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特許7518833自動車用のバッテリの熱界面を作る方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】自動車用のバッテリの熱界面を作る方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20240710BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240710BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240710BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20240710BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/625
H01M10/6554
H01M10/613
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021537122
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2020051000
(87)【国際公開番号】W WO2020152020
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】102019101403.4
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521275828
【氏名又は名称】リサ ドラクスルマイヤー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】LISA DRAXLMAIER GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ロメルスベルゲル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン セイドル
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト マグニア
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ リースター
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ウンフェルリヒト
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-076490(JP,A)
【文献】特開2017-111872(JP,A)
【文献】特開2018-018630(JP,A)
【文献】特開2015-207541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のバッテリ(10)の熱界面を作る方法であって、
少なくとも1つのバッテリモジュール(12)と、正確な装着位置で該バッテリモジュール(12)の一方の側(16)を収容する伝熱面(14)を有する収容領域(46)を有する少なくとも1つの収容構造(40)とを用意するステップと、
測定装置(48)により、前記収容領域(46)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の前記側を測定するステップと、
前記測定に基づいて、データ処理装置(50)により、前記バッテリモジュール(12)の前記正確な装着位置における前記伝熱面(14)と前記バッテリモジュール(12)の前記側(16)との間に生じる隙間のサイズ及び形状を決定するステップと、
前記データ処理装置(50)により、前記隙間の決定されたサイズ及び形状に基づいて、前記隙間を充填する熱伝導材料(18)の供給仕様を決定するステップと、
供給装置(52)により、決定された供給仕様に従って前記伝熱面(14)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の前記側(16)に前記熱伝導材料(18)を塗布するステップと、
装着装置(54)により、前記バッテリモジュール(12)を前記正確な装着位置に嵌め、塗布された前記熱伝導材料(18)に圧力を加え、その結果として、圧縮された前記熱伝導材料(18)が前記バッテリモジュール(12)の前記側と前記伝熱面(14)との間に熱界面を形成するステップと
を含み、
前記供給仕様の決定時に、前記収容構造(40)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の剛性に関する局所的な差を考慮する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記測定中に、以下の変数:
前記伝熱面(14)の形状、特に起伏及び/又は隆起、
前記バッテリモジュール(12)の前記側(16)の形状、特に起伏及び/又は隆起、
前記収容領域(46)の固定点の位置、
前記バッテリモジュール(12)の前記側(16)の固定点の位置
のうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記測定を、3Dカメラ、レーザ測定装置、及び/又は測定プローブにより実行することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法において、
前記供給仕様の決定時に、前記伝熱面(14)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の前記側(16)を個々のセグメント(60)に分割し、前記個々のセグメント(60)毎に前記熱伝導材料(18)に関する個々の体積それぞれを規定することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法において、
前記熱伝導材料(18)を複数の線(42)の形態で塗布し、前記供給仕様の決定時に、前記線(42)の各断面(62)を、充填すべき前記隙間のサイズ及び形状に応じて局所的に適合するように予め決定することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法において、
流量及び/又は供給速度の閉ループ制御により、前記熱伝導材料(18)の塗布時に前記線(42)の前記断面(62)を前記供給仕様に従って局所的に適合させることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項又はのいずれか1項に記載の方法において、
充填すべき前記隙間のサイズ及び形状に応じた前記供給仕様の決定時に、前記線(42)の数を局所的に変えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法において、
複数のバッテリモジュール(12)及び収容構造(40)を測定し、該測定に応じて、特に各隙間を充填する前記熱伝導材料(18)の最小限の供給量に関する少なくとも1つの所定の割り当て基準に従って、前記収容構造(40)に対する前記バッテリモジュール(12)の割り当てを行うことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法において、
前記測定から得られるデータを用いて、前記収容構造(40)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の場合に所定の公差が守られているか否かを検証することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法において、
前記測定から得られるデータを用いて、前記収容構造(40)及び/又は前記バッテリモジュール(12)の製造に用いられる工具及び/又は半製品の摩滅を判定することを特徴とする方法。
【請求項11】
自動車用のバッテリ(10)の熱界面を作るシステム(56)であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう構成された、測定装置(48)と、データ処理装置(50)と、供給装置(52)と、装着装置(54)とを備えたシステム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行、実装、及び/又は制御するよう構成されたコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品を記憶する機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のバッテリの熱界面を作る方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のバッテリシステムでは、いわゆる熱界面材料又はギャップフィラー、ごく一般的には熱伝導材料が、放熱のため及び隙間がある場合の公差補償のために通常は用いられる。あらゆる公差条件の場合に熱遷移を確保するために、こうした熱伝導材料の供給(dosing)は、概して、最大限の隙間測定寸法まで、したがって通常は公称及び特に最小公差に関して比較的高い過充填度まで実行される。
【0003】
通常は、自動車用のバッテリは、多くの場合は複数のバッテリセルを組み合わせた複数のバッテリモジュールを備える。この種のバッテリモジュールは、例えばバッテリフレーム又は同様の形態の収容構造により収容される。この種の収容構造は、例えば、中間層としての隔壁板、冷却板、他のタイプの冷却構造、又はごく一般的にはヒートシンクの形態の、伝熱面を有することができ、これにより過剰な熱がバッテリセルから、したがってバッテリモジュールからバッテリの冷却システムに放出されるようになっている。バッテリの製造公差により、例えば、隔壁板、バッテリフレーム、バッテリモジュールの下側の形状及び位置が変わり、バッテリフレームとバッテリモジュールとの接続点の位置が変わる。
【0004】
熱界面材料又はギャップフィラーの形態の熱伝導材料の過充填は、ある程度は許容されることが多いので、装着時に、特にバッテリモジュールの配置時に、これらが既に塗布された熱伝導材料(熱界面材料又はギャップフィラー)を圧縮して変位させると非常に大きな力が生じることがあり得る。さらに、既に塗布された熱伝導材料の圧縮により生じる力を小さく保つと共に構造、特に該当するバッテリモジュール及び収容構造又はバッテリモジュールに損傷を与えないために、熱伝導材料を非常にゆっくりとしか圧縮できないので、非常に長い加工時間が許容されることが必要な場合がある。熱伝導材料での充填が不十分な場合、すなわち充填すべき隙間に熱伝導材料が十分に充填されない場合、関連する冷却システムの熱的性能が非常に悪くなる虞がある。したがって、熱伝導材料の供給不足も不利である。
