(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】建築用パネル組立体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/80 20060101AFI20240710BHJP
E04C 2/38 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
E04B1/80 100Q
E04C2/38 P
(21)【出願番号】P 2021526733
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 GB2019053243
(87)【国際公開番号】W WO2020099887
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-15
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521208697
【氏名又は名称】フォーウォール アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】モス, クリストファー
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-134021(JP,A)
【文献】国際公開第2015/107369(WO,A1)
【文献】実開昭53-070715(JP,U)
【文献】特開2003-276008(JP,A)
【文献】特開2008-095423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/80
E04C 2/00 - 2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の離間した閉じ込め板であって、内側断熱芯材によって分離されており、前記内側断熱芯材は、硬化性断熱フォームがその周囲に導入される1つまたは複数の予備成形体を備える、一対の離間した閉じ込め板と、
剛性フレームを受け入れるために
パネルの外縁に配置さ
れる少なくとも1つのチャネルであって、
該少なくとも1つのチャネルは、該一対の離間した閉じ込め板から離間しており、かつ該一対の離間した閉じ込め板の間に配置され、
該剛性フレームは、該パネルの該外縁の周りと、該離間した一対の閉じ込め板の間
の空間内とに延在している、一対の離間した長手方向チャネルを画定する、
少なくとも1つのチャネルと、
少なくとも1つの閉じ込め板と該内側断熱芯材とに隣接してそれらの間に配置された少なくとも1つの導管と、
を備え、
各予備成形体は、該少なくとも1つの閉じ込め板から離れた位置を維持するために配置された複数の位置合わせ部材を含む、
建築用パネル組立体。
【請求項2】
該位置合わせ部材が、該予備成形体の表面から延在する1つまたは複数の突起部を備える、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項3】
2つの導管を有する、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項4】
該閉じ込め板が、配向性ストランドボード、セメント粒子ボード、酸化マグネシウムウォールボード、合板、加圧処理合板、鋼材、アルミニウム、繊維強化プラスチック類、または金属、または複合被覆材から選択される、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項5】
該内側断熱芯材が、発泡ポリスチレンフォーム、押出ポリスチレンフォームまたはポリウレタンフォームから構成される、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項6】
該1つまたは複数の予備成形体が中実である、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項7】
該1つまたは複数の予備成形体が、該
離間した一対の閉じ込め板
の間の
前記空間の内部容積の95%以下を占める、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項8】
該1つまたは複数の予備成形体が、該
離間した一対の閉じ込め板
の間の
前記空間の該内部容積の25~50%を占める、請求項7に記載の建築用パネル組立体。
【請求項9】
該1つまたは複数の予備成形体が、該
離間した一対の閉じ込め板
の間の
前記空間の該内部容積の30%を占める、請求項8に記載の建築用パネル組立体。
【請求項10】
該硬化性断熱フォームが該内側断熱芯材の残りの体積を占める、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項11】
