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特許7518585情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20230101AFI20240710BHJP
【FI】
G06Q40/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024060393
(22)【出願日】2024-04-03
【審査請求日】2024-04-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】本間 真
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-170210(JP,A)
【文献】米国特許第11068825(US,B1)
【文献】藤井 良広,カーボン債務の理論と実務,第1版,(株)中央経済社,2009年12月20日,p.148~159
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関から投融資先に対する投融資額の残高を前記金融機関から取得する投融資額取得部と、
前記投融資先が受けている総投融資額の残高を前記投融資先から取得する総投融資額取得部と、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する排出量取得部と、
前記投融資額の残高を前記総投融資額の残高で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出する帰属率算出部と、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出する間接排出量算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記投融資先のユーザに対して前記総投融資額の残高を回答することを依頼する第1のメッセージを送信し、前記投融資先のユーザから送信された前記総投融資額の残高を含む第2のメッセージを受信し、前記第2のメッセージから前記総投融資額の残高を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記投融資先のサーバに対してリクエストを送信し、前記リクエストに応じて前記サーバから応答される前記総投融資額の残高を受信すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記間接排出量を算出する支援を行う支援員に対して、前記投融資先を指定し、前記投融資先における前記総投融資額の残高を回答することを依頼するメッセージを送信し、前記支援員から前記総投融資額の残高の入力を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記投融資先における会計データを取得する会計データ取得部を備え、
前記総投融資額取得部は、前記会計データに基づいて前記総投融資額の残高を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムであって、
前記投融資額は、特定のプロジェクトに関するものであり、
前記総投融資額取得部は、前記会計データのうち前記プロジェクトに関するものを抽出し、抽出した前記会計データに基づいて前記総投融資額の残高を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムであって、
前記プロジェクトに対応づけて前記プロジェクトに関する前記会計データに含まれる項目を記憶する項目記憶部を備え、
前記総投融資額取得部は、前記プロジェクトに対応する前記項目が、取得した前記会計データに含まれているか否かにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記会計データに含まれる項目と当該項目が関係するプロジェクトの属性とを機械学習で学習することにより作成された学習モデルに対して、前記特定のプロジェクトの属性及び取得した前記会計データの項目を与えることにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量取得部は、前記投融資先が開示する前記排出量の報告書を取得し、取得した前記報告書から前記排出量を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
金融機関から投融資先に対する投融資額の残高を前記金融機関から取得するステップと、
前記投融資先が受けている総投融資額の残高を前記投融資先から取得するステップと、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得するステップと、
前記投融資額の残高を前記総投融資額の残高で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出するステップと、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
金融機関から投融資先に対する投融資額の残高を前記金融機関から取得するステップと、
前記投融資先が受けている総投融資額の残高を前記投融資先から取得するステップと、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得するステップと、
前記投融資額の残高を前記総投融資額の残高で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出するステップと、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素等の排出量が算定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-164754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金融機関において当該金融機関の投融資先における排出量を算定することが求められている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、金融機関による投融資先の排出量を算定することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、金融機関から投融資先に対する投融資額を前記金融機関から取得する投融資額取得部と、前記投融資先が受けている総投融資額を前記投融資先から取得する総投融資額取得部と、前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する排出量取得部と、前記投融資額を前記総投融資額で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出する帰属率算出部と、前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出する間接排出量算出部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金融機関による投融資先の排出量を算定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ2の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、開示された排出量から活動量を推定しようとするものである。
