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特許7518522魚管理システム、プログラム、及び魚管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】魚管理システム、プログラム、及び魚管理方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/12 20060101AFI20240710BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240710BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240710BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20240710BHJP
【FI】
G01N33/12
G06Q30/06
G06T7/00 350B
G06Q50/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023195690
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519134876
【氏名又は名称】赤坂水産有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 竜太郎
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-021261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0168027(US,A1)
【文献】特表2003-506676(JP,A)
【文献】特開2017-083378(JP,A)
【文献】国際公開第2019/151393(WO,A1)
【文献】特開2021-096109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/12
G06T 7/00
G06Q 50/02
G01N 21/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得部と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得部と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得部と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御部と
を備え
前記魚情報は、前記魚の旨味、前記魚の水分含有量、前記魚の脂質、前記魚の色差、前記魚に含まれる微生物、前記魚の脂肪酸、前記魚の血液含有量、及び前記魚の歯応えの少なくともいずれかを更に含む、魚管理システム。
【請求項2】
前記魚情報取得部は、魚を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果と、当該魚の鮮度を含む魚情報とを含むGT(Ground Truth)データを用いた機械学習によって生成された、前記スキャン結果を入力とし、前記魚情報を出力とする魚情報学習モデルに、前記結果取得部が取得した前記スキャン結果を入力して、前記魚情報学習モデルから出力された前記魚情報を取得する、請求項1に記載の魚管理システム。
【請求項3】
複数の前記GTデータを取得する学習データ取得部と、
前記複数のGTデータを用いた機械学習を実行することによって前記魚情報学習モデルを生成する学習実行部と
を備える、請求項2に記載の魚管理システム。
【請求項4】
前記処理方法取得部は、魚の魚情報と、当該魚の推奨処理方法とを含むGTデータを用いた機械学習によって生成された、魚情報を入力とし、推奨処理方法を出力とする魚処理学習モデルに、前記魚情報取得部が取得した前記魚情報を入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得する、請求項1に記載の魚管理システム。
【請求項5】
前記対象の魚の魚属性情報を取得する属性情報取得部
を更に備え、
前記処理方法取得部は、魚の魚情報と、当該魚の魚属性情報と、当該魚の推奨処理方法とを含む前記GTデータを用いた機械学習によって生成された前記魚処理学習モデルに、前記魚情報取得部が取得した前記魚情報と、前記属性情報取得部が取得した前記魚属性情報とを入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得する、請求項に記載の魚管理システム。
【請求項6】
前記魚属性情報は、前記魚の種類、前記魚が摂食した餌の種類、前記魚の産地、及び前記魚の食べ方の希望の少なくともいずれかを含む、請求項に記載の魚管理システム。
【請求項7】
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の締め方を含む、請求項1に記載の魚管理システム。
【請求項8】
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の保存方法を含む、請求項1に記載の魚管理システム。
【請求項9】
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得部と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得部と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得部と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御部と
を備え、
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の締め方を含む、魚管理システム。
【請求項10】
前記魚の締め方は、津本式、神経締め、脳締め、及び活き締めの少なくともいずれかを含む、請求項9に記載の魚管理システム。
【請求項11】
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得部と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得部と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得部と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御部と