該硬化性断熱フォームが、熱硬化および/または紫外線(UV)硬化される、請求項1に記載の建築用パネル組立体。
【請求項12】
フレームの内側表面に亘って実質的に延在している少なくとも1つ隆起部を有する複数のフレーム部材を含む該フレームを有する治具の使用と、パネルが形成されると、該フレーム部材を解放し、該パネルを該治具から取り外すことができるように、該フレーム部材を解放可能に互いに固定して該フレームを形成するための手段とを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の建築用パネル組立体の製造方法。
【請求項13】
該フレームが、該フレームの該内側表面に亘って実質的に延在している2つの隆起部を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該フレームおよび該治具が、内側断熱芯材の材料の通過を可能にする入口を有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか1
項に記載の方法で使用するための治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規住宅、商業用ビル、および1つまたは複数の階の建て増しの建設に使用するための建築用パネル組立体に関する。本発明の組立体は、工場で製造することができ、MMC(現代の工法)というより広い頭字語の下で「オフサイトの」建設と見なすことができる。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で知られているいくつかのオフサイト手法には、現場に配送される前に工場で様々な完成度まで製造される木材フレームパネル組立体、ならびに、構造的なラッキング抵抗を壁パネルならびに内側壁面および外側壁面に提供する断熱材によって分離された2つの被覆板の間に接着構造断熱芯材または発泡構造断熱芯材を備えるSIPS(構造用断熱パネルシステム)が含まれる。上記オフサイトのパネルシステム各種には多くの例があるが、それらは構造物が(シロアリの)蔓延または侵食の影響を受けないようにしながら、極端な天候、温度、湿度、および風のもとで使用することができる建築システムのソリューションを提供するように特に設計および開発されていない。
【0003】
あらゆる建物の主要な設計要素は、居住するのに快適でありながら、避難、暖かさ、涼しさ、保護および安全を提供しなければならないため、よく理解されている。これらの設計要素は普遍的であり、「地域の建物」は、その歴史的設計およびしばしば「経験的」設計に応じて上記属性の混ぜ合わせを備えている。大体において、建物は現地で入手可能な材料を使用して建築され、上述した所望の機能的態様の一部またはすべてを提供するための構造物に形成されている。
【0004】
世界中の政府が気候変動の影響を低減することに尽力しているため、より持続可能な建物および構造物を提供するための新しいアプローチの採用は、建物が確実にエネルギー効率に優れ、かつ持続可能であるようにする、建物の厳密な性能コードを採用することによって実施されなければならない。建物の外皮のエネルギー効率は、補うための使用電力の需要を高める建物の内外における(気候条件に応じた)熱の維持と、建物に出入りする通風の防止との両方に役立つ、断熱性と気密性との混合比である。
【0005】
既知の製造済み建築用パネルは、典型的には湿度制御および気密性を提供するための断熱材と被膜との混合物を(内部および外部に)含んでいる。これらの材料は通常、その性能を補うために、時間または極端な気象とともに劣化することがあり、不十分な性能につながる不十分な設置技術を受けることがある粘着テープおよびマスチックシールまたはシリコーンシールの導入に依存している。さらに、これらの建物は、あまり訓練を受けていない(またはあまり監督されていない)建築業者によって建設されることが多い。すなわち、初期の段階でさえ建物の耐用期間中に「設計通りの性能」が満たされることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有利には、本発明は従来技術に関連する1つまたは複数の問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、1対の離間した閉じ込め板を備える建築用パネル組立体であって、内側断熱芯材によって分離されており、上記内側断熱芯材が硬化性断熱フォームを周りに導入することができる1つまたは複数の本体を備えている、1対の離間した閉じ込め板を備える建築用パネル組立体が提供される。
【0008】
離間した閉じ込め板は、それらの間に1つまたは複数の本体を受け入れるための空隙を形成してもよい。次いで、硬化性断熱フォームを、閉じ込め板の間に導入してもよいし、1つまたは複数の本体の周りに少なくとも部分的に導入してもよい。構造健全性は、1つまたは複数の本体の存在によって増加してもよいし、かつ/または、製造効率は、たとえば、より短い、かつ/もしくは、より費用効果の高い硬化時間によって増加してもよい。
