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7518505人材紹介支援装置、人材紹介支援方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】人材紹介支援装置、人材紹介支援方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240710BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024078588
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506010460
【氏名又は名称】株式会社grooves
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】池見 幸浩
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-190042(JP,A)
【文献】特開2022-036879(JP,A)
【文献】特開2004-094704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得する限定情報取得部と、
前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録する評価登録部と、
登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出するスコア算出部と、を備える、
人材紹介支援装置。
【請求項2】
前記限定情報取得部は、前記求人の雇用者との関係性の度合いを示す、前記求人情報に関連付けられる雇用者関係情報を、前記関係性を持つ人材紹介者から取得し、
前記評価登録部は、前記雇用者との関係性の度合いに基づき、前記雇用者関係情報に対する第2評価を、前記関係性を持つ人材紹介者について登録し、
前記スコア算出部は、登録された前記第2評価に基づいて、前記関係性を持つ人材紹介者について、前記スコアを算出する、
請求項1に記載の人材紹介支援装置。
【請求項3】
前記求人の候補者と、前記候補者を紹介する人材紹介者との関係性の度合いを示す候補者関情報を、前記候補者を紹介する人材紹介者から取得する候補者情報取得部をさらに備え、
前記評価登録部は、前記候補者との関係性の度合いに基づき、前記候補者関係情報に対する第3評価を、前記候補者を紹介する人材紹介者について登録し、
前記スコア算出部は、登録された前記第3評価に基づいて、前記候補者を紹介する人材紹介者について、前記スコアを算出する
請求項2に記載の人材紹介支援装置。
【請求項4】
前記人材紹介者が実施する求人紹介、及び、候補者紹介を含む過去の実施状況を示す実施状況情報を取得する実施情報取得部をさらに備え、
前記スコア算出部は、登録された前記第1評価、登録された前記第2評価、及び、登録された前記第3評価のうち少なくとも一つと、取得された前記実施状況情報と、に基づいて、前記スコアを算出する
求項3に記載の人材紹介支援装置。
【請求項5】
コンピュータが、
雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得することと、
前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録することと、
登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者について、人材紹介者のスコアを算出することと、を含む、
人材紹介支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得することと、
前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録することと、
登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者について、人材紹介者のスコアを算出することと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材紹介支援装置、人材紹介支援方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介して雇用者と求職者とが双方の求める情報を送受信し、その情報に基づいてマッチング処理を行う仲介システムが知られている。
【0003】
特許文献1には、雇用者が掲載する求人に対する、人材紹介者(コンサルタント)が行う人材紹介の信用度を示すスコア(信用スコア)を算出することが記載されている。これにより、雇用者は質の高いコンサルタントを容易に把握することができるようになり、雇用者の採用コストを軽減可能なシステムが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7178027号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようなシステムを利用するコンサルタントは、求人情報には表れていない限定情報を保有している場合がある。このような限定情報をコンサルタント間で共有することができれば、例えば、より求人にマッチする人材をコンサルタントが紹介できるようになると考えられる。