(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/10 20060101AFI20240710BHJP
H01L 25/11 20060101ALI20240710BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240710BHJP
【FI】
H01L25/14 Z
(21)【出願番号】P 2021043577
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-015350(JP,A)
【文献】特開2003-273319(JP,A)
【文献】特開2020-092176(JP,A)
【文献】米国特許第08686569(US,B2)
【文献】米国特許第10121737(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2009/0018291(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02822032(EP,A2)
【文献】特開2014-130894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体部と、前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、前記半導体部の前記裏面とは反対側の表面上に設けられた第2電極と、前記半導体部の前記表面上に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する制御電極と、をそれぞれ含み、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に並ぶ複数の半導体素子であって、前記第1方向において隣り合う半導体素子の間において、前記第2電極と別の第1電極とを電気的に接続することにより直列接続され、前記直列接続の一方の端に設けられる第1半導体素子と、他方の端に設けられる第2半導体素子と、を含む複数の半導体素子と、
前記第1方向に並んだ前記複数の半導体素子を封じ、前記第1半導体素子に向き合う第1表面と、前記第2半導体素子に向き合う第2表面と、を有し、前記第1表面および前記第2表面は、前記第1方向と交差する絶縁部材と、
前記第1半導体素子の前記第1電極に電気的に接続された第1端子と、
前記第2半導体素子の前記第2電極に電気的に接続され、前記絶縁部材の前記第1表面および前記第2表面のいずれか一方に設けられた第2端子と、
前記複数の半導体素子の前記制御電極にそれぞれ電気的に接続され、前記絶縁部材の前記第1表面および前記第2表面のうちの前記一方に相互に離間して設けられ、前記第2端子から離間した複数の制御端子と、
を備え、
前記複数の半導体素子のうちの1つは、前記半導体部の前記表面に沿った第2方向に並ぶ前記第2電極および前記制御電極を含み、
前記複数の半導体素子のうちの前記1つの上に設けられる別の1つは、前記半導体部の前記表面に沿った第3方向であって、前記第2方向に直交する前記第3方向に並ぶ前記第2電極および前記制御電極を含む半導体装置。
【請求項2】
前記半導体素子は、MOSトランジスタであり、
前記第1半導体素子の前記第1電極は、ドレイン電極であり、
前記第2半導体素子の前記第2電極は、ソース電極である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1端子は、前記絶縁部材の前記第2表面においても露出して設けられ、前記第2表面において前記第2端子および前記複数の制御端子から離間した請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の半導体素子は、前記第1方向に積層され、
前記絶縁部材は、前記第1方向に積層された前記複数の半導体素子を覆う請求項1~
3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の半導体素子のそれぞれは、前記第1電極と前記第2電極との間における略同一の容量を有する請求項1~
4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体素子を直列接続することにより、高耐圧の半導体装置を実現できる。しかしながら、複数の半導体素子を平面配置すると、回路基板上の半導体装置の実装面積が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、実装面積を縮小できる高耐圧の半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、複数の半導体素子と、絶縁部材と、第1端子と、第2端子と、複数の制御端子と、を備える。前記複数の半導体素子は、半導体部と、前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、前記半導体部の前記裏面とは反対側の表面上に設けられた第2電極と、前記半導体部の前記表面上に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する制御電極と、をそれぞれ含み、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に並ぶ。前記複数の半導体素子は、前記第1方向において隣り合う半導体素子の間において、前記第2電極と別の第1電極とを電気的に接続することにより直列接続され、前記直列接続の一方の端に設けられる第1半導体素子と、他方の端に設けられる第2半導体素子と、を含む。前記絶縁部材は、前記第1方向に並んだ前記複数の半導体素子を封じ、前記第1半導体素子に向き合う第1表面と、前記第2半導体素子に向き合う第2表面と、を有し、前記第1表面および前記第2表面は、前記第1方向と交差する。前記第1端子は、前記第1半導体素子の前記第1電極に電気的に接続される。前記第2端子は、前記第2半導体素子の前記第2電極に電気的に接続され、前記絶縁部材の前記第1表面および前記第2表面のいずれか一方に設けられる。前記複数の制御端子は、前記複数の半導体素子の前記制御電極にそれぞれ電気的に接続され、前記絶縁部材の前記第1表面および前記第2表面のうちの前記一方に相互に離間して設けられ、前記第2端子から離間する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体素子を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図5】第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造過程を示す模式断面図である。
【
図6】
図5に続く製造過程を示す模式断面図である。
【
図7】
図6に続く製造過程を示す模式断面図である。
【
図8】
図7に続く製造過程を示す模式断面図である。
【
図9】第1実施形態に係る半導体装置の配線を示す模式図である。
【
図10】第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図11】第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造過程を示す模式断面図である。
【
図15】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図16】第2実施形態に係る半導体装置を示す別の模式図である。
【
図17】第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図18】第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す別の模式図である。
【
図19】第2実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図20】第2実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。
図2(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体素子Trを示す模式図である。
