(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/13 20060101AFI20240710BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240710BHJP
B65H 3/44 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
B41J29/13
G03G21/16 195
G03G21/16 133
G03G21/16 109
B65H3/44 F
(21)【出願番号】P 2020129349
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】三宅 俊生
(72)【発明者】
【氏名】市川 真輝
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-180602(JP,A)
【文献】特開平10-309847(JP,A)
【文献】特開2019-182620(JP,A)
【文献】特開2006-062762(JP,A)
【文献】特開2016-124284(JP,A)
【文献】特開2016-157993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0101024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/13
G03G 21/16
B65H 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される媒体に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記媒体を支持した状態において前記媒体を押し上げる押上部材と、
前記装置本体に設けられ、前記装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材に収納及び展開可能に設けられ、前記開閉部材の開状態において展開されることで前記媒体を支持可能となる媒体支持部材と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持可能な補助支持部材と、
を備え、
前記補助支持部材は、前記装置本体に収納される場合の第1姿勢と、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する場合の第2姿勢とに切り替え可能であり、前記開閉部材が開閉することで前記第1姿勢と前記第2姿勢が切り替わり、
前記押上部材には、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体幅方向に移動可能で且つ前記媒体の前記媒体幅方向の端部を整合する第1整合部材が設けられ、
前記補助支持部材には、前記媒体幅方向に移動可能で且つ前記媒体の前記媒体幅方向の端部を整合する第2整合部材が設けられ、
前記第1整合部材及び前記第2整合部材には、前記第1整合部材及び前記第2整合部材の一方の前記媒体幅方向の移動に伴って他方を移動させる連動部が形成され、
前記連動部において、前記第2整合部材は前記第1整合部材に対して相対的な回転が自在である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
搬送される媒体に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記媒体を支持した状態において前記媒体を押し上げる押上部材と、
前記装置本体に設けられ、前記装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材に収納及び展開可能に設けられ、前記開閉部材の開状態において展開されることで前記媒体を支持可能となる媒体支持部材と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持可能な補助支持部材と、
を備え、
前記補助支持部材は、前記装置本体に収納される場合の第1姿勢と、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する場合の第2姿勢とに切り替え可能であり、前記開閉部材が開閉することで前記第1姿勢と前記第2姿勢が切り替わり、
前記補助支持部材には、前記補助支持部材を前記開閉部材に向けて付勢する付勢部材が設けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
搬送される媒体に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記媒体を支持した状態において前記媒体を押し上げる押上部材と、
前記装置本体に設けられ、前記装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材に収納及び展開可能に設けられ、前記開閉部材の開状態において展開されることで前記媒体を支持可能となる媒体支持部材と、
前記装置本体に回転可能に設けられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持可能な補助支持部材と、
を備え、
前記補助支持部材は、前記装置本体に収納される場合の第1姿勢と、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する場合の第2姿勢とに切り替え可能であり、前記開閉部材が開閉することで前記第1姿勢と前記第2姿勢が切り替わり、
前記装置本体には、前記開閉部材を開方向に押し付ける押付部材が設けられ、
前記開閉部材と前記押付部材とが接触する部位には、潤滑剤が塗布され、
前記開閉部材には、前記潤滑剤の移動を規制する規制部が設けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記開閉部材には、前記媒体支持部材の展開方向に移動が可能な案内部材が設けられ、
前記媒体支持部材は、前記案内部材を介して前記開閉部材に収納及び展開が可能に設けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記案内部材は、前記媒体支持部材の前記媒体を支持する第1支持面の下端部を、前記補助支持部材の前記媒体を支持する第2支持面の上端部に連なる位置に案内する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記案内部材は、前記媒体支持部材を展開位置に案内する案内溝と、前記展開位置に向けて移動される前記媒体支持部材を回転可能に支持する軸部とを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記案内溝は、前記展開方向と交差する方向に延び且つ前記媒体支持部材を前記補助支持部材に近付ける傾斜部を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記開閉部材には、展開された前記案内部材を保持する保持部が形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記案内部材には、前記媒体支持部材に向けて突出する突出部が形成され、
前記媒体支持部材には、前記媒体支持部材が展開された状態において前記突出部に支持される被支持部が形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
前記案内部材には、前記突出部を支持し且つ前記媒体支持部材から離れる方向に弾性変形可能な弾性部が形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置において、
前記媒体支持部材には、前記媒体支持部材が収納された状態において前記突出部と接触可能な接触部が形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置は、給紙トレイを有する。給紙トレイは、装置の奥側に垂直に収納されている。給紙トレイが上方に引き出され且つ斜め後方に倒された場合、トレイ本体が露出され、水平に対して傾斜したシート載置面が形成される。トレイ本体は、スライド伸張させることで、シート積載面を広げることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、トレイ本体がスライド可能な範囲が限られているので、サイズの大きい用紙を給紙トレイで支持する場合、該用紙を支持する範囲が不足する虞がある。