【0005】
さらに、熱伝導材料の過充填は、材料の大量使用、したがって高コストに結び付く。さらに、これは資源の無駄にもなり、ひいては環境フットプリントの悪化(poor environmental foot print:環境フットプリントの増加)をもたらす。さらに、通常用いる熱伝導材料は、密度が少なくとも2g/cmを超え、したがって重量が比較的大きく、該当する自動車はその寿命中にこれを運ばなければならないので、自動車のエネルギーフットプリントに悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、自動車用のバッテリの少なくとも1つの熱界面をできる限り効果的に作ることができるようにする解決手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の特徴を有する自動車用のバッテリの熱界面を作る方法及びシステムにより解決される。本発明の好都合且つ非自明のさらなる発展形態を有する有利な実施形態を、従属請求項に記載する。
【0008】
自動車用のバッテリの熱界面を作る本発明による方法では、少なくとも1つのバッテリモジュールと、正確な装着位置でバッテリモジュールの一方の側を収容する伝熱面を有する収容領域を有する少なくとも1つの収容構造とを用意する。例えば、バッテリモジュールは、バッテリモジュールのハウジング内に配置される相互接続された複数のバッテリセルを有し得る。収容構造は、例えば、バッテリフレーム又は他の種類の収容構造であり得る。収容構造には、例えば隔壁板であり得る上記伝熱面が属する。隔壁板の場合、これは、通常はバッテリモジュールと冷却システムとの間の中間層であり、したがって特にバッテリモジュールから冷却システムへの伝熱に役立つ。伝熱面は、直接的には冷却板、別の種類の冷却構造、又はごく一般的にはヒートシンクでもあり得る。したがって、正確な装着位置では、伝熱面は、バッテリモジュールからバッテリの冷却システムへの伝熱に役立つ。
【0009】
バッテリの冷却システムは、能動的な形態であっても受動的な形態であってもよく、すなわち、能動冷却又は受動冷却を提供し得る。
【0010】
本発明による方法では、収容領域及び/又はバッテリモジュールのうち収容構造の収容領域に収容され得る側を、測定装置により測定する。バッテリモジュールの正確な装着位置において伝熱面とバッテリモジュールの被収容側との間に生じる隙間のサイズ及び形状が決定され、この決定は、以前に行った測定に基づいてデータ処理装置により実行される。その後、隙間を充填するための熱伝導材料の、すなわち熱界面材料又はギャップフィラーの供給仕様が、隙間の決定されたサイズ及び形状に基づいてデータ処理装置により決定される。その後、決定された供給仕様に従って、熱伝導材料が供給装置により伝熱面及び/又はバッテリモジュールの被収容側に塗布される。その後、塗布された熱伝導材料を装着装置により圧縮することにより、バッテリモジュールが正確な装着位置に取り付けられた後に、圧縮された熱伝導材料が、バッテリモジュールの上記側と伝熱面との間で熱界面を形成する。
【0011】
したがって、上記熱界面を作る本発明による方法では、本発明によるプロセスチェーンにより不安定性又は公差が精密に検出、処理、及び分析されて、熱伝導材料による公差由来の過充填が不要となるような、熱伝導材料に関する塗布概念が構想される。したがって、熱伝導材料に関して公差制御された供給が行われることで、ギャップフィラー又は熱界面材料として働く熱伝導材料の材料使用は、隙間の実際の幾何学的形状に、したがって実際に必要な量に適合される。これは、収容領域及び/又はバッテリモジュールの被収容側が測定装置により測定され、これに基づいて、バッテリモジュールの正確な装着位置において伝熱面とバッテリモジュールの被収容側との間に生じる隙間のサイズ及び形状についての結論が導き出されることで達成され得る。
【0012】
バッテリモジュール及び収容構造の両方が、特に大きなアセンブリ及び溶接構造の場合に重大な影響があり得る製造公差を有する。例えば、バッテリモジュールの場合に、また収容構造の場合にも、所定の公差領域内で起伏又は隆起の形態の形状偏差が生じ得る。さらに、特定の固定点の位置つまり固定位置が変わり得る。これらすべての偏差を、熱伝導材料で補償しなければならない。したがって、一般的な過充填又は不均一若しくは不十分な被覆度により起こる初めに述べた欠点を回避するために、熱伝導材料は、適切な位置で局所的に適当な量を狙い通りに供給される。
【0013】
したがって、本方法により、非常に小さな層厚を熱伝導層で実現することができる。この結果として、収容構造の伝熱層とバッテリモジュールのうち収容構造に収容される側との間の上記隙間の過充填を伴わずに、比較的小さな圧縮力が得られる。したがって、ここで熱伝導材料に関して必要な層厚は、事実上はバッテリモジュール及び収容構造に関する公差自体のみに応じて変わり、例えば、収容構造及び/又はバッテリモジュールを特定の点で弛ませることになり得る塗布された熱伝導材料の圧縮中に通常生じる大きな力等の、加工に関する付加的な影響に応じては変わらない。
【0014】
