(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】食パン切断器
(51)【国際特許分類】
B26B 29/06 20060101AFI20240710BHJP
B26D 3/24 20060101ALI20240710BHJP
B26D 7/01 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
B26B29/06
B26D3/24 N
B26D7/01 C
(21)【出願番号】P 2022157605
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2024-02-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年7月21日のウェブサイト(https://www.youtube.com/;https://www.youtube.com/user/gothicmind1;https://www.youtube.com/watch?v=_TNLRafdSbc;https://www.youtube.com/watch?v=W3LAiSrbV6o)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年7月21日のウェブサイト(https://www.instagram.com/;https://www.instagram.com/iseto1969/;https://www.instagram.com/p/CgTqzeDLK7_/;https://www.instagram.com/reel/ChQg_EpAeYu/;https://www.instagram.com/p/CiZjloeLJBb/;https://www.instagram.com/reel/CjuCcw1A7vs/)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年8月4日のウェブサイト(https://www.isetou.com/index.html;https://www.isetou.com/new_products_index/new_products_index.html;https://www.isetou.com/products_index/products_index.html;https://www.isetou.com/products/kitchen_storage/kitchen_storage/bresd_slicer_L/bread_slicer_L.html)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月9日のウェブサイト(https://www.yodobashi.com/;https://www.yodobashi.com/product/100000001007390750/)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月26日のウェブサイト(https://www.rakuten.co.jp/;https://www.rakuten.co.jp/iseto-store/;https://www.rakuten.co.jp/iseto-store/compass1663723384/)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日のウェブサイト(https://www.amazon.co.jp/;https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGN2TBKH?_encoding=UTF8&psc=1&ref_=cm_sw_r_cp_ud_dp_2R4DM82080RSY1BSSHPM)における株式会社伊藤藤による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日のウェブサイト(https://shopping.yahoo.co.jp/?sc_i=shp_pc_store_MhdLogo;https://store.shopping.yahoo.co.jp/kurashi-arl/;https://store.shopping.yahoo.co.jp/kurashi-arl/4966149612107.html)における株式会社三治商会による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日のウェブサイト(https://www.rakuten.co.jp/;https://www.rakuten.ne.jp/gold/cocolo556/;https://item.rakuten.co.jp/cocolo556/4966149612107/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_101_0_0)における株式会社三治商会による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日のウェブサイト(https://www.rakuten.co.jp/;https://www.rakuten.ne.jp/gold/store-marufuku/;https://item.rakuten.co.jp/store-marufuku/adag-a12021/)における株式会社丸金による公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月28日のウェブサイト(https://www.rakuten.co.jp/;https://www.rakuten.ne.jp/gold/kurashi-arl/;https://item.rakuten.co.jp/kurashi-arl/4966149612107/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_101_0_0)における株式会社三治商会による公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391043310
