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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/28 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
D06F37/28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020068868
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021164558
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-01-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 久功
(72)【発明者】
【氏名】林 正二
(72)【発明者】
【氏名】原 和規
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 功一
(72)【発明者】
【氏名】金子 智則
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0261713(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02302122(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00-51/02
D06F 58/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設置され水を溜める外槽と、
前記外槽内に設置されモータにより回転駆動される内槽と、
前記内槽内に衣類を出し入れする際に開閉される蓋体と、
を備えた縦型の洗濯機において、
衣類に付されたRFIDタグと無線通信するアンテナが、前記蓋体であって、前記内槽の回転軸から径方向距離の異なる位置に、複数設けられたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
筐体内に設置され水を溜める外槽と、
前記外槽内に設置されモータにより回転駆動される内槽と、
前記内槽内に衣類を出し入れする際に開閉される蓋体と、
を備えた縦型の洗濯機において、
衣類に付されたRFIDタグと無線通信するアンテナが、前記内槽の開口部の投影内であって、前記内槽の回転軸から径方向距離の異なる位置に、複数設けられたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯機において、
前記アンテナは、前記蓋体の内側に設けられた放射素子と、前記蓋体の外側に設けられたグランド電極と、を有するマイクロストリップアンテナであることを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項またはに記載の洗濯機において、
前記アンテナは、前記内槽が回転しているときに、前記RFIDタグと無線通信することを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機にRFIDアンテナを配置し、衣類に設けられたRFIDタグを読み取ることで、衣類を識別する技術が知られている。例えば、特許文献1には、「ユーザーが衣類を洗濯機に投入している間に、RFIDアンテナは信号を送信」(段落0034)すること、「RFIDアンテナが洗濯機のドアパッキンまたはドアの下に設置され、且つ、RFIDアンテナが洗濯機のドアに向かう方向に指向され」(段落0050、図4)ること、「パルセータ洗濯機であり、RFIDアンテナが表示パネルの下に設置され」(段落0058、図5)ること、などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-519286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された洗濯機では、通常ステンレスなどの金属で成形された内槽に電波が遮断され、RFIDの読み取り効率が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、内槽の中の衣類に電波が届き易くし、RFIDの読み取り効率を向上させた洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、筐体内に設置され水を溜める外槽と、前記外槽内に設置されモータにより回転駆動される内槽と、前記内槽内に衣類を出し入れする際に開閉される蓋体と、を備えた洗濯機において、衣類に付されたRFIDタグと無線通信するアンテナが、前記蓋体に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内槽の中の衣類に電波が届き易くし、RFIDの読み取り効率を向上させた洗濯機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図である。
図2】実施例1に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示す側面断面図である。