しかしながら、現状では、このような限定情報の共有が活発に行われているとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、人材紹介を行うコンサルタント間において、限定情報の共有の促進を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る人材紹介支援装置は、雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得する限定情報取得部と、前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録する評価登録部と、登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出するスコア算出部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る人材紹介支援方法は、コンピュータが、雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得することと、前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録することと、登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出することと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得することと、前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録することと、登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出することと、を実行させる。
【0010】
本発明において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、人材紹介を行うコンサルタント間において、限定情報の共有の促進を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る人材紹介支援システムの概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る人材紹介支援装置の機能ブロックを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るコンサルタントのスコア算出処理の概要の一例を説明する概念図である。
図4】本発明の一実施形態に係るスコア情報の一例を示す図である。一例である。
図5】本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第1例のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第2例のフローチャートである。
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(実施例の内容を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る人材紹介支援システム100の構成の概要を示す図である。図1を参照して、人材紹介支援システム100の概要を説明する。
【0015】
人材紹介支援システム100のユーザは、複数の企業を含む、人材の採用を所望する雇用者と、転職や就職を希望する求職者と、当該求職者を雇用者に紹介するコンサルタント(「人材紹介者」ともいう)である。
【0016】
雇用者は、企業、組合、及び学校等の法人であってもよいし、個人であってもよい。コンサルタントは、上記のような法人であってもよいし、個人であってもよい。
【0017】
人材紹介支援システム100には、雇用者が発行する求人情報が登録される。登録された求人情報をコンサルタントが確認し、求職者とコンサルタントが連絡を取り、コンサルタントは、当該求人情報にマッチする求職者を、人材紹介支援システム100を通じて、当該求人情報の「候補者」として雇用者に紹介する。
【0018】
すなわち、「候補者」とは、求職者のうち、求人にマッチし得るとして、コンサルタントが雇用者に紹介することになった者をいう。
【0019】
その他、人材紹介支援システム100は、例えば、雇用者と、コンサルタントと、の間において実施される各種手続きを支援してよい。「各種手続き」には、例えば、雇用者の求人内容の登録、雇用者からコンサルタントへの人材紹介依頼、コンサルタントから雇用者への候補者の推薦、雇用者が実施する選考のスケジュール調整、雇用者からコンサルタントへの選考結果の通知、人材採用手続、及び、紹介手数料の支払い等が含まれ得る。
【0020】
このような各種手続きを、各雇用者と各コンサルタントとの間で個別に実行することは両者にとって効率的でないため、両者の間の手続きを仲介するシステムが必要である。このような要望に応えるべく、本発明の一実施形態に係る人材紹介支援システム100は、各雇用者と各コンサルタントとの間の各種手続きを仲介する仲介システムとして動作する。
【0021】
また、以下では、人材紹介支援システム100を用いて、コンサルタントが、求人情報を登録すること、及び、候補者情報を登録する(候補者を推薦する)ことが可能であるものとする。そして、他のコンサルタントは、当該求人情報、当該候補者情報を確認できるものとする。すなわち、人材紹介支援システム100を用いて、コンサルタント同士が、求人情報、及び、候補者情報を適宜共有することができるものとする。
【0022】
図1に示すように、人材紹介支援システム100は、例示的に、雇用者が操作する雇用者端末装置10と、コンサルタントが操作するコンサルタント端末装置20と、雇用者とコンサルタントとの間、及び、コンサルタント同士の間で実施される人材紹介を支援する人材紹介支援装置1とが、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、雇用者端末装置10、コンサルタント端末装置20は、それぞれ複数含まれていてよい。
【0024】
なお、説明のために、図1に示すように、コンサルタントAが使用するコンサルタント端末装置に「20a」、コンサルタントBが使用するコンサルタント端末装置に「20b」の符号を付している。
【0025】
人材紹介支援装置1は、雇用者とコンサルタントとの間で実施される人材紹介を支援する装置である。また、人材紹介支援装置1は、コンサルタント同士の求人情報や候補者情報の共有を支援する装置である。人材紹介支援装置1は、有線又は無線通信を行うための通信インターフェースを備えていてよい。
【0026】