【0009】
本発明は、(上述した)他のオフサイトのシステムで使用されるような標準的な建築材料および周知の建築材料を(大部分で)利用することができるが、大幅に再設計することなく多様な気象気候で使用される設計概要内でその設計機能を果たすことができる材料のみが使用される。したがって、未処理木材、OSB(配向性ストランドボード)、および外部に適用されるいくつかの通気膜などの材料は使用されていない。
【0010】
本出願人らは、高性能でエネルギー効率に優れた建物の外皮に必要な湿度および気密性を提供するために、追加の膜、テープ、蒸気制御層(VCLs)およびマスチックの適用を必要とせずに最適に機能する、材料の選定と建物を建設するために必要な構築者の技能との両方における既存のオフサイトのパネリングシステムの弱点を考慮に入れている。
【0011】
本発明は、(コンクリート床版、防音壁、および柱などの追加の内部建築要素を導入することなく追加の荷重を支えるための構造物の能力など)「国」指向の多様な選択を備えた「世界規模の」ソリューションの必要性によって引き起こされている追加の性能要件を満たすように設計されている。本発明は、(追加の構造を必要とせずに標準のSIPSパネルまたは木材フレームパネルによってもたらされる負荷に加えて)追加の荷重を支えることができ、かつ/または、パネルの組み立て中または組み立て後に、テープ、膜およびシーラントを必要とせずにパネル組立体の自然な一部として実質的に「気密」になることができる。
【0012】
本発明は、各パネル間の接続において(「Z」ジョイントまたは空気歪曲経路を介して)気密シールおよび構造的に剛性の「I」ジョイントの両方を提供するように成形されている各パネルの周辺に軽量の構造用鋼フレームを利用してもよい。この接合部は、追加の気密コネクタとして機能し、パネル同士を接合し、増大した等分布荷重(UDL)または点荷重の支持に対処するための標準パネルの耐荷重能力を増大させ、かつプレキャストコンクリート床版を支持することができる各パネル接合部において線荷重(垂直の柱)を提供する各さね部(接合部ごとに2つのさね部、差し込み部、または舌状部)に接着された酸化マグネシウム(MgO)板の差し込み部を有してもよい。壁の深さ内で追加のサポートが必要な場合、酸化マグネシウム(MgO)のさね部、差し込み部または舌状部は、2つの隣接するパネル間の形状に成形し、かつ追加の線荷重を内部ビームサポートなどの個々の点荷重にもたらす構造用鋼管柱(UC)に置き換えることができる。
【0013】
ある実施形態では、構造用断熱材ならびに外部構造用ラッキング板および内部構造用ラッキング板と組み合わせた軽量の構造用鋼材フレームの本発明の使用は、堅牢で熱効率に優れた気密構造を提供しながら、極端な風/側面荷重および増加した垂直荷重を支えることができる複合構造物を形成するために組み合わされる。しかしながら、さらに本発明は、鋼製部分品が接合部におけるパネルの熱容量を損なわないように、鋼製部分品の各部分の前に断熱層を維持しながら、鋼製部分品の部分から離れたパネルの各面上の外部ラッキング板を独自に「浮かせる」ことによってパネル接合部における熱橋を防止するようにその建設が最適化されているため、追加の要素によって「熱橋」を排除する必要がない。
【0014】
ある実施形態では、本発明における予備形成された軽量の鋼材部分の「垂直Iジョイントならびに雄コネクタおよび雌コネクタの両方としての」使用は、固定プレートが、大概歪んでいて整列していない処理済み木材であるという事実に起因して大概整列していない木材フレームおよび標準のSIP’sパネルの両方とは異なり、底板の精密度および「真直度」に起因してパネルが確実に完全に整列しているようにしやすくする。本発明のパネルの位置合わせの精密度は、外部の板面および内部の板面が漆喰塗り/接合/下塗り/または装飾の問題につながる「段違い」にならないようにしながら、確実に各「パネル間の」接続を行うことができるようにするのに役立つ。
【0015】
本発明は、剛性フレームが確実に内側断熱芯材によって閉じ込め板から断熱されるようにすることによって熱橋を最小限に抑える。
【0016】
フレームは、パネルの周辺に亘って延在しており、かつ離間した一対の閉じ込め板間の空間に延在している一対の離間した長手方向チャネルを画定してもよい。
【0017】
剛性フレームは、好ましくは、チャネルに相補的に成形されており、それによって受け入れられる1つまたは複数のさね部、差し込み部または舌状部を含む。したがって、2つ以上のパネルを互いに接続し、所定の位置に差し込むことができる。より好ましくは、剛性フレームは、2つのさね部、差し込み部または舌状部を含む。
【0018】
