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  • 特許-立体型洗顔シート 図1
  • 特許-立体型洗顔シート 図2
  • 特許-立体型洗顔シート 図3
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  • 特許-立体型洗顔シート 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】立体型洗顔シート
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20240710BHJP
   A47K 1/04 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A47K7/00 Z
A47K1/04 C
A47K1/04 H
A47K1/04 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023170773
(22)【出願日】2023-09-12
【審査請求日】2023-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523372503
【氏名又は名称】鈴木 百佳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 百佳
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-351188(JP,A)
【文献】特開2014-094763(JP,A)
【文献】特開平07-079873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
A47K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の額の髪の生え際から顎を包み込める縦の長さと、左右のもみあげと鼻の頂点を結ぶ横幅の、顔面を立体的に包み込む形状を有し、ひろげた両手の上にのせることができ、水をためた際に流出を防止する形状の、可撓性のある素材で構成された立体型洗顔シートであって、
水をためた状態で安定的に保持することができるよう、立体型洗顔シートを広げて両手に乗せた際、当該シートに親指を差し込める指穴を有し、当該指穴の外側から内側に差し込んだ親指と4指で水を保持したシートを安定させる構造を有することを特徴とする立体型洗顔シート。
【請求項3】
蛇腹状の折り目を複数付された構造を有することを特徴とした請求項1に記載の立体型洗顔シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両手で容易に持つことができ、かつ、洗顔の際に十分な水をためることができる軽量の洗顔シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗顔は、洗面器から両手で湯や水をすくう、もしくは洗面所の吐水口から流出した水を両手で受け洗っていたが、両手ですくえる量は少なく、さらに指の間から水が流れ落ちるため一度で顔全体を洗うことができない。また、石鹸洗顔の場合は、石鹸の泡がきれいに落ちるまで何度も繰り返し洗うことが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-133075号公報
【文献】特開平07-079873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
両手にすくえる水の量を増やし、十分な水で洗顔することができれば、何度もすくって洗うことの繰り返しを行う必要がなくなり、洗顔の時間を短縮できることに加え、顔の広い範囲についた石鹸の泡などを綺麗に落とすことができる。また、洗顔の方法として、顔面を手でこすらずに優しく摩擦レスで洗うことが推奨されており、水をたっぷりすくうことができれば、手指が顔にあたらず摩擦が生じることもなく顔面を洗い流せる。なお、他の先行例(特許文献1または2)に記載のような従来の洗面器があり、水をためた洗面器に顔をつけて洗う方法もあるが、両手の上に乗せ洗顔をするにはサイズが大きく顔の形にあわないため、無駄な水を入れなくてはならず重くなり手の上に乗せて使うには不向きであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、顔面全体を立体的に包み込む形状で、ひろげた両手の上にのせた際に多くの湯水をすくえ、その水量を保持することができ、顎の部分は水の流出をせき止めるために角度を有した、可撓性のある素材で構成された軽量の立体型洗顔シートを提供する。
【発明の効果】
【0006】
従来は洗面台で洗顔する場合、洗面所の吐水口から流れ出る水を手ですくって、目や口の周り・鼻・額・頬など顔全体にまんべんなくあびせ、その動作を繰り返し行い洗顔していたが、毎回十分な水量を保持することができることで、一度で顔全体を浸して泡を洗い流すことができ、洗顔の時間短縮、かつ、洗顔時の水の飛散を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明の立体型洗顔シートを広げた図
図2図1の本発明を2つ折りにした図
図3図1に指を通し上から見た図
図4図1に指を通し横から見た図
図5】 本発明に蛇腹状の折り目を複数付した図