一方、サイズの大きい用紙を支持するために給紙トレイを大型化した場合、給紙トレイを収納する空間も大型化しなければならないので、画像形成装置が大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明に係る画像形成装置は、搬送される媒体に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記装置本体に回転可能に設けられ、前記媒体を支持した状態において前記媒体を押し上げる押上部材と、前記装置本体に設けられ、前記装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材に収納及び展開可能に設けられ、前記開閉部材の開状態において展開されることで前記媒体を支持可能となる媒体支持部材と、前記装置本体に回転可能に設けられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持可能な補助支持部材と、を備え、前記補助支持部材は、前記装置本体に収納される場合の第1姿勢と、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する場合の第2姿勢とに切り替え可能であり、前記開閉部材が開閉することで前記第1姿勢と前記第2姿勢が切り替わることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】開閉カバーの閉状態におけるプリンターの側断面図。
【
図2】開閉カバー等の各部材が展開された状態のプリンターの斜視図。
【
図3】開閉カバー等の各部材が展開された状態のプリンターの一部の側断面図。
【
図5】(A)第1バネが開閉カバーの張出部を保持する状態の側断面、(B)第1バネが開閉カバーの張出部を押し付ける状態の側断面。
【
図6】第1バネと開閉カバーの被接触部との接触状態が示された斜視図。
【
図11】用紙サポートの裏面及び用紙サポートサブの裏面の斜視図。
【
図12】(A)収納された状態の用紙サポート及び用紙サポートサブの側断面図、(B)展開された状態の用紙サポート及び用紙サポートサブの側断面図。
【
図13】用紙サポート及び用紙サポートサブの斜視図。
【
図15】本体部に対するホッパー及びサポートホルダーの傾倒状態の斜視図。
【
図16】(A)エッジガイド及びサブエッジガイドの平面図、(B)エッジガイド及びサブエッジガイドの斜視図。
【
図17】(A)各部の収納状態の側面図、(B)アッパーカバーを開いた状態の側面図、(C)開閉カバーを傾倒させた状態の側面図、(D)各部材が展開された状態の側面図。
【
図18】用紙サポート及び用紙サポートサブが展開される前の側断面図。
【
図19】(A)用紙サポートが展開される状態の側断面図、(B)用紙サポートが傾倒される状態の側断面図。
【
図20】開閉カバーの凸部と用紙サポートサブの突起部とが接触した状態の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の画像形成装置について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係る画像形成装置は、搬送される媒体に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記装置本体に回転可能に設けられ、前記媒体を支持した状態において前記媒体を押し上げる押上部材と、前記装置本体に設けられ、前記装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材に収納及び展開可能に設けられ、前記開閉部材の開状態において展開されることで前記媒体を支持可能となる媒体支持部材と、前記装置本体に回転可能に設けられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持可能な補助支持部材と、を備え、前記補助支持部材は、前記装置本体に収納される場合の第1姿勢と、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する場合の第2姿勢とに切り替え可能であり、前記開閉部材が開閉することで前記第1姿勢と前記第2姿勢が切り替わることを特徴とする。
本態様によれば、前記開閉部材の前記開状態において、前記媒体支持部材が展開されることで、前記媒体支持部材が前記媒体を支持可能となる。
前記補助支持部材は、回転されることで収納時の前記第1姿勢から展開時の前記第2姿勢に切り替えられ、前記押上部材及び前記媒体支持部材と共に前記媒体を支持する。
このように、前記補助支持部材が、回転によって前記第2姿勢に切り替えられることで、前記媒体を支持可能な範囲が、前記補助支持部材が無い構成に比べて大きくなるので、前記媒体を支持する範囲が不足するのを抑制することができる。
さらに、前記補助支持部材は、前記開閉部材が閉じられることで前記第2姿勢から前記第1姿勢に切り替わり、前記装置本体に収納される。ここで、前記補助支持部材と前記媒体支持部材が一体の構成に比べて、前記装置本体に必要とされる前記補助支持部材及び前記媒体支持部材の収納スペースが小さくて済むので、前記画像形成装置が大型化するのを抑制することができる。
【0008】
第2の態様に係る画像形成装置は、第1の態様において、前記開閉部材には、前記媒体支持部材の展開方向に移動が可能な案内部材が設けられ、前記媒体支持部材は、前記案内部材を介して前記開閉部材に収納及び展開が可能に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記開閉部材に対して前記案内部材が移動され、前記案内部材に対して前記媒体支持部材が展開されるので、前記媒体支持部材が前記開閉部材から直接、展開される構成に比べて、前記媒体支持部材をより高い位置に移動させることができる。これにより、前記媒体が支持される範囲の面積を大きくすることができる。
【0009】
第3の態様に係る画像形成装置は、第2の態様において、前記案内部材は、前記媒体支持部材の前記媒体を支持する第1支持面の下端部を、前記補助支持部材の前記媒体を支持する第2支持面の上端部に連なる位置に案内することを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部材が展開される場合、前記媒体支持部材は、前記第1支持面の下端部が前記第2支持面の上端部に連なる位置に案内される。つまり、前記媒体支持部材が、前記補助支持部材に近づくので、前記補助支持部材と前記媒体支持部材との間隔を狭めることができる。
【0010】
第4の態様に係る画像形成装置は、第3の態様において、前記案内部材は、前記媒体支持部材を展開位置に案内する案内溝と、前記展開位置に向けて移動される前記媒体支持部材を回転可能に支持する軸部とを有することを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部材が前記案内溝に沿って前記展開位置に案内される。これにより、前記媒体支持部材が前記補助支持部材に近づく。
さらに、前記媒体支持部材は、前記軸部の中心軸の回りに回転されることで、前記補助支持部材に近づくように姿勢が変更されるので、前記補助支持部材と前記媒体支持部材との間隔をさらに狭めることができる。
【0011】
第5の態様に係る画像形成装置は、第4の態様において、前記案内溝は、前記展開方向と交差する方向に延び且つ前記媒体支持部材を前記補助支持部材に近付ける傾斜部を有することを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部材を前記傾斜部に沿って移動させることで、前記媒体支持部材が前記補助支持部材に近づく。ここで、前記媒体支持部材を、互いに直交する2方向に2段階で移動させずに、前記傾斜部に沿って1段階で移動させることができるので、前記媒体支持部材を前記展開位置に移動させ易くすることができる。
【0012】
第6の態様に係る画像形成装置は、第2の態様から第5の態様のいずれか1つにおいて、前記開閉部材には、展開された前記案内部材を保持する保持部が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、展開された前記案内部材が前記保持部によって保持されるので、前記案内部材が展開される前に収納位置へ戻るのを防ぐことができる。
【0013】