を備え、
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の保存方法を含む、魚管理システム。
【請求項12】
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の冷凍方式を含む、請求項11に記載の魚管理システム。
【請求項13】
前記魚の冷凍方式は、エアブラスト方式及びリキッド方式の少なくともいずれかを含む、請求項12に記載の魚管理システム。
【請求項14】
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得部と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得部と、
前記対象の魚の魚属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得部と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御部と
を備え、
前記処理方法取得部は、魚の魚情報と、当該魚の魚属性情報と、当該魚の推奨処理方法とを含むGT(Ground Truth)データを用いた機械学習によって生成された魚処理学習モデルに、前記魚情報取得部が取得した前記魚情報と、前記属性情報取得部が取得した前記魚属性情報とを入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得する、魚管理システム。
【請求項15】
前記魚属性情報は、前記魚の種類、前記魚が摂食した餌の種類、前記魚の産地、及び前記魚の食べ方の希望の少なくともいずれかを含む、請求項14に記載の魚管理システム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から15のいずれか一項に記載の魚管理システムとして機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータによって実行される魚管理方法であって、
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得段階と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得段階と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得段階と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御段階と
を備え
前記魚情報は、前記魚の旨味、前記魚の水分含有量、前記魚の脂質、前記魚の色差、前記魚に含まれる微生物、前記魚の脂肪酸、前記魚の血液含有量、及び前記魚の歯応えの少なくともいずれかを更に含む、魚管理方法。
【請求項18】
コンピュータによって実行される魚管理方法であって、
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得段階と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得段階と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得段階と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御段階と
を備え、
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の締め方を含む、魚管理方法。
【請求項19】
コンピュータによって実行される魚管理方法であって、
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得段階と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得段階と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得段階と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御段階と
を備え、
前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の保存方法を含む、魚管理方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行される魚管理方法であって、
対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得段階と、
前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得段階と、
前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得段階と、
前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御段階と
を備え、
前記対象の魚の魚属性情報を取得する属性情報取得段階
を更に備え、
前記処理方法取得段階は、魚の魚情報と、当該魚の魚属性情報と、当該魚の推奨処理方法とを含むGT(Ground Truth)データを用いた機械学習によって生成された魚処理学習モデルに、前記魚情報取得段階において取得した前記魚情報と、前記属性情報取得段階において取得した前記魚属性情報とを入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得する、魚管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚管理システム、プログラム、及び魚管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、魚類の鮮度の定量的評価法であるK値による方法について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002-207025号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、魚管理システムが提供される。前記魚管理システムは、対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得部を備えてよい。前記魚管理システムは、前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得部を備えてよい。前記魚管理システムは、前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得部を備えてよい。前記魚管理システムは、前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御部を備えてよい。