【氏名又は名称】株式会社伊勢藤
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00823632(GB,A)
【文献】特開2016-040064(JP,A)
【文献】登録実用新案第3130215(JP,U)
【文献】実開昭51-080335(JP,U)
【文献】実開昭58-075696(JP,U)
【文献】実開昭62-088592(JP,U)
【文献】実開平01-097890(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103128770(CN,A)
【文献】英国特許出願公告第00586931(GB,A)
【文献】英国特許出願公開第02172494(GB,A)
【文献】中国実用新案第201597052(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 29/06
B26D 3/24
B26D 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食パンの側面に対向するように配置される第1平面を有する第1部分と、
食パンの上面に対向するように配置される第2平面を有する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とに形成され、食パンをカットする際に切断刃をガイドするガイド部と、
を備え、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1平面と前記第2平面とが直交する使用位置と、収納位置とに切替え可能に構成され
、
前記使用位置において、前記第1部分は、前記第2部分との接続部分から下方向に延びており、
前記使用位置において、前記第2部分は前記第1部分との接続部分から左右方向のいずれか一方に延びており、
前記第1部分及び前記第2部分の長手方向の先端は自由端である、
食パン切断器。
【請求項2】
前記収納位置は、前記第1平面と前記第2平面とが平行になり、
前記第1部分は、前記第2部分に対して、前記使用位置と前記収納位置とに切替え可能に接続されている、
請求項1に記載の食パン切断器。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第2部分に対して、回転可能に接続されており、その回転軸は、前記使用位置において、前記第1平面及び前記第2平面に平行な方向に延びている、
請求項2に記載の食パン切断器。
【請求項4】
前記第1部分及び前記第2部分は、前記使用位置において互いに保持する保持機構を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の食パン切断器。
【請求項5】
食パンの側面に対向するように配置される第1平面を有する第1部分と、
食パンの上面に対向するように配置される第2平面を有する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とに形成され、食パンをカットする際に切断刃をガイドするガイド部と、
を備え、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1平面と前記第2平面とが直交する使用位置と、収納位置とに切替え可能に構成され、
前記使用位置において、前記第1部分の前後方向の一方の縁と前記第2部分の前後方向の一方の縁とが第1仮想平面上に位置しており、
前記第1部分は、前記使用位置において前記第1仮想平面に平行な第1スリットを有し、
前記第2部分は、前記使用位置において前記第1仮想平面に平行でかつ前記第1スリットに繋がる第2スリットを有する、
食パン切断器。
【請求項6】
前記使用位置において、前記第1部分の他方の縁と前記第2部分の他方の縁との少なくとも一方の縁が前記第1仮想平面に平行な第2仮想平面上にあり、
前記第1スリット及び前記第2スリットは、前記第1仮想平面と前記第2仮想平面との間の中央からずれた位置に形成されている、
請求項5に記載の食パン切断器。
【請求項7】
前記第1スリットは、前記第1平面に直交する方向に突き出た一対の第1起立片で構成され、
前記第2スリットは、前記第2平面に直交する方向に突き出た一対の第2起立片で構成されている、
請求項5に記載の食パン切断器。
【請求項8】
前記一対の第1起立片は、一方の第1起立片が他方の第1起立片よりも突出寸法が大きい、
請求項7に記載の食パン切断器。
【請求項9】
前記一対の第2起立片は、一方の第2起立片が他方の第2起立片よりも突出寸法が大きい、
請求項7に記載の食パン切断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食パン切断器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の食パン切断器が開示されている。特許文献1に記載の食パン切り用枠は、食パンを載せる食パン受台と、複数の案内溝が形成された一対の側板と、を備えている。複数の案内溝は、一定の間隔で形成されている。
【0003】
ユーザは、食パン受台上に食パンを載せた状態で、パン切りナイフの切断刃を案内溝に沿って下降させることで、食パンを同じ幅で均一な厚さに切断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の食パン切り用枠は、一定の間隔で形成された複数の案内溝を側板に形成したものであるため、食パンよりも大きなサイズにする必要があり、全体として大型化しやすく、収納の際に、比較的大きな収納スペースが必要となる、という問題もある。
