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特許7518682スパンボンド不織布積層体、およびスパンボンド不織布積層体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】スパンボンド不織布積層体、およびスパンボンド不織布積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/16 20060101AFI20240710BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
D04H3/16
B32B5/26
【請求項の数】 26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020120534
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2021025189
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】19189238
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505313830
【氏名又は名称】ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリーク
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ヴァーグナー
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン・ゾンマー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ボール
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・レスナー
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ゲオルク・ゴイス
(72)【発明者】
【氏名】ゲーロルト・リンケ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・クンツェ
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/152863(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/184335(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 3/16
B32B 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層(2,3)を有するスパンボンド不織布積層体(1)であって、スパンボンド不織布層(2,3)のうちの少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメント(F)を有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメント(F)からなるかもしくは本質的になり、
捲縮された多成分フィラメントもしくは二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層(2)が供され、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィンまたはポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2の成分が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
前記のスパンボンド不織布積層体(1)が、多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層(3)をカバー層として有し、第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィンまたはポリエチレンからなるかまたは本質的になり、第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2の成分が、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
そして、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高く、および
第2層(3)のフィラメント(F)のクリンプ度が、第1層(2)のフィラメント(F)のクリンプ度と同じかまたはそれ未満である、
スパンボンド不織布積層体(1)。
【請求項2】
第2の最も外側の層(3)のフィラメント(F)の繊度が第1層(2)のフィラメント(F)の繊度よりも低い、請求項1に記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項3】
第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2成分が、ポリプロピレンまたはポリエステルからなるかまたは本質的になる、請求項1または2に記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項4】
第1層(2)のフィラメント(F)のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、40重量%未満ある、請求項1または3に記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項5】
第1層(2)のフィラメント(F)が、1.5den超繊度を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項6】
第1層(2)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、偏心コア-シェル構造を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項7】
偏心コア-シェル構造を有する第1層(2)のフィラメント(F)のシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって一定の厚さdまたは本質的に一定の厚さdを有する、請求項6に記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項8】
第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンがポリエチレンであり、そして、このポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、35g/10分未満ある、請求項1~7のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項9】
第1層(2)のフィラメント(F)の第2成分が、ポリプロピレンからなるかまたは本質的になり、そして前記ポリプロピレンが、25g/10分超メルトフローレート(MFR)を有する、請求項1~8のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項10】
第2のスパンボンド不織布層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、捲縮されたフィラメント(F)である、請求項1~9のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項11】
第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2成分が、ポリプロピレンからなるかまたは本質的になる、請求項1~10のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項12】
第2層(3)のフィラメントのポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、33重量%超である、請求項1~11のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項13】
第2層(3)のフィラメント(F)が、1.7den未満繊度を有する、請求項1~12のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項14】
第2層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、偏心コア-シェル構造またはサイドバイサイド構造を有する、請求項1~13のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項15】
