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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20240710BHJP
   A47C 7/18 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C7/18
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023060251
(22)【出願日】2023-04-03
(62)【分割の表示】P 2021190932の分割
【原出願日】2017-03-28
(65)【公開番号】P2023073518
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-187861(JP,A)
【文献】特開2009-208647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00- 2/90
A47C 7/00- 7/74
A47C 27/00-27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッション及びシートバックを有する乗物用シートであって、
板状の支持板と、
前記支持板の表側に載置されたパッド部材と、
前記パッド部材の乗員からの荷重を支持する支持面に沿って設けられた線状のソフトアクチュエータと、
前記ソフトアクチュエータを駆動する制御装置と
前記支持面に重なるように配置された検出面を備える圧力センサシートと、を有し、
前記圧力センサシートの前記検出面には、圧力を検出する複数の圧力センサが設けられ、
前記制御装置は、前記圧力センサの出力に基づいて、前記検出面に加えられた圧力分布を算出し、算出された前記圧力分布に基づいて、前記ソフトアクチュエータを駆動させる乗物用シート。
【請求項2】
前記制御装置は、前記検出面を区分けした複数の領域それぞれに加わる圧力の平均値と、前記検出面の全体に加わる圧力の平均値とを算出し、算出された前記領域それぞれの圧力の平均値と、前記検出面の全体に加わる圧力の平均値との差を算出し、前記領域ごとに算出された差に基づいて対応する前記領域に上下方向に重なる前記ソフトアクチュエータを駆動させる請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記制御装置は、前記領域の圧力の平均値が前記検出面の全体に加わる圧力の平均値よりも大きいことを検出したときには、前記領域に重なる前記ソフトアクチュエータを前記差に比例して伸ばす請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記制御装置は、前記領域の圧力の平均値が前記検出面の全体に加わる圧力の平均値よりも小さいことを検出したときには、前記領域に重なる前記ソフトアクチュエータを前記差に比例して縮める請求項2又は請求項3に記載の乗物用シート。
【請求項5】
シートクッション及びシートバックを有する乗物用シートであって、
板状の支持板と、
前記支持板の表側に載置されたパッド部材と、
前記パッド部材の乗員からの荷重を支持する支持面に沿って設けられた線状のソフトアクチュエータと、
前記ソフトアクチュエータを駆動する制御装置と、を有し
前記ソフトアクチュエータは前記乗員からの圧力によって電気的な特性が変化し、
前記制御装置は、前記ソフトアクチュエータの電気的な特性に基づいて、前記ソフトアクチュエータに対応する領域の圧力を算出し、前記領域の圧力と、前記支持面の全体に加わる圧力の平均値との差に基づいて、前記領域に位置する前記ソフトアクチュエータを駆動させる乗物用シート。
【請求項6】
前記制御装置は、前記領域の圧力が前記支持面の全体に加わる圧力の平均値よりも大きいことを検出したときには、前記領域に対応する前記ソフトアクチュエータを前記差に比例して伸ばす請求項5に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記制御装置は、前記領域の圧力の平均値が前記支持面の全体に加わる圧力の平均値よりも小さいことを検出したときには、前記領域に対応する前記ソフトアクチュエータを前記差に比例して縮める請求項5又は請求項6に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記ソフトアクチュエータは、前記パッド部材の左右側部を通過して前記支持板と前記パッド部材との間に達し、
前記ソフトアクチュエータの端部が前記支持板に固定されている請求項1~請求項7のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記パッド部材に被される表皮材と、
