(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/20 20060101AFI20240710BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
B65H31/20
H04N1/00 567C
(21)【出願番号】P 2020198674
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】永井 竜一
(72)【発明者】
【氏名】海 貴之
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-121866(JP,A)
【文献】特開2011-236046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体排出方向と直交する幅方向の端部に案内部が設けられた収納部を有する筐体と、
前記収納部に引き出し可能に収納され、且つ、排出された媒体を載置する載置面を有するトレイと、
前記トレイの側面に設けられ、且つ、前記案内部と係合する係合部と、を有し、
前記案内部は、上方に向けて傾斜し、且つ、所定の幅を有する一対のレールを備え、
前記係合部は、前記一対のレールの間を摺動可能であり且つ所定の間隔を空けて配置された二つの突出部
と、前記一対のレールの間に配置され且つ前記二つの突出部を結合する結合部と、を有し、
前記二つの突出部が前記一対のレールの間に配置されることによって、前記トレイは、媒体排出方向の下流側の先端部を上方にして、前記筐体に対して所定の位置に位置決めさ
れ、
前記二つの突出部は、前記結合部より上方及び下方に突出している、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記突出部は、円形状又はオーバル形状を有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記案内部は、上方に向けて屈曲しており、
前記突出部は、前記載置面より上方に突出している、請求項
1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記一対のレールは、上方に向けて屈曲する屈曲部を含み、
前記突出部は、前記載置面より上方に突出している、請求項
1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記突出部は、円形状を有し、
前記突出部が前記載置面より突出するサイズhは、以下の式を満たすように定められる、
(t/2)+(w/2)×tan(θ/2)―(t/2)/cos(θ/2)≦h<(t/2)
ここで、tは前記二つの突出部の高さであり、wは前記二つの突出部の中心位置の間の距離であり、θは前記一対のレールが屈曲している角度である、請求項
4に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置に関し、特に、排出された媒体を載置するトレイを有する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、媒体を搬送させて撮像し、排出するスキャナ等の媒体搬送装置では、未使用時の装置サイズの小型化が望まれている。そのため、例えば、排出された媒体を載置するトレイを筐体の収納部から引き出し可能に設けておき、未使用時には収納部に収納するトレイ収納タイプの媒体搬送装置が利用されている。
【0003】
第1のトレイ及び第2のトレイを有し、第2のトレイの引き出しに連動して、第1のトレイをチルトアップさせて傾斜角度を大きくするシート積載装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、トレイが筐体の収納部から良好に引き出し可能に設けられていることが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、トレイが筐体の収納部から良好に引き出し可能な媒体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体排出方向と直交する幅方向の端部に案内部が設けられた収納部を有する筐体と、収納部に引き出し可能に収納され、且つ、排出された媒体を載置する載置面を有するトレイと、トレイの側面に設けられ、且つ、案内部と係合する係合部と、を有し、案内部は、上方に向けて傾斜し、且つ、所定の幅を有する一対のレールを備え、係合部は、一対のレールの間を摺動可能であり且つ所定の間隔を空けて配置された二つの突出部を有し、二つの突出部が一対のレールの間に配置されることによって、トレイは、媒体排出方向の下流側の先端部を上方にして、筐体に対して所定の位置に位置決めされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、媒体搬送装置において、トレイが筐体の収納部から良好に引き出されることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図3】媒体搬送装置100を側方から見た側面図である。
【
図4】第1排出トレイ105について説明するための模式図である。