【0011】
図1は、情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、投融資先端末1及び金融機関端末3と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
金融機関端末3は、金融機関のユーザ(以下、金融機関ユーザという。)が操作するコンピュータである。金融機関端末3は、金融機関ユーザが操作するコンピュータである。金融機関端末3は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0013】
投融資先端末1は、金融機関の投融資先(企業や個人、あるいは不動産など投資又は融資の対象となるものであればよい。)に関わるユーザ(以下、投融資先ユーザという。)が操作するコンピュータである。投融資先端末1は、投融資先ユーザが操作するコンピュータである。投融資先端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0014】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、項目記憶部231と、投融資額取得部211と、総投融資額取得部212と、排出量取得部213と、帰属率算出部214と、間接排出量算出部215と、会計データ取得部216と、を備える。
【0017】
<記憶部>
項目記憶部231は、投融資対象となる投融資先及び/又はプロジェクトに対応づけて、投融資先及び/又はプロジェクトに関する会計データに含まれる項目を記憶する。会計データに含まれる項目は、例えば、勘定科目や補助科目、品目、備考などとすることができる。
【0018】
<機能部>
投融資額取得部211は、金融機関から投融資先に対する投融資額を金融機関から取得する。投融資額取得部211は、例えば、金融機関端末3にフォームデータを送信し、金融機関端末3から投融資先を示す情報と、投融資額とを取得することができる。金融機関端末3では、フォームデータに基づいて入力画面を表示し、金融機関ユーザから投融資先を示す情報と、投融資額との入力を受け付けることができる。投融資額取得部211は、金融機関において投融資額の管理を行う管理システムにアクセスし、管理システムから、分析対象の投融資先に対する投融資額を取得するようにしてもよい。
【0019】
投融資額取得部211は、投融資先の事業体に対して金融機関から提供している投融資の総額(残高)を投融資額として取得してもよいし、投融資先の特定のプロジェクト(特定の事業や特定の固定資産など)に対して提供した投融資の総額(残高)を投融資額として取得してもよい。特定のプロジェクトを対象とする場合、投融資額取得部211は、プロジェクトを特定する情報を受け付けることができる。
【0020】
総投融資額取得部212は、投融資先が受けている総投融資額を投融資先から取得する。総投融資額には、投融資先が金融機関(1つであっても複数であってもよい。)から受けている投資及び融資(株式及び債務)の額とすることができる。債務の額は、融資残高とすることができる。株式の価値は、取得額としてもよいし、現在の評価額としてもよい。投融資額取得部211は、例えば、投融資先端末1にフォームデータを送信し、投融資先端末1から総投融資額を取得することができる。投融資先端末1では、フォームデータに基づいて入力画面を表示し、投融資先ユーザから総投融資額の入力を受け付けることができる。
【0021】
総投融資額取得部212は、投融資先の事業体が受けている投融資全てを対象とした総投融資額を取得してもよいし、特定のプロジェクト(特定の事業や特定の固定資産など、投融資額取得部211が金融機関から受け付けたプロジェクト)に対応する投融資の総額を総投融資額として取得してもよい。
【0022】
総投融資額取得部212は、投融資先ユーザに対して総投融資額を回答することを依頼するメッセージ(例えば、電子メールやチャットサービスによるチャットメッセージ)を送信し、投融資先ユーザから送信された総投融資額を含むメッセージを受信し、受信したメッセージに記載され又は添付されているデータから総投融資額を抽出するようにしてもよい。総投融資額取得部212は、投融資先のサーバに対してリクエストを送信し、リクエストに応じてサーバから応答される総投融資額を受信するようにしてもよい。
【0023】
また、総投融資額取得部212は、金融機関による間接的な温室効果ガスの排出量(以下、間接排出量)を算出する支援を行う支援員に対して、投融資先を指定し、投融資先における総投融資額を回答することを依頼するメッセージを送信し、支援員から総投融資額の入力を受け付けるようにしてもよい。総投融資額取得部212は、支援員から送信されるメッセージ(例えば、電子メールやチャットサービスによるチャットメッセージ)に記載され又は添付されているデータから総投融資額を抽出するようにしてもよい。
【0024】
排出量取得部213は、投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する。排出量取得部213は、例えば、投融資先端末1にフォームデータを送信し、投融資先端末1から排出量を取得することができる。投融資先端末1は、フォームデータに基づいて入力画面を表示し、投融資先ユーザから排出量の入力を受け付けることができる。プロジェクトごとの投融資額及び総投融資額を取得するようにしている場合には、フォームデータには、プロジェクトを示す情報を含め、当該プロジェクトに対応する排出量が入力されるようにすることができる。
【0025】