例えば、人材紹介支援装置1は、ネットワークNを介して、雇用者端末装置10から人材紹介依頼を受信し、所定のコンサルタント端末装置20に人材紹介依頼を送信する。また、人材紹介支援装置1は、コンサルタント端末装置20から求人情報や候補者情報を取得してもよい。また、当該求人情報や候補者情報に対して、コンサルタント端末装置20からアクセスさせてよい。
【0027】
雇用者端末装置10は、人材の採用を所望する企業の担当者(例えば、人事の社員等)が使用する端末である。雇用者は、雇用者端末装置10を操作して、求人を示す求人情報を人材紹介支援システム100に登録したり、紹介される候補者情報を確認したりする。雇用者端末装置10は、有線又は無線通信を行うための通信インターフェースを備えていてよい。なお、雇用者端末装置10は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の装置であってもよい。
【0028】
コンサルタント端末装置20は、人材紹介をするコンサルタントが使用する端末である。本実施形態に係る人材紹介支援システム100において、例えば、コンサルタントAは、コンサルタント端末装置20aを操作して、求人情報を登録する。また、コンサルタントAは、人材紹介支援システム100に登録されている求人情報にマッチする候補者情報を登録する。コンサルタントBは、コンサルタント端末装置20bを操作して、登録された求人情報や、候補者情報を確認する。
【0029】
コンサルタント端末装置20は、有線又は無線通信を行うための通信インターフェースを備えていてよい。なお、コンサルタント端末装置20は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の装置であってもよい。
【0030】
以下では、人材紹介支援システム100において、コンサルタント同士が求人情報や候補者情報を共有することを前提に説明をする。本実施形態において、例えば、コンサルタントAは、人材紹介支援システム100に求人情報を登録し、コンサルタントBは、当該求人情報を閲覧し、コンサルタントにとって有用な情報があれば当該情報に対して評価をする。情報が評価されたコンサルタントAは、システム上、他のコンサルタントにとって信頼度が高いスコアを有するコンサルタントとして認識される。このように、人材紹介支援装置1を介して、人材紹介支援システム100を利用するコンサルタント同士が、互いのスコアを把握する。
【0031】
コンサルタントのスコアとは、コンサルタントの求人紹介や候補者紹介に関する評価に基づく、コンサルタントの信頼度合いを数値化(スコア化)したものである。スコアは、例えば、人材紹介支援システム100を利用するコンサルタントが、他のコンサルタントから様々な観点でなされる評価を基に算出される。
【0032】
他のコンサルタントから評価されているコンサルタントはスコアが高くなる。そして、スコアが高いコンサルタントが掲載する求人情報や、候補者情報は、「質が高い」、「安心できる」等、信頼できるものと判断できる。互いに信頼できるコンサルタント同士であれば、ストレスなく、スピーディに、求人情報や候補者情報を連携できる。このように、本実施形態に係る人材紹介支援システム100は、コンサルタント同士が互いの信頼度を把握できるようになり、システムを介した求人情報や候補者情報をより効率的に交換,共有することができる仕組みを提供できる。
【0033】
コンサルタントのスコアは、コンサルタント個人のそれぞれに対応づけて管理されてもよいし、コンサルタントが所属する組織ごとに対応づけて管理されてもよい。組織に関するスコアは、組織に所属する複数のコンサルタントそれぞれのスコアの平均値であってもよい。また、組織に関するスコアは、組織に所属する複数のコンサルタントそれぞれのスコアの最大値又は最小値であってもよい。
【0034】
スコアは、コンサルタントに関する種々のデータを基にスコア化される。詳細は後述するが、例えば、コンサルタントごとの各評価や、コンサルタントの人材紹介支援システム100上における過去のアクションを示す情報を基にスコア化されてよい。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態に係る人材紹介支援装置1の機能ブロックを示す図である。図2に示すように、人材紹介支援装置1は、機能的に、図1に示す雇用者端末装置10及びコンサルタント端末装置20と各種情報を送受信する通信部11と、本実施形態における各種処理を制御する制御部12と、各種処理を実行するための情報及び各種処理の実行結果を記録する記録部13と、を備える。
【0036】
なお、人材紹介支援装置1は、例えばコンピュータシステムで構成されるサーバ装置、又は、クラウドサーバ等によって構成され、ソフトウェアプログラムによって実装される。また、当該プログラムは、例えば、所定のネットワークを介して、人材紹介支援装置1の外部からダウンロードされて提供されてもよいし、又は、CD-ROMやDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。
【0037】
制御部12は、機能的に、限定情報取得部121と、候補者情報取得部122と、評価登録部123と、実施状況取得部124と、スコア算出部125と、を備える。
【0038】
各機能ブロックについて、図2図3を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る、スコア算出処理の概要の一例を説明する概念図である。
【0039】
限定情報取得部121は、コンサルタントが登録する求人情報と併せて、限定情報を取得する。
【0040】
求人情報は、例えば、求人の概要を把握するための基本的な情報である。求人情報は、例えば、「企業名」、「勤務地」、「想定年収」、「想定年齢」、「雇用形態」等である。
【0041】
限定情報は、例えば、求人情報とは異なる限定的な情報である。限定情報は、求人情報に関連付けられていてもよい。限定情報は、例えば、人材紹介支援システム100において、求人者は閲覧できない非公開情報であってよい。すなわち限定情報は、雇用者や、コンサルタントのみが閲覧できる情報であってよい。限定情報は、候補者が採用されるために必須の条件や、採用の際に有利になる条件を示す情報を含んでいてよい。
