(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】管装置及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
E03B 9/04 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
E03B9/04 Z
(21)【出願番号】P 2020172310
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000201582
【氏名又は名称】前澤化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】青木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】五月女 侑洋
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-348920(JP,A)
【文献】実開昭52-045256(JP,U)
【文献】特開2015-140902(JP,A)
【文献】特開2006-118143(JP,A)
【文献】特開2011-137327(JP,A)
【文献】実開昭51-008854(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状体と、
前記柱状体内に設けられ、中間継手を有する管体と、
前記中間継手を保持する中間継手保持体とを備え、
前記中間継手保持体は、凹部を有し、
前記中間継手は、前記凹部内に入り込む凸部を有する
ことを特徴とする管装置。
【請求項2】
柱状体と、
前記柱状体内に設けられ、中間継手を有する管体と、
前記中間継手を保持する中間継手保持体と、
前記中間継手保持体が前記柱状体内の所定位置まで挿入されたことを作業者に認識させる認識手段とを備え、
前記認識手段は、
前記中間継手保持体に設けられた凹部と、
前記中間継手に設けられ、前記中間継手保持体が前記柱状体内の前記所定位置まで挿入された場合に前記凹部内に入り込む凸部とを有する
ことを特徴とする管装置。
【請求項3】
柱状体と、
前記柱状体内に設けられ、中間継手を有する管体と、
前記中間継手を前記柱状体に対して弾性復元力で押し付けて保持する弾性変形可能な中間継手保持体と、
前記中間継手保持体が前記柱状体内の所定位置まで挿入されたことを作業者に認識させる認識手段とを備え、
前記中間継手保持体は、保持体側平板部を有し、
前記中間継手は、前記保持体側平板部と面状に接触する継手側平板部を有し、
前記認識手段は、
前記中間継手保持体の前記保持体側平板部に設けられた凹部と、
前記中間継手の前記継手側平板部に設けられた凸部とを有し、
前記中間継手保持体が前記柱状体内の前記所定位置まで挿入された場合において、前記凸部が前記凹部内に入り込んだときには、前記中間継手保持体の弾性復元力によって前記保持体側平板部が前記継手側平板部側に移動して当該継手側平板部と衝突し、その結果、衝突音が発生する
ことを特徴とする管装置。
【請求項4】
中間継手保持体は、当該中間継手保持体の挿入を容易にするための面取り面を有している。
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の管装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一記載の管装置の組立方法であって、
中間継手保持体
を中間継手の所定位置に取り付ける工程を備える
ことを特徴とする管装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間継手の位置ずれを防止できる管装置及びその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された管装置である水栓柱が知られている。
【0003】
この従来の水栓柱は、筒状に形成された筒状体と、この筒状体内に収納され、L形のエルボからなる継手を上下端部にそれぞれ有する給水管と、筒状体と継手との間に挿入され、当該継手を保持するサドル型板状の保持体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、2つの給水栓を取り付け可能な2口水栓柱も普及しているが、このような水栓柱(管装置)では、例えば管体である給水管の中間に接続されたT形のチーズ等の中間継手の固定支持がなされず、適正位置からの位置ずれを生じやすいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、中間継手の位置ずれを防止できる管装置及びその組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の管装置は、柱状体と、前記柱状体内に設けられ、中間継手を有する管体と、前記中間継手を保持する中間継手保持体とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の管装置は、請求項1記載の管装置において、中間継手保持体は、弾性変形可能であり、弾性復元力によって中間継手を柱状体に対して押し付けて保持するものである。