また、排出量取得部213は、投融資先ユーザに対して排出量を問い合わせるようにしてもよい。排出量取得部213は、例えば、投融資先ユーザに対して排出量を問い合せるメッセージ(電子メールやチャットメッセージなど)を送信し、投融資先端末1から送信されるメッセージに記載され又は添付された排出量を取得することができる。
【0026】
また、排出量取得部213は、例えば、投融資先による温室効果ガスに関する公開された報告書を取得し、報告書から排出量を抽出するようにしてもよい。排出量取得部213は、例えば、投融資先のWebサーバにアクセスして、報告書を取得することができる。排出量取得部213は、例えば、報告書を公に発表しているサーバにアクセスして、報告書を取得することができる。排出量取得部213は、例えば、投融資先ユーザに対して、報告書を送信するように指示するメッセージ(電子メールやチャットメッセージなど)を送信し、投融資先端末1から報告書のデータを受信するようにしてもよい。
【0027】
帰属率算出部214は、金融機関の投融資先への帰属率を算出する。帰属率算出部214は、投融資額を総投融資額で割って帰属率を算出することができる。帰属率算出部214は、投融資先の事業体に対する金融機関の帰属率を算出するようにしてもよいし、投融資先における特定のプロジェクトに対する金融機関の帰属率を算出するようにしてもよい。帰属率算出部214は、投融資先の事業体に対して金融機関が行っている投融資額の総額(投融資額取得部211が取得する)を、投融資先の事業体が受けている投融資全てを対象とした総投融資額(総投融資額取得部212が取得する)で割って、投融資先の事業体に対する金融機関の帰属率を算出することができる。帰属率算出部214は、投融資先における特定のプロジェクト対して金融機関が行った投融資額の総額(投融資額取得部211が取得する)を、投融資先において当該プロジェクトのために受けている投融資額の総額(総投融資額取得部212が取得する)で割って、当該プロジェクトに対する金融機関の帰属率を算出することができる。
【0028】
間接排出量算出部215は、排出量に帰属率を乗じて間接排出量を算出することができる。
【0029】
会計データ取得部216は、投融資先に関する会計データを取得する。会計データ取得部216は、金融機関端末3又は金融機関のサーバ(会計システムなど)から金融機関の会計データを取得してもよいし、投融資先端末1又は投融資先のサーバ(会計システムなど)から投融資先の会計データを取得してもよい。
【0030】
総投融資額取得部212は、会計データに基づいて総投融資額を計算することができる。
【0031】
総投融資額取得部212は、例えば、会計データのうち特定のプロジェクトに関するものを抽出し、抽出した会計データに基づいて総投融資額を計算することができる。総投融資額取得部212は、プロジェクトに対応する項目を項目記憶部231から取得し、取得した会計データに、取得した項目が含まれているか否かにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定することができる。
【0032】
総投融資額取得部212は、AIを用いてプロジェクトに対応する会計データを特定するようにしてもよい。例えば、総投融資額取得部212は、会計データに含まれる項目と当該項目が関係するプロジェクトの属性とを機械学習で学習することにより作成された学習モデルに対して、特定のプロジェクトの属性及び取得した会計データの項目を与えることにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定することができる。この場合、学習モデルを記憶する学習モデル記憶部を管理サーバ2が備えるようにしてもよいし、外部のサーバに学習モデルを管理させるようにしてもよい。
【0033】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0034】
管理サーバ2は、金融機関から投融資先に対する投融資額を金融機関から取得し(S301)、投融資先が受けている総投融資額を投融資先から取得し(S302)、投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する(S303)。管理サーバ2は、投融資額を総投融資額で割って金融機関による投融資先への帰属率を算出し(S304)、排出量に帰属率を乗じて、金融機関の間接排出量を算出する(S305)。
【0035】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、金融機関による投融資先に係る間接的な温室効果ガスの排出量を算出することができる。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0037】
例えば、上述した管理サーバ2の各機能部による処理は、いずれの機能部により実行されるようにしてもよい。また、上述した各機能部の処理の一部を実行する異なる機能部を追加するようにしてもよい。また、管理サーバ2の機能部は、複数台のコンピュータが分散して備えるようにしてもよい。
【0038】
また、管理サーバの各記憶部が記憶する情報は、いずれの記憶部が記憶するようにしてもよい。すなわち、上述した複数の記憶部が記憶する情報を1つの記憶部により記憶するようにしてもよいし、上述したある記憶部が記憶する情報の一部を他の記憶部が記憶するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、金融機関から特定の事業体に対する投融資を想定したが、不動産や都市開発など、複数の事業体が参画するプロジェクトに対する投融資に係る間接的な排出量を取得することもできる。この場合には、特定の事業体ではなく、不動産等の特定のプロジェクトを投融資先として把握すればよい。
【0040】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
金融機関から投融資先に対する投融資額を前記金融機関から取得する投融資額取得部と、
前記投融資先が受けている総投融資額を前記投融資先から取得する総投融資額取得部と、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する排出量取得部と、