【0004】
前記魚管理システムにおいて、前記魚情報取得部は、魚を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果と、当該魚の鮮度を含む魚情報とを含むGT(Ground Truth)データを用いた機械学習によって生成された、前記スキャン結果を入力とし、前記魚情報を出力とする魚情報学習モデルに、前記結果取得部が取得した前記スキャン結果を入力して、前記魚情報学習モデルから出力された前記魚情報を取得してよい。前記魚管理システムは、複数の前記GTデータを取得する学習データ取得部と、前記魚管理システムは、前記複数のGTデータを用いた機械学習を実行することによって前記魚情報学習モデルを生成する学習実行部とを備えてよい。
【0005】
前記いずれかの魚管理システムにおいて、前記魚情報は、前記魚の旨味、前記魚の水分含有量、前記魚の脂質、前記魚の色差、前記魚に含まれる微生物、前記魚の脂肪酸、前記魚の血液含有量、及び前記魚の歯応えの少なくともいずれかを更に含んでよい。
【0006】
前記いずれかの魚管理システムにおいて、前記処理方法取得部は、魚の魚情報と、当該魚の推奨処理方法とを含むGTデータを用いた機械学習によって生成された、魚情報を入力とし、推奨処理方法を出力とする魚処理学習モデルに、前記魚情報取得部が取得した前記魚情報を入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得してよい。前記魚管理システムは、前記対象の魚の魚属性情報を取得する属性情報取得部を更に備えてよく、前記処理方法取得部は、魚の魚情報と、当該魚の魚属性情報と、当該魚の推奨処理方法とを含む前記GTデータを用いた機械学習によって生成された前記魚処理学習モデルに、前記魚情報取得部が取得した前記魚情報と、前記属性情報取得部が取得した前記魚属性情報とを入力して、前記魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得してよい。前記魚属性情報は、前記魚の種類、前記魚が摂食した餌の種類、前記魚の産地、前記魚の配送予定期間、及び前記魚の食べ方の希望の少なくともいずれかを含んでよい。
【0007】
前記いずれかの魚管理システムにおいて、前記魚の推奨処理方法は、推奨される前記魚の締め方、推奨される前記魚の保存方法、推奨される前記魚の輸送方法、及び推奨される前記魚の食べ方の少なくともいずれかを含んでよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記魚管理システムとして機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される魚管理方法が提供される。前記魚管理方法は、対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する結果取得段階を備えてよい。前記魚管理方法は、前記スキャン結果を用いて前記魚の鮮度を含む魚情報を取得する魚情報取得段階を備えてよい。前記魚管理方法は、前記魚情報を用いて前記魚の推奨処理方法を取得する処理方法取得段階を備えてよい。前記魚管理方法は、前記魚の前記推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する出力制御段階を備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】魚管理システム10の一例を概略的に示す。
図2】魚30に対する各処理について説明するための説明図である。
図3】魚管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図4】魚管理装置100又は通信端末200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
魚の鮮度の指標であるK値が知られているが、K値の測定には、特殊な機器及び専門的な知識が必要であり、測定に時間を要するうえに、魚を破壊して検査する必要がある。また、魚の美味しさには、鮮度に加えて旨味も関係するが、魚の旨味の定量評価は存在していない。本実施形態に係る魚管理システム10は、魚の品質を損なわない非破壊的かつ迅速・簡易なアプローチで魚の鮮度や旨味を測定する技術の実現に貢献する。また、魚管理システム10は、魚の測定結果を用いて、魚の推奨処理方法を提供する技術の実現に貢献する。
【0014】
図1は、魚管理システム10の一例を概略的に示す。魚管理システム10は、魚管理装置100を備える。魚管理システム10は、分光計スキャナ102を更に備えてよい。魚管理システム10は、通信端末200及び分光計スキャナ202を更に備えてよい。なお、魚管理システム10は、魚管理装置100のみを備えてもよい。
【0015】
魚管理装置100は、いわゆるサーバ装置であってよい。通信端末200は、スマートフォン、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等であってよい。
【0016】
魚管理装置100と通信端末200とは、ネットワーク20を介して通信する。ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)を含んでよい。ネットワーク20は、移動体通信ネットワークを含んでよい。移動体通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、3G(3rd Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。
【0017】
魚管理装置100は、ネットワーク20に有線接続されてよい。魚管理装置100は、ネットワーク20に無線接続されてよい。魚管理装置100は、無線基地局を介してネットワーク20に接続されてよい。魚管理装置100は、Wi-Fi(登録商標)アクセスポイントを介してネットワーク20に接続されてよい。
【0018】