パネルは、閉じ込め板および内側断熱芯材に隣接し、それらの間に配置された少なくとも1つの導管を含んでもよい。ケーブル布線などのための導管の位置は、熱橋を低減し、閉じ込め板間の断熱芯材の材料の損失が確実にごく僅かとなるようにする。
【0019】
ある実施形態では、1つが閉じ込め板の各々に隣接して配置された2つの導管がある。この実施形態では建物の内壁構造に使用することができるが、ケーブル布線はパネルのどちら側にも延びることができ、また電気技術者らが電源ソケット、光スイッチ、またはそのような任意の電気端子を配置するために容易に手を届かせることができる。
【0020】
本発明は、最大の「オフサイトの」プロセスが基幹システムを生み出すことを可能にし(つまり、労働力の変動、気象、現場保管、および現場廃棄への依存度を低減し)、れんが、ブロック、およびコンクリートなどの既存の「確立した」非規制の建築材料または取引で作業を行うことができる。
【0021】
クレーンなどの重機を利用する能力と同様に現場の状況は多様なため、システムは、好ましくは、そのどちらでも生産プロセスの流れおよび効率を制限することなくプロジェクトに適合するように「大小」両形式のパネルで現場に供給することができる。一実施形態では、(コストを抑えて高品質を備えた)短いリードタイムは、現場に直接運ぶことができるか、または必要な壁の高さに工場で組み立てることができる「在庫品目」として利用可能な「前処理済み」段階の組み立て済みパネルを必要とする。
【0022】
本発明の組立体は、好ましくは、改善された剛性、構造健全性および改善された耐荷重能力を有し、特に、改善された耐捩じれ性、さらには改善された断熱特性を有する。
【0023】
本発明によるパネルを利用して構造物を組み立てる場合、一実施形態では、まず水平な底板が構造物の基礎に固定されるが、上記の底板は、SIP壁パネルの基部上のフレームの離間した平行なチャネル内に受け入れられる一対の直立した平行なレールを有する。垂直方向の位置合わせのために、垂直な底板が、SIPパネルの隣接する垂直な縁部上の離間したチャネルに係合するための対応するレールをさらに有する水平な底板に対して直角に配置され、これにより水平な底板および垂直な底板が予め精密に配置された第1のパネルを精密に位置決めすることができる。次いで、後続のSIPパネルが底板上に配置され、位置合わせの溝を利用して上記第1のパネルに接続される。このプロセスは壁の長さに達するまで継続され、垂直な底板で終結することができる。水平な底板および垂直な底板は互いに直角に交わるように構成されているので、パネル同士は結果的に互いに直角を成し、確実に正確な位置合わせをすることができる。次いで、各パネルの上縁部を固定するために、壁パネルと同様の構造のまぐさを、複数の壁パネルの上部に亘って延在させて配置することができる。上記のまぐさはまた、対応する位置合わせの溝を受け入れ、かつ各壁パネルおよび隅柱の対応する溝と係合するために、周辺フレーム内に対応する離間したチャネルを有する。
【0024】
本発明による剛性周辺フレームを提供することの利点は、そのような剛性周辺フレームが必要に応じて耐火要素を提供する酸化マグネシウムのパネルを含む、より脆弱なパネル部材で利用できることである。周辺フレームの剛性構造、およびその曲げまたは捩じれに対する耐性は、より脆弱な材料の性能および保護を大幅に改善する。パネルは一般に標準的な寸法に作製されるが、構造物の全体的な構成内で適切などこにでもドアおよび窓のための開口部を提供できるようにするために、より小型の、より細幅の、または高さを抑えたパネルを設けることができる。
【0025】
さらに、重要な利点は、上述したように、そのようなパネルの健全性に重大な影響を与えることなく、たとえばパネルを通る電気配線などのサービスの供給を可能にするために、パネルを通る導管を提供する能力である。
【0026】
パネルフレームは、それを介して硬化性断熱材料が流れることを可能にする開口部を有してもよい。
【0027】
1つまたは複数の中実の本体は、閉じ込め板間の空隙の内部容積の95%以下を占めてもよい。有利には、1つまたは複数の中実の本体は、空隙の内部容積の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下または20%以下を占める。ある実施形態では、1つまたは複数の中実の本体は、閉じ込め板間の空隙の内部容積の25~50%を占める。ある実施形態では、1つまたは複数の中実の本体は、閉じ込め板間の空隙の内部容積の30%を占めてもよい。
【0028】
硬化性断熱材料は、空隙の残りの容積を占めてもよい。
【0029】
硬化性断熱材料は、任意の好適な手段によって硬化してもよい。
【0030】
有利には、硬化性断熱材料は、熱硬化および/または紫外線(UV)硬化してもよい。
【0031】