図3】実施例1のドラム式洗濯乾燥機1の電気的な構成を示すブロック図である。
図4】RFIDタグの読み取りを、ドラムの回転中に行った場合と静止中に行った場合とで、実験を行った結果を示す表である。
図5】実施例2に係る縦型洗濯機を示す外観斜視図である。
図6】アンテナを蓋体うちの4つの場所に設置した場合について、それぞれRFIDタグの読取率の測定を行った、実験結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、ドラム式洗濯機に関する実施例1について説明する。図1および図2を用いてドラム式洗濯乾燥機1の全体構成について説明する。図1は、本実施例に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体3の一部を切断して示した斜視図である。図2は、本実施例に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示す側面断面図である。
【0011】
蓋体2は、前面カバー3aの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐためのものであり、ドラム式洗濯乾燥機1の前補強材(図示省略)に設けたヒンジ部(図示省略)で開閉可能に支持されている。なお、以下では、洗濯機能と乾燥機能の付いたドラム式洗濯乾燥機の例で説明するが、乾燥機能の付いていないドラム式洗濯機や、洗濯機能の付いていないドラム式乾燥機であっても良い。
【0012】
ドラム式洗濯乾燥機1のドラム8(内槽)は、有底円筒形状を呈している。このドラム8は、回転可能に外槽10内に支持されており、その外周壁に通水および通風のための多数の貫通孔(図示省略)を有する。また、ドラム8は、前側端面に衣類を出し入れするための開口部8aを有している。ドラム8の開口部8aの外側には、ドラム8と一体の流体バランサ8cを備えている。ドラム8の内周壁には、軸方向に延びるリフタ8bが周方向に離散的に複数個設けられている。洗濯、乾燥時にドラム8が回転すると、衣類はリフタ8bと遠心力とでドラム8の内周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するような動きを繰り返すタンブリング動作を行う。なお、ドラム8の回転中心軸は、水平又は開口部8a側が高くなるように、水平に対して0~30°程度傾斜している。
【0013】
有底円筒形状の外槽10は、ドラム8の同軸上に内包し、前面は開口している。つまり、外槽10は、ドラム8の傾斜に合わせて傾斜している。また、外槽10は、後側端面の外側中央にドラムモータ15を備えている。ドラムモータ15の回転軸15aは、外槽10を貫通し、ドラム8と結合している。
【0014】
外槽10の前面の開口部には、外槽カバー20が設けられている。この外槽カバー20が取付けられることで、外槽10は、その内側への貯水を可能としている。外槽カバー20の前側中央には、洗濯物を出し入れするための正面側開口部が設けられている。
【0015】
正面側開口部とドラム式洗濯乾燥機1の筐体3に設けられた開口部(図示省略)は、ゴム製のベローズ11(環状のシール部材)で接続されている。つまり、ベローズ11は、正面側開口部の周方向に沿って設けられる。このベローズ11は、蓋体2を閉じることで蓋体2の内面と接触し、外槽10を水密に封止するようになっている。
【0016】
送風ユニット21は、駆動用のファンモータ16などで構成されており、その吐出口が送風ダクト24に接続されている。送風ダクト24は、外槽カバー20に設けた吹き出し口25に接続されており、この吹き出し口25からドラム8内へ温風が送風される。
【0017】
また、ドラム式洗濯乾燥機1の上部には、ドラムモータ15やファンモータ16などを制御する制御基板12(図示省略)が設けられている。
【0018】
ここで、蓋体2には、衣類に付されたRFIDタグと無線通信するアンテナ5が設けられている。本実施例で用いられるアンテナ5は、指向性アンテナである。そして、電波の指向性がドラム8側を向いているため、ドラム8内の衣類のRFIDタグを効果的に読み取り、かつ、ドラム式洗濯乾燥機1の外部に置かれたRFIDタグを誤って読み取ってしまうのが防止されている。また、ドラム式洗濯乾燥機1の外部に置かれた電磁界的な障害物(例えば金属や水分)によるアンテナ性能への悪影響を取り除くことが可能となっている。
【0019】
このため、本実施例では、指向性を有するアンテナ5として、マイクロストリップアンテナが蓋体2に実装されている。本実施例のマイクロストリップアンテナは、誘電体材料からなるアンテナ基板と、アンテナ基板の第1の面に設けられた放射素子5aと、アンテナ基板の第2の面に設けられたグランド電極5bと、を有する。ここで、蓋体2は、例えばソーダライムガラスやホウケイ酸ガラス等の誘電体材料からなるガラス部材と、例えばABS等の誘電体材料からなるカバー部材と、で構成されている。したがって、本実施例では、蓋体2自体がアンテナ基板となる。そして、放射素子5aが蓋体2の内側に設けられ、グランド電極5bが蓋体2の外側に設けられる。
【0020】