第7の態様に係る画像形成装置は、第2の態様から第6の態様のいずれか1つにおいて、前記案内部材には、前記媒体支持部材に向けて突出する突出部が形成され、前記媒体支持部材には、前記媒体支持部材が展開された状態において前記突出部に支持される被支持部が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部材が展開された状態において、前記被支持部が前記突出部に支持されることで、前記媒体支持部材が収納位置に向けて移動することが規制される。これにより、展開された状態において、前記媒体支持部材が前記案内部材に対して位置ずれするのを抑制することができる。
【0014】
第8の態様に係る画像形成装置は、第7の態様において、前記案内部材には、前記突出部を支持し且つ前記媒体支持部材から離れる方向に弾性変形可能な弾性部が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部材が前記案内部材に対して展開される状態において、前記被支持部が、前記突出部を前記媒体支持部材から離れる方向に押圧した場合、前記弾性部が前記媒体支持部材から離れる方向に弾性変形することで、前記被支持部からの押圧力が吸収される。これにより、前記媒体支持部材が展開される場合に前記突出部が変形されるのを抑制することができる。
【0015】
第9の態様に係る画像形成装置は、第7の態様又は第8の態様において、前記媒体支持部材には、前記媒体支持部材が収納された状態において前記突出部と接触可能な接触部が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記突出部と前記接触部が接触されることで、前記媒体支持部材が前記案内部材に対して移動するのを制限することが可能となるので、前記媒体支持部材を収納状態で保持することができる。
【0016】
第10の態様に係る画像形成装置は、第1の態様から第9の態様のいずれか1つにおいて、前記押上部材には、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する媒体幅方向に移動可能で且つ前記媒体の前記媒体幅方向の端部を整合する第1整合部材が設けられ、前記補助支持部材には、前記媒体幅方向に移動可能で且つ前記媒体の前記媒体幅方向の端部を整合する第2整合部材が設けられ、前記第1整合部材及び前記第2整合部材には、前記第1整合部材及び前記第2整合部材の一方の前記媒体幅方向の移動に伴って他方を移動させる連動部が形成され、前記連動部において、前記第2整合部材は前記第1整合部材に対して相対的な回転が自在であることを特徴とする。
本態様によれば、前記補助支持部材が前記搬送経路の一部を形成する状態において、前記第1整合部材及び前記第2整合部材の一方を移動させた場合、前記連動部によって他方も移動されるので、前記第1整合部材及び前記第2整合部材による前記媒体の整合を行い易くすることができる。
さらに、前記連動部において、前記第2整合部材は、前記第1整合部材に対して相対的な回転が自在であるので、前記補助支持部材が回転されて前記装置本体に収納される場合、前記第1整合部材が前記補助支持部材の収納動作の邪魔になるのを防ぐことができる。
【0017】
第11の態様に係る画像形成装置は、第1の態様から第10の態様のいずれか1つにおいて、前記補助支持部材には、前記補助支持部材を前記開閉部材に向けて付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記開閉部材が閉状態の場合、前記開閉部材が前記付勢部材の付勢力に抵抗する。一方、前記開閉部材が開状態となった場合、前記付勢部材の付勢力によって、前記補助支持部材が回転される。このように、前記開閉部材を開状態とすることで、自動的に前記補助支持部材を回転させられるので、前記補助支持部材を手動で回転させる動作が不要となる。
【0018】
第12の態様に係る画像形成装置は、第1の態様から第11の態様のいずれか1つにおいて、前記装置本体には、前記開閉部材を開方向に押し付ける押付部材が設けられ、前記開閉部材と前記押付部材とが接触する部位には、潤滑剤が塗布され、前記開閉部材には、前記潤滑剤の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記開閉部材と前記押付部材との接触による摩擦力を潤滑剤によって低減できる。さらに、前記押付部材の押付力が作用することによって、前記潤滑剤が押付方向と交差する方向に移動した場合、前記潤滑剤の移動が前記規制部によって規制されるので、前記潤滑剤が前記開閉部材と前記押付部材との接触部位から外側へはみ出るのを抑制することができる。
【0019】
以下、本発明に係るプリンター1について、具体的に説明する。プリンター1は、後述する媒体の一例である用紙Pに画像を形成する。
プリンター1の各方向について、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を用いて説明する。
各図において、X軸方向は装置幅方向であり、-X方向は装置前面をユーザーと対面させた際にユーザーから見て右方向となり、+X方向は同左方向となる。また、X軸方向は、後述する装置本体部2において記録ヘッド20と対向する記録領域での用紙Pの搬送方向と交差する方向、即ち媒体幅方向となる。
なお、プリンター1を+X方向に見た場合、時計回り方向を+R方向とし、時計回り方向とは反対の方向を-R方向とする。
【0020】
Y軸方向は装置奥行き方向であり、+Y方向は装置背面から前面に向かう方向であり、-Y方向は装置前面から背面に向かう方向である。本実施形態において、プリンター1の外周面を構成する複数の側面のうち、操作部6が設けられた側面が装置前面となり、その反対の側面が装置背面となる。また+Y方向は、後述する装置本体部2において、既述の記録領域での用紙Pの搬送方向となる。
Z軸方向は鉛直方向であり、+Z方向は鉛直上方向、-Z方向は鉛直下方向となる。
なお、後述するホッパー46が押し上げられる前の状態において、ホッパー46における用紙Pの搬送方向を矢印Aで示すと共に+A方向とする。+A方向とは反対の方向を-A方向とする。また、X方向から見て、A方向と直交する方向で且つホッパー46に対して用紙Pが位置する方向をB方向とする。
【0021】
図1から
図3までに示されるように、プリンター1は、画像形成装置の一例であり、インクジェット方式のプリンターとして構成されている。
図1は、プリンター1において各部材が収納された状態を表している。
図2及び
図3は、プリンター1において、後述する用紙サポート82等の各部材が傾倒又は展開された状態を表している。
【0022】
図3に示されるように、プリンター1は、装置本体部2、開閉カバー32、アッパーカバー31、ホッパー46、用紙サポート82、サポートホルダー102、用紙サポートサブ54、エッジガイド122及びサブエッジガイド126を備える。開閉カバー32、アッパーカバー31、ホッパー46、用紙サポート82、サポートホルダー102、用紙サポートサブ54、エッジガイド122及びサブエッジガイド126は、装置本体部2における背面部に設けられている。
さらに、プリンター1は、読取部4と、不図示の制御部とを備える。読取部4は、装置本体部2の上部に設けられ、原稿を読み取る。制御部は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、メモリー及びストレージを含んで構成されており、プリンター1の各部の動作を制御する。
【0023】
図1に示されるように、装置本体部2は、装置本体の一例であり用紙Pに画像を形成する機能を有する。さらに、装置本体部2は、前面に、プリンター1の各種の操作を行う為の操作部6と、前カバー8とを備える。前カバー8は、
図1に示される閉状態と、用紙Pの搬送経路Kの排出部分を開放する開状態とを取り得る。
また、装置本体部2は、給紙ローラー12、分離ローラー14、搬送ローラー対16、排出ローラー対18、記録ヘッド20及びキャリッジ22を備える。
【0024】
給紙ローラー12は、回転することにより用紙PをA方向の下流に送り出す。分離ローラー14は、給紙ローラー12との間でニップ領域を形成することで、用紙Pの重送を防止する。搬送ローラー対16は、記録ヘッド20に対するY方向の上流に配置され、回転に伴って用紙Pを記録領域に搬送する。排出ローラー対18は、記録ヘッド20に対するA方向の下流に配置され、回転に伴って用紙Pを排出する。
記録ヘッド20は、画像形成部の一例であり、キャリッジ22に支持されている。キャリッジ22は、不図示のモーターから動力を得てX軸方向に往復動する。また、記録ヘッド20は、キャリッジ22の移動に伴ってX軸方向に移動されながら、用紙Pに対してインクを吐出することで、用紙Pに記録する。つまり、記録ヘッド20は、搬送される用紙Pに画像を形成する。