【0009】
請求項3記載の管装置は、請求項1又は2記載の管装置において、中間継手保持体が柱状体内の所定位置まで挿入されたことを作業者に認識させる認識手段を備えるものである。
【0010】
請求項4記載の管装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の管装置において、複数の給水栓を取り付け可能な水栓柱であるものである。
【0011】
請求項5記載の管装置の組立方法は、柱状体と、前記柱状体内に設けられ、中間継手を有する管体と、前記中間継手を保持する中間継手保持体とを備える管装置の組立方法であって、前記中間継手保持体を前記中間継手の所定位置に取り付ける工程を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中間継手の位置ずれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る水栓柱の正面図(一部断面)である。
【
図5】(a)及び(b)は同上水栓柱の中間継手の斜視図である。
【
図6】(a)及び(b)は同上水栓柱の中間継手保持体の斜視図である。
【
図7】(a)及び(b)は補助具(専用治具)を示す斜視図である。
【
図8】(a)ないし(c)は同上補助具を用いて中間継手保持体を挿入する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図8を参照して説明する。
【0015】
図1ないし
図4において、1は管装置としての給水用装置(導水用装置)である水栓柱で、この水栓柱1は、複数、すなわち例えば2つの上部給水栓2及び中間給水栓3を取り付け可能な2口水栓柱(2口タイプの水栓柱)である。
【0016】
水栓柱1は、上下方向に細長い筒状に形成された柱状の柱状体である筒状体(外筒)6と、この筒状体6内に収納された管状の管体である給水管(導水管)7と、これら筒状体6の内面と給水管7の外面との間に挿入され、給水管7が筒状体6に対して固定されるように当該給水管7を固定的に保持する保持手段8とを備えている。
【0017】
筒状体6は、例えば断面正方形をなす四角筒状でかつ上下面開口状に形成されたもので、前壁部11、後壁部12、左壁部13及び右壁部14を有している。
【0018】
前壁部11の上部には上部開口部16が形成されており、この上部開口部16から上部給水栓2が給水管7に接続される。前壁部11の下部には下部開口部17が形成されており、この下部開口部17から給水配管(水道管)10が給水管7に接続される。
【0019】
右壁部14の上下方向の中間部、すなわち例えば上下方向中央部(略上下方向中央部を含む)には、中間開口部18が形成されており、この中間開口部18から補助蛇口等の中間給水栓3が給水管7に接続される。
【0020】
また、筒状体6は、上面開口部19及び下面開口部20を上下面に有している。上面開口部19は上蓋21によって閉鎖され、かつ、下面開口部20は下蓋22によって閉鎖されている。そして、筒状体6内には、発泡ウレタンやコンクリート等の断熱材23が充填されている。なお、筒状体6は、住宅の庭や公園等の屋外において下部が地中に埋設されるようにして鉛直状に設置される。
【0021】
給水管7は、その内部を給水配管10から供給される流体である水道水が流れるもので、上部内筒である上部縦管31と、下部内筒である下部縦管32と、上部縦管31の上端部に接続された上部継手33と、下部縦管32の下端部に接続された下部継手34と、上部縦管31の下端部及び下部縦管32の上端部間に接続された中間継手35とを有している。なお、中間継手35は、給水管7の中間部(例えば上下方向中央部)に位置している。
【0022】
上部継手33は、例えばL形のエルボ(上部給水栓接続用の継手)からなるもので、上部給水栓2が接続される給水栓接続部36を有している。この給水栓接続部36には上部縦管接続部37が直交状に連設され、この上部縦管接続部37には上部縦管31の上端部が接続されている。
【0023】
