高速度での移動を中止することができる。
【0074】
(具体例2)
動作制御部202は、第2方向へのフリック操作の強さが所定の強さ未満である場合、自キャラクタCAが移動速度を最高速度に保ったまま移動方向を第2方向に変更するように動作させるようにしてもよい。また、第2方向へのフリック操作の強さが所定の強さ以上である場合、自キャラクタCAが移動方向を第2方向に変更して移動速度を減速するように動作させるようにしてもよい。
【0075】
例えば、
図15の例では、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF5方向に所定の強さ未満のフリック操作を行った場合、自キャラクタCAは、最高速度を維持しながら移動方向をF5方向に変更する。また、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF6方向に所定の強さ以上でフリック操作を行った場合、自キャラクタCAは、移動方向をF5方向に変更して移動速度を最高速度から徐々に減速する。
【0076】
これにより、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させているが若干方向がずれているといったような場合、プレイヤは、自キャラクタCAを移動させたい方向に軽くフリック操作を行うだけで、自キャラクタCAの移動方向を微調整することが可能になる。
【0077】
また、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させていたが、急に敵のゴールとは異なる方向に向かわないといけない事態が生じたような場合、プレイヤは、自キャラクタCAを移動させたい方向に向かって強くフリック操作を行うだけで、自キャラクタCAの移動方向を変更した上で、最高速度での移動を中止することができる。
【0078】
なお、フリック操作の強さの大小は、フリック操作の移動量(タッチ開始地点とタッチ終了地点との距離)によって定義されてもよい。例えば、フリック操作の移動量が所定の距離未満である場合を弱いフリック操作であると定義し、フリック操作の移動量が所定の距離以上である場合を強いフリック操作であると定義するようにしてもよい。
【0079】
若しくは、フリック操作の強さの大小は、フリック操作の速度(タッチ開始地点からタッチ終了地点までの速度)によって定義されてもよい。例えば、フリック操作の速度が所定の速度未満である場合を弱いフリック操作であると定義し、フリック操作の速度が所定の速度以上である場合を強いフリック操作であると定義するようにしてもよい。
【0080】
若しくは、フリック操作の強さの大小は、フリック操作の移動量及び速度によって定義されてもよい。例えば、フリック操作の移動量が所定の距離未満であり、かつ、フリック操作の速度が所定の速度未満である場合を弱いフリック操作であると定義し、フリック操作の移動量が所定の距離以上であるか、又は、フリック操作の速度が所定の速度以上である場合を強いフリック操作であると定義するようにしてもよい。
【0081】
若しくは、フリック操作の強さの大小は、フリック操作時にタッチパネルに加わる圧力によって定義されてもよい。例えば、フリック操作時の圧力が所定の値未満である場合を弱いフリック操作であると定義し、フリック操作時の圧力が所定の値以上である場合を強いフリック操作であると定義するようにしてもよい。
【0082】
(具体例3)
動作制御部202は、プレイヤがフリック操作を行った第2方向から所定の範囲に、自キャラクタCAが触れることが可能な特定のオブジェクト(例えばボールや、仮想空間の範囲を示すフェンス等)が存在しない場合、自キャラクタCAを、速度を最高速度に保ったまま移動方向を第2方向に変更するように動作させるようにしてもよい。
【0083】
また、動作制御部202は、プレイヤがフリック操作を行った第2方向から所定の範囲に、自キャラクタCAが触れることが可能な特定のオブジェクト(例えばボールや、仮想空間の範囲を示すフェンス等)が存在する場合、自キャラクタCAを、移動方向を第2方向に変更して移動速度を減速するように動作させるようにしてもよい。
【0084】
例えば、
図15の例では、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF6方向に所定の速度未満でフリック操作を行った場合で、F6方向にはボールやフェンス等が存在しない場合、自キャラクタCAは、最高速度を維持しながら移動方向をF6方向に変更する。また、自キャラクタCAがL30方向に最高速度で移動している最中に、ユーザがF6方向に所定の速度以上でフリック操作を行った場合で、F6方向にはボールやフェンス等が存在する場合、自キャラクタCAを、移動方向をF6方向に変更して移動速度を最高速度から徐々に減速する。
【0085】
これにより、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させながら、ボールやフェンス等のオブジェクトが存在しない方向に方向を変えたいといったような場合、プレイヤは、自キャラクタCAを移動させたい方向にフリック操作を行うだけで、自キャラクタCAを最高速度で移動させながら移動方向のみを変更することが可能になる。
【0086】