【0025】
図5(A)、(B)に示されるように、装置本体部2における-Y方向の端部で且つ-X方向の端部には、第1バネ24が設けられている。
第1バネ24は、後述する開閉カバー32を開方向に押し付ける押付部材の一例である。具体的には、第1バネ24は、ねじりバネとして構成されており、装置本体に取り付けられた取付部24Aと、取付部24Aから-Y方向に延びる直線部24Bと、直線部24Bに対して-Z方向に凸となるように屈曲された屈曲部24Cとを有する。
屈曲部24Cは、開閉カバー32の閉状態において、後述する張出部37と係合されることで、張出部37を保持する。これにより、開閉カバー32が閉状態で保持されるようになっている。また、屈曲部24Cは、開閉カバー32の開状態において、張出部37と接触することで、開閉カバー32に対して開方向の押付力を付与する。
【0026】
図3を参照して、各部材の配置の概略を説明する。
開閉カバー32は、装置本体部2の背面部及び内部を開閉可能に装置本体部2に設けられている。換言すると、開閉カバー32は、装置本体部2に対して開閉可能に設けられており、装置本体部2と共にホッパー46を覆う状態である閉状態と、ホッパー46を装置本体部2の外側に露出させる状態である開状態とを切り替え可能となっている。
アッパーカバー31は、開閉カバー32の+Z方向の端部に回転可能に連結されている。用紙サポートサブ54は、開閉カバー32に対して相対的に移動可能に設けられている。用紙サポート82は、用紙サポートサブ54に対して相対的に移動可能に設けられている。
ホッパー46は、+A方向において給紙ローラー12よりも上流に配置され、給紙ローラー12に向けて用紙Pを押し上げる。サポートホルダー102は、A方向において用紙サポート82とホッパー46との間に配置され、傾倒された状態で用紙Pを支持する。
エッジガイド122は、ホッパー46に設けられ用紙PのX軸方向の両端部を揃える。サブエッジガイド126は、サポートホルダー102に設けられ用紙PのX軸方向の両端部を揃える。
以下、各構成を具体的に説明する。なお、各部材の配置及び方向については、
図1に示された収納状態での配置及び方向に基づいて説明する。
【0027】
図4に示されるように、開閉カバー32は、板部33、回転軸34、被連結部35、延出部36、張出部37、凸部39、溝部41及び規制リブ43を含む。
板部33は、Y軸方向に所定の厚さを有し、開閉カバー32の収納状態において、プリンター1の側壁の一部を構成する。板部33の+Y方向の面を表面33Aとする。
回転軸34は、X軸方向に沿った不図示の中心軸を有する円柱状に形成されており、板部33のZ方向の中央に対する-Z方向の端部において、X方向に間隔をあけて配置されている。また、回転軸34は、装置本体部2の背面部における不図示の-Z方向の端部に、中心軸の回りに回転可能に連結されている。これにより、開閉カバー32は、装置本体部2の背面部及び装置本体部2の内部にある搬送経路K(
図1)を開放及び閉止可能となっている。
【0028】
被連結部35は、板部33のZ軸方向の中央に対する+Z方向の端部に形成されている。
延出部36は、板部33のZ軸方向の中央に対する-Z方向で且つ回転軸34に対する+Z方向の部位から、+Y方向に延出されている。また、延出部36は、X軸方向に間隔をあけて2つ形成されている。
凸部39は、保持部の一例であり、板部33のZ軸方向の中央部においてX軸方向に間隔をあけて形成されている。また、凸部39は、表面33Aから+Y方向に突出されている。さらに、凸部39は、X軸方向から見て台形状に形成されている。凸部39の+Z方向の斜面の傾斜角度は、一例として、凸部39の-Z方向の斜面の傾斜角度よりも大きい。凸部39は、展開された用紙サポートサブ54(
図1)を保持する。
溝部41は、板部33の+X方向及び-X方向において+Y方向に突出され、Z軸方向に沿って直線状に延びている。また、溝部41は、板部33のX軸方向の中央に向けて開口されている。
規制リブ43は、板部33のZ軸方向の中央よりも+Z方向の部位においてX軸方向に間隔をあけて配置され、+Y方向に突出されている。また、規制リブ43は、X軸方向に沿って延びている。
【0029】
図6に示されるように、張出部37は、延出部36の+Y方向の端部からX軸方向の外側に向けて張り出されている。また、張出部37は、X方向に沿った不図示の中心軸を有する角筒状に形成されており、周壁38を有する。
周壁38は、開閉カバー32の閉状態において張出部37の中央に対する+Y方向に配置される前部38Aと、-Y方向に配置される後部38Bとを有する。前部38Aは、開閉カバー32が開状態の場合、屈曲部24Cと接触されることで、開閉カバー32の開方向に押付力を受ける。後部38Bは、開閉カバー32が閉状態の場合、屈曲部24Cと接触されることで、開方向の移動が規制される。
前部38Aは、開閉カバー32と第1バネ24とが接触する部位の一例である。また、前部38Aには、規制部42が設けられている。
【0030】
規制部42は、一例として、前部38AのX軸方向の両端部及び-Z方向の端部において直立する縦壁44から成る。換言すると、縦壁44は、第1バネ24と前部38Aとが接触する範囲を囲んでいる。縦壁44のX軸方向の間隔に相当する長さは、第1バネ24の線材の太さに相当する長さよりも長い。前部38Aにおける縦壁44よりも内側の表面には、潤滑剤Gが塗布されている。潤滑剤Gは、一例として、半固体状のグリースである。
縦壁44の高さは、潤滑剤GがX軸方向に流れた場合、潤滑剤Gが縦壁44を乗り越えない程度の高さとされている。これにより、規制部42は、潤滑剤Gの移動を規制可能となっている。
【0031】
図3に示されるように、アッパーカバー31は、X方向から見て曲面部31A及び平坦部31Bから成る断面形状を有する部材であり、X方向に延びている。曲面部31Aには、X軸方向に沿った中心軸を有する不図示の回転軸が形成されている。該回転軸は、被連結部35(
図4)に連結されている。これにより、アッパーカバー31は、開閉カバー32に対して相対的な回転が可能となっている。また、アッパーカバー31は、開閉カバー32に支持されており、開閉カバー32の開閉動作において、開閉カバー32と共に移動される。さらに、アッパーカバー31は、開状態において開閉カバー32よりも-Y方向に退避され、閉状態において装置本体部2の背面上方を閉止する。
【0032】
図7に示されるように、ホッパー46は、押上部材の一例であり、ホッパー板47と、カムフォロワ部48と、縦板部49と、軸突起51とを含んで構成されている。なお、ホッパー46については、ホッパー板47の厚さ方向がB方向に沿って配置された状態で説明する。ホッパー46には、不図示のバネによって押上方向の外力が付与されている。
ホッパー板47は、X方向に延びている。ホッパー板47のA軸方向の中央よりも-A方向の部位には、それぞれX軸方向に延びるガイド孔47A、47Bが形成されている。ガイド孔47Aは、ホッパー板47のX方向の中央に対して+X方向に位置する。ガイド孔47Bは、ホッパー板47のX方向の中央に対して-X方向に位置する。また、ガイド孔47Bは、+A方向において、ガイド孔47Aよりも下流に位置する。ガイド孔47A、47Bは、後述するエッジガイド122(
図3)をX方向に案内する。換言すると、ホッパー46には、エッジガイド122が設けられている。
ホッパー46の+B方向の面を表面47Cとする。表面47Cは、用紙Pの一部が載置される載置面である。換言すると、表面47Cは、用紙Pを支持する第3支持面の一例である。
【0033】
カムフォロワ部48は、ホッパー46の-X方向の端部のうち+A方向の端部において、B方向に直立されている。
縦板部49は、ホッパー板47のX軸方向の両端部のうち-A方向の端部において、それぞれ+B方向に直立されている。
軸突起51は、それぞれの縦板部49からX軸方向の外側へ突出された部位である。また、軸突起51は、X軸方向に沿った不図示の中心軸を有する円筒状に形成されている。さらに、軸突起51は、装置本体部2(
図3)の一部を構成する壁部113(
図15)に回転可能に支持されている。このように、ホッパー46は、軸突起51の中心軸の回りの一方又は他方に回転された場合、+A方向の端部が、+B方向に上昇され又は-B方向に下降されるようになっている。
【0034】