下部継手34は、上部継手33と同様、例えばL形のエルボ(給水配管接続用の継手)からなるもので、給水配管10が接続される給水配管接続部38を有している。この給水配管接続部38には下部縦管接続部39が直交状に連設され、この下部縦管接続部39には下部縦管32の下端部が接続されている。
【0024】
中間継手35は、
図5(a)及び(b)にも示すように、例えばT形のチーズ(中間給水栓接続用の継手)からなるもので、中間給水栓3が接続される給水栓接続部41を有している。
【0025】
給水栓接続部41には筒状の連結部50が直交状に連設され、この連結部50の上端部には上部縦管接続部42が同軸状に連設され、その連結部50の下端部には下部縦管接続部43が同軸状に連設されている。上部縦管接続部42には上部縦管31の下端部が接続され、下部縦管接続部43には下部縦管32の上端部が接続されている。
【0026】
また、給水栓接続部41は、雌ねじ44を内周側に有し、この雌ねじ44には中間給水栓3の雄ねじ(図示せず)が螺合される。他方、給水栓接続部41は、鍔状の当接部(フランジ)45を外周側に有し、この当接部45は、筒状体6の右壁部14の内面のうち中間開口部18の周囲に位置する部分に当接している(
図1参照)。
【0027】
当接部45は、右壁部14に形成された円形状の中間開口部18よりも径大状に形成され、例えば2つの三角形状の板状部分46が外方に向かって膨出状に形成されている。なお、例えば当接部45と右壁部14との間にスポンジパッキン等のシール部材を介在させてもよい。
【0028】
さらに、給水栓接続部41は、円環状の環状部分である嵌合部48を先端側に有し、この嵌合部48は、筒状体6の右壁部14の中間開口部18に嵌合している。つまり、嵌合部48の外径は、中間開口部18の開口径と同じである。
【0029】
また一方、中間継手35は、保持手段8の中間継手保持体63を筒状体6と中間継手35との間に挿入する際における当該中間継手保持体63の挿入を容易にするためのC面状(R面状でもよい)の面取り面51を有している。面取り面51は、上部縦管接続部42の上端部外周面及び下部縦管接続部43の下端部外周面にそれぞれ截頭円錐状に形成されている。
【0030】
また、中間継手35は、矩形状でかつ平板状の継手側平板部53を有している。継手側平板部53は、上部縦管接続部42と下部縦管接続部43とを連結した連結部50の外周面の一部に突設されている。つまり、継手側平板部53は、連結部50の外周面のうち給水栓接続部41側とは反対側の部分において、当該給水栓接続部41側とは反対方向に向かって若干突出するように設けられている。
【0031】
そして、継手側平板部53の長手方向中央部(上下方向中央部)には、継手側平板部53の短手方向に沿った直線状の凸部55が突設されている。この凸部55は、継手側平板部53の表面にその該継手側平板部53の短手方向全長にわたって凸状に設けられている。
【0032】
保持手段8は、筒状体6の後壁部12と上部継手33との間に挿入され、当該上部継手33を固定的に保持する上部継手保持体61と、筒状体6の後壁部12と下部継手34との間に挿入され、当該下部継手34を固定的に保持する下部継手保持体62と、筒状体6の左壁部13と中間継手35との間に挿入され、当該中間継手35を固定的に保持する中間継手保持体63とを有している。つまり、保持手段8は、複数、すなわち例えば3つの保持体61,62,63で構成されている。
【0033】
上部継手保持体61及び下部継手保持体62は、いずれも同じサドル型板状のもので、継手33,34の外周面に面状に接触する円弧状の第1板部66と、先端部が筒状体6の後側の角部に接触する両側の第2板部67とを有している。
【0034】
中間継手(チーズ)35の外面、すなわち左壁部13と離間対向する側の面を支持する中間継手保持体(チーズ支え)63は、
図6(a)及び(b)にも示すように、例えば略コ字状の弾性変形可能な樹脂製等の弾性素材製の部材からなるものである。
【0035】
そして、中間継手保持体63は、筒状体6の左壁部(一方側壁部)13の内面と中間継手35との外面との間に押し込まれるようにして所定位置に挿入された状態(
図3に示す若干弾性変形した挿入状態)で、所望の弾性復元力によって中間継手35の当接部45を筒状体6の右壁部(他方側壁部)14の内面に対して押し付けて当該中間継手35を固定的に保持する。
【0036】
なお、例えば残りの他の保持体61,62についても、中間継手保持体63と同様、弾性変形可能な部材で構成して、保持体61,62が所定位置に挿入されて弾性変形した状態でその弾性復元力により継手33,34を筒状体6に対して押し付けて固定的に保持するようにしてもよい。
【0037】