本方法により、熱伝導材料に関する被覆度をプロセス信頼性が高い方法で設定すること、したがってできる限り理想的な熱伝導材料に関する熱特性を実現することも可能である。例えば、本発明による方法により、局所的な層厚に適合した熱伝導材料による適切な被覆度により、一定の熱抵抗を達成することができる。被覆度は、例えば、熱伝導材料での規定面の被覆率(percentual coverage)を表し得る。
【0015】
収容領域及び/又はバッテリモジュールのうち収容領域に収容される側の測定に基づいて、一般公差レベルのタイプを決定することができる。特に、局所的及び全体的な差を検出することができる。さらに、過剰決定された接続点又は支持点に対する補償関数を考慮して、上記パラメータに応じて熱伝導材料に関して必要な供給体積を決定することができる。
【0016】
したがって、本方法により、熱伝導材料の供給量を、バッテリモジュールの正確な装着位置において伝熱面とバッテリモジュールの被収容側との間に生じる隙間の実際のサイズ及び形状に精密に適合させることが可能である。この点で、熱伝導材料の総量を精密に適合させることができるだけではない。さらに、測定に基づいて、該当する隙間の形状及びサイズを局所的に非常に狙い通りに決定すると共に、そこに精密に導入されるように熱伝導材料を適合させることが可能である。したがって、本発明による方法により、通常は比較的高価な熱伝導材料が浪費されない。したがって、適切な環境保護及び資源保全も得られる。
【0017】
本発明による方法では、熱伝導材料に関して過充填を行う必要がなくなるので、該当するバッテリの場合に対応する重量を軽減することもできる。さらに、上記理由から、熱界面で特に良好な熱特性も実現することができる。さらに、塗布された熱伝導材料を圧縮することになるバッテリモジュールの装着時の力が、特に小さくなる。したがって、バッテリモジュールの装着に用いられる装着装置は、対応して小さな寸法を有することができ、それに伴って設備投資が少ない。収容構造及びバッテリモジュールの構造荷重もそれに応じて減らすことができる。さらに、本発明による方法により、バッテリモジュールの設置時又は熱伝導材料の圧縮時に特に短い加工時間を達成することが可能である。
【0018】
本発明のさらに別の可能な実施形態において、測定中に、以下の変数:
-伝熱面の形状、特に起伏及び/又は隆起、
-バッテリモジュールの上記側の形状、特に起伏及び/又は隆起、
-収容領域の固定点の位置、
-バッテリモジュールの上記側の固定点の位置
のうちの少なくとも1つを捕捉する。
【0019】
伝熱面及び/又はバッテリモジュールの形状の測定により、バッテリモジュールの正確な装着位置において伝熱面とバッテリモジュールの被収容側との間に生じる隙間のサイズ及び形状を特に精密に決定することが可能である。特に起伏及び/又は隆起の測定又は決定により、後で形成される隙間の形状を特に精密に予測することが可能である。できる限り精密な熱伝導材料の供給仕様を設定することができるように、収容領域及び/又はバッテリの被収容側の固定点の考慮には、貴重な情報も伴う。基本的には、本方法において、熱伝導材料を充填すべき隙間のサイズ及び形状に影響のある、収容領域及び/又はバッテリモジュールの被収容側の全ての幾何学的特性を測定することができる。測定の精度が高いほど、隙間のサイズ及び形状と、それに関連する熱伝導材料に関する供給仕様の精度も高くなり得る。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態において、測定を、3Dカメラシステム、レーザ測定装置、又は測定プローブにより実行する。したがって、測定装置は、測定を実行するために光学系及び触覚システムを有し得る。理想的には、測定は、ここでは連続的に又は対応して細かい分解能の別個の測定用格子を少なくとも用いて実行される。したがって、特に許容公差内の形状偏差及び位置偏差が、収容領域及び/バッテリモジュールの被収容側で確実に検出される。測定精度を高め且つ/又は測定結果を確認するために、異なる光学及び/又は触覚測定システムを相互に組み合わせることもできる。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態において、供給仕様の決定時に、伝熱面及び/又はバッテリモジュールの上記側を個々のセグメントに分割し、個々のセグメント毎に熱伝導材料に関する個々の容量それぞれを規定する。測定中に、測定データが得られ、それに基づいて収容領域及び/又はバッテリモジュールの被収容側に関する一般公差レベルを決定することができる。ここで、局所的及び全体的な差も検出することができる。さらに、特定の支持点又は接触点に対する補償関数を考慮し、それに基づいて熱伝導材料に関して必要な供給体積を決定することも可能である。供給仕様の決定時に、伝熱面及び/又はバッテリモジュールの被収容側が個々のセグメントに分割されるので、個々のセグメントに、塗布される熱伝導材料に関する個々の体積それぞれを割り当てることが特に効果的に可能である。したがって、用いられる供給装置について特に実施しやすい供給仕様が得られる。
【0022】