【0010】
図1に示すように、半導体装置1は、複数の半導体素子Tr1~Tr4と、絶縁部材IMと、第1端子DTと、第2端子STと、制御端子GT1と、を備える。半導体素子Trは、例えば、MOSトランジスタである。以下、半導体素子Tr1~Tr4のそれぞれを半導体素子Trとして説明する場合がある。
【0011】
図2(a)および(b)に示すように、半導体素子Trは、半導体部SP、第1電極DE、第2電極SE、制御電極GE、制御配線GWおよび制御パッドGPを有する。
【0012】
半導体部SPは、例えば、シリコンである。半導体部SPは、例えば、裏面BSと、表面FSと、を有する。第1電極DEは、例えば、ドレイン電極であり、半導体部SPの裏面BS上に設けられる。第2電極SEは、例えば、ソース電極であり、半導体部SPの表面FS上に設けられる。第1電極DEおよび第2電極SEは、例えば、銅を含む金属層である。
【0013】
半導体部SPは、表面FS側に設けられたトレンチTRを有し、制御電極GEは、例えば、トレンチTRの内部に設けられる。制御電極GEは、例えば、ゲート電極であり、第1電極DEと第2電極SEとの間に流れる電流を制御する。制御電極GEは、例えば、導電性を有するポリシリコンである。制御電極GEは、半導体部SPと第2電極SEとの間に設けられる。制御電極GEは、例えば、ゲート絶縁膜21により半導体部SPから電気的に絶縁される。また、制御電極GEは、例えば、層間絶縁膜23により第2電極SEから電気的に絶縁される。
【0014】
半導体部SPは、例えば、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層13と、第1導電形の第3半導体層15と、第2導電形の第4半導体層17と、を含む。例えば、第1導電形は、n形であり、第2導電形は、p形である。
【0015】
第1半導体層11は、例えば、n形ドリフト層である。第1半導体層11は、第1電極DEと第2電極SEとの間に延在する。トレンチTRは、例えば、半導体部SPの表面FSから第1半導体層11に至る深さを有する。制御電極GEは、例えば、ゲート絶縁膜21を介して、第1半導体層11に向き合う。
【0016】
第2半導体層13は、例えば、p形拡散層である。第2半導体層13は、第1半導体層11と第2電極SEとの間に設けられる。制御電極GEは、複数設けられ、第2半導体層13は、隣り合う制御電極GEの間に設けられる。第2半導体層13は、例えば、ゲート絶縁膜21を介して、制御電極GEに向き合う。
【0017】
第3半導体層15は、例えば、n形ソース層である。第3半導体層15は、第2半導体層13と第2電極SEとの間に設けられる。第2半導体層13は、第2電極SEに電気的に接続される。
【0018】
第4半導体層17は、例えば、p形コンタクト層である。第4半導体層17は、例えば、第2半導体層13と第2電極SEとの間に設けられる。第4半導体層17は、第2半導体層13の第2導電形不純物の濃度よりも高濃度の第2導電形不純物を含む。
【0019】
半導体部SPは、隣り合う制御電極GEの間に設けられたコンタクトトレンチCTを有し、第2電極SEは、コンタクトトレンチCTの内部に延在する部分を有する。第2電極SEは、コンタクトトレンチCTの内部に露出された第3半導体層15および第4半導体層17に電気的に接続される。第2半導体層13は、第4半導体層17を介して、第2電極SEに電気的に接続される。
【0020】
制御配線GWおよび制御パッドGPは、半導体部SPの表面FS上に設けられる。制御配線GWおよび制御パッドGPは、例えば、半導体部SPの表面FSを覆うパッシベーション膜25により、半導体部SPから電気的に絶縁される。制御配線GWおよび制御パッドGPは、第2電極SEから離間して設けられる。制御配線GWおよび制御パッドGPは、例えば、銅を含む金属層である。
【0021】
図2(b)に示すように、制御配線GWは、制御電極GEに電気的に接続される。制御配線GWは、制御パッドGPに接続され、制御パッドGPは、制御配線GWを介して、制御電極GEに電気的に接続される。
【0022】
図1に示すように、複数の半導体素子Tr1~Tr4は、例えば、第1電極DEから第2電極SEに向かう第1方向(Z方向)に並ぶ。複数の半導体素子Tr1~Tr4は、隣り合う半導体素子Trの間において、一方の第2電極SEと、他方の第1電極DEと、を電気的に接続する。複数の半導体素子Tr1~Tr4は、直列接続される。
【0023】
半導体素子Tr1の第2電極SE1は、例えば、中間配線MI1を介して半導体素子Tr2の第1電極DE2に電気的に接続される。
【0024】
半導体素子Tr2の第2電極SE2は、例えば、中間配線MI2を介して半導体素子Tr3の第1電極DE3に電気的に接続される。
【0025】
半導体素子Tr3の第2電極SE3は、例えば、中間配線MI3を介して半導体素子Tr4の第2電極DE4に電気的に接続される。
【0026】
半導体装置1は、制御端子GT2~GT4および制御配線GI1~GI4をさらに備える(
図3(a)~(c)参照)。
【0027】
半導体素子Tr1は、半導体素子Tr1~Tr4の直列接続の一方の端に位置する。半導体素子Tr1の第1電極DE1は、第1端子DTに電気的に接続される。第1端子DTは、例えば、半導体装置1のドレイン端子である。
【0028】
半導体素子Tr4は、半導体素子Tr1~Tr4の直列接続の他方の端に位置する。半導体素子Tr4の第2電極SE4は、例えば、中間配線MI4を介して、第2端子STに電気的に接続される。第2端子STは、例えば、半導体装置1のソース端子である。
【0029】
半導体素子Tr1~Tr4は、例えば、絶縁部材IM中に封じられる。絶縁部材IMは、例えば、エポキシ樹脂を含む。絶縁部材IMは、例えば、Z方向と交差する、第1表面S1および第2表面S2を含む。第1表面S1は、第2表面S2の反対側に位置し、第1端子DTは、例えば、第1表面S1上に設けられる。第2端子STおよび制御端子GT1は、例えば、第2表面S2上に、相互に離間して設けられる。
【0030】
複数の制御配線GI1~GI4は、絶縁部材IM中に設けられる。制御配線GI1~GI4は、半導体素子Tr1~Tr4の制御パッドGP1~GP4にそれぞれ電気的に接続される。
【0031】
制御配線GI1は、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。また、制御配線GI1は、コンタクトプラグGL1を介して、制御端子GT1に電気的に接続される。
【0032】
図3(a)~(c)は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。
図3(a)は、絶縁部材IMの第2表面S2を示す模式平面図である。
図3(b)は、
図3(a)中に示すA-A線に沿った断面図である。
なお、
図1は、
図3(a)中に示すB-B線に沿った断面図である。
図3(c)は、絶縁部材IMの第1表面S1を示す模式平面図である。
【0033】
図3(a)に示すように、第2端子STおよび複数の制御端子GT1~GT4が絶縁部材IMの第2表面S2上に設けられる。第2端子STは、複数の制御端子GT1~GT4から離間して設けられる。複数の制御端子GT1~GT4は、相互に離間して設けられる。
【0034】
図3(b)に示すように、制御端子GT1は、コンタクトプラグGL1を介して、制御配線GI1に電気的に接続される。制御端子GT2は、コンタクトプラグGL2を介して、制御配線GI2に電気的に接続される。制御端子GT3は、コンタクトプラグGL3を介して、制御配線GI3に電気的に接続される。制御端子GT4は、コンタクトプラグGL4を介して、制御配線GI4に電気的に接続される。
【0035】
図3(c)に示すように、第1端子DTは、絶縁部材IMの第1表面S1上に設けられる。
【0036】
図4(a)および(b)は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置2を示す模式図である。
図4(a)は、半導体装置2の構造を示す断面図である。
図4(b)は、絶縁部材IMの第2表面S2を示す模式図である。
【0037】
図4(a)に示すように、半導体装置2は、Z方向に並ぶ複数の半導体素子Tr1~Tr4を含む。半導体素子Tr1~Tr4は、絶縁部材IM中に封じられ、中間配線MI1~MI3を介して直列接続される。