【
図5A】第1排出トレイ105等について説明するための模式図である。
【
図5B】第1排出トレイ105等について説明するための模式図である。
【
図6A】第1排出トレイ105等について説明するための模式図である。
【
図6B】第1排出トレイ105等について説明するための模式図である。
【
図7】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図8】他の第1排出トレイ205について説明するための模式図である。
【
図9】他の収納部201bについて説明するための模式図である。
【
図10A】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図10B】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図11A】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図11B】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図12A】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図12B】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図13A】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図13B】第1排出トレイ205の動作について説明するための模式図である。
【
図14】第1突出部205f等のサイズについて説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0011】
図1、
図2は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図1は、排出台104が格納された状態の媒体搬送装置100を示し、
図2は、排出台104がセットされた状態の媒体搬送装置100を示す。
【0012】
媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像し、排出する。媒体は、用紙、厚紙、カード、冊子又はパスポート等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0013】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103及び排出台104等を備える。
図1、
図2において矢印A1は媒体排出方向を示す。以下では、上流とは媒体排出方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体排出方向A1の下流のことをいう。また、矢印A2は媒体排出方向A1と直交する幅方向を示す。また、矢印A3は排出台104の上面と直交する高さ方向を示す。
【0014】
下側筐体101及び上側筐体102は、筐体の一例である。上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、ヒンジにより下側筐体101に係合している。下側筐体101及び上側筐体102は、媒体を排出する排出口101aを有する。下側筐体101は、筐体の一例であり、排出台104を収納するための収納部101bを有する。
【0015】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。
【0016】
排出台104は、排出口101aの下方に設けられ、排出口101aから排出された媒体を載置するように、下側筐体101に取り付けられている。排出台104は、樹脂部材又は金属部材等により形成される。排出台104は、媒体搬送装置100が使用されないときには下側筐体101の収納部101bに収納され、媒体搬送装置100が使用されるときに下側筐体101から媒体排出方向A1に引き出され、排出口101aから排出された媒体を載置する。排出台104は、第1排出トレイ105、第2排出トレイ106、第3排出トレイ107、ストッパ108及びカバー109を有する。
【0017】
第1排出トレイ105は、トレイの一例であり、下側筐体101の収納部101bに引き出し可能に収納され、且つ、排出された媒体を載置する載置面105aを有する。第1排出トレイ105は、収納部101bから媒体排出方向A1に引き出し可能に設けられる。第1排出トレイ105は、使用されないときには収納部101bに収納され、使用されるときに収納部101bから引き出され、排出された媒体を載置する。
【0018】
第2排出トレイ106は、第1排出トレイ105内に引き出し可能に収納され、且つ、排出された媒体を載置する載置面106aを有する。第2排出トレイ106は、第1排出トレイ105から媒体排出方向A1に引き出し可能に設けられる。第2排出トレイ106は、使用されないときには第1排出トレイ105内部に収納され、使用されるときに第1排出トレイ105から引き出され、排出された媒体、特にサイズが大きい媒体を載置する。
【0019】