【0042】
限定情報は、求人情報には含まれていない情報である。例えば、「海外経験の有無」や「学歴(バックグラウンド)」等の情報であってよい。その他、「性別」、「年齢」、「出身大学」、「直近の年収」等の属性情報でもよい。これらの限定情報は、他の求人情報も含めて一律に限定情報として取り扱われる必要はない。例えば、雇用者やコンサルタントの個々の判断により、ある求人では限定情報ではなく、求人情報として取り扱われてもよい。すなわち、ある雇用者においては求人情報として取り扱われているが、別の雇用者においては、限定情報として取り扱うこととされた情報であってよい。
【0043】
限定情報は、例えば、求人情報に関連付けられている、コンサルタントのみが閲覧権限を有する非公開情報として、人材紹介支援システム100を介してコンサルタント同士が求人情報に関する情報交換をすることができる。これにより、例えば、コンサルタントは限定情報を確認して、より求人情報にマッチする候補者を選定することができる。
【0044】
また、限定情報取得部121は、求人情報における、雇用者とコンサルタントとの関係性の度合いを示す情報(以下、「雇用者関係情報」という)を取得してもよい。雇用者関係情報は、限定情報と同様、求人情報に関連付けられる情報であってよい。
【0045】
雇用者関係情報は、例えば、ある求人に関して、雇用者と当該コンサルタントがどれだけ深い関係にあるかを示す情報である。雇用者とコンサルタントとの関係性の度合いを示す雇用者関係情報を確認することにより、求人を掲載したコンサルタントが、当該求人の雇用者とどれくらい深い関係にあるか、他のコンサルタントが把握できる。
【0046】
「雇用者とコンサルタントの関係性の度合い」は、例えば、求人情報を登録したコンサルタントについて、「以前人事(の担当者)と同じチームで仕事していた」、「人事(の担当者)に既に10名以上紹介している」、「個人的に人事(の担当者)と交流がある」等の情報である。
【0047】
例えば、求人情報を登録する際、コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、雇用者関係情報も併せて入力し、登録してよい。入力は、例えば、求人情報の入力画面(不図示)において、プルダウンメニューに表示される雇用者関係情報のうち、コンサルタントが一番当てはまると思うものを選択することでもよいし、手入力で雇用者との関係性を記載することでもよい。
【0048】
他のコンサルタントは、登録された雇用者関係情報を確認して、当該求人情報を掲載したコンサルタントが、その求人に関し「人事に対して交渉ができるか」等を把握でき、コンサルタントを評価できる。他のコンサルタントにとって、雇用者と深い関係を築けるコンサルタントは信頼できると評価できる。
【0049】
このように、雇用者関係情報が求人情報を介してコンサルタント同士でやり取りされ、システム上で、コンサルタント同士が相互に評価することができる。
【0050】
候補者情報取得部122は、コンサルタント端末装置20から、候補者に関する情報を取得する。コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、候補者情報入力画面(不図示)において、候補者に関する候補者情報を入力する。
【0051】
候補者情報は、候補者に関する情報であって、例えば、「氏名」、「性別」、「生年月日」、「直近の年収」、「履歴書の情報」等、候補者の概要を把握するための基本情報を含んでいてよい。
【0052】
候補者情報は、コンサルタントがコンサルタント端末装置20を操作して、候補者情報入力画面で入力して登録してもよいし、その他、例えば、求人情報を示す画面から、候補者を推薦する操作入力を行い、推薦する候補者の情報を登録する形で、候補者情報が登録されてもよい。
【0053】
また、候補者情報取得部122は、候補者情報における、その候補者とコンサルタントとの関係性の度合いを示す情報(以下、「候補者関係情報」という)を取得してもよい。候補者関係情報は、候補者情報に関連付けられる情報であってよい。
【0054】
候補者関係情報は、候補者情報とは異なる情報であって、例えば、候補者情報が示す候補者と、候補者情報を登録したコンサルタントがどれだけ深い関係にあるかを示す情報である。他のコンサルタントは、候補者関係情報を確認することによって、候補者情報を登録したコンサルタントが、当該候補者とどれくらい深い関係にあるかを把握できる。
【0055】
「候補者とコンサルタントの関係性の度合い」は、例えば、コンサルタントが登録した候補者について、「他のコンサルタントに相談していない」、「コンサルタントを介さずに就職活動はしてない」、「登録したコンサルタント自身が、当該候補者とこまめに連絡が可能」等の情報である。
【0056】
例えば、候補者情報を登録する際、コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、当該候補者についての候補者関係情報を入力する。入力は、例えば、プルダウンメニューに表示される候補者関係情報のうち、コンサルタントが一番当てはまると思うものを選択することでもよいし、手入力で候補者との関係性を記載することでもよい。
【0057】
他のコンサルタントは、登録されている候補者情報を確認する際に、候補者関係情報をみて、当該求人情報を掲載したコンサルタントが、候補者と信頼関係を築けているかを把握でき、その観点で評価することができる。他のコンサルタントにとって、候補者と深い関係を築けるコンサルタントは信頼できると評価できる。
【0058】
このように、候補者関係情報が候補者情報を介してコンサルタント同士でやり取りされ、システム上で、コンサルタント同士が相互に評価することができる。
【0059】
評価登録部123は、コンサルタントから取得した各情報について、他のコンサルタントの評価を受け付け、コンサルタントごとに当該評価を登録する。