前記投融資額を前記総投融資額で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出する帰属率算出部と、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出する間接排出量算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記投融資先のユーザに対して前記総投融資額を回答することを依頼する第1のメッセージを送信し、前記投融資先のユーザから送信された前記総投融資額を含む第2のメッセージを受信し、前記第2のメッセージから前記総投融資額を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目2は、送信部を設けて、当該送信部が第1のメッセージを送信するようにしてもよい。また、項目2は、受信部を設けて、当該受信部が第2のメッセージを受信するようにしてもよい。さらに、項目2は、抽出部を設けて、当該抽出部が第2のメッセージから総投融資額を抽出するようにしてもよい。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記投融資先のサーバに対してリクエストを送信し、前記リクエストに応じて前記サーバから応答される前記総投融資額を受信すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目3は、送信部を設けて、当該送信部が投融資先のサーバに対してリクエストを送信するようにしてもよい。また、項目3は、受信部を設けて、当該受信部が総投融資額を受信するようにしてもよい。
[項目4]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記間接排出量を算出する支援を行う支援員に対して、前記投融資先を指定し、前記投融資先における前記総投融資額を回答することを依頼するメッセージを送信し、前記支援員から前記総投融資額の入力を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目4は、送信部を設けて、当該送信部が投融資先における総投融資額を回答することを依頼するメッセージを送信するようにしてもよい。また、項目4は、入力部や受付部を設けて、当該入力部や受付部が支援員から総投融資額の入力を受け付けるようにしてもよい。
[項目5]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記投融資先における会計データを取得する会計データ取得部を備え、
前記総投融資額取得部は、前記会計データに基づいて前記総投融資額を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目5は、総投融資額計算部を設けて、当該総投融資額計算部が会計データに基づいて総投融資額を計算するようにしてもよい。
[項目6]
項目5に記載の情報処理システムであって、
前記投融資額は、特定のプロジェクトに関するものであり、
前記総投融資額取得部は、前記会計データのうち前記プロジェクトに関するものを抽出し、抽出した前記会計データに基づいて前記総投融資額を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目6は、総投融資額計算部を設けて、当該総投融資額計算部が会計データに基づいて総投融資額を計算するようにしてもよい。
[項目7]
項目6に記載の情報処理システムであって、
前記プロジェクトに対応づけて前記プロジェクトに関する前記会計データに含まれる項目を記憶する項目記憶部を備え、
前記総投融資額取得部は、前記プロジェクトに対応する前記項目が、取得した前記会計データに含まれているか否かにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目7は、判定部を設けて、会計データがプロジェクトに関するものであるか否かを、判定部が判定するようにしてもよい。
[項目8]
項目6に記載の情報処理システムであって、
前記総投融資額取得部は、前記会計データに含まれる項目と当該項目が関係するプロジェクトの属性とを機械学習で学習することにより作成された学習モデルに対して、前記特定のプロジェクトの属性及び取得した前記会計データの項目を与えることにより、当該会計データが当該プロジェクトに関するものであるか否かを判定すること、
を特徴とする情報処理システム。なお、項目8は、判定部を設けて、会計データがプロジェクトに関するものであるか否かを、判定部が判定するようにしてもよい。
[項目9]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量取得部は、前記投融資先が開示する前記排出量の報告書を取得し、取得した前記報告書から前記排出量を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目10]
金融機関から投融資先に対する投融資額を前記金融機関から取得するステップと、
前記投融資先が受けている総投融資額を前記投融資先から取得するステップと、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得するステップと、
前記投融資額を前記総投融資額で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出するステップと、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目11]
金融機関から投融資先に対する投融資額を前記金融機関から取得するステップと、
前記投融資先が受けている総投融資額を前記投融資先から取得するステップと、
前記投融資先における温室効果ガスの排出量を取得するステップと、
前記投融資額を前記総投融資額で割って前記金融機関による前記投融資先への帰属率を算出するステップと、
前記排出量に前記帰属率を乗じて、前記金融機関の間接的な前記温室効果ガスの排出量を算出するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0041】
1 投融資先端末
2 管理サーバ
3 金融機関端末
【要約】
【課題】金融機関による投融資先の排出量を算定することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、金融機関から投融資先に対する投融資額を金融機関から取得する投融資額取得部と、投融資先が受けている総投融資額を投融資先から取得する総投融資額取得部と、投融資先における温室効果ガスの排出量を取得する排出量取得部と、投融資額を総投融資額で割って金融機関による投融資先への帰属率を算出する帰属率算出部と、排出量に帰属率を乗じて、金融機関の間接的な温室効果ガスの排出量を算出する間接排出量算出部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4