通信端末200は、ネットワーク20に有線接続されてよい。通信端末200は、ネットワーク20に無線接続されてよい。通信端末200は、無線基地局を介してネットワーク20に接続されてよい。通信端末200は、Wi-Fiアクセスポイントを介してネットワーク20に接続されてよい。
【0019】
魚管理装置100は、分光計スキャナ102が魚30をスキャンしたスキャン結果を取得する。魚管理装置100と分光計スキャナ102とは、有線接続されてよい。魚管理装置100と分光計スキャナ102とは、無線接続されてよい。分光計スキャナ102が、魚管理装置100に内蔵されていてもよい。
【0020】
魚管理装置100は、スキャン結果を用いて、魚30の鮮度を含む魚情報を推定してよい。分光計スキャナ102は、光を波長ごとに分光し、検出器で受けることでそれぞれの強度を測定する。分光計スキャナ102の特徴として、化学物質に対して、特定の波長を吸収することがわかっている。対象の魚30に含まれる化学物質の種類や量に応じて、分光計スキャナ102のスキャン結果は異なることになる。分光計スキャナ102によれば、対象の魚30に含まれる化学物質によって吸収された波長を測定することができるので、スキャン結果から、対象の魚30に含まれる化学物質を推定することが可能である。魚30毎に、異なる種類の化学物質が異なる量ずつ含まれており、波長の吸収状況は複雑に異なることになるが、例えば、スキャン結果と、魚30に含まれる化学物質の種類及び量とを学習データとして用いた機械学習を行うことによって、スキャン結果を入力とし、化学物質の種類及び量を出力する学習モデルを生成することができる。当該学習モデルを用いることによって、スキャン結果から魚30に含まれる化学物質の種類及び量を推定することができ、魚30の品質等の指標を示すことを可能にできる。
【0021】
魚管理装置100は、魚30の鮮度として、魚30のK値を推定してよい。魚情報は、魚30の旨味を含んでよい。魚情報は、魚30に含まれる遊離アミノ酸を含んでよい。魚管理装置100が推定する遊離アミノ酸の例として、イノシン酸、グルタミン酸、及びヒスタミン等が挙げられる。魚情報は、魚30の核酸を含んでよい。魚情報は、魚30の水分含有量を含んでよい。魚情報は、魚30の脂質を含んでよい。魚情報は、魚30の色差を含んでよい。魚情報は、魚30に含まれる微生物を含んでよい。魚情報は、魚30の歯応えを含んでよい。魚情報は、魚30の脂肪酸を含んでよい。魚情報は、魚30の血液含有量を含んでよい。
【0022】
魚管理装置100は、推定した魚情報を用いて、魚30の推奨処理方法を特定してよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の締め方を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の保存方法を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の輸送方法を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の食べ方を含んでよい。
【0023】
魚管理装置100は、分光計スキャナ202が魚30をスキャンしたスキャン結果を通信端末200から取得してよい。分光計スキャナ202は、分光計スキャナ102と同様であってよい。通信端末200と分光計スキャナ202とは、有線接続されてよい。通信端末200と分光計スキャナ202とは、無線接続されてよい。分光計スキャナ202が、通信端末200に内蔵されていてもよい。
【0024】
魚管理装置100は、通信端末200から取得したスキャン結果を用いて、魚30の魚情報を推定してよい。魚管理装置100は、推定した魚情報を通信端末200に送信してよい。
【0025】
魚管理装置100は、通信端末200から取得したスキャン結果を用いて、魚30の魚情報を推定し、当該魚情報を用いて魚30の推奨処理方法を推定してよい。魚管理装置100は、推定した魚30の推奨処理方法を通信端末200に送信してよい。
【0026】
図2は、魚30に対する各処理について説明するための説明図である。図2では、魚30に対する処理の例として、締め方、加工形状、冷凍までの期間、冷凍方式、保存温度、及び冷凍期間を挙げている。
【0027】
魚30の締め方は、津本式のような方式を含んでよい。魚30の締め方は、神経締め、脳締め、及び活き締め等の種類を含んでよい。魚30の締め方は、これら以外を含んでもよい。
【0028】
魚30の加工形状は、フィーレ、ロイン、加熱処理(湯引き、炙り、燻製)等の種類を含んでよい。魚30の加工形状は、これら以外を含んでもよい。
【0029】
魚30の冷凍までの期間は、任意の期間であってよい。魚30の冷凍までの期間は、時間単位であってよく、日単位であってもよい。図2では、12時間、2日、5日を例示しているが、これらに限られない。
【0030】
魚30の冷凍方式は、エアブラスト方式及びリキッド方式などの方式を含んでよい。魚30の冷凍方式は、これら以外を含んでもよい。
【0031】
魚30の保存温度は、任意の温度であってよい。魚30の保存温度は、1℃単位であってよく、5℃単位であってよく、10℃単位であってよく、これら以外であってもよい。図2では、-20℃及び-50℃を例示しているが、これらに限られない。
【0032】
魚30の冷凍期間は、任意の期間であってよい。魚30の冷凍期間は、月単位であってよく、日単位であってもよく、これら以外であってもよい。図2では、1月及び3月を例示しているが、これらに限られない。
【0033】
図3は、魚管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。魚管理装置100は、記憶部110、学習データ取得部112、学習実行部114、学習モデル取得部116、結果取得部122、魚情報取得部124、処理方法取得部126、属性情報取得部130、及び出力制御部128を備える。なお、魚管理装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0034】
学習データ取得部112は、各種学習データを取得する。学習データ取得部112は、魚管理装置100に入力された学習データを取得してよい。学習データ取得部112は、外部から学習データを受信してもよい。学習データ取得部112は、取得した学習データを記憶部110に記憶させる。
【0035】
学習実行部114は、学習データ取得部112が取得した学習データを用いた機械学習を実行して、学習モデルを生成する。学習実行部114は、生成した学習モデルを記憶部110に記憶させる。