前記表皮材及び前記パッド部材の間に配置され、複数の前記ソフトアクチュエータによって構成されたアクチュエータシートと、を備える請求項1~請求項8のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記アクチュエータシートの縁部には複数のシートコネクタが設けられ、
前記ソフトアクチュエータは両端において前記シートコネクタに結合され、
前記シートコネクタが前記支持板に固定されることによって、前記ソフトアクチュエータの端部が前記支持板に固定されている請求項9に記載の乗物用シート。
【請求項11】
前記パッド部材に被される表皮材を有し、
前記表皮材は線状の複数の前記ソフトアクチュエータが織り込まれることにより構成されている請求項1~請求項8のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項12】
複数の前記ソフトアクチュエータのいくつかは前記パッド部材の幅方向に延在している横ソフトアクチュエータ群を構成し、
前記幅方向に直交する方向に延在する縦糸群を有し、前記横ソフトアクチュエータ群と前記縦糸群とが互いに織り込まれている請求項1~請求項11のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項13】
複数の前記ソフトアクチュエータのいくつかは前記パッド部材の幅方向に延在している横ソフトアクチュエータ群を構成し、
複数の前記ソフトアクチュエータの他のいくつかは前記幅方向に直交する方向に延在している縦ソフトアクチュエータ群を構成し、
前記横ソフトアクチュエータ群を構成する前記ソフトアクチュエータと、前記縦ソフトアクチュエータ群を構成する前記ソフトアクチュエータとが互いに織り込まれている請求項1~請求項11のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項14】
前記シートクッションは、フロアに設けられたフレームに取り付けられ、
前記シートバックは、前記シートクッションの後部上方に配置され、前記乗員の背部を後方から支持し、
前記シートバックの上部にはヘッドレストが設けられている請求項1~請求項13のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の乗物に用いられる乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
乗員を支持する支持面の形状や硬さを乗員の体格に応じて調節できる乗物用シートが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の乗物用シートでは、シートクッション及びシートバックに設けられた複数のエアセルと、各エアセルに接続され、その内部の空気圧を制御するポンプと、支持面に設けられた感圧センサと、ポンプ及び感圧センサに接続された制御装置とを有する。制御装置は、検出された圧力に基づいてポンプを制御し、乗物用シートを適切な形状や硬さにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-119230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の乗物用シートは、シートクッションの硬さを支持面に沿ってより細かく調節するためには、エアセルの大きさを小さくする必要がある。しかしながら、エアセルを小さくすると、ポンプからエアセルに至る配管の数が増大し、エアセル内部への空気の出し入れが難しくなる。そのため、支持面の硬さを細かく設定することが容易ではないという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、支持面に沿ってシートクッションの硬さを細かく調節できる乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、シートクッション(3)及びシートバック(4)を有する乗物用シートであって、前記シートクッション及び前記シートバックの少なくとも一方を構成し、乗員を支持するパッド部材(3B、4B)と、前記パッド部材の支持面(X)に沿って設けられ、乗員からの圧力を検出する複数の圧力センサ(12)と、前記支持面に沿って設けられた線状の複数のソフトアクチュエータ(16)と、複数の前記圧力センサによって検出された圧力に基づいて、前記ソフトアクチュエータを駆動する制御装置(50)とを有することを特徴とする乗物用シートが提供される。
【0007】
この構成によれば、ソフトアクチュエータが線状に形成されているため、支持面に沿って圧力を細かく調節することができる。
【0008】
また、上記の構成において、前記ソフトアクチュエータは前記パッド部材を覆う表皮材(3C、4C)を構成しているとよい。
【0009】
この構成によれば、乗物用シートを構成する部品数を減らすことができるため、組付し易い。また、乗員が接する部分の硬さが変更されるため、シートクッションの硬さの変更がより乗員に伝わり易くなる。
【0010】