第3排出トレイ107は、第2排出トレイ106内に引き出し可能に収納され、且つ、排出された媒体を載置する載置面107aを有する。第3排出トレイ107は、第2排出トレイ106から媒体排出方向A1に引き出し可能に設けられる。第3排出トレイ107は、使用されないときには第2排出トレイ106内部に収納され、使用されるときに第2排出トレイ106から引き出され、排出された媒体、特にサイズがさらに大きい媒体を載置する。
【0020】
ストッパ108は、第3排出トレイ107に対して折り畳み可能に設けられ、起立した状態で、排出された媒体の先端を停止させ、各媒体の先端を規制する。
【0021】
カバー109は、下側筐体101内に収納された第1排出トレイ105、第2排出トレイ106、第3排出トレイ107及びストッパ108を覆うためのカバーである。カバー109は、第1排出トレイ105の媒体排出方向A1の下流側の先端部105bとともに収納部101bを覆い、収納部101bに埃等が進入することを防止する。
【0022】
図3は、媒体搬送装置100を側方から見た側面図である。
【0023】
図3に示すように、排出台104は、媒体排出方向A1の下流側の先端部が上方に位置するように、媒体搬送装置100が設置される設置面Hに対して傾けて配置される。第1排出トレイ105、第2排出トレイ106及び第3排出トレイ107は、略平面状に(側方から見た時に略直線状に)形成される。第1排出トレイ105、第2排出トレイ106及び第3排出トレイ107は、第1排出トレイ105、第2排出トレイ106及び第3排出トレイ107の順に、設置面Hに対する傾きが徐々に大きくなるように配置される。
【0024】
図4は、第1排出トレイ105について説明するための模式図である。
図4は、下側筐体101から取り外され、且つ、第2排出トレイ106、第3排出トレイ107及びストッパ108が収納された状態の第1排出トレイ105を示す。
【0025】
図4に示すように、第1排出トレイ105は、載置部105d及び二つの係合部105eを有する。載置部105dは、載置面105aを有し、排出される媒体を載置面105aに載置する。二つの係合部105eは、第1排出トレイ105の二つの側面105cに、即ち媒体排出方向と直交する幅方向A2の両端部に設けられる。係合部105eの数は一つでもよい。その場合、係合部105eは、第1排出トレイ105の一方の側面105cにのみ設けられる。各係合部105eは、第1突出部105f、第2突出部105g、結合部105h及び補助支持部105i等を有する。
【0026】
第1突出部105f及び第2突出部105gは、媒体排出方向A1において所定の間隔を空けて配置される。第1突出部105f及び第2突出部105gは、それぞれ高さ方向A3において、第1排出トレイ105の載置面105aより上方に突出している。第1突出部105f及び第2突出部105gは、それぞれ高さ方向A3において、第1排出トレイ105の下面より下方に突出していてもよい。また、第1突出部105f及び第2突出部105gは、幅方向A2において、載置面105aより外側に突出している。
【0027】
第1突出部105f及び第2突出部105gは、オーバル形状を有する。特に、第1突出部105f及び第2突出部105gは、媒体排出方向A1に延伸する二つの平行な辺と、二つの半円形とからなる形状を有する。なお、第1突出部105f及び第2突出部105gは、円形状、楕円形状、卵形状又は角丸長方形状等、曲線を有する任意の他の形状を有していてもよい。角丸長方形は、角に丸みを有する長方形である。また、第1突出部105f、第2突出部105g及び結合部105hは、全体としてひょうたん型の形状を有してもよい。
【0028】
結合部105hは、第1突出部105f及び第2突出部105gを結合するように設けられる。結合部105hは、幅方向A2において、載置面105aより外側に突出しており、第1突出部105f及び第2突出部105gと面一となるように形成されている。一方、結合部105hは、高さ方向A3において、第1排出トレイ105の載置面105aより上方に突出しておらず、且つ、第1排出トレイ105の下面より下方に突出していない。即ち、第1突出部105f及び第2突出部105gは、それぞれ高さ方向A3において、結合部105hより上方に且つ/又は下方に突出している。
【0029】
補助支持部105iは、第1突出部105f、結合部105h及び第2突出部105gより上流側に配置される。補助支持部105iは、幅方向A2において、載置面105aより外側に突出しており、第1突出部105f、結合部105h及び第2突出部105gと面一となるように形成されている。一方、補助支持部105iは、高さ方向A3において、第1排出トレイ105の載置面105aより上方に突出しておらず、且つ、第1排出トレイ105の下面より下方に突出していない。即ち、第1突出部105f及び第2突出部105gは、それぞれ高さ方向A3において、補助支持部105iより上方に且つ/又は下方に突出している。
【0030】
図5A、
図5B、
図6A及び
図6Bは、第1排出トレイ105及び収納部101bについて説明するための模式図である。
図5A、
図5B、
図6A及び
図6Bは、媒体排出方向A1及び高さ方向A3と平行な断面で切断した収納部101bの断面図である。