中間継手保持体63は、中間継手35の継手側平板部53と面状に接触する矩形状でかつ平板状の保持体側平板部71と、この保持体側平板部71の長手方向両端部にそれぞれ傾斜状に連設され、先端部72aが筒状体6の左側の角部に接触する矩形板状の傾斜板部72とを有している。
【0038】
各傾斜板部72の先端部72aの先端面は、円弧状に形成されている。各傾斜板部72の先端部72a付近の内側には、補強部73が突設されている。
【0039】
保持体側平板部71の短手方向中央部(上下方向中央部)には、中間継手35の凸部55に対応する凹部75が保持体側平板部71の長手方向に沿って直線状に穿設されている。つまり、凹部75は、保持体側平板部71に貫通形成された長孔であり、このスリット状の凹部75の大きさは凸部55よりも大きく、当該凸部55は凹部75内に入り込むことが可能である。
【0040】
そして、これら凸部55及び凹部75によって、筒状体6内において中間継手保持体63が所定位置(挿入完了位置)まで挿入されたことを手応え(触感)及び音の少なくともいずれか一方、すなわち例えば両方によって作業者(補助具81の操作者)に認識させる認識手段76が構成されている。なお、図示した例では、凹部75が凸部55よりも大きく形成されているが、例えば両者を同じ大きさにして凸部が凹部に嵌合して入り込むようにしてもよい。
【0041】
また、中間継手保持体63は、この中間継手保持体63を筒状体6と中間継手35との間に挿入する際における当該中間継手保持体63の挿入を容易にするためのC面状(R面状でもよい)の面取り面78を有している。面取り面78は、保持体側平板部71の短手方向両端部の表面にそれぞれ傾斜状に形成されている。そして、面取り面78は、中間継手保持体63の挿入時に中間継手35の面取り面51や凸部55に当接する。
【0042】
次いで、
図7(a)及び(b)において、81は挿入用の補助具(専用治具)で、この補助具81は、作業者が中間継手保持体63を筒状体6と中間継手35との間に挿入する際に使用するものである。
【0043】
なお、中間継手35は筒状体6内における上下方向中央部の位置に配置されているため、作業者は上面開口部19又は下面開口部20から手を入れてもその位置には手が届かないことから補助具81が必要となり、また、その位置を目視することも難しいことから認識手段76が設けられている。
【0044】
補助具81は、作業者が把持する長手状の長尺体82と、この長尺体82の先端部に設けられ、中間継手保持体63が着脱可能に取り付けられる弾性変形可能な取付体83とを有している。
【0045】
取付体83は、長尺体82の先端部に取り付けられた基部85を有し、この基部85には中間継手保持体63の保持体側平板部71の裏面を支持する一対の支持部86が設けられている。各支持部86の先端部には、傾斜面87が形成されている。
【0046】
また、基部85には、保持体側平板部71の端部を支持部86との間で挟持する一対の突出部88が突設されている。一対の突出部88は、中間継手保持体63の挿入時に当該突出部88が中間継手35と干渉しないように、所定距離を介して互いに離間対向している。
【0047】
次に、上述した水栓柱1の作用等を説明する。
【0048】
まず、
図8を参照しつつ、作業者が補助具81を用いて中間継手保持体63を所定位置(挿入完了位置)まで挿入する場合について説明する。
【0049】
作業者は、
図8(a)に示すように、中間継手保持体63が取付体83に取り付けられた状態の補助具81を操作することにより、中間継手保持体63を上面開口部19又は下面開口部20から筒状体6内に入れて挿入方向に移動させる。なお、中間継手保持体63は、方向性がでないように面取り面78が両端側に形成されているため、例えば上下の向きを逆にしてもよい(中間継手35も同様)。
【0050】
そして、
図8(b)に示すように、中間継手保持体63の保持体側平板部71の挿入方向前側の面取り面(案内面)78が中間継手35の凸部55に当接して乗り上げると、当該凸部55に押される形で中間継手保持体63が取付体83とともに弾性変形する。なおこの際、筒状体6の材質等によっては筒状体6の左壁部13が外側方へ膨出するように若干弾性変形する場合もある。
【0051】
続いて、
図8(c)に示すように、中間継手保持体63の挿入方向への更なる移動によってこの中間継手保持体63が所定位置(挿入完了位置)に到達し、中間継手35の凸部55が保持体側平板部71の表面から離れると、当該凸部55は、保持体側平板部71の凹部75内に入り込む。
【0052】
このとき、中間継手保持体63の弾性復元力によって保持体側平板部71が継手側平板部53側に移動して当該継手側平板部53と面同士で衝突し、その結果、衝突音(例えば「パチッ」という大きな音)が発生する。作業者は、その音を聞くことができ、かつ補助具81を介してその手応えを感じ取ることができる。