【0038】
半導体装置2は、中間配線MI0をさらに備える。中間配線MI0は、絶縁部材IMの第1表面S1上に設けられる。半導体素子Tr1は、半導体素子Tr1~Tr4の直列接続の一方の端に位置し、中間配線MI0に電気的に接続される。
【0039】
図4(b)に示すように、第1端子DT、第2端子STおよび複数の制御端子GT1~GT4は、絶縁部材IMの第2表面S2上に設けられる。
【0040】
第1端子DTは、絶縁部材IM中に延在するコンタクトプラグDPを介して、中間配線MI0に電気的に接続される(
図4(a)参照)。第1端子DTは、コンタクトプラグDPおよび中間配線MI0を介して、半導体素子Tr1に電気的に接続される。
【0041】
第2端子STは、中間配線MI4を介して、半導体素子Tr4に電気的に接続される。半導体素子Tr4は、複数の半導体素子Tr1~Tr4の直列接続の他方の端に位置する。
【0042】
複数の制御端子GT1~GT4は、コンタクトプラグGL1~GL4および制御配線GI1~GI4を介して、半導体素子Tr1~Tr4の制御パッドGP1~GP4にそれぞれ電気的に接続される(
図3(b)参照)。
【0043】
次に、
図5(a)~
図8(b)を参照して、第1実施形態の第1変形例に係る半導
体装置2の製造方法を説明する。
図5(a)~
図8(b)は、半導体装置2の製造過程を示す模式断面図である。なお、半導体装置1も同様の製造過程を通して製作される。
【0044】
図5(a)に示すように、第1絶縁部材IM1を準備する。第1絶縁部材IM1は、Z方向と交差する表面およびその裏面を有する。また、第2絶縁部材IM2~第4絶縁部材IM4および他の構成要素についても同様である。
【0045】
第1絶縁部材IM1は、その裏面上に設けられた金属層31を有する。第1絶縁部材IM1は、例えば、ガラスエポキシ基板である。金属層31は、例えば、銅箔である。
【0046】
図5(b)に示すように、第1絶縁部材IM1に凹部33を形成した後、半導体素子Tr1を凹部33の内部に配置する。凹部33は、例えば、レーザ加工法を用いて形成される。凹部33は、半導体素子Tr1の厚さよりも深く形成される。半導体素子Tr1は、第1電極DE1が凹部33の底面に接するように配置される。
【0047】
図5(c)に示すように、凹部33の内部に樹脂を充填し、半導体素子Tr1を封じた後、第1絶縁部材IM1の表面を平坦化する。凹部33の内部には、例えば、エポキシ樹脂が充填される。その後、第1絶縁部材IM1の表面上に、金属層35を形成する。金属層35は、例えば、接着層(図示しない)を介して、第1絶縁部材IM1の表面上に貼り付けられる。金属層35は、例えば、銅箔である。
【0048】
図5(d)に示すように、第1絶縁部材IM1の裏面および表面において、
金属層31および金属層35を所定の形状にパターニングする。金属層31は、第1絶縁部材IM1の一部を介して半導体素子Tr1の第1電極DEに向き合う部分を含むようにパターニングされる。金属層35は、第1絶縁部材IM1の別の一部を介して半導体素子Tr1の第2電極SE1および制御パッドGP1にそれぞれ向き合う部分を含むようにパターニングされる。
【0049】
図5(e)に示すように、第1絶縁部材IM1の裏面側において、半導体素子Tr1の第1電極DE1に連通する複数のコンタクトホールDCH1を形成する。コンタクトホールDCH1は、金属層31および第1絶縁部材IM1の一部を選択的に除去することにより形成される。また、第1絶縁部材IM1の表面側において、半導体素子Tr1の第2電極SE1に連通する複数のコンタクトホールSCH1、および、制御パッドGP1に連通するコンタクトホールGCH1を形成する。コンタクトホールSCH1およびGCH1は、金属層35および第1絶縁部材IM1の一部を選択的に除去することにより形成される。
【0050】
図5(f)に示すように、第1絶縁部材IM1の裏面側において、コンタクトホールDCH1の内部を充填するように、コンタクトメタル31aを形成する。コンタクトメタル31aは、例えば、銅メッキ法を用いて形成される。これにより、第1絶縁部材IM1の裏面側に、中間配線MI0が形成される。中間配線MI0は、コンタクトメタル31aを介して、半導体素子Tr1の第1電極DE1に電気的に接続される。
【0051】
さらに、第1絶縁部材IM1の表面側において、コンタクトホールSCH1およびGCH1の内部を充填するように、コンタクトメタル35aおよび35bをそれぞれ形成する。コンタクトメタル35aおよび35bは、例えば、銅メッキ法を用いて形成される。これにより、中間配線MI1および制御配線GI1が形成される。中間配線MI1は、コンタクトメタル35aを介して、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続される。制御配線GI1は、コンタクトメタル35bを介して、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。
【0052】
図6(a)に示すように、第1絶縁部材IM1の表面上に、第1絶縁層IMaを形成する。第1絶縁層IMaは、中間配線MI1および制御配線GI1を覆うように形成される。第1絶縁層IMaは、例えば、半硬化状態の樹脂層、所謂、プリプレグである。プリプレグは、例えば、エポキシ樹脂およびガラス繊維を含む。
【0053】
図6(b)に示すように、第1絶縁層IMaに、複数のコンタクトホールDCH2を形成する。コンタクトホールDCH2は、中間配線MI1に連通するように形成される。
【0054】
図6(c)に示すように、コンタクトホールDCH2の内部を充填するように、コンタクトメタル37を形成する。コンタクトメタル37は、例えば、銅メッキ法を用いて形成される。
【0055】
図6(d)に示すように、第2絶縁部材IM2を第1絶縁層IMaの上に形成する。第2絶縁部材IM2は、例えば、プリプレグである。第2絶縁部材IM2は、開口39を有する。開口39は、例えば、第1絶縁層IMaおよびコンタクトメタル37を露出させる。
【0056】
図7(a)に示すように、半導体素子Tr2を開口39の内部に配置する。半導体素子Tr2は、例えば、導電性接着剤により、第1絶縁層IMaの表面上に固定される。半導体素子Tr2は、開口39の底面において、第1電極DE2をコンタクトメタル37に電気的に接続するように配置される。
【0057】
図7(b)に示すように、半導体素子Tr2を開口39の内部に封じる。例えば、半導体素子Tr2を覆うように、開口39の内部にエポキシ樹脂を充填する。続いて、第2絶縁部材IM2の表面を平坦化した後、第2絶縁部材IM2の表面上に金属層41を形成する。金属層41は、例えば、銅箔である。
【0058】
図7(c)に示すように、複数のコンタクトホールSCH2およびコンタクトホールGCH2を第2絶縁部材IM2に形成する。コンタクトホールSCH2は、半導体素子Tr2の第2電極SE2に連通するように形成される。コンタクトホールGCH2は、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に連通するように形成される。コンタクトホールSCH2およびGCH2は、金属層41の一部および第2絶縁部材IM2の一部を除去することにより形成される。
【0059】
図7(d)に示すように、コンタクトホールSCH2の内部を充填するように、コンタクトメタル41aを形成する。また、コンタクトホールGCH2の内部を充填するように、コンタクトメタル41bを形成する。コンタクトメタル41aおよび41bは、例えば、銅メッキ法を用いて形成される。
【0060】
コンタクトメタル41aは、金属層41につながるように形成される。中間配線MI2は、コンタクトメタル41aおよび金属層41を含む。中間配線MI2は、コンタクトメタル41aを介して、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続される。
【0061】
コンタクトメタル41bは、別の金属層41につながるように形成される。制御配線GI2は、コンタクトメタル41bと、別の金属層41と、を含む。制御配線GI2は、コンタクトメタル41bを介して、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。