【0036】
学習データ取得部112は、魚30の鮮度を含む魚情報を推定する学習モデルを生成するための学習データを取得してよい。例えば、学習データ取得部112は、魚30を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果と、当該魚30の鮮度を含む魚情報とを含むGTデータを取得する。学習実行部114は、学習データ取得部112が取得した複数のGTデータを用いた機械学習を実行することによって、魚30を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果を入力とし、当該魚30の魚情報を出力とする魚情報学習モデルを生成してよい。例えば、学習実行部114は、魚30を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果を入力とし、当該魚30の魚情報を出力とするニューラルネットワークである魚情報NN(Neural Network)を生成する。
【0037】
分光計スキャナを用いることによって、魚30に関する様々な情報を取得することができる。測定する対象に応じて、分光計スキャナの設定パラメータは適宜調整されてもよい。
【0038】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の鮮度によって異なる。そのため、鮮度が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の鮮度とを含むGTデータを生成することを、様々な鮮度に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の鮮度を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0039】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の旨味によって異なる。そのため、旨味が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の旨味とを含むGTデータを生成することを、様々な旨味に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の旨味を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0040】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の水分含有量によって異なる。そのため、水分含有量が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の水分含有量とを含むGTデータを生成することを、様々な水分含有量に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の水分含有量を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0041】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の脂質によって異なる。そのため、脂質が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の脂質とを含むGTデータを生成することを、様々な脂質に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の脂質を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0042】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の色差によって異なる。そのため、色差が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の色差とを含むGTデータを生成することを、様々な色差に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の色差を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0043】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30に含まれる微生物によって異なる。そのため、含まれる微生物が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30に含まれる微生物とを含むGTデータを生成することを、様々な含有微生物に対して行うことによって、スキャン結果から魚30に含まれる微生物を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0044】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の脂肪酸によって異なる。そのため、脂肪酸が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の脂肪酸とを含むGTデータを生成することを、様々な脂肪酸に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の脂肪酸を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0045】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の血液含有量によって異なる。そのため、血液含有量が既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の血液含有量とを含むGTデータを生成することを、様々な血液含有量に対して行うことによって、スキャン結果から魚30の血液含有量を推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0046】
分光計スキャナのスキャン結果は、魚30の歯応えによって異なる。そのため、歯応えが既知の魚30を分光計スキャナによって測定して、スキャン結果と魚30の歯応えとを含むGTデータを生成することを、様々な歯応えに対して行うことによって、スキャン結果から魚30の歯応えを推定可能な魚情報モデルを生成することができる。
【0047】