【0060】
例えば、評価登録部123は、コンサルタントが登録した限定情報について、他のコンサルタントによる評価を受け付ける。例えば、コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、所定の評価入力画面(不図示)において、コンサルタントごとに、限定情報に対する評価(以下、「第1評価」という)を登録する。
【0061】
具体的には、コンサルタントAが登録した求人情報を、コンサルタントBが閲覧する際、コンサルタントBは、限定情報を確認する。ここでは、当該求人情報における限定情報が、「性別が女性であること」、「大学院を卒業していること」であるものとする。コンサルタントBは、コンサルタント端末装置20bを操作し、当該限定情報を評価し、例えば、その評価の結果(第1評価)を入力する。コンサルタント端末装置20bは、その評価に関する入力情報を人材紹介支援装置1に送信する。評価登録部123は、当該評価を示す情報に基づき、第1評価として登録する。
【0062】
また、評価登録部123は、コンサルタントが登録した雇用者関係情報について、他のコンサルタントによる評価を受け付けてもよい。例えば、コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、所定の評価入力画面において、コンサルタントごとに、雇用者関係情報に対する評価(以下、「第2評価」という)を登録する。
【0063】
具体的には、コンサルタントAが登録した求人情報をコンサルタントBが閲覧する際、コンサルタントBは、雇用者関係情報を確認する。ここでは、当該求人情報における雇用者関係情報が、「人事(の担当者)に既に10名以上紹介している」であるものとする。コンサルタントBは、コンサルタント端末装置20bを操作し、当該雇用者関係情報を評価し、その評価の結果(第2評価)を入力する。コンサルタント端末装置20bは、その評価に関する入力情報を人材紹介支援装置1に送信する。評価登録部123は、当該評価を示す情報に基づき、第2評価として登録する。
【0064】
さらに、評価登録部123は、コンサルタントが登録した候補者関係情報について、他のコンサルタントによる評価を受け付けてもよい。例えば、コンサルタントは、コンサルタント端末装置20を操作して、所定の評価入力画面において、コンサルタントごとに、候補者関係情報に対する評価(以下、「第3評価」という)を入力する。
【0065】
具体的には、コンサルタントAが登録した候補者情報をコンサルタントBが閲覧する際、コンサルタントBは、候補者関係情報を確認する。ここでは、当該候補者情報における候補者関係情報が、「他のコンサルタントに相談していない」であるものとする。コンサルタントBは、コンサルタント端末装置20bを操作し、当該候補者関係情報を評価し、その評価の結果(第3評価)を入力する。コンサルタント端末装置20bは、その評価に関する入力情報を、人材紹介支援装置1に送信する。評価登録123は、当該評価を示す情報に基づき、第3評価として登録する。
【0066】
なお、コンサルタントごとの第1評価、第2評価、及び、第3評価の入力タイミングは任意でよい。
【0067】
第1評価,第2評価であれば、例えば、入力のタイミングは、コンサルタントAが登録した求人情報(限定情報及び雇用者関係情報)を、コンサルタントBが確認した時に、評価を入力してもよいし、実際に当該求人情報に対して推薦された候補者の情報を確認した後に入力してもよい。
【0068】
第3評価であれば、例えば、入力のタイミングは、コンサルタントAが登録した候補者情報(候補者関係情報)を確認した時に入力してもよいし、当該候補者がある求人の選考に進んだ後に入力してもよい。
【0069】
第1評価、第2評価、及び、第3評価の入力方法は、例えば、星マークの数を選択して、多段階の評価を表現することでもよい。すなわち、5段階評価の場合、星マーク「5個」を入力するときは、そのコンサルタントの限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報は、最高評価であることを示す。星マークは、整数である必要はなく、「3.5」というように、0.5個の星マークを用いてもよい。また、3段階評価や10段階評価であってもよい。評価方法はこれに限られず、例えば表示されている限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報の近くに配置されている「いいね」ボタンや「good」ボタンをクリックする方法等も含んでいてよい。その他、テキスト入力や音声入力でもよい。
【0070】
なお、評価登録部122による評価の登録は、他のコンサルタントによる操作入力によって登録されるものに限定されない。例えば、登録された情報(限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報)について、人材紹介支援システム100に設定されている基準値に基づいて、評価を登録してもよい。
【0071】
第2評価について一例を挙げると、例えば、求人情報における雇用者関係情報が「以前人事(の担当者)と同じチームで仕事していた」と登録されていれば2点、「人事(の担当者)に既に10名以上紹介している」は4点、「個人的に人事(の担当者)と交流がある」であれば5点という対応をさせて、雇用者関係情報に紐づく第2評価を登録してもよい。
【0072】
その他、評価登録部122は、例えば、あるコンサルタントが掲載した一以上の情報(限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報)に関して入力された評価のパラメータの平均を、人材紹介支援システム100に登録されている全コンサルタントが登録した各情報(限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報)の平均パラメータと比較することで、相対的に各評価(第1評価、第2評価、第3評価)を登録してもよい。
【0073】