また、例えば、自キャラクタCAを敵のゴールに向かって全速で移動させていたが、ボールが近付いてきたのでボールが存在する方向に移動方向を変えたいといったような場合、プレイヤは、自キャラクタCAをボールの方向に向かって強くフリック操作を行うだけで、自キャラクタCAの移動方向を変更した上で、自キャラクタCAを減速させることができる。
【0087】
以上説明した処理は、自キャラクタCAが「最高速度」で移動している場合に限定されず、自キャラクタCAが一定速度で移動している場合にも適用することができる。また、最高速度には、通常時(最高速度を向上させるアイテムを使用しておらず、かつ、最高速度を向上させるスキルも発動していない状態)の最高速度のみならず、最高速度を向上させるアイテムを使用した場合の最高速度、及び、最高速度を向上させるスキルを発動した状態の最高速度も含まれ得る。また、最高速度を、所定の動作(例えばフリック操作)により実現されるキャラクタの移動速度の上限と定義してもよい。
【0088】
(キャラクタのスキル)
本ゲームでは、自キャラクタCAに、自キャラクタCAのスキル(能力)を向上させることが可能なアイテムを複数装備することができる。自キャラクタCAのスキルとは、例えば、加速力、移動時の最高速度及びシュート精度等が挙げられる。また、アイテムには、例えば、加速力を向上させるアイテムや、シュート精度を向上させるアイテムなどが挙げられる。
【0089】
図16は、キャラクタに装備したアイテムの表示例を示す図である。
図16に示すように、ゲーム画面に表示される自キャラクタCAの左後方及び右後方には、それぞれ、車輪状のオブジェクトが1つずつ表示される。各々のオブジェクトには、更に、エリアS1、エリアS2、エリアS3、エリアS4及びエリアS5が含まれる。エリアS1には、自キャラクタCAが装備中のアイテムが表示され、エリアS2~S5には、自キャラクタCAが所持しているが装備はしていないアイテムが表示される。プレイヤは、ゲーム画面を操作することで、所持しているアイテムの中から装備するアイテムを任意に選択することが可能である。
【0090】
自キャラクタCAの移動時においては、エリアS1を中心としてエリアS2~エリアS4が回転するような演出表示が行われる。また、自キャラクタCAと車輪状のオブジェクトの各々との距離は、自キャラクタCAの移動速度に応じて変化する。具体的には、自キャラクタCAの移動速度が速いほど、自キャラクタCAと車輪状のオブジェクトの各々との距離が大きくなるように変化する。つまり、自キャラクタCAの移動速度が速いほど、車輪状のオブジェクトが遅れてついてくるような演出表示が行われる。
【0091】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、各キャラクタCA及びボールBが仮想空間内で様々に動き回るゲームにおいて、マップMを自キャラクタCAと重ねて表示するようにした。これにより、プレイヤは、仮想空間内における自キャラクタCAの位置を、より少ない視線移動で把握可能にすることが可能になる。
【0092】
また、本実施形態によれば、予めブラー効果の異なる複数のテクスチャ画像を用意しておき、ボールBの動作量に応じたテクスチャ画像をボールBにマッピングするようにした。これにより、ボールBへのブラー効果をより少ない処理負荷で実現することが可能になる。
【0093】
また、本実施形態によれば、自キャラクタCAが所定のエリア(例えば敵の陣地)に位置する場合で、かつ、プレイヤが特定の操作を行った場合、自キャラクタCAを特定の地点(例えば味方のゴール)に向けて移動させるようにした。これにより、急いで特定の地点に自キャラクタCAを移動させなければならない状況において、自キャラクタCAを当該特定の地点に向けて、より確実に移動させることが可能になる。
【0094】
また、本実施形態によれば、自キャラクタCAが最高速度で移動している間、プレイヤが特に操作をしない限り、自キャラクタCAが最高速度で移動し続けるようにした。これにより、プレイヤは、より少ない操作でキャラクタを高速移動させることが可能になる。また、ゲームの爽快感が醸成され、ゲームの興趣性を高めることが可能になる。
【0095】
また、本実施形態によれば、自キャラクタCAが最高速度で移動している場合、簡易な操作で自キャラクタCAの移動方向のみを変更したり、自キャラクタCAの移動方向を変更しつつ減速させたりするようにした。これにより、キャラクタが高速移動している場合であっても、より正確にキャラクタを操作することが可能になる。
【0096】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0097】
例えば、本実施形態に係るゲームは、現実の空間にキャラクタや各種のオブジェクトを重ねて表示するAR技術を利用したゲームであってもよい。すなわち、本実施形態に係る仮想空間には、現実の空間を利用したAR空間が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…ゲームシステム、10…ゲームサーバ、11…CPU、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、101…通信部、102…ゲーム制御部、103…記憶部、201…入力部、202…動作制御部、203…表示制御部、204…通信部、205…記憶部、325…表示制御部