図5Aは、第1排出トレイ105が収納された収納部101bの断面図である。
図5Bは、第1排出トレイ105がわずかに引き出された収納部101bの断面図である。
図6Aは、第1排出トレイ105が、
図5Bの状態からさらに引き出された収納部101bの断面図である。
図6Bは、第1排出トレイ105が完全に引き出された収納部101bの断面図である。
【0031】
図5A、
図5B、
図6A及び
図6Bに示すように、収納部101bには、媒体排出方向と直交する幅方向A2の端部に、特に媒体排出方向と直交する幅方向A2の両端部に設けられた側面の内側に、案内部101cが設けられる。案内部101cは、第1排出トレイ105の側面105cに設けられた係合部105eと対向するように配置される。なお、第1排出トレイ105に設けられる係合部105eの数が一つである場合、案内部101cは、その一つの係合部105eと対向する側面にのみ設けられる。案内部101cは、一対の第1レール101d、一対の第2レール101e及び一対の第3レール101fを備える。
【0032】
一対の第1レール101dは、媒体排出方向A1において案内部101cの上流側の端部に設けられる。一対の第1レール101dは、媒体搬送装置100の設置面と略平行に延伸し、且つ、所定の幅を有する。所定の幅は、第1排出トレイ105に設けられた第1突出部105f及び第2突出部105gの高さ方向A3のサイズと略同一サイズである。
【0033】
一対の第2レール101eは、媒体排出方向A1において第1レール101dより下流側に設けられる。一対の第2レール101eの下側のレール部分は、下方に凹むように形成されており、一対の第2レール101eは、一対の第1レール101dが有する所定の幅より大きい幅を有する。
【0034】
一対の第3レール101fは、一対のレールの一例であり、媒体排出方向A1において第2レール101eより下流側に、特に案内部101cの下流側の端部に設けられる。一対の第3レール101fは、下流側の端部が上方に位置するように、上方に向けて傾斜し、且つ、第1レール101dが有する所定の幅と同一サイズの幅を有する。
【0035】
このように、第1レール101dが媒体搬送装置100の設置面と略平行に延伸し、第3レール101fが上方に向けて傾斜しているため、案内部101cは、上方に向けて屈曲している。
【0036】
上記したように、一対の第1レール101d及び一対の第3レール101fの幅は、係合部105eの第1突出部105f及び第2突出部105gの高さ方向A3のサイズと略同一サイズである。そのため、係合部105eは、案内部101cの一対の第1レール101d及び一対の第3レール101fと係合する。また、係合部105eは、一対の第1レール101d及び一対の第3レール101fの間を摺動可能である。
【0037】
以下、第1排出トレイ105の引き出し動作について説明する。
【0038】
図5Aに示すように、第1排出トレイ105が収納部101bに収納されている場合、第1排出トレイ105の係合部105eのうち、第2突出部105gが一対の第1レール101dの間に配置され、一対の第1レール101dによって挟持される。また、この場合、第2突出部105gより上流側に設けられた第1突出部105fの上端と、第2突出部105gより下流側に設けられた補助支持部105iの上面の一部とが、案内部101cの上面と当接する。これにより、第1排出トレイ105は、下側筐体101に対して所定の収納位置に位置決めされる。
【0039】
図5Bに示すように、第1排出トレイ105が収納部101bからわずかに引き出された場合、第1突出部105f及び第2突出部105gが、媒体搬送装置100の設置面と略平行に延伸する第1レール101dに沿って摺動する。これにより、第1排出トレイ105は、媒体搬送装置100の設置面と略平行にスライド移動する。
【0040】
図6Aに示すように、第1排出トレイ105が収納部101bからさらに引き出された場合、上流側に配置された第1突出部105fが、下方に凹むように形成された第2レール101eの下側のレール部分に沿って摺動する。これにより、第1排出トレイ105は、媒体排出方向A1の下流側の先端部105bが上方に位置するように傾く。
【0041】
図6Bに示すように、第1排出トレイ105が収納部101bから完全に引き出された場合、第2突出部105g及び第1突出部105fが、一対の第3レール101fの間に配置され、一対の第3レール101fによって挟持される。これにより、第1排出トレイ105は、媒体排出方向A1の下流側の先端部105bを上方にして、下側筐体101に対して所定のセット位置に位置決めされる。
【0042】
上記したように、第1突出部105f及び第2突出部105gは、二つの平行な辺と、二つの半円形とからなる形状を有する。第1突出部105f及び第2突出部105gは、角に丸みを有することにより、収納部101bから引き出される際に、案内部101c内の屈曲した位置と当接した場合でも、スムーズに方向を変更することができる。また、第1突出部105f及び第2突出部105gが二つの平行な辺を有しているため、第1突出部105f及び第2突出部105gと案内部101c内のレールとの接触面は大きい。そのため、第1突出部105f及び第2突出部105gは、一対の第1レール101d又は一対の第3レール101fに安定して挟持される。