本発明の目的は、使用時には扱いやすい形状としながらも、収納時において収納しやすい形状にすることができる食パン切断器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様の食パン切断器は、食パンの側面に対向するように配置される第1平面を有する第1部分と、食パンの上面に対向するように配置される第2平面を有する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とに形成され、食パンをカットする際に切断刃をガイドするガイド部と、を備える。前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1平面と前記第2平面とが直交する使用位置と、収納位置とに切替え可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る上記態様の食パン切断器は、使用時には扱いやすい形状としながらも、収納時において収納しやすい形状にすることができる食パン切断器を提供することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、本発明の実施形態に係る食パン切断器の斜視図である。
図1Bは、
図1Aの食パン切断器を180°向きを変えた状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る食パン切断器において、使用位置と収納位置とに切り替えた態様を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る食パン切断器を、コーナ部分の直上から見た図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る食パン切断器を前後方向に直交する断面で切断した断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る食パン切断器を用いて、食パンに対し、所定の厚さの位置に切り込みを入れる方法を説明する斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る食パン切断器を用いて、食パンを切断する方法を説明する斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る食パン切断器を用いて、食パンに対し、所定の厚さとは異なる厚さの位置に切り込みを入れる方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、本発明に係る実施形態の食パン切断器10について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
本実施形態に係る食パン切断器10は、1斤及び/又は2斤等の食パンS1を一定の厚さに切断する際に用いられる器具である。食パン切断器10は、
図1に示すように、食パンS1の側面に対向する第1平面11を有する第1部分1と、食パンS1の上面に対向する第2平面51を有する第2部分5と、を備える。第1部分1と第2部分5には、食パンS1を切断する際に切断刃91をガイドするガイド部3,7が形成されている。第1部分1と第2部分5とは、使用位置と収納位置とに切替え可能に接続されている。
【0011】
使用位置は、上述したように、第1平面11が食パンS1の側面に対向し、かつ第2平面51が食パンS1の上面に対向する(
図2の実線参照)。使用位置では、第1平面11と第2平面51とは直交する。一方、収納位置は、食パン切断器10を収納可能な位置である。収納位置の食パン切断器10は、使用位置の食パン切断器10よりもコンパクトな形状になればよいが、本実施形態に係る収納位置は、第1平面11と第2平面51とが互いに平行となる(
図2の想像線参照)。収納位置にある第1平面11と第2平面51とは、同一平面上に位置することが好ましい。本実施形態に係る収納位置では、第1平面11と第2平面51とは、互いに平行でかつ同じ方向を向くが、互いに平行でかつ対向してもよい。
【0012】
以下、説明の便宜上、食パン切断器10を食パンS1上に載せた状態(
図5参照)を基準に説明する。すなわち、
図1Aに示すように、食パンS1のクラムを正面から見た場合の高さ方向に平行な方向を「上下方向」とし、横方向に平行な方向を「左右方向」として定義する。また、上下方向及び左右方向に直交する方向(すなわち、食パンS1の長手方向)を「前後方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、本発明の食パン切断器10の使用用途を特定する趣旨ではない。
【0013】
また、第1部分1の第1平面11が食パンS1の側面に対向し、第2部分5の第2平面51が食パンS1の上面に対向する使用態様は、1つの使用態様に過ぎない。他の使用態様においては、第1部分1の第1平面11が食パンS1の上面に対向し、第2部分5の第2平面51が食パンS1の側面に対向する場合もある(
図7参照)。本明細書では、特に断り書きがない限り、第1部分1の第1平面11が食パンS1の側面に対向し、第2部分5の第2平面51が食パンS1の上面に対向する使用態様を基準にして食パン切断器10を説明する。
(第1部分1)
【0014】
第1部分1は、
図1Aに示すように、第1平面11を有する部分である。第1部分1は、第1平面11を有する板状の第1本体部2と、第1ガイド部3と、第1スリット4と、第1指掴み部23と、を備える。第1部分1は、第1平面11に直交する方向に見て、長方形形状に形成されているが、正方形形状に形成されてもよい。第1部分1の下端は自由端であり、第1部分1の上端は第2部分5に接続された固定端である。