【0062】
続いて、
図6(a)~
図7(d)に示す製造過程を繰り返すことにより、第3絶縁部材IM3および第4絶縁部材IM4を形成する。
【0063】
図8(a)に示すように、第3絶縁部材IM3は、第2絶縁部材IM2の上に設けられ、その内部には、半導体素子Tr3が封じられる。第4絶縁部材IM4は、第3絶縁部材IM3の上に設けられ、その内部には、半導体素子Tr4が封じられる。
【0064】
第2絶縁部材IM2と第3絶縁部材IM3との間には、第2絶縁層IMbが形成される。第2絶縁層IMbは、中間配線MI2および制御配線GI2を含む。中間配線MI2は、半導体素子Tr2の第2電極SE2および半導体素子Tr3の第1電極DE3に電気的に接続されるように形成される。制御配線GI2は、半導体素子Tr2の制御パッドGP2電気的に接続されるように形成される。
【0065】
第3絶縁部材IM3と第4絶縁部材IM4との間には、第3絶縁層IMcが形成される。第3絶縁層IMcは、中間配線MI3および制御配線GI3を含む。中間配線MI3は、半導体素子Tr3の第2電極SE3および半導体素子Tr4の第1電極DE4に電気的に接続されるように形成される。制御配線GI3は、半導体素子Tr3の制御パッドGP3電気的に接続されるように形成される。
【0066】
第4絶縁部材IM4の上には、第4絶縁層IMdが形成される。第4絶縁層IMdは、例えば、プリプレグである。第4絶縁層IMdは、中間配線MI4および制御配線GI4を覆うように形成される。中間配線MI4は、コンタクトメタル45aを介して、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。制御配線GI4は、コンタクトメタル45bを介して、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0067】
中間配線MI3、MI4、制御配線GI3およびGI4は、中間配線MI2および制御配線GI2と同様の製造過程(
図7(a)~(d)参照)を通して形成される。
【0068】
図8(b)に示すように、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4(
図4(b)参照)を第4絶縁層IMdの上に形成する。第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4は、例えば、第4絶縁層IMd上の銅箔をパターニングすることにより形成される。第2端子STは、第4絶縁層IMd中に延在するコンタクトメタル47を介して、中間配線MI4に電気的に接続されるように形成される。
【0069】
続いて、コンタクトプラグDPを絶縁部材IM中に形成し、第1端子DTと中間配線MI0とを電気的に接続する(
図4(a)参照)。さらに、コンタクトプラグGL1~GL4を絶縁部材IM中に形成し、制御配線GI1~GI4と制御端子GT1~GT4とをそれぞれ電気的に接続する(
図3(b)参照)。絶縁部材IMは、例えば、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4および第1絶縁層IMa~第4絶縁層IMdを硬化させ、一体化させることにより形成される。
【0070】
図9(a)~(d)は、第1実施形態に係る半導体装置1および2の配線を示す模式図である。
図9(a)~(d)は、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4の上に設けられる中間配線MI1~MI4および制御配線GI1~GI4を表す平面図である。
【0071】
中間配線MI1~MI4は、例えば、半導体素子Trの第2電極SE(
図2(b)参照)のサイズに合わせて設けられる。また、制御配線GI1~GI4は、上面視において、半導体素子Trの制御パッドGP(
図2(b)参照)と、制御端子GT1~GT4と、を接続するように設けられる。
【0072】
図10は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置3を示す模式断面図である。半導体装置3は、半導体素子Tr1~Tr4を含む。半導体素子Tr1~Tr4は、直列接続され絶縁部材IMの内部に封じられる。第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4は、絶縁部材IMの第2表面S2上に設けられる。
【0073】
半導体素子Tr1は、中間配線MI1を介して、半導体素子Tr2に電気的に接続される。また、半導体素子Tr1の制御パッドGP1は、制御配線GI1に電気的に接続される。中間配線MI1および制御配線GI1は、第1絶縁層IMa中に設けられる。
【0074】
中間配線MI1は、金属層51a、53および導電部材55aを含む。金属層51aは、第1絶縁部材IM1の表面上に設けられる。金属層53は、第2絶縁部材IM2の裏面上に設けられる。金属層51aおよび金属層53は、導電部材55aを介して接続される。
【0075】
導電部材55aは、金属層51aおよび第1絶縁部材IM1の一部を貫いて、半導体素子Tr1の第2電極SE1に接する部分を含む。中間配線MI1は、導電部材55aを介して、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続される。
【0076】
また、導電部材55aは、金属層53および第2絶縁部材IM2の一部を貫いて、半導体素子Tr2の第1電極DE2に接する部分を含む。中間配線MI1は、導電部材55aを介して、半導体素子Tr2の第1電極DE2に電気的に接続される。
【0077】
制御配線GI1は、金属層51bと導電部材55bとを含む。金属層51bは、第1絶縁部材IM1の表面上に設けられる。導電部材55bは、金属層51bを覆うように設けられる。導電部材55bは、金属層51bおよび第1絶縁部材IM1の別の一部を貫いて、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に接する部分を含む。制御配線GI1は、導電部材55bを介して、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。
【0078】
半導体素子Tr2は、中間配線MI2を介して、半導体素子Tr3に電気的に接続される。また、半導体素子Tr2の制御パッドGP2は、制御配線GI2に電気的に接続される。中間配線MI2および制御配線GI2は、第2絶縁層IMb中に設けられる。
【0079】
中間配線MI2は、金属層61a、63および導電部材65aを含む。金属層61aは、第2絶縁部材IM2の表面上に設けられる。金属層63は、第3絶縁部材IM3の裏面上に設けられる。金属層61aおよび金属層63は、導電部材65aを介して接続される。
【0080】
導電部材65aは、金属層61aおよび第2絶縁部材IM2の一部を貫いて、半導体素子Tr2の第2電極SE2に接する部分を含む。中間配線MI2は、導電部材65aを介して、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続される。
【0081】
また、導電部材65aは、金属層63および第3絶縁部材IM3の一部を貫いて、半導体素子Tr3の第1電極DE3に接する部分を含む。中間配線MI2は、導電部材65aを介して、半導体素子Tr3の第1電極DE3に電気的に接続される。
【0082】
制御配線GI2は、金属層61bと導電部材65bとを含む。金属層61bは、第2絶縁部材IM2の表面上に設けられる。導電部材65bは、金属層61bを覆うように設けられる。導電部材65bは、金属層61bおよび第2絶縁部材IM2の別の一部を貫いて、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に接する部分を含む。制御配線GI2は、導電部材65bを介して、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。
【0083】
半導体素子Tr3は、中間配線MI3を介して、半導体素子Tr4に電気的に接続される。また、半導体素子Tr3の制御パッドGP3は、制御配線GI3に電気的に接続される。中間配線MI3および制御配線GI3は、第3絶縁層IMc中に設けられる。