第2層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが偏心コア-シェル構造を有し、そしてフィラメント(F)のシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって一定の厚さdまたは本質的に一定の厚さdを有する、請求項1~14のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項16】
第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された第1成分がポリエチレンからなるかまたは本質的にポリエチレンからなり、そしてこのポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、15g/10分より大きい、請求項1~15のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項17】
第2層(3)の第2成分のポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、25g/10分超ある、請求項11~16のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項18】
第2層(3)の坪量が第1層(2)の坪量より小さい、請求項1~17のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項19】
スパンボンド不織布積層体(1)の坪量が30g/m未満である、請求項1~18のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項20】
機械方向(MD)におけるスパンボンド不織布積層体(1)の強度が25N/5cmより大きい、請求項1~19のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項21】
スパンボンド不織布積層体(1)の厚さが0.50mm超である、請求項1~20のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項22】
第1層(2)のフィラメント(F)の繊度と第2層(3)のフィラメント(F)の繊度との間の差が、少なくとも0.2denである、請求項1~21のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
【請求項23】
複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層(2,3)を有するスパンボンド不織布積層体(1)を製造する方法であって、スパンボンド不織布層の少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメントを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントからなるかもしくは本質的になり、
捲縮された多成分フィラメントもしくは二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層(2)が製造され、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィンまたはポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2の成分が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
第1層は予備固定化され
多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層(3)はカバー層として製造され、第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィンまたはポリエチレンからなるかまたは本質的になり、
第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種の第2成分は、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンよりも高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
第2のスパンボンド不織布層(3)は予備固定化され
そして、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高く、
そして、スパンボンド不織布積層体(1)は最終固定化される、
前記の製造方法。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか1つに記載の、複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層(2,3)を有するスパンボンド不織布積層体(1)を製造する方法である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
最初に第2のスパンボンド不織布層(3)がカバー層として製造され、予備固定化され、そして、その後、第1のスパンボンド不織布層(2)が製造されるかまたは第2のスパンボンド不織布層(3)上に製造され、引き続き予備固定化される、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
捲縮された多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが第2のスパンボンド不織布層(3)のために製造される、請求項23~25のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層を有するスパンボンド不織布積層体であって、スパンボンド不織布層の少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメントを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントからなるかもしくは当該エンドレスフィラメントから本質的になる、スパンボンド不織布積層体に関する。本発明はさらに、そのようなスパンボンド不織布積層体を製造する方法に関する。-エンドレスフィラメントは、それらのさながら無限の長さのために、例えば10mm~60mmという明らかに短い長さを有するステープル繊維とは異なる。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプのスパンボンド不織布積層体は、従来技術から、そして種々の変形実施態様におけるプラクティスから公知である。多くの用途では、大きな厚さを有し、高い柔軟性を有する不織布材料が必要とされる。大きな厚さは、通常、捲縮されたまたはクリンプ加工されたフィラメントを使用することによって達成される。このためには特に、サイドバイサイド構造を有するかまたは偏心コア-シェル構造を有する多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが使用される。大きな厚さおよび高い柔軟性の提供は、通常、不織布材料の比較的低い強度と結び付く。これは一方では、機械方向(MD)における不織布材料の引張接着強さに当てはまる。他方ではこれは、特に不織布表面の耐摩耗性にも当てはまる。この点に関して、厚さ及び柔軟性の増加は、多くの場合に、不織布材料の摩耗挙動に悪影響を及ぼす。従って、目的の衝突がある。これまで解決策は、当業者に問題を提示してきた。多くの場合、摩耗負荷に対する不織布材料または不織布材料表面の高い耐性に加えて、不織布材料のできるだけ十分な不透明度もまた望ましい。従来技術から公知である多くの不織布材料または不織布積層体は、この要求も満たさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、一方では大きな厚さおよび高い柔軟性を特徴とし、他方では、追加的に最適な強度を有し、特に高い耐摩耗性または摩耗負荷に対する高い耐性を示す、冒頭で述べたタイプのスパンボンド不織布積層体を案出するという技術的課題に基づくものである。なお、前記スパンボンド不織布積層体は、非常に良好な不透明度も有すべきである。本発明はさらに、そのようなスパンボンド不織布積層体を製造するための方法を案出するという技術的課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの技術的課題を解決するために、本発明は、複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層を有するスパンボンド不織布積層体であって、スパンボンド不織布層の少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメントを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントからなるかもしくは当該エンドレスフィラメントから本質的になる、スパンボンド不織布積層体を教示し、