魚情報は、魚30の鮮度に加えて、魚30の旨味、魚30の水分含有量、魚30の脂質、魚30の色差、魚30に含まれる微生物、魚30の脂肪酸、魚30の血液含有量、及び魚30の歯応えの少なくともいずれかを更に含んでよい。
【0048】
学習データ取得部112は、魚30の推奨処理方法を推定する学習モデルを生成するための学習データを取得してよい。例えば、学習データ取得部112は、魚30の魚情報と、当該魚の推奨処理方法とを含むGTデータを取得する。学習実行部114は、学習データ取得部112が取得した複数のGTデータを用いた機械学習を実行することによって、魚30の魚情報を入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とする魚処理学習モデルを生成してよい。例えば、学習実行部114は、魚30の魚情報を入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とするニューラルネットワークである魚処理NNを生成する。
【0049】
魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の締め方を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の保存方法を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の輸送方法を含んでよい。魚30の推奨処理方法は、推奨される魚30の食べ方を含んでよい。
【0050】
GTデータは、例えば、いわゆる魚30のプロが魚30に対して実際に行っている処理方法を用いて生成される。例えば、魚30のプロが魚30を処理した場合に、魚30のプロが行った処理方法を推奨処理方法として、当該魚30の魚情報と対応付けたGTデータを生成する。学習データ取得部112は、当該GTデータを取得する。学習データ取得部112がこのようなGTデータを大量に取得することによって、魚30のプロと同様の判断を行うことが可能な魚処理学習モデルを生成することができる。
【0051】
GTデータは、官能テストを実行することによって生成されてもよい。例えば、ある魚30をある処理方法で処理し、処理後の魚30を実験者が食してランク付けする。当該魚30の魚情報と、処理方法と、ランクとを対応付けて記録する。例えば、最高のランクが対応付けられている魚情報と処理方法とを対応付けたGTデータを生成する。学習データ取得部112は、当該GTデータを取得する。学習データ取得部112がこのようなGTデータを大量に取得することによって、結果として魚30が最高ランクを取得できるような処理方法を提供可能な魚処理学習モデルを生成することができる。
【0052】
学習データ取得部112は、魚30の魚属性情報に適した推奨処理方法を推定する学習モデルを生成するための学習データを取得してよい。例えば、学習データ取得部112は、魚30の魚情報と、当該魚30の魚属性情報と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを取得する。学習実行部114は、学習データ取得部112が取得した複数のGTデータを用いた機械学習を実行することによって、魚30の魚情報と魚属性情報とを入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とする魚処理学習モデルを生成してよい。例えば、学習実行部114は、魚30の魚情報と魚属性情報とを入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とするニューラルネットワークである魚処理NNを生成する。
【0053】
GTデータは、例えば、いわゆる魚30のプロが魚30に対して実際に行っている処理方法を用いて生成される。例えば、魚30のプロが魚30を処理した場合に、魚30のプロが行った処理方法を推奨処理方法として、当該魚30の魚情報及び魚属性情報と対応付けたGTデータを生成する。学習データ取得部112は、当該GTデータを取得する。学習データ取得部112がこのようなGTデータを大量に取得することによって、魚30のプロと同様の判断を行うことが可能な魚処理学習モデルを生成することができる。
【0054】
GTデータは、官能テストを実行することによって生成されてもよい。例えば、ある魚30をある処理方法で処理し、処理後の魚30を実験者が食してランク付けする。当該魚30の魚情報及び魚属性情報と、処理方法と、ランクとを対応付けて記録する。例えば、最高のランクが対応付けられている魚情報と魚属性情報と処理方法とを対応付けたGTデータを生成する。学習データ取得部112は、当該GTデータを取得する。学習データ取得部112がこのようなGTデータを大量に取得することによって、結果として魚30が最高ランクを取得できるような処理方法を提供可能な魚処理学習モデルを生成することができる。
【0055】
学習モデル取得部116は、学習モデルを取得する。学習モデル取得部116は、外部の装置いよって生成された学習モデルを外部から受信してよい。学習モデル取得部116は、取得した学習モデルを記憶部110に記憶させる。学習モデル取得部116は、例えば、魚30を分光計スキャナでスキャンしたスキャン結果を入力とし、当該魚30の魚情報を出力とする魚情報学習モデルを取得する。学習モデル取得部116は、例えば、魚30の魚情報を入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とするニューラルネットワークである魚処理NNを取得する。学習モデル取得部116は、例えば、魚30の魚情報と魚属性情報とを入力とし、魚30の推奨処理方法を出力とする魚処理学習モデルを取得する。
【0056】
結果取得部122は、対象の魚30を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する。結果取得部122は、例えば、分光計スキャナ102からスキャン結果を受信する。結果取得部122は、例えば、分光計スキャナ202からスキャン結果を受信する。
【0057】
魚情報取得部124は、結果取得部122が取得したスキャン結果を用いて、対象の魚30の魚情報を取得する。魚情報取得部124は、結果取得部122が取得したスキャン結果を、記憶部110に記憶されている魚情報学習モデルを入力して、魚情報学習モデルから出力された魚情報を取得してよい。
【0058】