【0043】
また、第1突出部105fと第2突出部105gの間に結合部105hが設けられることにより、媒体搬送装置100は、第1突出部105f及び第2突出部105gの強度を高めることができる。これにより、第1突出部105f及び第2突出部105gは一対の第1レール101d又は一対の第3レール101fに安定して挟持され、係合部105eの破損の発生が抑制される。
【0044】
また、案内部101cに沿って摺動する第1突出部105f及び第2突出部105gは、相互に間隔を空けて配置されるため、第1突出部105fと第2突出部105gの間には凹みが設けられる。そのため、第1排出トレイ105は、収納部101b内でゆとりをもって向きを変更できる。特に、媒体搬送装置100では、第1突出部105fと第2突出部105gの上端に対して凹みが設けられるため、第1排出トレイ105は、収納部101b内でゆとりをもって上方に向きを変更できる。したがって、媒体搬送装置100では、収納部101b及び案内部101cの形状の自由度が高くなり、開発者は、収納部101b及び案内部101cを容易に設計することが可能となり、媒体搬送装置100の開発工数を低減することが可能となる。
【0045】
なお、係合部105eの第1突出部105f及び第2突出部105gが載置面105a又は結合部105hの上面より突出するサイズは、上方に向けて屈曲する案内部101cの形状に基づいて定められる。第1突出部105f及び第2突出部105gが突出するサイズが小さすぎると、案内部101cが屈曲する位置において、結合部105hが案内部101cとぶつかってしまい、第1排出トレイ105が方向を変更できない可能性がある。一方、第1突出部105f及び第2突出部105gが突出するサイズが大きすぎると、案内部101cのサイズを大きくする必要があり、媒体搬送装置100のサイズが大きくなる。第1突出部105f及び第2突出部105gが載置面105a又は結合部105hの上面より突出するサイズは、第1排出トレイ105が引き出される際に載置面105a又は結合部105hが案内部101cに当接しないように定められる。
【0046】
また、第1突出部105f及び第2突出部105gの中心位置の間の距離は、第1排出トレイ105の材質(硬さ)、重量及び/又は第1突出部105f及び第2突出部105gの配置位置等に基づいて定められる。係合部105eの第1突出部105f及び第2突出部105gの中心位置の間の距離が大きすぎると、案内部101cが屈曲する位置において、結合部105hが案内部101cとぶつかってしまい、第1排出トレイ105が方向を変更できない可能性がある。一方、係合部105eの第1突出部105f及び第2突出部105gの中心位置の間の距離が小さすぎると、係合部105eが第1排出トレイ105を支持できなくなり、係合部105eが損傷する可能性がある。第1突出部105f及び第2突出部105gの中心位置の間の距離は、係合部105eが第1排出トレイ105を良好に支持可能な長さに定められる。
【0047】
なお、係合部105eは、少なくとも第1突出部105f及び第2突出部105gを有していればよく、結合部105h及び/又は補助支持部105iは省略されてもよい。
【0048】
図7は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0049】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、給送ローラ111、ブレーキローラ112、第1搬送ローラ113、第2搬送ローラ114、第1撮像装置115a、第2撮像装置115b、第1排出ローラ116及び第2排出ローラ117等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド110aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド110bを形成する。
【0050】
第1撮像装置115aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置115aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置115aは、不図示の処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の表面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0051】
同様に、第2撮像装置115bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置115bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置115bは、処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の裏面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0052】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0053】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ111が