ここで、捲縮された多成分フィラメントを有するかまたは捲縮された二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層が供され、前記の第1層のフィラメントの外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分もしくは第2の成分が、第1層のフィラメントの第1成分の前記ポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるか、または本質的に当該プラスチックからなり、
前記のスパンボンド不織布積層体は、多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する、特に捲縮された多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層をカバー層として有し、前記の第2層のフィラメントの外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第2層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分もしくは第2の成分が、第2層のフィラメントの第1成分の前記ポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるか、または本質的に当該プラスチックからなり、
そして、第2層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合は、第1層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高い。
【0005】
ここでまたは以下において、プラスチックに関してまたはポリマーに関して「本質的になる」と記載される場合、それは特に、前記ポリマーが少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも98重量%存在することを意味する。残りの重量%は、特に、添加剤、例えば軟化剤、フィラー、塗料等から形成されていてよい。
【0006】
本発明によれば、前記スパンボンド不織布積層体は、捲縮されたエンドレスフィラメントを有する少なくとも2つのスパンボンド不織布層を有する。本発明の推奨される実施形態によれば、本発明によるスパンボンド層積層体には、捲縮されたエンドレスフィラメントを有する最大4つのスパンボンド不織布層が存在する。本発明の特に好ましい実施形態によれば、第1のスパンボンド不織布層も第2のスパンボンド不織布層も、捲縮された多成分フィラメントまたは捲縮された二成分フィラメントを有する。第1のスパンボンド不織布層が、捲縮された多成分フィラメントまたは捲縮された二成分フィラメントからなるかまたは本質的になることは、本発明の範囲内にある。さらに、第2の最も外側のスパンボンド不織布層が、捲縮された多成分フィラメントまたは捲縮された二成分フィラメントからなるかまたは本質的になることは、本発明の範囲内にある。
【0007】
本発明によれば、本発明のスパンボンド不織布積層体の第1の層に、および好ましくはさらなる第2の層にも、捲縮されたエンドレスフィラメントが使用される。ここで、前記エンドレスフィラメントは、好適には、それらの長さ1cmあたり少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2.5、好ましくは少なくとも3ループ(loops)を有するクリンプを有する。ここで、エンドレスフィラメントの長さ1cmあたり1.5~3.5、好ましくは1.8~3.2、好ましくは2~3ループ(loops)を有するクリンプが特に好ましい。-エンドレスフィラメントの長さ1cmあたりのクリンプループ(KraeuselschlingenまたはKraeuselboegen)(loops)の数は特に、日本規格JIS L-1015-1981に従って、2mg/den(1/10mm)の予備伸長下でクリンプを計数することによって測定され、フィラメントの非延伸長のベースとなる。クリンプループの数を決定するために、0.05mmの感度が使用される。測定は、好適には、「Favimat」 -TexTechno社(ドイツ)の装置- を用いて行われる。このために、刊行物「Automatic Crimp Measurement on Staple Fibers」、Denkendorf Colloqium、「Textile Mess-und Prueftechnik」、1999年11月9日、Dr.Ulrich Moerschel(特に4頁、図4)が参照される。このために、フィラメントまたはフィラメントサンプルは、フィラメントの糸玉として、さらなる固定化の前に堆積からまたは堆積スクリーンベルトから除去され、フィラメントが分離されて、測定される。
【0008】
推奨される実施形態によれば、積層体の第2層のフィラメントのクリンプ度は、第1層のフィラメントのクリンプ度と同じかまたはそれ未満である。この実施形態が本発明の技術的課題を解決することに関して特に有利であることが実証された。
【0009】
本発明の枠内において極めて特に重要であり非常に推奨される実施態様は、第2層(カバー層)のフィラメントの繊度が第1層のフィラメントの繊度よりも低いことを特徴とする。-第1層のフィラメントが、1.5den超、好ましくは1.6den超、好ましくは1.7den超の繊度を有することが推奨される。本発明の好ましい実施形態によれば、本発明によるスパンボンド不織布積層体の第1層のフィラメントの繊度は、1.5den~2.5den、特に1.6den~2.4den、好ましくは1.7den~2.3den、非常に好ましくは1.8den~2.2den、特に好ましくは2.0den~2.2denである。-第2層のフィラメントが、1.7den未満、特に1.6den未満の繊度を有することは本発明の範囲内にあり、推奨される実施形態によれば、0.8den~1.6den、特に0.9den~1.5den、好ましくは1.0den~1.3denの繊度を有する。本発明のさらなる実施形態によれば、第1層のために、12denまでの繊度を有するフィラメントを使用することができる。ここで、第2層のフィラメントは、例えば、6den未満または6denの繊度を有する。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の最外層のフィラメントの繊度が、第1層のフィラメントの繊度よりも低いことは既に示した。好ましくは、第1層のフィラメントの繊度と第2層のフィラメントの繊度との間の差分または差は、少なくとも0.2den、好ましくは少なくとも0.3denであり、推奨では、最大で1.1den、好ましくは最大で1.0denである。さらなる実施形態によれば、第1層の繊度と第2層の繊度との間の差分または差は、最大4den~6denであり得る。好ましい実施態様に従って供される繊度勾配が、本発明の技術的課題の解決に関して、特に有利である。
【0011】
本発明は、本発明によるスパンボンド不織布積層体が、高い柔軟性および大きな体積もしくは大きな厚さを有する生成物であるが、それにもかかわらず強度特性に関して全ての要求を満たす、という知見に基づく。特に、本発明のスパンボンド不織布積層体は、摩耗に対して優れた耐性を有し、その点で最適な耐摩耗性を有する。機械方向(MD)における引張接着強さも非常に良好な値を有し、その結果前記積層体は問題なく取扱い可能であり、操作可能である。本発明の枠内において、本発明のスパンボンド不織布積層体が最適に密接した均一な表面を特徴とすることが、特に重要である。特に、カバー層として使用される積層体の第2の層が、これに寄与する。積層体の優れた表面均一性が達成され、表面からの煩わしい隆起または表面における煩わしい窪みを効果的に妨げることができる。同時に、積層体表面は鈍頭すぎず、最適な摺動特性を有する。さらに、本発明のスパンボンド不織布積層体は、問題なく、高い製造速度で製造することができ、従って2ビーム系またはマルチビーム系において高い生産性で製造できることが強調されるべきである。前記のスパンボンド不織布積層体は、特に、不利ないわゆるブローバック効果(Blow-Back-Effekte)によって特に生じるわずらわしいフィラメント凝集体なしに、均一な堆積および均一な表面を特徴とする。また、本発明によるスパンボンド不織布積層体は、簡単かつ安価であり従って経済的に有利な方法で製造できることも補足すべきである。
【0012】