なお、評価登録部122は、上述した他のコンサルタントによって登録される評価を示すパラメータと、システムの処理によって登録される評価のパラメータとを組み合わせて、評価を算出して登録してもよい。
【0074】
このように、人材紹介支援システム100において、求人情報や候補者情報における、コンサルタントならではの情報(ここでは、限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報)について、他のコンサルタントが評価を行うことができる。コンサルタント同士の評価が登録されると、スコアの算出ができるようになる。スコアの算出については後述する。
【0075】
実施状況取得部124は、人材紹介支援システム100におけるコンサルタントの過去のアクションに関する情報である実施状況情報を取得する。
【0076】
過去のアクションとは、例えば、人材紹介支援システム100において、システム上のデータから把握可能な、コンサルタントの求人紹介や候補者紹介等に関する活動実績を指す。
【0077】
過去のアクションは、図3に示すように、「アクティブ度」、「対応スピード」、「対応品質」等に分類し得るが、このような項目に限られず、システムで取得できるデータから把握できるコンサルタントの活動実績であればよい。
【0078】
例えば、人材紹介支援システム100におけるコンサルタントの活動実績に基づいて、記録部13は、コンサルタントごとに、各コンサルタントの人材紹介におけるアクティブ度、対応スピード、又は、対応品質等の少なくとも一つの情報を、実施状況情報として記録する。
【0079】
実施状況取得部124は、記録部13から実施状況情報を取得する。一例を挙げると、例えば、各コンサルタントの人材紹介支援システム100における対応スピードに関する情報は、ある求人情報に関してコンサルタントが行う、雇用者と候補者との面談の日程調整に関するメッセージの送受信のスピードに関する情報を含む。例えば、送受信のスピードが速いコンサルタントは、送受信のスピードが遅いコンサルタントに比べて相対的に高評価のスコア又はパラメータが付与される。
【0080】
別の一例として、例えば、人材紹介支援システム100において、コンサルタントによる候補者情報が登録された場合、各コンサルタントの対応品質に関する情報として、登録された候補者の内定率の情報を含んでよい。内定率は、例えば、コンサルタントが紹介した候補者の数と、実際に内定を受けた候補者の数との割合(%)を含んでもよい。例えば、内定率の高いコンサルタントは、内定率の低いコンサルタントに比べて相対的に高評価のスコア又はパラメータが付与される。
【0081】
また、実施状況情報は、評価登録部122における評価登録のために用いられてもよい。例えば、上述した第1評価、第2評価、第3評価を、過去のアクションに基づいて算出して登録してもよい。
【0082】
この場合、評価登録部122は、実施状況取得部124で取得した実施状況情報に基づいて各評価を登録してよい。
【0083】
例えば、評価登録部122は、コンサルタントAが登録した一以上の求人情報の採用成功率(又は、一以上の候補者情報の内定獲得率)について、実施状況情報に基づいて、人材紹介支援システム100に登録されている全コンサルタントのそれぞれが登録した一以上の採用成功率(又は内定獲得率)の平均と比較し、コンサルタントAの採用成功率(又は内定獲得率)が高い場合には、評価(第1評価、第2評価、第3評価)を登録する際、各評価のパラメータが、他のコンサルタントよりも相対的に高く算出されるようにしてもよい。
【0084】
このように、各評価は、コンサルタントの操作入力によって登録される情報にのみ基づくのではなく、過去のアクション(すなわち、システム上で把握できる活動実績)にも基づいて評価を登録することが可能になるため、算出されるスコアに信憑性を持たせる仕組みを提供できる。
【0085】
図3に示すように、スコア算出部125は、評価登録部123により登録された各評価に基づいて、コンサルタントごとに、スコアを算出する。
【0086】
また、スコア算出部125は、評価登録部123により登録された、コンサルタントの各評価と、取得された過去のアクション(実施状況情報)とに基づいて、スコアを算出してもよい。さらに、スコア算出部125は、取得された実施状況情報に基づいて、スコアを算出してもよい。
【0087】
スコア算出部125は、例えば、以下の式に示すようなスコア算出関数を用いてスコアを算出する。
【0088】
[式]
C=α-a*e+b*x1+c*x2+d*x3+…
ここで、Cは、スコアであり、eは、コンサルタントの評価である。x1、x2、x3…は、スコアに影響を与える非評価要素であり、登録されたコンサルタントの評価に関する情報とは異なる情報である。
【0089】
すなわち、x1、x2、x3…は、例えば、上記した実施状況取得部124が取得する、実施状況情報に関するパラメータである。当該パラメータは、上記式に適用可能な形式で規定されていればよく、各パラメータの数値は絶対値でもよいし、又は、人材紹介支援システム100に登録された全雇用者もしくは全クライアントの数等で正規化された値でもよい。
【0090】
スコア算出部125は、各パラメータ(α,a,b,c,d…)に関して、予め定められた値等を用いたスコア算出関数を採用して、スコアを算出してよい。また、スコア算出部125は、過去のデータ(C,e,x1,x2,x3…,)を収集し、上記式に当てはめた上で、回帰分析等により適合するパラメータ(α,a,b,c,d…)を求めてスコア算出関数を生成してもよい。なお、スコア算出関数は、上記式に限らず、スコアと、コンサルタントの評価との関係を規定する他の関数又は関係式等を含んでもよい。
【0091】
図4は、本発明の一実施形態に係るスコアの一例を示す図である。図4に示すように、スコア算出部125がコンサルタントごとにスコアを算出すると、記録部13は、スコア情報135として、コンサルタントごとに関連付けてスコアを記録する。
【0092】