【0053】
こうして、中間継手保持体63が所定位置に挿入されてその取り付けが完了するが、この挿入状態において、中間継手保持体63は、若干弾性変形した状態となっている。具体的には、中間継手保持体63は、
図3の如く保持体側平板部71が左に向かって凸の若干湾曲した形状となるように、僅かに弾性変形している。
【0054】
それゆえ、中間継手35は、中間継手保持体63の弾性復元力によって筒状体6の右壁部14に対して押し付けられて固定されている。つまり、中間継手35は、適正位置から位置ずれしないように筒状体6に対して押圧固定されている。
【0055】
なおこの後、作業者は、中間継手保持体63を筒状体6内の所定位置(中間継手35の所定位置)に残して、補助具81のみを筒状体6内から取り出してから、残りの2つの保持体61,62も筒状体6内の所定位置に挿入して取り付ける。その後、筒状体6内への断熱材23の充填を行うこと等により、水栓柱1の組立作業が完了する。
【0056】
そして、上記水栓柱1によれば、給水管7の中間部に位置する中間継手35を固定的に保持する中間継手移動規制用の中間継手保持体(支持体)63を備えるため、中間継手35を筒状体6に固定でき、中間継手35の筒状体6に対する位置ずれを適切に防止できる。
【0057】
よって、例えば補助蛇口等の中間給水栓3を中間継手35に接続する場合において、中間継手35に大きな力が加わっても中間継手35の適正位置からの位置ずれは発生せず、給水管7の損傷等を防止できる。また、例えば発泡ウレタンやコンクリート等の断熱材23を充填する場合において、別途、特殊治具を用いて中間継手35を筒状体6に固定する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
【0058】
また、中間継手保持体63は、弾性変形可能であり、筒状体6内の所定位置に挿入されて弾性変形した状態でその弾性復元力によって中間継手35を筒状体6に対して押し付けて保持するため、中間継手35の筒状体6に対する位置ずれをより一層適切に防止できる。
【0059】
さらに、中間継手35及び中間継手保持体63には面取り面51,78が形成されているため、中間継手保持体63の挿入を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0060】
また、中間継手保持体63が筒状体6内における所定位置(挿入完了位置)まで挿入されたことを作業者に認識させる認識手段(例えば凸部及び凹部)76を備えるため、更なる作業性の向上を図ることができる。
【0061】
さらに、中間継手35は平面状の継手側平板部53を有し、かつ、中間継手保持体63は継手側平板部53と面状に接触する平面状の保持体側平板部71を有するため、中間継手保持体63によって中間継手35を安定的に保持でき、中間継手35の位置ずれをより効果的に防止できる。
【0062】
なお、上記実施の形態では、断熱性確保のために断熱材23を筒状体6内に充填する構成について説明したが、これには限定されず、例えば筒状体内に断熱材を充填しない構成でもよい。
【0063】
また、例えば給水管が給水配管接続用の下部継手を有しない構成でもよく、つまり具体的には下部縦管の下端側を下方に延長してこの延長部分を下蓋に形成した管挿通用孔から筒状体外に突出させた構成でもよい。
【0064】
さらに、例えば筒状体と上部縦管との間に挿入されて当該上部縦管を保持する上部縦管保持体や、筒状体と下部縦管との間に挿入されて当該下部縦管を保持する下部縦管保持体等を有する構成でもよい。
【0065】
また、例えば中間継手保持体が中間継手とこれに接続された管部材(例えば上部縦管及び下部縦管の少なくともいずれか一方)とを同時に保持するようにしてもよい。
【0066】
さらに、別体の中間継手保持体を筒状体と中間継手との間に挿入する構成には限定されず、例えば中間継手保持体が筒状体の内面に一体的に設けられた構成や、中間継手保持体が中間継手の外面に一体的に設けられた構成等でもよい。
【0067】
また、水栓柱は、2口水栓柱には限定されず、例えば3つ以上の給水栓を取り付け可能な構成としてもよい。
【0068】
さらに、導水用装置等の管装置は、水栓柱(給水栓取付用の管装置)には限定されず、例えば水平方向に延びる管体(給水管)を横向きの柱状体(筒状体)内に収納した装置等でもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 管装置である水栓柱
2 給水栓である上部給水栓
3 給水栓である中間給水栓
6 柱状体である筒状体
7 管体である給水管
35 中間継手
63 中間継手保持体
76 認識手段