本発明は、第1層のフィラメントの外面に配置された第1成分が、少なくとも1種のポリオレフィンからなるかまたは本質的になり、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になることを特徴とする。ポリオレフィンとしては、特にポリプロピレンを使用することもできる。第1層のフィラメントの外面に供されたポリオレフィンからなる第1成分が、第1層のフィラメントの第2成分よりもしくはさらに別の成分より低い融点を有することは、本発明の範囲内にある。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態は、第1層のフィラメントのポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、40重量%未満、特に38重量%未満、好ましくは35重量%未満であることを特徴とする。第1層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンは、好ましくはポリエチレンであることは既に記載した。このポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、35g/10分未満、特に30g/10分未満、好ましくは25g/10分未満、非常に好ましくは20g/10分未満であることが推奨される。ここでおよび以下でメルトフローレート(MFR)に言及される場合、これらはポリプロピレンに関しては特にASTM D1238-13(条件B、2.16kg、230℃)に従って、ポリエチレンに関してはASTM D1238-13に従って190℃/2.16kgで測定される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、第1層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分または第2成分が、ポリプロピレンまたはポリエステルからなるか、または本質的にポリプロピレンまたはポリエステルからからなることを特徴とする。このさらなる/第2の成分のために、ポリプロピレンの代わりに、またはポリプロピレンに加えて、少なくとも1種のポリプロピレンコポリマーを使用することもでき、ポリエステルの代わりに、またはポリエステルに加えて、少なくとも1種のポリエステルコポリマーを使用することもできる。ポリエステルとしては、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好適であり、ポリエステルコポリマーとしては、特にPETコポリマー(Co-PET)が好適である。しかし、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリラクチド(PLA)もポリエステルとして使用することができる。同様に、これらのプラスチックのコポリマーを使用することができる。本発明の推奨される実施形態は、第1層のフィラメントの少なくとも1つのさらなる成分または第2成分が、群「ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PETコポリマー、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PBTコポリマー、ポリラクチド(PLA)、PLAコポリマー」からの少なくとも1種のプラスチックからなるかまたは本質的になることを特徴とする。非常に特に推奨される実施形態は、第1層のフィラメントの第1の-特に低融点の-成分が、ポリエチレンからなるかまたは本質的になること、および第1層のフィラメントの第2の-特に高融点の成分-が、ポリプロピレンからなるかまたは本質的になることを特徴とする。さらなる実施形態は、第1層のフィラメントの第1の-特に低融点の-成分が、ポリプロピレンまたはポリエチレンからなるかまたは本質的になること、および第1層のフィラメントの第2の-特に高融点の-成分が、ポリエステルからおよび/またはポリエステルコポリマーからなるかまたは本質的になることを特徴とする。第1層のフィラメントの成分のために、上記のポリマーの混合物またはブレンドを使用することも、本発明の範囲内にある。
【0015】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、第1層の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントは、偏心コア-シェル構造を有する。この実施形態が本発明の技術的課題を解決することに関して有用であることが特に実証された。この関連において非常に推奨される実施形態は、偏心コア-シェル構造を有する第1層のフィラメントのシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって、特に少なくとも30%にわたって、好ましくは少なくとも40%にわたって、好ましくは少なくとも50%にわたって、非常に好ましくは少なくとも60%にわたって、特に好ましくは少なくとも65%にわたって、一定の厚さdまたは実質的に一定の厚さdを有することを特徴とする。厚さdは、ここにおいておよび以下において、特に平均厚さdを意味する。この特に好ましい実施形態は、さらに以下においてより詳細に説明される。
【0016】
非常に推奨される実施形態に従って第1層のフィラメントが偏心コア-シェル構造を有する場合、低融点の第1成分がフィラメントのシェル中に供され、高融点の少なくとも1種の第2成分または高融点の第2成分がフィラメントのコア中に存在することは、本発明の範囲内にある。例えば、本発明の第1の実施形態によれば、第1層の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントは、偏心コア-シェル構造を有し、ここで前記シェルは、ポリエチレンからまたは本質的にポリエチレンからなり、前記コアは、ポリプロピレンまたはポリプロピレンコポリマーからなるかまたは本質的になる。第2の実施形態によれば、第1層の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントは、偏心コア-シェル構造を有し、ここで前記シェルは、ポリオレフィンおよび/またはポリオレフィンコポリマー、特にポリプロピレンおよび/またはポリプロピレンコポリマーからなるかまたは本質的になり、前記コアは、ポリエステルおよび/またはポリエステルコポリマーから、特にポリエチレンテレフタレート(PET)および/またはPETコポリマーからなるかまたは本質的になる。ここで、一定のシェル厚dを有する上記の偏心コア-シェル構造が特に好ましい。
【0017】
第1層のフィラメントの前記のさらなる成分または第2の成分がポリプロピレンおよび/またはポリプロピレンコポリマーからなるかまたは本質的になる場合、前記ポリプロピレンまたはポリプロピレンコポリマーは、好適には、25g/10分超の、特に30g/10分超の、好ましくは45g/10分超の、好ましくは55g/10分超の、特に好ましくは60g/10分超のメルトフローレート(MFR)を有する。ここで、前記ポリプロピレンのまたは前記ポリプロピレンコポリマーのメルトフローレート(MFR)は、添加剤によって、特にポリマー添加剤、過酸化物などによって調節することができる。
【0018】
本発明によれば、第2層(カバー層)のフィラメントの外面に配置された少なくとも1種の第1のまたは1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になる。ここで、本発明によれば、第2層のフィラメントの第1成分のこのポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合は、第1層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合より高い。好ましくは、第2層のフィラメントのポリオレフィンの割合、特にポリエチレンの割合は、33重量%超、好適には35重量%超、好ましくは38重量%超である。本発明の一実施形態は、第2層のフィラメントのポリオレフィンの割合、特にポリエチレンの割合が、38重量%~67重量%、特に40重量%~65重量%、好ましくは40重量%~60重量%であることを特徴とする。推奨では、これらの重量パーセント割合は、第2層のフィラメントの低融点第1成分を基準とする。
【0019】
本発明の推奨される一実施形態は、第2層のフィラメントの外面に配置された第1の成分が、ポリエチレンからまたは本質的にポリエチレンからなることを特徴とする。好適には、このポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、15g/10分より大きく、特に20g/10分より大きく、好ましくは27g/10分より大きい。本発明の好ましい実施形態に従って、2つの層のフィラメントの外面に配置された第1の成分が各々ポリエチレンからなるかまたは本質的になる場合、好適には、第2層のフィラメントのポリエチレンのメルトフローレートは、第1層のフィラメントのポリエチレンのメルトフローレートよりも大きい。
【0020】
本発明によれば、第2層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分は、第2層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンよりももしくはポリエチレンよりも高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になる。本発明の特に好ましい実施形態は、第2層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分または第2成分が、ポリプロピレンおよび/またはポリプロピレンコポリマーからなるかまたは本質的になることを特徴とする。基本的に、これらの成分はまた、少なくとも1種のポリエステルおよび/またはポリエステルコポリマーからなるかまたは本質的になることができる。このために、好ましくは、第1層のフィラメントの第2成分に関して上述したポリエステルまたはポリエステルコポリマーを使用することができる。