(第1本体部2)
【0015】
第1本体部2は、第1部分1の主体を構成する。第1本体部2は板状に形成されている。第1本体部2は、前後方向に幅を有し、かつ上下方向に長さを有しており、長手方向が上下方向に平行な帯状に形成されている。第1本体部2の主面(内面及び外面)のうちの食パンS1に対向する内面が第1平面11である。
【0016】
第1本体部2の前側の縁と、第1本体部2の後側の縁とは、互いに平行であることが好ましい。第1本体部2の前側の縁及び後側の縁は、直線状に形成されており、上下方向に平行である。
【0017】
第1本体部2の上下方向の寸法は、130mm以下であることが好ましく、より好ましくは125mm以下である。第1部分1の長さ方向の寸法の下限値は、特に制限はないが、100mm以上であることが好ましく、より好ましくは120mm以上である。このように構成されることで、食パン切断器10を食パンS1に載せた際に、第1部分1の下端が食パンS1の載置面に干渉しにくい。ただし、市販品の食パンS1のサイズには、統一的な規格が存在しないため、本明細書における寸法の具体例は一応の目安である。
【0018】
第1本体部2の上端部には、第2部分5が接続される。第1本体部2の上端部は、第1傾斜面21と、第2部分5に接続される接続部22と、を有する。使用位置において、第1傾斜面21は、第2部分5の第2傾斜面61に対向する。第1傾斜面21は、上方向に行くに従って左右方向において食パンS1から離れる方向に位置するように、第1平面11に対して傾斜している。
【0019】
接続部22は、第1傾斜面21の上端に形成されている。接続部22によって、第1部分1と第2部分5とが接続されている。第1部分1は、
図2に示すように、第2部分5に対して、回転可能に接続されており、これにより、使用位置と収納位置とに切り替えられる。この回転軸は、前後方向に延びており、すなわち、使用位置において、第1平面11及び第2平面51に平行な方向に延びている。
【0020】
接続部22は、第1部分1と第2部分5とが樹脂成形で一体につながった部分で構成されており、変形可能に構成されている。ただし、接続部22としては、本実施形態の構成に限らず、例えば、ピン、軸等によって、第1部分1と第2部分5とを回転可能に接続してもよい。
【0021】
食パン切断器10は、第1部分1と第2部分5とを使用位置に保持する保持機構を有する。保持機構は、本実施形態では、第1部分1に形成された係止爪25と、第2部分5に形成された係止孔65とで構成される。係止爪25が係止孔65に引っ掛かることで、第1部分1と第2部分5とを使用位置に保持することができる。係止爪25及び係止孔65は、第1部分1と第2部分5とが対向する位置に形成されている。本実施形態では、第1傾斜面21に係止爪25が形成され、第2傾斜面61に係止孔65が形成されている。なお、第1傾斜面21に係止孔65が形成され、第2傾斜面61に係止爪25が形成されてもよい。また、本実施形態では、2つの係止爪25と、2つの係止孔65とで、保持機構が構成されるが、保持機構は、1つの係止爪25と1つの係止孔65とで構成されてもよい。
【0022】
保持機構としては、係止爪25と係止孔65に限らず、例えば、先端部が膨出したピンと孔とで構成されてもよいし、使用位置において、かんぬき又はピンを差し込んで、使用位置に保持してもよい。また、保持機構としては、磁力を用いて、使用位置に保持してもよい。
(第1ガイド部3)
【0023】
第1ガイド部3は、ガイド部3,7の一構成要素であり、食パンS1をカットする際に切断刃91をガイドする。ガイド部3,7は、第1部分1が備える第1ガイド部3と、第2部分5が備える第2ガイド部7とを備える。ユーザは、ガイド部3,7に切断刃91を沿わせることで、切断刃91はガイド部3,7に案内されながら、食パンS1を真っ直ぐ切断することができる。
【0024】
第1ガイド部3は、第1本体部2の前側の縁に沿って起立する第1突片31と、第1本体部2の後側の縁に沿って起立する第2突片32とを有する。第1突片31の前面は平面であり、前後方向に直交する平面上にある。第1突片31の前面(すなわち、第1部分1の前側の縁を含む面)を含む仮想平面を「第1仮想平面K1」とする。第2突片32の後面は平面であり、前後方向に直交する平面上にある。第2突片32の後面(すなわち、第1部分1の後側の縁を含む面)を含む仮想平面を「第2仮想平面K2」とする。
【0025】
第1突片31の突出寸法と第2突片32の突出寸法とは、同じ寸法であってもよいし、異なる寸法であってもよい。また、第1突片31と第2突片32とは、一部に切り欠きがあってもよいし、第1本体部2の縁の全長にわたって連続していてもよいし、断続的に形成されていてもよい。
【0026】
第2突片32は、長手方向の一部に形成された凹部321を有する。凹部321は、第2突片32の他の部分に比べて突出寸法が低い部分である。凹部321が形成されていることで、例えば、第1突片31及び第2突片32の先端面を載置面に対向するように食パン切断器10を置いた際に、凹部321に指を掛けることができる。
【0027】
第1突片31の下端と第2突片32の下端とは、補強片33によってつながっている。補強片33は、第1本体部2の下縁に沿って形成されている。補強片33、第1突片31及び第2突片32によれば、第1本体部2の剛性を高めることができるため、第1本体部2の肉厚を薄くしても、変形を抑制することができる。
(第1スリット4)
【0028】
第1スリット4は、第1部分1に形成されたスリットであり、切断刃91をガイドする細隙である。第1スリット4は、第2部分5に形成された第2スリット8とつながっている。第1スリット4は、第1本体部2を貫通する。使用位置において、第1スリット4及び第2スリット8に切断刃91を沿わせることで、食パンS1の角部に切り目を入れることができる。例えば、第1部分1及び第2部分5の前側の縁を食パンS1の前縁に合わせ、第1スリット4及び第2スリット8によって切り目を入れることで、食パンS1を一定の厚さに切るための位置に印を入れることができる。