本発明のさらに別の可能な実施形態によれば、供給仕様の決定時に、収容構造及び/又はバッテリモジュールの剛性に関して局所的な差を考慮する。したがって、例えば、塗布された熱伝導材料の圧縮時の弛み又は隙間拡大を補償するために、中間領域にある程度過剰な量の熱伝導材料を設けることができる。したがって、収容構造が例えばバッテリフレームである場合、これは特定のフレーム区域で異なる剛性を有し得る。熱伝導材料の圧縮中に、この種の異なる剛性は対応して異なる影響を及ぼし得るので、これらの特性を供給仕様の決定時に考慮することもできる。収容構造及び/又はバッテリモジュールの剛性に関する局所的な差を考慮することにより、熱伝導材料に関する供給仕様を実際の条件に特に精密に適合させることも可能である。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態によれば、熱伝導材料を複数の線の形態で塗布し、供給仕様の決定中に、線の各断面を、充填すべき隙間のサイズ及び形状に応じて局所的に適合するように予め決定する。したがって、換言すれば、熱伝導材料が複数の線又は無限軌道の形状で塗布される線塗布イメージ(line application image、Linien-Auftragsbild)の形態が、熱伝導材料に関する塗布形状として選択される。これは特に、伝熱面及び/又はバッテリモジュールの被収容側の前述のセグメント状分布に関連して有利である。このタイプの線状塗布イメージは、熱的に接続される面、すなわち収容構造の伝熱面及び/又はバッテリモジュールの被収容側に容易に分配されて、セグメントに分割されることができる。熱伝導材料の塗布は、種々の断面形状の線状無限軌道の形態で、例えば円形断面の形態又は三角形断面の形態でも行うことができる。熱伝導材料に関する複数の線の形態のこの塗布形態により、供給仕様を特に単純且つ精密に実施することができる。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態によれば、流量及び/又は供給速度の閉ループ制御により、熱伝導材料の塗布時に線の断面を供給仕様に局所的に適合させる。熱伝導材料の塗布時の局所型の容量制御は、例えば、厚さ、高さ、又はごく一般的には断面の変化により非常に単純に実行することができる。これは、例えば流量及び/又は供給速度、すなわち例えば供給装置の供給ヘッドが前進する前進速度の閉ループ制御により非常に単純に実行することができる。このように、決定された供給仕様を適宜、また熱伝導材料の塗布時にも精密且つ単純に実施することが可能である。熱伝導材料を塗布する方法及び形態とは関係なく、材料塗布の供給及び設計は、隙間の局所的に決定された体積に従って行われる。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態において、充填すべき隙間のサイズ及び形状に応じた供給仕様の決定時に、線の数を局所的に変える。したがって、ごく一般的には、熱伝導材料の塗布中に、例えば局所的に非常に少ない所要体積の場合に線又は無限軌道を6つから3つに切り換え、またその逆に切り換えることにより、塗布形状又は塗布イメージを変えることも可能である。したがって、塗布イメージは、充填すべき隙間の局所的な体積に応じて適合させることができる。それにより、収容構造の伝熱面とバッテリモジュールの被収容側との間の隙間が過充填されないことが確実となり得る。塗布形状は、線状の塗布形状に限定される必要はない。例えば、熱伝導材料の点状塗布を選択することも可能である。また、例えば熱伝導材料を特定の領域に噴霧、散布、又は他の方法で塗布することにより、熱伝導材料の塗布タイプを変えることができる。塗布タイプは、特にそれぞれ選択された塗布形状にも適合させることができる。さらに、例えば、個々のセグメントへの伝熱面及び/又はバッテリモジュールの上記側の分割のタイプも変えることができ、すなわち、格子配置の変更を行うことができる。したがって、セグメントへの分割のタイプは、例えばそれぞれ選択された塗布形状に適合させて行われる。さらに、塗布形状を局所的に変えることも可能である。したがって、例えば、特定の領域では線状塗布形状を熱伝導材料に選択することができ、他の領域では熱伝導材料の点状塗布形状選択することができ、さらに他の領域では、例えば別の幾何学的形状又は形状が熱伝導材料に選択される。塗布形状を適合させるために、熱伝導材料のそれぞれ選択された形状間の距離も要件に従って変えることができる。熱伝導材料のサイズ、配置、及び/又は間の距離(the size, arrangement and/or distances between the heat-conducting material)に関して塗布形状を適合させることにより、熱伝導材料の塗布が多すぎることも少なすぎることもなく、できる限り最適な熱伝導材料の充填度を達成することができる。塗布形状は、特に熱伝導材料を塗布する際の形状又は設計、すなわち例えば線状、点状等を指す。塗布イメージは、このとき、該当する塗布面、すなわち伝熱面及び/又はバッテリモジュールの被収容側への熱伝導材料のそれぞれ選択された塗布形状及び配置から得られる。したがって、塗布イメージは、塗布された熱伝導材料の個々の領域間でそれぞれ選択された距離により、また熱伝導材料のそれぞれ選択された塗布形状(点状、線状、層状等)及び熱伝導材料の個々の要素が塗布される広さによっても決まる。
【0026】