図3に示されるように、ホッパー46は、装置本体部2に回転可能に設けられている。また、ホッパー46は、用紙Pを支持した状態において、不図示のバネから受ける付勢力によって用紙Pを押し上げる。さらに、ホッパー46は、カムフォロワ部48が、不図示のカムによって、バネの押上力に抗して押し下げられることで、押し下げられる。このように、ホッパー46は、載置された用紙Pの+A方向の端部を給紙ローラー12に向けて+B方向に押し上げる。
【0035】
図8に示されるように、用紙サポートサブ54は、案内部材の一例であり、用紙サポート82(
図3)が展開される場合、用紙サポート82をサポートホルダー102(
図3)に向けて案内する。
具体的には、用紙サポートサブ54は、後述する用紙サポート82の表面82A(
図10)のZ軸方向の下端部を、後述するサポートホルダー102の表面104A(
図14)のZ軸方向の上端部に連なる位置に案内する。
【0036】
用紙サポートサブ54は、板部55と、弾性部56と、突出部58と、突起部62と、側壁部64と、第1ボス66と、ガイドレール68とを有する。また、用紙サポートサブ54は、開閉カバー32(
図3)に設けられており、後述する用紙サポート82の展開方向に移動が可能である。
なお、用紙サポートサブ54の各部の配置については、用紙サポートサブ54がZ軸方向に沿って直立された状態にあるとして説明する。また、用紙サポートサブ54は、一例として、用紙サポートサブ54のX軸方向の中央を通りZ方向に沿った中心線C1に対して線対称に構成されている。このため、中心線C1に対する+X方向の構成について説明し、-X方向の説明を省略する。後述するレール部65のみ、-X方向の構成について図示及び説明する。
【0037】
板部55は、Y方向に所定の厚さを有しており、X方向の寸法がZ方向の寸法よりも長い矩形状に形成されている。板部55のZ方向の寸法は、開閉カバー32のZ方向の寸法よりも短い。板部55の+Y方向の面を表面55Aとし、板部55の-Y方向の面を裏面55Bとする。また、板部55には、板部55をY方向に貫通する貫通孔57A、57Bが形成されている。
貫通孔57A、57Bは、Z方向に間隔をあけて配置されている。貫通孔57Aは、貫通孔57Bに対して+Z方向に位置する。貫通孔57A及び貫通孔57Bは、Y方向から見て、板部55の-Z方向の端部に向けて開口するU字状に形成されている。
【0038】
弾性部56は、板部55に形成されており、貫通孔57Aの-Z方向の2つの端部とX軸方向に隣り合う部位から、貫通孔57Aとは接触しないように、+Z方向に向けて延びている。また、弾性部56は、Y方向に所定の厚さを有する板状に形成されている。さらに、弾性部56は、Z軸方向の寸法がX軸方向の寸法よりも長い矩形状に形成されている。
弾性部56は、貫通孔57Aにおいて板部55とは分断されているため、板バネとしてY方向に弾性変形が可能となっている。換言すると、弾性部56は、-Z方向の端部を基端とし、+Z方向の端部を自由端として、Y軸方向に弾性変形が可能となっている。また、弾性部56は、突出部58と一体成形されており、突出部58を支持している。
【0039】
突出部58は、弾性部56における+Z方向の端部に形成されており、弾性部56から表面55Aよりも+Y方向に向けて突出されている。換言すると、突出部58は、後述する用紙サポート82に向けて突出されている。そして、突出部58は、弾性部56がY軸方向に弾性変形されることで、Y軸方向に変位が可能となっている。突出部58は、Y軸方向に変位されることで、用紙サポート82のZ軸方向の移動を可能とし、且つ所定の位置で用紙サポート82を支持可能となっている。
【0040】
突起部62は、板部55に形成されており、平坦部62Aと、突起62Bとを有する。
平坦部62Aは、貫通孔57Bの-Z方向の2つの端部とX軸方向に隣り合う部位から、貫通孔57Bとは接触しないように、+Z方向に向けて延びている。平坦部62Aは、Y軸方向の弾性変形が可能な部位である。
突起62Bは、平坦部62Aにおける+Z方向の端部に形成されており、平坦部62Aから+Y方向に向けて突出されている。突起62Bの+Z方向の端部には、一例として、X-Y面に沿った平面62Cが形成されている。平面62Cは、Z方向において、用紙サポート82の一部を支持する。
【0041】
側壁部64は、板部55の+X方向の端部から+Y方向に沿って直立されると共に、Z方向に沿って延びている。側壁部64は、X方向に所定の厚さを有する。側壁部64の+Z方向の端部は、板部55の+Z方向の端部よりも+Z方向の位置まで延びている。また、側壁部64の-Z方向の端部は、板部55の-Z方向の端部よりも-Z方向に延びている。側壁部64のZ軸方向の中央に対する+Z方向の部位は、Y軸方向において、-Z方向の部位よりも拡幅されている。
側壁部64において、板部55に面する側面64Aとは反対の側面64Bには、X方向に突出され且つZ方向に延びるレール部65が形成されている。
レール部65は、既述の溝部41(
図4)に挿入されている。これにより、用紙サポートサブ54は、開閉カバー32に対してZ軸方向に沿って相対移動が可能となっている。
【0042】
第1ボス66は、軸部の一例であり、側壁部64における+Z方向の端部において、側壁部64から中心線C1に向けて突出されている。また、第1ボス66は、X軸方向に沿った不図示の中心軸を有する円筒状に形成されている。さらに、第1ボス66は、展開位置に向けて移動される、後述する用紙サポート82(
図3)を、第1ボス66の中心軸の回りに回転可能に支持する。なお、用紙サポート82の展開位置とは、用紙サポート82が展開される動作が終了した時点における用紙サポート82の位置を意味する。
【0043】
ガイドレール68は、案内溝の一例であり、用紙サポート82を展開位置に案内する。具体的には、ガイドレール68は、側壁部64において中心線C1から離れる方向に窪んだ溝として形成されており、Z方向に延びている。
また、ガイドレール68は、一例として、-Z方向から+Z方向に向けて順に、第1ガイド部72、第2ガイド部73、第3ガイド部74及び拡幅部75を有する。なお、用紙サポート82(
図3)の展開方向をZ軸方向として説明する。また、ガイドレール68を-X方向から見た状態について説明する。
【0044】
第1ガイド部72は、Z軸方向に沿って直線状に延びている。第1ガイド部72の-Z方向の端部は、-Z方向及び+Y方向に開放されている。
第2ガイド部73は、傾斜部の一例であり、第1ガイド部72の+Z方向の端部からZ軸方向と交差する交差方向に延びている。交差方向は、一例として、第2ガイド部73の+Z方向の端部が-Z方向の端部よりも+Y方向に位置する方向である。また、第2ガイド部73は、+Z方向に向かうほど用紙サポート82を板部55から+Y方向に離れさせる機能を有する。換言すると、第2ガイド部73は、用紙サポート82の-Z方向の端部をサポートホルダー102(
図3)に近付ける機能を有する。
【0045】
第3ガイド部74は、第2ガイド部73の+Z方向の端部から+Z方向に延びている。また、第3ガイド部74のZ軸方向の長さは、第1ガイド部72のZ軸方向の長さよりも短い。
拡幅部75は、第3ガイド部74の+Z方向の端部から+Z方向に延びる部位である。拡幅部75のY軸方向の幅は、第3ガイド部74のY軸方向の幅に比べて広くなっている。なお、拡幅部75における+Y方向の壁には、-Y方向に向けて窪む窪み部76が形成されている。
第1ボス66は、拡幅部75に対する+Z方向の位置に配置されている。
【0046】
図9に示されるように、板部55の裏面55Bにおいて、X軸方向の中央部で且つZ軸方向の中央よりも-Z方向の部位には、-Y方向に向けて突出する板部59が形成されている。板部59は、開閉カバー32(
図3)と接触することで、板部55を支持する。
また、裏面55Bには、側壁部64よりもX軸方向の内側で且つ板部59よりもX軸方向の外側となる部位に山部69が形成されている。山部69は、裏面55Bから-Y方向に突出されている。また、山部69は、X方向から見て台形状に形成されている。
さらに、裏面55Bには、係合部61が形成されている。係合部61は、裏面55BのX軸方向の両端部から-Y方向に突出されている。係合部61は、用紙サポートサブ54が展開された場合、規制リブ43(
図4)と係合されることで、用紙サポートサブ54が必要以上に展開されるのを防止する。
【0047】
図10に示されるように、用紙サポート82は、媒体支持部材の一例であり、Y軸方向を厚さ方向とする板状の部材として形成されている。また、用紙サポート82は、開閉カバー32(
図3)に収納及び展開可能に設けられ、開閉カバー32の開状態において展開されることで、用紙Pを支持可能となる。具体的には、用紙サポート82は、用紙サポートサブ54(