【0029】
第1スリット4は、第1仮想平面K1に平行に延びていることが好ましい。第1平面11の上端から第1スリット4の下端までの長さは、20mm以上であることが好ましく、より好ましくは30mm以上であり、更に好ましくは35mm以上である。一方、第1平面11の上端から第1スリット4の下端までの長さの上限値は、特に制限はなく、第1平面11の上下方向の略全長にわたって形成されてもよい。このようにすることで、食パンS1の角部に目印となるように切り目を入れることができる。
【0030】
図3に示すように、第1仮想平面K1と第1スリット4との間の寸法を「第1の寸法L1」とし、第2仮想平面K2と第1スリット4との間の寸法を「第1の寸法L2」とすると、第2の寸法L2は、第1の寸法L1よりも長い。すなわち、第1スリット4は、第1部分1における第1仮想平面K1と第2仮想平面K2との間の中央からずれた位置に形成されている。第1の寸法L1は、例えば、6枚切りに対応する寸法であり、21mm以上27mm以下に設定される。第2の寸法L2は、例えば、5枚切りに対応する寸法であり、27mm以上33mm以下に設定される。このようにすることで、食パンS1を切断する際の目印となる切り目を、少なくとも2種類の幅で入れることができる。第1部分1の前側の縁を食パンS1の前端に合わせることで、6枚切りに対応した厚さの位置に切り目を入れることができる。一方、食パン切断器10を前後ひっくり返して、第1部分1の前側の縁(ひっくり返す前は後側の縁)を食パンS1の前端に合わせることで、5枚切りに対応した厚さの位置に切り目を入れることができる。
【0031】
第1スリット4は、一対の第1起立片41が一定の隙間を介して並ぶことで形成されている。一対の第1起立片41は、前後方向に離れている。各第1起立片41は、平板であり、第1平面11に直交する方向に、第1本体部2から突き出ている。
図1Aに示すように、一対の第1起立片41のうちの一方の第1起立片41(ここでは後側の第1起立片41)は、他方の第1起立片41よりも、少なくとも一部において、突出寸法が大きい。このようにすることで、ユーザは、切断刃91を第1スリット4に挿し入れる際、切断刃91を突出寸法が大きい側の第1起立片41に当てた上で、切断刃91を第1スリット4に挿し入れることができる。これにより、ユーザは、切断刃91を第1スリット4に導きやすくなる。
【0032】
第1本体部2からの一対の第1起立片41の突出高さは、第1本体部2からの第1突片31及び第2突片32の突出高さ以下であることが好ましい。このようにすることで、食パン切断器10を収納する際に第1起立片41が他の部材に干渉することが低減され、第1起立片41の損傷を軽減することができる。
(第1指掴み部23)
【0033】
第1指掴み部23は、食パン切断器10を使用する際に、ユーザが指で掴むための部分である。使用位置において、ユーザは、第1指掴み部23と、第2部分5に形成された第2指掴み部62とを掴むことで、食パン切断器10を指で掴んで保持することができる。
【0034】
第1指掴み部23は、第1部分1において、2つ形成されている。2つの第1指掴み部23は、第1スリット4に対して、前側と後側の各々に配置されている。第1指掴み部23は、親指に引っ掛かりやすくなるように、本実施形態では突条で形成されている。ただし、第1指掴み部23としては、突条に限らず、例えば、ローレット加工等の滑り止め加工を施したり、ゴム等のように摩擦係数を高くするような別部材を取り付けたりしてもよい。
【0035】
第1部分1において、第1指掴み部23に対して下側に隣接する位置には、開口部24が形成されている。このようにすることで、
図4に示すように、親指と人差し指で、第1指掴み部23と第2指掴み部62とを掴んだ際に、親指が第1部分1に干渉するのを防ぐことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、第1部分1は、2つの第1指掴み部23を有するが、1つの第1指掴み部23を有するのみであってもよい。また、開口部6324のエッジをもって、第1指掴み部23としてもよい。
(第2部分5)
【0037】
第2部分5は、
図1Aに示すように、第2平面51を有する部分である。第2部分5は、第2平面51を有する板状の第2本体部6と、第2ガイド部7と、第2スリット8と、第2指掴み部62と、を備える。第2部分5は、第2平面51に直交する方向に見て、長方形形状に形成されているが、正方形形状に形成されてもよい。第2部分5の左右方向の一方の端は自由端であり、第1部分1の左右方向の他端は第1部分1に接続された固定端である。
(第2本体部6)
【0038】
第2本体部6は、第2部分5の主体を構成する。第2本体部6は板状に形成されている。第2本体部6は、前後方向に幅を有し、かつ左右方向に長さを有しており、長手方向が左右方向に平行な帯状に形成されている。第2本体部6の主面(内面及び外面)のうちの食パンS1に対向する内面が第2平面51である。使用位置において、第1平面11と第2平面51は直交する。
【0039】
第2本体部6の前側の縁と、第2本体部6の後側の縁とは、互いに平行であることが好ましい。第2本体部6の前側の縁及び後側の縁は、直線状に形成されており、上下方向に平行である。
【0040】
第2本体部6の左右方向の寸法は、130mm以下であることが好ましく、より好ましくは125mm以下である。第2部分5の左右方向の寸法の下限値は、特に制限はないが、100mm以上であることが好ましく、より好ましくは120mm以上である。
【0041】