本発明のさらに別の可能な実施形態において、複数のバッテリモジュール及び収容構造を測定し、測定に応じて、特に各隙間を充填する熱伝導材料の最小限の供給量に関する少なくとも1つの所定の割り当て基準に従って、収容構造に対するバッテリモジュールの割り当てを行う。したがって、換言すれば、複数のバッテリモジュール及び複数の収容構造の双方の測定により、ある種のマッチングプロセスを実行することができる。したがって、各バッテリモジュールと収容構造との間で最善の組み合わせを実施することができる。これは例えば、各収容構造で生じる隙間が特に小さく、熱伝導材料の必要供給量が特に少ないという点で達成され得る。例えば、収容構造の伝熱面及びバッテリモジュールの被収容側の厳密な形状が考慮され、特に均一な隙間厚さ、したがって特に均一な熱伝導材料の厚さがあるように該当するバッテリモジュールと収容構造との間の割り当てが行われることも考えられる。基本的には、多種多様な割り当て基準を予め決定することができ、それに従って種々のバッテリモジュール及び収容構造のマッチング又は割り当てが実行される。
【0027】
本発明のさらに別の可能な実施形態によれば、測定から得られるデータを用いて、収容構造及び/バッテリモジュールの場合に所定の公差が守られているか否かを検証する。したがって、ごく一般的には、上記データを用いて、該当するコンポーネントが図面仕様と、例えば所定の公差領域と相関するか否かを比較、例えば検証することもできることで、このようにしてNOT-OK部品、すなわち不合格品を特定することができる。
【0028】
本発明のさらに別の可能な実施形態によれば、測定から得られるデータを用いて、収容構造及び/又はバッテリモジュールの製造に用いられる工具及び/又は半製品の摩滅を判定する。したがって、例えば測定から得られるデータは、厳密に統計的に評価され得る。測定から得られるデータが分かっていれば、収容構造及びバッテリモジュールの形状若しくは寸法又は位置公差の変化に基づいて、収容構造及び/又はバッテリモジュールの製造に用いられる特定の半製品用の工具(tools for semi-finished products)の摩滅の程度を認識することが可能である。したがって、他のプロセス、特に後続のプロセスに対する影響も早期に認識することができる。
【0029】
自動車用のバッテリの熱界面を作る本発明によるシステムは、測定装置と、データ処理装置と、供給装置と、装着装置とを備え、これらは、本発明による方法又は本発明による方法の有利な実施形態を実行するよう構成される。本発明による方法の有利な実施形態は、本発明によるシステムの有利な実施形態であると考えられ、またその逆でもあり、本システムは、特に本方法ステップを実行する手段を有する。
【0030】
半導体記憶装置、ハードディスクメモリ、又は光学記憶装置等の機械可読キャリア又は記憶媒体に記憶させることができ、特にコンピュータ又は装置での実行時に上記実施形態の1つによる方法のステップを実行、実装、及び/又は制御するために用いられる、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムも有利である。
【0031】
本発明のさらなる利点、特徴、及び詳細は、好ましい実施例の以下の説明から図面を参照して得られる。本明細書で前述した特徴及び特徴の組み合わせ、並びに以下の図の説明及び/又は図単独に示す特徴及び特徴の組み合わせは、所与の組み合わせそれぞれで用いることができるだけでなく、本明細書の範囲から逸脱せずに他の組み合わせで又は単独で用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】収容構造に配置されたバッテリモジュールを有する自動車用のバッテリの一部の、バッテリモジュールと収容構造との間に熱界面材料又はギャップフィラーとして働く熱伝導材料が配置された概略断面図である。
図2】モジュールの配置前に既に、収容構造の伝熱面の領域に熱伝導材料が線状に塗布されている収容構造の上面図である。
図3】収容領域の測定時に得られたデータを視覚化したものである。
図4】熱伝導材料の供給仕様及び熱伝導材料の塗布の決定を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図中、同一又は機能的に同一の要素には同じ参照符号が付してある。
【0034】
自動車用のバッテリ10を、図1に概略側断面図で示す。バッテリ10は、複数のバッテリモジュール12を有することができ、ここではバッテリモジュール12の1つのみを概略的に示す。バッテリモジュール12は、例えば、相互に接続された複数のリチウムイオン電池を含むことができ、これらは、より詳細には図示しないバッテリモジュール12のハウジング内に配置される。さらに、バッテリモジュール12を収容するためのここではより詳細に図示しない収容構造に属する、伝熱面14を見ることができる。伝熱面12は、例えば、隔壁板であり得るか、又はヒートシンク又は冷却板を有するハウジング側でもあり得る。
【0035】
バッテリモジュール12の正確な装着位置において、バッテリモジュール12の下側16と伝熱面14との間には、ここではより詳細に図示しない隙間が生じ、その大部分に熱伝導材料18が充填される。熱伝導材料18は、熱界面材料又はいわゆるギャップフィラーである。熱伝導材料18は、熱的接続と共にバッテリモジュール12から伝熱面14へのできる限り最適な熱の伝達を保証する働きをする。これを達成するために、バッテリモジュール12の下側16と伝熱面14との間の上記隙間を空気の混入なくできる限り充填することが特に重要である。
【0036】