図7の矢印A11の方向に回転することによって、下側ガイド110aと上側ガイド110bの間を媒体排出方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ112は、媒体搬送時、矢印A12の方向に回転する。給送ローラ111及びブレーキローラ112の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ111と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0054】
媒体は、下側ガイド110aと上側ガイド110bによりガイドされながら、第1搬送ローラ113と第2搬送ローラ114の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ113及び第2搬送ローラ114がそれぞれ矢印A13及び矢印A14の方向に回転することによって、第1撮像装置115aと第2撮像装置115bの間に送り込まれ、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bにより読み取られる。第1排出ローラ116及び第2排出ローラ117は、それぞれ矢印A15及び矢印A16の方向に回転することによって媒体を排出台104上に排出する。排出台104は、第1排出ローラ116及び第2排出ローラ117によって排出された媒体を載置する。
【0055】
以上詳述したように、媒体搬送装置100では、下側筐体101の案内部101cと係合する第1排出トレイ105の係合部105eに、案内部101cが備える第3レール101fの間を摺動可能な第1突出部105f及び第2突出部105gが配置される。また、第1突出部105f及び第2突出部105gは、相互に間隔を空けて配置される。そのため、第3レール101fに沿って摺動する第1突出部105fと第2突出部105gの間に凹みが設けられ、第1排出トレイ105は、収納部101bから引き出される際に、収納部101b内でゆとりをもって向きを変更できる。したがって、媒体搬送装置100において、第1排出トレイ105が下側筐体101の収納部101bから良好に引き出されることが可能となった。
【0056】
一般に、媒体搬送装置の排出台は、媒体の整列性を高めるために、屈曲した形状を有し、且つ/又は、大きく傾斜するように配置される。そのような排出台を筐体内に収納可能にする場合、収納部のスペースを大きくする必要があるため、媒体搬送装置の装置サイズが増大する。媒体搬送装置100では、排出台104が、収納部101bから引き出される際に、収納部101b内でゆとりをもって向きを変更できる。そのため、媒体搬送装置100は、装置サイズの増大を抑制しつつ、媒体の整列性を向上させること、及び、排出台104を筐体内に収納することを両立させることが可能となった。
【0057】
図8は、他の実施形態に係る媒体搬送装置の第1排出トレイ205について説明するための模式図である。
図8は、下側筐体101から取り外しされ、且つ、第2排出トレイ、第3排出トレイ及びストッパが取り外された状態の第1排出トレイ205を示す。
【0058】
第1排出トレイ205は、媒体搬送装置100の第1排出トレイ105の代わりに使用される。
図8に示すように、第1排出トレイ205は、載置部205d及び二つの係合部205eを有する。載置部205dは、載置面205aを有し、排出される媒体を載置面205aに載置する。二つの係合部205eは、第1排出トレイ205の二つの側面205cに、即ち媒体排出方向と直交する幅方向A2の両端部に設けられる。係合部205eの数は一つでもよい。各係合部205eは、第1突出部205f、第2突出部205g及び結合部205h等を有する。
【0059】
第1突出部205f及び第2突出部205gは、媒体排出方向A1において所定の間隔を空けて配置される。第1突出部205f及び第2突出部205gは、それぞれ高さ方向A3において、第1排出トレイ205の載置面205aより上方に突出している。第1突出部205f及び第2突出部205gは、それぞれ高さ方向A3において、第1排出トレイ205の下面より下方にも突出してもよい。また、第1突出部205f及び第2突出部205gは、幅方向A2において、載置面205aより外側に突出している。第1突出部205f及び第2突出部205gは、オーバル形状、特に円形状を有する。
【0060】
結合部205hは、第1突出部205f及び第2突出部205gを結合するように設けられる。結合部205hは、幅方向A2において、載置面205aより外側に突出しており、第1突出部205f及び第2突出部205gと面一となるように形成されている。一方、結合部205hは、高さ方向A3において、第1排出トレイ205の載置面205aより上方に突出しておらず、且つ、第1排出トレイ205の下面より下方に突出していない。即ち、第1突出部205f及び第2突出部205gは、それぞれ高さ方向A3において、結合部205hより上方に且つ/又は下方に突出している。
【0061】