放射素子5aの寸法は、アンテナ基板の材料定数、厚さ等を考慮して、RFIDシステムに用いる周波数帯(例えば920MHz帯、2.45GHz帯等)に動作周波数が一致するように設計される。例えば、蓋体2のホウケイ酸ガラスのガラス部材をアンテナ基板として場合、例えば比誘電率が4.6、厚さが20mmであった場合、放射素子5aの寸法は概ね一辺が76mmの正方形となる。ただし、これは一例であり、様々な設計上の理由から、別の寸法であっても良いし、正方形でなく、その他の多角形や円であっても良い。また、アンテナ基板として、別の誘電材料からなるガラス部材と用いても良いし、ABSからなるカバー部材を用いても良い。さらに、これら多層構造の蓋体2をアンテナ基板に用いても良い。
【0021】
放射素子5aやグランド電極5bの材料は、工業製品で一般的に使われる電極材料が用いられ、例えば、アルミニウム、銅、金などである。また、透明電極材料として、例えば、ITOやZnO系の透明導電膜などを利用すれば、アンテナ5が視認できなくなるため、意匠面が向上する。透明でない電極材料であっても、細いワイヤメッシュ状に加工することで、実質的に透明としても良い。
【0022】
ここで、放射素子5aやグランド電極5bの表面には、酸化を防ぐために、コーティングで保護するのが望ましい。また、放射素子5aやグランド電極5bは、蓋体2の内部に埋め込まれても良い。さらに、放射素子5aやグランド電極5bは、基本的には平面構造であるが、蓋体2の形状に沿って湾曲構造であっても良い。
【0023】
また、アンテナ5の給電線6は、蓋体2のヒンジ部を通して、ドラム式洗濯乾燥機1の上部後方の制御基板12内にあるRFIDリーダ18へ接続されている。このため、蓋体2の開閉を妨げることなく、アンテナ5の配線が可能である。
【0024】
なお、本実施例では、アンテナ5が蓋体2の略中央に設けられているが、これに限定されない。アンテナ5が透明でない場合には、アンテナ5を蓋体2の端部に設けることで、目立たなくさせても良い。例えば、アンテナ5をヒンジ部に近い側に設けると、配線が短くなるため、抵抗ロスが減り、意匠面も向上する。また、アンテナ5を蓋体2の上部に設けると、ドラム8の回転により持ち上がった衣類にアンテナ5が近くなり、RFIDタグを読取易くなる。さらに、アンテナ5を蓋体2の下部に設けると、アンテナ5が透明でなくても、意匠的に目立たなくなる利点がある。
【0025】
図3は、本実施例のドラム式洗濯乾燥機1の電気的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御基板12には、ドラム式洗濯乾燥機1全体の制御を行う主制御部(マイクロコントローラ)13と、RFIDタグの読み取りを行うRFIDリーダ18と、が設けられている。
【0026】
主制御部13は、通信モジュール14、ドラムモータ15、ファンモータ16および操作パネル17等と電気的に接続され、これらを制御するものである。ここで、通信モジュール14は、ドラム式洗濯乾燥機1の設置される住居内のルータなどを介して、ネットワークに接続されている。そして、通信モジュール14は、自身の識別情報、RFIDリーダ18で読み取った衣類の情報、運転状況などの情報を、ネットワークを介してスマートフォン等の携帯端末に送信する。一方、携帯端末は、通信モジュール14と通信することにより、ドラム式洗濯乾燥機1に対して、運転の内容を設定することも可能である。なお、通信端末は、Bluetooth(登録商標)等によって、通信モジュール14と直接接続しても良い。また、通信モジュール14の設置位置は、筐体3の上部などが考えられるが、他の場所であっても良い。さらに、RFIDリーダ18は、制御基板12内ではなく、制御基板12とは別体として設けられても構わない。
【0027】
RFIDタグの読み取りは、蓋体2のロック状態を検知した後、ドラム8が回転している間、例えば、衣類の量のセンシングする際に行うのが望ましい。蓋体2がロック状態のときに、RFIDタグを読み取るため、ドラム式洗濯乾燥機1の外のRFIDタグを誤検知することを防止できる。また、ドラム8の回転により衣類が撹拌されるので、RFIDタグも撹拌され、読取率が向上する。特に、ドラム式の洗濯機の場合、遠心力で持ち上げられた衣類が重力によって落下するため、撹拌効率が良く、高い読取率が期待できる。ドラム8の回転と停止を複数回繰り返せば、読取率をさらに向上させることも可能である。また、ドラム8の回転中にRFIDタグとの無線通信を行えば、流体バランサ8cの中の流体によって電波が遮られ続けて読取できない事態が回避できる。
【0028】
図4は、RFIDタグの読み取りを、ドラム8の回転中に行った場合と静止中に行った場合とで、実験を行った結果を示す表である。この実験では、アンテナ5を蓋体2の中央、上部、左部、右部および下部の5つの場所に設置した場合について、それぞれRFIDタグの読取率の測定を行った。図4に示すように、アンテナ5の設置場所を問わず、ドラム8の回転中にRFIDタグを読み取ると、読取率が100%であるのに対し、ドラム8の静止中にRFIDタグを読み取ると、読取率が100%未満であることが分かる。
【0029】
ドラム式洗濯乾燥機1は、衣類のRFIDタグを読み取ると、衣類の種類や量に応じて最適な運転コースを自動で設定し、すすぎの時間、脱水の回転数などを調整する。また、特定の衣類を何度洗濯または乾燥運転させたかの履歴を記録しておき、ユーザが携帯端末を介して確認できるようにすることで、衣類の買い替えのタイミングなどを把握するのに役立てても良い。また、どのような衣類について、どのような洗い方がされているのか、通信モジュール14を介してサーバが情報を収集することで、データの分析に用いることも可能である。