また、上記の構成において、前記パッド部材を覆う表皮材(3C)を更に有し、複数の前記ソフトアクチュエータは前記表皮材と前記パッド部材との間に設けられているとよい。
【0011】
この構成によれば、ソフトアクチュエータを保護することができ、且つ、シートクッションの硬さや形状の変更がより乗員に伝わり易くなる。
【0012】
また、上記の構成において、複数の前記ソフトアクチュエータのいくつかは前記パッド部材の幅方向に延在している横ソフトアクチュエータ群(16W)を構成するとよい。
【0013】
この構成によれば、支持面の乗員からの荷重によって発生する圧力の変化の大きい方向にソフトアクチュエータを並べることができるため、アクチュエータの駆動によって容易に圧力を分散させることができる。
【0014】
また、上記の構成において、前記幅方向に直交する方向に延在する縦糸群(52L)を有し、前記横ソフトアクチュエータ群と縦糸群とが互いに織り込まれているとよい。
【0015】
この構成によれば、横ソフトアクチュエータ群を支持面に沿って並べることができ、且つ、その位置に保持することができる。
【0016】
また、上記の構成において、複数の前記ソフトアクチュエータの他のいくつかは前記幅方向に直交する方向に延在している縦ソフトアクチュエータ群(16L)を構成するとよい。
【0017】
この構成によれば、横ソフトアクチュエータ群及び縦ソフトアクチュエータ群を設け、それらの伸縮によって、横方向及び縦方向にシートクッションの硬さを変更することができる。したがって、横ソフトアクチュエータ群に含まれるソフトアクチュエータと縦ソフトアクチュエータ群に含まれるソフトアクチュエータとの交点の位置において、シートクッションの硬さを変更することができるため、支持面の決まった位置のシートクッションの硬さを変更することができる。
【0018】
また、上記の構成において、前記横ソフトアクチュエータ群と縦ソフトアクチュエータ群とが互いに織り込まれているとよい。
【0019】
この構成によれば、横ソフトアクチュエータ群と縦ソフトアクチュエータ群とは一体となるため、組付し易い。
【0020】
また、上記の構成において、前記圧力センサは線状に形成され、前記ソフトアクチュエータと前記圧力センサとが織り込まれているとよい。
【0021】
この構成によれば、圧力センサとソフトアクチュエータとが一体となるため、更に、組付し易くなる。
【0022】
また、上記の構成において、前記ソフトアクチュエータは圧力センサを兼ね、外部からの圧力に応じて電圧を発生させ、前記制御装置は、前記電圧に応じて圧力を算出するとよい。
【0023】
この構成によれば、乗物用シートの部品数を減らすことができる。
【0024】
また、上記の構成において、前記パッド部材には前記圧力センサと前記制御装置とを接続するケーブル(20、22)が収容される凹部(31)が形成されているとよい。
【0025】
この構成によれば、ケーブルがパッド部材の凹部に収容されるため、着座時に乗員にケーブルが当接せず、乗員に不快感を与えることがない。
【0026】
また、上記の構成において、前記パッド部材を支持する支持板を更に有し、前記支持板と前記パッド部材との間には前記支持板に沿って延びる通路が形成され、前記支持板には前記通路に接続された貫通孔が形成され、前記ソフトアクチュエータから、前記通路、及び前記貫通孔を通過して前記制御装置に至るケーブル(20、22、44)が設けられているとよい。
【0027】
この構成によれば、パッド部材と支持板を通過するときに、ケーブルが乗物用シートの外面から露出しないため、乗物用シートの意匠性が高まる。
【0028】
また、上記の態様において、前記ソフトアクチュエータは前記制御装置からの電圧によって伸縮するとよい。
【0029】
この構成によれば、ソフトアクチュエータの伸縮によって、乗物用シートの硬さを変更することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上の構成によれば、支持面に沿ってシートクッションの硬さを細かく調節できる乗物用シートを提供することが可能となる。
【0031】
また、上記の一態様においては、ソフトアクチュエータが表皮材に組み込まれているため、乗物用シートを構成する部品数を減らすことができ、組付し易くなる。また、乗員が接する部分の硬さが変更されるため、シートクッションの硬さの変更がより乗員に伝わり易くなる。
【0032】
また、上記の一態様においては、ソフトアクチュエータが表皮材とパッドとの間に設けられているため、ソフトアクチュエータを保護することができ、且つ、シートクッションの硬さや形状の変更がより乗員に伝わり易くなる。
【0033】
また、上記の一態様においては、横ソフトアクチュエータ群がパッド部材の幅方向に延在しているため、支持面の乗員からの荷重によって発生する圧力の変化の大きい方向にソフトアクチュエータを並べることができるため、アクチュエータの駆動によって容易に圧力を分散させることができる。