処理方法取得部126は、魚情報取得部124が取得した魚情報を用いて、対象の魚30の推奨処理方法を特定する。処理方法取得部126は、魚情報取得部124が取得した魚情報を、記憶部110に記憶されている魚処理学習モデルに入力し、魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得してよい。
【0059】
出力制御部128は、処理方法取得部126が取得した魚30の推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する。例えば、出力制御部128は、魚管理装置100が備えるディスプレイに推奨情報を表示するよう制御する。例えば、出力制御部128は、通信端末200に対して推奨情報を送信するよう制御する。
【0060】
属性情報取得部130は、対象の魚30の魚属性情報を取得する。属性情報取得部130は、結果取得部122が対象の魚30のスキャン結果を取得したときに、別途入力された魚属性情報を取得してよい。魚属性情報は、魚30の種類、魚30が摂食した餌の種類、魚30の産地、魚30の配送予定期間、及び魚30の食べ方の希望の少なくともいずれかを含んでよい。魚30の食べ方の希望は、魚30の種類によって異なってもよい。魚30の食べ方の例として、刺身、焼き、蒸し、茹で、等が挙げられるが、これらに限られない。
【0061】
処理方法取得部126は、魚情報取得部124が取得した対象の魚30の魚情報に加えて、属性情報取得部130が取得した対象の魚30の魚属性情報を用いて、対象の魚30の推奨処理方法を取得してよい。処理方法取得部126は、対象の魚30の魚情報と、対象の魚30の魚属性情報とを、記憶部110に記憶されている魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された推奨処理方法を取得してよい。
【0062】
具体例として、学習データ取得部112が、魚30の魚情報と、当該魚30の種類と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを複数取得し、学習実行部114が、魚30の魚情報と、魚30の種類とを入力とし、魚30の推奨処理方法とを出力とする魚処理学習モデルを生成する。結果取得部122が、対象の魚30のスキャン結果を取得し、魚情報取得部124が、スキャン結果を用いて魚30の魚情報を取得する。属性情報取得部130が、対象の魚30の種類を取得する。処理方法取得部126が、魚情報取得部124が取得した魚情報と、属性情報取得部130が取得した魚30の種類とを、学習実行部114が生成した魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された魚30の推奨処理方法を取得する。これにより、対象となる魚30の鮮度等及び種類に適した推奨処理を提供することができる。
【0063】
具体例として、学習データ取得部112が、魚30の魚情報と、当該魚30が接触した餌の種類と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを複数取得し、学習実行部114が、魚30の魚情報と、魚30が接触した餌の種類とを入力とし、魚30の推奨処理方法とを出力とする魚処理学習モデルを生成する。結果取得部122が、対象の魚30のスキャン結果を取得し、魚情報取得部124が、スキャン結果を用いて魚30の魚情報を取得する。属性情報取得部130が、対象の魚30が接触した餌の種類を取得する。処理方法取得部126が、魚情報取得部124が取得した魚情報と、属性情報取得部130が取得した餌の種類とを、学習実行部114が生成した魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された魚30の推奨処理方法を取得する。これにより、対象となる魚30の鮮度等と、摂食した餌の種類とに適した推奨処理を提供することができる。
【0064】
具体例として、学習データ取得部112が、魚30の魚情報と、当該魚30の産地と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを複数取得し、学習実行部114が、魚30の魚情報と、魚30の産地とを入力とし、魚30の推奨処理方法とを出力とする魚処理学習モデルを生成する。結果取得部122が、対象の魚30のスキャン結果を取得し、魚情報取得部124が、スキャン結果を用いて魚30の魚情報を取得する。属性情報取得部130が、対象の魚30の産地を取得する。処理方法取得部126が、魚情報取得部124が取得した魚情報と、属性情報取得部130が取得した魚30の産地とを、学習実行部114が生成した魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された魚30の推奨処理方法を取得する。これにより、対象となる魚30の鮮度等及び産地に適した推奨処理を提供することができる。
【0065】
具体例として、学習データ取得部112が、魚30の魚情報と、当該魚30の配送予定期間と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを複数取得し、学習実行部114が、魚30の魚情報と、魚30の配送予定期間とを入力とし、魚30の推奨処理方法とを出力とする魚処理学習モデルを生成する。結果取得部122が、対象の魚30のスキャン結果を取得し、魚情報取得部124が、スキャン結果を用いて魚30の魚情報を取得する。属性情報取得部130が、対象の魚30の配送予定期間を取得する。処理方法取得部126が、魚情報取得部124が取得した魚情報と、属性情報取得部130が取得した配送予定期間とを、学習実行部114が生成した魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された魚30の推奨処理方法を取得する。これにより、対象となる魚30の鮮度等及び配送予定期間に適した推奨処理を提供することができる。
【0066】
具体例として、学習データ取得部112が、魚30の魚情報と、当該魚30の食べ方の希望と、当該魚30の推奨処理方法とを含むGTデータを複数取得し、学習実行部114が、魚30の魚情報と、魚30の食べ方の希望とを入力とし、魚30の推奨処理方法とを出力とする魚処理学習モデルを生成する。結果取得部122が、対象の魚30のスキャン結果を取得し、魚情報取得部124が、スキャン結果を用いて魚30の魚情報を取得する。属性情報取得部130が、対象の魚30の食べ方の希望を取得する。処理方法取得部126が、魚情報取得部124が取得した魚情報と、属性情報取得部130が取得した食べ方の希望とを、学習実行部114が生成した魚処理学習モデルに入力して、魚処理学習モデルから出力された魚30の推奨処理方法を取得する。これにより、対象となる魚30の鮮度等及び食べ方の希望に適した推奨処理を提供することができる。