【0030】
なお、本実施例では、蓋体2にアンテナ5を実装したが、ベローズ11にアンテナ5を実装しても良い。このときのアンテナ5の種類としては、ベローズ11に沿って電極を這わせ易い、ループアンテナを用いるのが好適である。なお、ベローズ11の材料は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の誘電体である。
【0031】
さらには、外槽10または外槽カバー20にアンテナ5を設けることも可能である。このような場所にアンテナ5を設けると、配線がし易く組立性を向上できる。
【実施例2】
【0032】
次に、縦型洗濯機に関する実施例2について説明する。図5を用いて縦型洗濯機100の全体構成について説明する。図5は、本実施例に係る縦型洗濯機100を示す外観斜視図である。図5に示すように、縦型洗濯機100は、筐体110と、この筐体110内に設置され水を溜める外槽(図示省略)と、この外槽内に設置されモータ(図示省略)により回転駆動される内槽120(洗濯兼脱水槽)と、この内槽120の底部に設けられた回転翼(図示省略)と、内槽120内に衣類を出し入れする際に開閉される蓋体130と、を備えている。
【0033】
筐体110は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成されたものであり、全体を支持するベース111と、前板112と、後板113と、左右の側板114と、トップカバー115(上板)と、を有し、略四角箱状に構成されている。
【0034】
トップカバー115には、内槽120内に衣類を投入するための開口部115aが形成されている。この開口部115aは、上面視(平面視)において略半円状に形成され、直線部分が奥側に位置し、曲線部分が手前側に位置するように構成されている。また、トップカバー115の手前側には、洗剤や仕上剤などを投入するための洗剤投入ケース117が設けられている。
【0035】
さらに、トップカバー115には、開口部115aを開閉する蓋体130と、左右方向を軸方向として後端を回転自在に支持するヒンジ部131と、が設けられている。蓋体130は、その表側面に、運転コースの設定や運転状態の表示などを行う操作パネル(図示省略)と、その裏面側に、複数のアンテナ101a,101bと、を有している。このように、アンテナ101a,101bの上側に操作パネルが位置するので、アンテナ101a、101bからの電波が、操作パネルに遮蔽されずに、下方の内槽120内の衣類へ効果的に放射される。なお、蓋体130の下方にさらに内蓋がある場合でも、制御基板への配線を考慮すると、外蓋である蓋体130にアンテナ101a,101bを設けるのが望ましい。また、蓋体130のうち、内槽120の開口部の上方投影内の領域に、アンテナ101a,101bを設けることで、ステンレス製の内槽120で電波が遮られることなく、内槽120の内の衣類に付されたRFIDタグと通信できる。
【0036】
図示しないが、本実施例の制御基板は、トップカバー115の背面下部に収納されており、縦型洗濯機100全体の制御を行う主制御部(マイクロコントローラ)と、RFIDタグの読み取りを行うRFIDリーダと、を有している。なお、主制御部は、通信モジュール、内槽120や回転翼を回転するモータ、および操作パネル等と電気的に接続され、これらを制御するものである。
【0037】
RFIDタグの読み取りは、衣類の量をセンシングするため回転翼が回転している際に行うのが望ましい。回転翼の回転により衣類とともにRFIDタグが撹拌され、読取の精度が向上するためである。
【0038】
図6は、アンテナを蓋体130の手前1個、右奥1個、中央1個、手前と左奥の2個、の4つの場所に設置した場合について、それぞれRFIDタグの読取率の測定を行った、実験結果を示す表である。図6に示すように、手前と左奥の2か所にアンテナを配置すると、読取率が高いことが分かる。したがって、図5のように、内槽120の回転軸からの径方向距離の異なる位置に、複数のアンテナ101a,101bを設けることで、回転翼が回転したときに、衣類に付されたRFIDタグを満遍なく読取できる。
【0039】
上述の実施例1,2は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ドラム式洗濯乾燥機
2 蓋体
3 筐体
3a 前面カバー
5 アンテナ
5a 放射素子
5b グランド電極
6 給電線
8 ドラム
8a 開口部
8b リフタ
8c 流体バランサ
9a 回転軸
10 外槽
11 ベローズ
12 制御基板
13 主制御部
14 通信モジュール
15 ドラムモータ
16 ファンモータ
17 操作パネル
18 RFIDリーダ
20 外槽カバー
21 送風ユニット
24 送風ダクト
25 吹き出し口
100 縦型洗濯機
101a,101b アンテナ
110 筐体
112 前板
113 後板
114 側板
115 トップカバー
115a 開口部
120 内槽
130 蓋体
131 ヒンジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6