【0034】
また、上記の一態様においては、横ソフトアクチュエータ群と縦糸群とが互いに織り込まれているため、容易に横ソフトアクチュエータ群を支持面に沿って並べることができ、その位置に保持することができる。
【0035】
また、上記の一態様においては、横ソフトアクチュエータ群及び縦ソフトアクチュエータ群を設けられているため、それらの伸縮によって、横方向及び縦方向にシートクッションの硬さを変更することができる。したがって、横ソフトアクチュエータ群に含まれるソフトアクチュエータと縦ソフトアクチュエータ群に含まれるソフトアクチュエータとの交点の位置において、シートクッションの硬さを変更することができるため、支持面の決まった位置のシートクッションの硬さを変更することができる。
【0036】
また、上記の一態様においては、横ソフトアクチュエータ群と縦ソフトアクチュエータ群とが互いに織り込まれているため、横ソフトアクチュエータ群と縦ソフトアクチュエータ群とは一体となり、組付し易い。
【0037】
また、上記の一態様においては、圧力センサとソフトアクチュエータとが織り込まれているため、圧力センサとソフトアクチュエータとが一体となり、更に組付し易くなる。
【0038】
また、上記の一態様においては、ソフトアクチュエータは圧力センサを兼ねているため、乗物用シートの部品数を減らすことができる。
【0039】
また、上記の一態様においては、パッド部材にはケーブルが収容される凹部が形成されているため、着座時に乗員にケーブルが当接せず、乗員に不快感を与えることがない。
【0040】
また、上記の構成において、ケーブルがソフトアクチュエータから、パッド部材の側部、通路、及び貫通孔を通過するように設けられるため、パッド部材と支持板を通過するときに、ケーブルが乗物用シートの外面から露出しないため、乗物用シートの意匠性が高まる。
【0041】
また、上記の一構成においては、ソフトアクチュエータの伸縮によって、乗物用シートの硬さを容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明に係る乗物用シートの斜視図
図2図1の乗物用シートの分解斜視図
図3図1の乗物用シートのフレームの斜視図
図4図1の乗物用シートのシートクッションの分解斜視図、及び、アクチュエータシートの拡大図(円内)
図5】ソフトアクチュエータが伸びているとき(実線)、及び縮んでいるとき(破線)のシートクッションの車幅方向の断面図
図6】第2実施形態に係る乗物用シートのシートクッションの分解斜視図、及び、アクチュエータシートの拡大図(円内)
図7】第3実施形態に係る乗物用シートのシートクッションの分解斜視図、及び、表皮材の拡大図(円内)
図8】第4実施形態に係る乗物用シートのシートクッションの分解斜視図、及び、表皮材の拡大図(円内)
図9】第5実施形態に係る乗物用シートのシートクッションの分解斜視図、及び、表皮材の拡大図(円内)
図10】圧力センサシート、及びアクチュエータシートがシートバックに設けられたときの乗物用シートの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に本発明による乗物用シートの実施形態を、図1図10を参照して説明する。以下の説明では、乗物用シートに着座した乗員を基準にして前後左右、及び内外を定める。
【0044】
<<第1実施形態>>
図1及び図2に示すように、乗物用シート1は、フロアFに設けられたフレーム2と、フレーム2に取り付けられたシートクッション3、シートバック4、及びヘッドレスト5を有する。シートクッション3は着座する乗員の臀部及び大腿部を下方から支持し、シートバック4はシートクッション3の後部上方に配置され、乗員の背部を後方から支持し、ヘッドレスト5はシートバック4の上方に配置され、乗員の頭部を支持する。シートクッション3、シートバック4、及びヘッドレスト5は、フレーム2に結合される支持板3A、4A、5Aと、支持板3A、4A、5Aに支持されたパッド部材3B、4B、5Bと、パッド部材3B、4B、5Bの表面に設けられた表皮材3C、4C、5Cとを有する。
【0045】
フレーム2は、前後に延びるフレーム下部2Aと、フレーム下部2Aの後端から上方に延びるフレーム上部2Bとを有し、側面視で略L字状に形成されている。フレーム下部2Aは、下面に突設された複数の脚部7においてフロアFに結合している。フレーム下部2Aの後端には、左右に貫通する連結孔8が形成されている。図3に示すように、左右に隣り合う乗物用シート1は、横方向に延びてそれぞれの連結孔8に突入した連結部材9によって、互いに連結されている。
【0046】