【0084】
中間配線MI3は、金属層71a、73および導電部材75aを含む。金属層71aは、第3絶縁部材IM3の表面上に設けられる。金属層73は、第4絶縁部材IM4の裏面上に設けられる。金属層71aおよび金属層73は、導電部材75aを介して接続される。
【0085】
導電部材75aは、金属層71aおよび第3絶縁部材IM3の一部を貫いて、半導体素子Tr3の第2電極SE3に接する部分を含む。中間配線MI3は、導電部材75aを介して、半導体素子Tr3の第2電極SE3に電気的に接続される。
【0086】
また、導電部材75aは、金属層73および第4絶縁部材IM4の一部を貫いて、半導体素子Tr4の第1電極DE4に接する部分を含む。中間配線MI3は、導電部材75aを介して、半導体素子Tr4の第1電極DE4に電気的に接続される。
【0087】
制御配線GI3は、金属層71bと導電部材75bとを含む。金属層71bは、第3絶縁部材IM3の表面上に設けられる。導電部材75bは、金属層71bを覆うように設けられる。導電部材75bは、金属層71bおよび第3絶縁部材IM3の別の一部を貫いて、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に接する部分を含む。制御配線GI3は、導電部材75bを介して、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に電気的に接続される。
【0088】
半導体装置3は、中間配線MI0、中間配線MI4および制御配線GI4をさらに含む。中間配線MI0は、半導体素子Tr1に電気的に接続され、中間配線MI4は、半導体素子Tr4に電気的に接続される。制御配線GI4は、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0089】
中間配線MI0は、絶縁部材IMの第1表面S1上に設けられる。中間配線MI0は、第1絶縁部材IM1中に延在するコンタクトメタル31a(
図5(f)参照)を介して、半導体素子Tr1の第1電極DE1に電気的に接続される。
【0090】
中間配線MI4および制御配線GI4は、第4絶縁部材IM4の表面上に設けられる。中間配線MI4は、第4絶縁部材IM4中に延在するコンタクトメタル45a(
図8(a)参照)を介して、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。制御配線GI4は、第4絶縁部材IM4中に延在するコンタクトメタル45b(
図8(a)参照)を介して、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0091】
第1端子DTは、絶縁部材IM中に延在するコンタクトプラグDPおよび中間配線MI0を介して、半導体素子Tr1に電気的に接続される。
【0092】
第2端子STは、中間配線MI4を覆う第4絶縁層IMd中に延在するコンタクトメタル47を介して、中間配線MI4に電気的に接続される。
【0093】
制御端子GT1~GT4(
図3(b)参照)は、絶縁部材IM中に延在するコンタクトプラグGL1~GL4を介して、制御配線GI1~GI4に電気的に接続される。
【0094】
次に、
図11(a)~(d)、
図12(a)~(c)、
図13、
図14(a)および(b)を参照して、半導体装置3の製造方法を説明する。
図11(a)~(d)、
図12(a)~(c)、
図13、
図14(a)および(b)は、半導体装置3の製造過程を示す模式断面図である。
【0095】
図11(a)に示すように、半導体素子Tr1を第1絶縁部材IM1の内部に配置する。第1絶縁部材IM1の裏面上には、中間配線MI0を形成する(
図5(a)~(f)参照)。また、金属層51aおよび金属層51bを第1絶縁部材IM1の表面上に形成する。金属層51aおよび金属層51bは、例えば、銅箔であり、図示しない接着層を介して第1絶縁部材IM1に貼り付けられる。
【0096】
さらに、金属層51aの表面から半導体素子Tr1の第2電極SE1に連通するコンタクトホールSCH1を形成する。また、金属層51bの表面から半導体素子Tr1の制御パッドGP1に連通するコンタクトホールGCH1を形成する。
【0097】
図11(b)に示すように、半導体素子Tr2を第2絶縁部材IM2の内部に配置する。さらに、金属層53、61aおよび61bを第2絶縁部材IM2の裏面上および表面上に形成する。金属層53は、第2絶縁部材IM2の裏面上に形成される。また、金属層61aおよび金属層61bは、第2絶縁部材IM2の表面上に形成される。金属層53、61aおよび61bは、例えば、銅箔であり、図示しない接着層を介して第2絶縁部材IM2に貼り付けられる。
【0098】
さらに、金属層53の表面から半導体素子Tr2の第1電極DE2に連通するコンタクトホールDCH2を形成する。また、金属層61aの表面から半導体素子Tr2の第2電極SE2に連通するコンタクトホールSCH2を形成する。金属層61bの表面から半導体素子Tr2の制御パッドGP2に連通するコンタクトホールGCH2を形成する。
【0099】
図11(c)に示すように、半導体素子Tr3を第3絶縁部材IM3の内部に配置する。さらに、金属層63、71aおよび71bを第3絶縁部材IM3の裏面上および表面上に形成する。金属層63は、第3絶縁部材IM3の裏面上に形成される。また、金属層71aおよび金属層71bは、第3絶縁部材IM3の表面上に形成される。金属層63、71aおよび71bは、例えば、銅箔であり、図示しない接着層を介して第3絶縁部材IM3に貼り付けられる。
【0100】
さらに、金属層63の裏面から半導体素子Tr3の第1電極DE3に連通するコンタクトホールDCH3を形成する。また、金属層71aの表面から半導体素子Tr3の第2電極SE3に連通するコンタクトホールSCH3を形成する。金属層71bの表面から半導体素子Tr3の制御パッドGP3に連通するコンタクトホールGCH3を形成する。
【0101】
図11(d)に示すように、半導体素子Tr4を第4絶縁部材IM4の内部に配置する。さらに、金属層73、中間配線MI4および制御配線GI4を第4絶縁部材IM4の裏面上および表面上に形成する。金属層73は、第4絶縁部材IM4の裏面上に形成される。中間配線MI4および制御配線GI4は、第3絶縁部材IM3の表面上に形成される(
図5(d)~(f)参照)。
【0102】
金属層73は、例えば、銅箔であり、図示しない接着層を介して第4絶縁部材IM4に貼り付けられる。さらに、金属層73の下面から半導体素子Tr4の第1電極DE4に連通するコンタクトホールDCH4を形成する。
【0103】
中間配線MI4は、例えば、コンタクトメタル45a(
図8(a)参照)を介して、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。また、制御配線GI4は、例えば、コンタクトメタル45b(
図8(a)参照)を介して、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0104】
図12(a)に示すように、第1絶縁部材IM1の表面上に第1絶縁層IMaを形成する。第1絶縁層IMaは、例えば、プリプレグであり、開口57aおよび開口57bを有する。開口57aには、金属層51aおよびコンタクトホールSCH1が露出される。また、開口57bには、金属層51bおよびコンタクトホールGCH1が露出される。
【0105】
図12(b)に示すように、第2絶縁部材IM2の表面上に第2絶縁層IMbを形成する。第2絶縁層IMbは、例えば、プリプレグであり、開口67aおよび開口67bを有する。開口67aには、金属層61aおよびコンタクトホールSCH2が露出される。また、開口67bには、金属層61bおよびコンタクトホールGCH2が露出される。
【0106】
図12(c)に示すように、第3絶縁部材IM3の表面上に第3絶縁層IMcを形成する。第3絶縁層IMcは、例えば、プリプレグであり、開口77aおよび開口77bを有する。開口77aには、金属層71aおよびコンタクトホールSCH3が露出される。また、開口77bには、金属層71bおよびコンタクトホールGCH3が露出される。
【0107】