記録部13は、各種情報を記録する。例えば、コンサルタントがコンサルタント端末装置20を操作して、求人情報(限定情報、雇用者関係情報を含む)を登録する場合、求人情報131として記録してよい。また、候補者情報(候補者関係情報を含む)を登録する場合、候補者情報132として記録してよい。また、記録部13は、評価登録部123によって登録される評価(第1評価、第2評価、第3評価)に関する情報を、評価情報133として記録してもよい。また、記録部13は、一子状況取得部124が取得した実施状況に関する情報を、実施状況情報134として記録してもよい。また、記録部13は、スコア算出部で算出されたスコアを、コンサルタントごとに、スコア情報135として記録してもよい。
【0093】
<スコア算出処理>
(第1例)
図5を参照して、本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第1例を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第1例のフローチャートである。
【0094】
前提として、スコア算出処理において、例えばネットワークの所定のサイト又は記録媒体から、本発明の一実施形態に係るスコア算出処理を含む人材紹介支援アプリケーションソフトウェアをダウンロードし、図1に示す人材紹介支援装置1に実行可能なように保存しておく。そして、人材紹介支援アプリケーションソフトウェアの実行が指示されると、当該ソフトウェアに基づくプログラム動作が開始する。なお、雇用者端末装置10及びコンサルタント端末装置20においても、人材紹介支援システム100の要素として適切に作動するように事前に当該ソフトウェアを実行する。後述する、コンサルタント選択処理及び求人開示判断処理においても、同様に、上記人材紹介支援アプリケーションソフトウェアが実行される。
【0095】
人材紹介支援装置1は、コンサルタントが登録した求人情報について、限定情報に対する第1評価、雇用者関係情報に対する第2評価をコンサルタントごとに登録する。また、コンサルタントが登録した候補者情報について、候補者関係情報に対する第3評価をコンサルタントごとに登録する(ステップS1)。
【0096】
人材紹介支援装置1は、登録された各評価に基づいて、コンサルタントごとに、スコアを算出する(ステップS2)。
【0097】
(第2例)
図6を参照して、本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第2例を説明する。スコア算出処理の第2例は、登録された各評価(第1評価、第2評価、第3評価)に加えて、コンサルタントの過去の実施状況を示す実施状況情報をさらに参酌する点において、第1例と異なる。以下では、第1例と異なる点について特に説明する。
【0098】
図6は、本発明の一実施形態に係るスコア算出処理の第2例のフローチャートである。図6に示すステップS11は、図5に示すステップS1と同一である。
【0099】
次に、人材紹介支援装置1は、コンサルタントの人材紹介支援システム100における過去の実施状況を示す実施状況情報を取得する(ステップS12)。
【0100】
次に、人材紹介支援装置1は、登録された各評価と、取得された実施状況情報とに基づいて、スコアを算出する(ステップS13)。
【0101】
なお、ステップS11とステップS12の処理の順番は、逆になってもよい。
【0102】
上述した第1例によれば、人材紹介支援装置1は、コンサルタントについての各評価を登録し、登録された評価に基づいて、コンサルタントごとに、スコアを算出する。これにより、コンサルタントの信頼度を把握可能になる。
【0103】
第2例によれば、人材紹介支援装置1は、コンサルタントのスコアを算出する際に、コンサルタント介に対する評価に加えて、コンサルタントの過去の実施状況を示す実施状況情報をさらに参酌する。したがって、コンサルタントのスコアをより正確に算出することが可能である。
【0104】
以下では、算出されたスコアを用いた適用例を説明する。具体的には、一又は複数のコンサルタントの中から特定のコンサルタントを選択するコンサルタント選択処理、及び、一又は複数の求人の中から特定のコンサルタントに対して開示するか否かを判断する求人開示判断処理の一例を説明する。
【0105】
このように、人材紹介支援装置1は、コンサルタントごとにスコアを算出することができる。そして、算出されるスコアは、他のコンサルタントによる評価に基づいている。これにより、人材紹介支援システム100を介して、コンサルタントがコンサルタントを評価することができ、人材紹介支援システムにおけるコンサルタントの信頼度を相互に把握することができる。
【0106】
すなわち、人材紹介支援システムを利用するコンサルタント間で、人材紹介(求人紹介、候補者紹介を含む)に関して、どのコンサルタントを有力視して、情報交換等の連携をするのか、判断しやすくなる。そして、自身が高いスコアを持っていれば、他のコンサルタントとの連携を有利に進めることができる。
【0107】
このように、人材紹介支援装置1を介して、コンサルタント同士の評価を具体化することで、コンサルタント同士の連携を促す仕組みを提供できる。
【0108】
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(例えば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0109】