図4に示されるように、シートクッション3の表皮材3C及びパッド部材3Bの間には、圧力を検出する圧力センサシート14、及び、シートクッション3の硬さを変更するアクチュエータシート18が設けられている。圧力センサシート14、及び、アクチュエータシート18は共に布状に形成され、乗員からの荷重を支持する支持面Xであるパッド部材3Bの上面を覆っている。よって、圧力センサシート14、及び、アクチュエータシート18は共にその支持面Xに沿うように配置されているため、圧力センサシート14は支持面Xに加わる圧力を検出することができ、アクチュエータシート18は支持面Xにおけるシートクッション3の硬さを変更することができる。
【0047】
圧力センサシート14は、圧力センサシート14の面に垂直な方向の圧力に応じて、抵抗やキャパシタンス等の電気的な特性が変化する圧力センサ12を備える。圧力センサ12は圧力センサシート14の所定の領域である検出面Yに格子状に並べられている。検出面Yに加わる圧力の面内分布は、各圧力センサ12の電気的な特性の変化を検出することによって算出することができる。本実施形態では、圧力センサシート14は、基材となるフィルムと、フィルム上に格子状に設けられた下側電極と、フィルム及び電極の上から塗布された導電性材料を含むゴム材と、下側電極にゴム材を挟んで相対する上側電極とを有している。下側電極、及び上側電極は共に一辺が数ミリメートルから数センチメートル程度の正方形状に形成され、下側電極、及び上側電極は数ミリメートル程度の隙間を介して格子状に並べられている。導電性材料を含むゴム材は圧力センサシート14の面に垂直な方向の圧力によって電気抵抗が変化するため、2つの電極と導電性材料を含むゴム材とによって圧力センサ12が構成される。このように、圧力センサシート14を布状とすることによって、乗員からの荷重によって支持面Xの形状が変化する場合であっても、圧力センサシート14はその形状の変化に追随することができる。また、圧力センサ12はこの態様には限定されず、圧電繊維が縦横に折り込まれた公知の布帛状圧力センサ、及び、配向した高伸縮性フィルムを挟む電極間の容量変化によって圧力を検出する公知の静電容量型圧力センサ等であってもよい。圧力センサシート14の左右両側部には、各圧力センサ12に電気的に接続されたケーブル20が複数(本実施形態では、左側、右側にそれぞれ3つずつ)結合されている。
【0048】
アクチュエータシート18は、パッド部材3Bの幅方向(車幅方向)に延在する複数のソフトアクチュエータ16からなる横ソフトアクチュエータ群16Wと、幅方向に直交する方向(前後方向)に延在する縦糸群52Lと、幅方向に延在する横糸群52Wとによって構成されている。ソフトアクチュエータ16は、アクチュエータシート18の両端を接続する線状をなしている。ソフトアクチュエータ16は印加電圧に応じて伸縮する素材によって形成されている。本実施形態では、ソフトアクチュエータ16として、印加電圧によって発生する熱に応じて伸縮する形状記憶合金が用いられ、その直径は、数十マイクロメートルから数百マイクロメートル程度に設定されている。また、ソフトアクチュエータ16はこの態様には限定されず、例えば、導電性高分子やカーボン系材料、印加電圧によって発生する磁場に応じて形状が変化する磁性流体等を用いて構成されてもよい。図4の拡大図に示されるように、横ソフトアクチュエータ群16Wと縦糸群52Lとが互いに織り込まれ一体となっている。そのため、組付が容易であり、且つ、ソフトアクチュエータ16がアクチュエータシート18に沿って容易に並べることができると共に、アクチュエータシート18の内部で移動することがない。
【0049】
アクチュエータシート18の左右両縁には複数のシートコネクタ19が左右に対をなして結合されている。各ソフトアクチュエータ16は左右両端において、シートコネクタ19の端子それぞれに結合されている。
【0050】
圧力センサシート14の縁部、及び、アクチュエータシート18の縁部は、それぞれ、支持板3Aとパッド部材3Bとの間において、支持板3Aに結合されている。このとき、図5に示されるように、検出面Yは概ねパッド部材3Bの上面のみを覆うように配置され、シートコネクタ19が支持板3Aに固定されることで、アクチュエータシート18の左右両縁が支持板3Aに固定されている。また、本実施形態では、アクチュエータシート18は圧力センサシート14よりも表皮材3Cの側に配置されている。各シートコネクタ19には、ケーブル22がそれぞれ結合されている。
【0051】
シートコネクタ19の支持板3Aへの固定によって、ソフトアクチュエータ16の左右両端が支持板3Aに固定されている。よって、ソフトアクチュエータ16を伸縮させると、図5に示されるように、シートクッション3の支持面Xが変化する。ソフトアクチュエータ16が伸びているときは、ソフトアクチュエータ16は支持面Xに沿って延在している(図5の実線)。ソフトアクチュエータ16が縮まると、アクチュエータシート18は縁部において支持板3Aに結合されているため、ソフトアクチュエータ16の両端が引っ張られる(図5の二点鎖線)。このとき、ソフトアクチュエータ16に下方向の荷重が加わっている場合には、その荷重に対抗する上向きの反力が生じる。反力の大きさはソフトアクチュエータ16に加わる張力が大きいほど大きくなるため、ソフトアクチュエータ16の伸縮によって支持面Xのソフトアクチュエータ16が設けられた部分の硬さが変更される。