第2本体部6の左右方向の一方の端部(ここでは左側の端部。以下「一端部」という)には、第1部分1が接続される。第2本体部6の一端部は、第2傾斜面61を有する。使用位置において、第2傾斜面61は、第1部分1の第1傾斜面21に対向する。第2傾斜面61は、左右方向の外側に行くに従って上方向の位置するように、第2平面51に対して傾斜している。第2傾斜面61の先端には、接続部22が接合されている。
第2部分5は、上述したように、保持機構の一構成要素をなす係止孔65を有する。係止孔65は、第1部分1の係止爪25に対応する位置に形成されている。
(第2ガイド部7)
【0042】
第2ガイド部7は、ガイド部の一構成要素であり、食パンS1をカットする際に切断刃91をガイドする。第2ガイド部7は、第2本体部6の前側の縁に沿って起立する第1突片71と、第2本体部6の後側の縁に沿って起立する第2突片72とを有する。第1突片71の前面は平面であり、前後方向に直交する平面上にある。第1突片71の前面は、第1仮想平面K1上に位置する。第2突片72の後面は平面であり、前後方向に直交する平面上にある。第2突片72の後面は、第2仮想平面K2上にある。
【0043】
第1部分1の第1突片31と第2部分5の第1突片71とは、使用位置において、突き付けられて接合される。これによって、使用位置において、第1部分1の第1突片31と第2部分5の第1突片71とが連続する。同様に、使用位置において、第1部分1の第2突片32と第2部分5の第2突片72とが連続する。
【0044】
第1突片71の他端と第2突片72の他端は、補強片73によってつながっている。補強片73は、第2本体部6の他端に沿って形成されている。補強片73、第1突片71及び第2突片72によれば、第2本体部6の剛性を高めることができるため、第2本体部6を薄くしても変形を抑制することができる。
(第2スリット8)
【0045】
第2スリット8は、第2部分5に形成されたスリットであり、切断刃91をガイドする細隙である。第2スリット8は、使用位置において、第1部分1に形成された第1スリット4とつながっている。第2スリット8は、第2本体部6を貫通する。第2スリット8は、第1仮想平面K1に平行に延びていることが好ましい。左右方向において、第2平面51の一端から第2スリット8の他端までの長さは、20mm以上であることが好ましく、より好ましくは30mm以上であり、更に好ましくは35mm以上である。一方、左右方向において、第2平面51の一端から第1スリット4の他端までの長さの上限値は、特に制限はなく、第2平面51の左右方向の略全長にわたって形成されてもよい。
【0046】
第2スリット8は、第1スリット4と同様、
図3に示すように、第2部分5における第1仮想平面K1と第2仮想平面K2との間の中央からずれた位置に形成されている。第2スリット8と第1スリット4とは、前後方向において同じ位置に形成されているため、第1の寸法L1と第2の寸法L2との関係については、第2スリット8でも同じである。このため、寸法L1及び寸法L2の説明はここでは省略する。
【0047】
第2スリット8は、一対の第2起立片81が一定の隙間を介して並ぶことで形成されている。一対の第2起立片81は、前後方向に離れている。各第2起立片81は、平板であり、第2平面51に直交する方向に、第2本体部6から突き出ている。
図1Aに示すように、一対の第2起立片81のうちの一方の第2起立片81(ここでは後側の第2起立片81)は、他方の第2起立片81よりも、少なくとも一部において、突出寸法が大きい。このようにすることで、ユーザは、切断刃91を第2スリット8に挿し入れる際、切断刃91を突出寸法が大きい側の第2起立片81に当てた上で、切断刃91を第2スリット8に挿し入れることができる。
【0048】
第2本体部6からの一対の第2起立片81の突出高さは、第2本体部6からの第1突片71及び第2突片72の突出高さ以下であることが好ましい。このようにすることで、食パン切断器10を収納する際に第2起立片81が他の部材に干渉することが低減され、第2起立片81の損傷を軽減することができる。
(第2指掴み部62)
【0049】
第2指掴み部62は、食パン切断器10を使用する際に、ユーザが指で掴むための部分である。使用位置において、ユーザは、第1指掴み部23と、第2部分5に形成された第2指掴み部62とを掴むことで、食パン切断器10を指で掴んで保持することができる。
【0050】
第2指掴み部62は、第2部分5において、2つ形成されている。2つの第2指掴み部62は、第2スリット8に対して、前側と後側の各々に配置されている。第2指掴み部62は、例えば、人差し指に引っ掛かりやすくなるように、本実施形態では突条で形成されている。ただし、第2指掴み部62としては、突条に限らず、例えば、ローレット加工等の滑り止め加工を施したり、ゴム等のように摩擦係数を高くするような別部材を取り付けたりしてもよい。
【0051】
第2部分5において、第2指掴み部62に対して左右方向の自由端側に隣接する位置には、開口部63が形成されている。このようにすることで、
図4に示すように、親指と人差し指で、第1指掴み部23と第2指掴み部62とを掴んだ際に、人差し指が第2部分5に干渉するのを防ぐことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、第2部分5は、2つの第2指掴み部62を有するが、1つの第2指掴み部62を有するのみであってもよい。また、開口部6324のエッジをもって、第2指掴み部62としてもよい。
【0053】
また、第2部分5は、
図1に示すように、引掛孔64を有する。引掛孔64は、第2部分5を貫通している。引掛孔64に対して、例えば、フック、紐、ストラップ等を通すことで、食パン切断器10を吊り下げておくことができる。本実施形態では、引掛孔64は、第2部分5に形成されているが、第1部分1に形成されてもよいし、第1部分1と第2部分5の両方に形成されてもよい。また、引掛孔64は、第2本体部6に形成されているが、第1突片31,71又は/及び第2突片32,72に形成されてもよい。