図9は、本実施形態に係る媒体搬送装置の収納部201bについて説明するための模式図である。
図9は、第1排出トレイ205が取り外された状態の収納部201bを示す。
【0062】
収納部201bは、媒体搬送装置100の収納部101bの代わりに使用される。
図9に示すように、媒体搬送装置100の収納部101bと同様に、収納部201bには、媒体排出方向と直交する幅方向A2の端部に案内部201cが設けられる。案内部201cは、第1排出トレイ205の側面205cに設けられた係合部205eと対向するように配置される。案内部201cは、一対の第1レール201dを備える。
【0063】
一対の第1レール201dは、一対のレールの一例であり、媒体排出方向A1において案内部201cの上流側の端部から下流側の端部にわたって設けられる。一対の第1レール201dは、上方に向けて屈曲する屈曲部201gを含む。一対の第1レール201dは、屈曲部201gより上流側において媒体搬送装置の設置面と略平行に延伸し、且つ、屈曲部201gより下流側において下流側の端部が上方に位置するように上方に向けて傾斜している。一対の第1レール201dは、媒体排出方向A1において案内部201cの上流側の端部から下流側の端部にわたって所定の幅を有する。所定の幅は、第1排出トレイ205に設けられた第1突出部205f及び第2突出部205gの高さ方向A3のサイズと略同一サイズである。これにより、係合部205eは、案内部201cの一対の第1レール201dと係合し、且つ、一対の第1レール201dの間を摺動可能である。
【0064】
【0065】
図10A及び
図10Bは、第1排出トレイ205が収納された収納部201bの断面図である。
図10A及び
図10Bに示すように、第1排出トレイ205が収納部201bに収納されている場合、係合部205eのうち、第1突出部205f及び第2突出部205gが一対の第1レール201dの間に配置され、一対の第1レール201dによって挟持される。
【0066】
図11A及び
図11Bは、第1排出トレイ205がわずかに引き出された収納部201bの断面図である。
図11A及び
図11Bに示すように、第2突出部205g及び第1突出部205fは、屈曲部201gを通過するまで、第1レール201dの、媒体搬送装置の設置面と略平行に延伸する部分に沿って摺動する。これにより、第1排出トレイ205は、媒体搬送装置の設置面と略平行にスライド移動する。
【0067】
図12A及び
図12Bは、第1排出トレイ205が、
図11A及び
図11Bの状態からさらに引き出された収納部201bの断面図である。
図12A及び
図12Bは、上流側に配置された第2突出部205gが屈曲部201gを通過し、下流側に配置された第1突出部205fが屈曲部201gをまだ通過していない状態を示す。
図12A及び
図12Bに示す状態では、第1突出部205fは、第1レール201dの、媒体搬送装置の設置面と略平行に延伸する部分に沿って摺動し、第2突出部205gは、第1レール201dの、上方に向けて傾斜している部分に沿って摺動する。これにより、第1排出トレイ205は、媒体排出方向A1の下流側の先端部205bが上方に位置するように傾く。
【0068】
媒体搬送装置100の第1突出部105f及び第2突出部105gと同様に、案内部201cに沿って摺動する第1突出部205f及び第2突出部205gは相互に間隔を空けて配置されるため、第1突出部205fと第2突出部205gの間には凹みが設けられる。そのため、第1排出トレイ205の係合部205eは、第1レール201dの屈曲部201gに接触することなく、第1排出トレイ205は、良好に向きを変更することができる。特に、係合部205eでは、第1突出部205fと第2突出部205gの上端に対して凹みが設けられるため、第1排出トレイ205は、上方に向けて屈曲する屈曲部201gにおいて、上方に向きを変更できる。
【0069】
図13A及び
図13Bは、第1排出トレイ205が完全に引き出された収納部201bの断面図である。
図13A及び
図13Bに示すように、第1排出トレイ205が収納部201bから完全に引き出された場合、第2突出部205g及び第1突出部205fが、一対の第1レール201dの傾斜している部分に配置され、一対の第1レール201dによって挟持される。これにより、第1排出トレイ205は、媒体排出方向A1の下流側の先端部205bを上方にして、下側筐体101に対して所定のセット位置に位置決めされる。
【0070】
上記したように、第1突出部205f及び第2突出部205gは、円形状を有する。これにより、第1突出部205f及び第2突出部205gは、収納部201bから引き出される際に、案内部201c内の屈曲した位置と当接した場合でも、スムーズに方向を変更することができる。
【0071】
また、第1突出部205fと第2突出部205gの間に結合部205hが設けられることにより、媒体搬送装置は、第1突出部205f及び第2突出部205gの強度を高めることができる。これにより、第1突出部205f及び第2突出部205gは一対の第1レール201dに安定して挟持され、係合部205eの破損の発生が抑制される。
【0072】
なお、係合部205eは、少なくとも第1突出部205f及び第2突出部205gを有していればよく、結合部205hは省略されてもよい。