【0021】
好ましい実施形態に従って第2層のフィラメントのさらなる成分または第2の成分にポリプロピレンが使用される場合、例えば、第2層の第2成分のこのポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは25g/10分超、特に50g/10分超である。-第2層の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、偏心コア-シェル構造またはサイドバイサイド構造を有することは本発明の範囲内にある。ここで、これらのフィラメントの偏心コア-シェル構造が特に好ましい。本発明の非常に特に推奨される実施形態は、第2の層の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが偏心コア-シェル構造を有すること、ならびに前記フィラメントのシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって、特に少なくとも30%にわたって、好ましくは少なくとも40%にわたって、好ましくは少なくとも50%にわたって、非常に好ましくは少なくとも60%にわたって、特に好ましくは少なくとも65%にわたって、一定の厚さdまたは本質的に一定の厚さdを有することを特徴とする。
【0022】
本発明は、本発明によるスパンボンド不織布積層体の第2の層(カバー層(DeckschichtまたはDecklage))が、特に前記積層体の均一な表面特性を担うという知見に基づく。この第2層の本発明による特徴は、高い柔軟性および十分な強度、ならびに密接した表面をもたらす。特に好ましくは、この第2層(カバー層)は、本発明のスパンボンド不織布積層体を製品中に使用した場合、当該製品の外面を形成する。この第2の層または表面層は、審美的観点において全ての要求を満たし、前記スパンボンド不織布積層体が傑出した不透明度を有することに寄与する。特に、カバー層を形成する第2層は、欠陥、特にわずらわしい凝集体のない非常に均一な表面特性を有する。
【0023】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、本発明によるスパンボンド不織布積層体の第1層および第2層は、直接かつさらに別の層(Lagen)または層(Schicten)の介在なしで、重なり合って配置される。別の実施形態によれば、第1および第2の層の間に、さらに別の層(Schicten)または層(Lagen)、例えばさらに別のスパンボンド不織布層および/またはメルトブローン不織布層を介在させることができる。
【0024】
本発明の推奨される実施形態によれば、第2層の坪量は、第1層の坪量より小さい。好ましくは、第1層の坪量は、第2層の坪量より少なくとも1.1倍、特に少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.25倍大きい。(全体の)スパンボンド不織布積層体の坪量が40g/m未満であることは、本発明の範囲内にある。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態は、機械方向(MD)におけるスパンボンド不織布積層体の強度が25N/5cmより大きいことを特徴とする。好適には、前記スパンボンド不織布積層体の厚さは、0.50mm超、特に0.53mm超、好ましくは0.55mm超、特に好ましくは0.58mm超である。強度および厚さの上記値は、特に、12~50g/m、好ましくは20~30g/mの坪量を有するスパンボンド不織布積層体に適用される。
【0026】
本発明によれば、本発明のスパンボンド不織布積層体の少なくとも2つの層は、スパンボンド不織布層として製造される。少なくとも2つの不織布層の各々が、スパンボンド装置又はスパンボンドビームで製造されることは、本発明の範囲内にある。これに関して、本発明によるスパンボンド不織布積層体を製造するためには、2つのスパンボンド装置を有する少なくとも1つの2ビーム系が必要である。各スパンボンド装置が紡糸デバイスまたは紡糸ノズル、ならびに前記紡糸デバイスの下流の冷却装置および当該冷却装置の下流の少なくとも1つの延伸デバイスを有することは、本発明の範囲内にある。好ましくは、延伸デバイスの下流の少なくとも1つのディフューザが設けられる。本発明の非常に特に推奨される実施形態は、冷却装置と延伸デバイスからのアセンブリが、閉鎖アセンブリとして形成されること、および冷却装置への冷却空気の供給を除いて、このアセンブリへ外部からさらなる空気供給が行われないことを特徴とする。ディフューザまたはフィラメントの流れ方向において最後のディフューザから出るエンドレスフィラメントは、好適には、堆積コンベヤ上に、または特に堆積スクリーンベルト上に堆積される。次いで、好ましくは、堆積コンベヤ上で、または堆積スクリーンベルト上で、各不織布層またはスパンボンド不織布層の予備固定化が行われる。
【0027】
本発明の特に推奨される実施形態は、スパンボンド不織布積層体の2つの層のうちの少なくとも1つが、熱風を用いて予備固定化され、特に、熱風だけで予備固定化されることを特徴とする。本発明の範囲において、本発明によるスパンボンド不織布積層体の少なくとも2つの層が熱風で予備固定化されるか、または2つの層が熱風だけで予備固定化される実施態様が特に有用であることが実証された。さらに、スパンボンド不織布積層体の最終固定化が熱風で行われ、本発明の一実施形態によれば熱風だけで行われることは、本発明の範囲内にある。その場合、スパンボンド不織布積層体は、熱風だけで予備固定化され、最終固定化されたスパンボンド不織布積層体である。この実施形態は、本発明の範囲において、特に重要である。
【0028】
本発明の実証された実施形態は、本発明によるスパンボンド不織布積層体の少なくとも1つの層、好ましくは2つの層が、それぞれ150℃未満の温度、特に140℃未満の温度、好ましくは135℃未満の温度で予備固定化されることを特徴とする。本発明の範囲において、スパンボンド不織布積層体の少なくとも1つの層、好ましくは2つの層が、ホットエアナイフ(Heissluftmesser)および/または熱風炉で予備固定化されることが特に好ましい。ここで、一変形実施形態によれば、ホットエアナイフは、層の搬送方向に第1の予備固定化デバイスを形成し、次いで、熱風炉が、層の搬送方向において下流の第2の予備固定化デバイスを形成する。基本的に、スパンボンド不織布積層体の層を予備固定化するためには、ホットエアナイフだけを、または熱風炉だけを使用することもできる。また、第1の予備固定化デバイスが熱風炉によって形成され、搬送方向下流の第2の予備固定化デバイスがホットエアナイフによって形成されることも可能である。好適には、本発明によるスパンボンド不織布は、熱風によって最終固定化され、好ましくは、熱風炉において最終固定化される。
【0029】
本発明の範囲において特に重要な実施形態は、本発明によるスパンボンド不織布積層体の第2の層(カバー層)がスパンボンド装置によって製造され、最初に堆積コンベヤ上または堆積スクリーンベルト上に堆積されること、および、その後、第1の層がスパンボンド装置によって製造され、既に堆積コンベヤ上または堆積スクリーンベルト上に堆積された第2の層(カバー層)上に施与されることを特徴とする。このようにして特に有利な製品またはスパンボンド不織布積層体が得られることが示された。
【0030】
前記の技術的問題を解決するために、本発明はさらに、複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層を有するスパンボンド不織布積層体を製造する方法であって、スパンボンド不織布層の少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメントを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントからなるかもしくは当該エンドレスフィラメントから本質的になる方法を教示し、
ここで、捲縮された多成分フィラメントもしくは二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層が製造され、前記の第1層のフィラメントの外面に配置された少なくとも1種の第1成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分が、第1層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
ここで、第1層は予備固定化され、好ましくは熱風を用いて予備固定化され、特に熱風だけで予備固定化され、