製造技術上の理由で、バッテリモジュール12を、また特に伝熱面14も、常に全く同一に製造することは通常は不可能である。また、コスト上の理由だけで、バッテリモジュール12及び伝熱面12の場合に寸法変動、位置変動、及び形態変動の発生を許す特定の公差が予め決定されるか又は許可される。バッテリモジュール12の下側16の形状に関する公差領域をここでは概略的に図示する。同様に、伝熱面14の形状に関する公差領域22を概略的に示す。
【0037】
したがって、下側16及び伝熱面14では異なる起伏又は隆起が生じる場合があり、これは、純粋に製造技術上の理由から生じる場合があり、公差領域20、22内で許容もされる。さらに、バッテリモジュール12の下側16及び伝熱面14の領域それぞれの接続点24、26を概略的に示す。接続点24、26の場合、同様に特定の公差領域28、30が容認される。特に、特定の位置公差を接続点24、26に関して得ることができる。
【0038】
異なる公差領域20、22、28、30により、熱伝導材料18を充填すべき上記隙間のサイズ及び形状に関してある程度の余裕が得られる。全ての公差が十分に用いられる場合に得ることができる最小隙間高さ32及び最大隙間高さ34を概略的に図示する。最小又は最大隙間高さ32、34に対応して、最小限の隙間の場合には対応する供給体積36が得られ、隙間の最大サイズの場合には供給体積38が得られる。
【0039】
図2に、バッテリ10の既に述べた収容構造40を斜視断面図で示す。この場合、特にバッテリモジュール12の装着前に熱伝導材料18が複数の線42の形態で塗布されている、既に前述した伝熱面14を見ることができる。この場合、伝熱面14の領域にねじタブの形状に形成された接続点26を見ることができる。収容構造40は、バッテリフレーム44と、それによりフレーム式に囲まれた複数の収容領域46とを有し、収容領域のそれぞれが、下側16をそれぞれが有するバッテリモジュール12の1つを収容する働きをする。熱伝導材料18の線42は、各バッテリモジュール12の装着時に圧縮され、その後、該当するバッテリモジュール12の下側16と該当する収容領域46の熱伝導面14との間で各熱界面を形成する。以降の図に基づいて、熱界面を作る方法をより詳細に説明する。
【0040】
図3に、バッテリ10の収容領域46の1つを上面図で示し、ここに示す収容領域46の伝熱面14に関する測定結果を図示する。収容領域46は、概略的に示す測定装置48により測定される。測定装置は、この目的で、例えば3Dカメラシステム、レーザ測定装置、測定プローブ、及び/又はそれに類するものを有し得る。収容領域46の測定中に、特に伝熱面14の形状、特に起伏及び/又は隆起が検出及び測定される。さらに、好ましくは固定点として働く接続点26の各位置も測定され、したがって検出される。同様に、特に起伏及び/又は隆起に関して、収容領域46に嵌め込まれるようになっている関連するバッテリモジュール12の下側16の形状を測定及び検出することも可能である。同様に、バッテリモジュール12の接続点24(図1参照)の各位置も検出及び測定することができる。
【0041】
この場合、収容領域46の測定中に得られたデータは、より詳細に説明しない等高線の形態で視覚化されている。したがって、伝熱面14の特に上記起伏及び/又は隆起を精密に定量化することができる。追加として又は代替として、バッテリモジュール12に関しても同じことを行うことができる。
【0042】
測定に応じて、バッテリモジュールの正確な装着位置において伝熱面14と該当するバッテリモジュール12の下側16との間に生じる、該当する隙間のサイズ及び形状を決定することができる。該当する測定結果のこの決定、すなわち評価及び分析は、概略的に示すデータ処理装置50により実行され得る。該当する隙間のサイズ及び形状の決定後に、それに基づいて、バッテリモジュール12の下側16と該当する伝熱面14との間の隙間を充填するようになっている熱伝導材料18の供給仕様がデータ処理装置50により決定される。供給仕様に関するデータは、データ処理装置50からここでは同じく概略的にしか示さない供給装置52に伝送される。
【0043】
この供給装置52は、続いて、例えば図2に示す熱伝導材料18の個々の線42の形態の塗布を行う。熱伝導材料18の塗布後に、収容領域46へのバッテリモジュール12の実際の装着が行われる。装着は、同じくここでは概略的にしか示さない装着装置54により行われる。測定装置48、データ処理装置50、供給装置52、及び装着装置54は、熱伝導材料18で形成されたバッテリ10内の各熱界面を作るシステム56を合わせて形成する。
【0044】
バッテリモジュール12の装着中に、該当するバッテリモジュール12の下側16は、塗布又は導入された熱伝導材料18の個々の線42と接触する。バッテリモジュール12の設置手順において、個々の線42が圧縮された後に、圧縮された熱伝導材料18は、該当するバッテリモジュール12の下側16と伝熱面14との間で上記熱界面を形成する。したがって、測定装置48により得られた測定データから、データ処理装置50は、一般公差レベルのタイプを決定し、局所的又は全体的な差が検出される。供給仕様の決定は、ここではデータ処理装置50に実装されたアルゴリズムにより実行されることが有利である。
【0045】