スコア算出において、学習アルゴリズムを備えてもよい。人材紹介支援装置1は、例えば、図3に示す「インプット」(例えば、登録された評価、又は、取得したアクション情報の少なくとも一方)と「アウトプット」(例えば、算出されたスコア)と関連付けて教師データ(学習用データ)として用いて、上記式に係るスコア算出関数を学習させる。人材紹介支援装置1は、スコア算出関数に関する学習モデルを生成してもよい。人材紹介支援装置1は、生成された学習モデルを用いてスコアを算出してもよい。人材紹介支援装置1は、生成された学習モデルを用いて算出した結果を含む学習用データを用いた第2学習によって、定期的に、又は任意のタイミングで、学習モデルを強化(更新)してもよい。なお、人材紹介支援装置1は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク、つまりCNN(Convolutional Neural Network)を含むネットワーク構造から学習モデルを生成してもよい。人材紹介支援装置1は、CNNに加えて、例えば、リカレントニューラルネットワーク、つまりRNN(Recurrent Neural Network)がさらに結合されたネットワーク構造を備えてもよい。なお、ネットワーク構造は上記以外の構成を採用してもよい。また、ニューラルネットワークについても、CNN及びRNN以外のニューラルネットワークを採用してもよい。
【0110】
人材紹介支援システム100の提供主体は、雇用者及びコンサルタントに対して、人材紹介支援システム100を有償で提供してもよい。この場合は、提供主体は、雇用者からは、人材紹介又は人材採用に基づく成果報酬を受領する。他方で、提供主体は、コンサルタントからは、人材紹介支援システム100の月額利用料を受領する。また、雇用者からの成果報酬は、提供主体とコンサルタントとで按分されてもよいし、提供主体は雇用者から受領した成果報酬のうち、一部をコンサルタントに支払ってもよい。これらのシステム利用料や成果報酬等に係る上記金銭のやりとりを、人材紹介支援システム100を介して行ってもよい。ここで、スコアの高いコンサルタントに対しては、人材紹介支援システム100の月額利用料を低廉に設定し、成果報酬の取り分を多く設定し、又は、成果報酬の支払いタイミングを早期化するサービスを提供してもよい。また、スコアの高いコンサルタントに対しては、成果報酬の支払い債権を買い取る業者(いわゆるファクタリング業者等)に低い割引率での買い取り斡旋をすることでコンサルタントの資金繰りを支援してもよい。
【0111】
===まとめ===
人材紹介支援装置1は、雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、求人情報が示す求人に関する、人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、限定情報を持つ人材紹介者から取得する限定情報取得部121と、限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録する評価登録部123と、登録された第1評価に基づいて、限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出するスコア算出部125と、を備える。
【0112】
これにより、人材紹介を行うコンサルタント同士が、保有する限定情報を互いに評価できるようになり、コンサルタント間における、限定情報の共有の促進が可能となる。
【0113】
また、限定情報取得部121は、求人の雇用者との関係性の度合いを示す、求人情報に関連付けられる雇用者関係情報を、関係性を持つ人材紹介者から取得し、評価登録部123は、雇用者との関係性の度合いに基づき、雇用者関係情報に対する第2評価を、関係性を持つ人材紹介者について登録し、スコア算出部125は、登録された第2評価に基づいて、関係性を持つ人材紹介者について、スコアを算出する。
【0114】
これにより、コンサルタントが、求人の雇用者と築いた関係についての情報(雇用者関係情報)を求人情報に含めることで、他のコンサルタントが確認できるようになり、また、雇用者関係情報を登録したコンサルタントが評価される仕組みが提供可能となる。
【0115】
また、人材紹介支援装置1は、求人の候補者と、前記候補者を紹介する人材紹介者との関係性の度合いを示す候補者関連情報を、前記候補者を紹介する人材紹介者から取得する候補者情報取得部122をさらに備え、評価登録部123は、候補者との関係性の度合いに基づき、候補者関係情報に対する第3評価を、前記候補者を紹介する人材紹介者について登録し、スコア算出部125は、登録された第3評価に基づいて、候補者を紹介する人材紹介者について、スコアを算出する。
【0116】
これにより、コンサルタントが、候補者築いた関係についての情報(候補者関係情報)を候補者情報に含めることで、他のコンサルタントが確認できるようになり、また、候補者関係情報を登録したコンサルタントが評価される仕組みが提供可能となる。
【0117】
また、人材紹介支援装置1は、人材紹介者が実施する求人紹介、及び、候補者紹介を含む過去の実施状況を示す実施状況情報を取得する実施情報取得部124をさらに備え、スコア算出部125は、登録された第1評価、登録された第2評価、及び、登録された第3評価のうち少なくとも一つと、取得された実施状況情報と、に基づいて、スコアを算出する。
【0118】
これにより、限定情報、雇用者関係情報、候補者関係情報に基づく評価だけでなく、人材紹介支援システム100上で把握できる、コンサルタントの過去のアクションにも基づいてスコアを算出できるため、算出されるスコアの信憑性を高めることができる。
【符号の説明】
【0119】
1…人材紹介支援装置、10…雇用者端末装置、20…コンサルタント端末装置、11…通信部、12…制御部、13…記録部、121…限定情報取得部、122…候補者情報取得部、123…評価登録部、124…実施状況取得部、125…スコア算出部、100…人材紹介支援システム
【要約】
【課題】人材紹介を行うコンサルタント間において、限定情報の共有の促進を可能にすること
【解決手段】雇用者、求職者、及び人材紹介者が閲覧可能な求人情報とは異なる、前記求人情報が示す求人に関する、前記人材紹介者同士で共有可能な限定情報を、前記限定情報を持つ人材紹介者から取得する限定情報取得部と、前記限定情報を持つ人材紹介者とは別の人材紹介者による前記限定情報に対する評価を含む第1評価を、前記限定情報を持つ人材紹介者に対応づけて登録する評価登録部と、登録された前記第1評価に基づいて、前記限定情報を持つ人材紹介者のスコアを算出するスコア算出部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6