図6図5の蛇腹部分の断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
一般的な女性の両手ですくえる水の量は約100ccと少なく、指の間からこぼれおちることも考慮すると顔全体を浸す量の水を保持することは難しかった。本発明のシートを使用することによって、1回の洗顔に用いる水量は100~500ccの範囲、特に好ましくは約150cc~350ccの範囲で水を保持することができる。また、本発明においては人間の顔の形状に合わせた立体的な形状のシート構造であるため、従来の風呂場で使用する一般的な手でもつことができる洗面器のように必要以上の水をためて重くなることはなく、1回の洗顔に必要なだけの量の水を保持することができ、摩擦レスで洗うことができる。
【0009】
図1図2のように、正中線にあたる部分は顔の凹凸にあわせた立体型をつくるため、額から顎の尖端部へむかって滑らかにカーブを描く形状としていることが望ましいが、直線をつなげ、角度を有したものでもかまわず、広げた際に両手の上で器状となればよい。
【0010】
縦の長さは、額の生え際から鼻の頂点と顎の尖端部を結んだ長さに、上下それぞれ1~10cmを加えた長さで、好ましくは3~7cm加えた長さがあるとよい。横幅は、左右のもみあげと鼻の頂点とを結ぶ長さに左右それぞれ1~7cmを加えた長さで、好ましくは3~5cm加えた長さがあるとよい。
【0011】
図1では折りたたみ部分のかさばりをなくすため正中線に接合部を設けているが、1枚のシートでもよく、図4のように、蛇腹状のシートを広げることで器状になる形状でもよい。また、水の量が多くなることで撓みが大きくなり縁が外側へ折れてしまうことを防ぐため、縁は本体部よりも固い素材で補強してもよい。
【0012】
洗顔後に水を流す際は、手首を外側に曲げ、指先側から流すことを想定しており、洗顔をしている間に手首側からの流水を防ぐため、顎に対応する位置に角度をもうけることで、着衣類に水がかかることを防止できる。顎にあたる部分の角度は90度以上180度未満とし、さらに好ましくは130~170度の角度があるとよい。
【0013】
両手の上にシートを乗せただけでは不安定なため、水がこぼれ落ちてしまう可能性がある。保持した水を安定的に保つため、本発明は指穴をもうけ、親指を外側から内側に向けて差し込み、残った4指を広げて支えるようにしてバランスをとることで安定して使用できる。図3にあるとおり、親指を穴に通す場合は両手を広げた時に親指の付け根あたりとなるシートの下半分の位置に穴を設けるが、安定的に保てる形状であれば人差し指・中指・薬指・小指が通せる穴を上半分に設けてもよい。穴は指を通した際に可動域を制限しない大きさで、楕円形が適当であるが、湯水をためたシートを支えることに支障がない穴であれば真円や三角や四角など形状は限定されない。また、水をためてささえることや、フックにかけて乾燥させるなど、穴への負荷が大きいため、耐久性を考慮し、穴の周囲は本体部よりも固い素材を使う、もしくは補強してもよい。また、洗顔後は前述の指穴をフックにかけ吊るすことにより洗面台などに置かず衛生的かつ場所をとらずに乾燥が可能となり、二つ折りまたは蛇腹状に折りたたむことで保管場所をとらないうえに携帯用として持ち運びができるため、繰り返し使うことも使い捨てとしても利用が可能である。
【0014】
シートはソフトアクリルやシリコン、ゴム、樹脂、合成樹脂など可撓性のある素材で構成することが望ましいが、プラスチックなどの少し曲がる素材でも立体型が形成できればよい。不織布などの軽量素材を使用し、全体または内側に撥水加工を施す、または撥水が可能な素材でコーティングすることで水を保持できる構造とすることでもよい。また、衛生面を考慮し抗菌・抗ウイルス加工を施した素材を使用すれば常に清潔な状態を保持できる。洗顔で用いる水量が保持できれば全体の素材に限定はない。
【0015】
本発明の別の態様として、泡洗顔も同時に行えるようクレンジング用の突起を設けてもよい。
【実施例
【0016】
図1図5に示した立体型洗顔シートを作成し実際に使用し洗顔したところ、二つ折りと蛇腹状のいずれも、流水を約100~500ccの範囲ですくえ、安定して保持した水に顔全体を浸すことができ、何度も水をあびせる必要がないため水の飛び散りもなく、泡を綺麗に洗い流せることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0017】
洗顔で使用することを想定しているが、両手にためた水で洗うことができるものは顔のみならず、歯磨き時に口腔内をゆすぐためのコップがわりにも使用でき、また、野菜や生活小物など、シートにためた水に浸すことができるものであれば洗うものを限定しないため、用途は計り知れない。
【符号の説明】
【0018】
1 正中線の接合部
2 指穴
3 蛇腹部分
4 蛇腹の接合部
【要約】
【課題】従来の洗顔は、洗面器から両手で水をすくう、もしくは洗面所の吐水口から流出した水を両手で受け洗っていたが、両手ですくえる量は少なく、さらに指の間から湯水が流れ落ちるため一度で顔全体を洗うことができない。また、石鹸洗顔の場合は、石鹸の泡がきれいに落ちるまで何度も繰り返し洗うことが必要であった。
【解決手段】顔面全体を立体的に包み込む形状で、ひろげた両手の上にのせた際に多くの水を保持することができ、顎の部分は水の流出をせき止めるために角度を有した、可撓性のある素材で構成された軽量の立体型洗顔シートを提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6