【0067】
上述したように、本実施形態に係る魚管理装置100によれば、魚30の鮮度や旨味等の魚情報に応じた、魚30の推奨処理方法を提供することができる。また、魚管理装置100によれば、魚30の鮮度や旨味等の魚情報と、魚30の種類や餌の種類等に応じた、魚30の推奨処理方法を提供することができる。
【0068】
例えば、日本において、2024年4月1日からトラックドライバーにおける時間外労働の上限規制が適用される。これにより、輸送コストが増加し、生魚の輸送が著しく制限されることになり、魚の品質をできる限り維持することのできる輸送方法の重要性が高まる。日本に限らず、全世界において、このような輸送方法の重要性は高い。それに対して、本実施形態に係る魚管理システム10によれば、魚30を分光計スキャナでスキャンすることによって、魚30に適した推奨処理方法を知得できる環境を提供することができる。これにより、魚の品質をできる限り維持することのできる輸送方法を多くの人が実現できるようになる。また、魚管理システム10によれば、魚30の冷凍時の品質保証をすることによって、生より美味しい冷凍魚を生成することに貢献することもでき、水産業に大きく貢献することができる。
【0069】
図4は、魚管理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0070】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0071】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0072】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0073】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0074】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0075】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0076】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0077】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0078】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0079】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読命令は、コンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。ここで、コンピュータは、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、汎用コンピュータ、または特殊目的のコンピュータ等であってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このような複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムは分散コンピューティングシステムとも呼ばれ、広義のコンピュータである。分散コンピューティングシステムにおいては、複数のコンピュータのそれぞれがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてコンピュータ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のコンピュータが集合的に プログラムを実行する。
【0083】
プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、中央処理装置、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。コンピュータは、1つのプロセッサまたは複数のプロセッサを備えてよい。複数のプロセッサを備えるマルチプロセッサシステムにおいては、それぞれのプロセッサがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてプロセッサ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のプロセッサが集合的にプログラムを実行する。例えば、マルチタスクの実行において、複数のプロセッサのそれぞれは、タイムスライス毎にタスクスイッチすることにより各タスクの一部分ずつを細切れに実行してよい。この場合、各プロセッサが1つのプログラムのうちどの部分を実行するかは、動的に変化する。複数のプロセッサのそれぞれがプログラムのどの部分を実行するかは、マルチプロセッサを意識したプログラミングにより静的に定められてもよい。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 魚管理システム、20 ネットワーク、30 魚、100 魚管理装置、102 分光計スキャナ、110 記憶部、112 学習データ取得部、114 学習実行部、116 学習モデル取得部、122 結果取得部、124 魚情報取得部、126 処理方法取得部、128 出力制御部、130 属性情報取得部、200 通信端末、202 分光計スキャナ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】      (修正有)
【課題】魚の品質を損なわない非破壊的かつ迅速・簡易なアプローチで魚の鮮度や旨味を測定する魚管理システム、プログラム及び魚管理方法を提供する。
【解決手段】魚管理システムにおいて、魚管理装置は、結果取得部122と、魚情報取得部124と、処理方法取得部126と、出力制御部128と、を備える。結果取得部122は、対象の魚を分光計スキャナがスキャンしたスキャン結果を取得する。魚情報取得部124は、スキャン結果を用いて魚の鮮度を含む魚情報を取得する。処理方法取得部126は、魚情報を用いて魚の推奨処理方法を取得する。出力制御部128は、魚の推奨処理方法を含む推奨情報を出力するよう制御する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4