【0052】
圧力センサシート14及びアクチュエータシート18はパッド部材3Bの左右側部を通過して支持板3Aとパッド部材3Bとの間に達し、その端部において支持板3Aに固定されている。支持板3Aの上面には左右に対をなし、左右両縁からそれぞれ左右方向内方に延びる溝30が複数(本実施形態では、左側、右側にそれぞれ3つずつ)形成されている。また、パッド部材3Bの下面には各溝30の上側に上方に凹む凹部31が形成され、溝30及び凹部31によって左右に延びる通路32が形成されている。ケーブル20、22は、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18それぞれから、通路32を通って左右内方へ延びている。ケーブル20、22が通路32を通り、その内部に収容されることで、着座時に乗員の臀部にケーブル20、22に当接せず、乗員に異物感や不快感を与えることがない。また、乗物用シート1の外面からケーブル20、22が露出しないため、乗物用シート1の意匠性が高まる。
【0053】
また、溝30の左右方向内方の端部には、支持板3Aを上下に貫通する貫通孔34が形成され、ケーブル20、22はその貫通孔34を通って、支持板3Aの下側に達している。支持板3Aの下面の左右方向概ね中央の位置には、下方に突出する複数の第1コネクタ40が設けられている。ケーブル20、22は貫通孔34から第1コネクタ40に延び、第1コネクタ40に設けられた端子にそれぞれ電気的に接続されている。
【0054】
フレーム下部2Aの上面には、第1コネクタ40に対応する位置において上方に向けて突出し、第1コネクタ40と嵌め合う第2コネクタ42が設けられている。第2コネクタ42から第2コネクタ42の端子に接続されたケーブル44が延び、ケーブル44はフロアFの下側の所定の位置に設けられた制御装置50に接続されている。
【0055】
制御装置50は中央演算装置とメモリとを備えた電子制御ユニットであり、図4に示されるように、ケーブル20、22及び44を介して、圧力センサ12及びソフトアクチュエータ16それぞれに接続されている。制御装置50は、各圧力センサ12の電気的な特性の変化を検出して、各圧力センサ12に加わる圧力を算出する。更に、制御装置50は算出された圧力に基づいて、各ソフトアクチュエータ16に所定の電圧を印加する。
【0056】
次に、乗物用シート1の動作及び効果について説明する。乗員から支持面Xに加わる圧力は乗員の身体の上下方向に沿って不均一であり、シートクッション3に求められる硬さはその上下方向に沿って異なる。例えば、支持面Xの後部には臀部からの荷重が加わるため、支持面Xの後部には、前部に比べて大きな圧力が加わり、シートクッション3の後部は他の部分に比べて柔らかいことが望ましい。まず、制御装置50は、圧力センサ12の出力に基づいて、検出面Yに加えられた圧力分布を算出する。その後、制御装置50は検出面Yを前後に複数(例えば、10個)の領域に分けて、それぞれの領域に加わる圧力の平均値と、全領域に加わる圧力の平均値とを算出する。次に制御装置50は、算出された各領域の圧力の平均値と、全領域に加わる圧力の平均値との差を求め、その差に応じて、各領域の下側に設けられたソフトアクチュエータ16を駆動させる。例えば、制御装置50は、所定の領域の圧力の平均値が全領域に加わる圧力の平均値よりも大きいことを検出したときには、その所定の領域の下側に設けられたソフトアクチュエータ16をその差に比例して伸ばすように印加電圧を設定する。これにより、圧力の高い領域においてシートクッション3を柔らかくすることができる。また、制御装置50は、所定の領域の圧力の平均値が全領域に加わる圧力の平均値よりも小さいことを検出したときには、その所定の領域の下側に設けられたソフトアクチュエータ16をその差に比例して縮めるように印加電圧を設定する。これにより、圧力の低い領域においてシートクッション3を硬くすることができる。このように算出された圧力分布に応じてソフトアクチュエータ16への印加電圧を設定することで、シートクッション3の所望の領域の硬さを調節することができるため、乗物用シート1は、垂直基準で座り心地を変化させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、圧力センサ12の電極は一辺が数ミリメートルから数センチメートルの正方形状に形成されて数ミリメートルの間隔を介して格子状に並べられているため、検出面Yに加わる圧力分布を数ミリメートルから数センチメートル単位で計測することができる。また、ソフトアクチュエータ16が線状をなし、その直径が数十マイクロメートルから数百マイクロメートルに設定されているため、支持面Xにおけるシートクッション3の硬さを細かく設定することができ、乗物用シート1の座り心地を変化させることができる。
【0058】