(使用方法)
【0054】
次に、本実施形態に係る食パン切断器10の使用態様の一例を説明する。まず、
図2に示すように、収納位置にある食パン切断器10を使用位置に切り替える。食パンS1を6枚切りの厚さに切断したい場合、
図5に示すように、第1部分1の第1平面11を食パンS1の側面に対向させ、第2部分5の第2平面51を食パンS1の上面に対向させるようにして、食パン切断器10を食パンS1に載せる。そして、食パン切断器10の第1部分1の第1突片31を食パンS1の前端に合わせる。
【0055】
ユーザは、第1指掴み部23及び第2指掴み部62を掴んで食パン切断器10を保持し、パン切りナイフ9の切断刃91を、第1スリット4及び第2スリット8に沿って挿し入れる。すると、食パンS1の出隅部には、6枚切りの厚さに対応する位置に切り目が形成される。
【0056】
次いで、ユーザは、
図6に示すように、第1突片71を切り目に合わせるようにして、食パン切断器10を後方向に平行移動させる。この状態で、ユーザは、第1指掴み部23及び第2指掴み部62を掴んで、食パン切断器10を保持し、切断刃91を第1ガイド部3及び第2ガイド部7に沿って移動させ、食パンS1を切断する。これによって、5枚切りの厚さに食パンS1を切断することができる。この作業を繰り返すことで、一定の厚さにスライスされた複数の食パンS1を得ることができる。
【0057】
食パンS1を5枚切りの厚さに切断したい場合、
図7に示すように、食パン切断器10を前後180°反転させ、第1部分1の第1平面11を食パンS1の上面に対向させ、第2部分5の第2平面51を食パンS1の側面に対向させるようにして、食パン切断器10を食パンS1に載せる。そして、食パン切断器10の第2突片32,72を食パンS1の前側の端に合わせる。
【0058】
ユーザは、第1指掴み部23及び第2指掴み部62を掴んで食パン切断器10を保持し、パン切りナイフ9の切断刃91を、第1スリット4及び第2スリット8に沿って挿し入れる。すると、食パンS1の出隅部には、5枚切りの厚さに対応する位置に切り目が形成される。
【0059】
この後、
図6に示すように、食パン切断器10を180°反転させ、上述したように、第1部分1の第1突片31と第2部分5の第1突片71とを、食パンS1に形成した切り目に合わせるようにして、食パン切断器10を配置する。そして、ユーザは、第1指掴み部23及び第2指掴み部62を掴んで食パン切断器10を保持し、切断刃91を第1ガイド部3及び第2ガイド部7に沿って移動させ、食パンS1を切断する。
【0060】
この後、食パン切断器10を収納位置に切り替え、収納しやすい形状に変形させる。これによって、食パン切断器10を小さいスペースに収納しておくことができる。
【0061】
このように、本実施形態に係る食パン切断器10によれば、略L字状という扱いやすい形状でありながらも、食パンS1を一定の厚さに切断することができる。また、スリットが幅方向の中央からずれた位置にあるため、食パンS1を2種類以上の厚さに対応して、一定の厚さに切断することができる。
<変形例>
【0062】
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0063】
上記実施形態に係る食パン切断器10では、第1部分1は、第2部分5に対して、回転可能に接続されたが、第1部分1と第2部分5とは、収納位置において分離し、使用位置において互いに接続されてもよい。収納位置において、第1平面11と第2平面51とが対向するように配置され、両者が互いに固定されてもよい。第1部分1の第1平面11に前後方向に延びるレールを設け、第2部分5の第2平面51にレールに保持される突起を設け、使用位置において、レールに対して突起を差し入れることで、第1部分1と第2部分5とを接続してもよい。
【0064】
上記実施形態に係る食パン切断器10では、収納位置において、第1平面11と第2平面51とが同一平面上に位置したが、例えば、第1部分1の第1突片31の先端面と第2部分5の第1突片71の先端面同士が対向するまで回転した状態を収納位置としてもよい。
【0065】
上記実施形態に係る食パン切断器10では、第1部分1の第2突片32と第2部分5の第2突片72との両方が、第2仮想平面K2上に位置したが、必ずしも、両方の第2突片32,72が第2仮想平面K2上に位置していなくてもよい。第1部分1の第2突片32と第2部分5の第2突片72とを段違いになるように形成してもよい。この場合、例えば、第1部分1において、第2突片32と第1スリット4との間の寸法を、5枚切りに対応する寸法にし、第2部分5において、第2突片72と第2スリット8との間の寸法を、6枚切りに対応する寸法に設定してもよい。
第1スリット4を構成する第1起立片41及び第2スリット8を構成する第2起立片81は、全て同じ高さであってもよい。
【0066】
第1ガイド部3は、第1突片31と第2突片32のいずれか一方のみで構成されてもよい。また、第2ガイド部7も、第1突片71と第2突片72のいずれか一方のみで構成されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、第1の寸法L1として、6枚切りに対応する寸法を例示し、第2の寸法L2として、5枚切りに対応する寸法を例示したが、本発明では、これに制限されない。第1の寸法L1として、5枚切りに対応する寸法を採用し、第2の寸法L2として、4枚切り(例:29mm以上31mm以下に設定される。)に対応する寸法を採用してもよいし、5枚切り、6枚切り等とは無関係に設定されてもよい。
【0068】
上記実施形態に係る食パン切断器10は、略L字状に形成されたが、略L字状に限定されるものではなく、例えば、第1部分1及び/又は第2部分5の先端が自由端ではなく他の構成に接続されて略U字状等の他の形状に形成されてもよい。