図4には、測定を評価して上記供給仕様に実現する可能な手順を概略的に示す。供給仕様の決定時に、伝熱面14は個々のトラック58に分割される。個々のトラック48は、続いてさらに個々のセグメントに分割され、これをここでは個々の線42の下に概略的に示し、それに従って熱伝導材料18が伝熱面14に塗布される。個々のセグメント60については、塗布される熱伝導材料18に関する個々の体積それぞれを、供給仕様の決定中に個々のセグメント60について予め決定することができる。したがって、ごく単純に、充填すべき隙間の形状及びサイズに関して局所的な条件を考慮することができる。個々の体積の計算は、続いてここでは5つの線42の形状のそれぞれ選択された塗布形状に変換されるか又は割り当てられ、それに従って、供給装置52は熱伝導材料18を伝熱面14に塗布する。
【0046】
右上に概略的に示すように、該当するバッテリモジュール12の下側16と伝熱面14との間の既存の隙間をできる限り最適に且つ過剰供給することなく局所的に充填するために、各線42の断面62を変えることができる。供給仕様の決定時に、収容構造14及び/又はバッテリモジュール12の剛性に関する局所的な差も考慮することができる。したがって、例えば、バッテリモジュール12及び/又は収容構造40の熱伝導材料18の変形又は弾性を補償するために、決まった領域にある程度過剰な熱伝導材料を計画又は提供することが可能である。
【0047】
この場合に分かるように、供給装置52により各線42の形状で熱伝導材料18を塗布することになっている。供給仕様の決定時に、例えば各線42の上記断面62を、局所的に充填すべき隙間のサイズ及び形状に応じて適合するように予め決定することができる。供給装置52の場合の流量及び/又は供給速度の閉ループ制御により、各線42の断面62は、適切な供給仕様に従って熱伝導材料18の塗布時に局所的に適合させることができる。ここでは、個々の線42をセグメント60毎に部分的に異なる線幅で示すことでこれを概略的に示す。
【0048】
例えば線42の数を局所的に変えることで、選択された塗布イメージを変えることも可能である。したがって、例えば、隙間の充填に必要な熱伝導材料18が比較的少ない領域には、ここに示す5つの線42の代わりに3つの線42のみを提供することが可能である。当然ながら、必要であれば、5つよりも多くの線42も塗布することができる。線42の断面62の形状は、単なる例として円形が選択されている。原理上、いかなる種類の断面62又は断面形状も可能であり、線42は、例えば三角形、矩形、又は他の形状の断面62も有し得る。ここに示す線状の塗布イメージの代わりに、他の塗布イメージを選択することもできる。
【0049】
線42の供給又は塗布の実行後に、それぞれ特定のプロセスウィンドウ内で、線42により塗布又は導入された熱伝導材料18は、該当するバッテリモジュール12の装着又は設置により圧縮される。該当するバッテリモジュール12の設置のこのプロセスは、下流で実行することもでき、それに応じて具体的な熱伝導材料がギャップフィラー又は熱界面材料として用いられる。該当するバッテリモジュール12の装着及び設置後に、該当するバッテリモジュール12の下側16と伝熱面14との間の既存の隙間を少なくとも実質的に空気の混入なく充填するように、個々の線42が圧縮された。したがって、該当するバッテリモジュール12と伝熱面14との間に特に良好な熱界面が得られる。
【0050】
供給仕様の決定前に、バッテリモジュール12のいくつか及び収容構造40のいくつかを測定することも可能であり、測定に応じて、各収容構造40への各バッテリモジュール12の割り当てが少なくとも1つの所定の割り当て基準に従って実行される。例えば、割り当て基準には、必要な熱伝導材料18の供給量が最小限であることが含まれ得る。割り当て基準に、できる限り均一な熱伝導材料18の厚さが可能であることが含まれる可能性もある。
【0051】
したがって、バッテリモジュール12及び収容構造40の双方での測定により、収容構造40の各フレーム区画の形態の最適な収容領域に対して、それぞれ最適なバッテリモジュール12を選択することができる。概して、例えばバッテリモジュール12及び収容構造40がそれぞれの公差に関してそれぞれの図面仕様又は妥当性範囲を満たすか否かを検証して、NOT-OK部品を特定することができるように、測定から得られたデータを比較に用いることもできる。測定値を厳密に統計的に評価することも可能であり、例えば、該当するバッテリモジュール12及び/又は収容構造40の製造に用いられる成形工具又は半製品の摩滅に関する傾向を認識することができる。この種の分析は、プロセス、特に後続のプロセスに影響を及ぼし、したがって早期に認識することもできる。
【符号の説明】
【0052】
10 バッテリ
12 バッテリモジュール
14 伝熱面
16 バッテリモジュールの下側
18 熱伝導材料
20 バッテリモジュールの下側の形状に関する公差領域
22 伝熱面の形状に関する公差領域
24 バッテリモジュールの接続点
26 伝熱面の領域の接続点
28 バッテリモジュールの接続点の位置に関する公差領域
30 伝熱面の領域の接続点の位置に関する公差領域
32 最小隙間高さ
34 最大隙間高さ
36 最小隙間高さの場合の供給体積
38 最大隙間高さの場合の供給体積
40 収容構造
42 線
44 バッテリフレーム
46 収容領域
48 測定装置
50 データ処理装置
52 供給装置
54 装着装置
56 システム
58 トラック
60 セグメント
62 線の断面
図1
図2
図3
図4