本実施形態では、ソフトアクチュエータ16は圧力の変化の大きい身体の上下方向に沿って並べられているため、シートクッション3に加わる圧力の大きな変化に対応することが可能となる。具体的には、シートクッション3の後部のソフトアクチュエータ16を伸ばし、シートクッション3の前部に設けられたソフトアクチュエータ16を縮めることによって、シートクッション3の後部をより柔らかく、前部をより硬くすることができる。これによって、乗員の臀部がシートクッション3に沈み易くなり、乗物用シート1の座り心地を乗員に合わせて変化させることができる。
【0059】
乗物用シート1では、ソフトアクチュエータ16を電気的に制御することができるため、シートクッション3の硬さを簡素な構成によって、容易、且つ、高速に調節することができる。また、ソフトアクチュエータ16が表皮材3Cとパッド部材3Bとの間に設けられているため、ソフトアクチュエータ16を保護することができる。更に、ソフトアクチュエータ16が表皮材3Cの近傍に設けられているため、シートクッション3の硬さの変更がより乗員に伝わり易い。
【0060】
また、アクチュエータシート18の下側に圧力センサシート14を設けることによって、圧力センサシート14がソフトアクチュエータ16の伸縮によって変形しにくく、圧力センサ12がより正確に検出面Yの圧力分布を検出することができる。
【0061】
<<第2実施形態>>
図6に示されるように、第2実施形態では、第1実施形態に比べて、アクチュエータシート18には横ソフトアクチュエータ群16Wに加えて、縦ソフトアクチュエータ群16Lが設けられている。図6の拡大図に示されるように、横ソフトアクチュエータ群16Wと縦ソフトアクチュエータ群16Lとは互いに織り込まれている。このように、横ソフトアクチュエータ群16Wと縦ソフトアクチュエータ群16Lとが設けられることによって、横方向及び縦方向にシートクッション3の硬さを変更することができるため、横ソフトアクチュエータ群16W及び縦ソフトアクチュエータ群16Lのそれぞれに含まれるソフトアクチュエータ16の所定の交点の位置において、よりシートクッション3の硬さを変更することができる。したがって、支持面Xの大きな圧力が加わる部分(例えば、乗員の坐骨や尾骨等が当接する部分等)のシートクッション3の硬さを変更することができる。このように、シートクッション3の硬さをより細かく部分的に設定することができるため、乗物用シート1の座り心地がより向上する。また、横ソフトアクチュエータ群16Wと縦ソフトアクチュエータ群16Lとが織り込まれているため、支持面Xに沿ってソフトアクチュエータ16を容易に並べることができ、ソフトアクチュエータ16が移動しにくくなるという利点がある。
【0062】
本実施形態では、図6に示されるように、縦ソフトアクチュエータ群16Lに接続するシートコネクタ19がアクチュエータシート18の前後縁に結合され、支持板3Aの前部及び後部に固定される。また、アクチュエータシート18の前後縁に設けられるシートコネクタ19にもそれぞれケーブル22が接続されるため、シートクッション3の下面には前後に延びる凹部31、及び、支持板3Aには前後に延びる溝30が形成されているとよい。
【0063】
<<第3実施形態>>
図7に示されるように、第3実施形態では、第2実施形態に比べて、アクチュエータシート18がなく、代わりに表皮材3Cにソフトアクチュエータ16が複数組み込まれている点のみが異なる。図7の拡大図に示されるように、表皮材3Cは左右に延在する横糸群52Wと前後に延在する縦糸群52Lとを有し、横ソフトアクチュエータ群16Wと縦ソフトアクチュエータ群16Lとが横糸群52Wと縦糸群52Lと共に織り込まれることで表皮材3Cが構成されている。この場合も、第1実施形態と同様に、制御装置50は各圧力センサ12の電気的な特性の変化に基づいて、各圧力センサ12に加わる圧力を算出し、ソフトアクチュエータ16を伸縮させる。ソフトアクチュエータ16の伸縮によって、面内での所定の位置におけるシートクッション3の硬さが変更される。
【0064】
このように、ソフトアクチュエータ16が表皮材3Cを構成することによって、部品数が減り、組付し易くなる。また、乗員が接する部分の硬さが変更されるため、シートクッション3の硬さの変更がより乗員に伝わり易くなる。
【0065】
<<第4実施形態>>
図8に示されるように、第4実施形態では、第2実施形態に比べて、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18が共に設けられておらず、代わりに表皮材3Cに線状に形成された圧力センサ12及びソフトアクチュエータ16が組み込まれている点のみが異なる。この場合でも、第1実施形態と同様に、制御装置50は各圧力センサ12に加わる圧力を算出し、ソフトアクチュエータ16を伸縮させることで、シートクッション3の硬さが容易に変更される。この場合、圧力センサ12、及びソフトアクチュエータ16が表皮材3Cに組み込まれているため、組付が容易である。線状の圧力センサ12としては、芯電極と、芯電極の周りに配置された可撓性の圧電層と、圧電層を取り囲む外周電極を含む圧電繊維を用いるとよい。