多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する、特に捲縮された多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層がカバー層として製造され、前記の第2層のフィラメントの外面に配置された少なくとも1種の第1成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第2層のフィラメントの少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分が、第2層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
ここで、第2のスパンボンド不織布層は予備固定化され、好ましくは熱風を用いて予備固定化され、特に熱風だけで予備固定化され、
第2層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、第1層のフィラメントの第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高く、
そして、前記スパンボンド不織布積層体は最終固定化され、好ましくは熱風を用いて最終固定化され、特に熱風だけで最終固定化される。
【0031】
本発明による方法の特に推奨される実施形態は、最初に第2の最も外側のスパンボンド不織布層が製造されるかまたは堆積コンベヤ上に堆積され、引き続き、予備固定化され、好ましくは熱風を用いて予備固定化され、特に熱風だけで予備固定化され、
次いで、第1層が製造され、既に堆積された第2層上に堆積され、ここで、第2層、または第1および第2の層からの凝集体が引き続いて予備固定化され、好ましくは熱風を用いて予備固定化され、特に熱風だけで予備固定化され、
引き続き、スパンボンド不織布積層体が最終固定化され、好ましくは熱風を用いて最終固定化され、特に熱風だけで最終固定化されることを特徴とする。
【0032】
以下において、本発明を、単に1つの例示的な実施形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。以下のように図示される:
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明によるスパンボンド不織布積層体の層を製造するための装置の垂直断面図
図2】本発明によるスパンボンド不織布積層体の2つの層を製造するための2つのスパンボンド装置を有する2ビーム系の垂直断面図
図3】本発明のスパンボンド不織布積層体の断面図
図4】好ましくは本発明の範囲内において使用される、偏心コア-シェル構造を有するエンドレスフィラメントの断面図
【0034】
図1は、本発明によるスパンボンド不織布積層体1のためのスパンボンド不織布層2、3を製造するためのスパンボンド装置を示す。当該装置で製造されたそのようなスパンボンド不織布層2、3は、捲縮されたエンドレスフィラメントFを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントFからなるか、または捲縮されたエンドレスフィラメントFから本質的になる。エンドレスフィラメントFが熱可塑性プラスチックからなることは、本発明の範囲内にある。
【0035】
図1に示される装置は、エンドレスフィラメントFの紡糸のための紡糸デバイス10を含み、これらの紡糸されたエンドレスフィラメントFは冷却のために、好適には、冷却チャンバ12を有する冷却装置11に導入される。好ましくは、および、実施例において、冷却チャンバ12の2つの対向する側に、重なり合って配置された空気供給キャビン13、14が配置される。これらの重なり合って配置された空気供給キャビン13、14から、好適には、異なる温度の空気が冷却チャンバに導入される。推奨では、および、実施例において、紡糸デバイス10と冷却装置11の間に、モノマー吸引デバイス15が配置される。このモノマー吸引デバイス15を用いて、紡糸プロセスにおいて生じる厄介なガスを前記装置から除去することができる。これらのガスは、例えば、モノマー、オリゴマーまたは分解生成物等の物質であり得る。
【0036】
好ましくは、および、実施例において、フィラメントの流れ方向に、冷却装置11の下流に、エンドレスフィラメントFの延伸のために延伸デバイス16が接続される。好ましくは、および、実施例において、延伸デバイス16は、冷却装置11を延伸デバイス16の延伸シャフト18と接続する中間チャネル17を有する。特に好ましい実施形態によれば、および、実施例において、冷却装置11および延伸デバイス16からのアセンブリ、または冷却装置11、中間チャネル17および延伸シャフト18からのアセンブリは、閉鎖アセンブリとして形成され、冷却装置11への冷却空気の供給を除いて、このアセンブリへ外部からさらなる空気供給は行われない。
【0037】
好ましくは、および、実施例において、延伸デバイス16に、フィラメントの流れ方向にディフューザ19が接続され、これによってエンドレスフィラメントFが導かれる。ディフューザ19の通過後、エンドレスフィラメントFは、好ましくは、および、実施例において、堆積スクリーンベルト20として形成された堆積コンベヤ上に堆積される。堆積スクリーンベルト20は、好ましくは、および、実施例において、連続して回転する堆積スクリーンベルト20として形成される。好適には、堆積スクリーンベルト20は、空気透過性に形成され、その結果、プロセス空気の吸引を、堆積スクリーンベルト20を通して下から行うことができる。
【0038】
好ましくは、および、実施例において、ディフューザ19は、2つの下部の発散ディフューザ壁セクション21、22を有する。これらの発散ディフューザ壁セクション21、22は、好適には、装置またはディフューザ19の中心面Mに対して非対称に形成される。推奨では、および、実施例において、入口側ディフューザ壁セクション21は、中心面Mに対して出口側ディフューザ壁セクション22よりも小さい角度βを形成する。ここで、入口側ディフューザ壁セクション21が中心面Mと形成する角度βは、推奨では、出口側ディフューザ壁セクション22が中心面Mと形成する角度βよりも少なくとも1°小さい。
【0039】
ディフューザ19の流入端23に2つの対向する二次空気入口ギャップ24、25が供され、それらが各々、2つの対向するディフューザ壁の1つに割り当てられることは、本発明の範囲内にある。好ましくは、堆積スクリーンベルト20の搬送方向に関して入口側の二次空気入口ギャップ24を通して、出口側の二次空気入口ギャップ25を通してよりも低い二次空気体積流を導入することが可能である。その場合に、入口側の二次空気入口ギャップ24の二次空気体積流は、出口側二次空気入口ギャップ25を通る二次空気体積流よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、特に少なくとも15%低いことが推奨される。
【0040】
図2は、本発明によるスパンボンド不織布積層体1の2つのスパンボンド不織布層2、3を製造するための、図1に対応する2つのスパンボンド装置を有する2ビーム系を示す。便宜上、図2では、スパンボンド装置の装置構成要素は各々完全には示されておらず、単にそれぞれのディフューザ19の下部領域が示されている。特に好ましい実施形態によれば、および、実施例において、2ビーム系の左側の第1のスパンボンド装置を用いて最初にエンドレスフィラメントFが紡糸され、堆積されて第2のスパンボンド不織布層3(カバー層)となる。図2の右側の堆積スクリーンベルト20の搬送方向に関して下流のスパンボンド装置を用いて、引き続き、エンドレスフィラメントFが第1のスパンボンド不織布層2のために紡糸され、そして堆積スクリーンベルト20上にまたは第2のスパンボンド不織布層3上に堆積される。スパンボンド不織布層2、3の製造のこの順序は、本発明の範囲内において特に推奨される。
【0041】
各スパンボンド装置のエンドレスフィラメントFのための堆積領域26の下で、堆積スクリーンベルト20を通して、主吸引領域27において、特に吸引速度vで、プロセス空気の吸引が行われる。-図2の左側に示される第1のスパンボンド装置で製造された不織布層2、3-好ましくは、および、実施例において、第2層3-は、堆積スクリーンベルト20で熱風-予備固定化デバイスに供されることが推奨される。好ましくは、および、実施例において、この第2層3は、最初にホットエアナイフ31で予備固定化され、引き続き、好ましくは、機械方向(MD)下流の熱風炉32でさらに予備固定化される。推奨では、および、実施例において、ホットエアナイフ31の下でも熱風炉32の下でも、堆積スクリーンベルト20を通して、特にホットエアナイフ31の場合には吸引速度vで、そして熱風炉の場合には吸引速度vで、プロセス空気の吸引が行われる。好ましくは、主吸引領域27における吸引速度vが最も大きく、ホットエアナイフ31の下の吸引速度vが2番目に大きいこと、ならびに熱風炉32の下の吸引速度vが3番目に大きいことが、前記吸引速度に関して当てはまる。従って、吸引速度vは、フィラメントFの堆積領域26から熱風炉32へと減少する。好ましくは、ホットエアナイフ31(図2の左側における)に関して、第2の層3の熱風-予備固定化は、80℃~250℃、好ましくは120℃~190℃の熱風温度で行われる。下流の熱風炉32における熱風-予備固定化は、好適には、110℃~180℃、好ましくは120℃~160℃の熱風温度で行われる。ホットエアナイフ31(図2の左側における)に関して、好ましくは、および、実施例において、熱風は、下流の熱風炉32の熱風よりも高速で供給される。例えば、ホットエアナイフ31で供給される熱風の速度は、好ましくは、熱風炉32における熱風の速度よりも少なくとも1.5倍、好ましくは1.8倍大きい速度を有する。推奨では、および、実施例において、さらに、機械方向(MD)における熱風が施与される幅の範囲は、第1の(図2の左側における)ホットエアナイフ31において、第1の(図2の左側における)熱風炉32よりも狭い。例えば、機械方向(MD)における熱風施与の幅の範囲は、熱風炉32において、ホットエアナイフ31におけるよりも少なくとも1.5倍大きい。