図13に示すように、第1絶縁層IMaの開口57aおよび開口57bの内部に導電部材55aおよび55bをそれぞれ充填する。同様に、第2絶縁層IMbの開口67aおよび67bの内部に導電部材65aおよび65bをそれぞれ充填する、また、第3絶縁層IMcの開口77aおよび77bの内部に導電部材75aおよび75bをそれぞれ充填する。各導電部材は、例えば、導電ペーストもしくは金属粒を含む導電性樹脂である。
【0108】
導電部材55aは、コンタクトホールSCH1の内部に充填され、半導体素子Tr1の第2電極SE1に接する。また、導電部材55bは、コンタクトホールGCH1の内部に充填され、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に接する(
図12(a)参照)。
【0109】
導電部材65aは、コンタクトホールSCH2の内部に充填され、半導体素子Tr2の第2電極SE2に接する。また、導電部材65bは、コンタクトホールGCH2の内部に充填され、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に接する(
図12(b)参照)。
【0110】
導電部材75aは、コンタクトホールSCH3の内部に充填され、半導体素子Tr3の第2電極SE3に接する。また、導電部材75bは、コンタクトホールGCH3の内部に充填され、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に接する(
図12(c)参照)。
【0111】
続いて、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4を、例えば、Z方向に並べる。第1絶縁層IMaは、第2絶縁部材IM2の裏面に向き合う。第2絶縁層IMbは、第3絶縁部材IM3の裏面に向き合う。第3絶縁層IMcは、第4絶縁部材IM4の裏面に向き合う。
【0112】
図14(a)に示すように、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4を、第1絶縁層IMa~第3絶縁層IMcをそれぞれの間に介在させて接合する。第1絶縁層IMa~第3絶縁層IMcは、例えば、熱硬化樹脂を含み、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4は、例えば、高温下において上下方向に加圧することにより接合され、硬化される。
【0113】
第1絶縁部材IM1と第2絶縁部材IM2との間には、中間配線MI1および制御配線GI1が形成される。中間配線MI1は、金属層51aと、金属層53と、導電部材55aとを含む。導電部材55aは、コンタクトホールDCH2(
図13参照)の内部に延在し、第2半導体素子Tr2の第1電極DE2に接する。制御配線GI1は、金属層51bと、導電部材55bと、を含む。
【0114】
中間配線MI1は、導電部材55aを介して、半導体素子Tr1の第2電極SE1と、半導体素子Tr2の第1電極DE2と、を電気的に接続するように形成される。制御配線GI1は、導電部材55bを介して、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。
【0115】
第2絶縁部材IM2と第3絶縁部材IM3との間には、中間配線MI2および制御配線GI2が形成される。中間配線MI2は、金属層61aと、金属層63と、導電部材65aとを含む。導電部材65aは、コンタクトホールDCH3(
図13参照)の内部に延在し、第3半導体素子Tr3の第1電極DE3に接する。制御配線GI2は、金属層61bと、導電部材65bと、を含む。
【0116】
中間配線MI2は、導電部材65aを介して、半導体素子Tr2の第2電極SE2と、半導体素子Tr3の第1電極DE3と、を電気的に接続するように形成される。制御配線GI2は、導電部材55bを介して、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。
【0117】
第3絶縁部材IM3と第4絶縁部材IM4との間には、中間配線MI3および制御配線GI3が形成される。中間配線MI3は、金属層71aと、金属層73と、導電部材75aとを含む。導電部材75aは、コンタクトホールDCH4(
図13参照)の内部に延在し、第4半導体素子Tr4の第1電極DE4に接する。制御配線GI3は、金属層71bと、導電部材75bと、を含む。
【0118】
中間配線MI3は、導電部材75aを介して、半導体素子Tr3の第2電極SE3と、半導体素子Tr4の第1電極DE4と、を電気的に接続するように形成される。制御配線GI3は、導電部材75bを介して、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に電気的に接続される。
【0119】
図14(b)に示すように、第4絶縁部材IM4の表面上に第4絶縁層IMdを形成した後、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4(
図4(b)参照)を第4絶縁層IMdの表面上に形成する。第2端子STは、第4絶縁層IMd中に延在するコンタクトメタル47(
図8(b)参照)を介して、中間配線MI4に電気的に接続される。
【0120】
続いて、コンタクトプラグDPを絶縁部材IM中に形成し、第1端子DTと中間配線MI0とを電気的に接続する(
図4(a)参照)。さらに、コンタクトプラグGL1~GL4を絶縁部材IM中に形成し、制御配線GI1~GI4と制御端子GT1~GT4とをそれぞれ電気的に接続する(
図3(b)参照)。絶縁部材IMは、例えば、第1絶縁部材IM1~第4絶縁部材IM4および第1絶縁層IMa~第4絶縁層IMdを含む。
【0121】
上記の実施例に示すように、半導体素子Tr1~Tr4は、例えば、絶縁部材IMの第1表面S1から第2表面S2に向かう方向(Z方向)に並べて配置され、直列接続される。これにより、高耐圧を有する半導体装置1~3を実現することができる。また、半導体装置1~3は、第1表面S1を回路基板に向けて実装される。これにより、半導体装置1~3の実装面積を縮小することが可能となる。
【0122】
さらに、半導体素子Tr1~Tr4は、第1電極DEと第2電極SEとの間の容量が略同一であることが好ましい。例えば、第1半導体層11と第2半導体層13との間のpn接合(
図2(a)参照)の面積が、各半導体素子Trにおいて、略同一となるように構成される。これにより、直列接続された半導体素子Tr1~Tr4に均等に電圧が印加され、半導体装置1~3の耐圧を向上させることができる。
【0123】
(第2実施形態)
図15(a)~(c)、
図16(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置4を示す模式図である。
図15(a)および(c)は、半導体装置4の構成を示す平面図である。
図16(a)は、半導体装置4の裏面を示す平面図である。
図15(b)は、
図15(a)中に示すE-E線に沿った断面図である。
図16(b)は、
図16(a)中に示すF-F線に沿った断面図である。
【0124】
図15(a)~(c)に示すように、半導体装置4は、半導体素子Tr1、Tr2、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT1、GT2および絶縁性の樹脂部材RM1を備える。第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1、GT2は、例えば、銅を含む金属板、所謂、リードである。
【0125】
半導体素子Tr1およびTr2は、第1端子DT上に積層される。第1端子DTは、半導体素子Tr1の第1電極DE1(
図2(a)参照)に電気的に接続される。
【0126】
図15(a)に示すように、第2端子STは、例えば、金属ワイヤSWにより、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続される。制御端子GT1は、例えば、金属ワイヤCW1により、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。制御端子GT2は、例えば、金属ワイヤCW2により、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。
【0127】