【0069】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0070】
また、本明細書において「前端部」及び「前端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。前端部は、この一定の範囲内にある位置であれば、どの位置でも「前端部」である。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
<まとめ>
【0071】
以上説明したように、第1の態様に係る食パンS1切断器10は、食パンS1の側面に対向するように配置される第1平面11を有する第1部分1と、食パンS1の上面に対向するように配置される第2平面51を有する第2部分5と、第1部分1と第2部分5とに形成され、食パンS1をカットする際に切断刃91をガイドするガイド部と、を備える。第1部分1と第2部分5とは、第1平面11と第2平面51とが直交する使用位置と、収納位置とに切替え可能に構成されている。
【0072】
この態様によれば、使用時には、第1部分1と第2部分5とを使用位置にし、収納時には、第1部分1と第2部分5とを収納位置に切り替えることができるため、使用位置では収納しにくい形態であっても、収納時には収納しやすい形態とすることができる。この結果、使用時には扱いやすさを優先した形状でありながらも、収納時において収納しやすい形状にすることができる。
【0073】
第2の態様に係る食パンS1切断器10では、第1の態様において、収納位置は、第1平面11と第2平面51とが平行になる。第1部分1は、第2部分5に対して、使用位置と収納位置とに切替え可能に接続されている。この態様によれば、収納時に、食パンS1切断器10をコンパクトな形態にすることができて、収納しやすい。
【0074】
第3の態様に係る食パンS1切断器10では、第2の態様において、第1部分1は、第2部分5に対して、回転可能に接続されており、その回転軸は、使用位置において、第1平面11及び第2平面51に平行な方向に延びている。この態様によれば、収納位置においても、第1部分1と第2部分5とが分離しないため、紛失しにくくすることができる。
【0075】
第4の態様に係る食パンS1切断器10では、第1から第3のいずれかの態様において、第1部分1及び第2部分5は、使用位置において互いに保持する保持機構を有する。この態様によれば、使用位置において、第1部分1と第2部分5とが安定した形態となり、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0076】
第5の態様に係る食パンS1切断器10では、第1から第4のいずれかの態様において、使用位置において、第1部分1は、第2部分5との接続部22分から下方向に延びている。使用位置において、第2部分5は第1部分1との接続部22分から左右方向のいずれか一方に延びている。第1部分1及び第2部分5の長手方向の先端は自由端である。この態様によれば、使用位置における食パンS1切断器10において、できる限り簡略化した構造とすることができ、ユーザが扱いやすい形状とすることができる。
【0077】
第6の態様に係る食パンS1切断器10では、第1から第5のいずれかの態様において、使用位置において、第1部分1の前後方向の一方の縁と第2部分5の前後方向の一方の縁とが第1仮想平面K1上に位置している。第1部分1は、使用位置において第1仮想平面K1に平行な第1スリット4を有する。第2部分5は、使用位置において第1仮想平面K1に平行でかつ第1スリット4に繋がる第2スリット8を有する。この態様によれば、第1部分1と第2部分5の幅方向の一方の縁を食パンS1の縁に合わせるようにして食パンS1切断器10を配置し、スリットに沿って切断刃91を移動させることで、切り目を入れることができる。そして、切り目に対して、ガイド部を合わせ、当該ガイド部に沿って切断刃91を移動させることで、食パンS1を一定の厚さに切断することができる。
【0078】
第7の態様に係る食パンS1切断器10では、第6の態様において、使用位置において、第1部分1の他方の縁と第2部分5の他方の縁との少なくとも一方の縁が第1仮想平面K1に平行な第2仮想平面K2上にあり、第1スリット4及び第2スリット8は、第1仮想平面K1と第2仮想平面K2との間の中央からずれた位置に形成されている。この態様によれば、2種類以上の厚さに対応して、一定の厚さに切断することもできる。
【0079】
第8の態様に係る食パンS1切断器10では、第6又は第7の態様において、第1スリット4は、第1平面11に直交する方向に突き出た一対の第1起立片41で構成され、第2スリット8は、第2平面51に直交する方向に突き出た一対の第2起立片81で構成されている。この態様によれば、切断刃91によって、第1平面11及び第2平面51に直交するように切り目を入れ易い。
【0080】
第9の態様に係る食パンS1切断器10では、第8の態様において、一対の第1起立片41は、一方の第1起立片41が他方の第1起立片41よりも突出寸法が大きい。この態様によれば、切断刃91を第1スリット4に挿し入れ易くすることができる。
【0081】
第10の態様に係る食パンS1切断器10では、第8又は第9の態様において、一対の第2起立片81は、一方の第2起立片81が他方の第2起立片81よりも突出寸法が大きい。この態様によれば、切断刃91を第2スリット8に挿し入れ易くすることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 食パン切断器
1 第1部分
11 第1平面
3 第1ガイド部
4 第1スリット
41 第1起立片
5 第2部分
51 第2平面
7 第2ガイド部
8 第2スリット
81 第2起立片
S1 食パン
91 切断刃
K1 第1仮想平面
K2 第2仮想平面