図8)を介して、間接的に、開閉カバー32に収納及び展開が可能に設けられている。
なお、用紙サポート82の各部の配置については、用紙サポート82がZ軸方向に沿って直立された状態にあるとして説明する。また、用紙サポート82は、一例として、用紙サポート82のX軸方向の中央を通りZ軸方向に沿った中心線C2に対して左右対称に構成されている。このため、中心線C2に対する+X方向の構成について説明し、-X方向の説明を省略する。
【0048】
用紙サポート82の+Y方向の面を表面82Aとし、-Y方向の面を裏面82B(
図11)とする。表面82Aは、用紙Pの一部が載置される載置面である。換言すると、表面82Aは、用紙Pを支持する第1支持面の一例である。用紙サポート82の+Z方向の端部には、把持部83が形成されている。用紙サポート82の-Z方向の端部は、-Y方向に窪んでいる。用紙サポート82の+X方向の端部には、-X方向に向けて窪んだ凹部84が形成されている。
凹部84は、Z軸方向から見た断面形状がU字形状であり、Z軸方向に沿って延びている。凹部84の底部に相当する部位には、Y-Z面に沿った側面85が形成されている。また、凹部84のZ方向のほぼ中央には、仕切壁86が形成されている。
仕切壁86は、側面85から+X方向に立設されており、凹部84を第1凹部87と第2凹部88とに区画している。
【0049】
第1凹部87は、仕切壁86に対する+Z方向に位置する。第1凹部87には、第1ボス66(
図8)が挿入される。そして、第1凹部87は、第1ボス66をZ方向に案内する。
第2凹部88は、仕切壁86に対する-Z方向に位置する。第2凹部88の側面85において、Z方向のほぼ中央には第2ボス89が形成されている。
第2ボス89は、側面85から+X方向に、仕切壁86の高さよりも高くなるように突出されている。また、第2ボス89は、X軸方向に沿った中心軸を有する円筒状に形成されている。さらに、第2ボス89は、ガイドレール68(
図8)に挿入され且つガイドレール68に沿って案内される。
【0050】
図11に示されるように、裏面82Bには、ほぼ平行な2条のリブ91が形成されている。リブ91は、Z軸方向に沿って延びている。リブ91の-Z方向の端部には、被支持部92が形成されている。また、リブ91の+Z方向の端部には、接触部94が形成されている。
【0051】
図12(A)には、用紙サポート82が収納された状態が示され、
図12(B)には、用紙サポート82が展開された状態が示されている。なお、用紙サポート82の展開方向が-A方向に沿っているものとして、被支持部92及び接触部94を説明する。
被支持部92は、リブ91から-B方向に突出されている。また、被支持部92は、X軸方向から見て台形状に形成されている。被支持部92の+A方向の端部には、被支持面92Aが形成されている。被支持面92Aは、一例として、X-B面に沿って配置されている。被支持部92における-A方向の端部には、傾斜面92Bが形成されている。傾斜面92Bは、A軸方向及びB軸方向と交差する方向に延びている。
被支持部92は、用紙サポート82が収納された状態において、突起62Bに支持される。また、被支持部92は、用紙サポート82が展開された状態において、突出部58に支持される。
【0052】
接触部94は、リブ91から-B方向に突出されている。接触部94における+A方向の端部には、傾斜面94Aが形成されている。傾斜面94Aは、A軸方向及びB軸方向と交差する方向に延びている。接触部94の-A方向の端部には、傾斜面94Bが形成されている。傾斜面94Bが延びる方向は、傾斜面94Aが延びる方向と交差する。
接触部94は、用紙サポート82が収納された状態において、突出部58と接触可能となっている。これにより、用紙サポート82に所定の大きさ以下の外力が作用した場合には、接触部94と突出部58が接触することで、用紙サポート82が収納位置に保持される。なお、用紙サポート82に所定の大きさよりも大きい外力が作用した場合には、弾性部56が弾性変形することで接触部94と突出部58との接触状態が解除され、用紙サポート82が展開可能となる。
【0053】
図13に示されるように、用紙サポート82は、装置本体部2(
図1)に収納された状態において、用紙サポートサブ54に収納されている。そして、用紙サポート82及び用紙サポートサブ54は、開閉カバー32(
図1)に対して相対的に展開、収納が可能となっている。
【0054】
図14に示されるように、サポートホルダー102は、補助支持部材の一例であり、装置本体部2に回転可能に設けられている。また、サポートホルダー102は、ホルダー板104と、アーム部106と、回転軸部112と、被取付部114とを含んで構成されている。なお、サポートホルダー102については、ホルダー板104の厚さ方向がY軸方向に沿って配置された状態で説明する。
ホルダー板104は、X軸方向に延びている。また、ホルダー板104には、それぞれX軸方向に延び、ホルダー板104をY軸方向に貫通するガイド孔105A、105B、105C、105Dが形成されている。ガイド孔105A、105Bは、ホルダー板104のX軸方向の中央に対して+X方向に位置する。ガイド孔105C、105Dは、ホルダー板104のX軸方向の中央に対して-X方向に位置する。
ガイド孔105A、105Bは、後述する+X方向のサブエッジガイド126(
図3)をX軸方向に案内する。ガイド孔105C、105Dは、後述する-X方向のサブエッジガイド126をX軸方向に案内する。換言すると、サポートホルダー102には、2つのサブエッジガイド126が設けられている。
ホルダー板104の+Y方向の面を表面104Aとする。表面104Aは、用紙Pの一部が載置される載置面である。換言すると、表面104Aは、用紙Pを支持する第2支持面の一例である。
【0055】
アーム部106は、ホルダー板104のX軸方向の両端部のうち、-Z方向の端部に形成されている。2つのアーム部106は、サポートホルダー102のX軸方向の中央に対してほぼ対称に形成されているため、+X方向のアーム部106について説明し、-X方向のアーム部106の説明を省略する。
アーム部106は、一例として、第1アーム107と、第2アーム108とを有する。第1アーム107は、サポートホルダー102から+X方向に延びている。第2アーム108は、第1アーム107の+X方向の端部からY軸方向及びZ軸方向の両方と交差する方向に延びている。第2アーム108がY軸方向に沿って配置された状態では、ホルダー板104がA軸方向(
図3)に沿って配置されるようになっている。
回転軸部112は、第2アーム108から-X方向に突出されている。また、回転軸部112は、X軸方向に沿った中心軸を有する円筒状に形成されている。さらに、回転軸部112は、装置本体部2の一部を構成する壁部113(
図15)に回転可能に支持されている。
【0056】
図15に示されるように、被取付部114は、第2アーム108から+X方向に突出されている。なお、被取付部114は、+X方向の第2アーム108のみに形成されている。そして、被取付部114には、第2バネ115の一部が取り付けられている。換言すると、サポートホルダー102には、第2バネ115が設けられている。
第2バネ115は、付勢部材の一例であり、ねじりバネとして構成されている。また、第2バネ115の他の一部は、壁部113に取り付けられている。そして、第2バネ115は、変形された場合の戻り力を付勢力としてサポートホルダー102に付与している。このように、第2バネ115は、サポートホルダー102を開閉カバー32(
図3)に向けて付勢している。
【0057】
サポートホルダー102は、回転軸部112(
図14)の中心軸の回りの一方に回転された場合、ホルダー板104がZ軸方向に沿った直立姿勢となり、装置本体部2に収納される。また、サポートホルダー102は、回転軸部112の中心軸の回りの他方に回転された場合、ホルダー板104がA軸方向に沿った傾倒姿勢となり、装置本体部2の外側に露出される。直立姿勢は、第1姿勢の一例である。傾倒姿勢は、第2姿勢の一例である。
このように、サポートホルダー102は、装置本体部2に収納可能で、且つホッパー46と展開状態の用紙サポート82(
図3)との間に向けて回転可能に設けられ、ホッパー46及び用紙サポート82と共に用紙Pを支持する。また、サポートホルダー102は、装置本体部2に収納される場合の直立姿勢と、ホッパー46及び用紙サポート82と共に用紙Pを支持する場合の傾倒姿勢とに切り替え可能である。そして、サポートホルダー102は、開閉カバー32が開閉することで回転され、直立姿勢と傾倒姿勢とが切り替わる。