ここで、添付の図面および例を参照しながら、本発明を単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明によるパネルフレームの構成要素および組立体を示す図である。
【
図2】本発明によるパネルフレームの構成要素および組立体を示す図である。
【
図3】本発明によるパネルフレームの構成要素および組立体を示す図である。
【
図4】本発明によるパネルフレームの構成要素および組立体を示す図である。
【
図5】本発明によるパネルフレームの構成要素および組立体を示す図である。
【
図6】本発明によるパネルの製造に使用される治具を示す図である。
【
図7】パネルとキャスケットフレームとをその中に配置された治具を示す図である。
【
図8】治具と予備成形体を有するフレームとを示す図である。
【
図9】さらなる処理のために治具内に閉じ込められた組立済みパネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1~
図5は、2つの伸長側面部材12’、12’’と、より短い伸長第1端部材14’およびより短い伸長第2端部材14’’とを有するパネル10のための鋼材フレームの組立体を示す図である。
【0034】
各部材は、そこから2つの直立壁22’、22’’が垂直に延在しており、かつ部材の全長に沿って延在している平坦な基部20を備える。
【0035】
各直立壁22’、22’’は、基部の平面に対して垂直に延在している2つの側壁24’、24’’と、それらの間で基部の平面に対して平行であり、部材の長さに延びてチャネル28を形成している端部壁26とを備える。
【0036】
部材の長手方向縁部は、側壁の平面に対して直角に延在しており、かつ部材の長手方向の長さに沿って延在しているフランジ30を有する。
【0037】
パネルフレーム部材は一面に着座し、製造中にパネルフレーム部材を支持するキャスケットフレーム部材36’、36’’、38’、38’’に相補的に成形される。キャスケット鋼材のフランジ40は、パネル鋼材のフランジ30を越えて延在する。
【0038】
各部材の端部は、フレームの外側表面に亘って延在している2つの周辺チャネルと、フレームの内側表面の周りのフレームの内部に延在している2つの壁とを有する長方形フレームの組み立てを可能にするように留め継ぎされる。
【0039】
すべての部分がかみ合わされている場合、キャスケット部材とフレーム部材との間の接合部は、発泡中にポリウレタン(PU)フォームが接合部に流れ込むのを防止するためのマスキングテープで封止され、その後の洗浄が最小限に抑えられる。
【0040】
図5は、パネルが製造されている間に構造健全性を提供し、かつキャスケット鋼材およびパネル鋼材が移動するのを防ぎ、部品同士を固定してより簡単に取扱いやすくするためにその角部において周方向チャネルによって受け入れられる直角の正方形部材50の使用を示す。
【0041】
次いで、さらなる処理のために、組立体を長方形の治具60に挿入することができる。
【0042】
図6は、組み立て済みのパネルとキャスケットフレームとを受け入れるための治具60組立体を示す。同様に、治具60は、パネルおよびキャスケット組立体を受け入れるように相補的に成形された長方形の治具を形成するための2つ伸長側壁62’、62’’、および2つのより短い端部壁64’、64’’を有する。
【0043】
組立体は、流動化したポリウレタン(PU)フォームを送達するために導管を通すことができる側壁内の中央に配置された開口部66’、66’’を有する治具60内に下げられる。
【0044】
図7は、パネルおよびキャスケットフレーム部材がその中に配置された
図6の治具を示す。
【0045】
図8は、治具60の内部に配置された菱形の2つの予備成形体70’、70’’を示す。本体は直列に配置され、フレーム部材間の空間の内部容積の大部分を満たす。
【0046】
各菱形70’、70’’は長方形の断面を有し、かつ上側表面72および下側表面74ならびに周辺側壁76を有する。菱形の上側表面および下側表面に亘って延在するのは、菱形を閉じ込め板の内部表面から離間させるスパイクからなるスペーサ部材である。これにより、発泡ポリウレタン(PU)は注入されたときに菱形を取り囲むことができ、菱形が閉じ込め板と発泡ポリウレタン(PU)との一体構造に接着しやすくなる。スペーサ部材がなければ、菱形の上側表面または下側表面は、閉じ込め板の内部表面に載置され、閉じ込め板に接着しにくくなり、完成したパネルの構造健全性を損なうことになる。
【0047】
図9は、フレーム部材の頂部に接して菱形の上に配置され、それらを第1閉じ込め板および第2閉じ込め板の間に挟む第2閉じ込め板90を有する
図8の組立体を示す。次いで、開口部66’および/または66’’を介してポリウレタン(PU)フォームをサンドイッチ構造に導入し、続いて発泡ポリウレタンを硬化させてパネルを形成することによって、組立体をさらに処理することができる。