図15(b)に示すように、半導体素子Tr1およびTr2は、樹脂部材RMにより第1端子DT上に封止される。樹脂部材RMは、例えば、エポキシ樹脂である。半導体素子Tr1は、例えば、はんだ材などの導電性接合材(図示しない)を介して、第1端子DTに接合される。また、半導体素子Tr2は、別の導電性接合材(図示しない)を介して、半導体素子Tr1に接続される。
【0128】
図15(c)に示すように、半導体素子Tr2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1の上に積層される。半導体素子Tr2の第1電極DE2(
図2(a)参照)は、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続される。すなわち、半導体素子Tr1およびTr2は、直列接続される。
【0129】
第1端子DT上に積層された状態において、半導体素子Tr1の第2電極SE1と制御パッドGP1は、X方向に並ぶ。一方、半導体素子Tr2の第2電極SE2と制御パッドGP2は、-Y方向(Y方向の反対方向)に並ぶ。このように、半導体素子Tr1と半導体素子Tr2とを直交する方向に配置することにより、半導体素子Tr2が半導体素子Tr1の制御パッドGP1を覆わないように積層することができる。これにより、半導体素子Tr1の制御パッドGP1および半導体素子Tr2の制御パッドGP2を、それぞれ、金属ワイヤCW1およびCW2を介して制御端子GT1および制御端子GT2に電気的に接続することが可能となる。
【0130】
図16(a)に示すように、半導体装置4は、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1、GT2を裏面に露出させるように構成される。これにより、半導体素子Tr1およびTr2は、例えば、はんだ材を介して回路基板に電気的に接続され、半導体装置4の実装面積を縮小することができる。
【0131】
図16(b)に示すように、第1端子DTと半導体素子Tr2との間のスペースに樹脂部材RM2を充填しても良い。樹脂部材RM2は、金属ワイヤCW2を半導体素子Tr2の制御パッドGP2にボンディングする前に、制御パッドGP2の下に設けられる。これにより、半導体素子Tr2の制御パッドGP2が設けられた部分の強度を向上させ、金属ワイヤCW2を制御パッドGP2上にボンディングする際の荷重による半導体素子Tr2の破損またはクラック等の発生を防ぐことができる。
【0132】
図17(a)~(c)および
図18は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置5を示す模式図である。
【0133】
図17(a)~(c)に示すように、半導体装置5は、半導体素子Tr1~Tr4、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT1~GT4および樹脂部材RM1~RM4を備える。半導体素子Tr1~Tr4は、第1端子DT上に順に積層される。第1端子DTは、半導体素子Tr1の第1電極DE1(
図2(a)参照)に電気的に接続される。
【0134】
図17(a)に示すように、第2端子STは、例えば、金属ワイヤSWにより、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。制御端子GT1は、例えば、金属ワイヤCW1により、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。制御端子GT2は、例えば、金属ワイヤCW2により、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。制御端子GT3は、例えば、金属ワイヤCW3により、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に電気的に接続される。制御端子GT4は、例えば、金属ワイヤCW4により、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0135】
半導体素子Tr2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1の上に積層される(
図15(c)参照)。半導体素子Tr2の第1電極DE2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続される。すなわち、半導体素子Tr1およびTr2は、直列接続される。同様に、半導体素子Tr3の第1電極DE3は、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続され、半導体素子Tr2およびTr3は、直列接続される。半導体素子Tr4の第1電極DE4は、半導体素子Tr3の第2電極SE3に電気的に接続され、半導体素子Tr3およびTr4は、直列接続される。
【0136】
第1端子DT上に積層された状態において、半導体素子Tr1の第2電極SE1と制御パッドGP1は、X方向に並ぶ(
図15(c)参照)。半導体素子Tr2の第2電極SE2と制御パッドGP2は、-Y方向に並ぶ(
図15(a)参照)。半導体素子Tr3の第2電極SE3と制御パッドGP3は、-X方向(X方向の反対方向)に並ぶ(
図15(a)参照)。半導体素子Tr4の第2電極SE4と制御パッドGP4は、Y方向に並ぶ。
【0137】
このように、半導体素子Tr1~半導体素子Tr4とを直交する方向に交互に配置することにより、半導体素子Tr1~半導体素子Tr4は、制御パッドGP1~GP4を覆わないように配置される。これにより、制御パッドGP1~GP4に、それぞれ、金属ワイヤCW1~CW4を接続することが可能となる。
【0138】
図17(b)に示すように、半導体素子Tr1~Tr4は、樹脂部材RMにより第1端子DT上に封止される。半導体素子Tr1は、例えば、導電性接合材(図示しない)を介して、第1端子DTに接合される。また、半導体素子Tr1~Tr4は、それぞれ、別の導電性接合材(図示しない)を介して、隣接する半導体素子Trに電気的に接続される。
【0139】
また、
図17(b)および(c)に示すように、第1端子DTと半導体素子Tr2との間のスペースに樹脂部材RM2を充填しても良い。樹脂部材RM2は、半導体素子Tr2の制御パッドGP2の下に設けられる。さらに、第1端子DTと、半導体素子Tr3およびTr4のそれぞれの間のスペースに、樹脂部材RM3およびRM4を設けても良い。これにより、制御パッドGP2~GP4の上に金属ワイヤCW2~CW4をそれぞれボンディングする際の荷重による半導体素子Tr2~Tr4の破損およびクラック等の発生を防ぐことができる。
【0140】
図18(a)に示すように、半導体装置5は、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4を裏面に露出させるように構成される。これにより、半導体素子Tr1~Tr4は、例えば、はんだ材を介して回路基板に電気的に接続され、半導体装置5の実装面積を縮小することができる。
【0141】
図19(a)~(c)は、第2実施形態の第2変形例に係る半導体装置6を示す模式図である。
【0142】
図19(a)および(b)に示すように、半導体装置6は、半導体素子Tr1~Tr4、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT1~GT4および樹脂部材RM1を備える。半導体素子Tr1~Tr4は、第1端子DT上に順に積層される。第1端子DTは、半導体素子Tr1の第1電極DE1(
図2(a)参照)に電気的に接続される。
【0143】
図19(a)に示すように、第2端子STは、例えば、金属コネクタSCにより、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。金属コネクタSCは、例えば、銅を含む金属板であり、第2電極SE4および第2端子STに導電性の接合部材を介してボンディングされる。
【0144】
制御端子GT1は、例えば、金属ワイヤCW1により、半導体素子Tr1の制御パッドGP1に電気的に接続される。制御端子GT2は、例えば、金属ワイヤCW2により、半導体素子Tr2の制御パッドGP2に電気的に接続される。制御端子GT3は、例えば、金属ワイヤCW3により、半導体素子Tr3の制御パッドGP3に電気的に接続される。制御端子GT4は、例えば、金属ワイヤCW4により、半導体素子Tr4の制御パッドGP4に電気的に接続される。