【0073】
図14は、第1突出部205f及び第2突出部205gのサイズについて説明するための模式図である。
図14は、第1排出トレイ205及び第1レール201dを側方から見た模式図である。
図14に示す例では、結合部205hの上面は、載置部205dの載置面205aと面一であるものとする。
図14は、結合部205hの上面上の、第1排出トレイ205の延伸方向における第1突出部205fと第2突出部205gの中心位置が、上側の屈曲部201gの頂点と当接している状態を示す。即ち、
図14では、第1排出トレイ205を側方から見た時に、載置面205a上の、第1排出トレイ205の延伸方向における第1突出部205fと第2突出部205gの中心位置Aが、上側の屈曲部201gの頂点と同一位置に配置されている。
【0074】
図14に示すように、載置面205a上の中心位置Aが上側の屈曲部201gの頂点と同一位置に配置されている場合、その中心位置Aより上流側及び下流側において、載置面205aと、上側の第1レール201dの下面とがそれぞれなす角度は等しい。したがって、一対の第1レール201dが屈曲している角度をθとすると、中心位置Aより上流側及び下流側において、載置面205aと、上側の第1レール201dの下面とがそれぞれなす角度は(θ/2)となる。
【0075】
第2突出部205gの中心B、第2突出部205gと上側の第1レール201dの接点C、及び、中心Bから第1排出トレイ205の高さ方向に延伸する直線と上側の第1レール201dとが交わる交点Dを頂点とする三角形について、以下の式(1)が成り立つ。
cos(θ/2)=(t/2)/β (1)
ここで、θは、一対の第1レール201dが屈曲している角度である。tは、第1排出トレイ205の高さ方向における第1突出部205f及び第2突出部205gの高さ(直径)である。βは、第1排出トレイ205の高さ方向における、第2突出部205gの中心Bと、中心Bから第1排出トレイ205の高さ方向に延伸する直線と上側の第1レール201dとが交わる交点Dとの間の距離である。
【0076】
また、上記した中心位置A、交点D、及び、第2突出部205gの中心Bから第1排出トレイ205の高さ方向に延伸する直線と載置面205aとが交わる交点Eを頂点とする三角形について、以下の式(2)が成り立つ。
tan(θ/2)=α/(w/2) (2)
ここで、αは、第1排出トレイ205の高さ方向における、載置面205aと、上記した交点Dとの間の距離である。wは、第1排出トレイ205の延伸方向における第1突出部205fと第2突出部205gの中心位置の間の距離である。
【0077】
また、結合部205hの上面と面一に設けられた載置面205aが上側の屈曲部201gの頂点より上方に配置されないように、第1突出部205f及び第2突出部205gが載置面205aより突出するサイズhについて、以下の式(3)が成り立つ。
h≧α-{β-(t/2)} (3)
【0078】
また、係合部205eが第1排出トレイ205を良好に支持するためには、第1排出トレイ205の高さ方向において、第1突出部205f及び第2突出部205gの中心位置は、載置部205dの中心位置と同一位置に配置されることが好ましい。この場合、第1突出部205f及び第2突出部205gが載置面205aより突出するサイズhは、第1突出部205f及び第2突出部205gの高さtの1/2以上にはならないため、以下の式(4)が成り立つ。
h<(t/2) (4)
【0079】
上記式(1)~(4)より、第1突出部205f及び第2突出部205gが載置面205aより突出するサイズhは、以下の式(5)を満たすように定められる。
(t/2)+(w/2)×tan(θ/2)―(t/2)/cos(θ/2)≦h<(t/2) (5)
【0080】
なお、距離wは、上記したように、第1排出トレイ205の材質(硬さ)、重量及び/又は第1突出部205f及び第2突出部205gの配置位置等に基づいて定められる。係合部205eが第1排出トレイ205を良好に支持できるように、距離wは、例えば8mm以上且つ20mm以下であることが好ましい。例えば、角度θが5°であり、高さtが5.3mmであり、距離wが12mmである場合、サイズhは、0.3mm以上且つ2.7mm未満に定められる。
【0081】
上記式(5)を満たすように第1突出部205f及び第2突出部205gが設けられることにより、結合部205hが屈曲部201gにぶつかって、第1排出トレイ205が引き出されなくなることが防止される。
【0082】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、収納部201b及び第1排出トレイ205を用いる場合も、第1排出トレイ205が収納部201bから良好に引き出されることが可能となった。
【符号の説明】
【0083】
100 媒体搬送装置、101 下側筐体、101b、201b 収納部、101c、201c 案内部、101d、201d 第1レール、101f 第3レール、105、205 第1排出トレイ、105a、205a 載置面、105c、205c 側面、105e、205e 係合部、105f、205f 第1突出部、105g、205g 第2突出部、105h、205h 結合部、201g 屈曲部