【0066】
<<第5実施形態>>
図9に示されるように、第5実施形態では、第2実施形態に比べて、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18が共に設けられておらず、代わりに表皮材3Cにソフトアクチュエータ16のみが組み込まれている点のみが異なる。本実施形態に用いられるソフトアクチュエータ16は、圧力センサ12を兼ね、外部からの圧力に応じて電圧を発生させることができる。このように、ソフトアクチュエータ16が圧力センサ12を兼ねることで、乗物用シート1の部品数を減らすことができる。制御装置50は、ソフトアクチュエータ16からの電圧を検出することによって、支持面Xに加わる圧力を算出し、ソフトアクチュエータ16を駆動させる。本実施形態に用いられるソフトアクチュエータ16としては、例えば、イオン液体を含む導電性高分子アクチュエータ等を用いるとよい。
【0067】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態には限定されない。上記実施形態では、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18は共にシートクッション3に設けられていたが、また、シートクッション3及びシートバック4のどちらか一方、又は、両方に設けられてもよい。例えば、図10に示されるように、シートバック4に設けられる場合には、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18は、乗員の背部を支持する支持面Xであるパッド部材4Bの前面に沿って配置される。第1実施形態のように、横ソフトアクチュエータ群16Wのみが設けられる場合は、横ソフトアクチュエータ群16Wを構成するソフトアクチュエータ16はパッド部材4Bの前面に沿って左右に延びるように配置される。
【0068】
また、上記実施形態では、圧力センサ12として支持面Xに垂直な方向に加わる圧力によって電気的な特性が変化するセンサが用いられた場合を記載したが、線状をなし、その延在方向に加わる張力によって電気的な特性が変化するセンサが用いられてもよい。この場合、支持面Xに垂直な方向の荷重が加わると、圧力センサ12は表皮材3Cと共に下方に押し出されるため、延在方向に沿った張力が加わる。支持面Xに加わる圧力が大きくなると、圧力センサ12に加わる張力も大きくなるため、制御装置50は圧力センサ12の電気的な特性の変化から、支持面Xに加わる圧力を算出することができる。また、上記実施形態では、圧力センサシート14及びアクチュエータシート18は共に、縁部において支持板3Aに結合されていたが、パッド部材3Bの上面又は側面に結合されていてもよい。
【0069】
また、上記第1実施形態では、表皮材3Cとパッド部材3Bとの間に、上から、アクチュエータシート18、圧力センサシート14が記載の順に設けられていたが、圧力センサシート14、アクチュエータシート18の順に設けられていてもよい。この順に設けた場合には、圧力センサシート14の感度が向上するという利点がある。
【0070】
また、上記実施形態では、支持板3Aに形成された溝30、及び、パッド部材3Bに形成された凹部31によってケーブル20、22を収容する通路32が形成されていたが、ケーブル20、22の太さによって、溝30又は凹部31のいずれか一方のみによって通路32が形成されていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、制御装置50は各圧力センサ12の電気的な特性の変化に基づいて、各圧力センサ12に加わる圧力を算出し、ソフトアクチュエータ16に加わる電圧を制御していたが、制御装置50は各圧力センサ12に加わる圧力を算出することなく、各圧力センサ12の電気的な特性に基づいて、ソフトアクチュエータ16の印加電圧を制御してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 :乗物用シート
3 :シートクッション
4 :シートバック
3A、4A :支持板
3B、4B :パッド部材
3C、4C :表皮材
12 :圧力センサ
14 :圧力センサシート
16 :ソフトアクチュエータ
16C :シートコネクタ
16L :縦ソフトアクチュエータ群
16W :横ソフトアクチュエータ群
18 :アクチュエータシート
19 :シートコネクタ
20 :ケーブル
22 :ケーブル
30 :溝
31 :凹部
32 :通路
40 :第1コネクタ
42 :第2コネクタ
44 :ケーブル
50 :制御装置
52L :縦糸群
52W :横糸群
F :フロア
X :支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10