【0145】
半導体素子Tr2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1の上に積層される。半導体素子Tr2の第1電極DE2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続され、半導体素子Tr1およびTr2は、直列接続される。同様に、半導体素子Tr3の第1電極DE3は、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続され、半導体素子Tr2およびTr3は、直列接続される。半導体素子Tr4の第1電極DE4は、半導体素子Tr3の第2電極SE3に電気的に接続され、半導体素子Tr3およびTr4は、直列接続される。
【0146】
半導体素子Tr2のチップサイズは、半導体素子Tr1のチップサイズよりも小さく、半導体素子Tr2は、半導体素子Tr1の制御パッドGP1を露出させるように、半導体素子Tr1上に積層される。同様に、半導体素子Tr3のチップサイズは、半導体素子Tr2のチップサイズよりも小さく、半導体素子Tr3は、半導体素子Tr2の制御パッドGP2を露出させるように、半導体素子Tr2上に積層される。また、半導体素子Tr4のチップサイズは、半導体素子Tr3のチップサイズよりも小さく、半導体素子Tr4は、半導体素子Tr3の制御パッドGP3を露出させるように、半導体素子Tr3上に積層される。
【0147】
図19(b)に示すように、半導体素子Tr1~Tr4は、樹脂部材RMにより第1端子DT上に封止される。半導体素子Tr1は、例えば、導電性接合材(図示しない)により第1端子DTに接合される。また、半導体素子Tr1~Tr4は、それぞれ、別の導電性接合材(図示しない)を介して、隣接する半導体素子Trに電気的に接続される。
【0148】
図19(c)に示すように、半導体装置6は、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4を裏面に露出させるように構成される。これにより、半導体素子Tr1~Tr4は、例えば、はんだ材を介して回路基板に電気的に接続され、半導体装置6の実装面積を縮小することができる。
【0149】
図20(a)~(c)は、第2実施形態の第3変形例に係る半導体装置7を示す模式図である。
【0150】
図20(a)~(c)に示すように、半導体装置7は、半導体素子Tr1~Tr4、第1端子DT、第2端子ST、制御端子GT1~GT4および樹脂部材RM1を備える。半導体素子Tr1~Tr4は、第1端子DT上に順に積層される。第1端子DTは、半導体素子Tr1の第1電極DE1(
図2(a)参照)に電気的に接続される。
【0151】
図20(a)に示すように、第2端子STは、例えば、金属コネクタSCにより、半導体素子Tr4の第2電極SE4に電気的に接続される。制御端子GT1は、例えば、金属ワイヤCW1により、制御パッドGP1に電気的に接続される。制御端子GT2は、例えば、金属ワイヤCW2により、制御パッドGP2に電気的に接続される。制御端子GT3は、例えば、金属ワイヤCW3により、制御パッドGP3に電気的に接続される。制御端子GT4は、例えば、金属ワイヤCW4により、制御パッドGP4に電気的に接続される。この例では、制御パッドGP1~GP3は、例えば、半導体素子Tr4の表面上に設けられる。
【0152】
図20(b)に示すように、半導体素子Tr1~Tr4は、樹脂部材RM1により第1端子DT上に封止される。半導体素子Tr1は、例えば、導電性接合材(図示しない)により第1端子DTに接合される。また、半導体素子Tr1~Tr4は、それぞれ、別の導電性接合材(図示しない)を介して、隣接する半導体素子Trに電気的に接続される。
【0153】
半導体素子Tr2の第1電極DE2は、半導体素子Tr1の第2電極SE1に電気的に接続され、半導体素子Tr1およびTr2は、直列接続される。同様に、半導体素子Tr3の第1電極DE3は、半導体素子Tr2の第2電極SE2に電気的に接続され、半導体素子Tr2およびTr3は、直列接続される。半導体素子Tr4の第1電極DE4は、半導体素子Tr3の第2電極SE3に電気的に接続され、半導体素子Tr3およびTr4は、直列接続される。
【0154】
図20(c)に示すように、制御パッドGP1は、コンタクトプラグCP1を介して、半導体素子Tr1の制御配線GW1に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1は、半導体素子Tr4の表面から半導体素子Tr1の制御配線GW1に連通するように設けられる。また、コンタクトプラグCP1は、絶縁膜27aにより、半導体素子Tr2~Tr4から電気的に絶縁される。
【0155】
制御パッドGP2は、コンタクトプラグCP2を介して、半導体素子Tr2の制御配線GW2に電気的に接続される。コンタクトプラグCP2は、半導体素子Tr4の表面から半導体素子Tr2の制御配線GW2に連通するように設けられる。また、コンタクトプラグCP2は、絶縁膜27bにより、半導体素子Tr3およびTr4から電気的に絶縁される。
【0156】
制御パッドGP3は、コンタクトプラグCP3を介して、半導体素子Tr3の制御配線GW3に電気的に接続される。コンタクトプラグCP3は、半導体素子Tr4の表面から半導体素子Tr3の制御配線GW3に連通するように設けられる。また、コンタクトプラグCP3は、絶縁膜27cにより、半導体素子Tr4から電気的に絶縁される。
【0157】
半導体装置7でも、第1端子DT、第2端子STおよび制御端子GT1~GT4は、その裏面に露出するように構成される(
図18参照)。これにより、半導体素子Tr1~Tr4を、例えば、はんだ材を介して回路基板に電気的に接続され、半導体装置7の実装面積を縮小することができる。
【0158】
本実施形態においても、半導体素子Tr1~Tr4における第1電極DEと第2電極SEとの間の容量が略同一であることが好ましい。これにより、直列接続された半導体素子Tr1~Tr4に均等に電圧が印加され、半導体装置1~3の耐圧を向上させることができる。
【0159】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0160】
1~7…半導体装置、 11…第1半導体層、 13…第2半導体層、 15…第3半導体層、 17…第4半導体層、 21…ゲート絶縁膜、 23…層間絶縁膜、 25…パッシベーション膜、 27a、27b、27c…絶縁膜、 31、35、41、51a、51b、53、71a、71b、73…金属層、 31a、35a、35b、37、41a、41b、45a、45b、47、61a、61b、63…コンタクトメタル、 33…凹部、 39、57a、57b、67a、67b、77a、77b…開口、 55a、55b、65a、65b、75a、75b…導電部材、 BS…裏面、 FS…表面、 CP1、CP2、CP3、DP、GL1、GL2、GL3、GL4…コンタクトプラグ、 CT…コンタクトトレンチ、 CW1、CW2、CW3、CW4、SW…金属ワイヤ、 DCH1、DCH2、DCH3、DCH4、GCH1、GCH2、GCH3、SCH1、SCH2、SCH3…コンタクトホール、 DT…第1端子、 DE、DE1、DE2、DE3、DE4…第1電極、 GI1、GI2、GI3、GI4、GW、GW1、GW2、GW3…制御配線、 GE…制御電極、 GP、GP1、GP2、GP3、GP4…制御パッド、 TR…トレンチ、 GT1、GT2、GT3、GT4…制御端子、 IM…絶縁部材、 IM1…第1絶縁部材、 IM2…第2絶縁部材、 IM3…第3絶縁部材、 IM4…第4絶縁部材、 IMa…第1絶縁層、 IMb…第2絶縁層、 IMc…第3絶縁層、 IMd…第4絶縁層、 MI0、MI1、MI2、MI3、MI4…中間配線、 RM、RM1、RM2、RM3、RM4…樹脂部材、 S1…第1表面、 S2…第2表面、 SC…金属コネクタ、 SE、SE1、SE2、SE3、SE4…第2電極、 SP…半導体部、 ST…第2端子、 Tr、Tr1、Tr2、Tr3、Tr4…半導体素子