【0042】
図2に示される右側の第2のスパンボンド装置を用いて、スパンボンド不織布積層体1のためのさらなるスパンボンド不織布層2、3-好ましくは、および、実施例において、第1の層2-が製造される。この第1の層2が、推奨では、および、実施例において、堆積スクリーンベルト20によって既に輸送された第2のスパンボンド不織布層3上に堆積される。引き続き、好ましくは、および、実施例において、2つの層2、3からの凝集体が予備固定化され、特に推奨では、および、実施例において、熱風で予備固定化される。このためにまた、機械方向(MD)において第2スパンボンド装置の下流に最初にホットエアナイフ31が接続され、ホットエアナイフ31の下流にさらに熱風炉32が接続される。第2のスパンボンド装置および第2のスパンボンド装置の上記の熱風予備固定化装置においても、好適には、第1のスパンボンド装置に関して説明した吸引が、適切な吸引速度で行われる。また、熱風予備固定化装置に関して先に述べたパラメーター、特に温度および幅の範囲パラメーターは、第2スパンボンド装置の後のホットエアナイフ31および熱風炉32にも適用される。-図2に従う実施例において、本発明によるスパンボンド不織布積層体1の2つの層2、3は、熱風だけで予備固定化される。
【0043】
引き続き、2つの層2、3の予備固定化された凝集体が最終固定化され、特に好ましくは熱風によって最終固定化されることは、本発明の範囲内にある。このために、好適には、図にはより詳細には示されてない熱風炉が使用される。本発明の一実施形態によれば、スパンボンド不織布積層体1の前記層または2つの層2、3は、熱風で予備固定化されるかまたは熱風だけで予備固定化され、また、熱風で最終固定化されるかまたは熱風だけで最終固定化される。
【0044】
図3において、2つの層2および3を有する本発明のスパンボンド不織布積層体1の断面を概略的に示す。
【0045】
図4において、本発明によるスパンボンド不織布積層体1の層2、3に関して非常に特に好ましい偏心コア-シェル構造を有する二成分フィラメントを示す。本発明の一実施形態によれば、スパンボンド不織布積層体1の2つの層2、3は、偏心コア-シェル構造を有する上記のような二成分フィラメントからなる。図4は、好ましい特別な偏心コア-シェル構造を有するエンドレスフィラメントFの断面図を示す。これらのエンドレスフィラメントFの場合、シェル37はフィラメント断面において、好ましくは、および、実施例において、フィラメント円周の50%超にわたって、好ましくは55%超にわたって一定の厚さdを有する。好ましくは、および、実施例において、フィラメントFのコア4は、フィラメントFのフィラメント断面積の65%超を占める。推奨では、および、実施例において、コア4-フィラメント断面で見て-は、円セグメント形態で形成される。好適には、および、実施例において、このコア4は、その円周に関して、円弧状の円周部分5と、直線状の円周部分6とを有する。好ましくは、および、実施例において、コア4の円弧状の円周部分は、コア4の円周の50%超、好ましくは55%超を占める。好適には、および、実施例において、フィラメントFのシェル37-フィラメント断面で見て-は、シェル領域の外側に、一定の厚さdで円セグメント形態で形成される。シェル37のこの円セグメント7は、推奨では、および、実施例において、その円周に関して、円弧状の円周部分8と、直線状の円周部分9とを有する。好ましくは、シェル37の厚さdまたは平均厚さdは、その一定の厚さの範囲において、フィラメント直径Dの0.5%~8%、特に2%~10%であることが好ましい。好ましくは、シェルの厚さdまたは平均厚さdは、0.1μm~3μmである。-図4はさらに、エンドレスフィラメント2のコア4の面積の図心とシェル3の面積の図心との間の距離aを示す。コア4の面積の図心とシェル3の面積の図心との間の距離aは、ここで示すフィラメントFの場合、好ましくは、フィラメント直径Dのまたは最大フィラメント直径Dの5%~40%である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層(2,3)を有するスパンボンド不織布積層体(1)であって、スパンボンド不織布層(2,3)のうちの少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメント(F)を有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメント(F)からなるかもしくは本質的になり、
捲縮された多成分フィラメントもしくは二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層(2)が供され、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、とりわけポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
前記のスパンボンド不織布積層体(1)が、多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層(3)をカバー層として有し、第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、とりわけポリエチレンからなるかまたは本質的になり、第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分が、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
そして、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高い、
スパンボンド不織布積層体(1)。
2.第2の最も外側の層(3)のフィラメント(F)の繊度が第1層(2)のフィラメント(F)の繊度よりも低い、上記1に記載のスパンボンド不織布積層体。
3.第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2成分が、ポリプロピレンまたはポリエステルからなるかまたは本質的になる、上記1または2に記載のスパンボンド不織布積層体。
4.第1層(2)のフィラメント(F)のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、40重量%未満、とりわけ38重量%未満、好ましくは35重量%未満である、上記1または3に記載のスパンボンド不織布積層体。
5.第1層(2)のフィラメント(F)が、1.5den超、特に1.6den超、好ましくは1.7den超の繊度を有し、そして、第1層(2)のフィラメント(F)が推奨される実施形態に従って、1.5den~2.5den、とりわけ1.6den~2.4den、特に1.7den~2.3den、非常に好ましくは1.8den~2.2den、特に好ましくは2.0den~2.2denの繊度を有する、上記1~4のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
6.第1層(2)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、偏心コア-シェル構造を有する、上記1~5のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
7.偏心コア-シェル構造を有する第1層(2)のフィラメント(F)のシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって、とりわけ少なくとも30%にわたって、特に少なくとも40%にわたって、好ましくは少なくとも50%にわたって、一定の厚さdまたは本質的に一定の厚さdを有する、上記6に記載のスパンボンド不織布積層体。