サポートホルダー102のX-Y面に対する傾斜角度は、用紙サポート82のX-Y面に対する傾斜角度よりも小さい。これにより、サポートホルダー102と用紙サポート82とが成す用紙Pの載置面が屈曲された形状とされている。
このように、サポートホルダー102は、ホッパー46に対して屈曲された屈曲状態で装置本体部2に収納される場合の直立姿勢と、該屈曲状態よりも直線に近い展開状態でホッパー46及び用紙サポート82と共に用紙Pを支持する場合の傾倒姿勢とが、回転されることで切り替わる。
【0058】
図16(A)、(B)に示されるように、ホッパー46には、エッジガイド122が設けられている。
エッジガイド122は、第1整合部材の一例である。また、エッジガイド122は、+X方向と-X方向とに1つずつ設けられている。なお、2つのエッジガイド122は、ホッパー46のX軸方向の中央に対して対称に形成されているため、ここでは+X方向のエッジガイド122について説明し、-X方向のエッジガイド122の説明を省略する。
エッジガイド122は、A軸方向と交差するX軸方向に移動可能で且つ用紙PのX軸方向の両端部を整合する。具体的には、エッジガイド122は、底壁部123と、縦壁部124とを有する。
【0059】
底壁部123は、B軸方向に所定の厚さを有する板状に形成され、ホッパー板47上に配置されている。底壁部123には、ガイド孔47Aに案内される不図示の脚部と、該脚部を支持する不図示のラック部材とが設けられている。このラック部材が不図示のピニオンの回転によってX軸方向に移動されることで、2つの底壁部123がX軸方向に互いに近づき又は互いに離れるようになっている。
縦壁部124は、底壁部123の+X方向の端部において+B方向に直立されている。縦壁部124の-A方向の端部には、X軸方向に所定の厚さを有する板部125が形成されている。板部125は、ホッパー板47の-A方向の端部まで延びている。
【0060】
サポートホルダー102には、サブエッジガイド126が設けられている。
サブエッジガイド126は、第2整合部材の一例である。また、サブエッジガイド126は、+X方向と-X方向とに1つずつ設けられている。なお、2つのサブエッジガイド126は、サポートホルダー102のX軸方向の中央に対して対称に形成されているため、ここでは+X方向のサブエッジガイド126について説明し、-X方向のサブエッジガイド126の説明を省略する。
サブエッジガイド126は、X軸方向に移動可能で且つ用紙PのX軸方向の両端部を整合する。具体的には、サブエッジガイド126は、底壁部127と、縦壁部128とを有する。
【0061】
底壁部127は、B軸方向に所定の厚さを有する板状に形成され、ホルダー板104上に配置されている。底壁部127には、ガイド孔105A、105B(
図14)に案内される不図示の脚部と、該脚部を支持する不図示のラック部材とが設けられている。このラック部材が不図示のピニオンの回転によってX軸方向に移動されることで、2つの底壁部127がX軸方向に互いに近づき又は互いに離れるようになっている。
縦壁部128は、底壁部127の+X方向の端部において+B方向に直立されている。縦壁部128の+A方向の端部には、+A方向に向けて開口する被挿入部132が形成されている。
【0062】
被挿入部132は、B軸方向から見てU字状に形成されている。具体的には、被挿入部132は、縦壁部128と、縦壁部128の+X方向の端部から+A方向に延びる外壁部133と、縦壁部128の外壁部133よりも-X方向の位置から+A方向に延びる内壁部134とから成る。ここで、板部125と被挿入部132とで連動部120が構成されている。換言すると、エッジガイド122及びサブエッジガイド126には、連動部120が形成されている。
連動部120では、外壁部133と内壁部134との間に板部125が挿入されている。これにより、エッジガイド122がX軸方向の一方又は他方に移動された場合、板部125が外壁部133又は内壁部134と接触することで、サブエッジガイド126もX軸方向の一方又は他方に移動される。つまり、エッジガイド122の移動に連動して、サブエッジガイド126も移動される。なお、X軸方向において、外壁部133と板部125との間、板部125と内壁部134との間には、それぞれ隙間が形成されている。これにより、連動部120において、サブエッジガイド126は、エッジガイド122に対して相対的な回転が自在となっている。
【0063】
次に、プリンター1の各部の作用について説明する。
図17(A)には、プリンター1の各部が収納された状態が示されている。
続いて、
図17(B)に示されるように、アッパーカバー31が回転される。
続いて、
図17(C)に示されるように、開閉カバー32が-Y方向へ傾倒されることで、用紙サポート82、用紙サポートサブ54及びホッパー46(
図3)が露出される。このとき、開閉カバー32からサポートホルダー102に作用する反力が第2バネ115(
図15)による付勢力よりも小さくなるので、サポートホルダー102が用紙サポート82に向けて回転即ち傾倒される。
図18に示されるように、サポートホルダー102は、装置本体部2に設けられた不図示のストッパーによって回転が規制される。これにより、ホルダー板104がホッパー板47とA軸方向に並ぶことで、サポートホルダー102及びホッパー46は、用紙Pを受け入れ可能な状態となる。
【0064】
続いて、
図12(B)に示されるように、用紙サポート82が+Z方向に引き出された場合、用紙サポートサブ54は、まず、被支持部92と突出部58が接触することで、開閉カバー32(
図3)に対して+Z方向に引き出される。そして、用紙サポートサブ54は、係合部61(
図9)と規制リブ43(
図4)が係合されることで、開閉カバー32に対する引き出し動作が停止される。このとき、用紙サポート82の引き出し動作は続いている。
【0065】
続いて、
図19(A)、(B)に示されるように、第2ボス89が、第1ガイド部72から第2ガイド部73に進入して、第2ガイド部73によって案内される。このとき、第1ボス66は固定されているため、用紙サポート82は、第1ボス66の中心軸の周りに回転される。つまり、用紙サポート82は、-Z方向の端部が+Z方向に持ち上がるように回転されることで、傾倒した姿勢となる。これにより、サポートホルダー102と用紙サポート82とのY軸方向の間隔が狭められ、且つサポートホルダー102と用紙サポート82との段差が小さくなる。
【0066】
図20に示されるように、用紙サポートサブ54は、山部69が凸部39に支持されることで、展開状態が保持されている。
図12(B)に示されるように、用紙サポート82は、被支持部92が突出部58に支持されることで、展開状態が保持されている。
このようにして、
図17(D)に示されるように、開閉カバー32、アッパーカバー31、用紙サポートサブ54、用紙サポート82及びサポートホルダー102の展開状態が保持される。なお、これらを収納する場合は、上記の手順とは逆の手順により収納が行われる。
【0067】
以上、説明した通り、プリンター1によれば、開閉カバー32の開状態において、用紙サポート82が展開されることで、用紙サポート82が用紙Pを支持可能となる。サポートホルダー102は、ホッパー46と用紙サポート82との間に向けて回転されることで、収納時の直立姿勢から展開時の傾倒姿勢に切り替えられ、ホッパー46及び用紙サポート82と共に用紙Pを支持する。
このように、サポートホルダー102が回転によって傾倒姿勢に切り替えられることで、用紙Pを支持可能な範囲が、サポートホルダー102が無い構成に比べて大きくなるので、用紙Pを支持する範囲が不足するのを抑制することができる。
さらに、サポートホルダー102は、開閉カバー32が閉じられる動作に伴って回転されることで、傾倒姿勢から直立姿勢に切り替わり、装置本体部2に収納される。ここで、サポートホルダー102と用紙サポート82が一体の構成に比べて、装置本体部2に必要とされるサポートホルダー102及び用紙サポート82の収納スペースが小さくて済むので、プリンター1が大型化するのを抑制することができる。
【0068】
プリンター1によれば、開閉カバー32に対して用紙サポートサブ54が移動され、用紙サポートサブ54に対して用紙サポート82が展開されるので、用紙サポート82が開閉カバー32から直接、展開される構成に比べて、用紙サポート82をZ軸方向のより高い位置に移動させることができる。これにより、用紙Pが支持される範囲の面積を大きくすることができる。