8.第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンがポリエチレンであり、そして、このポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、35g/10分未満、とりわけ30g/10分未満、特に25g/10分未満、非常に好ましくは20g/10分未満である、上記1~7のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
9.第1層(2)のフィラメント(F)のさらなる成分または第2成分が、ポリプロピレンからなるかまたは本質的になり、そして前記ポリプロピレンが、25g/10分超の、とりわけ35g/10分超の、特に45g/10分超の、好ましくは55g/10分超の、特に好ましくは65g/10分超のメルトフローレート(MFR)を有する、上記1~8のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
10.第2のスパンボンド不織布層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、捲縮されたフィラメント(F)である、上記1~9のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
11.第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2成分が、ポリプロピレンからなるかまたは本質的になる、上記1~10のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
12.第2層(3)のフィラメントのポリオレフィンの割合、とりわけポリエチレンの割合が、33重量%超、特に35重量%超、好ましくは38重量%超であり、そしてポリオレフィンの割合、とりわけポリエチレンの割合が、特に40重量%~65重量%、好ましくは40重量%~60重量%である、上記1~11のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
13.第2層(3)のフィラメント(F)が、1.7den未満、とりわけ1.6den未満の繊度を有し、そして推奨される実施形態に従って、0.8den~1.6den、とりわけ0.9den~1.5den、好ましくは1.0den~1.3denの繊度を有する、上記1~12のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
14.第2層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが、偏心コア-シェル構造またはサイドバイサイド構造を有する、上記1~13のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
15.第2層(3)の多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが偏心コア-シェル構造を有し、そしてフィラメント(F)のシェルが、フィラメント円周の少なくとも20%にわたって、とりわけ少なくとも30%にわたって、特に少なくとも40%にわたって、好ましくは少なくとも50%にわたって、一定の厚さdまたは本質的に一定の厚さdを有する、上記1~14のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
16.第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された第1成分がポリエチレンからなるかまたは本質的にポリエチレンからなり、そしてこのポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が、15g/10分より大きく、とりわけ20g/10分より大きく、好ましくは27g/10分より大きい、上記1~15のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
17.第2層(3)の第2成分のポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が、25g/10分超、とりわけ60g/10分超である、上記11~16のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
18.第2層(3)のフィラメント(F)のクリンプ度が、第1層(2)のフィラメント(F)のクリンプ度と同じかまたはそれ未満である、上記1~17のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
19.第2層(3)の坪量が第1層(2)の坪量より小さく、そして特に、第1層(2)の坪量が、第2層(3)の坪量より少なくとも1.2倍、とりわけ少なくとも1.3倍、好ましくは少なくとも1.4倍大きい、上記1~18のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
20.スパンボンド不織布積層体(1)の坪量が30g/m 未満である、上記1~19のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
21.機械方向(MD)におけるスパンボンド不織布積層体(1)の強度が25N/5cmより大きく、スパンボンド不織布積層体(1)がとりわけ12~50g/m 、特に20~30g/m の坪量を有する、上記1~20のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
22.スパンボンド不織布積層体(1)の厚さが0.50mm超、とりわけ0.53mm超、特に0.55mm超であり、スパンボンド不織布積層体(1)がとりわけ12~50g/m 、特に20~30g/m の坪量を有する、上記1~21のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
23.第1層(2)のフィラメント(F)の繊度と第2層(3)のフィラメント(F)の繊度との間の差が、少なくとも0.2den、好ましくは少なくとも0.3denであり、そして推奨では最大で1.1den、好ましくは最大で1.0denである、上記1~22のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布積層体。
24.-特に上記1~23のいずれか1つに記載の-複数の重なり合って配置されたスパンボンド不織布層(2,3)を有するスパンボンド不織布積層体(1)を製造する方法であって、スパンボンド不織布層の少なくとも2つが、捲縮されたエンドレスフィラメントを有するか、または捲縮されたエンドレスフィラメントからなるかもしくは本質的になり、 捲縮された多成分フィラメントもしくは二成分フィラメントを有する第1のスパンボンド不織布層(2)が製造され、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、とりわけポリエチレンからなるかまたは本質的になり、前記の第1層(2)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2の成分が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンより高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
第1層は予備固定化され、特に熱風を用いて予備固定化され、とりわけ熱風だけで予備固定化され、
多成分フィラメントまたは二成分フィラメントを有する第2の最も外側のスパンボンド不織布層(3)はカバー層として製造され、第2層(3)のフィラメント(F)の外面に配置された少なくとも1種の第1の成分が、少なくとも1種のポリオレフィン、特にポリエチレンからなるかまたは本質的になり、
第2層(3)のフィラメント(F)の少なくとも1種のさらなる成分または第2成分は、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンまたはポリエチレンよりも高い融点を有するプラスチックからなるかまたは本質的になり、
第2のスパンボンド不織布層(3)は予備固定化され、特に熱風を用いて予備固定化され、とりわけ熱風だけで予備固定化され、
そして、第2層(3)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合が、第1層(2)のフィラメント(F)の第1成分のポリオレフィンの割合またはポリエチレンの割合よりも高く、
そして、スパンボンド不織布積層体(1)は最終固定化され、特に熱風を用いて最終固定化され、とりわけ熱風だけで最終固定化される、
前記の製造方法。
25.最初に第2のスパンボンド不織布層(3)がカバー層として製造され、予備固定化され、そして、その後、第1のスパンボンド不織布層(2)が製造されるかまたは第2のスパンボンド不織布層(3)上に製造され、引き続き予備固定化される、上記24に記載の方法。
26.捲縮された多成分フィラメントまたは二成分フィラメントが第2のスパンボンド不織布層(3)のために製造される、上記24または25に記載の方法。
図1
図2
図3
図4