プリンター1によれば、用紙サポート82が展開される場合、用紙サポート82は、表面82AのZ軸方向の下端部が、サポートホルダー102の表面104AのZ軸方向の上端部に連なる位置に案内される。つまり、用紙サポート82が、サポートホルダー102に近づくので、サポートホルダー102と用紙サポート82との間隔を狭めることができる。
【0069】
プリンター1によれば、用紙サポート82がガイドレール68に沿って展開位置に案内される。これにより、用紙サポート82がサポートホルダー102に近づく。さらに、用紙サポート82は、第1ボス66の中心軸の回りに回転されることで、サポートホルダー102に近づくように姿勢が変更されるので、サポートホルダー102と用紙サポート82との間隔をさらに狭めることができる。
なお、プリンター1では、用紙サポートサブ54が開閉カバー32とは別体で設けられている。これにより、用紙サポートサブ54が開閉カバー32と一体の構成に比べて、用紙サポート82を回転可能に支持する第1ボス66を、+Z方向のより高い位置に配置することができるので、用紙サポート82のZ方向に対する傾倒の角度を大きくしなくて済む。
【0070】
プリンター1によれば、用紙サポート82を第2ガイド部73に沿って移動させることで、用紙サポート82がサポートホルダー102に近づく。ここで、用紙サポート82を、互いに直交する2方向に2段階で移動させずに、第2ガイド部73に沿って1段階で移動させることができるので、用紙サポート82を展開位置に移動させ易くすることができる。
プリンター1によれば、展開された用紙サポートサブ54が凸部39によって保持されるので、用紙サポートサブ54が展開される前に収納位置へ戻るのを防ぐことができる。
【0071】
プリンター1によれば、用紙サポート82が展開された状態において、被支持部92が突出部58に支持されることで、用紙サポート82が収納位置に向けて移動することが規制される。これにより、展開された状態において用紙サポート82が用紙サポートサブ54に対して位置ずれするのを抑制することができる。
プリンター1によれば、用紙サポート82が用紙サポートサブ54に対して展開される状態において、被支持部92が、突出部58を用紙サポート82から離れる方向に押圧した場合、弾性部56が用紙サポート82から離れる方向に弾性変形することで、被支持部92からの押圧力が吸収される。これにより、用紙サポート82が展開される場合に突出部58が変形されるのを抑制することができる。
【0072】
プリンター1によれば、突出部58と接触部94が接触されることで、用紙サポート82が用紙サポートサブ54に対して移動するのを制限することが可能となるので、用紙サポート82を収納状態で保持することができる。
プリンター1によれば、サポートホルダー102が搬送経路Kの一部を形成する状態において、エッジガイド122及びサブエッジガイド126の一方を移動させた場合、連動部120によって他方も移動されるので、エッジガイド122及びサブエッジガイド126による用紙Pの整合を行い易くすることができる。さらに、連動部120において、サブエッジガイド126は、エッジガイド122に対して相対的な回転が自在であるので、サポートホルダー102が回転されて装置本体部2に収納される場合、エッジガイド122がサポートホルダー102の収納動作の邪魔になるのを防ぐことができる。
【0073】
プリンター1によれば、開閉カバー32が閉状態の場合、開閉カバー32が第2バネ115の付勢力に抵抗する。一方、開閉カバー32が開状態となった場合、第2バネ115の付勢力によって、サポートホルダー102が回転される。このように、開閉カバー32を開状態とすることで、自動的にサポートホルダー102を回転させられるので、サポートホルダー102を手動で回転させる動作が不要となる。
プリンター1によれば、開閉カバー32と第1バネ24との接触による摩擦力を潤滑剤Gによって低減できる。さらに、第1バネ24の押付力が作用することによって、潤滑剤Gが押付方向と交差する方向に移動した場合、潤滑剤Gの移動が規制部42によって規制されるので、潤滑剤Gが開閉カバー32と第1バネ24との接触部位から外側へはみ出るのを抑制することができる。
【0074】
本発明の実施形態に係るプリンター1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。以下、変形例について説明する。
【0075】
プリンター1において、用紙サポートサブ54を用いずに、サポートホルダー102が用紙サポート82に近づくように、サポートホルダー102をさらに傾倒させてもよい。
用紙サポートサブ54は、ガイドレール68のみを有するものであってもよい。
ガイドレール68には、第2ガイド部73のような傾斜部ではなく、湾曲部が形成されていてもよい。
開閉カバー32には、凸部39が形成されていなくてもよい。例えば、用紙サポートサブ54に形成された凸部を開閉カバー32に押し当てることで、用紙サポートサブ54を保持してもよい。
【0076】
突出部58と被支持部92とを用いずに、例えば、互いに引き合う磁石を用紙サポート82及び用紙サポートサブ54に設けることで、用紙サポート82の位置ずれを抑制してもよい。
突出部58を弾性変形可能に形成することで、弾性部56を無くしてもよい。
用紙サポートサブ54に突出部58を設けずに凹状の部位を形成して、この凹状の部位に接触部94を係合させることで用紙サポート82を収納状態で保持してもよい。
エッジガイド122とサブエッジガイド126を離間させ、連動部120を設けなくてもよい。
サポートホルダー102を第2バネ115で付勢せずに、手動で傾倒させてもよい。
潤滑剤Gを用いずに、摩擦係数が低いシート材を開閉カバー32に設けて、該シート材に第1バネ24を接触させてもよい。
【0077】
用紙サポート82は、用紙Pの載置面積を増やすために、Z方向に相対的に移動可能な2つ以上の部材で構成されていてもよい。
アッパーカバー31は、開閉カバー32ではなく、装置本体部2に設けられていてもよい。
開閉部材は、開閉カバー32のようにプリンター1の外装カバーとなるものに限らず、装置本体部2の-Y方向の端部よりも+Y方向の部位において、搬送経路Kを開閉するものであってもよい。また、開閉カバー32は、Y方向にスライドされることで開状態と閉状態とを切り替えるものであってもよい。
ホッパー46は、回転されるものに限らず、スライドされるものであってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…プリンター、2…装置本体部、4…読取部、6…操作部、8…前カバー、
12…給紙ローラー、14…分離ローラー、16…搬送ローラー対、
18…排出ローラー対、20…記録ヘッド、22…キャリッジ、24…第1バネ、
24A…取付部、24B…直線部、24C…屈曲部、31…アッパーカバー、
31A…曲面部、31B…平坦部、32…開閉カバー、33…板部、33A…表面、
34…回転軸、35…被連結部、36…延出部、37…張出部、38…周壁、
38A…前部、38B…後部、39…凸部、41…溝部、42…規制部、43…規制リブ、
44…縦壁、46…ホッパー、47…ホッパー板、47A…ガイド孔、47B…ガイド孔、
47C…表面、48…カムフォロワ部、49…縦板部、51…軸突起、
54…用紙サポートサブ、55…板部、55A…表面、55B…裏面、56…弾性部、
57A…貫通孔、57B…貫通孔、58…突出部、59…板部、61…係合部、
62…突起部、62A…平坦部、62B…突起、62C…平面、64…側壁部、
64A…側面、64B…側面、65…レール部、66…第1ボス、68…ガイドレール、
69…山部、72…第1ガイド部、73…第2ガイド部、74…第3ガイド部、
75…拡幅部、76…窪み部、82…用紙サポート、82A…表面、82B…裏面、
83…把持部、84…凹部、85…側面、86…仕切壁、87…第1凹部、
88…第2凹部、89…第2ボス、91…リブ、92…被支持部、92A…被支持面、
92B…傾斜面、94…接触部、94A…傾斜面、94B…傾斜面、
102…サポートホルダー、104…ホルダー板、104A…表面、105A…ガイド孔、
105B…ガイド孔、105C…ガイド孔、105D…ガイド孔、106…アーム部、
107…第1アーム、108…第2アーム、112…回転軸部、113…壁部、
114…被取付部、115…第2バネ、120…連動部、122…エッジガイド、
123…底壁部、124…縦壁部、125…板部、126…サブエッジガイド、
127…底壁部、128…縦壁部、132…被挿入部、133…外壁部、134…内壁部、
C1…中心線、C2…中心線、K…搬送経路、G…潤滑剤